JP2006259340A - クリーニング装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

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【課題】 架橋型電荷輸送層を有する感光体を用いた場合でもクリーニング不良の発生を防止して良好なクリーニングを行なう。
【解決手段】 感光体ドラム1は、感光体最表層部に硬い表層として架橋型電荷輸送層を用い耐摩耗性を向上させた感光体である。クリーニング装置5のクリーニングブレード8は、300%モジュラス200×10Pa 以上の弾性部材である。また、クリーニングブレード8の感光体ドラム1への当接圧を50〜200N/cmとし、クリーニング角度を70〜85度に設定する。これにより、架橋度合いの違いによる硬化反応ムラが発生してクリーニングブレードと感光体との当接部のクリーニングブレードエッジ部での安定した当接状態を得ることが難しい、架橋型電荷輸送層を用いた感光体においてもクリーニング不良の発生を防止できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置における像担持体をクリーニングするクリーニング装置に関するものである。
特開昭56−48637号公報 特開昭64−1728号公報 特開平4−281461号公報 特許第3262488号公報 特許第3194392号公報 特開2000−66425号公報
従来から、高感光体寿命を目的とし耐摩耗性を向上すべく感光体最表層部に硬い表層として架橋型電荷輸送層を用いた感光体が知られており、例えば特許文献1〜6に開示されている。
架橋型電荷輸送層とは架橋型電荷輸送塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、熱や光照射の外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋型電荷輸送層が形成されるものである。また、架橋型電荷輸送層は電荷輸送機能を有する架橋構造を有する層で、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成されたものである。このような架橋型電荷輸送層に関しては全体的に硬い表層を形成することが可能となるものの、以下のような問題がどうしても発生してしまう。
すなわち、架橋型電荷輸送塗工液を塗布し熱や光照射の外部エネルギーにより硬化反応を行わせる際にはどうしてもある程度架橋度合いの違いによる硬化反応ムラが発生してしまう。すると前記硬化反応ムラの発生した箇所におけるクリーニングブレードと感光体との当接部のクリーニングブレードエッジ部は、安定した当接状態を得ることが難しい。そのため、転写残留トナーがクリーニングブレードからすり抜けることでクリーニング不良による異常画像が発生してしまうという問題がある。
本発明は、架橋型電荷輸送層を有する感光体を用いた場合の上述の問題を解決し、クリーニング不良の発生を防止して良好なクリーニングを行なうことのできるクリーニング装置を提供することを課題とする。
また、良好なクリーニングを行なうことのできるクリーニング装置を備えるプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することも本発明の課題である。
前記の課題は、本発明により、支持体上に、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層からなる感光層を設けた像担持体を、クリーニングブレードを用いて清掃するクリーニング装置において、前記クリーニングブレードは、300%モジュラスが200×10Pa以上の弾性部材であることにより解決される。
また、前記クリーニングブレードは、前記像担持体に対する当接圧が50〜200N/cm、クリーニング角度が70〜85度に設定されると好ましい。
また、補助クリーニング部材を有すると好ましい。
また、前記の課題は、本発明により、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクリーニング装置と前記像担持体とを少なくとも備え、画像形成装置本体に対し着脱自在に構成されることを特徴とするプロセスカートリッジにより解決される。
また、前記の課題は、本発明により、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクリーニング装置または請求項4に記載のプロセスカートリッジを備えることを特徴とする画像形成装置により解決される。
本発明のクリーニング装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置によれば、支持体上に、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層からなる感光層を設けた像担持体を、300%モジュラスが200×10Pa以上の弾性部材であるクリーニングブレードを用いて清掃するので、耐摩耗性を向上させた架橋型電荷輸送層を用いた感光体に対してもクリーニング不良の発生を防止することができる。
請求項2の構成により、クリーニングブレードは像担持体に対する当接圧が50〜200N/cm、クリーニング角度が70〜85度に設定されるので、クリーニング条件の最適化を図ることができ、安定したクリーニング性能を維持することができる。
請求項3の構成により、補助クリーニング部材を有するので、より確実なクリーニングを行なうことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るクリーニング装置を備える画像形成装置の一例を示す断面構成図である。また、図2は、その画像形成装置の作像部を示す断面図である。
これらの図に示す画像形成装置100はプリンタとして構成され、装置上面に排紙トレイ13を設けている。排紙トレイ13の下にレーザ書込みユニット10を配置し、その下方に感光体ドラム1を中心とする作像部を設けている。感光体ドラム1の周囲には、電子写真プロセスに必要な帯電器2,現像装置3,転写装置4,クリーニング装置5,除電器6等の各機器が配置されている。転写装置としての転写チャージャ4に隣接して分離チャージャ7が配置される。その作像部の図において左方には、定着装置12が配置され、感光体ドラム1と定着装置12間は搬送ベルト11によって連絡されている。
レーザ書込みユニット10は、レーザ出力ユニット,結像レンズおよびミラー等で構成され、レーザ光源であるレーザダイオード及びモータによって高速で定速回転する回転多面鏡(ポリゴンミラー)を有している。レーザ出力ユニットより照射されるレーザ光は、定速回転するポリゴンミラーで偏光され、結像レンズを通り、ミラーで折り返され、作像部の感光体面上に集光結像する。
装置下部には2段の給紙カセット15,15が備えられ、各給紙カセットに対応する給紙手段16,16が設けられている。給紙カセット15から排紙トレイ13までの用紙搬送路中の各所には搬送ローラ17が適宜配置されている。各給紙カセット15から給紙手段16によって送出された用紙は、搬送ローラ17によって上方に搬送され、レジストローラ10へと送られる。
本例のプリンタ100においては、感光体ドラム1とそれに付随する現像装置3及びクリーニング装置5等をプロセスカートリッジとして一体的に画像形成装置本体に対して脱着可能に設けている。クリーニング装置5は、クリーニングブレード8及びブラシローラ(補助クリーニング部材)9を備え、感光体ドラム1表面に残留するトナー等の異物を除去する。なお、感光体ドラム1は図中時計回りに回転される。
上記のように構成されたプリンタ100における複写動作について簡単に説明する。
パソコン等の外部機器より送られた画像データに基づいて書き込みユニット10のレーザ出力ユニットが駆動され、書き込みユニット10からのレーザー光が感光体ドラム1に照射され、感光体ドラム1の表面に静電潜像が形成される。その静電潜像に現像装置3よりトナーが付与されてトナー像として可視化される。
一方、給紙カセット15,15のいずれかより用紙が給紙され、レジストローラ14へ給送されてる。そして、感光体ドラム1上のトナー像とタイミングを合わせてレジストローラ14より用紙が転写部へ送出される。転写装置4により感光体ドラム1上のトナー像が用紙上に転写され、分離チャージャ7により用紙が感光体より分離される。トナー像を担持した用紙は搬送ベルト11により定着装置7へ搬送され、加熱及び加圧によりトナー像が用紙に定着される。トナー像定着後の用紙は搬送ローラ17により搬送され、排紙ローラ18によって装置上面の排紙トレイ13へと排出される。
なお、感光体ドラム1の表面を一様に帯電させる帯電器としては、本例のチャージャタイプのほかに、感光体表面に接触するタイプ、たとえば帯電ローラを採用することもできる。また、転写装置としては、本例のチャージャタイプのほかに、感光体表面に接触するタイプ、たとえば転写ローラあるいは転写ベルトを採用することもできる。さらに、書込みユニットとしては、本例のレーザスキャン方式の他に、例えばLED(発光ダイオード)アレイと結像素子からなる露光装置を採用することもできる。そのほか、定着装置としては、ベルト定着装置や誘導加熱方式のものなどを採用可能である。
さて、本例のプリンタ100において感光体ドラム1として用いる感光体は、図3に示すように、導電性支持体21上に、電荷発生機能を有する電荷発生層22と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層23と架橋型表面層24とが積層された積層構造の感光体である。
導電性支持体21としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示す金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨などの表面処理を施した管などを使用することができる。
電荷発生層22は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもでき、電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
電荷輸送層23は電荷輸送機能を有する層で、電荷輸送機能を有する電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層22上に塗布、乾燥することにより形成させる。電荷輸送層23の膜厚は5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。このようにして形成された電荷輸送層23上に、後述の架橋型電荷輸送層塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、熱や光照射の外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋型電荷輸送層24が形成される。
架橋型電荷輸送層24は電荷輸送機能を有する架橋構造を有する層で、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成されたものである。
なお、本例で用いる感光体においては、導電性支持体21と電荷発生層22との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。これにより、導電性支持体21からの電荷注入を防ぎ、帯電特性の悪化を回避することができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
ところで、従来、上記のような感光体を用いる場合には、表面層の硬化反応ムラに起因してクリーニングブレードと感光体との当接部のクリーニングブレードエッジ部は、安定した当接状態を得ることが難しく、クリーニング性能が低下するという問題があった。
クリーニングブレードのクリーニング性能を表す一つの目安として、クリーニングブレードからのトナーすり抜け量を測定する方法がある。
トナーすり抜け量測定方法は、
(1)クリーニングブレード下流側に一定圧で白い布を押し当てる。
(2)所定条件で通紙動作を行う。
(3)通紙動作終了後、白い布をはがし、反射濃度計で濃度を測定する。
である。
このトナーすり抜け量測定を本例で使用する架橋型電荷輸送層を用いた感光体について実施したところ、表1に示すように、従来型(通常型)の感光体に比べてトナーすり抜け量が大幅に増加し、クリーニング性能が低下することが明らかになった。実際に画像を形成する通紙試験を行った場合には、クリーニング不良として画像上の不具合も発生した。
Figure 2006259340
このようなクリーニング性能の低下を防止するために、本願発明者は、各種ブレード材料でトナーすり抜け量を測定した結果、ブレード物性の300%モジュラスに注目して見るとクリーニング性能と相関があることが明らかになった。クリーニングブレードのブレード物性とクリーニング性能の関係を次の表2に示す。
Figure 2006259340
これらの結果から、本例で使用する架橋型電荷輸送層を用いた感光体に対しては、300%モジュラス200×10Pa 以上のクリーニングブレード用いることで従来型感光体と同等のクリーニング性能を満足できる。
また、上記したブレード物性のクリーニングブレードを用いる場合において、クリーニングブレードの感光体への当接荷重(当接圧)及びクリーニング角度の条件によってもクリーニング性能に相関があることが判った。
図4のグラフに、感光体に対するクリーニングブレードの当接圧及び当接角度とクリーニング性能の結果を示す。このグラフにおいて、すり抜け反射濃度0.15以下をクリーニング性:良好として「○」印で示し、すり抜け反射濃度0.15以上をクリーニング性:不良として「×」印で示す。図3のグラフから判るように、当接圧50〜200N/cm で当接角度70〜85度の範囲でクリーニング性が良好である。なお、クリーニング角度は、図5に示すように、ブレード接点位置での感光体接線とブレードカット面のなす角度(θ)と定義する。
これらの結果から、本発明のクリーニング装置では、架橋型電荷輸送層を用いた感光体に対して、(1)クリーニングブレードの当接圧:50〜200N/cm、(2)クリーニング角度:70〜85度、とする。これにより、架橋型電荷輸送層を用いた感光体であってもクリーニング不良の発生を防止することができる。
以上、本発明を図示例により説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、クリーニングブレードでクリーニングする像担持体(感光体)はドラム状に限らず、ベルト状感光体でも良い。また、クリーニング装置としては、クリーニングブレードのみによりクリーニングを行うものでも良いし、クリーニングブレードとブラシローラあるいはクリーニングローラを併用するものでも良い。
また、プロセスカートリッジとしては、クリーニング装置及び像担持体(感光体)以外に搭載する機器は任意である。
また、画像形成装置各部の構成も任意であり、複数の感光体を備えるもの、単数の感光体の周囲に複数の現像装置を備える構成でも構わない。また、中間転写方式の画像形成装置でも良い。もちろん、画像形成装置としてはプリンタに限らず、複写機やファクシミリ、あるいは複数の機能を有する複合機でも良い。
本発明に係るクリーニング装置を備える画像形成装置の一例を示す断面構成図である。 その画像形成装置の作像部を示す断面図である。 架橋型電荷輸送層を有する感光体の積層構造を示す模式図である。 クリーニングブレードの感光体への当接圧及びクリーニング角度とクリーニング性能の関係を示すグラフである。 クリーニング角度を説明する模式図である。
符号の説明
1 感光体ドラム(像担持体)
2 帯電器
3 現像装置
4 転写装置
5 クリーニング装置
6 除電器
8 クリーニングブレード
9 ブラシローラ(補助クリーニング部材)
10 レーザ書込みユニット
21 導電性支持体
22 電荷発生層
23 電荷輸送層
24 架橋型表面層
100 画像形成装置

Claims (5)

  1. 支持体上に、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層からなる感光層を設けた像担持体を、クリーニングブレードを用いて清掃するクリーニング装置において、
    前記クリーニングブレードは、300%モジュラスが200×10Pa以上の弾性部材であることを特徴とするクリーニング装置。
  2. 前記クリーニングブレードは、前記像担持体に対する当接圧が50〜200N/cm、クリーニング角度が70〜85度に設定されることを特徴とする、請求項1に記載のクリーニング装置。
  3. 補助クリーニング部材を有することを特徴とする、請求項1に記載のクリーニング装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のクリーニング装置と前記像担持体とを少なくとも備え、画像形成装置本体に対し着脱自在に構成されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のクリーニング装置または請求項4に記載のプロセスカートリッジを備えることを特徴とする画像形成装置。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003131416A (ja) * 2001-10-26 2003-05-09 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置および画像形成方法
JP2004086142A (ja) * 2002-06-26 2004-03-18 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用感光体、電子写真用部材、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

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