JP2006256254A - ヘッド温度検出方法、ヘッド温度検出装置及び液滴吐出装置 - Google Patents

ヘッド温度検出方法、ヘッド温度検出装置及び液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 圧電素子と共にスイッチゲートを設けている液滴吐出ヘッドにセンサなどを設けることなく、ヘッド温度を適正に検出可能とする。
【解決手段】 駆動制御部14には、駆動回路18の出力側にスイッチ32が設けられ、このスイッチ32を閉じている状態で、充電選択信号SmをSWIC24へ出力することにより、スイッチゲート24Aを介してコンデンサ36を充電する。この後、スイッチ32を開くことにより、コンデンサに蓄積した電荷を放電する。このとき、スイッチゲート24Aの抵抗値が温度によって変化することから、コントローラ16で検出するヘッド端子電圧Vxが、ヘッド温度に応じた時定数で変化する。コントローラ16は、このヘッド端子電圧の変化に基づいてヘッド温度を判定し、駆動波形信号によって圧電素子20を駆動して、液滴を吐出するときの吐出滴量の調整を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクなどの液滴を吐出する液滴吐出ヘッドに係り、液滴吐出ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出方法、ヘッド温度検出装置及び液滴吐出装置に関する。
近年、インク液滴を吐出して画像を形成するインクジェット記録装置においても、印刷速度の向上と共に、高画質化、印刷品質の向上が要求されており、これに伴って、使用するインクの多様化も進行し、染料性インクのみならず顔料性インクも用いられるようになっている。
一般に、インクジェット記録装置において、高品質の画像形成を行うためには、インク液滴の吐出量(吐出滴量)を制御することが好ましい。ここから、インクジェット記録装置では、波形発生回路と共に電力増幅回路を設けて、波形発生回路で生成した駆動波形に電力増幅を行って、圧電アクチュエータ(圧電素子)の印加電圧を制御することにより、インク吐出ヘッドのノズルから吐出するインク液滴の大きさを調整するようにしている。
一方、インク吐出ヘッドには、セラミック(圧電セラミック)を用いた圧電アクチュエータは、静電容量をもっており、この静電容量に基づいて駆動電圧を選択する必要がある。また、圧電アクチュエータの間では、静電容量に差が生じていることがある。
ここから、ドライバ回路を介して圧電アクチュエータを駆動して、そのときの電流波形を計測し、計測した電流波形から静電容量を演算して、求めた静電容量に基づいて駆動電圧を選択するようにした提案がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
また、圧電アクチュエータに静電容量があると、圧電アクチュエータとドライバを接続するケーブルの電気抵抗とによって低域通過フィルタが形成されてしまい、駆動電圧の波形になまりが生じてしまう。特に、圧電アクチュエータによってインク液滴の吐出を制御するときには、電圧の変化点が重要となり、この波形になまりが生じると、吐出液量に変化が生じてしまう。
ここから、圧電アクチュエータの端子から負帰還をかけることにより、駆動電圧の波形のなまりを防止して、吐出液滴の適正な制御を行う方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
一方、インクジェット記録装置では、複数の圧電アクチュエータのそれぞれに対して、トランスファーゲートが設けられており、このトランスファーゲートによって圧電アクチュエータを選択的に駆動可能となるようにしている。
このトランスファーゲートとしてスイッチIC(SWIC)を用いることにより、圧電アクチュエータが設けられている液滴吐出ヘッドに取り付けられるようになっている。
ところで、一般に、顔料性インクは、染料性インクに比較してインク粘度が高く、染料性インクよりインク液滴の飛翔効率が悪い。また、顔料性インクは、染料性インクに比べて、吐出滴量が環境温度に依存する傾向が強く、このために、環境温度が印刷品質に影響を及ぼしてしまうことがある。また、圧電アクチュエータの静電容量や、SWICの電気抵抗も、温度によって変化する。
ここから、環境温度の変化によるインクの吐出滴量の変化を抑える方法として、環境温度を測定するセンサを設け、環境温度に基づいてヘッド駆動波形を制御する方法が考えられる。
特開平9−207325号公報 特開2002−210958号公報
しかしながら、装置内部に設けた温度センサであっても、温度センサによって検出する環境温度と、実際の液滴吐出ヘッドの温度は、必ずしも一致するものではなく、時間的な遅れが生じることがある。このような時間的遅れを防止するためには、液滴吐出ヘッドの温度をじかに検出する方法が考えられるが、このためには、液滴吐出ヘッドにセンサなどの計測手段を新たに組み込む必要があると共に、センサに接続する配線及び配線の装置内部での引き回し処理が必要となる。特に、高速処理を可能とするために複数の液滴吐出ヘッドを設けると、部品数の増加と共に組み付け工数の増加が生じ、装置内部の複雑化と共にコストアップを招いてしまうという問題がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、温度検出用のセンサなどを特別に設けることなく、吐出液滴の適正な制御を可能とするヘッド温度検出方法、ヘッド温度検出装置及び液滴吐出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明のヘッド温度検出方法は、印加された電圧によって発生する圧力によって液滴を吐出する圧電素子及び、圧電素子への通電を可能とすると共に温度に応じて通電時の抵抗値が変化するスイッチゲートが一体で設けられている液滴吐出ヘッドのヘッド温度を検出するヘッド温度検出方法であって、前記液滴吐出ヘッドに前記圧電素子が接続されない空きのスイッチゲートを設けると共に、該スイッチゲートに予め設定している静電容量の蓄電手段を接続しておき、該蓄電手段を所定の充電状態から、前記スイッチゲートを介して自然放電させたときの前記蓄電手段又は前記スイッチゲートの端子電圧から、該スイッチゲートが設けられている前記液滴吐出ヘッドのヘッド温度を判定することを特徴とする。
この発明によれば、液滴吐出ヘッドに圧電素子と共に設けているスイッチゲートを配置しているときに、空きのスイッチゲートを計測用として設けておき、この計測用のスイッチゲートに、液滴吐出ヘッドと別に設けている所定静電容量の蓄電手段を接続し、蓄電手段に蓄積した電荷を、スイッチゲートを介して放電する。
このとき、スイッチゲートの抵抗値が温度によって変化することから、静電容量と抵抗値によって定まる放電特性を用いて、スイッチゲートの温度であるヘッド温度を判定する。
すなわち、静電容量が一定であれば、放電時の時定数は、スイッチゲートの抵抗値によって定まる。ここから、放電時の、スイッチゲート又は蓄電手段の端子電圧の変化を検出することにより、スイッチゲートの温度である液滴吐出ヘッドのヘッド温度を得ることができる。
これにより、液滴吐出ヘッドに、センサなどを特別に設けることなく、液滴吐出ヘッドの温度を適正に検出することができる。なお、スイッチゲート(トランスファーゲート)は、例えば、FETのn−ch、p−chを組み合わせなどして構成し、デジタル信号のオン/オフなどの信号によって双方向に通電可能なアナログスイッチなどであり、液滴吐出ヘッドに複数のスイッチゲートを設けるときには、複数のスイッチゲートによって構成されるスイッチICなどを用いることができる。
このような本発明を適用するヘッド温度検出装置は、印加された電圧によって発生する圧力によって液滴を吐出する圧電素子及び、圧電素子への通電を可能とすると共に温度に応じて通電時の抵抗値が変化するスイッチゲートが一体で設けられている液滴吐出ヘッドのヘッド温度を検出するヘッド温度検出装置であって、前記スイッチゲートと共に前記液滴吐出ヘッドに設けられて前記圧電素子が非接続の計測用スイッチゲートと、前記計測用スイッチゲートに接続された所定の静電容量の蓄電手段と、前記蓄電手段に電荷を蓄積する充電手段と、前記計測用スイッチゲートを介して前記蓄電手段に蓄積された電荷を放電可能とする放電手段と、前記放電手段によって前記電荷が放電されるときの前記蓄電手段又は前記スイッチゲートの端子電圧を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出される前記端子電圧の変化から前記ヘッド温度を判定する温度判定手段と、を含むものであれば良い。
また、ヘッド温度検出装置は、前記端子電圧が所定値となるまで前記蓄電手段を充電した状態で放電されたときに、予め設定した放電時間が経過したときの前記端子電圧に基づいて前記ヘッド温度を判定するものであっても良く、前記端子電圧が所定値となるまで前記蓄電手段を充電した状態で放電されたときに、前記端子電圧が予め設定した電圧に低下するまでの放電時間に基づいて前記ヘッド温度を判定するものであっても良く、これにより、ヘッド温度の検出が容易となる。
すなわち、充電電圧及び充電電圧に対する基準放電電圧を設定し、充電電圧から放電基準電圧に達するまでの放電時間を計測するか、充電電圧と放電基準時間を設定し、放電基準時間に達したときの端子電圧を計測することにより、この計測結果から、ヘッド温度を得ることができる。
このとき、計測用スイッチゲート又は液滴吐出ヘッドの、計測する放電時間に対する温度テーブル又は、計億する端子電圧に対する温度テーブルを持つことにより、簡単にヘッド温度を得ることができる。
また、本発明が適用される液滴吐出装置は、駆動波形に応じた電圧が印加されることにより発生する圧力によって駆動波形に基づいた液滴を吐出する圧電素子及び、圧電素子への通電を可能とすると共に温度に応じて通電時の抵抗値が変化するスイッチゲートが一体で設けられている液滴吐出ヘッドと、前記駆動波形が入力されることにより、前記駆動波形に基づいて前記圧電素子を駆動する駆動手段と、前記駆動波形を発生して前記液滴吐出ヘッドから吐出する滴量を制御する駆動制御手段と、を含む液滴吐出装置であって、前記スイッチゲートと共に前記液滴吐出ヘッドに設けられた測定用スイッチゲートと、前記液滴吐出ヘッド外に設けられて前記測定用スイッチゲートに接続される所定の静電容量の蓄電手段と、前記蓄電手段に充電可能とする充電手段と、前記蓄電手段に蓄積された電荷を前記測定用スイッチゲートを介して放電可能とする放電手段と、前記放電手段によって前記電荷が放電されるときの前記蓄電手段又は前記測定用スイッチゲートの端子電圧を検出する検出手段と、前記蓄電手段を放電しながら前記検出手段によって検出する前記端子電圧の変化に基づいて前記液滴吐出ヘッドのヘッド温度を判定する判定手段と、を含むものであれば良い。
この発明によれば、液滴吐出ヘッドに、圧電素子が接続されていない空きのスイッチゲートを設けておき、このスイッチゲートに蓄電手段を接続することにより、計測用スイッチゲートとして用いる。
また、この蓄電手段から、スイッチゲートを介して放電する放電手段及び、端子電圧の検出手段を設けることにより、ヘッド温度の測定が可能となる。
また、本発明の液滴吐出装置は、前記充電手段が、前記駆動波形に基づいて前記駆動手段から前記圧電素子へ前記液滴の吐出用として出力される電力を前記蓄電手段に供給することを特徴とする。
この発明によれば、駆動手段から圧電素子に供給する駆動電力を、蓄電手段へも供給可能としている。また、放電時には、蓄電手段が切り離されるので、液滴吐出ヘッドから液滴を吐出しているときに、ヘッド温度の計測が可能となる。
また、本発明の液滴吐出装置は、前記充電手段が、前記駆動手段から前記液滴の非吐出用として出力される電力を前記蓄電手段に供給するものであっても良く、前記駆動手段に負帰還回路が設けられているときに、前記放電手段が、該負帰還回路を介して前記蓄電手段の放電を行うものであっても良く、これにより、ヘッド温度の検出に用いるために付加する部品数をより少なくすることができる。
このような本発明の液滴吐出装置においては、前記判定手段の判定結果に基づいて前記液滴吐出ヘッドから吐出する吐出滴量を調整する調整手段を含むことができる。
このとき、本発明の液滴吐出装置では、前記調整手段が、前記駆動制御手段から出力する前記駆動波形を補正することにより吐出滴量を調整するものであっても良く、前記調整手段が、前記駆動手段によって前記駆動波形に対する電力増幅を行うときの増幅率を制御して、吐出滴量を調整するものであっても良く、また、前記液滴吐出ヘッドを加熱する加熱手段を設け、前記調整手段が、前記加熱手段を制御して吐出滴量を調整するものであっても良い。
さらに、本発明は、複数の前記液滴吐出ヘッドを備えているときに、前記液滴吐出ヘッドごとに前記吐出滴量を調整するものであってもよく、これにより、複数の液滴吐出ヘッドの間で温度差があっても、吐出滴量を的確に調整することが可能となる。
以上説明したように本発明によれば、圧電素子と共に液滴吐出ヘッドに設けられているスイッチICのスイッチゲートを用い、温度によって変化するスイッチゲートの抵抗値からヘッド温度を検出するので、液滴吐出ヘッドに、特別にセンサなどを設けることなく、的確なヘッド温度を検出することができるという優れた効果が得られる。
以下に図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する本実施の形態では、液滴吐出装置の一例としてインクジェット記録装置を適用して説明する。
インクジェット記録装置は、インク液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを備えており、この液滴吐出ヘッドから吐出するインク液滴によって、記録用紙に画像を形成する。すなわち、インクジェット記録装置では、インクジェット印字ヘッドとして液滴吐出ヘッドを用いている。
このようなインクジェット記録装置の具体的構成の図示は省略するが、インクジェット記録装置は、液滴としてインク液滴を吐出可能とする液滴吐出ヘッドと共に、液滴吐出ヘッドに供給するインク液を貯留するインクタンクを含んでいるものであれば良い。また、インクジェット記録装置には、インクを用いて画像を形成する記録用紙の搬送路が形成されており、記録用紙が液滴吐出ヘッドに対向する位置を通過しながら搬送される。
本実施の形態では、一例として、液滴吐出ヘッドが、インクジェット記録装置で画像記録が可能な記録用紙の最大幅にほぼ等しい幅を有する長尺状のものとして、当該液滴吐出ヘッドを固定したまま記録用紙のみを搬送しながら記録を行う、いわゆるFWA(Full Width Array)方式として構成されているインクジェット記録装置を用いており、複数の液滴吐出ヘッドが記録用紙の搬送幅方向に沿って配置されている。
また、液滴吐出ヘッドは、インクが充填される圧力発生室と、当該圧力発生室と連通し、インクを吐出可能なインク吐出口と、前記圧力発生室の壁面の一部を構成し、振動することによって前記圧力発生室を膨張又は収縮させる振動板、及び記録すべき画像を示す画像データに応じて印加された電圧によって変形することにより前記振動板を振動させる圧電素子(ピエゾ素子)を備えたアクチュエータ(圧電アクチュエータ)と、が長手方向に沿って多数設けられたものであり、また、複数の液滴吐出ヘッドを、前記長手方向に沿って配置している。
なお、本発明は、以上のようなFWA方式に対応し、かつ多数の圧電素子を用いたものに限定されず、例えば、記録用紙の搬送方向を副走査方向とし、液滴吐出ヘッドを副走査方向と直交する主走査方向へ移動させながら、記録用紙に画像を形成するものなど、外部からインクが供給されると共に、記録すべき画像を示す画像データに基づいて駆動されることによってインク液滴を吐出させるものであれば、任意の構成を適用することができる。
また、本実施の形態に係るインクジェット記録装置は、カラー画像の記録を行うものとして構成されており、液滴吐出ヘッド、インクタンクなどは、使用するインク色の種類数分(例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色分など)だけ設けられている。
このようなインクジェット記録装置は、公知の任意の構成を適用でき、ここでは詳細な説明を省略する。
図1には、本実施の形態に適用したインクジェット記録装置10の要部として、液滴吐出ヘッド12及び、液滴吐出ヘッド12を駆動する駆動制御部14の概略構成を示している。
駆動制御部14は、液滴の吐出を制御するコントローラ16と共に、駆動回路18が設けられている。コントローラ16は、所定のプログラムに基づいて各種の処理を実行するマイクロコンピュータ及び、マイクロコンピュータの処理に基づいた各種の制御信号などの入出力を行うためのインターフェイスを含む一般的構成であり、また、マイクロコンピュータの処理に基づいた各種のアクチュエータを駆動する駆動回路を含むこともできる。
なお、インクジェット記録装置10では、各色の基本的構成が同じであり、図1では、前記した4色(C、M、Y、K)の内の1色分を示している。また、液滴吐出ヘッド12を記録用紙の搬送幅方向に沿って複数配置しているときには、液滴吐出ヘッド12ごとに駆動回路18を設け、コントローラ16を共用するものであっても良い。
液滴吐出ヘッド12には、液滴吐出用のノズル(図示省略)ごとに、ピエゾ素子を用いた圧電素子20が設けられており、駆動回路18の出力電力が、液滴吐出ヘッド12内の各圧電素子20に印加されるようになっている。
また、液滴吐出ヘッド12には、圧電素子20と共に、トランスファーゲートを形成するスイッチ素子であるスイッチIC(以下、SWIC22とする)が一体で設けられている。SWIC22には、圧電素子20のそれぞれに接続するゲートスイッチ24が設けられている。なお、スイッチゲート(トランスファーゲート)は、例えば、FETのn−ch、p−chを組み合わせなどして構成し、デジタル信号のオン/オフなどの信号によって双方向に通電可能なアナログスイッチなどであり、液滴吐出ヘッドに複数のスイッチゲートを設けるときには、複数のスイッチゲートによって構成されるスイッチICを用いることができるが、ここでは、これに限定するものではない。
一方、駆動制御部14には、抵抗Rf、Riによって構成されている負帰還回路26が設けられており、駆動回路18は、抵抗Rf及び抵抗Riの抵抗値の比率に応じた増幅率で圧電素子20を駆動できる電圧まで増幅して出力する。
すなわち、抵抗Rf、Riの抵抗値を抵抗値R1、R2としたときに、増幅率Avは、Av=(1+R1/R2)となる。ここから、所定の増幅率Avが得られるように抵抗Rf、Riの抵抗値R1、R2を設定している。
コントローラ16は、圧電素子20を駆動する駆動波形を生成しており、この駆動波形に応じた電圧信号(駆動波形信号)Dsを駆動回路18へ出力する。駆動回路18は、駆動波形信号Dsが入力されることにより、負帰還回路22によって定まる増幅率で電力増幅を行って液滴吐出ヘッド12へ出力する。
また、コントローラ16には、記録用紙に印字する画像データが入力されるようになっており、コントローラ16は、液滴吐出用のノズルごとに、画像データに応じてレベルを変化させた選択信号Ssを出力する。
駆動制御部14では、駆動回路18から出力される電力が、圧電素子20ごとに設けているゲートスイッチ24を介して圧電素子20に入力されるようになっている。
また、コントローラ16から出力される選択信号Ssは、ゲートスイッチ24に入力されるようになっており、コントローラ16は、このゲートスイッチ24ごとのオン/オフ(開/閉)を選択信号Ssによって制御しており、ゲートスイッチ24がオン(開)することにより、該当圧電素子20へ、駆動回路18から出力される駆動電力が入力されるようになっており、圧電素子20は、駆動電力が入力されることにより、駆動波形に応じた量の液滴を吐出する。
これにより、インクジェット記録装置10では、画像データに応じて記録用紙にインク液滴を吐出し、記録用紙に、画像データに応じた画像を形成(印字)する。
ところで、インクジェット記録装置10には、駆動制御部14に、液滴吐出ヘッド12の温度を検出するヘッド温度検出装置30が形成されている。
駆動制御部14には、このヘッド温度検出装置30を形成するスイッチ32が設けられ、このスイッチ32の一方の接点端子が駆動回路18の出力側に接続している。また、コントローラ16には、このスイッチ32の操作端子が接続しており、コントローラ16は、スイッチ32の開閉を制御している。
コントローラ16は、通常、スイッチ32の接点が閉じられるようにしており、これにより、画像データに応じた圧電素子20の駆動制御が可能となるようにしている。
また、スイッチ32の圧電素子20側の接点端子には、A/D変換器34が接続されており、スイッチ32の液滴吐出ヘッド12側の電圧(以下、ヘッド端子電圧Vxとする)に応じたデジタル信号がコントローラ16に入力されるようになっている。
これにより、コントローラ16は、液滴吐出ヘッド12のヘッド端子電圧Vxの検出が可能となっている。
一方、液滴吐出ヘッド12に設けているSWIC22には、圧電素子20に接続していないゲートスイッチ24(以下、ゲートスイッチ24Aとする)がある。すなわち、液滴吐出ヘッド12に設けているSWIC22には、予備のゲートスイッチ24Aが設けられている。
このゲートスイッチ24Aには、コンデンサ36が接続している。このコンデンサ36は、静電容量が予め設定され(既知)、基準静電容量として設けられている。また、インクジェット記録装置10では、コンデンサ36の静電容量Cが環境温度によって変化しないようになっている。なお、以下では、コンデンサ36の静電容量を静電容量Csとする。
通常、コントローラ16は、選択信号Ssをゲートスイッチ24Aへ出力しないようになっており、これにより、ゲートスイッチ24Aが開かれた状態となっている。
また、コントローラ16は、スイッチ32の操作、駆動波形信号Dsの制御と共に、選択信号Ssを制御することにより、A/D変換器34によって検出されるヘッド端子電圧Vxの変化から、液滴吐出ヘッド12の温度測定を行うようにしている。なお、本実施の形態では、スイッチゲート24Aの端子を電圧検出用に用いるが、これに限らず、スイッチゲート24Aとコンデンサ36の間で電圧検出を行っても良い。
コントローラ16では、予め設定しているタイミングで、駆動回路18から所定の電圧Vaが出力されるように所定の駆動波形信号(充電波形信号Dc)を、駆動回路18へ出力する。このときの充電波形信号Dcは、駆動回路18から出力される電力によって所定の電圧(以下、電圧Vaとする)が液滴吐出ヘッド12に印加されるように設定されている。
これと共に、コントローラ16では、SWIC22のゲートスイッチ24Aのみを閉じる選択信号(以下、測定選択信号Smとする)を出力する。
これにより、ヘッド温度検出装置30では、コンデンサ36に静電容量Csに応じた電荷が蓄積されるようになっている。
また、コントローラ16では、充電波形信号Dc及び測定選択信号Smを出力した後、所定時間後などのタイミングで、スイッチ32の操作信号Soを出力して、スイッチ32を開放するようにしている。
図2に示すように、コンデンサ36は、駆動回路18から電圧Vaの電力が供給されることにより、所定の充電プロファイルにしたがって充電される。また、コンデンサ36への充電が完了することにより、ヘッド端子電圧Vxが電圧Vaとなる。
この状態で、スイッチ32(図1参照)が開放されると、図3に示すように、コンデンサ36に蓄積された電荷が、ゲートスイッチ24Aから、負帰還回路26の抵抗Rf、Riを介して自然放電されるようにしている。
このとき、放電経路の総抵抗値を抵抗値Rとすると、放電時の時定数τは、τ=R・Csとなる。
また、コンデンサ36に蓄積された電荷の放電経路には、抵抗Rf、Riがあり、また、ゲートスイッチ24Aも電気抵抗となる。ここから、ゲートスイッチ24Aの抵抗値を抵抗値Rxとすると、自然放電するときの時定数τは、
τ=(R1+R2+Rx)・Cs
となる。
一方、SWIC22では、各ゲートスイッチ24の抵抗値が温度に応じて変化し、温度が上昇することにより抵抗値Rxが増加し、温度が低下することにより抵抗値Rxが減少する。また、このSWIC22は、液滴吐出ヘッド12に設けられており、SWIC22の温度は、液滴吐出ヘッド12の温度(ヘッド温度)とみなすことができる。
したがって、コンデンサ36に蓄積した電荷を放電するときの時定数τは、液滴吐出ヘッド12のヘッド温度に応じて変化することになる。
これにより、電圧Vaに対する放電基準電圧Vsを設定したときに、放電基準電圧Vsに達するまでの放電時間tdは、ヘッド温度が低い時には、時定数τが小さくなって、図2に点線で示すように、放電時間も短くなり(例えば、放電時間t1)、また、ヘッド温度が高いときには、時定数τが大きくなって、図2に破線で示すように、放電時間が長くなる(例えば、放電時間t2)。
ここから、電圧Vaに対する放電基準電圧Vsを設定しておき、スイッチ32を開放して、放電を開始してからの端子電圧Vxが放電基準電圧Vsに達するまでの放電時間tdを計測し、ヘッド温度に対する放電時間のテーブルを作成して、このテーブルをコントローラ16に記憶させている。
これにより、コントローラ16では、ヘッド温度に応じた放電時間の変化から液滴吐出ヘッド12の温度測定(ヘッド温度の測定)が可能となっている。
ここで、コントローラ16でのヘッド温度の測定処理を説明する。図4には、温度測定処理の流れを示しており、このフローチャートは、インクジェット記録装置10の電源がオンされた状態で、液滴吐出ヘッド12の非動作中(非印刷中)の任意のタイミングで実行され、最初のステップ100では、充電波形信号Dcを駆動回路18へ出力する。これにより、駆動回路18から所定の電圧Vaの電力が出力される。
これと共に、ステップ102では、液滴吐出ヘッド12に設けているSWIC22のスイッチゲート24Aをオンする測定選択信号Smを出力する。これにより、ゲートスイッチ24Aが閉じられて、コンデンサ36に電荷が蓄積される。
この後、ステップ104では、計測開始タイミングに達したか否かを確認する。この計測開始タイミングとしては、A/D変換器34を介して検出するヘッド端子電圧Vxが電圧Vaに達したタイミングまたは、達した後の任意のタイミングであれば良く、これを見越して設定している時間であっても良い。
ここでは、一例として、コンデンサ36への充電を開始したから所定時間(時間t0、図2参照)だけ経過したタイミングとしている。
ここで、コンデンサ36への充電を開始してからの経過時間が時間t0に達し、計測開始タイミングに至ると、ステップ104で肯定判定してステップ106へ移行し、スイッチ32を開放すると共に、ステップ108では、図示しないタイマーをリセット/スタートさせる。
この後、ステップ110では、A/D変換器34を介して入力されるヘッド端子電圧Vxを読み込み、ステップ112では、このヘッド端子電圧Vxが放電基準電圧Vsに達したか否かを確認する。
ここで、駆動制御部14では、スイッチ32が開放されると、コンデンサ36への電力供給が停止すると共に、コンデンサ36に蓄積されている電荷が、スイッチゲート24A、負帰還回路26の抵抗Rf、Riを介して放電され、ヘッド端子電圧Vxが、徐々に低下する。
これにより、ヘッド端子電圧Vxが放電基準電圧Vs(Vx≦Vs)に達すると、ステップ112で肯定判定してステップ114へ移行する。このステップ114では、タイマーによって計測している放電時間tdを読み込む。
この後、ステップ116では、読み込んだ放電時間tdと、予め計測されて記憶されている放電時間tdに対するヘッド温度のテーブルから、液滴吐出ヘッド20の温度を判定すると共に、ステップ118では、スイッチ32を閉じると共に、測定選択信号Sm、充電波形信号Scの出力を停止し、液滴吐出ヘッド12を用いた画像形成が可能な状態に復帰させて計測処理を終了する。
このように、インクジェット記録装置10では、液滴吐出ヘッド12に設けているSWIC22のゲートスイッチ24A及び液滴吐出ヘッド12を駆動する駆動制御部14を用い、スイッチ32、A/D変換器34及びコンデンサ36を追加するのみで、温度センサなどの計測手段を特別に設けることなく、ヘッド温度を計測することができる。
また、このときの計測温度は、測定対象である液滴吐出ヘッド12内に設けているSWIC22の中の一つのスイッチゲート24Aを用いているので、その時点での液滴吐出ヘッド12のヘッド温度を適正に計測することができ、計測温度と実際のヘッド温度に差が生じるなどの計測遅れが生じることがない。
すなわち、液滴吐出ヘッド12と別にセンサなどの計測手段を設けると、計測手段による計測温度と、実際の液滴吐出ヘッド12の温度に差が生じることがある。特に、液滴吐出ヘッド12では、連続して圧電素子20が駆動されてインク液滴を吐出すると、温度上昇が生じ易く、また、圧電素子20の駆動間隔が開くと、温度低下などが生じ易く、このような温度変化を、液滴吐出ヘッド12と別に設けている計測手段に的確に計測することは困難である。
これに対して、ヘッド温度測定装置30は、液滴吐出ヘッド12に設けているSWIC22のスイッチゲート24Aを用いているので、液滴吐出ヘッド12の温度変化を的確に検出することができる。
このようにして計測した液滴吐出ヘッド12のヘッド温度を用いて、各圧電素子20の駆動波形を制御することにより、吐出する液滴を画像データに応じて適正に調整して、記録用紙に高品質の画像を形成することができる。
このとき、例えば、液滴吐出ヘッド12のヘッド温度に対する駆動波形信号の補正条件や調整条件を設定しておき、計測したヘッド温度に基づいて駆動波形信号の補正ないし調整を行うようにすることができる。
これにより、ヘッド温度に応じて、インク液滴の粘性や、圧電素子20の静電容量、スイッチゲート24の電気抵抗が変化しても、吐出滴量の適正な制御が可能となり、記録用紙に高品質の画像を形成することができる。
一方、ここでは、コンデンサ36からの放電を開始してから、ヘッド端子電圧Vxが放電基準電圧Vsに達するまでの時間を計測したが、これに限らず、放電を開始してから、所定時間が経過した時の端子電圧Vxに基づいて、液滴吐出ヘッド12のヘッド温度を判定するものであっても良い。
すなわち、図5に示すように、放電を介してしてから所定時間(例えば、放電基準時間tsとする)経過したときに、ヘッド温度が低く、スイッチゲート24Aの抵抗値Rxが小さくなっていると、図5の点線で示すように端子電圧Vxが低くなっており(端子電圧V1)、ヘッド温度が高く、スイッチゲート24Aの抵抗値Rxが大きくなっていると、図5に破線で示すように、端子電圧Vxが高くなっている(端子電圧V2)。
すなわち、液滴吐出ヘッド12のヘッド温度に応じて、時定数τが変化することにより所定時間(放電時間ts)経過した時のヘッド端子電圧Vxも異なる。
ここから、放電基準時間tsを設定しておき、スイッチ32を開放して、放電を開始し、放電基準時間tsに達したときの端子電圧Vxから、液滴吐出ヘッド12のヘッド温度を判定することができる。
このようなヘッド温度検出装置30を用いた液滴吐出ヘッド12のヘッド温度の計測は、非印字中であれば、任意のタイミングで行うことができる。例えば、インクジェット記録装置10の電源スイッチをオンした後、印字(画像形成)を開始するまでの間にヘッド温度の測定を行うことができ、これにより、高品質の画像形成が可能な状態か否かの判定を行うことができる。
また、ヘッド温度の測定タイミングとしては、印字開始直前やインターバル中であっても良く、また、1枚の記録用紙に印字中であっても、行間などの任意のタイミングで行うことができる。
例えば、インターバル中としては、複数の文書を連続して印字するときなどにおいて、前の文書と次の文書の間で行うことができ、また、一つの文書中であっても、前のページ(記録用紙)と次のページ(記録用紙)の間で行うことができる。
また、1枚の記録用紙上に文字や画像を形成するときにも、行間などで記録用紙を搬送中には、液滴吐出ヘッド12が非動作中となり、記録用紙の幅方向(副走査方向)に複数の液滴吐出ヘッド12を配置しているときには、対応する画像がなく、液滴の吐出を停止している液滴吐出ヘッド12が存在することがある。
通常、このような液滴吐出ヘッド12に対して、液滴が吐出されない程度に圧電素子20を駆動するために、予備波形が設定され、この予備波形に応じた電圧(電力)を圧電素子20へ印加することがある。
このような予備波形の一部を用いて、スイッチゲート24Aのみをオンし、他のスイッチゲート24をオフすることにより、液滴吐出ヘッド12のヘッド温度を測定することができる。
すなわち、液滴を吐出するときは、駆動波形の電圧・速度を制御した吐出波形を加え、吐出制御を行うようにしているが、予備駆動は、インク液滴を吐出させない程度の電圧・速度で制御された予備波形を加えているため、予備波形の立下りタイミングでスイッチ32を解放して自然放電させることにより、ヘッド温度の測定が可能となる。
このようなタイミングでヘッド温度の測定を行うことにより、測定結果に基づいて吐出適量の制御や調整を行うことにより、より高品質の画像形成(印字)が可能となる。
なお、ここでは、ヘッド端子電圧Vxが予め設定している電圧Vaとなっているときに、ヘッド温度の計測を開始するようにしているが、これに限らず、計測開始時のヘッド端子電圧Vxと、所定時間経過した時のヘッド端子電圧Vxの差と、該時間に基づいて、ヘッド温度を判定するようにしても良く、また、測定開始時のヘッド端子電圧Vxから所定温度降下するまでの時間を用いてヘッド温度を判定するものであっても良い。
一方、液滴吐出ヘッド12のヘッド温度に基づいた吐出適量の調整は、駆動波形を調整するものでなく、液滴吐出ヘッド12のヘッド温度の制御を行うものであっても良い。
図6には、ヘッド温度の制御を行う一例とする駆動制御部14A及び液滴吐出ヘッド12Aの概略構成を示している。
この液滴吐出ヘッド12Aは、前記した液滴吐出ヘッド12に、ヘッドヒータ40が設けられており、このヘッドヒータ40によって、液滴吐出ヘッド12Aの加熱(加温)が可能となっている。
また、駆動制御部14Aには、ヘッドヒータ40を作動するヒータ駆動回路42が設けられ、コントローラ16は、このヒータ駆動回路42の作動を制御することにより、液滴吐出ヘッド12Aの加熱制御が可能となっている。
このように構成している駆動制御部14Aのコントローラ16は、所定のタイミングで液滴吐出ヘッド12Aのヘッド温度の測定を行い、測定結果に基づいてヘッドヒータ40の作動を制御することにより、液滴吐出ヘッド12Aのヘッド温度を一定に保ち、ヘッド温度に応じた駆動波形信号Dsの補正や調整を行うことなく、一定品質の画像形成が可能となるようにしている。
すなわち、ヘッド温度を設定温度Tsに維持するときに、計測温度Txが設定温度Tsよりも低くなったときに(Tx<Ts)、ヘッドヒータ40をオンする。このとき、設定温度Tsと計測温度Txの温度差ΔT(ΔT=Ts−Tx)に応じて、ヘッドヒータ40の発熱量を制御しても良い。
また、コントローラ16は、計測温度Txが設定温度Tsを越える(Tx≧Ts)と、ヘッドヒータ40をオフする。
これにより、環境温度にかかわらず、一定の駆動波形で圧電素子20を駆動することができるので、圧電素子の駆動制御が容易となる。なお、計測したヘッド温度を用いた液滴吐出ヘッド12Aの温度制御は、これに限らず、ヘッド温度を予め設定した温度又は予め設定した温度範囲に保つものであれば任意の制御方法を適用することができる。
一方、液滴吐出ヘッド12のヘッド温度ではなく、駆動回路18の増幅率Avを制御するようにしてもよい。
図7には、そのときの一例とする駆動制御部14Bの概略構成を示している。この駆動制御部14Bでは、負帰還回路26の抵抗Riに換えて、可変抵抗VRを用いた負帰還回路26Aを設けている。
また、駆動制御部14Bのコントローラ16は、可変抵抗VRの抵抗値rを制御するようになっている。なお、コントローラ16による可変抵抗VRの制御は、可変抵抗VRの回転角に対する抵抗値rのテーブルを作成しておき、このテーブルに基づいて回転角を制御するなど、抵抗値rを把握しながら可変制御可能であれば任意の構成を適用することができる。
このように構成している駆動制御部14Bでは、計測したヘッド温度が設定温度よりも低いときには、可変抵抗VRの抵抗値rを下げる。これにより、増幅率Avを大きくすることにより、圧電素子20の駆動電力を増加させて、インク液の粘性が高くとも、所定の吐出滴量が得られるようにする。
また、駆動制御部14Bでは、計測したヘッド温度が設定温度により高くなっているときには、可変抵抗VRの抵抗値rを大きくして、増幅率Avを下げる。これにより、インク液の粘性が低いために吐出滴量が増加してしまうのを抑えることができる。
さらに、液滴吐出ヘッド12のヘッド温度を測定するときには、可変抵抗VRを制御し、抵抗値rが予め設定している抵抗値(例えば抵抗値R2)に設定し、この状態で、温度計測を実行する。また、温度計測後は、計測前の抵抗値rに戻すようにすれば良い。
なお、計測した放電時間td又はヘッド端子電圧Vxに対する可変抵抗VRの抵抗値rとヘッド温度のテーブルを作成しておき、計測した放電時間td又はヘッド端子電圧Vxと可変抵抗VRの抵抗値rからヘッド温度を判定するようにしても良く、これにより、ヘッド温度の測定時に可変抵抗VRの抵抗値rを設定値に戻す操作を不要とすることができる。
また、抵抗値が既知の抵抗(例えば抵抗R2)を、可変抵抗VRと並列に配置し、スイッチによって抵抗Rと可変抵抗VRを切換えるようにしても良く、これにより、ヘッド温度の測定をより簡略にしながら、ヘッド温度の測定結果に基づいて、駆動回路18の増幅率Avを変更することができる。
一方、本発明では、液滴を吐出するときの駆動波形信号を用いたヘッド温度を行うこともできる。すなわち、駆動制御部14、14A、14Bでは、非印字タイミングでのみ、ヘッド温度の計測が可能となっているが、印字タイミングでヘッド温度を計測するようにも構成できる。
図8には、その一例とする駆動制御部14Cの概略構成を示している。この駆動制御部14Cでは、それぞれが圧電素子20に接続しているスイッチゲート24に、スイッチ32を介さず、駆動回路18から駆動電力が供給される。
また、駆動制御部14Cには、ヘッド温度検出装置30Aが設けられている。このヘッド温度検出装置30Aでは、スイッチ32を介して、駆動回路18から出力される駆動電力を、コンデンサ36に接続しているスイッチゲート24Aへ供給するようになっている。
スイッチ32の開閉を制御するコントローラ16は、通常、スイッチ32を開放状態としているが、ヘッド温度を測定するときに、所定のタイミングでスイッチ32を閉じるようにしている。
また、コントローラ16は、画像データに応じた選択信号Ssを出力するときに、通常、スイッチゲート24Aをオンする信号を含めないが、ヘッド温度を測定するときに、所定のタイミングでスイッチゲート24Aをオン/オフする信号を選択信号Ssに含まれるようにしている。
ヘッド温度検出装置30Aでは、スイッチ32が閉じられ、スイッチゲート24Aがオンされたときにのみ、コンデンサ36に充電されるようになっている。
また、ヘッド温度検出装置30Aには、スイッチゲート24Aとスイッチ32の間に、所定の抵抗値の放電抵抗RDが接続されており、コンデンサ36に充電された状態で、スイッチ32を開放することにより、スイッチゲート24A及び放電抵抗RDを介して、コンデンサ36に蓄積された電荷が放電されるようになっている。
このように構成されている駆動制御部14Cでは、例えば、駆動波形信号Dsを出力して、液滴吐出ヘッド12によって液滴を吐出する印字中に、スイッチ32を閉じると共に、選択信号Ssに、スイッチゲート24Aを閉じる信号を含ませる。
これにより、駆動回路18から駆動信号波形Dsに基づいて出力される駆動電力が、スイッチゲート24Aを介してコンデンサ36にも供給されて、コンデンサ36の充電がなされる。
ここで、例えば、コンデンサ36が充電されてヘッド端子電圧Vxが、予め設定している電圧(例えば、電圧Va)に達したタイミングで、スイッチ32を開放する。
これにより、コンデンサ36に蓄積された電荷が、スイッチゲート24A及び放電抵抗RDを介して自然放電される。
このようにしてコンデンサ36の充電及び放電を行うことにより、ヘッド端子電圧Vxの変化から、ヘッド温度を判定することができる。
これにより、ヘッド温度検出装置30Aが設けられている駆動制御部14Cでは、インク液滴を吐出する印字中であっても、任意のタイミングでヘッド温度の測定を行うことができる。したがって、印字中に温度が上昇したときや、他の液滴吐出ヘッド12よりもヘッド温度が下がったときにも、そのヘッド温度の変化に応じた適正な吐出滴量の調整を行って、高品質の画像形成(印字)を行うことができる。
一方、インクジェット記録装置10には、記録用紙の搬送幅方向に沿って複数の液滴吐出ヘッド12(液滴吐出ヘッド12Aを含む)を設けて、液滴吐出ヘッド12を主走査方向に沿って移動することなく、印字(画像形成)が可能となっている。
このとき、複数の液滴吐出ヘッド12のそれぞれで、ヘッド温度を検出して、検出結果に基づいて液滴吐出量を調整する。
これにより、複数の液滴吐出ヘッド12の間で温度差が生じていても、温度差による吐出滴量のバラツキが生じることがない。また、液滴吐出ヘッド12ごとに吐出滴量を調整するので、液滴吐出ヘッド12内の圧電素子20やスイッチゲート24の温度特性や、液滴吐出ヘッド12の間で吐出能力に差(機差)があっても、これらの機差を解消して、適正な液滴吐出を行うことができる。
なお、駆動制御部14Cに設けたヘッド温度検出装置30Aは、前記した駆動制御部14A、14Bに設けることもでき、これにより、駆動制御部14A、14Bの何れにおいても任意のタイミングでヘッド温度の計測を行うことができる。また、駆動制御部14Bにおいては、ヘッド温度の測定を行うときに、可変抵抗VRの抵抗値の切換えが不要となる。
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、液滴吐出装置として、液滴吐出記録装置の一種であるインクジェット記録装置10を例に説明したが、本発明は、インクジェット記録装置10に限らず、任意の構成のインクジェット記録装置に適用することができる。また、本発明は、インクジェット記録装置に限らず、液滴を吐出して記録媒体に画像を形成する任意の構成の液滴吐出記録装置に適用することができる。
さらに、本発明は、液滴吐出記録装置に限らず、例えば、液滴を吐出して半導体パターンなどを形成する液滴吐出装置など、温度変化に応じて静電容量が変化する圧電素子を用いて液滴を吐出する任意の構成の液滴吐出装置に適用することができる。
本実施の形態に適用したインクジェット記録装置の要部の概略構成図である。 コンデンサが接続されたヘッド端子電圧の時間経過に応じた変化の概略を示す線図であり、放電基準電圧に対する放電時間の差を示している。 コンデンサに蓄積した電荷の放電経路を示す概略図である。 ヘッド温度測定処理の一例を示す流れ図である。 コンデンサが接続されたヘッド端子電圧の時間経過に応じた変化の概略を示す線図であり、放電基準時間に対するヘッド端子電圧の差を示している。 ヘッド温度に応じて液滴吐出ヘッドを加熱する駆動制御部の一例を示す概略構成図である。 ヘッド温度に応じて増幅率を可変する駆動制御部の一例を示す概略構成図である。 任意のタイミングでヘッド温度の検出を可能とする駆動制御部の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
10 インクジェット記録装置(液滴吐出装置)
12、12A 液滴吐出ヘッド
14、14A、14B、14C 駆動制御部
16 コントローラ(駆動手段、充電手段、放電手段、検出手段、温度判定手段、駆動制御手段、調整手段)
18 駆動回路(駆動手段)
20 圧電素子
22 スイッチIC
24 スイッチゲート
24A スイッチゲート(計測用スイッチゲート)
26 負帰還回路(放電手段)
22A 負帰還回路(放電手段)
30、30A ヘッド温度検出装置
32 スイッチ(充電手段、放電手段)
34 A/D変換器(検出手段)
36 コンデンサ(蓄電手段)
40 ヘッドヒータ(調整手段、加熱手段)
42 ヒータ駆動回路(調整手段、加熱手段)

Claims (13)

  1. 印加された電圧によって発生する圧力によって液滴を吐出する圧電素子及び、圧電素子への通電を可能とすると共に温度に応じて通電時の抵抗値が変化するスイッチゲートが一体で設けられている液滴吐出ヘッドのヘッド温度を検出するヘッド温度検出方法であって、
    前記液滴吐出ヘッドに前記圧電素子が接続されない空きのスイッチゲートを設けると共に、該スイッチゲートに予め設定している静電容量の蓄電手段を接続しておき、
    該蓄電手段を所定の充電状態から、前記スイッチゲートを介して自然放電させたときの前記蓄電手段又は前記スイッチゲートの端子電圧から、該スイッチゲートが設けられている前記液滴吐出ヘッドのヘッド温度を判定することを特徴とするヘッド温度検出方法。
  2. 印加された電圧によって発生する圧力によって液滴を吐出する圧電素子及び、圧電素子への通電を可能とすると共に温度に応じて通電時の抵抗値が変化するスイッチゲートが一体で設けられている液滴吐出ヘッドのヘッド温度を検出するヘッド温度検出装置であって、
    前記スイッチゲートと共に前記液滴吐出ヘッドに設けられて前記圧電素子が非接続の計測用スイッチゲートと、
    前記計測用スイッチゲートに接続された所定の静電容量の蓄電手段と、
    前記蓄電手段に電荷を蓄積する充電手段と、
    前記計測用スイッチゲートを介して前記蓄電手段に蓄積された電荷を放電可能とする放電手段と、
    前記放電手段によって前記電荷が放電されるときの前記蓄電手段又は前記スイッチゲートの端子電圧を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出される前記端子電圧の変化から前記ヘッド温度を判定する温度判定手段と、
    を含むことを特徴とするヘッド温度検出装置。
  3. 前記端子電圧が所定値となるまで前記蓄電手段を充電した状態で放電されたときに、予め設定した放電時間が経過したときの前記端子電圧に基づいて前記ヘッド温度を判定することを特徴とする請求項2に記載のヘッド温度検出装置。
  4. 前記端子電圧が所定値となるまで前記蓄電手段を充電した状態で放電されたときに、前記端子電圧が予め設定した電圧に低下するまでの放電時間に基づいて前記ヘッド温度を判定することを特徴とする請求項2に記載のヘッド温度検出装置。
  5. 駆動波形に応じた電圧が印加されることにより発生する圧力によって駆動波形に基づいた液滴を吐出する圧電素子及び、圧電素子への通電を可能とすると共に温度に応じて通電時の抵抗値が変化するスイッチゲートが一体で設けられている液滴吐出ヘッドと、
    前記駆動波形が入力されることにより、前記駆動波形に基づいて前記圧電素子を駆動する駆動手段と、
    前記駆動波形を発生して前記液滴吐出ヘッドから吐出する滴量を制御する駆動制御手段と、
    を含む液滴吐出装置であって、
    前記スイッチゲートと共に前記液滴吐出ヘッドに設けられた測定用スイッチゲートと、
    前記液滴吐出ヘッド外に設けられて前記測定用スイッチゲートに接続される所定の静電容量の蓄電手段と、
    前記蓄電手段に充電可能とする充電手段と、
    前記蓄電手段に蓄積された電荷を、前記測定用スイッチゲートを介して放電可能とする放電手段と、
    前記放電手段によって前記電荷が放電されるときの前記蓄電手段又は前記測定用スイッチゲートの端子電圧を検出する検出手段と、
    前記蓄電手段を放電しながら前記検出手段によって検出する前記端子電圧の変化に基づいて前記液滴吐出ヘッドのヘッド温度を判定する判定手段と、
    を含むことを特徴とする液滴吐出装置。
  6. 前記充電手段が、前記駆動波形に基づいて前記駆動手段から前記圧電素子へ前記液滴の吐出用として出力される電力を前記蓄電手段に供給することを特徴とする請求項5に記載の液滴吐出装置。
  7. 前記充電手段が、前記駆動手段から前記液滴の非吐出用として出力される電力を前記蓄電手段に供給することを特徴とする請求項5に記載の液滴吐出装置。
  8. 前記駆動手段に負帰還回路が設けられているときに、前記放電手段が、該負帰還回路を介して前記蓄電手段の放電を行うことを特徴とする請求項7に記載の液滴吐出装置。
  9. 前記判定手段の判定結果に基づいて前記液滴吐出ヘッドから吐出する吐出滴量を調整する調整手段を含むことを特徴とする請求項5から請求項8の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
  10. 前記調整手段が、前記駆動制御手段から出力する前記駆動波形を補正することにより吐出滴量を調整することを特徴とする請求項9に記載の液滴吐出装置。
  11. 前記調整手段が、前記駆動手段によって前記駆動波形に対する電力増幅を行うときの増幅率を制御して、吐出滴量を調整することを特徴とする請求項9に記載の液滴吐出装置。
  12. 前記液滴吐出ヘッドを加熱する加熱手段を設け、前記調整手段が、前記加熱手段を制御して吐出滴量を調整することを特徴とする請求項9に記載の液滴吐出装置。
  13. 複数の前記液滴吐出ヘッドを備えているときに、前記液滴吐出ヘッドごとに前記吐出滴量を調整することを特徴とする請求項9から請求項12の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
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