JP2006250627A - 乗員検知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シート構成部品に歪が発生した場合に、その歪によって発生した荷重センサの異常を確実に検出することが可能な乗員検知装置を提供する。
【解決手段】自動車用シート10の座面部10A下方の前後左右に設けられ、前記シート10の垂直方向に加わる荷重を検出する荷重センサ1A〜1Dと、前記荷重センサ1A〜1Dの出力値を取り込み、該出力値に基づいて乗員の着座の有無および乗員の重量を判断する乗員検知装置本体2とを備え、前記乗員検知装置本体2は、前記荷重センサ1A〜1Dのうち対角線上に位置する2個の荷重センサを対とし、前記シート10の垂直方向に荷重が加わっていない状態で、一方の対のそれぞれの荷重センサの出力値が共に正の所定値以上になり、かつ他方の対の荷重センサのそれぞれの出力値が共に負の所定値以下になる条件が成立した場合に、前記荷重センサ1A〜1Dの出力値の校正又は前記荷重センサ1A〜1Dの異常警報を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】自動車用シート10の座面部10A下方の前後左右に設けられ、前記シート10の垂直方向に加わる荷重を検出する荷重センサ1A〜1Dと、前記荷重センサ1A〜1Dの出力値を取り込み、該出力値に基づいて乗員の着座の有無および乗員の重量を判断する乗員検知装置本体2とを備え、前記乗員検知装置本体2は、前記荷重センサ1A〜1Dのうち対角線上に位置する2個の荷重センサを対とし、前記シート10の垂直方向に荷重が加わっていない状態で、一方の対のそれぞれの荷重センサの出力値が共に正の所定値以上になり、かつ他方の対の荷重センサのそれぞれの出力値が共に負の所定値以下になる条件が成立した場合に、前記荷重センサ1A〜1Dの出力値の校正又は前記荷重センサ1A〜1Dの異常警報を行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、乗員検知装置に関するものである
一般に、自動車が障害物等に接触して乗員に衝撃力が加わった場合に、その衝撃力を緩和して乗員の安全性の向上を図るエアバッグシステムが普及している。
このエアバッグシステムは、所定の方向から衝撃力が車体に加わると、その衝撃力を車体に設けたセンサが検出し、乗員の周囲に備えられたエアバッグを瞬時に展開させて、乗員に加わる衝撃力を緩和するものである。昨今では乗員の安全性の向上をさらに図るため、ハンドルの中央付近から展開する運転席用エアバッグの他、インストルメントパネルから展開する助手席用エアバッグや、車両の左右天井付近から展開するカーテンエアバッグ、シートのドア側部分から展開するサイドエアバッグ等、複数のエアバッグが備えられてきている。
ところで、このようなエアバッグシステムが備えるエアバッグは、より効果的に衝撃力を吸収させるために、座席に着座した乗員の体格に合わせてその膨張量を制御することが望ましい。特に大人と子供では体格の差が大きいため、乗員が大人の場合と子供の場合でエアバッグの膨張量を制御する、いわゆるスマートエアバッグシステムが検討されている。
このようなエアバッグシステムを実現させるため、自動車のシート下方に荷重センサを組み込み、荷重センサの出力値によって乗員の有無および着座した乗員の体重を検知し、衝撃力が車体に加わった際に乗員の体重に合わせてエアバッグの膨張量を制御する乗員検知装置およびエアバッグシステムが提案されている。
ところで、走行時に路面より車体に加わる荷重や、障害物との接触等により車体の外部から車体に対して加わる衝撃力によって、シートレールやシートフレーム等(以下、シート構成部品と呼ぶ)に歪が発生する場合がある。このような場合、この歪によって前述した荷重センサに不必要な荷重が加わってしまう可能性があり、そのような際にはシートに乗員が着座していない状態でも各荷重センサから何らかの荷重値が出力される状態になってしまう。このため、乗員が着座した場合に正しい荷重値が得られなくなり、乗員検知を正しく行うことができなくなるという問題が発生する。
このような問題に対し、シート下方の前後左右4箇所に配置した荷重センサの出力値の変化に基づいて、荷重センサの異常を検知する乗員検知装置が提案されている。この乗員検知装置では、「4個の荷重センサのうち、対にした荷重センサ同士の出力値の差の変動量が、一方の対では所定値以上に、他方の対ではこの所定値より小さい値以下になる」条件、あるいは「4個の荷重センサのうち、対にした荷重センサ同士の出力値の和の変動量が、一方の対では所定値以上に、他方の対ではこの所定値より小さい値以下になる」条件が発生した場合に、荷重センサに異常が発生しているとの判断を行っている(特許文献1)。
特開2002−286539号公報
このような荷重センサを備えた自動車のシートに、実験的に歪を加えて荷重センサの出力値を調べた結果を図11、図12に示す。図10は実験時のシート構成を示している。
図11は、シート座面部10Aに乗員や物品等がない状態で、シート10に歪を発生させた場合(データ部分1行目)と歪を発生させない場合(データ部分2行目〜11行目)について、計測した荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値と、荷重センサ1A、1B、1C、1Dを2個一組の対にして(例えば1Aと1C、1Bと1D等)、対にした荷重センサ同士の出力値の差(例えば1A−1C、1B−1D等)の歪発生前後の変動量(例えば2行目の1A−1Cから1行目の1A−1Cを引いた値)を算出して表したものである。
また図12は、上記と同様にシート座面部10Aに乗員や物品等がない状態で、シート10に歪を発生させた場合(データ部分1行目)と歪を発生させない場合(データ部分2行目〜11行目)について、計測した荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値と、荷重センサ1A、1B、1C、1Dを2個一組の対にして(例えば1Aと1C、1Bと1D等)、対にした荷重センサ同士の出力値の和(例えば1A+1C、1B+1D等)の歪発生前後の変動量(例えば2行目の1A+1Cから1行目の1A+1Cを引いた値)を算出して表したものである。
ここで、歪の印加は、図10に示すようにシートレール11、11とシートレール11、11を支えるシートレール支持部100A、100B、100C、100Dとの間にワッシャ30を挿入して行っている。ここで、ワッシャ30を1箇所、すなわち前右、前左、後右、後左のいずれか1箇所に挿入した場合、ワッシャ30を2箇所、すなわち前右と後左、前左と後右の組み合わせのいずれかに挿入した場合、ワッシャ30を3箇所、すなわち前右と前左と後右、前左と後右と後左、前右と後右と後左、前右と前左と後左の組み合わせのいずれかに挿入した場合を、歪が発生した状態と設定している。
図11を見て明らかなように、前左と後右と後左の3箇所にワッシャを挿入した場合、1A−1D、1B−1Cの変動量の算出値がともに−1となっている(数字が左詰めになっている箇所)。この状態は、従来の技術で提案されている荷重センサの異常検出条件、すなわち「対にした荷重センサ同士の出力値の差の歪発生前後の変動量が、一方の対では所定値以上に、他方の対ではこの所定値より小さい値以下になる」条件を満たしていない。したがって従来の技術で提案されている乗員検知装置では、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値に異常が生じている際に、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常を検出できない場合があることがわかる。
また図12を見て明らかなように、前左および後右の位置にワッシャを挿入した場合、1A+1B、1C+1Dの変動量の算出値がともに0となっている(数字が左詰めになっている箇所)。この状態は、従来の技術で提案されている荷重センサの異常検出条件、すなわち「対にした荷重センサ同士の出力値の和の歪発生前後の変動量が、一方の対では所定値以上に、他方の対ではこの所定値より小さい値以下になる」条件を満たしていない。したがって、従来の技術で提案されている乗員検知装置では、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値に異常が生じている際に、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常を検出できない場合があることがわかる。
さらに前左と後右と後左の位置にワッシャを挿入した場合、1A+1C、1B+1Dの変動量の算出値がともに0となっている(数字が左詰めになっている箇所)。この状態も前述した従来の技術で提案されている荷重センサの異常検出条件を満たしておらず、従来の技術で提案されている乗員検知装置では、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値に異常が生じている際に、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常を検出できない場合があることがわかる。
このように、従来の乗員検知装置では、シート構成部品に歪が発生した場合に、その歪によって発生した荷重センサの異常を検出できない場合がある、という問題点がある。
本発明の課題は、シート構成部品に歪が発生した場合に、その歪によって発生した荷重センサの異常を確実に検出することが可能な乗員検知装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、自動車用シートの座面部下方の前後左右に設けられ、前記シートの垂直方向に加わる荷重を検出する荷重センサと、前記荷重センサの出力値を取り込み、該出力値に基づいて乗員の着座の有無および乗員の重量を判断する乗員検知装置本体とを備え、前記乗員検知装置本体は、前記荷重センサのうち対角線上に位置する2個の荷重センサを対とし、前記シートの垂直方向に荷重が加わっていない状態で、一方の対のそれぞれの荷重センサの出力値が共に正の所定値以上になり、かつ他方の対の荷重センサのそれぞれの出力値が共に負の所定値以下になる条件が成立した場合に、前記荷重センサの出力値の校正または前記荷重センサの異常警報を行うことを特徴としている。
上記構成によれば、シート座面部下方の前後左右に備えられた荷重センサのうち、対角線上に位置する2個の荷重センサを対として各対の出力値の極性(+と−)を調べることで、シート構成部品に発生した歪によって荷重センサに不必要な荷重が加わった際に、荷重センサの出力値の校正または前記荷重センサの異常警報を行うことができる。
また請求項2の発明は、請求項1において、前記乗員検知装置本体は、前記条件が成立し、さらにその状態が所定時間以上継続した場合に、前記荷重センサの出力値の校正または前記荷重センサの異常警報を行うことを特徴としている。
また請求項3の発明は、請求項1において、前記乗員検知装置本体は、前記条件が成立し、さらに全荷重センサの出力値の総和が所定値以下の場合に、前記荷重センサの出力値の校正または前記荷重センサの異常警報を行うことを特徴としている。
また請求項4の発明は、請求項1において、前記乗員検知装置本体は、前記条件が成立し、さらに全荷重センサの出力値の総和が所定値以下になるとともにその状態が所定時間以上継続した場合に、前記荷重センサの出力値の校正または前記荷重センサの異常警報を行うことを特徴としている。
上記構成によれば、荷物の積み下ろし等に伴ってシートに一時的に荷重が加わり、荷重の分布がシート構成部品に歪が発生した状態と同様の状態となった場合は、荷重センサの出力値の校正または前記荷重センサの異常警報を行わないようにすることが可能となる。
また上記構成によれば、シート座面部に所定値以上の重量を有する荷物を置いた際に荷重の分布がシート構成部品に歪が発生した状態と同様の状態になった場合は、荷重センサの出力値の校正または前記荷重センサの異常警報を行わないようにすることが可能となる。
また請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項において、前記乗員検知装置本体は、前記条件が成立した場合、前記荷重センサの出力値がそれぞれ事前に定めた設定値の範囲内にあるときは前記荷重センサの出力値の校正を行い、前記荷重センサの出力値が前記設定値の範囲外にあるときは前記荷重センサの異常警報を行うことを特徴としている。
上記構成によれば、荷重センサの出力値の状態に合わせた対応をとることが可能となる。
また請求項6の発明は、自動車用シートの座面部下方の前後左右に設けられ、前記シートの垂直方向に加わる荷重を検出する荷重センサと、前記荷重センサの出力値を取り込み、該出力値に基づいて乗員の着座の有無および乗員の重量を判断する乗員検知装置本体とを備え、前記乗員検知装置本体は、前記シートの垂直方向に荷重が加わっている状態で前記シートを前後方向に移動させた際に、該移動前後の前記荷重センサの出力値を取り込んで該移動前後の前記荷重センサの出力値の変化量を算出するとともに、前記荷重センサのうち対角線上に位置する2個の荷重センサを対とし、一方の対のそれぞれの荷重センサの出力値の変化量が共に正の所定値以上になり、かつ他方の対のそれぞれの荷重センサの出力値の変化量が共に負の所定値以下になる条件が成立した場合に、前記荷重センサの出力値の校正または前記荷重センサの異常警報を行うことを特徴としている。
上記構成によれば、シート座面部に乗員が着座している状態または物品を乗せた状態でシートの前後位置を変更し、変更後にシート構成部品の歪により荷重センサに不必要な荷重が加わった場合でも、荷重センサの出力値の校正または前記荷重センサの異常警報を行うことができる。
また請求項7の発明は、請求項6において、前記乗員検知装置本体は、前記条件が成立した場合、前記荷重センサの出力値の変化量がそれぞれ事前に定めた設定値の範囲内にあるときは前記荷重センサの出力値の校正を行い、前記荷重センサの出力値の変化量が前記設定値の範囲外にあるときは前記荷重センサの異常警報を行うことを特徴としている。
上記構成によれば、荷重センサの出力値の状態に合わせた対応をとることが可能となる。
本発明によれば、シート構成部品に歪が発生した場合に、その歪によって発生した荷重センサの異常を確実に検出することが可能な乗員検知装置を実現することができる。
以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。
図1は本発明の実施例のブロック図を、図2はシートの構造および荷重センサの取り付け位置を示した図を、図3は車体全体に対するシートおよび本発明の構成要素の位置を示した平面図の概略図をそれぞれ示している。本実施例では、助手席用の乗員検知装置について説明する。
荷重センサ1A、1B、1C、1Dは、乗員検知装置本体2に電気的に接続されている。この荷重センサ1A、1B、1C、1Dは、シート10を支持するシートフレーム10Dの脚部と、車体100のフロア100Eに設置されたシートレール支持部100A〜100Dに取り付けられたシートレール11、11との間に取り付けられている。その平面上の配置は、1Aが前右、1Bが前左、1Cが後右、1Dが後左となっている。
シートフレーム10D上には、シート10が取り付けられている。このシート10は、シート座面部10A、シート背面部10B、ヘッドレスト10Cを備えている。
またシートフレーム10Dの脚部は、シートレール11、11に車体の前後方向に摺動可能に取り付けられている。
乗員検知装置本体2は、エアバッグユニット4を制御するエアバッグ制御装置3に電気的に接続されている。この乗員検知装置本体2は、シートフレーム10D下方の車体フロア100Eに固定されている。またエアバッグ制御装置3は、センターコンソール20の内部に取り付けられている。
なお、エアバッグ制御装置3はエアバッグユニット4、すなわち運転席用エアバッグユニット4A(図1では運転席用ABユニットと記載)、助手席用エアバッグユニット4B(図1では助手席用ABユニットと記載)、右サイドエアバッグユニット4C(図1では右サイドABユニットと記載)、左サイドエアバッグユニット4D(図1では左サイドABユニットと記載)と電気的に接続されている。また、外部から車体に加わった衝撃力を検知する加速度センサ(図示省略)と電気的に接続されている。
次に、第1の実施例の基本作用を図4のフローチャートを用いて説明する。
本実施例は、前述した位置に配置された4個の荷重センサ1A、1B、1C、1Dのうち対角線上に位置する荷重センサを一組とした場合、すなわち1Aと1Dを一組、1Bと1Cを一組とした場合に、シート構成部品に歪が生じているときは、組み合わせた2個の荷重センサの出力値の極性(+と−)は同じとなり、2組の荷重センサの出力値の極性(+と−)が異なる、と言う点に着目して、シート構成部品に歪が発生した場合に生じる荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常を検出する。
図4のステップS101では、乗員検知装置本体2が、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値を取り込む。この後、フローはステップS102へ進む。
ステップS102では、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値に基づいて、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じているかどうかが判定される。
この判定は、以下のように行われる。
荷重センサ1Aの出力値aと荷重センサ1Dの出力値dの値がともに所定値+Wより大きく(a、d>+W)、荷重センサ1Bの出力値bと荷重センサ1Cの出力値cの値がともに所定値−Wより小さい場合(b、c<−W)、あるいは荷重センサ1Aの出力値aと荷重センサ1Dの出力値dの値がともに所定値−Wより小さく(a、d<−W)、荷重センサ1Bの出力値bと荷重センサ1Cの出力値cの値がともに所定値+Wより大きい場合(b、c>+W)は、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じている場合にあたり、フローはステップS103へ移行する。この条件を満たしていない場合は、荷重センサ1A、1B、1C、1Dは正常と判定され、フローはステップS101へ戻る。
ステップS103では、乗員検知装置本体2がエアバッグ制御装置3へ信号を出力する。エアバッグ制御装置3はこの信号に基づいて異常警報灯5を点灯させ、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていることを乗員に知らせて車両の点検修理を促す。
以上のように、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の極性(+と−)に基づいて荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常判定を行うことで、シート構成部品に歪が発生した場合に生じる荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常を確実に検出して乗員に知らせることが可能となる。
本実施例では、第1の実施例において、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の判定条件が所定時間T以上続いた場合に、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていることを乗員に知らせる。
図5のステップS201では、乗員検知装置本体2が、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値を取り込む。この後、フローはステップS202へ進む。
ステップS202では、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値に基づいて、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じているかどうかが判定される。この判定は、第1の実施例と同等であり、説明は省略する。条件に当てはまる場合はシート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じている可能性があり、フローはステップS203へ移行する。この条件を満たしていない場合は、荷重センサ1A、1B、1C、1Dは正常と判定され、フローはステップS201へ戻る。
ステップS203では、ステップS202でシート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じている可能性があると判定された状態の持続時間tが所定時間T以上継続したかどうかが判断される。持続時間tが所定時間T以上継続した場合は、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていると判定されて、フローはステップS204へ移行する。持続時間tが所定時間T未満でステップS202の条件を満たさなくなった場合は、荷物の積み下ろし等に伴ってシート10に荷重が加わり、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値が一時的にシート構成部品に歪が発生した状態と同様の状態になったと推定され、荷重センサ1A、1B、1C、1Dは正常であると判定されて、フローはステップS201へ戻る。
ステップS204では、乗員検知装置本体2がエアバッグ制御装置3へ信号を出力する。エアバッグ制御装置3はこの信号に基づいて異常警報灯5を点灯させ、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていることを乗員に知らせて車両の点検修理を促す。
以上のように、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の極性(+と−)に基づいて荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常判定を行うことで、シート構成部品に歪が発生した場合に生じる荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常を確実に検出して乗員に知らせることが可能となる。
また本実施例では、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常を判定した後にその状態が所定時間T以上持続した場合に、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていることを乗員に知らせる。このようにすることで、たとえば荷物の積み下ろし等に伴ってシート10に荷重が加わり、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値が一時的にシート構成部品に歪が発生した状態と同様の状態になってしまった場合に、誤ってシート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていると警報を行ってしまうことを回避することが可能となる。
本実施例では、第1の実施例において、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の総和が所定値K以下の場合に、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていることを乗員に知らせる。
シート座面部10Aに重量が大きく細長い物品を対角線に沿って置いた場合、荷重の分布がシート構成部品の歪の発生時と同様の状態になる可能性がある。この場合、シート構成部品に歪が発生したとの判定が行われてしまう。ここで、シート座面部10A上に置いた物品の重量を算出し、その重量が所定値K以下の場合にのみ荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常判定を行うようにしておけば、重量がKを超える重量の大きい物品をシート座面部10Aに置いて荷重の分布がシート構成部品の歪の発生時と同様の状態になった場合に、誤ってシート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていると警報を行ってしまうことを回避することが可能となる。
図6のステップS301では、乗員検知装置本体2が、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値を取り込む。この後、フローはステップS302へ進む。
ステップS302では、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値に基づいて、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じているかどうかが判定される。この判定は、第1の実施例と同等であり、説明は省略する。条件に当てはまる場合は、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じている可能性のある場合にあたり、フローはステップS303へ移行する。この条件を満たしていない場合は、荷重センサ1A、1B、1C、1Dは正常と判定され、フローはステップS301へ戻る。
ステップS303では、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値a、b、c、dの総和が所定値K以下になっているかどうかが判定される。荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値a、b、c、dの総和が所定値K以下になっている場合は、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていると判定されて、フローはステップS304へ移行する。荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値a、b、c、dの総和が所定値Kを超える場合は、重量がKを超える物品をシート座面部10Aに置いて、荷重の分布がシート歪の発生時と同様の状態になっていると推定され、荷重センサ1A、1B、1C、1Dは正常であると判定されて、フローはステップS301へ戻る。
ステップS304では、乗員検知装置本体2がエアバッグ制御装置3へ信号を出力する。エアバッグ制御装置3はこの信号に基づいて異常警報灯5を点灯させ、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていることを乗員に知らせて車両の点検修理を促す。
以上のように、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の極性(+と−)に基づいて荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常判定を行うことで、シート構成部品に歪が発生した場合に生じる荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常を確実に検出して乗員に知らせることが可能となる。
また本実施例では、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値a、b、c、dの総和が所定値K以下の場合にのみ、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていることを乗員に知らせる。このようにすることで、たとえばシート座面部10Aに荷物を置いた際に、荷重の分布がシート構成部品に歪が発生した状態と同様の状態になった場合、誤ってシート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていると警報を行ってしまうことを回避することが可能となる。
本実施例では、第2の実施例と第3の実施例を組み合わせたもので、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の総和が所定値K以下の場合で、かつ荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の判定条件が所定時間T以上続いた場合に、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていることを乗員に知らせる。
図7のステップS401では、乗員検知装置本体2が、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値を取り込む。この後、フローはステップS402へ進む。
ステップS402では、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値に基づいて、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じているかどうかが判定される。この判定は、第1の実施例と同等であり、説明は省略する。条件に当てはまる場合は、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じている可能性のある場合にあたり、フローはステップS403へ移行する。この条件を満たしていない場合は、荷重センサ1A、1B、1C、1Dは正常と判定され、フローはステップS401へ戻る。
ステップS403では、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値a、b、c、dの総和が所定値K以下になっているかどうかが判定される。荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値a、b、c、dの総和が所定値K以下になっている場合は、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じている可能性があると判断されて、フローはステップS404へ移行する。荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値a、b、c、dの総和が所定値Kを超える場合は、重量がKを超える物品をシート座面部10Aに置いて、荷重の分布がシート歪の発生時と同様の状態になっていると推定され、荷重センサ1A、1B、1C、1Dは正常であると判定されて、フローはステップS401へ戻る。
ステップS404では、ステップS403でシート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じている可能性があると判定された状態の持続時間tが所定時間T以上継続したかどうかが判断される。持続時間tが所定時間T以上継続した場合は、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていると判定されて、フローはステップS405へ移行する。持続時間tが所定時間T未満でステップS402の条件を満たさなくなった場合は、荷物の積み下ろし等に伴ってシート10に荷重が加わり、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値が一時的にシート構成部品に歪が発生した状態と同様の状態になったと推定され、荷重センサ1A、1B、1C、1Dは正常であると判定されて、フローはステップS401へ戻る。
ステップS405では、乗員検知装置本体2がエアバッグ制御装置3へ信号を出力する。エアバッグ制御装置3はこの信号に基づいて異常警報灯5を点灯させ、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていることを乗員に知らせて車両の点検修理を促す。
以上のように、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の極性(+と−)に基づいて荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常判定を行うことで、シート構成部品に歪が発生した場合に生じる荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常を確実に検出して乗員に知らせることが可能となる。
また本実施例では、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値a、b、c、dの総和が所定値K以下の場合にのみ、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていることを乗員に知らせる。このようにすることで、たとえばシート座面部10Aに荷物を置いた際に、荷重の分布がシート構成部品に歪が発生した状態と同様の状態になった場合、誤ってシート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていると警報を行ってしまうことを回避することが可能となる。
また本実施例では、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常を判定した後にその状態が所定時間T以上持続した場合に、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていることを乗員に知らせる。このようにすることで、たとえば荷物の積み下ろし等に伴ってシート10に荷重が加わり、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値が一時的にシート構成部品に歪が発生した状態と同様の状態になってしまった場合に、誤ってシート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていると警報を行ってしまうことを回避することが可能となる。
本実施例は、シート構成部品に歪が発生して荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値に異常が生じている状態であっても、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値が荷重センサ1A、1B、1C、1Dの性能を満足できる範囲内に収まっている場合は、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常の警報を行わず、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の校正を行う実施例である。
図8のステップS501では、乗員検知装置本体2が、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値を取り込む。この後、フローはステップS502へ進む。
ステップS502では、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値に基づいて、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じているかどうかが判定される。この判定は、第1の実施例と同等であり、説明は省略する。条件に当てはまる場合は、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じている場合にあたり、フローはステップS503へ移行する。この条件を満たしていない場合は、荷重センサ1A、1B、1C、1Dは正常と判定され、フローはステップS501へ戻る。
ステップS503では、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値a、b、c、dが所定値の範囲内に収まっているかどうかが判断される。荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値a、b、c、dがそれぞれ所定値L1以上でL2以下の場合は、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じているが、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の校正で対応可能な程度であると判断されて、フローはステップS505へ移行する。荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値a、b、c、dがそれぞれ所定値L1を超えるかL2未満である場合は、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の校正では対応不可能であると判定されて、フローはステップS504へ移行する。
ステップS504では、乗員検知装置本体2がエアバッグ制御装置3へ信号を出力する。エアバッグ制御装置3はこの信号に基づいて異常警報灯5を点灯させ、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていることを乗員に知らせて車両の点検修理を促す。
ステップS505では、乗員検知装置本体2によって荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の校正が実施される。
ここで、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の校正は、以下のように行われる。
乗員検知装置本体2は、シート10に乗員が着座していない状態の荷重センサ1A、1B、1C、1Dの荷重データWA1、WB1、WC1、WD1を取り込み、その値を初期値として記憶する。これ以降、荷重データは、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値WA、WB、WC、WDから記憶した初期値WA1、WB1、WC1、WD1をそれぞれ差し引いた値、すなわち荷重センサ1AにおいてはWA−WA1、荷重センサ1BにおいてはWB−WB1、荷重センサ1CにおいてはWC−WC1、荷重センサ1DにおいてはWD−WD1、として扱う。
以上のように、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の極性(+と−)に基づいて荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常判定を行うことで、シート構成部品に歪が発生した場合に生じる荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常を確実に検出して乗員に知らせることが可能となる。
また本実施例では、シート構成部品に歪が発生して荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値に異常が生じている状態であっても、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値が荷重センサ1A、1B、1C、1Dの性能を満足できる範囲内(L1以上L2以下)に収まっている場合は、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常の警報を行わずに、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の校正を行う。このようにすることで、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の異常が荷重センサ1A、1B、1C、1Dの性能を満足できる範囲内(L1以上L2以下)に収まっている程度であれば、乗員検知装置本体2が荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値を校正し、乗員検知を正しく行うことができる。
本実施例は、シート座面部10Aに乗員が着座している状態、または物品を乗せた状態で、シート10の前後位置を変更した際にシート構成部品の歪が発生した場合、シート構成部品の歪による荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常警報または荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の校正を行う実施例である。
シート10の前後位置を変更した場合、変更前は荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値が全てゼロであっても、シートレール11の歪等によりシート10の前後位置変更後に荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値がずれる場合がある。この場合、シート座面部10Aに乗員が着座していない状態、または物品を乗せていない状態であれば、第5の実施例によって、シート構成部品の歪による荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常警報または荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の校正を行うことが可能である。
一方、シート座面部10Aに乗員が着座している状態、または物品を乗せた状態でシート10の前後位置を変更した場合は、以下のような動作により、シート構成部品の歪による荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常警報または荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の校正を行う。
図9のステップS601では、乗員検知装置本体2が、時刻t1での荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値a1、b1、c1、d1を取り込む。この後、フローはステップS602へ進む。
ステップS602では、シート座面部10Aに乗員が着座している状態または物品を乗せた状態か、シート座面部10Aに何もない状態であるか、が判定される。乗員検知装置本体2があらかじめ記憶しておいた、シート座面部10Aに何もない状態での荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値a0、b0、c0、d0の総和に対し、時刻t1での荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値a1、b1、c1、d1の総和が大きければ、すなわち、a1+b1+c1+d1>a0+b0+c0+d0の場合は、シート座面部10Aに乗員が着座している状態または物品を乗せた状態であると判定され、フローはステップS603へ移行する。一方、a1+b1+c1+d1≦a0+b0+c0+d0の場合は、シート座面部10Aに何もない状態であると判定され、フローはステップS601へ戻る。
ステップS603では、乗員検知装置本体2によって時刻t1での荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値a1、b1、c1、d1が記憶され、フローはステップS604へ移行する。
ステップS604では、時刻t1からの経過時間が判定される。経過時間tが所定値t2以上の場合は、フローはステップS605へ移行する。経過時間tが所定値t2未満の場合は、フローはステップS604へ戻る。このt1からt2の間に、シート座面部10Aに乗員が着座している状態または物品を乗せた状態でシート10の前後位置の移動があったものとする。したがってt2の値は、乗員がシート10着座後にシート10の前後位置の調整を終了するまでの平均的な経過時間を設定することが望ましい。
ステップS605では、乗員検知装置本体2によって時刻t2での荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値a2、b2、c2、d2が取り込まれ、フローはステップS606へ移行する。
ステップS606では、シート座面部10Aに乗員が着座している状態または物品を乗せた状態でシート10の前後位置の移動があった際の、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の変化量aw、bw、cw、dwが、aw=a2−a1、bw=b2−b1、cw=c2−c1、dw=d2−d1として算出される。このaw、bw、cw、dwは、シート10の移動後の位置において、シート座面部10Aに何もない状態での荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値を表している。この後に、フローはステップS607へ移行する。
ステップS607では、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の変化量aw、bw、cw、dwに基づいて、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じているかどうかが判定される。この判定は、第1の実施例と同等であり、説明は省略する。条件に当てはまる場合は、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じている場合にあたり、フローはステップS608へ移行する。この条件を満たしていない場合は、荷重センサ1A、1B、1C、1Dは正常と判定され、フローはステップS601へ戻る。
ステップS608では、シート10移動前後の荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の変化量aw、bw、cw、dwが所定の範囲内に収まっているかどうかが判断される。荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の変化量aw、bw、cw、dwがそれぞれ所定値L1以上でL2以下の場合は、シート10移動後の位置においてシート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じているが、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の校正で対応可能な程度であると判断されて、フローはステップS610へ移行する。荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の変化量aw、bw、cw、dwがそれぞれ所定値L1を超えるかL2未満である場合は、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の校正では対応不可能であると判断されて、フローはステップS609へ移行する。
ステップS609では、乗員検知装置本体2がエアバッグ制御装置3へ信号を出力する。エアバッグ制御装置3はこの信号に基づいて異常警報灯5を点灯させ、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていることを乗員に知らせて車両の点検修理を促す。
ステップS610では、乗員検知装置本体2によって荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の校正が実施される。
ここで、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の校正方法は、第5の実施例と同等である。
以上のように、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の極性(+と−)に基づいて荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常判定を行うことで、シート構成部品に歪が発生した場合に生じる荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常を確実に検出して乗員に知らせることが可能となる。
また本実施例では、シート構成部品に歪が発生して荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値に異常が生じている状態であっても、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値が荷重センサ1A、1B、1C、1Dの性能を満足できる範囲内(L1以上L2以下)に収まっている場合は、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常の警報を行わずに、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の校正を行う。このようにすることで、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の異常が荷重センサ1A、1B、1C、1Dの性能を満足できる範囲内(L1以上L2以下)に収まっている程度であれば、乗員検知装置本体2が荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値を校正し、乗員検知を正しく行うことができる。
さらに本実施例では、シート座面部10Aに乗員が着座している状態または物品を乗せた状態でシート10の前後位置を変更し、前後位置の変更後にシート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値に異常が発生した場合に、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常警報または荷重センサ1A、1B、1C、1Dの出力値の校正を行うことができる。
なお、上記実施例中の所定値Wは0でも良いが、荷重センサ1A、1B、1C、1D自体の出力値の誤差が−Wから+Wに収まるようにその値を設定しておけば、荷重センサ1A、1B、1C、1D自体の出力値の誤差をシート構成部品に歪が発生した場合に生じる荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常ととらえてしまうことがなくなり、荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常の検出の精度を向上させることができる。
以上、この発明の実施例を図面により詳述したが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることはもちろんである。
例えば、本実施例では助手席の乗員検知に用いる乗員検知装置の例について記述したが、後部座席の乗員検知に用いる乗員検知装置に本発明を適用することも可能である。
また荷重センサ1A、1B、1C、1Dの取り付け位置は、シートフレーム10Dとシートレール11、11の間に限定されるものではなく、例えばシートレール11、11とシートレールを支持するシート支持部100A〜100Dとの間等、シート10に印加される垂直方向の荷重が検出できる位置であれば良い。
またシート構成部品の歪の発生を検出した場合の対応は、上述のように異常警報灯を点灯させることに限定されるものではなく、車室内に設けられたディスプレイ上に表示を行ったり、音声によるガイドを行ったり等、シート構成部品の歪により荷重センサ1A、1B、1C、1Dに異常が生じていることがわかる方法であれば良い。
さらに、第1の実施例〜第4の実施例と、第5の実施例を組み合わせても良い。このようにすることで、シート構成部品の歪による荷重センサ1A、1B、1C、1Dの異常をより的確に検出できるとともに、異常が発生した際に、その程度に応じた対応をとることが可能となる。
1 乗員検知用荷重センサ
1A、1B、1C、1D 荷重センサ
2 乗員検知装置本体
3 エアバッグ制御装置
4 エアバッグユニット
4A 運転席用エアバッグユニット
4B 助手席用エアバッグユニット
4C 右サイドエアバッグユニット
4D 左サイドエアバッグユニット
5 異常警報灯
10 シート
10A シート座面部
10B シート背面部
10C ヘッドレスト
10D シートフレーム
11 シートレール
20 センターコンソール
30 ワッシャ
100 車体
100A〜100D シートレール支持部
100E フロア
1A、1B、1C、1D 荷重センサ
2 乗員検知装置本体
3 エアバッグ制御装置
4 エアバッグユニット
4A 運転席用エアバッグユニット
4B 助手席用エアバッグユニット
4C 右サイドエアバッグユニット
4D 左サイドエアバッグユニット
5 異常警報灯
10 シート
10A シート座面部
10B シート背面部
10C ヘッドレスト
10D シートフレーム
11 シートレール
20 センターコンソール
30 ワッシャ
100 車体
100A〜100D シートレール支持部
100E フロア
Claims (7)
- 自動車用シートの座面部下方の前後左右に設けられ、前記シートの垂直方向に加わる荷重を検出する荷重センサと、
前記荷重センサの出力値を取り込み、該出力値に基づいて乗員の着座の有無および乗員の重量を判断する乗員検知装置本体と、
を備え、
前記乗員検知装置本体は、前記荷重センサのうち対角線上に位置する2個の荷重センサを対とし、前記シートの垂直方向に荷重が加わっていない状態で、一方の対のそれぞれの荷重センサの出力値が共に正の所定値以上になり、かつ他方の対の荷重センサのそれぞれの出力値が共に負の所定値以下になる条件が成立した場合に、前記荷重センサの出力値の校正または前記荷重センサの異常警報を行うことを特徴とする乗員検知装置。 - 前記乗員検知装置本体は、前記条件が成立し、さらにその状態が所定時間以上継続した場合に、前記荷重センサの出力値の校正または前記荷重センサの異常警報を行うことを特徴とする請求項1に記載の乗員検知装置。
- 前記乗員検知装置本体は、前記条件が成立し、さらに全荷重センサの出力値の総和が所定値以下の場合に、前記荷重センサの出力値の校正または前記荷重センサの異常警報を行うことを特徴とする請求項1に記載の乗員検知装置。
- 前記乗員検知装置本体は、前記条件が成立し、さらに全荷重センサの出力値の総和が所定値以下になるとともにその状態が所定時間以上継続した場合に、前記荷重センサの出力値の校正または前記荷重センサの異常警報を行うことを特徴とする請求項1に記載の乗員検知装置。
- 前記乗員検知装置本体は、前記条件が成立した場合、前記荷重センサの出力値がそれぞれ事前に定めた設定値の範囲内にあるときは前記荷重センサの出力値の校正を行い、前記荷重センサの出力値が前記設定値の範囲外にあるときは前記荷重センサの異常警報を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の乗員検知装置。
- 自動車用シートの座面部下方の前後左右に設けられ、前記シートの垂直方向に加わる荷重を検出する荷重センサと、
前記荷重センサの出力値を取り込み、該出力値に基づいて乗員の着座の有無および乗員の重量を判断する乗員検知装置本体と、
を備え、
前記乗員検知装置本体は、前記シートの垂直方向に荷重が加わっている状態で前記シートを前後方向に移動させた際に、該移動前後の前記荷重センサの出力値を取り込んで該移動前後の前記荷重センサの出力値の変化量を算出するとともに、前記荷重センサのうち対角線上に位置する2個の荷重センサを対とし、一方の対のそれぞれの荷重センサの出力値の変化量が共に正の所定値以上になり、かつ他方の対のそれぞれの荷重センサの出力値の変化量が共に負の所定値以下になる条件が成立した場合に、前記荷重センサの出力値の校正または前記荷重センサの異常警報を行うことを特徴とする乗員検知装置。 - 前記乗員検知装置本体は、前記条件が成立した場合、前記荷重センサの出力値の変化量がそれぞれ事前に定めた設定値の範囲内にあるときは前記荷重センサの出力値の校正を行い、前記荷重センサの出力値の変化量が前記設定値の範囲外にあるときは前記荷重センサの異常警報を行うことを特徴とする請求項6に記載の乗員検知装置。
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Cited By (3)
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WO2021020335A1 (ja) * | 2019-07-30 | 2021-02-04 | テイ・エス テック株式会社 | シート体験システム、シートユニットおよび車両 |
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-
2005
- 2005-03-09 JP JP2005065670A patent/JP2006250627A/ja not_active Withdrawn
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