JP2006258627A - 超音波探傷検査用接触媒質、ならびにそれを備えた超音波探傷検査装置および接触式超音波探傷検査方法 - Google Patents

超音波探傷検査用接触媒質、ならびにそれを備えた超音波探傷検査装置および接触式超音波探傷検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温下で、測定対象物の内部欠陥を検査することができる高温用接触媒質、さらにそれを用いた超音波探傷方法および超音波探傷装置を提供する。
【解決手段】300〜1200℃の温度域の少なくとも一部で液状を示す高温溶融金属と、融点が100℃以下であり、沸点が200℃以上である低温溶融物質を含む超音波探傷検査用接触媒質である。接触媒質(高温測定用接触媒質)3が探触子1の先端に付着し、探触子1と測定対象物4とが該高温測定用接触媒質3を介して対向する、この接触媒質3が、高温下でも探触子1と測定対象4とに密着可能であるため、高温下であっても精度よく探傷できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高温下でも用いることができる超音波探傷検査用接触媒質、ならびにそれを備えた超音波探傷検査装置および超音波探傷検査方法に関するものである。
従来、測定対象物の内部構造を非破壊検査する方法の1つとして、超音波探傷検査方法が用いられている。この方法では、探触子を測定対象物に接触させ、測定対象物に超音波を送信して、測定対象物からの反射波または透過波の強度や伝搬時間などを測定している。そして、探触子と測定対象物との間に接触媒質を介在させることで、探触子と測定対象物との間での超音波伝搬効率を高め、測定誤差を低減させている。しかし、接触媒質の多くは、常温(室温)条件下で測定することを対象としたものが多く、高温下での測定には適したものは少なかった。
高温下での検査で用いることができる接触媒質として、例えば特許文献1および2が知られている。特許文献1の接触媒質は、微粉末無機物を含有するメチルフェニルシリコーンオイルからなっている。この接触媒質は、表面温度が400℃以下の検査物に使用できるとされている。また特許文献2では、B23が0〜60重量%、SiO2かAl23が0〜40重量%、P25が20〜70重量%、M2O(Mはアルカリ金属)が8〜80重量%の範囲にある組成物が接触媒質として用いられている。この特許文献2の接触媒質は0〜700℃の温度範囲で溶融もしく粘性を変化し、半液状化または液状化するとされている。
特開平2−115764号公報 特開平4−29056号公報
しかし、特許文献1および2に記載されている接触媒質では、例えば製造過程で1000℃以上に達することがある鋼材の内部欠陥を、冷却することなく直に検査することはできなかった。
1000℃以上の鋼材の内部欠陥を検査するためには、例えば、電磁超音波を用いた非接触式検査が考えられる。この方法では、非接触測定が可能であるため、接触媒質を必要とはしない。しかし非接触測定は、超音波の伝搬効率が接触式よりも極端に劣り(−80dB程度)、欠陥の検出効率が悪い。さらに、非接触式でも、探触子を高温の測定対象物に数mm程度まで近づける必要があり、探触子の耐熱性から考えれば、1000℃前後の検査対象に適用できるとはいえない。
そこで本発明は、このような事情を鑑み、高温下で、精度よく測定対象物の内部欠陥を検査できる高温用接触検査用媒質、さらにそれを用いた超音波探傷検査方法および超音波探傷装置を提供することを課題とした。
前記課題を解決し得た本発明の超音波探傷検査用接触媒質は、
300〜1200℃の温度域の少なくとも一部で液状を示す高温溶融金属と、融点が100℃以下であり、沸点が200℃以上である低温溶融物質を含むことを特徴としている。
本発明の超音波探傷検査用媒質によれば、高温下で、精度よく測定対象物の内部欠陥を検査することができる。その際、高温溶融金属が、スズ、鉛及びこれらの合金から選択される少なくとも1種であることが好ましい。低温溶融物質が、グリセリンであることが好ましい。
また前記課題を解決し得た本発明の超音波探傷検査装置は、
超音波発生手段と、前記超音波発生手段から生じた超音波を測定対象に向けて送信すると共に測定対象からの超音波エコーを受信するための超音波送受信手段と、この超音波送受信手段で受信した超音波エコーを検出するための超音波検出手段とを備えており、超音波送受信手段が改良されている。
第1の態様では、前記超音波送受信手段が探触子から構成されており、この探触子の先端に、上記超音波探傷検査用媒質が付着している。
第2の態様では、前記超音波送受信手段が、探触子本体と、30〜80℃の温度域の少なくとも一部で液状を示す低温用媒質を介して前記探触子本体の先端に接触する固体超音波媒体から構成され、かつ固体超音波媒体側で測定対象と超音波を送受信するものであり、
前記固体超音波媒体の先端に、上記超音波探傷用接触媒質が付着している。第2の態様では、探触子を冷却するための冷却機構を備えていることも好ましい。
さらに、前記課題を解決し得た本発明の超音波探傷検査方法は、
超音波探傷用探触子と測定対象との間に、特定の介在物を挿入している点に特徴を有している。
第1の態様では、前記超音波探傷用接触媒質を介在させる。
第2の態様では、探触子側から順に、30〜80℃の温度域の少なくとも一部で液状を示す低温用媒質、固体超音波媒体、および前記超音波探傷用接触媒質を介在させる。第2の態様では、前記固体超音波媒体が、前記測定対象物と同じ材質であることも好ましい。
本発明の超音波探傷検査用媒質を用いれば、高温溶融金属によって耐熱性を高めることができ、かつ高温溶融金属の表面を低温溶融物質が被覆することによって高温溶融金属の欠点である低い接触性(密着性)が改善さるためか、高温下で、精度よく測定対象物の内部欠陥を検査することができる。
本発明者らは、前述の問題を解決するために研究を進め、幾つかの組成の接触媒質を作成し、該接触媒質を用い、高温下で探触子から測定対象物に超音波を送信し、測定対象物の底面で反射して帰ってくる反射波(超音波エコー)の強度と伝搬時間の違いについて評価した。まず接触媒質として、高温下での測定を可能にするため、スズや鉛などの高温で溶融する金属(高温溶融金属)を用いたところ、反射波が観察されなかった。測定対象物の表面や探触子の表面は、通常、いずれも完全な鏡面とはなっておらず、表面には加工する際に生じたキズなどの細かな凹凸が少なからず存在しており、高温溶融金属ではこの凹凸を埋められず、測定感度が低下したものと思料された。そこで高温溶融金属だけでなくグリセリンなどの低温で溶融する物質(低温溶融物質)も併用したところ、高温溶融金属が大きな凹凸を埋め、低温溶融物質が小さな凹凸を埋め、探触子や測定対象物との接触性(密着性)を改善できるためか、精度(感度)よく超音波探傷検査ができることを見出し、本発明に至った。なお検査は数秒〜数十秒程度の比較的短時間で終了するため、高温溶融金属との併用であるならば低温溶融物質を用いた場合であっても低温溶融物質が所望の性能を維持し続けるため、高温下での測定が可能である。
なお高温溶融金属と低温溶融物質とから接触媒質を構成すると、以下のような利点もある。すなわちグリセリンなどの低温溶融物質のみでは、探触子と測定対象物との間の凹凸を埋めて超音波の伝搬を可能にする際に、強い圧力をかけて凹凸中に存在する気泡などを除去する必要がある。これに対して高温溶融金属と低温溶融物質を併用すれば、高温溶融金属が大きな凹凸を埋め、低温溶融物質が小さな凹凸を埋めるためか、強く圧接を行なわなくてもわずかな力で接触させるだけで密着性を高めることができる。
前記高温溶融金属とは、正確には、300〜1200℃の温度域の少なくとも一部で液状を示す金属をいう。この温度領域(高温域)の少なくとも一部で液状を示していれば、当該液状温度で、超音波探傷検査が可能となる。前記温度域の下限は、検査温度(測定対象物の表面温度)に応じて適宜変更してもよく、例えば400℃であってもよく、500℃であってもよい。特に好ましい高温溶融金属は、前記温度域の全ての範囲に亘って液状を示す金属である。
高温溶融金属としては、具体的には、スズ、鉛、ビスマスやそれらの合金などが挙げられる。これら高温溶融金属は、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
一方、前記低温溶融物質とは、正確には、融点が100℃以下であり、沸点が200℃以上である物質をいう。融点が100℃以下であるために凹凸追従性に優れ、検査精度を高めることができ、また沸点が200℃以上であるために高温での検査が可能となる。前記融点は、好ましくは50℃以下、さらに好ましくは0℃以下であってもよい。また融点の下限は特に限定されないが、例えば−50℃以上程度であってもよい。また前記沸点は、好ましくは250℃以上、さらに好ましくは280℃以上である。沸点の上限は特には限定されないが、例えば400℃以下程度(特に300℃以下程度)であってもよい。
前記低温溶融物質は、濡れ性に優れているものが特に好ましい。濡れ性が高いほど、探触子や測定対象物の微細な凹凸を埋めやすくなる。
低温溶融物質としては、好ましくは前記所定の特性を満足するオイル類、ポリマー類(例えば、シリコンオイルなど)、有機化合物類などが挙げられる。これら低温溶融物質は、単独または2種以上組み合わせて使用できる。特に好ましい低温溶融物質には、グリセリンが含まれる。
高温溶融金属と低温溶融物質との混合比は、検査条件に応じて適宜設定すればよいが、通常、低温溶融物質は高温溶融金属100質量部に対して、1質量部以上(好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上)、50質量部以下(好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下)の範囲で使用する。
上記高温溶融金属および低温溶融物質から構成される接触媒質(以下、高温測定用接触媒質と称する場合もある)を用いた超音波探傷検査方法および検査装置について、以下、適宜図面を参照しながら説明する。なお同じ構成部分については同一の符号を付して重複説明を避ける。
図1は、本発明の超音波探傷検査方法(検査装置)の一例を示す概念図である。この図示例では、図示しない超音波送信手段と超音波検出手段を内蔵する装置本体2と、この装置本体2と信号ケーブル7を介して電気的に接続する超音波送受信手段[図示例では、探触子(探触子本体)]1とから構成される超音波探傷装置を用いている。この超音波探傷装置における前記構成は従来公知であり、前記装置本体2内の超音波発生手段で生じた超音波は、超音波送受信手段(探触子)1から測定対象に向けて送信され、測定対象物4からの反射波(超音波エコー)は再び前記超音波送受信手段(探触子)1で受信され、信号ケーブル7を通じて、前記装置本体2内の超音波検出手段へと送られるようになっており、電圧の経時変化(ピーク)として反射波を検出できる。測定対象物4内にキズなどの欠陥がない場合には、測定対象物4の上面(上面反射波)および底面(底面反射波)での反射波だけが検出されるのに対して、測定対象物4内に欠陥がある場合には、当該欠陥での反射波(欠陥反射波)も検出されるため、内部欠陥の存在を知ることができる。また欠陥反射波の大きさ(電圧の変位量)から欠陥の大きさを推定することもでき、超音波を送信してから欠陥反射波が検出されるまでの時間から欠陥の深さを推定することもできる。
そして本発明の検査方法(検査装置)では、上述の高温溶融金属および低温溶融物質から構成される接触媒質(高温測定用接触媒質)3が探触子1の先端に付着しており、探触子1と測定対象物4とが該高温測定用接触媒質3を介して対向するようにしている。この接触媒質3が、高温下でも探触子1と測定対象4とに密着可能であるため、本発明の検査方法(検査装置)によれば高温下であっても精度よく探傷できる。
なお上図1の超音波探傷検査装置では、探触子1と測定対象物4との距離が狭いため、測定対象物4からの熱が探触子1に伝わり易く、その結果、探触子1が高温に曝される場合がある。そのため探触子1を測定対象物4から遠ざけるようにしてもよい。図2は、探触子1を測定対象物4から遠ざけた装置(方法)の一例を示す概念図である。
図2の例では、探触子1と測定対象物4との間に、探触子1側から順に、第2の超音波探傷用接触媒質5、固体超音波媒体6および上述の高温測定用接触媒質3を介在させている。固体超音波媒体6を挿入すると、探触子1と測定対象物4とを遠ざけることができ、測定対象物4からの放射熱による探触子1の温度上昇を軽減できる。また固体超音波媒体6で放熱させることができ、測定対象物4からの伝熱による探触子1の温度上昇も軽減できる。
なお前記第2の接触媒質5は、高温用接触媒質3よりも測定対象物4から離れた場所で用いられるため、比較的低温での超音波伝搬を確実にするために使用される。このような第2の接触媒質5(以下、低温用媒質と称する場合がある)としては、30℃以上(好ましくは50℃以上、さらに好ましくは60℃以上)、80℃以下(好ましくは70℃以下)の温度領域の少なくとも一部で液状を示す物質が使用でき、例えば、公知の常温用接触媒質(水、油、グリセリンなど)が使用できる。この低温用接触媒質は、単独で用いてもよく、相溶可能である限り2種以上組み合わせてもよい。
固体超音波媒体6としては、超音波伝搬性に優れた物質、例えば、金属(特に鋼材)などの高密度かつ高剛性の物質が望ましい。特に好ましい固体超音波媒体6は、測定対象物4と同じ材質から構成されているものである。材質を共通にすることで、測定対象物4と固体超音波媒体6の間での超音波が伝搬する速度の差を少なくし、測定誤差を低減できる。
なお固体超音波媒体6の外形は特に限定されないが、測定対象物4から探触子1を極力遠ざける観点から、円柱、角柱などの概略柱状のものが推奨される。
同様な観点から、固体超音波媒体6の高さ(長さ)は、例えば、20mm以上、好ましくは30mm以上、さらに好ましくは40mm以上にしてもよい。なお固体超音波媒体6が高すぎると超音波伝搬性が低下するため、前記高さは、例えば、100mm以下、好ましくは80mm以下、さらに好ましくは70mm以下程度であってもよい。
さらに固体超音波媒体6は、フィンなどの放熱構造を有していてもよい。
図2の装置は、探触子1を冷却するための冷却機構を備えていることも好ましい。冷却機構としては、水、油、ブラインなどの液体を冷媒とする機構(冷却管、冷却ジャケットなど)、および空気などの気体を冷媒とする機構(ファンなど)が挙げられる。これら冷却機構は、探触子1を直接冷却するものに限られず、上記探触子1と測定対象物4との間の任意の箇所を冷却するものであってもよい。探触子1と測定対象物4との間であれば、どこを直接冷却しても、伝熱によって探触子1を間接的に冷却できる。好ましい冷却機構は、固体超音波媒体6の探触子1側を直接冷却するものである。
これにより探触子1と固体超音波媒体6の間の低温用媒質5での温度上昇を回避することができる。
上述の本発明の検査方法において、測定温度は、検査対象や検査環境に応じて異なるが、本発明によれば測定対象物4の表面が300℃以上(例えば、400℃以上、特に500℃以上)でも検査可能であり、特に1000℃程度(例えば、800〜1200℃程度)であっても検査可能である。
また本発明の検査方法では、種々の金属を測定対象にできるが、好ましい測定対象4は鋼材である。鋼材は製造時に極めて高い温度(例えば、約1000℃程度)まで加熱されることがあり、高温下での検査が可能な本発明法の採用が強く望まれる。
なお本発明の検査方法において、測定前に高温測定用接触媒質3を予め加熱して液状にした後に、測定対象物4に接触させてもよい。高温測定用接触媒質3を予め加熱して液状にすることで、高温溶融金属が溶融して低音溶融物質と安定した状態になるまでのノイズの発生を低減させることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲内に包含される。
比較例1
本比較例1では、図2に記載されている超音波探傷検査装置を用いた。測定対象物4としては温度300℃に加熱した厚み20mmの鋼(SS400材)を用い、固体超音波媒体6としては高さ50mmの鋼(SS400材)を用い、低温用媒質5および超音波探傷検査用媒質3としてグリセリン系の接触媒質(日合アセチレン社製、商品名「ソニコート」)を用い、探触子1および装置本体2としては、クラウトクレーマ社製のUSD−15を用い、超音波を送信し、反射波(反射エコー)を観察した。結果を図3に点線波形として示す。図3は、探触子1で受信した超音波のエコーを電圧に換算したものを経時的に測定したものであり、縦軸にエコーに比例する電圧、横軸に時間を取って表したものである。
なお図3には、非接触条件下での観察結果も対照として実線波形で示す。
図3に示されるように、比較例1の観察波形(図中、点線)には、対照波形(図中、実線)には存在しないピークが、24〜27μsec付近(測定対象物4の表面での反射エコー)および32〜34μsec付近(測定対象物4の底面での反射エコー)に、絶対値で各々0.2V程度および0.1V程度の高さで観察されており、反射波が検出できた。
しかしこの比較例1は、超音波探傷用接触媒質3がグリセリンであるため、より高温での測定は不可能である。
比較例2
超音波探傷検査用媒質3として、スズと鉛の合金(アサヒメタル社製、商品名「Uアロイ」;ビスマス:50質量%、鉛:26.7質量%、すず:13.3質量%、カドミウム:10質量%)を用いた以外は、比較例1と同様にして測定対象物4のエコーを測定し、その結果を図4に示した。
比較例2の観察波形(図中、点線)が、対照である非接触時の波形(図中、実線)と同じであることから明らかなように、反射波の測定は不可能であった。
実施例1
超音波探傷検査用媒質3としてスズと鉛の合金(アサヒメタル社製、商品名「Uアロイ)にグリセリンを質量換算で3%添加したものを用いた以外は、比較例1と同様な条件で測定対象物4のエコーを測定し、その結果を図5に示した。
図5に示されるように、実施例1の観察波形(図中、点線)には、対照波形(図中、実線)には存在しないピークが、24〜27μsec付近(測定対象物4の表面での反射エコー)および32〜34μsec付近(測定対象物4の底面での反射エコー)に、絶対値で各々0.4V程度および0.2V程度の高さで観察されており、反射波が検出できた。それらピークの高さは、比較例1の約2倍程度であり、本実施例1の接触媒質3を用いることで、比較例1の接触媒質3を用いるよりも高温下で、測定対象物の内部欠陥を精度よく検査することが可能である。またこの実施例1の例は、高温用溶融金属(スズ−鉛合金)と低温用溶融物質(グリセリン)を接触媒質3として用いたものであり、より高温での超音波探傷検査も可能である。
本発明の超音波探傷検査装置の一例を示す概念図。 本発明の超音波探傷検査装置の他の例を示す概念図。 比較例1の超音波探傷検査結果。 比較例2の超音波探傷検査結果。 実施例1の超音波探傷検査結果。
符号の説明
1 探触子
2 装置本体
3 超音波探傷検査用媒質
4 測定対象物
5 低温用媒質
6 固体超音波媒体
7 信号ケーブル

Claims (9)

  1. 300〜1200℃の温度域の少なくとも一部で液状を示す高温溶融金属と、融点が100℃以下であり、沸点が200℃以上である低温溶融物質を含むことを特徴とする超音波探傷検査用接触媒質。
  2. 前記高温溶融金属が、スズ、鉛及びこれらの合金から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の超音波探傷検査用接触媒質。
  3. 上記低温溶融物質が、グリセリンである請求項1または2に記載の超音波探傷検査用接触媒質。
  4. 超音波発生手段と、前記超音波発生手段から生じた超音波を測定対象に向けて送信すると共に測定対象からの超音波エコーを受信するための超音波送受信手段と、この超音波送受信手段で受信した超音波エコーを検出するための超音波検出手段とを備えた超音波探傷検査装置において、
    前記超音波送受信手段が探触子から構成されており、この探触子の先端に、請求項1〜3のいずれか1つに記載の超音波探傷検査用媒質が付着していることを特徴とする超音波探傷検査装置。
  5. 超音波発生手段と、前記超音波発生手段から生じた超音波を測定対象に向けて送信すると共に測定対象からの超音波エコーを受信するための超音波送受信手段と、この超音波送受信手段で受信した超音波エコーを検出するための超音波検出手段とを備えた超音波探傷検査装置において、
    前記超音波送受信手段が、探触子本体と、30〜80℃の温度域の少なくとも一部で液状を示す低温用媒質を介して前記探触子本体の先端に接触する固体超音波媒体から構成され、かつ固体超音波媒体側で測定対象と超音波を送受信するものであり、
    前記固体超音波媒体の先端に、請求項1〜3のいずれか1つに記載の超音波探傷用接触媒質が付着していることを特徴とする超音波探傷検査装置。
  6. 前記探触子を冷却するための冷却機構を備えている請求項5に記載の超音波探傷装置。
  7. 超音波探傷用探触子と測定対象との間に、請求項1〜3のいずれか1つに記載の超音波探傷用接触媒質を介在させることを特徴とする接触式超音波探傷検査方法。
  8. 超音波探傷用探触子と測定対象との間に、探触子側から順に、30〜80℃の温度域の少なくとも一部で液状を示す低温用媒質、固体超音波媒体、および請求項1〜3のいずれか1つに記載の超音波探傷用接触媒質を介在させることを特徴とする接触式超音波探傷検査方法。
  9. 前記固体超音波媒体が、前記測定対象物と同じ材質である請求項8に記載の接触式超音波探傷検査方法。
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