JP2006255723A - 液相拡散接合の方法及び装置 - Google Patents

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Tatsuji Kashiwagi
達司 柏木
Keiji Wakidokoro
啓治 脇所
Kyota Chiyonobu
恭太 千代延
Katsu Kodama
児玉  克
Shintaro Matsumoto
真太郎 松本
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Abstract

【課題】 被接合管材の両端部に他の2つの被接合管材の端部をそれぞれ接合する接合の作業効率を向上させ接合時間を短縮し接合均一性を向上させる。
【解決手段】 被接合管材22を発熱抵抗体1bにより加熱して膨張させ;ろう材25,25’及びそれらを挟持する被接合管材21,22,23の接合端部を高周波加熱コイル2c,3cにより目標値温度に加熱することで溶融させ;ろう材25,25’及び接合端部を凝固させる。次に、加圧力センサ6により検知される接合端部の加圧力が目標値に近づくように、高周波加熱コイル2c,3cによる加熱状態を制御する。ここで、加圧力を高くすべき時には温度センサ4,5により検知される温度の低い方の接合端部に対応する高周波加熱コイルによる加熱を優先して強め、加圧力を低くすべき時には温度の高い方の接合端部に対応する高周波加熱コイルによる加熱を優先して弱める個別の加熱制御を行う。
【選択図】 図2

Description

本発明は、火力発電プラント等のボイラ内部において熱交換のために使用される通液配管を形成している管状部材等の損傷部分の補修の際に、切除された当該損傷部分に代わって新規管状部材等を接合するのに適用可能な液相拡散接合の方法及び装置に関するものである。特に、本発明は接合作業の効率改善に関するものである。
従来、火力発電プラントや化学プラントなどの各種プラントの密集した配管(例えば、ボイラ用の高温環境下で使用される鋼製の配管)を形成する管状部材の損傷部分を補修する方法として、当該損傷部分を切除し、その部分にほぼ同等な寸法で同等な材質の新規管状部材を拡散接合即ちろう付けにより接合することがなされている。この接合に先立ち、新規管状部材の両端部及びこれらに接合される既設管状部材の切断端部に開先加工が施される。また、接合時には、新規管状部材と既設管状部材との互いに接合される端部である接合端部及びこれらの間に配置されるろう材(例えば、鋼に硼素(B)等を添加することにより低融点化したアモルファスシート)からなる接合部分に対して加熱及び加圧がなされる。
以上のような新規管状部材の両端部とそのそれぞれに対向して配置された既設管状部材の端部との従来のろう付けでは、例えば特許第3276513号公報(特許文献1)及び特開平9−242725号公報(特許文献2)に記載されているように、新規管状部材の一方の端部についての接合を完了した後に他方の端部についての接合を行っている。
特許第3276513号公報 特開平9−242725号公報
上記特許文献1及び2に記載のように、新規管状部材の一方の端部についての接合を完了した後に他方の端部についての接合を行う場合には、該他方の端部についての接合の際に上記一方の端部についての接合の時よりも接合端部同士の間隔が大きくなるので、これら接合端部を含む接合部分に所要の加圧力を得るために、例えば管状部材に対して外部加圧装置を用いて加圧を行って接合端部同士の間隔を短縮したり、管状部材に対して加熱による熱膨張を生ぜしめることで接合端部同士の間隔を短縮したりすることが必要となる。このように、従来の方法では、上記他方の端部の接合の際に上記一方の端部の接合の際とは異なる種類の制御が必要であり、しかも双方の端部について接合に要する時間の総計の短縮が困難であり、接合作業コストの低減も容易ではない。即ち、上記従来の両端部接合の方法は接合作業の効率が十分とはいえない。
本発明は、上記の様な技術的課題を解決し、特に被接合材の両端部に他の2つの被接合材の端部をそれぞれ接合する接合作業の効率を向上させ、接合時間の短縮を可能となし接合作業コストの低減を可能となす接合方法および接合装置を提供することを目的とする。更に、本発明は、被接合材の両端部への他の2つの被接合材の端部の接合を同時に行い、これら2つの接合における接合均一性を向上させることを目的とする。
即ち、本発明によれば、上記目的を達成するものとして、
第1の被接合材の第1の接合端部を第2の被接合材の第2の接合端部と接合し、更に前記第1の被接合材の前記第1の接合端部とは反対側の第3の接合端部を第3の被接合材の第4の接合端部と接合する方法であって、
前記第2及び第3の被接合材を前記第2及び第4の接合端部同士が前記第1及び第3の接合端部同士の間の距離以上の距離を隔てて対向するように保持し;前記第1の被接合材を前記第2及び第3の被接合材に対して、前記第1及び第2の接合端部同士が対向し且つ前記第3及び第4の接合端部同士が対向し、前記第1及び第2の接合端部の間隔が可変で且つ前記第3及び第4の接合端部の間隔が可変となるように、相対移動可能に保持し;前記第1及び第2の接合端部間に第1のろう材を配置し且つ前記第3及び第4の接合端部間に第2のろう材を配置する第1段階と、
前記第1の被接合材を第1の加熱装置により加熱することで膨張させ;前記第1及び第2の接合端部により前記第1のろう材を挟持させ且つ前記第3及び第4の接合端部により前記第2のろう材を挟持させ;前記第1及び第2の接合端部と前記第1のろう材とを第2の加熱装置により所定範囲内の温度に加熱することで溶融させ且つ前記第3及び第4の接合端部と前記第2のろう材とを第3の加熱装置により所定範囲内の温度に加熱することで溶融させ;しかる後に前記第1のろう材及び前記第1及び第2の接合端部を凝固させ且つ前記第2のろう材及び前記第3及び第4の接合端部を凝固させる第2段階と、
前記第2段階で凝固した前記第1のろう材及び前記第1及び第2の接合端部に印加される加圧力並びに前記第2段階で凝固した前記第2のろう材及び前記第3及び第4の接合端部に印加される加圧力が所定範囲内となるように、前記第2及び第3の加熱装置による加熱を制御する第3段階とを含み、
前記第3段階では、前記第1及び第2の接合端部の第1の温度及び前記第3及び第4の接合端部の第2の温度をそれぞれ測定し、前記第1及び第2の接合端部及び前記第3及び第4の接合端部に印加される加圧力を測定し、前記所定範囲内の加圧力の目標値を定めておき、前記加圧力の測定値と前記目標値との大小関係に基づき、前記加圧力の測定値が前記目標値に近づくように前記第2及び第3の加熱装置による加熱状態を制御し、その際に前記加圧力を高くすべき時には前記第1及び第2の温度のうちの低い方に対応する前記第2または第3の加熱装置による加熱を優先して強め、前記加圧力を低くすべき時には前記第1及び第2の温度のうちの高い方に対応する前記第2または第3の加熱装置による加熱を優先して弱める個別の加熱制御を行うことを特徴とする接合方法、
が提供される。
本発明の一態様においては、前記第2段階において、前記第1の被接合材を前記第1の加熱装置により加熱することで膨張させる代わりに、前記第2及び第3の加熱装置により前記第1及び第2の接合端部及び前記第1のろう材並びに前記第3及び第4の接合端部及び前記第2のろう材を加熱することで前記第1の被接合材を膨張させる。本発明の一態様においては、前記第3段階での個別の加熱制御は、前記加圧力が前記所定範囲内に到来した後に実施される。
本発明の一態様においては、前記第1段階における前記第2及び第3の被接合材の保持は、前記第2の加熱装置による加熱範囲の前記第2の被接合材側の端から前記第3の加熱装置による加熱範囲の前記第3の被接合材側の端までと同等の距離だけ隔てた位置にてなされる。本発明の一態様においては、前記温度の所定範囲は1200℃〜1300℃であり、前記加圧力の所定範囲は0.3Kgf/mm〜0.8Kgf/mmである。本発明の一態様においては、前記所定範囲内の温度は前記第1及び第2のろう材の融点以上で且つ前記第1〜第3の被接合材の融点より低い。
本発明の一態様においては、前記第2段階では、前記第1及び第2の接合端部により挟持された前記第1のろう材を溶融させ、該第1のろう材中の第1の融点降下元素を前記第1及び第2の接合端部へと拡散させ、これにより前記第1及び前記第2の接合端部をその融点を降下させることで溶融させ、しかる後に前記第1の融点降下元素を前記第1及び第2の被接合材にて更に拡散させ、これにより前記第1及び第2の接合端部及び前記第1のろう材をその融点を上昇させることで凝固させ、一方、前記第3及び第4の接合端部により挟持された前記第2のろう材を溶融させ、該第2のろう材中の第2の融点降下元素を前記第3及び第4の接合端部へと拡散させ、これにより前記第3及び前記第4の接合端部をその融点を降下させることで溶融させ、しかる後に前記第2の融点降下元素を前記第3及び第4の被接合材にて更に拡散させ、これにより前記第3及び第4の接合端部及び前記第2のろう材をその融点を上昇させることで凝固させる。
本発明の一態様においては、前記第1〜第3の被接合材は鋼からなり、前記第1及び第2のろう材は鋼に前記融点降下元素としてのホウ素を添加してなるアモルファスシートである。本発明の一態様においては、前記第1〜第3の被接合材は管状をなしている。
また、本発明によれば、上記目的を達成するものとして、
第1の被接合材の第1の接合端部を第2の被接合材の第2の接合端部と接合し、更に前記第1の被接合材の前記第1の接合端部とは反対側の第3の接合端部を第3の被接合材の第4の接合端部と接合する装置であって、
前記第2及び第3の被接合材を保持し、前記第1の被接合材を前記第2及び第3の被接合材に対して前記第1及び第2の接合端部の間隔が可変で且つ前記第3及び第4の接合端部の間隔が可変となるように相対移動可能に保持する保持手段と、
前記第1の被接合材を加熱する第1の加熱装置と、
前記第1及び第2の接合端部並びにこれらの間に配置される第1のろう材を含んでなる第1の接合部分を加熱する第2の加熱装置と、
前記第3及び第4の接合端部並びにこれらの間に配置される第2のろう材を含んでなる第2の接合部分を加熱する第3の加熱装置と、
前記第1の接合部分の第1の温度を検知する第1温度検知手段と、
前記第2の接合部分の第2の温度を検知する第2温度検知手段と、
前記第1及び第2の接合部分に印加される加圧力を検知する加圧力検知手段と、
前記第1及び第2の温度検知手段により検知される前記第1及び第2の温度の信号及び前記加圧力検知手段により検知される前記加圧力の信号が入力され、前記第1〜第3の加熱装置にそれぞれ駆動信号を出力する制御装置と、
を含み、
前記制御装置が出力する前記駆動信号は、前記第1〜第3の加熱装置をして、前記第1及び第2の温度の信号が所定範囲内の温度を示すように前記第1及び第2の接合部分を加熱させることで、前記第1〜第3の被接合材を膨張させて前記第1及び第2の接合端部により前記第1のろう材を挟持させ且つ前記第3及び第4の接合端部により前記第2のろう材を挟持させ、前記第1及び第2の接合部分を溶融させ、しかる後に該第1及び第2の接合部分を凝固させ、また、前記第1〜第3の加熱装置をして、前記加圧力検知手段から入力される信号が所定範囲内の加圧力を示すように前記第1及び第2の接合部分を加熱させるものであり、
前記制御装置は、前記所定範囲内の加圧力の予め定められた目標値と前記加圧力の信号が示す加圧力測定値との大小関係に基づき、前記加圧力測定値が前記目標値に近づくように前記第2及び第3の加熱装置に対する駆動信号を出力し、その際に前記加圧力を高くすべき時には前記第1及び第2の温度のうちの低い方に対応する前記第2または第3の加熱装置による加熱を優先して強め、前記加圧力を低くすべき時には前記第1及び第2の温度のうちの高い方に対応する前記第2または第3の加熱装置による加熱を優先して弱める個別の加熱制御を行うことを特徴とする接合装置、
が提供される。
本発明の一態様においては、前記第2及び第3の加熱装置が前記第1の加熱装置を兼ねている。本発明の一態様においては、前記第2及び第3の加熱装置は高周波加熱装置である。本発明の一態様においては、前記第1の加熱装置は抵抗加熱装置または高周波加熱装置である。
以上のような本発明の接合方法及び接合装置においては、第1の被接合材の両端部を同時に第2及び第3の被接合材の端部とそれぞれ接合するので、接合作業の効率が高められ、接合時間の短縮及び接合作業コストの低減が可能となる。更に、第3段階で、第1及び第2の接合部分の温度差が縮小するように第2の加熱装置と第3の加熱装置とを個別に制御するので、第1及び第2の接合部分の接合均一性が高められる。
以下に、本発明による液相拡散接合の方法及び装置の実施形態について詳細に説明する。
図1は液相拡散接合装置の構成の概略を示すブロック図であり、図2はこの装置の使用状態における接合ヘッド部分を示す模式図である。
本実施形態の液相拡散接合装置は、第1の加熱装置としての抵抗加熱装置1、第2の加熱装置としての高周波加熱装置2、第3の加熱装置としての高周波加熱装置3、第1の温度検知手段としての温度センサ4、第2の温度検知手段としての温度センサ5、加圧力検知手段としての加圧力センサ6及び制御装置8を備えている。抵抗加熱装置1は、電源1aと発熱抵抗体1bとを有する。高周波加熱装置2は、高周波電源2aと整合トランス2bと高周波加熱コイル2cとを有する。高周波加熱装置3は、高周波電源3aと整合トランス3bと高周波加熱コイル3cとを有する。電源1a及び高周波電源2a,3aは制御装置8から発せられる駆動信号により動作の制御を受ける。電源1aの電力は発熱抵抗体1bに供給され、高周波電源2a,3aの電力はそれぞれ整合トランス2b,3bを経て高周波加熱コイル2c,3cに供給される。発熱抵抗体1b、高周波加熱コイル2c,3c、温度センサ4,5、加圧力センサ6、及び保持手段としてのクランプ装置10を含んで接合ヘッド12が構成される。
温度センサ4,5は、例えば熱電対からなり、図2に示されているように、第1及び第2の被接合材としての1対の被接合管材22,21のうちの一方である被接合管材22の接合端部の外面、及び第1及び第3の被接合材としての1対の被接合管材22,23のうちの一方である被接合管材22の接合端部の外面に、固定しておくことができる。加圧力センサ6は、例えばロードセルからなり、図2に示されているように、第1〜第3の被接合管材21〜23を保持する保持手段であるクランプ装置10に付設しておくことができる。加圧力センサ6としては、被接合管材21〜23のうちの1つの接合端部近傍の外面に付された歪ゲージを用いてもよい。クランプ装置10は、第2の被接合管材21を所定位置にて把持する第1の把持部10aと、第3の被接合管材23を所定位置にて把持する第2の把持部10bと、これらの把持部同士を連結する連結部10cとを備えている。クランプ装置10は、更に、第1の被接合管材22を所定位置にて把持する第3の把持部10d及び第4の把持部10eを備えている。第3及び第4の把持部10d,10eは、連結部10cに対して被接合管材21,22,23の長手方向に沿って移動可能である。クランプ装置10は、把持部の把持が例えば油圧駆動によりなされるものである。加圧力センサ6は、連結部10cと第2の把持部10bとの結合部分に介在しており、被接合管材21,23の間に発生する管材長手方向(上下方向)の加圧力を検知することができる。
図2に示されているように、高周波加熱コイル2cは、被接合管材21の上端部(第2の接合端部)21Eと、これに対向する被接合管材22の下端部(第1の接合端部)22Eとの径方向外方に位置しており、第1及び第2の接合端部に対して高周波誘導による加熱を行うことができる。即ち、高周波加熱コイル2cは、被接合管材21,22の延在方向である上下方向に関して長さLの加熱範囲を有する。高周波加熱コイル2cは、クランプ装置10に取り付けられていて、縦方向(上下方向)に延びた分割面により分割された2つの部分からなり、一方の部分に対して他方の部分がヒンジなどにより回動可能に結合されている。従って、接合ヘッド12を接合のための位置に配置し或いはその位置から退去させる際に、高周波加熱コイル2cを被接合管材21,22に対して所定の位置に配置し或いは該所定の位置から除去することができる。
同様に、高周波加熱コイル3cは、被接合管材23の下端部(第4の接合端部)23Eと、これに対向する被接合管材22の上端部(第3の接合端部)22E’との径方向外方に位置しており、第3及び第4の接合端部に対して高周波誘導による加熱を行うことができる。即ち、高周波加熱コイル3cは、被接合管材22,23の延在方向である上下方向に関して長さL’の加熱範囲を有する。高周波加熱コイル3cは、クランプ装置10に取り付けられていて、縦方向(上下方向)に延びた分割面により分割された2つの部分からなり、一方の部分に対して他方の部分がヒンジなどにより回動可能に結合されている。従って、接合ヘッド12を接合のための位置に配置し或いはその位置から退去させる際に、高周波加熱コイル3cを被接合管材22,23に対して所定の位置に配置し或いは該所定の位置から除去することができる。
尚、従来の液相拡散接合装置と同様に、高周波加熱コイル2c,3cの周囲にシールドガスを供給する手段を設けておくことができる。
また、図2に示されているように、発熱抵抗体1bは、被接合材22の中央部の周囲に位置しており、被接合材22に対する加熱を行うことができる。即ち、発熱抵抗体1bは、被接合管材22の延在方向である上下方向に関して長さLの加熱範囲を有する。発熱抵抗体1bは、クランプ装置10に取り付けられていて、高周波加熱コイル2c,3cと同様に、縦方向(上下方向)に延びた分割面により分割された2つの部分からなり、一方の部分に対して他方の部分がヒンジなどにより回動可能に結合されている。従って、接合ヘッド12を接合のための位置に配置し或いはその位置から退去させる際に、発熱抵抗体1bを被接合材22に対して所定の位置に配置し或いは該所定の位置から除去することができる。
以上のような抵抗加熱装置1、高周波加熱装置2,3、温度センサ4,5及び加圧力センサ6としては、従来知られているものを使用することができる。
制御装置8は、温度センサ4,5により検知される温度の信号及び加圧力センサ6により検知される加圧力の信号が入力され、これに基づき抵抗加熱装置1及び高周波加熱装置2,3に駆動信号を出力する。
以下、本実施形態の接合装置を用いた本発明による液相拡散接合方法の一実施形態を説明する。
図3(a)に示されるように、火力発電プラントのボイラ内部には熱交換用の通水配管を形成する壁状に密集配置された上下方向の複数の管材30が設けられている。管材30は、例えば炭素鋼からなる。これらのうちの経時劣化による損傷部分31のある管材につき、図3(b)に示されるように、損傷部分31を切除する。この切除により分断された管材30の2つの部分により、既設管材21,23が形成される。下側の既設管材21の上向き端面21a及び上側の既設管材23の下向き端面23aに対して、接合のための所要の表面粗さに仕上げる開先加工を施す。
次に、図3(c)に示されるように、切除された損傷部分31と同等な寸法(但し、長さL’は既設管材21,23の端面21a,23a間の距離より常温において僅かに[例えば0.5mm〜3mm程度]短い)で欠陥のない新規管材22を用意し、その両端面に対して接合のための所要の表面粗さに仕上げる開先加工を施す。そして、新規管材22の下向き端面と既設管材21の上向き端面とを液相拡散接合により接合し、同時に新規管材22の上向き端面と既設管材23の下向き端面とを液相拡散接合により接合する。この接合は、本発明に従い、次のようにして行われる。
第1段階として、図2に示されるように、第2の被接合材としての既設管材21と第1の被接合材としての新規管材22と第3の被接合材としての既設管材23とを、第2の接合端部である既設管材21の上端部21Eと第1の接合端部である新規管材22の下端部22Eとが常温において距離gを維持し、更に第4の接合端部である既設管材23の下端部23Eと第3の接合端部である新規管材22の上端部22E’とが常温において距離g’を維持するように、クランプ装置10の把持部10a,10b,10d,10eで保持する。把持部10a,10b間の距離Lは、常温において、新規管材22の長さLと上記の距離gと上記の距離g’との和より大きい。
既設管材上端部21Eと新規管材下端部22Eとの間に第1のろう材としてのアモルファスシート25を配置し、既設管材下端部23Eと新規管材上端部22E’との間に第2のろう材としてのアモルファスシート25’を配置する。アモルファスシートとしては、例えば管材21,22,23と同等な炭素鋼に融点降下元素としてのホウ素(B)等を添加することにより低融点化したものを使用することができる。アモルファスシート25,
25’の厚さは例えば25μm程度であり、距離gと距離g’との和は例えば3mm〜5mm程度である。また、距離Lは、距離(g+g’)と関連づけて後述のようにして設定される。装置の小型化の点から及び後述の距離(g+g’)と距離Lとの互いに関連付けられた設定の容易さの点から、距離Lは、上記高周波加熱コイル2cの加熱範囲Lの下端(既設管材21側の端)から上記高周波加熱コイル3cの加熱範囲L’の上端(既設管材23側の端)までと同等の距離だけ隔てた該上下端の直近の位置にてなされるようにすることが好ましい。尚、新規管材22の下端部22E及び上端部22E’には予め温度センサ4,5を取り付けておく。
次に、第2段階として、抵抗加熱装置1により新規管材22を加熱する。この加熱温度は、アモルファスシート25,25’の融点未満である。この加熱により、新規管材22が膨張せしめられ、既設管材上端部21Eと新規管材下端部22Eとの間の距離及び既設管材下端部23Eと新規管材上端部22E’との間の距離の合計が減少する。この段階では、既設管材上端部21Eと新規管材下端部22Eとによるアモルファスシート25の挟持には至らず、既設管材下端部23Eと新規管材上端部22E’とによるアモルファスシート25’の挟持にも至っていない。
次いで、既設管材上端部21Eと新規管材下端部22Eとアモルファスシート25とを高周波加熱装置2により所定範囲(後述のTa)内の温度に加熱する。この温度の所定範囲は、アモルファスシート25の融点以上で且つ管材21,22の融点より低い範囲であり、例えば1200℃〜1300℃である。この加熱により、既設管材21とくにその上端部21Eと新規管材22とくにその下端部22Eとが膨張せしめられる。
同時に、既設管材下端部23Eと新規管材上端部22E’とアモルファスシート25’とを高周波加熱装置3により上記所定範囲Ta内の温度に加熱する。この加熱により、既設管材23とくにその下端部23Eと新規管材22とくにその上端部22E’とが膨張せしめられる。
かくして、既設管材上端部21Eと新規管材下端部22Eとによりアモルファスシート25が挟持され、即ち既設管材上端部21Eと新規管材下端部22Eとがアモルファスシート25を介して突き当てられる。更に、既設管材下端部23Eと新規管材上端部22E’とによりアモルファスシート25’が挟持され、即ち既設管材下端部23Eと新規管材上端部22E’とがアモルファスシート25’を介して突き当てられる。
また、この温度への加熱により、アモルファスシート25と、既設管材上端部21E及び新規管材下端部22Eとが溶融せしめられる。即ち、この加熱温度がアモルファスシート25の融点以上であることから、アモルファスシート25が溶融せしめられ、該アモルファスシート25中の融点降下元素であるホウ素が既設管材上端部21E及び新規管材下端部22Eへと拡散する。これにより、既設管材上端部21E及び新規管材下端部22Eの融点が降下して、この加熱温度で溶融せしめられるようになる。しかる後に、ホウ素は既設管材21及び新規管材22にて更に拡散し、溶融部分のホウ素濃度が低下する。また、これらと並行して、溶融したアモルファスシート25中のホウ素濃度も低下する。これにより、溶融状態にある既設管材上端部21E、新規管材下端部22E及びアモルファスシート25は、それらの融点が上昇することで、この加熱温度で凝固する。
同様に、この温度への加熱により、アモルファスシート25’と、既設管材下端部23E及び新規管材上端部22E’とが溶融せしめられる。即ち、この加熱温度がアモルファスシート25’の融点以上であることから、アモルファスシート25’が溶融せしめられ、該アモルファスシート25’中の融点降下元素であるホウ素が既設管材下端部23E及び新規管材上端部22E’へと拡散する。これにより、既設管材下端部23E及び新規管材上端部22Eの融点が降下して、この加熱温度で溶融せしめられるようになる。しかる後に、ホウ素は既設管材23及び新規管材22にて更に拡散し、溶融部分のホウ素濃度が低下する。また、これらと並行して、溶融したアモルファスシート25’中のホウ素濃度も低下する。これにより、溶融状態にある既設管材下端部23E、新規管材上端部22E’及びアモルファスシート25’は、それらの融点が上昇することで、この加熱温度で凝固する。
以上のようにして凝固した既設管材上端部21E、新規管材下端部22E及びアモルファスシート25からなる第1の接合部分、及び既設管材下端部23E、新規管材上端部22E’及びアモルファスシート25’からなる第2の接合部分は、微細空孔が残留し、金属組織が十分に緻密化及び均質化していないことがあるので、第3段階で、その組織緻密化及び均質化を促進するために適正圧力印加の処理を行うのが好ましい。
即ち、第3段階として、第1及び第2の接合部分に印加される加圧力が所定範囲(後述のPb)内となるように、高周波加熱装置2,3による接合部分の加熱を制御する。この加圧力の所定範囲は、微細空孔を排除し且つ接合部分の組成を他の管材部分と均質化するために凝固後の管材におけるホウ素の拡散を促進するのに有利な加圧力範囲であり、例えば、0.3Kgf/mm〜0.8Kgf/mmであり、好ましくは0.4Kgf/mm〜0.6Kgf/mmである。この第3段階では、抵抗加熱装置1による新規管材22の加熱ひいては第1及び第2の接合部分の加熱を一定に維持しつつ、高周波加熱装置2,3により第1及び第2の接合部分の加熱を後述のようにして制御する。
上記距離Lは、次のようにして設定される。即ち、常温をTとし、上記所定範囲Ta内の温度をTとし、既設管材21及び新規管材22,23の線膨張率をβとすると、既設管材上端部21Eと新規管材下端部22Eとの距離が、常温Tではgであり且つ所定範囲内温度Tでは零となり、更に、既設管材下端部23Eと新規管材上端部22E’との距離が、常温Tではg’であり且つ所定範囲内温度Tでは零となることから、以下の関係式
β(T−T)(L−g−g’)≧(g+g’)
が成り立つ。従って、距離Lは距離g,g’に応じて、
L≧[1+β(T−T)](g+g’)/[β(T−T)]
を満たすように設定される。
尚、ここでは、距離Lは常温Tと所定範囲内温度Tとで同一であると近似している。また、所定範囲内温度Tでは既設管材上端部21Eの少なくとも一部及び新規管材下端部22Eの少なくとも一部並びにアモルファスシート25が溶融することで、これらの部分の上下方向寸法がアモルファスシート25の厚さ程度減少するものと近似している。同様に、所定範囲内温度Tでは既設管材下端部23Eの少なくとも一部及び新規管材上端部22E’の少なくとも一部並びにアモルファスシート25’が溶融することで、これらの部分の上下方向寸法がアモルファスシート25’の厚さ程度減少するものと近似している。更に、線膨張係数βは温度範囲T〜Tにおいて一定であると近似している。また、クランプ装置10による保持位置間の管材の温度は一様であると近似している。
上記のように、距離Lが高周波加熱コイル2cの加熱範囲Lの下端から高周波加熱コイル3cの加熱範囲L’の上端までと同等である場合については、 例えば、β=12×10−6/℃,g=g’=1[mm],T=20[℃],T=1250[℃]とすれば、L≧137.5mmとなる。溶融による管材端部の収縮を見込んで、可能な最小値より若干大きめのL即ち[L’+2+(L−1)/2+(L’−1)/2]を設定する。ここで、既設管材上端部21Eの長さ及び新規管材下端部22Eの長さが同等で且つ既設管材下端部23Eの長さ及び新規管材上端部22E’の長さが同等であるとしている。尚、この収縮量は、管材の外径及び厚み等に応じて異なるが、たとえば0.2〜0.5mmである。
一方、上記関係式に基づき、距離g,g’は距離Lに応じて、
(g+g’)≦β(T−T)L/[1+β(T−T)]
を満たすように設定される。
上記のように、距離Lが高周波加熱コイル2cの加熱範囲Lの下端から高周波加熱コイル3cの加熱範囲L’の上端までと同等である場合については、例えば、β=12×10−6/℃,L=275[mm],T=20[℃],T=1250[℃]とすれば、(g+g’)≦4mmとなる。上記のような溶融による管材端部の収縮を見込んで、可能な最大値より若干小さめのgを設定する。
以上のように、β(T−T)(L−g−g’)≧(g+g’)の関係式を満たし、且つ溶融による管材端部の収縮を見込んで、Lと(g+g’)との関係を適宜設定することで、本発明の液相拡散接合が可能になる。
以上の説明ではクランプ装置10による保持位置間の管材の温度は一様であると近似しているが、厳密には、第2段階及び第3段階では、高周波加熱コイル2cの加熱範囲Lの温度及び高周波加熱コイル3cの加熱範囲L’の温度と、発熱抵抗体1bの加熱範囲Lの温度と、これら加熱範囲以外の部分とでは温度に差がある。即ち、厳密には、上記関係式において、クランプ装置10による保持位置間の管材の温度分布を考慮するのが好ましい。また、距離Lが高周波加熱コイル2cの加熱範囲Lの下端から高周波加熱コイル3cの加熱範囲L’の上端までの距離より大きい場合には、上記関係式において、上記上下端間の範囲外であってクランプ装置10による管材保持位置の間にある管材部分の温度分布をも考慮するのが好ましい。これらの温度分布の推定のために、上記温度センサ4,5とは別に、管材の適宜の位置たとえば発熱抵抗体1bの加熱範囲の近傍に熱電対などの温度センサを配置することができる。温度分布は、管材の材質、外径及び厚み等に応じて異なるので、種々の条件で予めシミュレーションまたは実験などを行っておき、実測される各部分の温度に基づきクランプ装置10による保持位置間の管材の温度分布を推定する。そして、この推定された温度分布を考慮し、上記関係式を適宜補正して距離Lと距離(g+g’)との関係を適宜設定する。
距離(g+g’)は使用される新規管材22の長さを変更することで変化させることができる。即ち、距離Lが固定されている場合には、それに対応する適切な長さの管材を使用する。予め長さの少しずつ異なる管材を用意しておき、そのうちから適宜のものを選択使用することも可能である。一方、距離Lは、クランプ装置10による管材保持位置を変更することで変化させることができる。即ち、距離(g+g’)が固定されている場合には、管材保持位置を変更する。距離Lを高周波加熱コイル2cの加熱範囲Lの下端から高周波加熱コイル3cの加熱範囲L’の上端までと同等に設定する場合において、距離Lを変化させる時には、伸縮などにより加熱範囲L,L’が可変の高周波加熱コイル2c,3cを用いることができる。 但し、第2段階における第1及び第2の接合部分の溶融時に印加される加圧力が該接合部分の過大な変形を招くことがないようにすることから、距離Lには上限がある。即ち、距離Lの上限は、第2段階において接合部分の溶融時に印加される加圧力が上限値例えば1Kgf/mmを超えない範囲(後述のPa)内となるように、設定される。
図4は、以上のような接合における、特に第2段階及び第3段階における、接合部分の温度及び加圧力の変化の一例を示すグラフである。第1の接合部分の温度(第1の温度)と第2の接合部分の温度(第2の温度)とは厳密には互いに異なるのが典型的であるが、図4では、便宜上これら第1及び第2の温度が同一(単に接合部分の温度と指示されている)の場合が示されている。
時刻0において、既設管材上端部21E、新規管材下端部22E及びアモルファスシート25からなる第1の接合部分(未だ接合が完了していない状態であっても、便宜上、接合部分という)の温度[単位は℃:以下同様]即ち第1の温度は常温Tであり且つ加圧力[単位はKgf/mm:以下同様]は0であり、既設管材下端部23E、新規管材上端部22E’及びアモルファスシート25’からなる第2の接合部分(未だ接合が完了していない状態であっても、便宜上、接合部分という)の温度即ち第2の温度は常温Tであり且つ加圧力は0である。
時刻0において、制御装置8から出力された駆動信号の抵抗加熱装置1への入力が開始される。これにより、発熱抵抗体1bによる新規管材22の加熱が開始され、新規管材22の温度が上昇して熱膨張し、既設管材上端部21Eと新規管材下端部22Eとの間の距離及び既設管材下端部23Eと新規管材上端部22E’との間の距離の合計は次第に小さくなる。時刻0から時刻tまでの時間は、例えば60秒程度である。
次いで、時刻tにおいて、制御装置8から出力された駆動信号の高周波加熱装置2,3への入力が開始される。これにより、高周波加熱コイル2cによる第1の接合部分の加熱及び高周波加熱コイル3cによる第2の接合部分の加熱が開始され、これらの部分の温度が上昇し、既設管材21,23及び新規管材22が熱膨張する。尚、発熱抵抗体1bによる新規管材22の加熱は継続される。
やがて、時刻tにおいて、既設管材上端部21Eと新規管材下端部22Eとによるアモルファスシート25の挟持及び既設管材下端部23Eと新規管材上端部22E’とによるアモルファスシート25’の挟持が開始される。この時点で、第1及び第2の接合部分の温度は上記所定範囲Ta内にあり、以後、時刻tまでは、これら接合部の温度が上記所定範囲Ta内の温度T(例えば1250℃)を維持するように、高周波加熱装置2,3の駆動制御がなされる。即ち、温度センサ4により検知される第1の温度の信号に基づき、該第1の温度が上記Tになるように高周波加熱装置2に対する加熱のための駆動信号が制御される。同様に、温度センサ5により検知される第2の温度の信号に基づき、該第2の温度が上記Tになるように高周波加熱装置3に対する加熱のための駆動信号が制御される。このような第1及び第2の接合部分の温度を目標値温度Tに維持する制御は、フィードバック制御などの制御方法を用いて行うことができる。尚、所定範囲Ta内の温度Tは、一定値ではなくある程度の幅をもった温度範囲(例えば1240〜1260℃)であってもよい。
時刻t以降において、アモルファスシート25,25’の溶融及びそれに続く既設管材上端部21E及び新規管材下端部22Eの溶融並びに既設管材下端部23E及び新規管材上端部22E’の溶融が生ずる。また時刻tの前後において、アモルファスシート25、既設管材上端部21E及び新規管材下端部22Eの凝固並びに既設管材下端部23E及び新規管材上端部22E’の凝固が生ずる。
時刻tにおいて、第1及び第2の接合部分に印加される加圧力の上昇が開始される。そして、時刻tより後の時刻t’において、これら接合部分に印加される加圧力が上記範囲Paの下限に到達する。この加圧力範囲Paは、溶融したアモルファスシート内のホウ素の既設管材上端部21E及び新規管材下端部22E並びに既設管材下端部23E及び新規管材上端部22E’への拡散に有利で且つ接合部分の過大な変形を抑制し得る範囲であり、その下限値は例えば0.3Kg/mmであり、また上限値は上記の如く例えば1Kg/mmである。
時刻t’以降において、加圧力は更に上昇し、時刻tにおいて加圧力範囲Paの上限に到達する。 時刻tは時刻tと一致していてもよい。即ち、時刻tにおいて、既設管材上端部21Eと新規管材下端部22Eとによるアモルファスシート25の挟持及び既設管材下端部23Eと新規管材上端部22E’ とによるアモルファスシート25’の挟持が開始されてもよい。時刻tから時刻tまでの時間は、例えば30秒〜60秒である。
以上のように、時刻0から時刻tまでの第2段階では、温度センサ4,5により検知される第1及び第2の接合部分の温度がそれぞれ所定範囲Ta内の温度Tとなるように、制御装置8による抵抗加熱装置1の制御(一定の発熱状態の維持)及び高周波加熱装置2,3の個別制御がなされる。尚、温度センサ4,5により検知される第1及び第2の接合部分の温度(第1及び第2の温度)は、理想的には同一であるが、実際には上記のように互いに異なることがある。
次に、時刻tから時刻tまでは、加圧力センサ6により検知される第1及び第2の接合部分の加圧力が上記所定範囲Pb内の圧力P(例えば0.5Kgf/mm)となるように、制御装置8による高周波加熱装置2,3の制御がなされる。即ち、時刻t以降時刻tまでは、これら接合部分の温度が低下するように高周波加熱装置2,3による加熱が制御され、これに伴い第1及び第2の接合部分に印加される加圧力が低下する。尚、所定範囲Pb内の圧力Pは、一定値ではなくある程度の幅をもった圧力範囲(例えば0.45〜0.55Kgf/mm)であってもよい。尚、発熱抵抗体1bによる新規管材22の加熱は継続される。そして、時刻tにおいて、これら第1及び第2の接合部分に印加される加圧力が所定範囲Pbの上限に到達する。この加圧力所定範囲Pbにほぼ対応する温度範囲がTbである。時刻tまでには、アモルファスシート25,25’、既設管材上端部21E、新規管材下端部22E、既設管材下端部23E及び新規管材上端部22E’ の凝固が完了しており、それ以降は接合部分の組成の均質化がなされる。
時刻tから時刻tまでの時間は、例えば80秒〜500秒である。この第3段階での制御装置8による高周波加熱装置2,3の制御の詳細については、後述する。
時刻t以降は、抵抗加熱装置1及び高周波加熱装置2,3による加熱が停止され、第1及び第2の接合部分の温度が低下せしめられ、これに伴い接合部分の加圧力も低下する。
ここで、本発明の主要な特徴の1つであるところの、第3段階において第1及び第2の接合部分の加圧力を目標値Pに近付けて該目標値に維持する制御につき、説明する。
図5は、制御装置8で実行される加圧力の制御すなわち高周波加熱装置2,3への駆動信号の作成の一例の概略を示すフロー図である。
時刻t(t〜t)において、加圧力センサ6から制御装置8へと入力される信号が示す第1及び第2の接合部分の加圧力の値をP(t)とし、温度センサ4から制御装置8へと入力される信号が示す第1の接合部分の温度(第1の温度)の値をT1(t)とし、温度センサ5から制御装置8へと入力される信号が示す第2の接合部分の温度(第2の温度)の値をT2(t)とする。また、時刻tにおける高周波加熱装置2への駆動信号が示す高周波加熱装置2による単位時間あたりの発熱量に対応する供給エネルギー値をE1(t)とし、時刻tにおける高周波加熱装置3への駆動信号が示す高周波加熱装置3による単位時間あたりの発熱量に対応する供給エネルギー値をE2(t)とする。
制御装置8では、時刻t以降時刻tまでの間に適宜の時間Δt例えば0.1〜0.5秒ごとに、時刻tでの加圧力の値P(t)に対して上記加圧力目標値Pとの差分値である加圧力差分値ΔP(t)=P(t)−Pの演算を行い、この値ΔP(t)が正であるか零であるか負であるかを判定する(ステップS1)。図4に示されるように、P(t)はPより大きいので、時刻tでは差分値ΔP(t)は正であるとの判定がなされ、以後時刻tを経過するまではΔP(t)は正であるとの判定がなされる。
ところで、上記のように、T1(t)とT2(t)とは一般的には互いに異なる。そこで、本発明では、上記ステップS1にて加圧力差分値ΔP(t)が正であると判定された場合及び負であると判定された場合には、続いてT1(t)とT2(t)との差分値である温度差分値ΔT(t)=T1(t)−T2(t)を算出し、この温度差分値が正または零であるか負であるかを判定する(ステップS2−1,S2−2)。
そして、上記ステップS1において加圧力差分値ΔP(t)が正であると判定され且つ上記ステップS2−1で温度差分値ΔT(t)が正または零であると判定された場合には、以後の時間Δtにおける第1の接合部分の温度を低下させてP(t)をPに近づけるようにする。そのためには、例えばE1(t)の値を減少させることでE1(t)+E2(t)の値を減少させ、即ち高周波加熱装置3による加熱状態はそのまま維持しつつ高周波加熱装置2による加熱状態のみを優先して温度低下の方向に導く駆動信号の作成及びその出力がなされる(ステップS3−1)。但し、ここでは放熱または蓄熱の影響を無視している。放熱または蓄熱の影響を考慮する場合には、E1(t)+E2(t)の値に放熱または蓄熱の寄与分(この寄与分は、新規管材22及び既設管材21,23の寸法、温度及び熱的性質等を考慮して予めシミュレーションにより得ておくことが可能である)を付加してなる補正値が減少するように、E1(t)の値を減少させる。また、冷却速度を高めるためには、例えば、高周波加熱装置2の動作を停止してE1(t)の値を零とすることで自然放冷してもよい。
上記ステップS1において加圧力差分値ΔP(t)が正であると判定され且つ上記ステップS2−1で温度差分値ΔT(t)が負であると判定された場合には、以後の時間Δtにおける第2の接合部分の温度を低下させてP(t)をPに近づけるようにする。そのためには、例えばE2(t)の値を減少させることでE1(t)+E2(t)の値を減少させ、即ち高周波加熱装置2による加熱状態はそのまま維持しつつ高周波加熱装置3による加熱状態のみを優先して温度低下の方向に導く駆動信号の作成及びその出力がなされる(ステップS3−2)。但し、ここでは放熱または蓄熱の影響を無視している。放熱または蓄熱の影響を考慮する場合には、E1(t)+E2(t)の値に放熱または蓄熱の寄与分を付加してなる補正値が減少するように、E2(t)の値を減少させる。また、冷却速度を高めるためには、例えば、高周波加熱装置3の動作を停止してE2(t)の値を零とすることで自然放冷してもよい。
上記ステップS1において加圧力差分値ΔP(t)が零であると判定された場合には、以後の時間Δtにおける第1及び第2の接合部分の温度をそのまま維持するようにする。そのためには、例えばE1(t)及びE2(t)の値を維持し、即ち高周波加熱装置2,3による加熱状態をそのまま維持する駆動信号の作成及びその出力がなされる(ステップS3−3)。但し、ここでは放熱または蓄熱の影響を無視している。放熱または蓄熱の影響を考慮する場合には、E1(t)+E2(t)の値に放熱または蓄熱の寄与分を付加してなる補正値が維持されるようにする。
上記ステップS1において加圧力差分値ΔP(t)が負であると判定され且つ上記ステップS2−2で温度差分値ΔT(t)が正または零であると判定された場合には、以後の時間Δtにおける第2の接合部分の温度を上昇させてP(t)をPに近づけるようにする。そのためには、例えばE2(t)の値を増加させることでE1(t)+E2(t)の値を増加させ、即ち高周波加熱装置2による加熱状態はそのまま維持しつつ高周波加熱装置3による加熱状態のみを優先して温度上昇の方向に導く駆動信号の作成及びその出力がなされる(ステップS3−4)。但し、ここでは放熱または蓄熱の影響を無視している。放熱または蓄熱の影響を考慮する場合には、E1(t)+E2(t)の値に放熱または蓄熱の寄与分を付加してなる補正値が増加するように、E2(t)の値を増加させる。
上記ステップS1において加圧力差分値ΔP(t)が負であると判定され且つ上記ステップS2−2で温度差分値ΔT(t)が負であると判定された場合には、以後の時間Δtにおける第1の接合部分の温度を上昇させてP(t)をPに近づけるようにする。そのためには、例えばE1(t)の値を増加させることでE1(t)+E2(t)の値を増加させ、即ち高周波加熱装置3による加熱状態はそのまま維持しつつ高周波加熱装置2による加熱状態のみを優先して温度上昇の方向に導く駆動信号の作成及びその出力がなされる(ステップS3−5)。但し、ここでは放熱または蓄熱の影響を無視している。放熱または蓄熱の影響を考慮する場合には、E1(t)+E2(t)の値に放熱または蓄熱の寄与分を付加してなる補正値が増加するように、E1(t)の値を増加させる。
以上のようなステップS1,S2−1,S2−2,S3−1〜S3−5を、上記時間Δt毎に繰り返し実行する。以上の加熱制御では、加圧力値P(t)をその目標値Pに近づけるために、高周波加熱装置2,3による加熱を全体として弱めたり強めたりするのであるが、その弱め方または強め方を、第1及び第2の接合部分同士の加熱状態が接近するように(即ち、温度値T1(t)と温度値T2(t)との差の絶対値が縮小するように)、高周波加熱装置2,3のうちのいずれか一方による加熱を優先して制御する。これにより、第1の接合部分と第2の接合部分とで熱履歴の差が縮小し、接合の均一性が高められる。
また、以上のように、第1及び第2の接合部分の接合を同時に行うことで接合時間の短縮及び接合に要するエネルギーの低減が実現される。
以上の説明では、時刻tから時刻tまでの全てにわたってステップS1,S2−1,S2−2,S3−1〜S3−5の加熱制御を行うものとしているが、本発明においては、以上のような加熱制御を時刻tから時刻tまでの間のみ行うようにしてもよい。その場合には、時刻tから時刻tまでの間においては、高周波加熱装置2,3の動作を停止してE1(t)+E2(t)の値を零とすることで自然放冷して、この時間の短縮ひいては接合に要する全体の時間の短縮を図ることができる。
尚、第2段階において、新規管材22を抵抗加熱装置1により加熱することで膨張させる代わりに、高周波加熱装置2,3により第1及び第2の接合部分を加熱することで新規管材22を膨張させてもよい。即ち、高周波加熱装置2,3を上記実施形態の抵抗加熱装置1の代行をするものとして使用(即ち兼用)してもよい。この場合の上記図4と同様な第2段階及び第3段階における接合部分の温度及び加圧力の変化の一例を示すグラフを、図6に示す。第2段階において、時刻0から時刻tまでの加熱は高周波加熱装置2,3によりなされる。
以上の実施形態では、第1の加熱装置として抵抗加熱装置を使用しているが、本発明においては、第1の加熱装置として上記実施形態での第2及び第3の加熱装置と同様な高周波加熱装置を使用してもよい。
以上の実施形態では、第1、第2及び第3の被接合材として鋼からなり且つ管状をなしているものが使用されているが、本発明においては、第1、第2及び第3の被接合材は、鋼以外の金属からなるものであってもよいし、管状以外の例えば棒状をなしているものであってもよい。
更に、以上の実施形態においては、アモルファスシート25を既設管材上端部21Eと新規管材下端部22Eとの間に配置する際に、既設管材上端部21Eと新規管材下端部22Eとは別体の独立したアモルファスシート25を既設管材上端部21Eと新規管材下端部22Eとの間に介在させているが、本発明においては、アモルファスシート25を既設管材上端部21Eの上端面または新規管材下端部22Eの下端面に予め接着剤などで接着しておいてもよい。また、ろう材として、既設管材上端部21Eの上端面及び/または新規管材下端部22Eの下端面に予め堆積形成したものを用いてもよい。これらの場合も、本発明でいうところの、第1及び第2の接合端部の間にろう材を配置することに該当するものとする。
同様に、以上の実施形態においては、アモルファスシート25’を既設管材下端部23Eと新規管材上端部22E’との間に配置する際に、既設管材下端部23Eと新規管材上端部22E’とは別体の独立したアモルファスシート25’を既設管材下端部23Eと新規管材上端部22E’との間に介在させているが、本発明においては、アモルファスシート25’を既設管材下端部23Eの下端面または新規管材上端部22E’の上端面に予め接着剤などで接着しておいてもよい。また、ろう材として、既設管材下端部23Eの下端面及び/または新規管材上端部22E’の上端面に予め堆積形成したものを用いてもよい。これらの場合も、本発明でいうところの、第3及び第4の接合端部の間にろう材を配置することに該当するものとする。
本発明による液相拡散接合装置の一実施形態の構成の概略を示すブロック図である。 本発明による液相拡散接合装置の一実施形態の使用状態における接合ヘッド部分を示す模式図である。 本発明による液相拡散接合装置を用いた本発明による液相拡散接合方法の一実施形態の説明図である。 本発明による液相拡散接合方法の一実施形態の特に第2段階及び第3段階における接合部分の温度及び加圧力の変化の一例を示すグラフである。 制御装置で実行される加圧力の制御すなわち高周波加熱装置への駆動信号の作成の概略を示すフロー図である。 本発明による液相拡散接合方法の一実施形態の特に第2段階及び第3段階における接合部分の温度及び加圧力の変化の一例を示すグラフである。
符号の説明
1 抵抗加熱装置
1a 電源
1b 発熱抵抗体
2,3 高周波加熱装置
2a,3a 高周波電源
2b,3b 整合トランス
2c,3c 高周波加熱コイル
4,5 温度センサ
6 加圧力センサ
8 制御装置
10 クランプ装置
10a,10b,10d,10e 把持部
10c 連結部
12 接合ヘッド
21,23 既設管材
21a,23a 既設管材端面
21E 既設管材上端部
22 新規管材
22E 新規管材下端部
22E’ 新規管材上端部
23E 既設管材下端部
25,25’ アモルファスシート
30 管材
31 管材損傷部分

Claims (13)

  1. 第1の被接合材の第1の接合端部を第2の被接合材の第2の接合端部と接合し、更に前記第1の被接合材の前記第1の接合端部とは反対側の第3の接合端部を第3の被接合材の第4の接合端部と接合する方法であって、
    前記第2及び第3の被接合材を前記第2及び第4の接合端部同士が前記第1及び第3の接合端部同士の間の距離以上の距離を隔てて対向するように保持し;前記第1の被接合材を前記第2及び第3の被接合材に対して、前記第1及び第2の接合端部同士が対向し且つ前記第3及び第4の接合端部同士が対向し、前記第1及び第2の接合端部の間隔が可変で且つ前記第3及び第4の接合端部の間隔が可変となるように、相対移動可能に保持し;前記第1及び第2の接合端部間に第1のろう材を配置し且つ前記第3及び第4の接合端部間に第2のろう材を配置する第1段階と、
    前記第1の被接合材を第1の加熱装置により加熱することで膨張させ;前記第1及び第2の接合端部により前記第1のろう材を挟持させ且つ前記第3及び第4の接合端部により前記第2のろう材を挟持させ;前記第1及び第2の接合端部と前記第1のろう材とを第2の加熱装置により所定範囲内の温度に加熱することで溶融させ且つ前記第3及び第4の接合端部と前記第2のろう材とを第3の加熱装置により所定範囲内の温度に加熱することで溶融させ;しかる後に前記第1のろう材及び前記第1及び第2の接合端部を凝固させ且つ前記第2のろう材及び前記第3及び第4の接合端部を凝固させる第2段階と、
    前記第2段階で凝固した前記第1のろう材及び前記第1及び第2の接合端部に印加される加圧力並びに前記第2段階で凝固した前記第2のろう材及び前記第3及び第4の接合端部に印加される加圧力が所定範囲内となるように、前記第2及び第3の加熱装置による加熱を制御する第3段階とを含み、
    前記第3段階では、前記第1及び第2の接合端部の第1の温度及び前記第3及び第4の接合端部の第2の温度をそれぞれ測定し、前記第1及び第2の接合端部及び前記第3及び第4の接合端部に印加される加圧力を測定し、前記所定範囲内の加圧力の目標値を定めておき、前記加圧力の測定値と前記目標値との大小関係に基づき、前記加圧力の測定値が前記目標値に近づくように前記第2及び第3の加熱装置による加熱状態を制御し、その際に前記加圧力を高くすべき時には前記第1及び第2の温度のうちの低い方に対応する前記第2または第3の加熱装置による加熱を優先して強め、前記加圧力を低くすべき時には前記第1及び第2の温度のうちの高い方に対応する前記第2または第3の加熱装置による加熱を優先して弱める個別の加熱制御を行うことを特徴とする接合方法。
  2. 前記第2段階において、前記第1の被接合材を前記第1の加熱装置により加熱することで膨張させる代わりに、前記第2及び第3の加熱装置により前記第1及び第2の接合端部及び前記第1のろう材並びに前記第3及び第4の接合端部及び前記第2のろう材を加熱することで前記第1の被接合材を膨張させることを特徴とする、請求項1に記載の接合方法。
  3. 前記第3段階での個別の加熱制御は、前記加圧力が前記所定範囲内に到来した後に実施されることを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の接合方法。
  4. 前記第1段階における前記第2及び第3の被接合材の保持は、前記第2の加熱装置による加熱範囲の前記第2の被接合材側の端から前記第3の加熱装置による加熱範囲の前記第3の被接合材側の端までと同等の距離だけ隔てた位置にてなされることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の接合方法。
  5. 前記温度の所定範囲は1200℃〜1300℃であり、前記加圧力の所定範囲は0.3Kgf/mm〜0.8Kgf/mmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の接合方法。
  6. 前記所定範囲内の温度は前記第1及び第2のろう材の融点以上で且つ前記第1〜第3の被接合材の融点より低いことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の接合方法。
  7. 前記第2段階では、前記第1及び第2の接合端部により挟持された前記第1のろう材を溶融させ、該第1のろう材中の第1の融点降下元素を前記第1及び第2の接合端部へと拡散させ、これにより前記第1及び前記第2の接合端部をその融点を降下させることで溶融させ、しかる後に前記第1の融点降下元素を前記第1及び第2の被接合材にて更に拡散させ、これにより前記第1及び第2の接合端部及び前記第1のろう材をその融点を上昇させることで凝固させ、一方、前記第3及び第4の接合端部により挟持された前記第2のろう材を溶融させ、該第2のろう材中の第2の融点降下元素を前記第3及び第4の接合端部へと拡散させ、これにより前記第3及び前記第4の接合端部をその融点を降下させることで溶融させ、しかる後に前記第2の融点降下元素を前記第3及び第4の被接合材にて更に拡散させ、これにより前記第3及び第4の接合端部及び前記第2のろう材をその融点を上昇させることで凝固させることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の接合方法。
  8. 前記第1〜第3の被接合材は鋼からなり、前記第1及び第2のろう材は鋼に前記融点降下元素としてのホウ素を添加してなるアモルファスシートであることを特徴とする、請求項7に記載の接合方法。
  9. 前記第1〜第3の被接合材は管状をなしていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の接合方法。
  10. 第1の被接合材の第1の接合端部を第2の被接合材の第2の接合端部と接合し、更に前記第1の被接合材の前記第1の接合端部とは反対側の第3の接合端部を第3の被接合材の第4の接合端部と接合する装置であって、
    前記第2及び第3の被接合材を保持し、前記第1の被接合材を前記第2及び第3の被接合材に対して前記第1及び第2の接合端部の間隔が可変で且つ前記第3及び第4の接合端部の間隔が可変となるように相対移動可能に保持する保持手段と、
    前記第1の被接合材を加熱する第1の加熱装置と、
    前記第1及び第2の接合端部並びにこれらの間に配置される第1のろう材を含んでなる第1の接合部分を加熱する第2の加熱装置と、
    前記第3及び第4の接合端部並びにこれらの間に配置される第2のろう材を含んでなる第2の接合部分を加熱する第3の加熱装置と、
    前記第1の接合部分の第1の温度を検知する第1温度検知手段と、
    前記第2の接合部分の第2の温度を検知する第2温度検知手段と、
    前記第1及び第2の接合部分に印加される加圧力を検知する加圧力検知手段と、
    前記第1及び第2の温度検知手段により検知される前記第1及び第2の温度の信号及び前記加圧力検知手段により検知される前記加圧力の信号が入力され、前記第1〜第3の加熱装置にそれぞれ駆動信号を出力する制御装置と、
    を含み、
    前記制御装置が出力する前記駆動信号は、前記第1〜第3の加熱装置をして、前記第1及び第2の温度の信号が所定範囲内の温度を示すように前記第1及び第2の接合部分を加熱させることで、前記第1〜第3の被接合材を膨張させて前記第1及び第2の接合端部により前記第1のろう材を挟持させ且つ前記第3及び第4の接合端部により前記第2のろう材を挟持させ、前記第1及び第2の接合部分を溶融させ、しかる後に該第1及び第2の接合部分を凝固させ、また、前記第1〜第3の加熱装置をして、前記加圧力検知手段から入力される信号が所定範囲内の加圧力を示すように前記第1及び第2の接合部分を加熱させるものであり、
    前記制御装置は、前記所定範囲内の加圧力の予め定められた目標値と前記加圧力の信号が示す加圧力測定値との大小関係に基づき、前記加圧力測定値が前記目標値に近づくように前記第2及び第3の加熱装置に対する駆動信号を出力し、その際に前記加圧力を高くすべき時には前記第1及び第2の温度のうちの低い方に対応する前記第2または第3の加熱装置による加熱を優先して強め、前記加圧力を低くすべき時には前記第1及び第2の温度のうちの高い方に対応する前記第2または第3の加熱装置による加熱を優先して弱める個別の加熱制御を行うことを特徴とする接合装置。
  11. 前記第2及び第3の加熱装置が前記第1の加熱装置を兼ねていることを特徴とする、請求項10に記載の接合装置。
  12. 前記第2及び第3の加熱装置は高周波加熱装置であることを特徴とする、請求項10〜11のいずれかに記載の接合装置。
  13. 前記第1の加熱装置は抵抗加熱装置または高周波加熱装置であることを特徴とする、請求項10〜12のいずれかに記載の接合装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105149859A (zh) * 2015-09-25 2015-12-16 北京石油化工学院 一种管道液相扩散焊接夹紧对中装置
JP2016159311A (ja) * 2015-02-27 2016-09-05 三菱日立パワーシステムズ株式会社 接合装置及び接合方法

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