JP2006256576A - 電動舵取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電動舵取装置において、舵取ハンドルが設けられるハンドルステーを、操舵軸に対する正しい取付角度位置に簡易に取付けること。
【解決手段】 バーハンドル2が設けられるハンドルステー3を操舵軸4に固定し、操舵軸4と車輪側操舵部材5との間に電動舵取補助ユニット10を介装してなる電動舵取装置1において、操舵軸4が備えるテーパ支持部91に、ハンドルステー3が備えるテーパ結合部92を結合して固定してなるもの。
【選択図】 図2

Description

本発明は電動舵取装置に関する。
電動舵取装置として、特許文献1に記載の如く、舵取ハンドルが設けられるハンドルステーを操舵軸に固定し、操舵軸と車輪側操舵部材との間に電動舵取補助ユニットを介装してなるものがある。
特開平2-193790
特許文献1の電動舵取装置は、操舵軸が備えるスプライン等に、ハンドルステーを結合して固定している。このため、左右操舵方向の中立位置にある操舵軸にハンドルステーを結合するに際し、ハンドルステーの操舵軸に対する取付角度位置を正しい中立位置に取付けるには、ハンドルステーを操舵軸のスプラインに対してくり返し抜き差しする必要があり、煩雑である。
また、ハンドルステーの操舵軸に対する取付角度位置の調整範囲は、スプライン等の歯の1ピッチ間隔より小さくすることができず、微調整できない。
ハンドルステーの正しい中立位置に対する実際の取付角度位置のずれは、丸ハンドルではわかりにくいが、鞍乗型車両等のバーハンドルではその左右延在長さが長い故に両端グリップ部に拡大されて顕著に表われる。
本発明の課題は、電動舵取装置において、舵取ハンドルが設けられるハンドルステーを、操舵軸に対する正しい取付角度位置に簡易に取付けることにある。
請求項1の発明は、舵取ハンドルが設けられるハンドルステーを操舵軸に固定し、操舵軸と車輪側操舵部材との間に電動舵取補助ユニットを介装してなる電動舵取装置において、操舵軸が備えるテーパ支持部に、ハンドルステーが備えるテーパ結合部を結合して固定してなるようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記操舵軸のテーパ支持部をテーパ軸とし、ハンドルステーのテーパ結合部をテーパ孔とし、操舵軸のテーパ軸にハンドルステーのテーパ孔を結合した状態で、操舵軸においてテーパ軸と同軸をなすおねじ部をハンドルステーのテーパ孔と同軸をなす挿通孔に通し、該おねじ部の該挿通孔から突出する端部にナットを締結してなるようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1の発明において更に、前記操舵軸のテーパ支持部をテーパ軸とし、ハンドルステーのテーパ結合部をテーパ孔とし、操舵軸のテーパ軸にハンドルステーのテーパ孔を結合した状態で、ハンドルステーのテーパ孔と同軸をなす挿通孔にボルトを通し、該ボルトの該挿通孔から突出するおねじ部を、操舵軸においてテーパ軸と同軸をなすめねじ部に締結してなる
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記舵取ハンドルをバーハンドルとするようにしたものである。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の電動舵取装置を用いてなる鞍乗型車両である。
(請求項1〜3)
(a)操舵軸のテーパ軸(テーパ支持部)に、ハンドルステーのテーパ孔(テーパ結合部)を軽く入れた状態で、ハンドルステーの操舵軸に対する取付角度位置を確認する。ハンドルステーの取付角度位置が正しい位置からずれていれば、ハンドルステーのテーパ孔を操舵軸のテーパ軸に対して抜き差しすることなくそのまま回してその位置を調整する。そして、ハンドルステーの取付角度位置が正しい位置に決まったら、ハンドルステーのテーパ孔を操舵軸のテーパ軸に対してそのまま本締め固定すれば良く、簡易である。
(b)ハンドルステーの操舵軸に対する取付角度位置の調整は、ハンドルステーのテーパ孔を操舵軸のテーパ軸に対してそのまま無段階に回すことにてなされ、無段階に微調整できる。
(請求項4)
(c)ハンドルステーの正しい中立位置に対する実際の取付角度位置のずれが顕著に表われるバーハンドルにおいて、その取付角度位置のずれを上述(a)、(b)により簡易に調整できる。
(請求項5)
(d)鞍乗型車両において上述(a)〜(c)を有利に実現できる。
図1は鞍乗型車両を示す模式図、図2は電動舵取装置を示す模式図、図3は電動舵取補助ユニットを示す模式図、図4はハンドルステーと操舵軸を示す模式図、図5はハンドルステーと操舵軸の変形例を示す模式図である。
図1の鞍乗型車両100は、バギー車やスノーモービル等の不整地走行用車両として用いられ、電動舵取装置1を有する。電動舵取装置1は、舵取ハンドルたるバーハンドル2が設けられるハンドルステー3を後述する如くに操舵軸4に固定し、操舵軸4と車輪側操舵部材5との間に電動舵取補助ユニット10を介装する。
電動舵取装置1は、図2に示す如く、操舵軸4を上車体側ステー6の支持部材6Aに後述する軸受を介して回転可能に支持する。車輪側操舵部材5は下車体側ステー7の支持部材7Aに軸受を介して回転可能に支持され、中間部にピットマンアーム8Aが固定される。ピットマンアーム8Aは左右のタイロッド8を介して左右の前輪9に連結される。上下の車体側ステー6、7は車体フレームに支持される。
電動舵取補助ユニット10は、図2、図3に示す如く、第1ハウジング(上部ハウジング又は上カバー)11、第2ハウジング(本体ハウジング)12及び第3ハウジング(下部ハウジング又は下カバー)13に被包される単一ユニット体10Aにて構成され、このユニット体10Aに入力軸21、出力軸22、トルクセンサ23、電動モータ24、ウォームギヤ25、ウォームホイール26を内蔵する。
電動舵取補助ユニット10は、操舵軸4が接続具4Aによって接続される入力軸21の上端部を軸受31により第1ハウジング11に支持し(図3)、車輪側操舵部材5が接続具5Aによって接続される出力軸22の上下端部を上下の軸受32A、32Bにより第2ハウジングと第3ハウジング13に支持している(図3)。入力軸21は接続具4Aとの接続用セレーション21Aを上端外周部に備え、出力軸22は接続具5Aとの接続用セレーション22Aを下端外周部に備える。入力軸21の中空部にはトーションバー27が挿入され、トーションバー27の一端は入力軸21に連結ピン27Aで連結され、出力軸22の中空部にはトーションバー27の他端が挿入されてセレーション結合される。
トルクセンサ23は、図3に示す如く、入力軸21と出力軸22に係合している円筒状のコア23Cを囲む2個の検出コイル23A、23Bを第1ハウジング11に設けている。コア23Cは、出力軸22のガイドピン23Dに係合する縦溝23Eを備えて軸方向にのみ移動可能とされるとともに、入力軸21のスライダピン23Fに係合するスパイラル溝23Gを備える。これにより、舵取ハンドルに加えた操舵トルクが入力軸21に付与され、トーションバー27の弾性ねじり変形により、入力軸21と出力軸22の間に回転方向の相対変位を生ずると、入力軸21と出力軸22の回転方向の変位がコア23Cを軸方向に変位させるものになり、このコア23Cの変位による検出コイル23A、23Bの周辺の磁気的変化に起因する検出コイル23A、23Bのインダクタンスが変化する。即ち、コア23Cが入力軸21の側へ移動すると、コア23Cが近づく方の検出コイル23Aのインダクタンスが増加し、コア23Cが遠ざかる方の検出コイル23Bのインダクタンスが減少し、このインダクタンスの変化により操舵トルクを検出できる。
電動モータ24は、取付ボルト28により第2ハウジング12に取付け支持され、不図示のコントローラにより、トルクセンサ23の検出トルクに応じて駆動される。電動モータ24の回転軸には継手によりウォームギヤ25が結合され、ウォームギヤ25に噛合うウォームホイール26を出力軸22に固定してある。ウォームギヤ25は、左右の軸受(不図示)により第2ハウジング12に両端支持される。ウォームホイール26は、第2ハウジング12の内部で、出力軸22における上側軸受32Aの直下にて該出力軸22に固定される。
従って、電動舵取補助ユニット10にあっては、第1ハウジング11に入力軸21の上端部とトルクセンサ23を支持し、第2ハウジング12に出力軸22の上端部と電動モータ24とウォームギヤ25とウォームホイール26を支持し、第3ハウジング13に出力軸22の下端部を支持し、第1ハウジング11と第2ハウジング12を取付ボルト14により締結し、第2ハウジング12と第3ハウジング13を取付ボルト15により締結して一体のユニット体10Aを構成する。第1ハウジング11における軸受31の上部開口部にはオイルシール33が封着され、第3ハウジング13における軸受32Bの下部開口部にはオイルシール34が封着される。
そして、電動舵取補助ユニット10は、第2ハウジング12を車体側に取付け可能にする。電動舵取補助ユニット10は、図2、図3に示す如く、第2ハウジング12の外周の周方向複数位置(例えば3位置)に設けた取付ボス12Aの両側にラバーブッシュ等の弾性材51、52を設け、車体側ブラケット17の上記取付ボス12Aに対応する複数位置に設けた2又状支持部18の上下の支持片18A、18Bの間に、上記弾性材51、52を介して取付ボス12Aを挟む。2又状支持部18の支持片18A、18B、弾性材51、52、取付ボス12Aのそれぞれに設けられるボルト孔に挿着される取付ボルト16(ナット16A)により、上下の支持片18A、18Bの間に弾性材51、52を介して取付ボス12Aをフローティング固定状態で挟持する。車体側ブラケット17は車体フレームに支持される。
また、電動舵取装置1は、操舵軸4を車体側ステー6の支持部材6Aに支持し、電動舵取補助ユニット10を車体側ブラケット17に支持したとき、操舵軸4と電動舵取補助ユニット10の入力軸21との接続作業性を向上し、かつバーハンドル2から操舵軸4に作用する引き上げ、又は押し下げの軸方向荷重が、入力軸21を介してトルクセンサ23に及ぶのを防止するため、車体側ステー6の支持部材6Aに球面すべり軸受60を取付け、球面すべり軸受60の内周に固定した軸受70に、操舵軸4を回転可能、かつ軸方向不動に支持する。
球面すべり軸受60は、操舵軸4のラジアル荷重と両方向(上方向と下方向)のスラスト荷重を同時に負荷でき、外輪61の内周球面に内輪62の外周球面を潤滑性ライナーを介する等により球面接触させたものである。軸受70は、操舵軸4のラジアル荷重とスラスト荷重を同時に負荷できる、例えばアンギュラ玉軸受からなる。
球面すべり軸受60は、外輪61を車体側ステー6の環状の支持部材6Aの内周に圧入その他の手段により固定化される。軸受70の外輪71を球面すべり軸受60の内輪62の内周に挿入し、軸受70の外輪71の一端面を球面すべり軸受60の内輪62の内周段差部に突き当てる状態で、該内輪62の内周に螺着されるナット81により外輪71の他端面を押圧し、このナット81と該内輪62の内周段差部との間に外輪71を挟持して固定する。そして、操舵軸4を軸受70の内輪72に挿入し、操舵軸4の中間部に設けた鍔部fに内輪72の一端面を突き当てる状態で、操舵軸4に螺着されるナット82により内輪72の他端面を押圧し、このナット82と操舵軸4の鍔部fとの間に該内輪72を挟持して固定する。
尚、球面すべり軸受60の外輪61は、車体側ステー6の支持部材6Aそのものにより構成されるものでも良い。
また、電動舵取装置1は、バーハンドル2が設けられるハンドルステー3を、操舵軸4に対する正しい取付角度位置に簡易に取付け可能にするため、以下の構成を備える。尚、ハンドルステー3は、図4に示す如く、左右の下ホルダ2Aを固定され、この下ホルダ2Aの上にバーハンドル2の中間部を載せ置き、その上から被せられる左右の上ホルダ2Bをボルト2Cによりハンドルステー3に固定し、結果として、バーハンドル2をハンドルステー3に取付ける。
電動舵取装置1は、図2、図4に示す如く、操舵軸4が上端側に備えるテーパ支持部としてのテーパ軸91に、ハンドルステー3が下面筒状ボス3Aに備えるテーパ結合部としてのテーパ孔92を結合する。テーパ軸91はテーパ外周面を備え、テーパ孔92はテーパ内周面を備えるものであり、それらのテーパは1/8、1/10等の小テーパとして互いに食い込み易くする。
電動舵取装置1は、操舵軸4のテーパ軸91にハンドルステー3のテーパ孔92を結合した状態で、操舵軸4においてテーパ軸91の上端面に該テーパ軸91と同軸的に設けられているおねじ部91Aを、ハンドルステー3においてテーパ孔92と同軸的に設けた挿通孔92Aに通し、おねじ部91Aの挿通孔92Aから突出する端部にナット93を締結し、テーパ軸91とテーパ孔92を締め上げて固定する。
従って、バーハンドル2が設けられるハンドルステー3は以下の如くにして操舵軸4に取付けられる。
(1)バーハンドル2をハンドルステー3に取付ける。
(2)操舵軸4のテーパ軸91にハンドルステー3のテーパ孔92を軽く入れる。
このとき、操舵軸4は左右操舵方向の中立位置にセットされる。
(3)バーハンドル2の左右の延在方向を車両100の前後方向に対比する等により、ハンドルステー3の操舵軸4に対する取付角度位置が正しい位置からずれていれば、ハンドルステー3のテーパ孔92を操舵軸4のテーパ軸91に対して抜差しすることなくそのまま回してその位置を調整する。
(4)ハンドルステー3の取付角度位置が正しい位置に決まったら、ハンドルステー3の挿通孔92Aから突出している操舵軸4のおねじ部91Aにナット93を締結し、ハンドルステー3のテーパ孔92を操舵軸4のテーパ軸91に対し締め上げてそのまま本締め固定する。
電動舵取装置1にあっては、バーハンドル2に加えた操舵トルクをトルクセンサ23により検出し、その検出トルクにより電動モータ24を駆動し、電動モータ24の発生トルクをウォームギヤ25、ウォームホイール26を介して出力軸22に伝える。これにより、電動モータ24の発生トルクを運転者がバーハンドル2に加える操舵力に対するアシスト力として用いるものになる。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)ハンドルステー3のテーパ孔92を操舵軸4のテーパ軸91に対して抜き差しすることなくそのまま回してその位置を調整し、ハンドルステー3のテーパ孔92を操舵軸4のテーパ軸91に対してそのまま本締め固定すれば良く、簡易である。
(b)ハンドルステー3の操舵軸4に対する取付角度位置の調整は、ハンドルステー3のテーパ孔92を操舵軸4のテーパ軸91に対してそのまま無段階に回すことにてなされ、無段階に微調整できる。
(c)ハンドルステー3の正しい中立位置に対する実際の取付角度位置のずれが顕著に表われるバーハンドル2において、その取付角度位置のずれを上述(a)、(b)により簡易に調整できる。
(d)鞍乗型車両100において上述(a)〜(c)を有利に実現できる。
尚、電動舵取装置1におけるテーパ軸91とテーパ孔92の固定構造は、図5に示す如くであっても良い。即ち、操舵軸4のテーパ軸91にハンドルステー3のテーパ孔92を結合した状態で、ハンドルステー3のテーパ孔92と同軸をなす挿通孔92Aにボルト94を通し、ボルト94の挿通孔92Aから突出するおねじ部94Aを、操舵軸4においてテーパ軸91と同軸をなすめねじ部91Bに締結し、テーパ軸91とテーパ孔92を締め上げて固定する。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、ハンドルステー3が備えるテーパ結合部をテーパ軸とし、操舵軸4が備えるテーパ支持部をテーパ孔としても良い。
図1は鞍乗型車両を示す模式図である。 図2は電動舵取装置を示す模式図である。 図3は電動舵取補助ユニットを示す模式図である。 図4はハンドルステーと操舵軸を示す模式図である。 図5はハンドルステーと操舵軸の変形例を示す模式図である。
符号の説明
1 電動舵取装置
2 バーハンドル(舵取ハンドル)
3 ハンドルステー
4 操舵軸
5 車輪側操舵部材
10 電動舵取補助ユニット
91 テーパ軸(テーパ支持部)
91A おねじ部
91B めねじ部
92 テーパ孔(テーパ結合部)
92A 挿通孔
93 ナット
94 ボルト
94A おねじ部
100 鞍乗型車両

Claims (5)

  1. 舵取ハンドルが設けられるハンドルステーを操舵軸に固定し、操舵軸と車輪側操舵部材との間に電動舵取補助ユニットを介装してなる電動舵取装置において、
    操舵軸が備えるテーパ支持部に、ハンドルステーが備えるテーパ結合部を結合して固定してなることを特徴とする電動舵取装置。
  2. 前記操舵軸のテーパ支持部をテーパ軸とし、ハンドルステーのテーパ結合部をテーパ孔とし、操舵軸のテーパ軸にハンドルステーのテーパ孔を結合した状態で、操舵軸においてテーパ軸と同軸をなすおねじ部をハンドルステーのテーパ孔と同軸をなす挿通孔に通し、該おねじ部の該挿通孔から突出する端部にナットを締結してなる請求項1に記載の電動舵取装置。
  3. 前記操舵軸のテーパ支持部をテーパ軸とし、ハンドルステーのテーパ結合部をテーパ孔とし、操舵軸のテーパ軸にハンドルステーのテーパ孔を結合した状態で、ハンドルステーのテーパ孔と同軸をなす挿通孔にボルトを通し、該ボルトの該挿通孔から突出するおねじ部を、操舵軸においてテーパ軸と同軸をなすめねじ部に締結してなる請求項1に記載の電動舵取装置。
  4. 前記舵取ハンドルをバーハンドルとする請求項1〜3のいずれかに記載の電動舵取装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の電動舵取装置を用いてなる鞍乗型車両。
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