JP2006254661A - 鉄道車両システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 リニアモータによる損失を低減し、効率のよい走行を可能とする。
【解決手段】 この鉄道車両システムには、リニアモータの一次側コイルがレールの間に配置された軌道と、台車に軸バネ及び軸受を介して車輪の車軸が取り付けられ、当該車軸にリニアモータのリアクションプレートが一次側コイルに対向するように固定された少なくとも1つのリニア式車両とが備えられている。
【選択図】図2
【解決手段】 この鉄道車両システムには、リニアモータの一次側コイルがレールの間に配置された軌道と、台車に軸バネ及び軸受を介して車輪の車軸が取り付けられ、当該車軸にリニアモータのリアクションプレートが一次側コイルに対向するように固定された少なくとも1つのリニア式車両とが備えられている。
【選択図】図2
Description
本発明は、鉄道車両システムに係り、特に、リニアモータを使用した鉄道車両システムに関する。
従来、トレーラ車両を有する列車編成の場合、勾配区間等で車輪とレールとの粘着係数が不足して推進力が弱まることを防ぐために、リニアモータを使用した鉄道車両システムが実用化されている。
図6は従来の鉄道車両システムの概略構成を示す説明図である。図6に示すように、鉄道車両システム100は、軌道110と車両120とから構成されている。軌道110には、レール111と、レール111の間に配設されてリニアモータのリアクションプレート(二次導体)112とが設けられている。
車両120には、車両本体121と、車両本体121が載置される台車122と、車両本体121及び台車122の間に介在する空気バネ123とが設けられている。台車122には、軸バネ124及び軸受125を介して車輪126の車軸127が取り付けられている。また、台車122の下端部には、リニアモータの一次側コイル128が、リアクションプレート112と対向するように設けられている。この一次側コイル128の制御機器129は車両本体121に搭載されている。
図6は従来の鉄道車両システムの概略構成を示す説明図である。図6に示すように、鉄道車両システム100は、軌道110と車両120とから構成されている。軌道110には、レール111と、レール111の間に配設されてリニアモータのリアクションプレート(二次導体)112とが設けられている。
車両120には、車両本体121と、車両本体121が載置される台車122と、車両本体121及び台車122の間に介在する空気バネ123とが設けられている。台車122には、軸バネ124及び軸受125を介して車輪126の車軸127が取り付けられている。また、台車122の下端部には、リニアモータの一次側コイル128が、リアクションプレート112と対向するように設けられている。この一次側コイル128の制御機器129は車両本体121に搭載されている。
そして、制御機器129が一次側コイル128を制御して磁界を発生させると、リアクションプレート112が励磁されて、吸引力と反発力が発生することになる。車輪126とレール111との粘着係数が不足していたとしても、この吸引力と反発力によって推進力が高められるとともに、吸引力が作用することで吸着力をも高められるために、勾配区間等であっても安定した走行が得られるようになっている。
ところで、電気効率を高めるには一次側コイル128とリアクションプレート112との間隔をできるだけ小さくすることが望まれるが、上記したように一次側コイル128を台車122に設けた場合、軸バネ124による台車122の揺れが一次側コイル128まで伝達してしまうために、その揺れにより一次側コイル128がリアクションプレート112に接触しない間隔に設定しなければならなかった。このように一次側コイル128とリアクションプレート112との間隔にいくらかの遊びを設けてしまうと、一次側コイル128に対する電力供給を高めなければ、安定した推進力が得られない可能性があった。
このため、図7に示すように、軸バネ124による揺れが影響しない車軸127に一次側コイル128aを配置して遊びを極力小さくすることも考えられるが、軸バネ124のバネ下荷重が重くなってしまい、結果的に軸バネ124の反応が悪くなって振動が吸収されにくくなる。振動が吸収されないと、その振動により一次側コイル128aが壊れてしまうおそれもある。
本発明の課題は、リニアモータによる損失を低減し、効率のよい走行を可能とすることである。
請求項1記載の発明における鉄道車両システムは、
リニアモータの一次側コイルがレールの間に配置された軌道と、
台車に軸バネ及び軸受を介して車輪の車軸が取り付けられ、当該車軸に前記リニアモータのリアクションプレートが前記一次側コイルに対向するように固定された少なくとも1つのリニア式車両とを備えることを特徴としている。
リニアモータの一次側コイルがレールの間に配置された軌道と、
台車に軸バネ及び軸受を介して車輪の車軸が取り付けられ、当該車軸に前記リニアモータのリアクションプレートが前記一次側コイルに対向するように固定された少なくとも1つのリニア式車両とを備えることを特徴としている。
ここで、リニアモータのリアクションプレートは、一次側コイルよりも軽いのが一般的である。このことから、リアクションプレートを車軸に固定した場合と、一次側コイルを車軸に固定した場合とを比較すると、リアクションプレートを車軸に固定した場合の方が軸バネのバネ下荷重が小さくなって、一次側コイルを車軸に固定した場合よりも軸バネの反応を高めて振動を吸収させやすくすることができる。つまり、請求項1記載の発明のように、一次側コイルがレール間に配置されて、リアクションプレートが車軸に固定されていれば、振動によりリニアモータが壊れることを防止でき、リアクションプレートと一次側コイルとの間隔を狭めることが可能となる。
また、従来では一次側コイルがリニア式車両に搭載されていたが、請求項1記載の発明では一次側コイルよりも軽いリアクションプレートがリニア式車両に設けられているので、リニア式車両の総重量を抑えることができる。このうえ、一次側コイルがリニア式車両にないのであれば、一次側コイルを制御する制御機器をもリニア式車両に搭載する必要もないために、さらなる軽量化が可能となる。
また、従来では一次側コイルがリニア式車両に搭載されていたが、請求項1記載の発明では一次側コイルよりも軽いリアクションプレートがリニア式車両に設けられているので、リニア式車両の総重量を抑えることができる。このうえ、一次側コイルがリニア式車両にないのであれば、一次側コイルを制御する制御機器をもリニア式車両に搭載する必要もないために、さらなる軽量化が可能となる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の鉄道車両システムにおいて、
前記一次側コイルは、前記レールのうち、駅の直前直後区間及び勾配区間の少なくとも一区間に敷設される前記レールの間に配置されていることを特徴としている。
前記一次側コイルは、前記レールのうち、駅の直前直後区間及び勾配区間の少なくとも一区間に敷設される前記レールの間に配置されていることを特徴としている。
車輪とレールとの粘着係数の不足による加速度への影響は勾配区間で大きい。また、発進時に車輪が停車状態から回転する際においても粘着係数の不足は影響が大きい。そして、確実に停車させようとすると、ブレーキ時(減速時)における粘着力(F=μ・W(μ:粘着係数、W:荷重))を高めることが望まれる。これらのことにより請求項2記載の発明のように、レールのうち、駅の直前直後区間及び勾配区間の少なくとも一区間に敷設されるレールの間に一次側コイルが配置されていれば、通常走行時と比べて高い粘着力を付与することができ、安定した走行及び確実な停車が可能となる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の鉄道車両システムにおいて、
台車に軸バネ及び軸受を介して車輪の車軸が取り付けられ、かつ前記車輪を回転させるための回転式モータを有して、前記リニア式車両に連結される少なくとも1つのモータ式車両を備えることを特徴としている。
台車に軸バネ及び軸受を介して車輪の車軸が取り付けられ、かつ前記車輪を回転させるための回転式モータを有して、前記リニア式車両に連結される少なくとも1つのモータ式車両を備えることを特徴としている。
請求項3記載の発明によれば、リニア式車両にモータ式車両が連結されているので、回転式モータによる推進力と、リニアモータによる推進力とを併用してリニア式車両及びモータ式車両を走行させることができる。
請求項4の発明は、請求項3記載の鉄道車両システムにおいて、
前記モータ式車両の前記車軸には、前記リニアモータのリアクションプレートが前記一次側コイルに対向するように固定されていることを特徴としている。
前記モータ式車両の前記車軸には、前記リニアモータのリアクションプレートが前記一次側コイルに対向するように固定されていることを特徴としている。
請求項4記載の発明によれば、モータ式車両の車軸にもリアクションプレートが固定されているので、上下方向の吸引力によりモータ式車両における車輪とレールとの粘着力をも高めることができる。
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の鉄道車両システムにおいて、
前記回転式モータ及び前記一次側コイルを制御する制御部を備え、
通常走行時には、前記制御部は、回転駆動するように前記回転式モータを制御するとともに、磁界が発生しないように前記一次側コイルを制御することを特徴としている。
前記回転式モータ及び前記一次側コイルを制御する制御部を備え、
通常走行時には、前記制御部は、回転駆動するように前記回転式モータを制御するとともに、磁界が発生しないように前記一次側コイルを制御することを特徴としている。
ここで、通常走行とは、安定した推進力で走行している状態、つまり発進、停車及び勾配区間での走行以外の走行のことである。つまり、通常走行時においては回転式モータの駆動力のみで安定した走行を得ることができるため、請求項5の発明のように通常走行時に、回転式モータが回転駆動し、一次側コイルが磁界を発生させていなければ、効率よく通常走行を行うことが可能となる。
本発明によれば、リアクションプレートと一次側コイルとの間隔が狭められ、さらにリニア式車両が軽量化されていると、少ない供給電力で安定した推進力を得ることができる。これにより、リニアモータによる損失が低減されて、効率のよい走行が可能となる。
本実施形態の鉄道車両システムについて図1を参照にして説明する。図1は鉄道車両システムの概略構成を表す側面図である。この図1に示すように、鉄道車両システム1には、レール2が敷設された軌道3と、レール2に沿って走行する例えば8両編成の列車4とが設けられている。ここで、列車4を構成する8両の車両5のうち、両端から3両がリニア式車両6であり、その他の中央2両がモータ式車両7となっている。また、軌道3におけるレール2の間にはリニアモータの一次側コイル31が配置されている(図2参照)。この一次側コイル31はATSやATCの列車認識センサに用いることも可能である。
ここで、リニア式車両6について図2を参照にして説明する。図2はリニア式車両6の概略構成を表す正面図である。図2に示すようにリニア式車両6には、車両本体61と、車両本体61が載置される台車62が設けられている。車両本体61と台車62との間には、空気バネ63が介在している。また、台車62には、軸バネ65及び軸受66を介して車輪67の車軸68が取り付けられている。車軸68の下部には、リニアモータの二次導体としてのリアクションプレート69が一次側コイル31に対向するように固定されている。この一次側コイル31によって磁界が発生されると、リアクションプレート69が励磁されて吸引力と反発力が発生し、推進力が付与されるようになっている。
次にモータ式車両7について図3を参照して説明する。図3はモータ式車両7の概略構成を示す正面図である。モータ式車両7はリニア式車両6と基本構成が一緒であるためにリニア式車両6と同一部分においては同一符号を付して説明を省略する。図3に示すように、モータ式車両7の台車62には、車輪67の駆動源となる回転式モータ71が取り付けられている。回転式モータ71は、動力を車輪67に伝達するために、第一ギア72及び第2ギア73を介して車輪67に連結されている。これにより、モータ式車両7は、回転式モータ71及びリニアモータを駆動源として走行するようになっている。
図4は、鉄道車両システム1の主制御構成を表すブロック図である。図4に示す通り、鉄道車両システム1の制御部8は、回転式モータ71を制御するモータ用制御機器81と、一次側コイル31を制御するコイル用制御機器82と、CPU83と、ROM84と、RAM85とを備えている。ここで、モータ用制御機器81は、図示しないもののモータ式車両7における車両本体61又は台車62に搭載されており、コイル用制御機器82は図2に示すように軌道3近傍に設置されている。そして、モータ用制御機器81及びコイル用制御機器82は相互に通信して、各々の制御状況を認識できるようになっている。
CPU83は、ROM84に記憶された制御プログラムをRAM85に展開して、モータ用制御機器81及び一次側コイル31の処理動作を統括的に制御するようになっている。
制御プログラムには、走行時における回転式モータ71及び一次側コイル31の稼働タイミングを制御するための走行プログラムがある。図5は、一次側コイル31の敷設範囲の一例を示す説明図であるが、リニアモータは、一次側コイル31とリアクションプレート69とで発生する吸引力及び反発力により推進力を安定させるものであるため、少なくとも推進力の低下が推測される区間、つまり車輪67とレール2との粘着係数が不足する区間に一次側コイル31を敷設する必要がある。粘着係数が不足する区間とは、レール2の全長のうち、駅Sの直前直後区間(敷設範囲H1)及び勾配区間(敷設範囲H2,H3)である。これらの区間を列車4が走行する際においては、回転式モータ71による推進力とリニアモータによる推進力とを併用すれば安定した走行が可能となる。ここで駅Sの直前直後区間とは、停車時における減速開始位置から発車時における所定速度走行開始位置(惰行を含む。)までの範囲を少なくとも含む区間のことである。一方、敷設範囲H1,H2,H3以外を走行する通常走行時には回転式モータ71の推進力のみであっても安定した走行が得られる。これらのことから、走行プログラムは、敷設範囲H1,H2,H3の走行時では回転式モータ71を回転駆動させるとともに一次側コイル31から磁界を発生させ、通常走行時では回転式モータ71を回転駆動させるとともに一次側コイル31から磁界を発生させないように設定されている。なお、勾配区間は走行方向によって上り坂、下り坂となるが、上り坂を走行する場合は全軸が動軸でないため、軸辺り期待粘着が高くなり、結果として空転滑走を起こしやすくなる。このため、上り坂の走行時にのみ一次側コイル31の推進力と回転式モータ71の推進力とを併用することが、期待粘着を下げて空転滑走を防いで、リニア推進力によって全体の推力維持することができ、効率的な走行を図るうえで好ましい。
制御プログラムには、走行時における回転式モータ71及び一次側コイル31の稼働タイミングを制御するための走行プログラムがある。図5は、一次側コイル31の敷設範囲の一例を示す説明図であるが、リニアモータは、一次側コイル31とリアクションプレート69とで発生する吸引力及び反発力により推進力を安定させるものであるため、少なくとも推進力の低下が推測される区間、つまり車輪67とレール2との粘着係数が不足する区間に一次側コイル31を敷設する必要がある。粘着係数が不足する区間とは、レール2の全長のうち、駅Sの直前直後区間(敷設範囲H1)及び勾配区間(敷設範囲H2,H3)である。これらの区間を列車4が走行する際においては、回転式モータ71による推進力とリニアモータによる推進力とを併用すれば安定した走行が可能となる。ここで駅Sの直前直後区間とは、停車時における減速開始位置から発車時における所定速度走行開始位置(惰行を含む。)までの範囲を少なくとも含む区間のことである。一方、敷設範囲H1,H2,H3以外を走行する通常走行時には回転式モータ71の推進力のみであっても安定した走行が得られる。これらのことから、走行プログラムは、敷設範囲H1,H2,H3の走行時では回転式モータ71を回転駆動させるとともに一次側コイル31から磁界を発生させ、通常走行時では回転式モータ71を回転駆動させるとともに一次側コイル31から磁界を発生させないように設定されている。なお、勾配区間は走行方向によって上り坂、下り坂となるが、上り坂を走行する場合は全軸が動軸でないため、軸辺り期待粘着が高くなり、結果として空転滑走を起こしやすくなる。このため、上り坂の走行時にのみ一次側コイル31の推進力と回転式モータ71の推進力とを併用することが、期待粘着を下げて空転滑走を防いで、リニア推進力によって全体の推力維持することができ、効率的な走行を図るうえで好ましい。
次に本実施形態の作用について説明する。
走行時、制御部8は走行プログラムに基づいて回転式モータ71及び一次側コイル31を制御して列車4を走行させている。例えば、列車4が図5の区間Aから右方向に走行する場合を例示して説明すると、区間Aでは通常走行となるために、制御部8は、所定速度で回転駆動するように回転式モータ71を制御し、磁界を発生しないように一次側コイル31を制御する。区間Bに進入すると、一次側コイル31が敷設されているものの下り坂なので、この区間Bにおいても区間Aと同様に、制御部8は、所定速度で回転駆動するように回転式モータ71を制御し、磁界を発生しないように一次側コイル31を制御する。区間Cにおいても同様の制御が施される。区間Dでは、上り坂であるので、制御部8は、所定速度で回転駆動するように回転式モータ71を制御し、磁界を発生するように一次側コイル31を制御する。また、区間Eでは区間Aと同様の制御が施される。そして、区間Fに進入すると、列車4を減速させるために制御部8は、回転数を落としながら回転駆動するように回転式モータ71を制御し、磁界を発生するように一次側コイル31を制御する。これにより、列車4は駅Sの所定の位置に停車することになる。発車する際においては、列車4を加速するために制御部8は、回転数を高めながら回転駆動するように回転式モータ71を制御し、磁界を発生するように一次側コイル31を制御する。その後、区間Gに進入すると、所定速度で回転駆動するように回転式モータ71を制御し、磁界を発生しないように一次側コイル31を制御する。
つまり、区間A,B,C,E,Gの走行時においては、回転式モータ71による推進力のみによって列車4は走行し、区間D,Fの走行時においては回転式モータ71による推進力及びリニアモータによる推進力が併用されて列車4は走行する。
走行時、制御部8は走行プログラムに基づいて回転式モータ71及び一次側コイル31を制御して列車4を走行させている。例えば、列車4が図5の区間Aから右方向に走行する場合を例示して説明すると、区間Aでは通常走行となるために、制御部8は、所定速度で回転駆動するように回転式モータ71を制御し、磁界を発生しないように一次側コイル31を制御する。区間Bに進入すると、一次側コイル31が敷設されているものの下り坂なので、この区間Bにおいても区間Aと同様に、制御部8は、所定速度で回転駆動するように回転式モータ71を制御し、磁界を発生しないように一次側コイル31を制御する。区間Cにおいても同様の制御が施される。区間Dでは、上り坂であるので、制御部8は、所定速度で回転駆動するように回転式モータ71を制御し、磁界を発生するように一次側コイル31を制御する。また、区間Eでは区間Aと同様の制御が施される。そして、区間Fに進入すると、列車4を減速させるために制御部8は、回転数を落としながら回転駆動するように回転式モータ71を制御し、磁界を発生するように一次側コイル31を制御する。これにより、列車4は駅Sの所定の位置に停車することになる。発車する際においては、列車4を加速するために制御部8は、回転数を高めながら回転駆動するように回転式モータ71を制御し、磁界を発生するように一次側コイル31を制御する。その後、区間Gに進入すると、所定速度で回転駆動するように回転式モータ71を制御し、磁界を発生しないように一次側コイル31を制御する。
つまり、区間A,B,C,E,Gの走行時においては、回転式モータ71による推進力のみによって列車4は走行し、区間D,Fの走行時においては回転式モータ71による推進力及びリニアモータによる推進力が併用されて列車4は走行する。
以上のように、本実施形態の鉄道車両システム1によれば、一次側コイル31がレール2間に配置されて、リアクションプレート69が車軸68に固定されていれば、振動によりリニアモータが壊れることを防止でき、リアクションプレート69と一次側コイル31との間隔を狭めることが可能となる。また、従来では一次側コイルがリニア式車両に搭載されていたが、この鉄道車両システム1では一次側コイル31よりも軽いリアクションプレート69がリニア式車両6に設けられているので、リニア式車両6の総重量を抑えることができる。このうえ、一次側コイル31がリニア式車両6にないのであれば、一次側コイル31を制御するコイル用制御機器82をもリニア式車両6に搭載する必要もないために、さらなる軽量化が可能となる。
このように、リアクションプレート69と一次側コイル31との間隔が狭められ、さらにリニア式車両6が軽量化されていると、少ない供給電力で安定した推進力を得ることができる。これにより、リニアモータによる損失が低減されて、効率のよい走行が可能となる。
また、本実施形態では、レール2の全長のうち、駅Sの直前直後区間(区間F)及び勾配区間(区間B,D)の少なくとも一区間に敷設されるレール2の間に一次側コイル31が配置されているので、通常走行時と比べて高い粘着推進力を付与することができ、安定した走行及び確実な停車が可能となる。
このように、リアクションプレート69と一次側コイル31との間隔が狭められ、さらにリニア式車両6が軽量化されていると、少ない供給電力で安定した推進力を得ることができる。これにより、リニアモータによる損失が低減されて、効率のよい走行が可能となる。
また、本実施形態では、レール2の全長のうち、駅Sの直前直後区間(区間F)及び勾配区間(区間B,D)の少なくとも一区間に敷設されるレール2の間に一次側コイル31が配置されているので、通常走行時と比べて高い粘着推進力を付与することができ、安定した走行及び確実な停車が可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、本実施形態では、一次側コイル31を駅Sの直前直後区間及び勾配区間にのみ配置する場合について説明したが、一次側コイル31をレール2の全長に亘って配置してもよい。緊急停車時においては停車位置が決まっていないが、一次側コイル31をレール2の全長に亘って配置していれば、緊急停車時であっても車輪67とレール2との粘着力を高めることができ確実な停車が可能となる。さらには、地震等の災害時に一次側コイル31で磁界を発生させれば、リアクションプレート69との間に磁力が発生するために、脱線、転覆を防止することも可能となる。
そして、リニア式車両6及びモータ式車両7の少なくとも一方に誘導発電コイルを一次側コイル31に対向するように配置しておけば、一次側コイル31と誘導発電コイルとによって非接触発電が可能となる。この得られた電力を蓄電するために、リニア式車両6及びモータ式車両7の少なくとも一方に蓄電池を搭載しておけば、発電により得られた電力だけでの走行が可能となる。したがってパンタグラフ架線等の接触集電設備を省略することができる。
例えば、本実施形態では、一次側コイル31を駅Sの直前直後区間及び勾配区間にのみ配置する場合について説明したが、一次側コイル31をレール2の全長に亘って配置してもよい。緊急停車時においては停車位置が決まっていないが、一次側コイル31をレール2の全長に亘って配置していれば、緊急停車時であっても車輪67とレール2との粘着力を高めることができ確実な停車が可能となる。さらには、地震等の災害時に一次側コイル31で磁界を発生させれば、リアクションプレート69との間に磁力が発生するために、脱線、転覆を防止することも可能となる。
そして、リニア式車両6及びモータ式車両7の少なくとも一方に誘導発電コイルを一次側コイル31に対向するように配置しておけば、一次側コイル31と誘導発電コイルとによって非接触発電が可能となる。この得られた電力を蓄電するために、リニア式車両6及びモータ式車両7の少なくとも一方に蓄電池を搭載しておけば、発電により得られた電力だけでの走行が可能となる。したがってパンタグラフ架線等の接触集電設備を省略することができる。
1 鉄道車両システム
2 レール
3 軌道
6 リニア式車両
7 モータ式車両
8 制御部
31 一次側コイル
62 台車
65 軸バネ
66 軸受
67 車輪
68 車軸
69 リアクションプレート
71 回転式モータ
2 レール
3 軌道
6 リニア式車両
7 モータ式車両
8 制御部
31 一次側コイル
62 台車
65 軸バネ
66 軸受
67 車輪
68 車軸
69 リアクションプレート
71 回転式モータ
Claims (5)
- リニアモータの一次側コイルがレールの間に配置された軌道と、
台車に軸バネ及び軸受を介して車輪の車軸が取り付けられ、当該車軸に前記リニアモータのリアクションプレートが前記一次側コイルに対向するように固定された少なくとも1つのリニア式車両とを備えることを特徴とする鉄道車両システム。 - 請求項1記載の鉄道車両システムにおいて、
前記一次側コイルは、前記レールのうち、駅の直前直後区間及び勾配区間の少なくとも一区間に敷設される前記レールの間に配置されていることを特徴とする鉄道車両システム。 - 請求項1又は2記載の鉄道車両システムにおいて、
台車に軸バネ及び軸受を介して車輪の車軸が取り付けられ、かつ前記車輪を回転させるための回転式モータを有して、前記リニア式車両に連結される少なくとも1つのモータ式車両を備えることを特徴とする鉄道車両システム。 - 請求項3記載の鉄道車両システムにおいて、
前記モータ式車両の前記車軸には、前記リニアモータのリアクションプレートが前記一次側コイルに対向するように固定されていることを特徴とする鉄道車両システム。 - 請求項3又は4記載の鉄道車両システムにおいて、
前記回転式モータ及び前記一次側コイルを制御する制御部を備え、
通常走行時には、前記制御部は、回転駆動するように前記回転式モータを制御するとともに、磁界が発生しないように前記一次側コイルを制御することを特徴とする鉄道車両システム。
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2005
- 2005-03-14 JP JP2005071157A patent/JP2006254661A/ja not_active Withdrawn
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