JP2006250688A - 応力測定方法及び応力解析プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 材料の配向性や弾性異方性がある場合においても、測定に用いるX線の波長と回折面を限定することなく、応力を精度良く導き出すことができるようにする。
【解決手段】 本発明の応力測定方法によれば、予め試料について異なる方向のひずみを算出しておき、応力とひずみとの関係式から応力を算出する(ステップS1〜S5)。このため、試料の配向性や弾性異方性の有無に拘わらず応力を求めることができる。特に、測定すべき応力成分の数よりも多い異なる方向のひずみを含んで算出して連立させ、さらに重回帰分析を用いて誤差の小さい応力の最適値を算出するため(ステップS4〜S6)、その測定精度を向上させることができる。
【選択図】 図16

Description

本発明は、測定対象となる試料の内部応力を測定するための応力測定方法及び応力解析プログラムに関する。
金属の切削・研削加工層やセラミック被覆面には、加工時や成膜時にかかる熱応力により残留応力が発生する。この残留応力は機械的な強度低下や信頼性の劣化をもたらすことが知られているため、この金属やセラミックの残留応力を測定することは非常に重要である。このため、機械材料の分野では残留応力の測定が広く実施されている。
一方、近年のSiデバイスの進展に伴い、Si−LSIに内在する残留応力を測定する必要も多くなっている。すなわち、LSIに用いられているミクロンオーダの配線は、CuやAlなどの熱膨張係数の大きい金属で構成されている。一方、配線周囲の絶縁体は、SiO2など熱膨張係数の小さい材料が使われている。一般にこれらの絶縁膜は400℃近傍の高温で成膜され、あるいは熱履歴を経てLSIに組み込まれる。そのため、プロセス中に生じた熱応力によって残留応力が発生する。これがストレスマイグレ−ションといった信頼性の劣化の一因であることがよく知られている。
上記残留応力は、周囲の絶縁体との組み合わせによって発生し、なおかつ試料の形状や寸法、あるいは作製温度等の作製条件に依存する。そのため、試料を非破壊のままで応力を計測することが必須となる。
ところで、応力を非破壊で測定する方法は、X線回折法、ひずみ計による測定、ラマン分光法などがある。これらのうち、ひずみ計による方法では、ひずみが発生する前後の状態を測定する必要がある。このため、作製された時点において既に残留応力が発生している測定対象については、その残留応力の測定に難点がある。ラマン分光法は、測定対象に単色光を当てた際の散乱光の波長の変化を利用して応力を求めるものであるが、材質によってはその波長の変化の検出が困難な場合があり、適応可能な測定材料に制限がある。また、残留応力の演算が比較的複雑になるといった問題がある。これらの理由から、残留応力の測定において、適用範囲の広さや簡便性からX線回折法が最も一般的に用いられている。また、応力測定用の専用X線装置も市販され、機械・金属等の分野で広く用いられている。
このX線回折法は、古くから発展・開発されてSin2ψ法とも呼ばれる。これは、測定対象となる試料の結晶面に対するX線の入射波と、この結晶面で回折された回折波とのなす角(回折角)を正確に測定し、それによって結晶の格子面間隔を精密に測定できる方法として古くから知られている(例えば非特許文献1参照)。
以下、このX線回折法について簡単に説明する。図1〜図3は、X線回折法の概要を表す説明図である。
多結晶体材料の各結晶粒は、原子が規則正しく配列した結晶格子で構成されているため、その結晶粒に残留応力等の内部応力が発生すると、結晶格子面の間隔が均一に広がったり縮んだり変化する。X線回折法は、この格子面間隔の変化を測定して応力を求めるものである。
図1は、ある試料表面層について、紙面に直交する特有の格子面を持つ結晶粒を示したものであり、図中の一点鎖線は試料面法線を表している。
X線回折法では、試料面法線と格子面法線とがなす角度をψ角というが、図示のように、例えば特定の結晶粒の格子面法線と試料面法線とが一致する場合(ψ=0°)、試料面に対して特定の波長のX線が照射されたときの入射X線と回折X線とがなす回折角2θを読みとることで、試料面に平行な格子面を有する結晶粒の格子面間隔d1を求めることができる。これは、いわゆるθ/2θスキャンで用いられる対称配置であり、回折を起こす格子面(つまり回折面)が試料面に平行になっている。すなわち、このような回折を起こすのは、多結晶試料の中にある微結晶のうち、格子面が試料面に平行な微結晶のみである。
一方、図2に示すように、入射X線と回折X線を共に試料面法線を基準にψ(≠0°)だけ傾けた場合、回折面は試料表面からψだけ傾く。なお、同図においては、格子面法線を二点鎖線にて示している。そのため、この配置では入射X線が試料面に対してψだけ傾いた格子面を有する微結晶で回折し、試料面に対してψ傾いた格子面を有する結晶粒の格子面間隔d2が測定される。図2に示すように、材料に横方向(面内方向)の引っ張り応力が働いているとき、格子面間隔d2は、ψ角が大きいほど大きくなる。また、このような格子面間隔d2のψに対する変化は、応力が大きいほど顕著になる。
そして、ψ角の異なる複数の測定を行い、図3に示すように、横軸をSin2ψ、縦軸を回折角2θのグラフにプロットする。材料力学の理論においては、材料に応力が作用しているときにこのプロット点は直線状に並ぶことが知られていて、プロット点を結ぶ直線の傾きMと応力σとの間には以下の関係式が成り立つ。
Figure 2006250688
ここで、Eは材料のヤング率、νはポアソン比、θ0は標準ブラッグ角(deg)であり、材料に固有の値を有するため既知である。このように、線図のプロット点が直線にのるため、その直線の傾きMを求めることにより、応力を算出することができる。ちなみに、無応力状態においては傾きMがゼロとなるため、応力σの値もゼロになる。このように、X線回折を用いた応力測定方法は、横軸をSin2ψでプロットして応力を算出することから、別名Sin2ψ法と呼ばれ、非破壊で応力を測定できる有力な手法として広く利用されている。また、このプロットされた線図のことを「Sin2ψ線図」と呼ぶ。なお、この線図において2θの代わりに格子面間隔dをプロットする場合や、ひずみε(=(d−d0)/d0;d0は標準格子面間隔)をプロットする場合もある。後者の線図は「ε−Sin2ψ線図」とも呼ばれる。いずれも測定結果を変換しただけであり、本質的な違いはない。
ところで、上述した従来のSin2ψ法においては、図3における測定点を増やすために、原則的に任意の複数のψ角で回折を起こす必要がある。すなわち、測定する試料は、理想的には任意の方位を向いた無数の微結晶を含む多結晶体である必要がある。一般に、この手法が用いられる機械・金属部品の分野においては、測定すべき対象はcmオーダの大きさの領域の応力測定であって、材料を構成する金属・セラミックなどは、グレインサイズが数10μm前後の多結晶体である場合が多い。このため、通常この領域の中には比較的多数の微結晶が存在し、mmオーダの幅を有するX線ビ−ムを用いることで十分な測定ができる場合がほとんどである。つまり、無数の微結晶を含む多結晶体と見なすことができ、Sin2ψ法を有効に用いることができる。
しかし、Si−LSIデバイスに用いられる金属の応力を扱うような場合には、この事情は大きく異なってくる。この場合、測定対象となるのは金属配線や金属ビアなどであるが、これらのサイズはμmオーダであり、現在最も細い配線幅やビア径は0.1μm程度である。このような金属のグレインサイズはサブμmオーダであり、またこれらの金属は通常強い配向をもっていることが知られている(例えば非特許文献2参照)。
例えば、LSI配線に用いられるAl薄膜は(111)配向が主であり、この配向面がそろっているほどエレクトロマイグレ−ションなどの信頼性に対する劣化も少ないことが知られている。また、配線やビアのサイズが小さいために、これらの中に含まれる金属粒の数は、一般の応力測定に要求される数に比して著しく少ない。そのため、これらの測定対象に対して図1及び図2にあるようなX線回折法を適用する場合、金属の配向に対応したごく限られた回折しか得ることができない。そのため、図3に示したSin2ψ線図ではプロット点が2、3点しか取得できず、十分な精度で応力測定をすることが期待できない。
例えば、Alで作製されたLSI配線の残留応力をX線回折法を用いて測定した結果が報告されている(例えば非特許文献3,4参照)。
この場合、Al金属は、主たる結晶が(111)配向をなすFCC(面心立方格子)構造をとり、そのX線回折の強度はAl(111)回折が最も強い。このため、通常、その応力測定にはAl(111)回折が用いられるが、このAl(111)配向結晶においてAl(111)回折が起こるのはψ=0°(Al(111)面)と、ψ=70.5°(Al(−111),Al(1−11),Al(11−1)のいずれか)の2つしかない。そのため、ここでは、Sin2ψ線図のψ=0°と70.5°の2点のみを測定し、この2点を結ぶ直線の傾きから応力を求めている。
しかし、この場合には得られた2点のみの傾きだけで応力を決定するため、測定誤差がそのまま応力誤差になる。そのため、通常のSin2ψ法のように測定点を増やして測定精度を上げることができず、また、測定点のばらつきから測定誤差を見積もることもできない。
また、このような測定精度の問題の他に、材料のもつ弾性異方性の問題が提起されている(例えば非特許文献5,6参照)。
例えば、弾性定数に異方性があるような材料の場合には、Sin2ψ線図は直線状にならないことが知られている。これは、そもそもSin2ψ線図の直線関係とは、弾性定数が面方位に関わらず一定であることを前提として成り立っていることに起因している。
このような弾性異方性を示すか否かは材料の性質で決まり、例えば前述のAlの場合には、弾性定数にほとんど異方性がないことが知られている。そのため、Sin2ψ線図は理論的にも直線状になるため、上記のように2つの測定点で直線を引いて応力を算出しても、原理的にはほぼ問題ない。
しかし、例えば現在高速LSIに用いられている金属Cuの弾性定数には、著しい異方性があることが知られている。すなわち、Cu(100)面の弾性定数は64GPaであるが、Cu(111)面では弾性定数が204GPaと3倍以上にもなる。そのため、このような材料の場合には、上記のような2点の測定で応力を算出することはおろか、多くの測定点を用いたSin2ψ線図による方法ですら必ずしも正確に応力を求めることができない。
このような問題、すなわち、測定対象となる材料が特定の配向を示して応力測定に適用できる回折が少ない、あるいは材料の弾性定数に異方性があるといった特徴を示す材料に対し、これまでに様々な工夫をして応力測定を行った例がある。
例えば、(111)配向をもつ多結晶薄膜がシリコン基板上に成膜された場合を想定し、弾性異方性を考慮したひずみと応力の関係式を巧みに導いたものがある。ひずみはX線回折によって求まるので、この関係式から応力を求めることができる(例えば非特許文献7参照)。
また、(100)配向や(110)配向をもつ多結晶薄膜について同じような関係式の導出が行われている(例えば非特許文献8参照)。
改著 X線回折法 日本材料学会編 (養賢堂発行) S. Vaidya and A.K.Sinha, Thin Solid Films 75(1981) P.253. A. Tezaki, T. Mineta and H. Egawa, International Reliability of Physics Symposium 1990, Proceedings P.221. P. R. Besser, S. Brennan and J. C. Bravman, J. Mater. Res., 9(1994) P.13. 本田和男、細川智生、有間淳一、常永寿伸、材料、18(1969) P.1053. 英崇夫、藤原春夫、材料、33(1984) P.372. 田中、石原、井上、材料、45(1996) P.945. K. Tanaka, Y. Akiniwa, T. Ito and K. Inoue, JSME International Journal A42(1999) P.224.
しかしながら、このような手法は、材料を特定し、その配向に基づいて弾性異方性を考慮したパラメータを組み込んで便宜的にSin2ψ法を用いるようにしたものであるため、想定された配向以外の任意の配向をもった膜に対して対応するためには、各配向について一つ一つ応力−ひずみ関係式を導出しなければならない。また、上記各非特許文献では、実験室で用いられるようなX線波長、すなわち最も一般的なCuタ−ゲットによる波長である1.54Åを仮定した回折を用いている場合がほとんどである。そのため、他のタ−ゲットを用いることにより波長が変わるような場合、あるいは波長を連続的に変更することが可能な放射光を用いた場合には、ひずみを測定する回折面が変わってくる。その場合、改めて測定に都合の良い応力−ひずみ関係式を導出しなければならず、非常に煩雑になるといった問題がある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、従来のSin2ψ法をそのまま使うことが難しい状況、すなわち材料の配向性や弾性異方性がある場合においても、測定に用いるX線の波長と回折面を限定することなく、応力を精度良く導き出すことができる一般化された応力測定方法及び応力解析プログラムを提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、図16に示すように、測定対象となる試料の内部応力を測定するための応力測定方法が提供される。
この応力測定方法では、ひずみ算出工程において、試料の配向に基づいて測定対象となる回折面を設定し(ステップS1)、その回折面に所定の入射角で電磁波又は粒子線を照射してその回折角を検出する(ステップS2)。そして、測定すべき応力成分の数よりも多い異なる方向のひずみを含んで算出する(ステップS3,S4)。
そして、応力算出工程において、ひずみ算出工程にて算出した数だけ応力とひずみとの関係式を連立し(ステップS5)、その応力の最適値を重回帰分析を用いて算出する(ステップS6)。
このような応力測定方法によれば、応力の測定対象となる試料について、測定すべき応力成分の数よりも多い異なる方向のひずみが算出され、このとき算出された数だけ応力とひずみとの関係式が連立される。その際、応力の最適値が重回帰分析を用いて算出される。
また、本発明では、測定対象となる試料の内部応力を解析するための応力解析プログラムにおいて、コンピュータを、前記試料の配向に基づいて測定対象となる回折面を設定し、前記回折面に所定の入射角で電磁波又は粒子線を照射してその回折角を検出することにより、測定すべき応力成分の数よりも多い異なる方向のひずみを含んで算出するひずみ算出手段、前記ひずみ算出手段が算出した数だけ応力とひずみとの関係式を連立し、前記応力の最適値を重回帰分析を用いて算出する応力算出手段、として機能させることを特徴とする応力解析プログラムが提供される。
このようなプログラムをコンピュ−タで実行することにより、応力の測定対象となる試料について、測定すべき応力成分の数よりも多い異なる方向のひずみが算出され、このとき算出された数だけ応力とひずみとの関係式が連立される。その際、応力の最適値が重回帰分析を用いて算出される。
本発明の応力測定方法及び応力解析プログラムによれば、予め試料について異なる方向のひずみを算出しておき、応力とひずみとの関係式から応力を算出するため、試料の配向性や弾性異方性の有無に拘わらず応力を求めることができる。特に、測定すべき応力成分よりも多い数だけ、異なる方向のひずみを算出して連立させ、さらに重回帰分析を用いて誤差の小さい応力の最適値を算出するため、その測定精度を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
まず、実施の形態にかかる応力測定方法の原理について説明する。
本実施の形態の応力測定方法は、上述したSin2ψ線図上で測定値が直線上に並ばなくても、測定すべき応力の数よりも多くの異なる方向のひずみを含んで算出することで、最適な応力の算出を行うものである。なお、ここでは、この応力測定方法を後述する実施例に合わせて試料が立方晶単結晶の場合に適用した例について述べるが、他の晶系の材料についても同様に適用可能である。
まず、上述した非特許文献5,6を参考にして、立方晶単結晶の場合の応力とひずみの関係式について述べる。図4は、本実施の形態で用いる座標系を表す説明図である。図5は、各座標系間の関係を表す説明図である。さらに、図6は、実際の応力測定に適用する座標系を表す説明図である。
図4に示すように、ここでは結晶座標系を(X1,X2,X3)で表し、それぞれ単結晶格子の[100],[010],[001]方向に沿う単位ベクトルとする。また、試料に設定した試料座標系を(P1,P2,P3)、実験室座標系を(L1,L2,L3)で表している。すなわち、L3方向に垂直な面が回折面となる。このとき、測定対象となる試料の被測定面(試料面)は、P1−P2面となる。図5において、各座標系間の矢印に表記したγ、π、ωは、各座標系間の方向余弦マトリックスである。そして、図6に示すように、X線回折により試料面の垂直方向からψ角だけ傾き、面内座標軸であるP1軸からφ角だけP2軸方向に向いたL3方向のひずみεφψ成分を測定する。このとき、εφψが下記式(2)のようになることが非特許文献5に示されている。
Figure 2006250688
ここで、σ11,σ22,σ33は、試料座標系(Pi)の各方向の垂直応力成分であり、σ12,σ23,σ31は、各方向のせん断応力成分である。また、S0とは下記式(3)で示されるものである。
Figure 2006250688
ここで、S11,S12,S44は、測定材料の弾性コンプライアンス定数である。
このとき、材料の配向性は[π31,π32,π33]軸配向となる。そこで、L3軸を法線とする回折面(hkl)を用いてひずみεφψを求めるとすると、下記式(4)〜(6)の関係が得られる。
Figure 2006250688
Figure 2006250688
Figure 2006250688
ここで、上記式(2)について着目し、これを簡潔にまとめると応力の一次結合式である下記式(7)が得られる。
Figure 2006250688
ここで、ai(i=1〜6)は、それぞれの応力成分の係数であり、ひずみを測定する方向(回折面の方向)によってその値が決定される。
この式からわかるように、6つの応力成分を算出するには、最低限独立した6つのひずみを測定することが必要となる。しかし、この方法では各回折の誤差が直接測定結果に反映されてしまうため、測定精度や信頼度に問題がある。
そこで、本実施の形態では、7つ以上の回折を用いて測定結果の精度を上げる。今、n個(n≧7)の独立した回折を用いてひずみεi(i=1〜n)を測定した場合、上記式(7)を連立して下記式(8)に示すn個の方程式ができる。なお、このひずみεiは、X線回折により検出した回折角をブラッグの回折条件式にあてはめて得られた格子面間隔diと、試料固有の標準格子面間隔d0からεi=(di−d0)/d0として求められる。
Figure 2006250688
ここで、aijは、ひずみεiの測定に用いた回折面や測定角度に応じて上記式(2)から算出されるi番目の応力成分の係数である。
そこで、できる限り上記式(8)を満たすような最適な応力σij *の組み合わせを決めればよい。これは重回帰分析と呼ばれる一般的な数学的手法を用いて得ることができる。これにより、応力σij *から決まるひずみεi *と実測したひずみεiとの間の2乗誤差が最小となるように最適応力が決定される。
すなわち、n個の測定で得られるひずみの結果には誤差を含んでおり、全ての結果が上記式(8)を完全に満足するとは限らない。このばらつきがもたらす誤差範囲は、下記式(9)により表される。
Figure 2006250688
ここで、σij0 *は、得られた応力値σij *(i=1〜3)の標準誤差を示している。またt(n−3;α/2)は、自由度がn−3、信頼限界が(1−α)×100%のt分布関数である。一般的な信頼限界として正規分布の±1σに相当する68.3%が採用される場合が多い。
このように、予め試料について測定すべき応力成分の数よりも多い異なる方向のひずみεiを算出しておき、応力とひずみとの関係式から応力を算出し、さらに重回帰分析を用いて誤差の小さい最適な応力σij *を算出するため、その応力の測定精度が向上する。
次に、上記式(2)を用いて、従来のSin2ψ線図を用いることができる場合と、用いることができない場合の例を示し、後者の場合において本実施の形態が有効に適用できることを明示する。
[平面応力状態の場合]
まず、平面応力状態の場合を考える。Si基板に成膜されたアモルファスSiO2上に薄膜を高温で成膜した場合、室温では薄膜に残留応力が発生する。このような場合、平面応力状態(σ332331=0)が成り立つ。また、このような薄膜は、しばしば特定の配向軸を持つ無数のグレインからなり、この配向軸を中心とした面内方向の結晶軸は、完全にランダムとなる。そのため、σ1122、σ12=0が成り立つ。したがって、独立な応力成分としてはσ11とσ22だけが残り、上記式(2)は、下記式(10)のように簡単化される。
Figure 2006250688
図7〜図12は、アモルファスSiO2上の薄膜について、応力値で規格化したひずみε/σ11をさまざまな回折を用いて計算し、Sin2ψに対してプロットしたものである。
図7〜図9は、Alの薄膜についての演算結果である。図7はAl膜が(111)配向している場合を表し、図8はAl膜が(200)配向している場合を表し、図9はAl膜が(220)配向している場合を表している。ここで、Alの弾性コンプライアンス定数は、S11=16.0(1/TPa)、S12=−5.8(1/TPa)、S44=35.3(1/TPa)とした。なお、各図においては、各配向に対して異なる指数面(配向面)のひずみの算出結果についても示されている。
同図により、弾性的な性質がほぼ等方的に扱えるAlの場合には、Sin2ψ線図がどの配向でも直線状を保っており、従来のSin2ψ法が使えることが分かる。
図10〜図12は、Cuの薄膜についての演算結果である。図10はCu膜が(111)配向している場合を表し、図11はCu膜が(200)配向している場合を表し、図12はCu膜が(220)配向している場合を表している。ここで、Cuの弾性コンプライアンス定数は、S11=15.0(1/TPa)、S12=−6.3(1/TPa)、S44=13.3(1/TPa)とした。なお、各図においては、各配向に対して異なる指数面(配向面)のひずみの算出結果についても示されている。
同図により、Cu膜が(111)配向している場合には、Sin2ψ線図におけるひずみのプロット点は直線上に並び、配向と回折面を考慮したψ角を用いれば、通常のSin2ψ法が使えることが分かる。これは、(111)配向の平面応力状態ならば、任意のP1軸とP2軸に対して上記式(10)が、下記式(11)のようになるためである。
Figure 2006250688
しかしながら、このような状況が成り立つのは、原理的に(111)か(200)配向に限られる。例えば図12に示すように、(220)配向など、その他の配向面では測定点は直線状にはならず、Sin2ψ法は使うことができない。
しかし、本実施の形態にて示した上記式(8)を用いて考えると、測定で得られるひずみ値εiと未知数であるσ11(=σ22)との連立方程式が立てられるので、σ11の値を求めることができる。すなわち、本実施の形態によれば、従来のSin2ψ線図にこだわることなく、一般的な応力−ひずみ関係式から最適な応力値を算出することができる。
[3次元応力状態の場合]
次に、3次元応力状態の場合を考える。図13は、絶縁膜に囲まれて3次元応力状態にあるLSI用の配線を表す説明図である。ここで、試料座標系については、配線長手方向をP1、配線幅方向をP2とした。なお、ここでは、配線内部での応力分布を無視し、均一の応力がかかっているものとする。さらに、配線の形状を考慮すると、主応力軸は試料座標系(Pi)と一致し、せん断応力成分についてはσij=0(i≠j)とみなしてもよい。したがって、独立な応力は、σii(i=1〜3)の3つのみとなる。
この仮定から、上記式(2)を3次元応力状態にある配線に適用する場合には、下記式(12)のような簡潔な形になる。
Figure 2006250688
すなわち、この式の右辺第1項を除く他の項は、試料座標系に対するX線測定方向(φ、ψ)によって記述され、異方性の効果は第1項のみに表れる。
図14及び図15は、3次元応力状態にあるLSI用の配線について応力値を仮定して、配線長手方向のひずみε11をさまざまな回折を用いて計算し、Sin2ψに対してプロットしたものである。
図14は、Alの配線についての演算結果である。ここで仮定した応力値は、σ11=200MPa、σ22=100MPa、σ33=150MPaである。
同図により、Alの場合には、配線であっても予測されるひずみの点はほぼ同一直線上に並ぶことが分かる。
図15は、Cuの配線についての演算結果である。ここで仮定した応力値も、σ11=200MPa、σ22=100MPa、σ33=150MPaである。
同図により、平面応力状態にある薄膜とは異なり、Cu配線のように3軸方向の応力がかかる場合には、たとえ(111)配向していても、ひずみの予測点はε−Sin2ψ線図において直線上に並ばず、Sin2ψ法は使えないことが分かる。
しかし、本実施の形態にて示した上記式(8)を用いれば、従来のSin2ψ線図にこだわることなく、一般的な応力−ひずみの関係式から最適な応力値を算出することができる。
次に、本実施の形態の応力測定処理の流れについて説明する。図16は、応力測定処理の流れを表すフローチャートである。以下、図16に示す処理を、ステップ番号に沿って説明する。
[ステップS1]測定対象となる試料の配向及び結晶構造に基づき、測定する回折面を設定する。例えば、測定対象の試料が立方晶の場合には、試料の配向が(111)配向であるときに回折面(100)を設定し、そのときのψ角を54.5°に設定する。あるいは、配向が(210)配向のときに回折面(210)を設定し、そのときのψ角を0°,36.9°,53.1°に設定したりする。このとき、測定すべき応力成分の数よりも多くの異なる方向のひずみが得られるように、複数の回折が検出できるようにする。
[ステップS2]図1及び図2で示したように、図示しないX線源(照射源)から試料の各回折面に対して所定の入射角で入射X線を照射し、その回折X線を取り込むことにより回折角を検出する。
[ステップS3]回折角からブラッグの回折条件式にあてはめて得られた格子面間隔diと、試料固有の標準格子面間隔d0から、各回折についてひずみεi(=(di−d0)/d0を算出する。
[ステップS4]測定すべき応力成分の数よりも多くの異なる方向のひずみεiが算出されたか否かを判断する。このとき、算出されたひずみεiの数が測定すべき応力成分の数以下である場合にはステップS2に戻り、測定すべき応力成分の数よりも多い場合には、ステップS5へ移行する。なお、このひずみεiの測定数は、測定すべき応力成分の数より多ければよく、どのくらい多く算出するかについては適宜設定する。
[ステップS5]上記式(8)により、ステップS3にて得られたひずみεiと、算出すべき応力σijとの関係式を連立させる。
[ステップS6]重回帰分析を用いて上記式(8)を満たすような最適な応力σij *を算出する。この応力σij *が試料について求めるべき応力となる。
以上に説明したように、本実施の形態の応力測定方法によれば、Sin2ψ線図上で測定値が直線上に並ばなくても、試料について測定すべき応力の数よりも多いひずみ測定を行うことで、上記式(2)を連立させて最適な応力を算出することが可能となる。また、特定の回折を選ばないため、さまざまな波長に対して得られる、いろいろな回折に対応することができる。
なお、以上においては格子面間隔の測定方法として最も典型的なX線回折法について説明したが、同じような測定は電子線回折や中性子線回折によっても得られる。そのため、これらの手法を用いた場合でも同様の測定が可能である。また、本実施の形態で用いた重回帰分析は市販のソフトを用いて実施することも可能である。
また、本実施の形態では、試料の内部応力として残留応力を測定する例について説明したが、上記応力測定法は、例えば高温環境下での熱応力など、その他の内部応力の測定にも適用可能であることはもちろんである。また、測定対象としての試料の材質もAlやCuに限らず、Feその他の材質であっても適用できる。Feは、その弾性異方性がAlとCuの中間であるため、Sin2ψ法による応力の測定は困難だが、本実施の形態の応力測定法によれば容易かつ精度良く応力を測定することができる。
以下、本実施の形態を具体化した実施例について説明する。
ここでは、図13に模式的に示したCu配線試料について残留応力の測定を行った。図17は、この実施例で採用した測定装置の構成の概略を示す説明図である。
図17に示すように、この測定装置は、入射X線を発生する放射光リング1、回折X線を検出する検出器2、検出器2を回転走査させてX線を分光するゴニオメータ3、ゴニオメータ3を駆動制御するゴニオメータコントローラ4、及び検出器2の出力をA/D変換して出力する計数装置5を備えており、コンピュータ6により演算制御される。
本実施例では、放射光リング1に高エネルギー加速器研究機構:富士通ビームライン(17A)を用い、検出器2にシンチレーション計数管を用いた。また、ゴニオメータ3には、フーバー社製ゴニオメータを用いた。ゴニオメータ3は、検出器2を試料表面の測定位置を中心に回転走査させるほか、X線入射角を変化させる機構を有する。このゴニオメータ3は、コンピュータ6からの指令によりゴニオメータコントローラ4を介して駆動制御され、コンピュータ6には、検出器2が検出した回折X線の情報が入力される。コンピュータ6は、この入力に基づいて、図16のフローチャートで示した応力測定処理を実行する。
なお、ここでは、この測定装置で用いられるX線の測定波長λを1Åに設定し、そのX線ビームサイズを直径1mmに設定した。また、測定時間は、1測定(回折)当たり約1000sec.とした。
また、ここで用いた試料は、図13に示す幅Wが0.27μm、長さLが約2mmのCu配線が、互いに平行に多数並んでいるものである。このCu配線は、ダマシン法を用いて作成されている。Cu配線間の絶縁膜はSiO2で、成膜温度は400℃である。測定はCu配線に直交する方向(P3OP2面:図6参照)で種々の回折を用いて測定した。このCu配線が主に(111)配向であることは予め確認されている。そのため、この測定においては、(111)配向を想定した回折を用いた。すなわち、(111)配向であるため、例えば(100)回折でひずみを測定するにはψ角を54.5°にし、(111)回折でひずみを測定するにはψ角を0°,70.5°とするなどの制御を行った。
また、Si基板上に室温にて成膜したCu薄膜の測定結果から無ひずみ状態のd0値を定め、これを基に配線のひずみεを算出した。
図18は、Cu配線試料の残留応力の測定結果を表す説明図であり、配線長手方向のひずみεを測定してSin2ψに対してプロットしたものである。
同図によれば、応力の組み合わせにより、測定点は全体として右下がりの傾向があるが、上述のように(111)配向を想定した回折を用いても、その測定点は直線状には並ばない。以上のことから、Cu配線に対してはSin2ψ法は使えないこと、そしてCuの機械的異方性と配向性を考慮してひずみと応力との関係を解析しなければならないということが、実験的にも明らかになった。
なお、この結果は、放射光という極めて強いX線源と、実験室系よりもはるかに精度の高い測定系を用いた場合の測定結果である。そのため、図示のように合計10種類にもおよぶ回折を得ることができているが、通常の実験室系ではこれほど多くの回折を得ることはできない。
そこで、上記実施の形態で述べた手法を用いてひずみの計算を行った。試料は配線であるため、上記式(12)を用いて計算し、3つの垂直応力を未知数とした。このとき、重回帰分析によって算出した最適な応力の値は、σ11=438MPa、σ22=265MPa、σ33=397MPaであった。この値が妥当であるかどうかを確認するため、これらの値を上記式(12)に代入し、ひずみεを逆算した。
図19は、このひずみεを逆算した結果を表す説明図である。
同図により、誤差はあるものの、図18と比較して各回折点が測定結果とほぼ同じひずみを示していることがわかる。したがって、上記実施の形態によって求められた応力値は適切なものであるといえる。特に、同図のように、回折面に異なる指数面(同図では10種類)を有するものが含まれていても精度の良い結果が得られることから、同一の指数面によれば連立式が不足するような場合でも十分に対応することができる。
なお、上述した応力測定処理はコンピュ−タ6によって実現されるが、その場合、各処理内容を記述した応力解析プログラムが提供される。その応力解析プログラムをコンピュータ6で実行することにより、上記処理機能がコンピュ−タ6上で実現される。処理内容を記述した応力解析プログラムは、コンピュ−タ6で読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュ−タ6で読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハ−ドディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テ−プなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto−Optical disk)などがある。
(付記1) 測定対象となる試料の内部応力を測定するための応力測定方法において、
前記試料の配向に基づいて測定対象となる回折面を設定し、前記回折面に所定の入射角で電磁波又は粒子線を照射してその回折角を検出することにより、測定すべき応力成分の数よりも多い異なる方向のひずみを含んで算出するひずみ算出工程と、
前記ひずみ算出工程にて算出した数だけ応力とひずみとの関係式を連立し、前記応力の最適値を重回帰分析を用いて算出する応力算出工程と、
を備えたことを特徴とする応力測定方法。
(付記2) 前記ひずみ算出工程において、X線回折、電子線回折、及び中性子線回折のいずれかの測定方法を用いて前記ひずみを測定することを特徴とする付記1記載の応力測定方法。
(付記3) 前記ひずみ算出工程において、前記測定対象となる回折面と前記測定方法を、前記試料の配向と結晶構造に基づいて選択することを特徴とする付記2記載の応力測定方法。
(付記4) 前記ひずみ算出工程において、前記回折面を、同一の指数面として設定することを特徴とする付記3記載の応力測定方法。
(付記5) 前記ひずみ算出工程において、前記回折面に異なる指数面を有するものを含めることを特徴とする付記3記載の応力測定方法。
(付記6) 前記ひずみ算出工程において、前記回折面を、(111)面又は(100)面に設定したことを特徴とする付記1記載の応力測定方法。
(付記7) 前記試料がCu又はFeであるときに適用されることを特徴とする付記1記載の応力測定方法。
(付記8) 測定対象となる試料の内部応力を解析するための応力解析プログラムにおいて、
コンピュータを、
前記試料の配向に基づいて測定対象となる回折面を設定し、前記回折面に所定の入射角で電磁波又は粒子線を照射してその回折角を検出することにより、測定すべき応力成分の数よりも多い異なる方向のひずみを含んで算出するひずみ算出手段、
前記ひずみ算出手段が算出した数だけ応力とひずみとの関係式を連立し、前記応力の最適値を重回帰分析を用いて算出する応力算出手段、
として機能させることを特徴とする応力解析プログラム。
(付記9) 前記ひずみ算出手段が、X線回折、電子線回折、及び中性子線回折のいずれかの測定方法を用いて前記ひずみを測定することを特徴とする付記8記載の応力解析プログラム。
(付記10) 前記ひずみ算出手段が、前記測定対象となる回折面と前記測定方法を、前記試料の配向と結晶構造に基づいて選択することを特徴とする付記9記載の応力解析プログラム。
(付記11) 前記ひずみ算出手段が、前記回折面に異なる指数面を有するものを含めることを特徴とする付記10記載の応力解析プログラム。
(付記12) 測定対象となる試料の内部応力を解析するための応力解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
コンピュータを、
前記試料の配向に基づいて測定対象となる回折面を設定し、前記回折面に所定の入射角で電磁波又は粒子線を照射してその回折角を検出することにより、測定すべき応力成分の数よりも多い異なる方向のひずみを含んで算出するひずみ算出手段、
前記ひずみ算出手段が算出した数だけ応力とひずみとの関係式を連立し、前記応力の最適値を重回帰分析を用いて算出する応力算出手段、
として機能させることを特徴とする応力解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記13) 測定対象となる試料の内部応力を測定する応力測定装置において、
前記試料に向けて電磁波又は粒子線を照射可能な照射源と、
前記試料の配向に基づいて測定対象となる回折面を設定する回折面設定手段と、
前記回折面にて回折した前記電磁波又は粒子線の回折角を検出する回折角検出手段と、
前記回折角に基づいて、前記試料について測定すべき応力成分の数よりも多い異なる方向のひずみを含んで算出し、算出した数だけ応力とひずみとの関係式を連立し、前記応力の最適値を重回帰分析を用いて算出する応力算出手段と、
を備えたことを特徴とする応力測定装置。
X線回折法の概要を表す説明図である。 X線回折法の概要を表す説明図である。 X線回折法の概要を表す説明図である。 実施の形態で用いる座標系を表す説明図である。 各座標系間の関係を表す説明図である。 実際の応力測定に適用する座標系を表す説明図である。 Alの薄膜についての演算結果である。 Alの薄膜についての演算結果である。 Alの薄膜についての演算結果である。 Cuの薄膜についての演算結果である。 Cuの薄膜についての演算結果である。 Cuの薄膜についての演算結果である。 絶縁膜に囲まれて3次元応力状態にあるLSI用の配線を表す説明図である。 Alの配線についての演算結果である。 Cuの配線についての演算結果である。 応力測定処理の流れを表すフローチャートである。 実施例で採用した測定装置の構成の概略を示す説明図である。 Cu配線試料の残留応力の測定結果を表す説明図である。 ひずみεを逆算した結果を表す説明図である。
符号の説明
1 放射光リング
2 検出器
3 ゴニオメータ
4 ゴニオメータコントローラ
5 計数装置
6 コンピュータ

Claims (5)

  1. 測定対象となる試料の内部応力を測定するための応力測定方法において、
    前記試料の配向に基づいて測定対象となる回折面を設定し、前記回折面に所定の入射角で電磁波又は粒子線を照射してその回折角を検出することにより、測定すべき応力成分の数よりも多い異なる方向のひずみを含んで算出するひずみ算出工程と、
    前記ひずみ算出工程にて算出した数だけ応力とひずみとの関係式を連立し、前記応力の最適値を重回帰分析を用いて算出する応力算出工程と、
    を備えたことを特徴とする応力測定方法。
  2. 前記ひずみ算出工程において、X線回折、電子線回折、及び中性子線回折のいずれかの測定方法を用いて前記ひずみを測定することを特徴とする請求項1記載の応力測定方法。
  3. 前記ひずみ算出工程において、前記測定対象となる回折面と前記測定方法を、前記試料の配向と結晶構造に基づいて選択することを特徴とする請求項2記載の応力測定方法。
  4. 前記ひずみ算出工程において、前記回折面に異なる指数面を有するものを含めることを特徴とする請求項3記載の応力測定方法。
  5. 測定対象となる試料の内部応力を解析するための応力解析プログラムにおいて、
    コンピュータを、
    前記試料の配向に基づいて測定対象となる回折面を設定し、前記回折面に所定の入射角で電磁波又は粒子線を照射してその回折角を検出することにより、測定すべき応力成分の数よりも多い異なる方向のひずみを含んで算出するひずみ算出手段、
    前記ひずみ算出手段が算出した数だけ応力とひずみとの関係式を連立し、前記応力の最適値を重回帰分析を用いて算出する応力算出手段、
    として機能させることを特徴とする応力解析プログラム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011159844A (ja) * 2010-02-02 2011-08-18 Hitachi Cable Ltd 圧電薄膜素子、その製造方法及び圧電薄膜デバイス
JP2012189226A (ja) * 2011-03-08 2012-10-04 Forestry & Forest Products Research Institute 木材の非破壊乾燥応力測定による木材乾燥制御システム
JP2013036787A (ja) * 2011-08-04 2013-02-21 Toyota Motor Corp 薄板の残留応力測定方法
JP2015145846A (ja) * 2014-02-04 2015-08-13 パルステック工業株式会社 X線回折測定装置およびx線回折測定装置による測定方法

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