JP2006252858A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電気的接合やガスの拡散を妨げることがない燃料電池を提供すること。
【解決手段】 本発明にかかる燃料電池は、触媒層1が形成された電解質膜2と、電解質膜2を挟むように互いに対向して配置された一対の電極基材3、4と、電解質膜2側部及び電極基材3、4側部に配置されたシール部6と、シール部6及び電極基材3、4内に充填されシール部6と電極基材3、4とを接着する樹脂部材7とを備えており、さらに、触媒層1が形成された電解質膜2と電極基材3、4との接合が、触媒層1端部より外側の部位の樹脂部材7での接着のみによりなされるものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極で挟み込んだ電極構造を有する燃料電池に関するものである。
固体高分子型燃料電池は高い総合エネルギー効率が得られる発電手段として、現在研究開発が進められている。かかる燃料電池の主要部は、両極間を隔てる高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極で挟み込んで一体化し、さらに、一体化したものをガス流路を形成するセパレータで挟み込んだ構造をしている。尚、アノード電極、カソード両電極と、電解質膜とを一体化したものはMEA(膜電極接合体)と呼ばれている。
MEAは、詳細には、カーボン繊維などの導電性多孔体材料からなる電極基材(ガス拡散層とも呼ばれる)と、触媒及び固体電解質成分からなり、ホットプレス等の方法で電解質膜に接合される触媒層と、さらに触媒層及び電極基材間の電気的接合性と電極基材の平坦性を向上させるために電極基材上に塗布形成された多孔性導電層などで構成されており、電極基材が触媒層と接触して集電できるようになっている。尚、この多孔性導電層には電極基材表面の凹凸を平坦化する機能もある。
このような燃料電池を形成するには、触媒層と多孔性導電層、電極基材をセル内で圧着して良好な集電状態を作る必要があるため、特開2004-006369号公報に開示されているような従来の燃料電池では、触媒層と電極基材の位置ずれ等を起こすことなく良好な集電状態を得るために、電極基材と触媒層が形成された電解質膜を接着剤により直接接着し一体化するようにしている。
特開2004-006369号公報
上記のような従来の燃料電池では、電極基材と触媒層とを接着樹脂により直接接続している。そのため、両者の接合界面に接着性樹脂が存在し、この接着性樹脂により、電気的接合や触媒へのガス供給が妨げられるという問題点があった。特に十分な接着強度が得られる量の樹脂を適用するとその問題は顕著になり、逆に電気的接合やガス拡散を妨げない範囲で接着しようとすると十分な接着強度が得られないという問題があった。
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、電気的接合やガスの拡散を妨げることがない燃料電池を提供するものである。
本発明にかかる燃料電池は、触媒層が形成された電解質膜と、電解質膜を挟むように互いに対向して配置された一対の電極基材と、電解質膜側部及び電極基材側部に配置されたシール部と、シール部及び電極基材内に充填されシール部と電極基材とを接着する樹脂部材とを備えている。さらに、触媒層が形成された電解質膜と電極基材との接合が、触媒層端部より外側の部位の樹脂部材での接着のみによりなされるようになっている。
本発明にかかる燃料電池は、触媒層が形成された電解質膜と電極基材との接合が、触媒層端部より外側の部位の樹脂部材での接着のみによりなされるようになっているので、触媒層と電極基材との電気的接合、さらにはガス拡散の良好な燃料電池を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの実施の形態1の固体高分子電解質型燃料電池の電極構造を示す断面図である。図2は図1に示した燃料電池の電極構造の上面図である。但し、図2では、説明を簡単にするためにセパレータ板を外したものを示している。
図1に示すように、この実施の形態1の燃料電池の電極構造は、触媒層1が形成された電解質膜2と、電解質膜2を挟むよう互いに対向して配置された一対の電極基材3、4と、触媒層1と電極基材3、4との間に介在する多孔性導電層5と、電解質膜2側部及び電極基材3、4側部に配置されたシール部6とを備えている。そして、シール部6及び電極基材3、4内に樹脂部材7を充填し、この樹脂部材7により、シール部6と電極基材3、4とを接着するようになっている。
詳細には、その一方の面が反応の場である触媒層1に、他方の面がガスの流路を持つセパレータ板8、9に対向するように、電解質膜2の両側に拡散層を有する電極基材としてのアノード電極3とカソード電極4とが設けられ、これら電極3、4により、セパレータ板8、9と触媒層1を電気的に接合すると共に、流路を流れるガスを触媒層1全面に均一に供給するようになっている。さらに、電解質膜2に形成された触媒層1と拡散層との間には導電性多孔層5が形成されており、この導電性多孔層5が触媒層1と接触状態にあり、集電するようになっている。但し、導電性多孔層5と触媒層1の両者は接着剤等によって接着されていない。
電解質膜2としては、燃料電池内の環境においても安定で、プロトン伝導性とガスバリア性が高く、電子導電性のないものを用いればよい。一般にはパーフルオロ系主鎖とスルホン酸基からなる高分子電解質膜を用いればよい。
触媒層1としては、主に触媒とイオンのやりとりをする高分子電解質と触媒粒子とからなり、必要に応じ無機質粒子やポリマー粒子・カーボン粒子等の添加物を混入したものを用いればよい。また、触媒粒子としては、カーボンブラック粒子表面に白金など触媒活性を持つ金属微粒子を担持したものなど一般的に使用されているものを用いればよい。尚、電解質膜と電極基材の間に配される触媒層の形成法としては、電解質膜上に直接塗布形成する方法、電解質膜とは別の基材上に形成した後に電解質膜上に転写する方法などを適用すればよく、これら各種手法を組み合わせて形成してもよい。
拡散層としては、燃料電池内の環境においても安定な導電性多孔体を用いればよい。一般的にはカーボンペーパーやカーボンクロスといったカーボン繊維で形成された多孔体が用いられる。
導電性多孔層5としては、カーボンブラック等の粒子状導電材料とフッ素系樹脂等のバインダーからなるものを用いればよい。但し、導電材料、バインダーともに電池内の高温高湿環境で安定なものを用いるのが好ましい。
セパレータ板8、9としては、燃料電池内の環境においても安定で緻密な導電性板を用いればよい。一般にはカーボン板にガス流路溝を形成したものが用いられる。
また、電極部の周囲に形成されるガスシール6としては、燃料電池内の環境において、安定かつガスバリア性が高い材料を用いればよい。ガスシール部には各セルにガスや冷却液を分配供給するためのマニホールド穴を設けてもよい。但し、その際にはガスシール材は冷却液に接しても安定にする必要がある。
図1に示すように、この実施の形態1の燃料電池の電極構造では、触媒層1、多孔質膜5の両面(対向する面)には、接着剤(樹脂部材)7が設けられておらず、触媒層1、多孔質膜5の接合は、シール部材6と電極基材3、4端部、多孔質膜5端部、電解質膜2端部との接着によりなされている。即ち、シール部材と電極部材に充填される樹脂接着剤だけで電極ユニットの接着がなされようになっている。
そのため、触媒層1と導電多孔層5の界面に電気的接合を阻害する接着層等がなく、触媒層1が形成された電解質膜2と、導電性多孔層5が形成された電極基材3、4を電池性能に悪影響を与えない方法で一体化することができ、又、両者が十分な強度で一体化されるために、組み立て作業時の扱いを容易にできる。また、電池反応ガスが供給される部分全体の電解質膜2が電極基材3、4と樹脂7によって固定されるので、電解質膜2の伸縮によって局所的な応力がかかって電解質膜2が破損することもない。
さらに、この実施の形態1の燃料電池の電極構造では、電極基材3、4が触媒層1すなわち電極反応部より大きいものになっており、触媒層1の外側まで伸びている。ここで、触媒層1より外側の部分にはガスを供給する必要がないことより、電極基材反応外周部の空孔には樹脂材料7が充填され、この充填される樹脂7は電極基材外形よりもさらに外側に連続して伸び、この部分で電解質膜2と接着するようになっている。
充填する樹脂材料としては、燃料電池内の環境において安定でガス透過性が十分に低い材料であればよい。特に電池内の熱水や水蒸気に対して長期間耐える材料であればさらに好適である。一方、樹脂材料は電極基材内部に充填する必要があることより、充填作業時に流動性を有する部材を用いるのが好ましい。また、充填する樹脂は、少なくとも電解質膜と接着する機能があれば電解質膜を安定に支持できるため、それに必要な接着強度(電解質膜のピール強度として、30gf/cm以上)のものを用いればよい。
電極基材外周部に充填する樹脂の量としては、電極基材中の空孔体積に対して、その70vol.%以上を占める量にすればよい。この量であれば樹脂層が連続し空孔が連続しない状態となり、ガスリーク等の問題が起こりにくい。より好ましくは、90vol.%以上120Vol.%未満の範囲内にすればよい。この範囲内であれば、ガスリーク等の問題が特に少なく、また、余剰樹脂が電極反応部や外部に滲み出して問題になることが少ない。尚、120vol.%を超える場合には樹脂の滲みだし量が大きく、電極反応部に必要な電極基材内の空間を樹脂が閉塞するなどの問題が顕著になる。
電極基材に充填する樹脂としては、詳細には、上記機能を持たせることが出来る熱可塑樹脂、硬化前に電極基材空孔に充填するのに十分な流動性がある熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらの材料には必要に応じて無機系、有機系を問わず、粒子状の充填材を含んだものでもよい。このような充填材を用いることによって、流動性の制御や硬化後の強度、硬化収縮抑制等の機能を付与することが可能である。また、充填する樹脂材料として加熱によって充填に必要な流動性が得られる熱可塑樹脂を用いるようにすれば、充填作業後に冷却することで直ちに硬化するため作業効率を上げることができる。
但し、電極基材には一般に微細なカーボン繊維からなる多孔体が用いられることより、このような多孔体の空孔部に樹脂を充填するには樹脂の粘度が十分低くなる温度で充填しなければならない。そのため、樹脂を充填するには少なくとも10000poise以下好ましくは6000poise以下となる温度にする必要があり、電解質膜の共存化では電解質膜が熱劣化しない温度で上記の粘度範囲になるような充填樹脂を選定する必要がある。
また、熱可塑樹脂を充填する樹脂として用いる場合には、電池運転温度では流動しない材料である必要がある。従って少なくとも充填する樹脂の融点が電池動作温度の最高温度よりも高いものを選択するようにする。例えば、一般的な固体高分子型燃料電池の動作温度は90℃以下であるので、このような電池では、90℃で流動しない樹脂を用いるようにする。尚、熱可塑樹脂の充填作業に要する温度が電解質膜の耐熱温度より高い場合には、電解質膜や電解質膜成分を含む触媒層を電極基材に接合する前に、予め樹脂充填をしておく必要がある。
また、熱可塑樹脂の融点が電解質膜の耐熱温度より低い場合には、加熱によって熱可塑樹脂を再溶融させることで、電解質膜と電極基材を接着一体化すればよい。
このような特性を持つ熱可塑樹脂の例として、ホットメルトと総称される樹脂が好適である。代表的なホットメルト樹脂として、ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィン系の樹脂や、ポリオレフィンとポリ酢酸ビニル等を共重合して溶融温度や接着性を改善した樹脂が挙げられる。このようなポリオレフィン系の樹脂を用いると、一般的な電解質膜材料の耐熱温度である200℃よりも十分に低い温度で樹脂を流動させることが出来る。従って、電極基材に電解質膜成分が接合した後でも充填できるなど、プロセスの自由度が高く、また、ポリオレフィン系の樹脂は燃料電池の動作温度である90℃以下の高湿雰囲気に暴露されても比較的安定な材料であり、好適に用いることが出来る。
同様に使用できる熱可塑樹脂として、ナイロン11、ナイロン12、共重合ナイロン系の樹脂が挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレートや、その共重合体に代表される、ポリエステル系の樹脂が挙げられる。この種のポリエステル系樹脂は耐水性に優れるため、水分にさらされる燃料電池に好適に用いることが出来る。また、ポリブチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル系樹脂、無定型ポリアミド樹脂も同様に用いることが出来る。
また、特に長期間の信頼性を求められる場合には、電池内の環境により安定な材料を使用する必要がある。充填する樹脂は電池内の高温高湿にさらされるだけではなく、電池構造によっては、冷却水と接する場合もあるため、充填する樹脂が分解して溶出する成分があると、電池の性能を劣化させたり、冷却水の電気伝導度を上げる等の懸念がある。そのような場合は特に化学的安定性の高い材料を用いる必要があるため、たとえばポリフェニレンサルファイドに代表される耐薬品に優れたエンジニアリングプラスチックを用いればよい。その他、ポリビニルホルマール/フェノリック系、ニトリルゴム/フェノリック系、ナイロン/エポキシ系、ニトリルゴム/エポキシ系といった、ポリマーアロイ型の樹脂のうち、無溶剤系のものを用いることが出来る。
未硬化段階では十分な流動性があり、その後、硬化剤との混合や加熱によって硬化せしめることの出来る樹脂も同様に用いることが出来る。例えば、エポキシ樹脂を充填し、その後加熱等の硬化処理を行うことで使用することが出来る。同様に使用できる樹脂材料として、液状アクリルゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、EPDMゴムなどが挙げられる。また、硬化型シリコーン系樹脂を用いる場合は電解質膜との接着性が高く、ガスシール性に優れた膜電極接合体を形成することができる。
次に、熱可塑樹脂を電極基材に樹脂を充填する方法としては、射出成形、あるいはそれに類似する方法、また、圧縮成型、あるいはそれに類似する方法等などを用いればよい。例えば電極基材を型に入れ、その後、流動性のある樹脂を圧入する方法が挙げられる。また、より簡便且つ面積当たりの充填量を均一にするには、所定厚みの熱可塑樹脂シートと電極基材を重ねてホットプレスで圧入する方法を適用すればよい。これらの樹脂充填作業を減圧下で行えば、樹脂充填層の内部に気泡等ができないので、よりガス遮断性の高い樹脂充填層が得られる。尚、充填する樹脂の量は電極基材の内部空孔を充填しガスを遮断できる量であれば良い。
このように充填された樹脂は、熱可塑樹脂であれば冷却することで、熱硬化性樹脂であれば所定の硬化処理を行うことでMEAとして使用できる状態になる。
この実施の形態では、触媒層が形成された電解質膜と前記電極基材との接合が、前記触媒層端部より外側の部位の前記樹脂部材での接着のみによりなされるので、触媒層の主面に接着剤(樹脂)がなく、集電性能を向上させることができる。また、ガス拡散性の低下を防止することができる。
また、触媒層と電極基材との間に多孔性導電層が介在しても、触媒層と導電性多孔層の間に導電性の妨げとなる接着性樹脂が存在せず、集電性能を向上させることができる。また、接着性樹脂が導電性多孔層の空孔部を閉塞することがないため、ガス拡散性の低下を防止することができる。
また、電極部材の接合は、シール部と、電極基材並びに前記多孔性導電層及び前記電解質膜の端部との接着だけでなされるので、触媒層と多孔性導電層との電気的接合やガスの拡散を妨げることなく、燃料電池のエネルギー効率を高めることができる。
また、樹脂部材は、熱可塑性樹脂であるので、ホットプレスするだけで充填が可能であり、冷却するだけで硬化が可能である。そのため、より短時間のプロセスで製造が可能となり生産性を上げることができる。また、MEA成形後、セパレータを挟んで再ホットプレスすることで、セパレータとも一体化することが可能となる。
また、電極基材における他の電極基材と対向する部位は、触媒層と対向する対向部位と触媒層と対向しない非対向部位とを有し、電極基材の非対向部位に樹脂部材が充填されている。即ち、多孔性導電層が形成された電極基材の外端部の限定された範囲に樹脂が充填され、その樹脂が電極基材外形のさらに外側で電解質膜と接合され、電極基材の主面(外形)が触媒層の主面(外形)よりも大きくなっており、電極基材の主面が触媒層全体を覆っている。
従って、接着性樹脂は触媒層と導電性多孔層の接触部にはほとんど介在することがないので、接着性樹脂の充填によって使用されない触媒層が生じることがなく、両者の電気的接合やガスの拡散を効率的に行うことができる。また電解質膜が電極基材外周部まで接着性樹脂によって固定されるために電解質膜の伸縮に伴って電解質膜が変形し破損するのを防止することができる。
また、樹脂部材は、電極基材の外端部から電極基材の厚み分よりも大きく内側に充填されているので、電解質膜と電極基材とを剥離が起こらない強度で一体化することができる。
実施例1
上記実施の形態で示した燃料電池の電極構造を製造するにあたり、電極基材としては厚さ300μm、空孔率80%のカーボンペーパー(東レ(株)製TGP-H-90)を用いた。このカーボンペーパーの触媒層と接触する片面に後述の手順で導電多孔層を形成した。
また、導電多孔層の形成については、導電材としてケッチェンブラック、バインダーとしてフッ素系樹脂(PTFE)ディスパージョン液を混合し、導電ペーストを得、このペーストを上記電極基材上にドクターブレード法にて塗布し、乾燥後、400℃の熱処理を行うことで導電多孔層を形成した。
また、触媒層の形成については、カソード触媒としては白金をカーボンブラック上に50wt%担持したものを用い、アノード触媒としては白金-ルテニウム系金属をカーボンブラック上に50wt%担持したものを用いた。
カソード触媒粒子1重量部に水1重量部、パーフルオロ系高分子電解質溶液(旭硝子製フレミオン9%溶液)3重量部、を添加し、攪拌混合して均一な状態のカソード触媒ペーストを得た。一方、アノード触媒粒子1重量部に水1重量部,パーフルオロ系高分子電解質溶液6重量部、を添加し、攪拌混合して均一な状態のアノード触媒ペーストを得た。そして、それぞれの触媒ペーストをPETフィルム上に所定サイズでスクリーン印刷した後に乾燥してカソード、アノードそれぞれの電極を得た。
また、膜-触媒接合体の形成については、電解質膜として厚さ50μmのデュポン社製ナフィオン膜を用い、膜の大きさが触媒層外形よりも全周で7mm大きくなるようにトリミングした。電解質膜と前記触媒層が形成されたPETフィルムを触媒層と電解質膜が接触するように積層し、140℃で5分間ホットプレスした。プレスによって触媒層はPETフィルムから電解質膜上に転写され、両極の触媒層と電解質膜が一体化した膜-触媒接合体を得た。
また、ガスシール付き電極基材の形成については、前記電極基材の外端が、触媒層の外形よりも全周において2mm大きくなるように電極基材をトリミングし、次に厚み240μmのポリオレフィン系熱可塑樹脂シートを、外端が電極基材の外形よりも全周において20mm大きくなるようにトリミングした。この熱可塑樹脂シートの中央に触媒層外形と同じ大きさの窓を開けた。この樹脂シートの窓と前記電極基材を全周の重なりが均一になるように積層し、全体を120℃でホットプレスすることでガスシール付き電極基材を得た。電解質膜と電極基材を一体化する樹脂シートとしては、この膜電極接合体を用いて燃料電池を作製して運転するときの最高到達温度よりも高い温度で塑性変形が起きる熱可塑性樹脂を用いる。この樹脂には電解質膜とガス拡散層、触媒層を接着する機能が必要であり、その接着力が高い程好ましい。本実施例では、接着力を向上した、ポリオレフィン系共重合体からなる熱可塑樹脂を用いた。
電解質膜と樹脂の接着性については、上記材料構成と同じ構成で電解質膜とホットメルト樹脂を充填した電極基材をホットプレスによって接合し、電解質膜と電極基材に充填したホットメルト樹脂のピール強度を測定したところ、約50gf/cmであった。
また、膜電極接合体の形成については、2枚の前記ガスシール付き電極基材の間に前記膜-触媒接合体を挟み、全体を120℃でホットプレスすることで膜電極接合体を得た。電極基材外端部から内部へ幅約2mmのエリアにおいて、樹脂が電極基材空孔部に充填されている状態となり、さらに、この樹脂は電極基材外形よりも外側に20mm連続しており、ガスシール部を形成している。また、この樹脂は電極基材よりも外側の部分で電解質膜と接し、両者は接着され一体化していた。樹脂は電極基材外端より内側に2mmまで充填されている。また電極基材外端よりも電解質膜は5mm出る大きさであり、この部分で電極基材に充填した前述の樹脂と接着状態にある。従ってこの膜電極接合体は十分な強度で一体化されているために、セル組み立て等の操作においても取り扱いが著しく容易であった。膜電極接合体をR=200mmに曲げてもと両者が剥離することはなかった。
また、セルの形成については、上記膜電極接合体をガス流路溝を設けたカーボン板で両側から挟み、その外部から、発熱体を内蔵した金属板で面圧をかけて、性能評価用セルとした。
また、セルの運転については、評価用セルを外部負荷と接合し,アノード側には常圧の水素ガスを、カソード側には常圧の空気を供給して発電を行った。水素ガスの利用率は70%に,空気側の酸素利用率は40%になるように流量を設定した。ガスは外部加湿器で加湿を行ってからセルに供給した。またセルの温度は80℃になるように外部発熱体によって温度調節した。供給ガスの湿度については露点80℃となるように外部加湿器を調節した。電流密度250mA/cmで8時間連続運転時点での電圧は735mV、抵抗は3.4mΩであった。また500mAにおける電圧は640mVであった。
実施例2
実施例1と同様に導電性多孔層が形成された電極基材と膜-触媒接合体を形成した。電極機材の導電性多孔層表面に触媒層に用いたものと同じ高分子電解質溶液をスクリーン印刷で塗布して乾燥した。乾燥後重量から見積もった塗布量は0.12mg/cmであった。この電極基材と膜-触媒層接合体を160℃でホットプレスすることで両者を接合した。ホットプレス後の電極基材と触媒層の接合強度は弱く、セル組み立て時に剥離が生じた。この膜電極接合体をR=200mmに曲げると両者は剥離した。この膜電極接合体を実施1と同様に電池運転したところ、8時間経過時点の電圧は電流密度250mA/cmで732mV、抵抗は3.6mΩであった。また500mAにおける電圧は618mVであった。
実施例3
実施例2と同様に膜電極接合体を形成した。ただし、導電性多孔層上に形成した高分子電解質の塗布量は0.2mg/cmであった。ホットプレス後の電極基材と触媒層の接合強度は実施例2よりは向上しており、セル組み立て時に剥離することはなかった。この膜電極接合体をR=200mmに曲げると接合面内の一部が剥離した。この膜電極接合体を実施1と同様に電池運転したところ、8時間経過時点の電圧は電流密度250mA/cmで730mV、抵抗は4.1mΩであった。また500mAにおける電圧は587mVであった。
実施例4
実施例2と同様に膜電極接合体を形成した。ただし、導電性多孔層上に形成した高分子電解質の塗布量は0.48mg/cmであった。ホットプレス後の電極基材と触媒層の接合強度は実施例3よりさらに向上しており、セル組み立て時に剥離することはなかった。この膜電極接合体をR=200mmに曲げても剥離することはなかった。この膜電極接合体を実施1と同様に電池運転したところ、8時間経過時点の電圧は電流密度250mA/cmで715mV、抵抗は5.1mΩであった。また500mAにおける電圧は300mV未満であり、測定が困難であった。
実施例5
実施例1と同様に膜電極接合体を形成した。ただし、電極基材内に樹脂が充填される領域は外端から、0.25mmとした。このセルは電極基材内に樹脂が充填される領域が小さいために、セルみ立て時に電極基材の剥離がしばしば発生した。この膜電極接合体をR=200mmに曲げると電極基材が剥離した。
実施例6
実施例1と同様に膜電極接合体を形成した。ただし、電極基材内に樹脂が充填される領域は外端から、0.3mmとした。セルみ立て時に電極基材が剥離することはなかった。この膜電極接合体をR=200mmに曲げても電極基材が剥離することはなかった。
実施例7
実施例1と同様に膜電極接合体を形成した。ただし、電解質膜の外端は電極基材外端から0.5mmはみ出す大きさとした。このセルは樹脂が電解質膜と接着する領域が小さいが、セルみ立て時に電極基材が剥離することはなかった。しかし、この膜電極接合体をR=200mmに曲げると電解質膜-と樹脂間で剥離が発生した。コスト低減の観点からは電解質膜をより小さくすることが好ましいが、電解質のはみ出し量をこの実施例のように小さくしすぎると、接着面積の低下により剥離が生じやすくなる。
本発明の実施の形態1の固体高分子電解質型燃料電池の電極構造を示す断面図である。 図1に示した燃料電池の電極構造の上面図である。
符号の説明
1 触媒層 2 電解質膜
3、4 電極基材 3a 電極基材(樹脂部材充填部)
5 多孔性導電層 6 シール部
7 樹脂部材 8、9 セパレータ板

Claims (6)

  1. 触媒層が形成された電解質膜と、前記電解質膜を挟むように互いに対向して配置された一対の電極基材と、前記電解質膜側部及び前記電極基材側部に配置されたシール部と、前記シール部及び電極基材内に充填され前記シール部と前記電極基材とを接着する樹脂部材とを備え、
    前記触媒層が形成された電解質膜と前記電極基材との接合が、前記触媒層端部より外側の部位の前記樹脂部材での接着のみによりなされることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記触媒層と前記電極基材との間に多孔性導電層が介在していることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記触媒層が形成された電解質膜と前記電極基材との接合は、前記シール部と、前記電極基材並びに前記多孔性導電層及び前記電解質膜の端部との接着のみでなされることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  4. 前記樹脂部材は、熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  5. 前記電極基材における他の電極基材と対向する部位は、前記触媒層と対向する対向部位と前記触媒層と対向しない非対向部位とを有し、前記電極基材の非対向部位に前記樹脂部材が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  6. 前記樹脂部材は、前記電極基材の外端部から前記電極基材の厚み分内側に充填されていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
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