JP2006252588A - 光学ユニット及び光ピックアップ並びに光記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ビーム整形素子を用いずに情報記録媒体上に楕円スポットを斜めに配置して、光学製品を小型化して、かつ良好な信号を得る。
【解決手段】光学ユニットは、半導体レーザー1と、半導体レーザー1から出射した光束を反射するミラー面17と、受光素子8とが同一基板15上に実装している。この基板15は、回折格子7及び受光素子8の面と平行な面に対して、異なる方向に傾斜した2つの面を備え、1つの面は、半導体レーザー1の出射する光束を回折格子7へと折り返すための45度傾いたミラー面17、もう1つの面は、半導体レーザー1を実装する光源実装面16である。光源実装面16を受光素子8に平行な面に対して所定の角度に傾斜させることで、半導体レーザー1の活性層をトラック方向に対して所定の角度に傾斜させ、情報記録媒体上に楕円スポットを斜めに配置できる。
【選択図】図2
【解決手段】光学ユニットは、半導体レーザー1と、半導体レーザー1から出射した光束を反射するミラー面17と、受光素子8とが同一基板15上に実装している。この基板15は、回折格子7及び受光素子8の面と平行な面に対して、異なる方向に傾斜した2つの面を備え、1つの面は、半導体レーザー1の出射する光束を回折格子7へと折り返すための45度傾いたミラー面17、もう1つの面は、半導体レーザー1を実装する光源実装面16である。光源実装面16を受光素子8に平行な面に対して所定の角度に傾斜させることで、半導体レーザー1の活性層をトラック方向に対して所定の角度に傾斜させ、情報記録媒体上に楕円スポットを斜めに配置できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、情報記録媒体に対してデータを記録または再生するための光学系を用いた情報処理に係り、さらに詳しくは、その光学系を小型化するための技術を用いた光学ユニット及び光ピックアップ並びに光記録再生装置に関するものである。
従来の一般的な光ピックアップについて図9を用いて説明する。光ピックアップは、情報記録媒体5を再生する光束を出射する半導体レーザー1、半導体レーザー1の発散光束を略平行光束にするためのカップリングレンズ2、半導体レーザー1から情報記録媒体5へ向かう光束と情報記録媒体5で反射した光束を分離するための検出分離手段3、光束を情報記録媒体5に集光するための対物レンズ4、情報記録媒体5の信号層で反射した光束を受光素子8に集光するための検出レンズ6、情報記録媒体5と対物レンズ4のフォーカス方向,トラック方向の位置を一定に保つために必要なフォーカスエラー信号,トラックエラー信号を生成するための回折格子(ホログラム)7、情報記録媒体5の信号情報を得るための受光素子8を備えている。
また、対物レンズ4は、情報記録媒体5の信号層にスポットをフォーカスするために光軸方向に駆動できるアクチュエータに搭載されている。
半導体レーザー1を出射した光束は、カップリングレンズ2で略平行光束になり、検出分離手段3を透過し、対物レンズ4により情報記録媒体5の情報記録面に微小スポットを形成する。情報記録媒体5で反射した光束は、対物レンズ4で再び略平行光束になり、検出分離手段3で反射され、検出レンズ6で収束光束になり、回折格子(ホログラム)7によって光束を分岐し、受光素子8の受光面で検出される。
一般的に、半導体レーザー1から情報記録媒体5へ向かう往路の光学系のことを照明光学系と呼び、情報記録媒体5で反射した光束が受光素子8へ向かう復路の光学系のことを検出光学系と呼ぶ。
近年、光ピックアップを小型化する技術として、半導体レーザーと受光素子と各種信号を生成するために領域を分割された回折格子(ホログラム)を一体化した光学ユニットとしてホログラムユニットと呼ばれるものが登場した。ホログラムユニットについて図10を用いて説明する。
ホログラムユニット9は、半導体レーザー1と受光素子8と、領域を分割された回折格子7からなる。光源として一般的に用いられる半導体レーザー1から出射した発散光は、回折格子7を透過し、光ピックアップに備えられたカップリングレンズ(図示せず)へ向かう。また、情報記録媒体で反射した光束は再びカップリングレンズを透過し、収束光束として回折格子7に入射する。回折格子7は入射光束に対して領域分割されており、各領域で分割し回折した光束を受光素子8で受光する。
最も一般的に知られているホログラムユニットについて簡単に説明する。図11に示すように、回折格子7は3分割されており、データ記録方向に2分割した一方の領域abで回折した光を2分割した受光素子(A,B)で検出することでナイフエッジ法によるフォーカスエラー信号が得られる。また、残った他方の領域はトラック方向に2分割した領域c,領域dの回折光をそれぞれ個別の受光素子(C,D)で検出することでトラックエラー信号が得られる。
また、データを記録する光ピックアップでは、光利用効率を高く設定する必要がある。このため、回折格子において光損失が少ない偏光ホログラムを用いる。偏光ホログラムは、半導体レーザーから出射した直線偏光(P)に対して、高効率に0次光を透過する。ホログラムユニットと情報記録媒体の間には、λ/4板を配置して円偏光に変え、情報記録媒体で反射した光束を再びλ/4板を介すことで、往路の直線偏光(P)に直交した直線偏光(S)を生成する。偏光ホログラムは、直線偏光(S)に対して高効率に回折する特性があるので往路,復路ともに高効率な光学系を実現できる。
光ピックアップやホログラムユニットに用いる光源として、前述したように半導体レーザーが一般的に用いられる。半導体レーザーの発光分布は非均等であり、半導体レーザーの接合面における活性層に平行な方向(θ//)と、これに垂直な方向(θ⊥)においての強度分布が異なっている。遠視野像の代表的な値は平行な方向(θ//)が10°、垂直な方向(θ⊥)が30°である。このような非等方な光束をカップリングレンズで略平行光束として、そのまま対物レンズで集光すると、形成されるスポットは楕円になる。
図12に示すように、楕円スポット12の長軸方向が情報記録媒体のトラック方向に向いていると、複数のトラック13に光束が照射されるので、隣のトラック13aからの情報信号の洩れ込み(クロストーク)や隣のトラック13aへの書き込みなどの不具合を生じる。また、図13に示すように、楕円スポット12の長軸方向が情報記録媒体のデータ記録方向に向いていると、データ記録方向の分解能が低下して、良好な再生信号検出や、情報の書き込みができなくなる。
そこで、ビーム整形光学素子を用いて、対物レンズに入射する半導体レーザーの活性層に平行な方向の光束を拡大して、略円形なスポットを得る方策が試みられている。ビーム整形素子については、ビーム整形プリズムやアナモフィックレンズを用いた方式が従来から知られているが、ここでは説明を省略する。
また、良好な再生信号を得るためにビーム整形素子を挿入して、情報記録媒体上のスポット形状を円形にすると光学系が大きくなる。また、経時,温度変化といった環境変化による光軸ずれに伴う各種信号のオフセットが発生しやすくなる。
そこで、特許文献1,2,3に記載されるような情報記録媒体のトラックに対して楕円スポットを斜めに配置すること、また、特許文献4に記載された、ビーム整形素子を外して、情報記録媒体上のスポット形状が楕円スポットでも良好な再生信号を得るための方式として、半導体レーザーまたは立上ミラーを斜めに配置する方式がある。
そこで、特許文献1,2,3に記載されるような情報記録媒体のトラックに対して楕円スポットを斜めに配置すること、また、特許文献4に記載された、ビーム整形素子を外して、情報記録媒体上のスポット形状が楕円スポットでも良好な再生信号を得るための方式として、半導体レーザーまたは立上ミラーを斜めに配置する方式がある。
図14に示すように情報記録媒体上の楕円スポットは斜めに向き、トラック方向とデータ記録方向におけるスポット径は、楕円長軸方向のスポット径よりも小さくなる。これにより、隣のトラックからの情報信号の洩れ込み(クロストーク)が抑えられ、さらに、データ記録方向の分解能も確保できるようになり、良好な再生信号が得られる。このような光スポットを斜め配置するには、トラック方向に対して楕円長軸を好ましくは角度が10°〜80°傾斜、さらに好ましくは30°〜60°傾斜に設定するのが良い。
特開昭61−190731号公報
特開平8−63777号公報
特開平9−128789号公報
特開2000−163821号公報
従来のホログラムユニットは、半導体レーザーの活性層が、トラック方向に対して平行(または垂直)に配置されており、回折格子の領域分割線の方向も、トラック方向に対して平行(または垂直)に配置されている。このため、スポットを斜めに配置するように、ホログラムユニットを傾けて使用すると、回折格子のトラック方向に2分割した領域c,領域dが傾斜してしまい、トラックパターンが非対称に設定されて、トラックエラー信号にオフセットが生じるという不具合がある。
図15は半導体レーザーを含むホログラムユニット9をトラック方向に対して斜めに配置した(a)は光学レイアウト、(b)はホログラムユニットの回折格子7上の情報記録媒体で反射した光束断面を示し、図16は立上ミラー11の入射面をトラック方向に対して斜めに配置した(a)は光学レイアウト、(b)はホログラムユニットの回折格子7上の情報記録媒体で反射した光束断面を示す図である。図15(a),(b)及び図16(a),(b)に示すどちらの光学レイアウトにおいても、情報記録媒体上のスポットは斜めに配置できるが、トラックパターンは、トラック方向に対する分割した領域c,領域dに対して非対称に設定されている。
本発明は、前記従来技術の問題を解決することに指向するものであり、小型な光ピックアップを提供するために、詳しくは、光学ユニットであるホログラムユニットを用いた光ピックアップさらには光記録再生装置において、ビーム整形素子を用いることなく情報記録媒体上に楕円スポットを斜めに配置することによって、小型化して良好な信号を得ることのできる光学ユニット及び光ピックアップ並びに光記録再生装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載される光学ユニットは、情報記録媒体に向かう光束を出射する半導体レーザーと、情報記録媒体で反射した光束を複数の領域に分割する回折格子と、回折格子で回折した光束を検出するための受光素子とを一体に構成した光学ユニットにおいて、半導体レーザーの活性層を回折格子上におけるトラック方向に対して所定の角度に傾斜して設け、回折格子の領域を分ける分割線の方向を回折格子上におけるトラック方向に対して平行または垂直に設けたことにより、情報記録媒体のトラック上に楕円スポットの径が小さな状態で配置することができ、またトラックエラー信号に生じるオフセットをなくすことができる。
また、請求項2〜4に記載される光学ユニットは、請求項1の光学ユニットであって、半導体レーザーと、半導体レーザーから出射した光束を回折格子の方向へ反射するミラー面と、受光素子とを同一基板上に実装した光学ユニットにおいて、基板上の半導体レーザーの実装面を、受光素子の実装面に対して所定の角度に傾斜して設けたこと、または、半導体レーザーと、半導体レーザーから出射した光束を回折格子の方向へ反射するミラー面と、受光素子とを同一基板上に実装した光学ユニットにおいて、ミラー面を、半導体レーザーからミラー面に向かう光束の入射面が回折格子上におけるトラック方向に対して所定の角度に傾斜するように配置したこと、または、半導体レーザーと、受光素子を搭載した基板とを同一ヒートシンク上に実装した光学ユニットにおいて、半導体レーザーを実装するヒートシンクの実装面を、回折格子上におけるトラック方向に対して所定の角度に傾斜したヒートシンクの側面としたことにより、情報記録媒体のトラック上に楕円スポットの径が小さな状態で配置することができ、またトラックエラー信号に生じるオフセットをなくすことができる。
また、請求項5,6に記載される光学ユニットは、請求項1の光学ユニットにおける回折格子が、入射光の偏光方向に依存して1次より高次の回折光による回折効率が変化する偏光回折格子であって、半導体レーザーと偏光回折格子の間に1/2波長板を設けたこと、さらに、1/2波長板を、偏光回折格子に一体的に積層していることにより、偏光回折格子に入射する光束の偏光方向を制御して、回折効率を高効率に設定でき、また小型化することができる。
また、請求項7〜9に記載される光ピックアップは、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学ユニットと、半導体レーザーから出射した光束を情報記録媒体へ導くための立上ミラーと、情報記録媒体に向かう光束を情報記録媒体の記録面に集光するための対物レンズとを備え、立上ミラーを、光学ユニットから立上ミラーに向かう光束と立上ミラーで反射し対物レンズへ向かう光束を含む入射面が情報記録媒体のトラック方向に対して所定の角度に傾斜するように配置したこと、または、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学ユニットと、光学ユニットの半導体レーザーから出射した光束を情報記録媒体へ導くための立上ミラーと、情報記録媒体に向かう光束を情報記録媒体の記録面に集光するための対物レンズとを備えたこと、さらに、請求項1〜6のいずれか1項に記載の第1の光学ユニットと、第1の光学ユニットの半導体レーザーから出射した光束を情報記録媒体へ導くための立上ミラーと、第1の光学ユニットと立上ミラーの間に配置した波長依存性のある光束分離手段と、半導体レーザーの波長とは異なる複数の半導体レーザー及び当該半導体レーザーから出射して情報記録媒体において反射した光束を検出する受光素子を有する第2の光学ユニットとを備えたことにより、情報記録媒体上で隣のトラックからの情報信号の洩れ込み(クロストーク)を抑えるとともに、データ記録方向の分解能を確保して安定した記録,再生動作ができ、さらに、所定の光学ユニットの半導体レーザーに対してのみ、情報記録媒体にスポット径を小さくすることができる。
また、請求項10に記載される光記録再生装置は、請求項7〜9のいずれか1項に記載の光ピックアップを用いることにより、隣のトラックからの洩れ込みを抑えるとともに、データ記録方向の分解能を確保して、トラック方向やデータ記録方向の密度が狭い情報記録媒体に対しても安定した記録,再生動作ができる。
本発明によれば、半導体レーザーの活性層をトラック方向に対して所定の角度に傾斜して情報記録媒体上のスポット径を小さくして、隣のトラックから信号の洩れ込みを抑えるとともにデータ記録方向の分解能も確保でき、かつ回折格子の領域分割線の方向をトラック方向に平行または垂直にして、トラックエラー信号のオフセットをなくすことができ、トラック方向やデータ記録方向の密度が狭い情報記録媒体に対して、安定した情報の記録,再生動作を行うことができるという効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態1における光学ユニットの概略構成を示す模式図である。ここで、前記従来例を示す図11において説明した構成部材に対応し同等の機能を有するものには同一の符号を付して示す。
本実施の形態1における光学ユニットとしては、情報記録媒体に向かう光束を出射する半導体レーザー1と、情報記録媒体で反射した光束を複数の領域に分割する回折格子7と、回折格子7で回折した光束を検出するための受光素子8とが一体となったホログラムユニットが構成されている。
図1に示す回折格子7の面において、データ記録方向,トラック方向とは、光学ユニットから出射した光束が情報記録媒体へ投影したときの方向を示す。本実施の形態1において、半導体レーザー1の活性層は、回折格子7上におけるトラック方向に対して所定の角度(10°〜80°)に傾斜している。前述したように、半導体レーザー1から出射した光束は、活性層に垂直な方向の広がり角が、活性層に平行な方向の広がり角よりも広い。したがって、光学ユニットから出射した光束は、トラック方向に対しては所定の角度に傾斜した楕円光束になる。この光束を情報記録媒体に対して集光させた場合、データ記録方向に対して所定の角度に傾斜した楕円スポットになる。
この集光した楕円スポットは、トラック方向とデータ記録方向の断面に対するスポット径が、楕円長軸のスポット径よりも短いので、隣のトラックからの情報信号の洩れ込み(クロストーク)が抑えられ、さらに、データ記録方向の分解能も確保でき、良好な再生信号が得られる。さらに、回折格子7の領域を分ける分割線の方向は、回折格子7におけるトラック方向に対して平行または垂直に設定している。
さらに詳しく説明すると本実施の形態1では、回折格子7は、図1に示すように領域abと領域cと領域dの3領域に分けられる。領域abは、情報記録媒体で反射して戻ってきた光束を2分するように設定している。領域abにより回折した光束は2分割した受光素子(A,B)に集光して検出される。いま、対物レンズから出射した光束が情報記録媒体に集光した場合、情報記録媒体を反射した光束は、2分割した受光素子Aと受光素子Bの間に集光されて、この受光素子の差分A−Bは0になる。
一方、対物レンズが情報記録媒体に対して遠ざかった場合、回折格子7の領域abで回折した光束は、2分割した受光素子A,Bの手前で一度集光され、半円形に広がった光束が受光素子Bに入射される。すなわちA−B<0になる。逆に、対物レンズが情報記録媒体に対して近づいた場合、回折格子7の領域abで回折した光束は、2分割した受光素子A,Bの後方で集光されるので、集光される前の半円形に広がった光束が受光素子Aに入射される。すなわちA−B>0になる。したがって、A−Bを演算することで対物レンズが情報記録媒体に対してどこにフォーカスされているかを示す信号であるフォーカスエラー信号が得られる。
領域cと領域dは、トラック方向に対して光束を2分するように設定している。領域cと領域dで回折した光束を、受光素子Cと受光素子Dで検出する。情報記録媒体で反射した光束は、情報記録媒体のトラック方向に対する位置情報を含むトラックパターンが生成されることから、各受光素子の差分C−Dを演算することによって、情報記録媒体に集光されるスポットの位置情報であるトラックエラー信号が正確に得られる。
図2は本実施の形態1における実施例1の光学ユニットの概略構成を示す斜視図である。図2に示すように、半導体レーザー1の活性層を回折格子7上におけるトラック方向に対して所定の角度(10°〜80°)に傾斜するための実施例である。
本実施例1の光学ユニットは、半導体レーザー1と、半導体レーザー1から出射した光束を反射するミラー面17と、受光素子8とが同一基板15上に実装している。この基板15は、回折格子7及び受光素子8の面と平行な面に対して、異なる方向に傾斜した2つの面を備えている。1つの面は、半導体レーザー1の出射する光束を回折格子7へと折り返すための45度傾いたミラー面17である。もう1つの面は、半導体レーザー1を実装する光源実装面16である。この光源実装面16を受光素子8に平行な面に対して所定の角度に傾斜させることで、半導体レーザー1の活性層をトラック方向に対して所定の角度に傾斜させることが可能になる。なお、この2つの面は基板15と一体に加工することができる。
図3は本実施の形態1における実施例2の光学ユニットの概略構成を示す斜視図である。図3に示すように、半導体レーザー1の活性層を回折格子7上におけるトラック方向に対して所定の角度(10°〜80°)に傾斜するための実施例である。
本実施例2の光学ユニットは、半導体レーザー1と、半導体レーザー1から出射した光束を反射するミラー面17と、受光素子8とが同一基板15上に実装している。このミラー面17は、入射面17aがトラック方向に対して所定の角度に傾斜している。これにより、半導体レーザー1の出射する光束を回折格子7へと折り返すと同時に、半導体レーザー1の活性層を回折格子7上におけるトラック方向に対して所定の角度に傾斜させることが可能になる。また、このミラー面17は基板15と一体に加工することができる。
図4は本実施の形態1における実施例3の光学ユニットの概略構成を示す斜視図である。図4に示すように、半導体レーザー1の活性層を回折格子7上におけるトラック方向に対して所定の角度(10°〜80°)に傾斜するための実施例である。
本実施例3の光学ユニットは、半導体レーザー1と、受光素子8を搭載した基板を同一ヒートシンク18上に実装している。このヒートシンク18は、受光素子8を搭載した基板を実装した面に対して側面の一部が、回折格子7上におけるトラック方向に対して所定の角度に傾斜している。その傾斜した側面の光源実装面16に半導体レーザー1を実装することにより、半導体レーザー1の活性層をトラック方向に対して所定の角度に傾斜させることが可能になる。
本実施の形態1における実施例4の光学ユニットとして、回折格子が入射光の偏光方向に依存して回折効率が変化する偏光回折格子としたものであり、半導体レーザーと偏光回折格子の間に1/2波長板を具備している。
半導体レーザーから出射した光束は、半導体レーザーの活性層に平行な方向に主軸を持つ直線偏光である。この活性層を回折格子上におけるトラック方向に対して所定の角度に傾けた場合、所定の角度分を1/2波長板によって偏光方向を戻すことにより1次回折光以上の高次回折光による回折効率を高効率に利用することが可能になる。
さらに、本実施の形態1における実施例5として、前述した実施例4の1/2波長板を偏光回折格子に対して一体的に積層する。これによりホログラムユニットを小型化することが可能になる。
図5は本発明の実施の形態2における実施例1の光ピックアップの概略構成を示す模式図である。図5に示す光ピックアップは、情報記録媒体5に集光したスポットを斜めに傾けて配置する実施例である。この光ピックアップは、実施の形態1の実施例1〜5において説明したいずれか1つの光学ユニットのホログラムユニット9と、ホログラムユニット9から出射した光束を、情報記録媒体5へ導くための立上ミラー11と、情報記録媒体5に向かう光束を、情報記録媒体5の記録面に集光するための対物レンズ4からなる。
図5に示す光ピックアップ基準面20は、情報記録媒体5の記録面及び対物レンズ4の主平面に対して略平行であり、この面にホログラムユニット9と立上ミラー11が備わっている。ホログラムユニット9の中の半導体レーザーの活性層は光ピックアップ基準面20に対して略平行(もしくは略垂直)に備わっている。立上ミラー11は、ホログラムユニット9から立上ミラー11へ向かう光束と立上ミラー11で反射し対物レンズ4へ向かう光束を含む入射面11aが、情報記録媒体5のトラック方向に対して所定の角度(10°〜80°)に傾斜するように設置されている。
これにより、楕円光束を情報記録媒体5のトラック方向に対して所定の角度に傾斜させることが可能になる。この光束を情報記録媒体5に対して集光させた場合、データ記録方向に対して所定の角度に傾斜した楕円スポットになる。この楕円スポットは、トラック方向とデータ記録方向の断面に対するスポット径が、楕円長軸のスポット径よりも短いので、隣のトラックからの情報信号の洩れ込み(クロストーク)が抑えられ、さらに、データ記録方向の分解能も確保でき、良好な再生信号が得られる。
また、ホログラムユニット9においては、図1に示すように半導体レーザー1の活性層は、回折格子7上におけるトラック方向に対して所定の角度(10°〜80°)に傾斜して設けられているため、回折格子7の分割線の方向は情報記録媒体5のトラック方向に対して平行または垂直に配置されることになる。
図6は本実施の形態2における実施例2における光ピックアップの概略構成を示す模式図である。図6に示す光ピックアップは、情報記録媒体5に集光したスポットを斜めに傾けて配置する実施例である。この光ピックアップは、実施の形態1の実施例1〜5において説明したいずれか1つのホログラムユニット9aと、ホログラムユニット9aから出射した光束を、情報記録媒体5へ導くための立上ミラー11と、情報記録媒体5に向かう光束を、情報記録媒体5の記録面に集光するための対物レンズ4からなる。
図6に示す立上ミラー11の入射面11aは、情報記録媒体5におけるトラック方向もしくはデータ記録方向に平行である。一方、ホログラムユニット9aの中の半導体レーザーの活性層は、立上ミラー11の入射面11aに対して所定の角度(10°〜80°)に傾斜している。これにより、楕円光束をトラック方向に対して所定の角度に傾斜させることが可能になる。この光束を情報記録媒体5に対して集光させた場合、データ記録方向に対して所定の角度に傾斜した楕円スポットになる。この楕円スポットは、トラック方向とデータ記録方向の断面に対するスポット径が、楕円長軸のスポット径よりも短いので、隣のトラックからの情報信号の洩れ込み(クロストーク)が抑えられ、さらに、データ記録方向の分解能も確保できる。
図7は本実施の形態2における実施例3における光ピックアップの概略構成を示す模式図である。図7に示す光ピックアップは、DVDやCDやBlu-ray(またはAOD:Advanced Optical Disc)など複数の規格の情報記録媒体に対応できる光ピックアップであり、特定の規格の半導体レーザーに対してスポットを斜め傾けて配置する実施例である。この光ピックアップは、実施の形態1の実施例1〜5において説明したいずれか1つのホログラムユニット9aと、ホログラムユニット9aから出射した光束を情報記録媒体5へ導くための立上ミラー11と、情報記録媒体5に向かう光束を情報記録媒体5の記録面に集光するための対物レンズ4と、ホログラムユニット9aと立上ミラー11の間に配置した波長依存性のある光束分離手段23と、ホログラムユニット9aの半導体レーザーとは波長の異なる複数の半導体レーザー21と、この半導体レーザー21から出射した光束が情報記録媒体5で反射して戻った光束を検出するための受光素子22を備えている。
なお、本実施の形態2における実施例3の説明では、ホログラムユニット9aの半導体レーザーの波長とは異なる半導体レーザー21を1つで説明しているが、これにより、複数の半導体レーザーが限定されるものではない。また、立上ミラー11の入射面は、情報記録媒体5におけるトラック方向もしくはデータ記録方向に平行である。このため、ホログラムユニット9の半導体レーザーの波長とは異なる複数の半導体レーザー21に対しては、従来の光ピックアップと同様に楕円長軸が、情報記録媒体5のトラック方向もしくはデータ記録方向に向いている。
一方、ホログラムユニット9aの中の半導体レーザーの活性層は、立上ミラー11の入射面11aに対して所定の角度(10°〜80°)に傾斜している。これにより、楕円光束をトラック方向に対して所定の角度に傾斜させることが可能である。この光束を情報記録媒体5に対して集光させた場合、データ記録方向に対して所定の角度に傾斜した楕円スポットになる。この楕円スポットは、トラック方向とデータ記録方向の断面に対するスポット径が、楕円長軸のスポット径よりも短いので、隣のトラックからの情報信号の洩れ込み(クロストーク)が抑えられ、さらに、データ記録方向の分解能も確保することができる。
図8は本発明の実施の形態3における光記録再生装置の概略構成を示すブロック図である。図8に示す光記録再生装置である光ディスクドライブにおいては、前述した実施の形態2の実施例1〜3において説明したいずれか1つの光ピックアップを用いる。
図8に示すように、光ピックアップ25の受光素子の出力を信号処理回路26で受けて、情報信号,サーボ信号を生成する。サーボ信号は、サーボコントローラ27,サーボドライバ28にフィードバックされて対物レンズのフォーカシング制御及びトラッキング制御が行われる。これにより、本実施の形態3の光ディスクドライブでは、トラック方向やデータ記録方向の密度が狭い情報記録媒体5に対して、安定した記録,再生動作を行うことが可能になる。
本発明に係る光学ユニット及び光ピックアップ並びに光記録再生装置によれば、半導体レーザーの活性層をトラック方向に対して所定の角度に傾斜して、情報記録媒体上のスポット径を小さくして、隣のトラックから信号の洩れ込みを抑えると共にデータ記録方向の分解能も確保でき、かつ回折格子の領域分割線の方向をトラック方向に平行または垂直にして、トラックエラー信号のオフセットをなくすことができ、トラック方向やデータ記録方向の密度が狭い情報記録媒体に対して、安定した情報の記録,再生動作を行うことができ、情報記録媒体に対してデータを記録または再生する情報処理、さらに光学系を小型化するための技術として有用である。
1,21 半導体レーザー
2 カップリングレンズ
3 検出分離手段
4 対物レンズ
5 情報記録媒体
6 検出レンズ
7 回折格子
8,22 受光素子
9,9a ホログラムユニット
11 立上ミラー
11a,17a 入射面
12 楕円スポット
13 トラック
13a 隣のトラック
15 基板
16 光源実装面
17 ミラー面
18 ヒートシンク
20 光ピックアップ基準面
23 光束分離手段
2 カップリングレンズ
3 検出分離手段
4 対物レンズ
5 情報記録媒体
6 検出レンズ
7 回折格子
8,22 受光素子
9,9a ホログラムユニット
11 立上ミラー
11a,17a 入射面
12 楕円スポット
13 トラック
13a 隣のトラック
15 基板
16 光源実装面
17 ミラー面
18 ヒートシンク
20 光ピックアップ基準面
23 光束分離手段
Claims (10)
- 情報記録媒体に向かう光束を出射する半導体レーザーと、前記情報記録媒体で反射した光束を複数の領域に分割する回折格子と、前記回折格子で回折した光束を検出するための受光素子とを一体に構成した光学ユニットにおいて、
前記半導体レーザーの活性層を前記回折格子上におけるトラック方向に対して所定の角度に傾斜して設け、前記回折格子の領域を分ける分割線の方向を前記回折格子上におけるトラック方向に対して平行または垂直に設けたことを特徴とする光学ユニット。 - 前記半導体レーザーと、前記半導体レーザーから出射した光束を回折格子の方向へ反射するミラー面と、前記受光素子とを同一基板上に実装した光学ユニットにおいて、
前記基板上の前記半導体レーザーの実装面を、前記受光素子の実装面に対して所定の角度に傾斜して設けたことを特徴とする請求項1記載の光学ユニット。 - 前記半導体レーザーと、前記半導体レーザーから出射した光束を回折格子の方向へ反射するミラー面と、前記受光素子とを同一基板上に実装した光学ユニットにおいて、
前記ミラー面を、前記半導体レーザーから前記ミラー面に向かう光束の入射面が前記回折格子上におけるトラック方向に対して所定の角度に傾斜するように配置したことを特徴とする請求項1記載の光学ユニット。 - 前記半導体レーザーと、前記受光素子を搭載した基板とを同一ヒートシンク上に実装した光学ユニットにおいて、
前記半導体レーザーを実装する前記ヒートシンクの実装面を、回折格子上におけるトラック方向に対して所定の角度に傾斜した前記ヒートシンクの側面としたことを特徴とする請求項1記載の光学ユニット。 - 前記回折格子が、入射光の偏光方向に依存して1次より高次の回折光による回折効率が変化する偏光回折格子であって、
半導体レーザーと前記偏光回折格子の間に1/2波長板を設けたことを特徴とする請求項1記載の光学ユニット。 - 前記1/2波長板を、偏光回折格子に一体的に積層していることを特徴とする請求項5記載の光学ユニット。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学ユニットと、前記半導体レーザーから出射した光束を前記情報記録媒体へ導くための立上ミラーと、前記情報記録媒体に向かう光束を前記情報記録媒体の記録面に集光するための対物レンズとを備え、
前記立上ミラーを、前記光学ユニットから前記立上ミラーに向かう光束と前記立上ミラーで反射し前記対物レンズへ向かう光束を含む入射面が前記情報記録媒体のトラック方向に対して所定の角度に傾斜するように配置したことを特徴とする光ピックアップ。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学ユニットと、前記光学ユニットの半導体レーザーから出射した光束を情報記録媒体へ導くための立上ミラーと、前記情報記録媒体に向かう光束を前記情報記録媒体の記録面に集光するための対物レンズとを備えたことを特徴とする光ピックアップ。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の第1の光学ユニットと、前記第1の光学ユニットの半導体レーザーから出射した光束を情報記録媒体へ導くための立上ミラーと、前記第1の光学ユニットと前記立上ミラーの間に配置した波長依存性のある光束分離手段と、前記半導体レーザーの波長とは異なる複数の半導体レーザー及び当該半導体レーザーから出射して前記情報記録媒体において反射した光束を検出する受光素子を有する第2の光学ユニットとを備えたことを特徴とする光ピックアップ。
- 請求項7〜9のいずれか1項に記載の光ピックアップを用いることを特徴とする光記録再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005048597A JP2006252588A (ja) | 2005-02-14 | 2005-02-24 | 光学ユニット及び光ピックアップ並びに光記録再生装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005035974 | 2005-02-14 | ||
JP2005048597A JP2006252588A (ja) | 2005-02-14 | 2005-02-24 | 光学ユニット及び光ピックアップ並びに光記録再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006252588A true JP2006252588A (ja) | 2006-09-21 |
Family
ID=37092926
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005048597A Pending JP2006252588A (ja) | 2005-02-14 | 2005-02-24 | 光学ユニット及び光ピックアップ並びに光記録再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006252588A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010231873A (ja) * | 2009-03-04 | 2010-10-14 | Victor Co Of Japan Ltd | 光デバイス |
-
2005
- 2005-02-24 JP JP2005048597A patent/JP2006252588A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010231873A (ja) * | 2009-03-04 | 2010-10-14 | Victor Co Of Japan Ltd | 光デバイス |
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