JP2006255716A - 鋳造方法および鋳造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 比重差の大きい添加元素などを含有するMg合金などを鋳造する際に、偏析を防止して品質の良好な鋳造品を得る。
【解決手段】 金属溶湯を収容した鋳型1を、前記金属溶湯を凝固させつつ縦軸を回転軸にして回転装置7によって一定の方向に所定時間回転させ、前記所定時間に到達した後、前記鋳型1を、前記回転の方向と逆方向に所定時間回転させ、前記正逆の回転を繰り返して前記金属溶湯を凝固させる。金属溶湯液面を波立たすことなく該金属溶湯に揺動を与えて撹拌して鋳型内の溶湯の温度分布を均一化できる。偏析出物が極力少なくなるとともに微細均質な組織が得られ、延性、強度に優れた金属材料を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は凝固時に偏析を起こしやすい合金を鋳造する際に好適な鋳造方法および鋳造装置に関するものである。
比重差の大きい添加元素を含有するため重量偏析の生じやすい合金や、凝固途中に偏析を起こしやすい元素を含有する合金では、製品品質を良好にするために、鋳造時の偏析発生を効果的に防止することが望まれている。特に、Mg合金やその他の軽合金では、上記偏析が起こりやすい。
鋳造の際生じる合金元素の偏析は、鋳込み温度を下げることで凝固までの時間を短くして、結晶粒成長を低減したり、比重の高い相または原子量の大きい元素が沈降するのを防ぐ方法が考えられる。しかし、実際の鋳造では薄肉形状部や複雑形状部の湯流れ性を考慮せざるをえず実質的に鋳込み温度を下げることは難しい。またインゴットのような単純形状のものでは鋳込み温度は下げられるが、そういったものは概して厚肉であるため、多少鋳込み温度を下げても凝固時間が長く、偏析は必然的に起こってしまう。
その他に、鋳造時の偏析を低減、または組織の微細化をすることで間接的に偏析を低減する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
特許文献1に開示された方法は、冷却プレートおよび加熱炉を持たせた方向性凝固炉において水平方向に凝固を行い、水平軸を中心にゆっくり回転させるものであり、温度勾配を充分とりながら引け巣等の鋳造欠陥や偏析を低減する鋳造法である。
また、特許文献2に開示された方法は、鋳型をチルプレート(水冷板)上に設置し、微細な等軸晶組織の製造を目的として鋳型を小刻みに回転・反転または同一方向の回転と停止を繰り返し水平振動を付加する鋳造法である。
特開2000−343204号公報 特開2002−331354号公報
しかし、特許文献1に示される鋳造法は、冷却プレートと加熱炉を使った高価な装置を使用して高温度勾配を付与した場合でのみ引け巣等の鋳造欠陥なしに製造可能な方法であり、一般の低コストな軽合金の鋳造法に適用することは難しい。また、方向性凝固組織、単結晶組織を壊さないように非常にゆっくり回転させる方法であり、鋳型を加熱しながら凝固させる凝固速度の非常に遅い場合にのみ有効な手法で通常の鋳造においては効果は得られない。
また、特許文献2に示される鋳造法は、マイクロポロシティーを無くすため、特許文献1と同様にチルプレートと加熱炉を使用して健全性を保つ方式であり凝固終了まで長時間この装置を占有するため、コスト高となる。また、このような温度勾配を上下に大きくつけた場合は、微細化効果はあるが上下方向の成分偏析が起こる可能性が非常に高い。これらの方法の他に、電磁攪拌装置を用い溶湯を攪拌することで均質化を図る手法も提案されているが設備投資が莫大で製造コストも高くなるという問題がある。
本発明は、上記に示したような設備・工数等のコストをかけることなしに、溶湯に十分な攪拌力を与え、よって偏析を防止して品質に優れた鋳造品を得ることを可能にする鋳造方法および鋳造装置を提供することを目的としている。また結晶組織の粗大化を防ぐことも本発明の目的の一つである。特には、偏析が起こりやすい肉厚の鋳造品や塑性加工用(押出しや鍛造・圧延用)のインゴットの製造に最適な鋳造方法および鋳造装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の鋳造方法のうち、請求項1記載の発明は、金属溶湯を収容した鋳型を、前記金属溶湯を凝固させつつ縦軸を回転軸にして一定の方向に所定時間回転させ、前記所定時間に到達した後、前記鋳型を、前記回転の方向と逆方向に所定時間回転させ、前記正逆の回転を繰り返して前記金属溶湯を凝固させることを特徴とする。
請求項2記載の鋳造方法の発明は、請求項1記載の発明において、前記鋳型の押湯部の内面形状が非回転体形状からなることを特徴とする。
請求項3記載の鋳造方法の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記鋳型の押湯部の内面に、前記金属溶湯の収容に先立って、前記鋳型を回転させた際に、内部の金属溶湯に撹拌力を与える形状が付与された撹拌部を設けておくことを特徴とする。
請求項4記載の鋳造方法の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記鋳型の鋳造部の内面形状が回転体形状からなることを特徴とする。
請求項5記載の鋳造方法の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記鋳型の回転が、金属溶湯最外周の周速を400〜1000mm/秒とし、一方向での回転時間を5〜60秒とすることを特徴とする。
請求項6記載の鋳造方法の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記鋳型の正逆の回転を、金属溶湯の凝固温度+200℃以下、金属溶湯の凝固温度−50℃以上の範囲内まで行うことを特徴とする。
請求項7記載の鋳造装置の発明は、金属溶湯を収容して凝固させる鋳型と、前記鋳型を縦軸を回転軸にして正逆方向に回転駆動可能な回転装置と、前記鋳型を所定の回転速度で所定時間、一定の方向に連続回転させるとともに、前記所定時間に到達した後、前記回転方向と逆方向に、所定の回転速度で所定時間連続回転させる動作を繰り返すように回転装置を制御する回転制御部とを備えることを特徴とする。
請求項8記載の鋳造装置の発明は、請求項7記載の発明において、前記鋳型の押湯部の内面に、前記鋳型の回転に伴って内部の金属溶湯に撹拌力を与える形状が付与された撹拌部が設けられていることを特徴とする。
請求項9記載の鋳造装置の発明は、請求項8記載の発明において、前記撹拌部が、押湯部内面に縦方向に沿って形成された突条であることを特徴とする。
請求項10記載の鋳造装置の発明は、請求項9記載の発明において、前記突条は、湯口上に突出する上端高さを有していることを特徴とする。
請求項11記載の鋳造装置の発明は、請求項9または10に記載の発明において、前記突条は、周方向に間隔をおいて、1〜4の個数で設けられていることを特徴とする。
すなわち、本発明によれば、鋳型の連続回転と正逆回転の切り替えを繰り返すことにより、金属溶湯液面を波立たすことなく鋳型内の溶湯に揺動が与えられ、積極的に攪拌が行われる。これにより鋳型内の溶湯の温度分布が均一化され、鋳型による冷却の影響が大きい鋳型壁近傍を除いては均一な湯温となり凝固開始温度付近まで全体的に液相が保たれる。凝固は注湯後すぐに始まらず、攪拌され続けた液相の温度が下降し、凝固開始温度付近になって初めて凝固が進行していく。そのため凝固は外周部の凝固から中心部の凝固終了まで時間差が少なく、最終凝固部に集まり易い偏析物が非常に少ない状態で凝固する。また、一部偏析が生じたとしても、攪拌により結晶核の生成が促進され結晶組織が小さくなり、結晶粒界に生じる偏析は通常より微細分散され強度劣化への影響が少なくなる。また、上述したような粒界やデンドライト(樹枝状晶)の間にできる融点差や固溶度による偏析だけでなく、撹拌しながら凝固するため原子量の大きい添加元素を含んだ相の沈降が少なく、重量偏析に対しても、攪拌効果と短時間での凝固によって偏析を低減することができる。このように偏析による部分的に強度の低い組織をなくすことで強度ばらつきの少ない安定した良好な材料を製造することができる。また、攪拌に伴う結晶粒の微細化による強度向上等、副次的な効果も期待できる。
一方、撹拌がない場合には鋳型内の溶湯は鋳造品外周部から鋳造中心部に向かい温度勾配がつき、注湯直後から順次凝固が進行するため外周部と中心部の凝固終了までの時間は大きく差が生じる。よって鋳型壁からゆっくりと中心部に向かって凝固していくうちに組織は粗大化し易く、その結果、長い凝固時間と相まって偏析も大きくなる。
なお、上記作用は、通常では凝固時間の長い容積の大きな鋳造物ほど効果は大きい。容積の大きな鋳造物の場合、低い回転で効率的に攪拌するため、押湯部の内面に、溶湯を撹拌できる形状が付与された撹拌部を設けるのが望ましい。該撹拌部は、溶湯に撹拌効果を与えることができるものであればよく、突部、突条、撹拌板などによって構成することができる。より効果的には押湯部に縦方向に沿って突条を設けると効果的である。突条は鋳込み後、湯口部の液相部から10〜25mm程度突出していることが望ましい。また、突条は、周方向において間隔をおいて複数設けることも可能である。好適には1〜4で等角度間隔が望ましい。数を多くすると、攪拌効果が低下するため4以下が望ましい。なお、突条は縦方向に沿っていれば良く、上下方向の他、上下に対し傾斜して設けられていても良く、また真直なものに限定されるものでもない。
また、押湯部の内面が多角形などの非回転体形状を有していれば、鋳型が回転する際に、押湯部の内側に乱流が発生しやすくなり、撹拌効果が高まる。一方、鋳造部では、全体的に流動する必要があるため内面が回転体形状を有しているのが望ましい。
なお、上記鋳型の回転では、金属溶湯の最外周の周速を400〜1000mm/秒の範囲とし、正逆回転の切替間隔を5〜60秒とするのが望ましい。これは、前記周速が300mm/秒未満であると、冷却の影響が大きい鋳型壁近傍の金属溶湯に十分な撹拌効果を与えることができず、一方、1500mm/秒を越える周速を与えると、撹拌作用が強すぎて液相面が波立つなどして湯境、ガス巻込み等の不具合があるため、上記速度の範囲となるように鋳型を回転させるのが望ましい。また、正逆回転の間隔は、5秒未満であると、回転の切替が頻繁すぎて流速上昇が不十分であり、一方、60秒を越えるものとすると、溶湯が定常状態で回転し続けるため、効率よく撹拌作用を得ることができないので、上記切替間隔が望ましい。
また、鋳型の回転は、鋳込み開始後、凝固温度+200℃〜凝固温度−50℃の温度範囲まで行うのが望ましい。凝固温度よりも高い温度で鋳型の回転を終了すると、その後、溶湯の温度分布が不均一になって偏析が生じやすくなる。一方、凝固温度よりも低い温度まで鋳型の回転を継続しても偏析の防止効果はそれ以上には増加せず、無駄であるので、上記温度範囲で鋳型の回転を終了するのが望ましい。
鋳型の回転及び正逆回転の切替は、モータなどによって構成される回転装置を制御する回転制御部によって行うことができる。回転制御部は、制御回路や、プログラムによって動作するCPUなどによって構成することができる。
なお、本発明は、重量偏析や凝固途中に偏析を生じやすい合金の鋳造に適しており、特に亜鉛、希土類金属などを含んだMg合金やその他の軽合金を対象にすることができる。
特に厚肉鋳造品もしくは押出し、圧延、鍛造用のビレットやインゴットに適する。ただし、本発明としては、その対象が特定の金属材料に限定されるものではなく、偏析の抑制や組織の微細化によって有利となる種々の金属材料を対象にすることができる。
以上説明したように、本発明の鋳造方法によれば、金属溶湯を収容した鋳型を、前記金属溶湯を凝固させつつ縦軸を回転軸にして一定の方向に所定時間回転させ、前記所定時間に到達した後、前記鋳型を、前記回転の方向と逆方向に所定時間回転させ、前記正逆の回転を繰り返して前記金属溶湯を凝固させるので、偏析出物が極力少なくなるとともに微細均質な組織が得られ、延性、強度に優れた金属材料を得ることができる。
また、本発明の鋳造装置によれば、金属溶湯を収容して凝固させる鋳型と、前記鋳型を縦軸を回転軸にして正逆方向に回転駆動可能な回転装置と、前記鋳型を所定の回転速度で所定時間、一定の方向に連続回転させるとともに、前記所定時間に到達した後、前記回転方向と逆方向に、所定の回転速度で所定時間連続回転させる動作を繰り返すように回転装置を制御する回転制御部とを備えるので、鋳型の回転を制御して上記作用を確実に得ることができる。
以下に、本発明の鋳造装置を図1に基づいて説明する。
筒状の鋳型1は、上部に内寸の大きな箱形(角筒)からなる押湯部2を有しており、該押湯部2の内面に引け巣防止用にカーボンプレート3が張り付けられている。
上記鋳型1は、断熱材又は水冷構造部材(図示しない)で被覆された回転装置6上に設置されており、前記鋳型1は回転装置6によって回転可能となっている。回転装置6は、前記鋳型1を設置するターンテーブル60を備えており、該ターンテーブル60には図示しないギヤを介してモータ61が取り付けられ、該モータ61によってターンテーブル60が回転駆動される。前記モータ61は回転速度の調整および回転方向の切替が可能になっている。
回転装置6には、CPU70と駆動回路71とを備える回転制御部7に接続されており、さらに回転制御部7には、前記鋳型の回転速度と正逆の回転切替間隔とを設定する設定部72が設けられている。回転制御部7は、回転速度としては、0〜100rpm、切替間隔としては1〜300秒を好適に設定可能となっている。なお、回転設定部は、操作者の操作によって適宜の値を入力するように設定されていても良く、また、予め、必要なデータを不揮発メモリやHDDなどの記憶手段に記憶しておき、これを読み出す構成のものであっても良い。
次に、上記鋳造装置の動作について説明する。
先ず、Mg合金などを坩堝などの溶解炉10で溶解し、その金属溶湯11をタンディッシュ12を通して鋳型1内に注入する。金属溶湯11は、押し湯部2の所定高さにまで収容される。次いで、予め設定部72で設定された回転速度と回転切替間隔に基づいて制御指令がCPU70から駆動回路71に与えられ、制御信号が回転装置6に与えられる。これにより、回転装置6は、上記制御指令に従って鋳型1を回転させる。好適な回転速度で回転する鋳型1内では、金属溶湯の最外周の周速が400〜1000mm/秒となるように撹拌作用が与えられて溶湯の温度の均一化が図られており、押湯部2内においては適当な乱流が生じて撹拌作用が高められている。この際には、好適な回転速度によって液面の波立ちは抑えられている。また、鋳型1の回転によって金属溶湯11の回転が定常化する直前に最適な切替間隔(5〜60秒)で回転方向の切替がなされ、金属溶湯11が効果的に撹拌される。上記により、偏析が少なく、微細均質化された組織を有する鋳造品が得られる。
なお、上記実施形態では、押湯部内面には特別な構造を設けていないが、図2に示すように、押湯部2aの内面に溶湯11に対する撹拌作用を与える撹拌部8を設けることも可能である。該撹拌部8は、この実施形態では、縦方向に伸長する突条(リブ)として形成されている。また、該撹拌部8の上端位置は、図2(b)に示すように、金属溶湯を鋳型に収容した際に液面上に突出しているのが望ましく、好適には周方向に等角度間隔を有するように1〜4枚を設置する。但し、本発明としては特定の個数に限定されるものではない。
(予備実験)
次に、本発明による攪拌の効果を確認するため、予備実験によりビーカの水とそこに浮遊させたワックス粒(比重0.99)の挙動を観察した。図3に示すように、水30にワックス粒31を100個浮遊させたビーカ32をターンテーブル33上に設置し、回転を行った。
回転は表1に示すように回転速度を変えて行い、反転間隔は一定(10秒)とした。
その結果、反転を加えることで所定の回転速度で良好な撹拌効果が得られた。但し、このままではワックスが沈みこむような大きな攪拌力は得られない。そこで図4のようなリブ32aを液面付近に位置するようにビーカ32の内面に設置した。リブの枚数及び回転数を変えてワックス挙動を観察した。液面から底面までの深さを100%とし最も深くまで沈んだワックスの沈降深さを図5、液面から沈降したワックスの総量に対する割合を図6に示した。その結果、回転数が高い程、攪拌力は大きく、リブ枚数は2枚をピークとしてその前後で攪拌効果は低下した。また反転時に攪拌力は最高となる。但し、回転数を上げ過ぎると水の揺動が大きくなり、実際の鋳込み時、波立ち、飛散の可能性が有る。
なお、実際の大きな鋳造品の場合、周速が同等レベルであれば低回転でも良く、鋳造品外径がφ300mmで30rpm、φ600mmで15rpm程度で十分な効果がある。
上記予備実験をもとに、前記実施形態の鋳造装置を用いてMg−Zn−RE系合金の鋳造を行った。
ターンテーブル上に内径φ300mm、高さ約1000mmの軟鋼製の鋳型を設置し、溶解炉にてMg合金を溶解した。合金はY=6.67wt%、Zn=4.91wt%、La(RE)=l.04wt%を目標に合金元素を調整した。溶解温度780℃で鋳型に注湯した。注湯直前からターンテーブルを30rpmで回転し、35秒毎に反転を繰り返した。鋳込み後、計10分回転を行った。反転時間は攪拌力が定常になる最短の時間とし、凝固までの反転回数をできるだけ多く取るようにした。これは反転時に大きな攪拌が起こるためである。また、比較のために回転を行わない鋳造も行った。溶解方法、鋳型形状は同様である。なお、回転条件1は、35秒後直ちに反転、これを繰り返し、回転条件2は、30秒後一旦回転を止め、5秒間溶湯を慣性で回した後反転、これを繰り返した。
鋳造の約1時間後、装置より鋳型を外し、鋳造品を取り出して成分分析を行った。その結果を図7に示す。
製品部において、静止材の成分(×印)はプラス側にオーバーしているものが数点見られるが、回転攪拌したものはすべて目標範囲内に入っており、良好な成分値が得られていることがわかる。バラツキの幅を見ても回転のない通常の静止鋳造材は大きく振れているが、回転撹拌し凝固したものは変動幅が少なく、安定している。
また、回転攪拌材及び静止鋳造材において中心部、表面の径方向の成分値の違いも確認した。それらを図8、図9に示す。図8の回転攪拌材は鋳造品の上下方向、径方向とも目標範囲内に成分値は収まっている。それに対し図9の静止鋳造材は鋳造品底部から凝固の遅い上側に行くほど、また凝固の遅い径方向の中心部ほどLa、Zn、Y共、濃化して目標成分を逸脱している。すなわち、攪拌による本発明の効果は明らかである。
また鋳造組織の観察も行った。図10の顕微鏡写真に明らかなように、回転条件によって回転攪拌した発明例の鋳造品は均質な等軸晶組織となっている。一方、攪拌を行わず静止して鋳造した比較例の鋳造品は、図11の顕微鏡写真に示すように、等軸晶にはなっておらず、底部から上に伸びた方向性のあるものである。そのため、結晶粒径も粗くなっており、重量偏析、粒界偏析が見られた。なお、図12において上記顕微鏡写真を模式的に示した。
以上、本発明について上記実施形態および実施例に基づいて説明したが、本発明は、上記説明に限定されるものではなく、発明の範囲内において当然に変更可能なものである。
本発明の一実施形態の鋳造装置を示す概略図である。 同じく変更例を示す概略図である。 本発明の実施例に用いた試験装置を示す概略図である。 同じく変更例を示す概略図である。 同じく、リブの枚数と沈降深さとの関係を示すグラフである。 同じく、リブの枚数と沈降量との関係を示すグラフである。 同じく、発明例において鋳型の回転状態を変えた際の鋳造材の化学成分の分布を示す図である。 同じく、発明例において鋳型の回転状態を変えた際の鋳造材の上下および径方向の化学成分の分布を示す図である。 同じく、回転を行わない従来例の鋳造材の上下および径方向の化学成分の分布を示す図である。 同じく、発明例の鋳造品の組織観察写真である。 同じく、従来例の鋳造品の組織観察写真である。 同じく、発明例および従来例の鋳造品の組織観察写真の模式図である。
符号の説明
1 鋳型
2 押湯部
6 回転装置
60 ターンテーブル
61 モータ
7 回転制御部
8 撹拌部
11 金属溶湯

Claims (11)

  1. 金属溶湯を収容した鋳型を、前記金属溶湯を凝固させつつ縦軸を回転軸にして一定の方向に所定時間回転させ、前記所定時間に到達した後、前記鋳型を、前記回転の方向と逆方向に所定時間回転させ、前記正逆の回転を繰り返して前記金属溶湯を凝固させることを特徴とする鋳造方法。
  2. 前記鋳型の押湯部の内面形状が非回転体形状からなることを特徴とする請求項1記載の鋳造方法。
  3. 前記鋳型の押湯部の内面に、前記金属溶湯の収容に先立って、前記鋳型を回転させた際に、内部の金属溶湯に撹拌力を与える形状が付与された撹拌部を設けておくことを特徴とする請求項1または2に記載の鋳造方法。
  4. 前記鋳型の鋳造部の内面形状が回転体形状からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鋳造方法。
  5. 前記鋳型の回転では、金属溶湯最外周の周速を400〜1000mm/秒とし、一方向での回転時間を5〜60秒とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鋳造方法。
  6. 前記鋳型の正逆の回転を、金属溶湯の凝固温度+200℃以下、金属溶湯の凝固温度−50℃以上の範囲内まで行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の鋳造方法。
  7. 金属溶湯を収容して凝固させる鋳型と、前記鋳型を縦軸を回転軸にして正逆方向に回転駆動可能な回転装置と、前記鋳型を所定の回転速度で所定時間、一定の方向に連続回転させるとともに、前記所定時間に到達した後、前記回転方向と逆方向に、所定の回転速度で所定時間連続回転させる動作を繰り返すように回転装置を制御する回転制御部とを備えることを特徴とする鋳造装置。
  8. 前記鋳型の押湯部の内面に、前記鋳型の回転に伴って内部の金属溶湯に撹拌力を与える形状が付与された撹拌部が設けられていることを特徴とする請求項7記載の鋳造装置。
  9. 前記撹拌部が、押湯部内面に縦方向に沿って形成された突条であることを特徴とする請求項8記載の鋳造装置。
  10. 前記突条は、湯口上に突出する上端高さを有していることを特徴とする請求項9記載の鋳造装置。
  11. 前記突条は、周方向に間隔をおいて、1〜4の個数で設けられていることを特徴とする請求項9または10に記載の鋳造装置。
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