JP2006249935A - ロケットエンジン、ロケットエンジンノズル - Google Patents

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Takumi Tokiyoshi
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Abstract

【課題】 エンジン本体側の金属部とノズルとに生じる熱応力を防止できるロケットエンジン等を提供することを目的とする。
【解決手段】 下部フランジ部22を有するエンジン本体12側の金属部21と、カーボン系材料でコーン型に形成されるとともに上部に下部フランジ部22に重ねられて連結される上部フランジ部28を有するノズル13とを備えるものであって、下部フランジ部22と上部フランジ部28とをこれらの半径方向の熱伸び差を許容しつつ軸線方向両側から挟持して連結させるクランプ機構30を具備する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ロケットエンジンに関し、特にノズルにカーボン系材料を用いたロケットエンジン等に関する。
ロケットエンジンのノズルとしては、従来金属製のものが用いられており、高温部には液体水素による再生冷却を行う構造となっている。このように液体水素による再生冷却を行うためには水素の供給構造が複雑になるとともに、ポンプの吐出のためのエネルギーを要するという問題があった。また低温部は、このような冷却を行わず単に金属板で形成されることになるが、その場合でも座屈防止のため板厚を薄くできず重量が増大してしまうという問題があった。
このため、エンジン本体側の金属部に対して、コーン型のノズルをカーボン/カーボン複合材料等のカーボン系材料で形成して取り付ける構造のロケットエンジンが開発されている(非特許文献1参照)。このロケットエンジンは、脆性材料からなり軽量かつ高強度で耐熱性の高いカーボン系材料でノズルを形成することで上記した問題を解決することができるものである。
R. A. Ellis, J. C. Lee, F. M. Payne, M. Lacoste, A. Lacombe, and P. Joyez、Development of a Carbon-Carbon Translating Nozzle Extension for the RL 10B-2 Liquid Rocket Engine、AIAA-1997-2672、33rd AIAA/ASME/SAE/ASEE Joint Propulsion Conference & Exhibit、American Institute of Aeronautics and Astronautics、July, 1997
ところで、カーボン系材料で形成されたノズルを、エンジン本体側の金属部へ取り付ける際に、従来は、図8(あるいは非特許文献1のFig8参照)に示すように、エンジン本体の金属部100の下部に下部フランジ部101を形成し、ノズル102の上部に上部フランジ部103を形成して、これらをボルト104およびナット105で締結する構造が考えられている。しかしながら、エンジン本体は冷却通路107を通る液体水素により冷却されているが、カーボン系材料からなるノズル102は冷却されていないためエンジン本体からの燃焼ガスで高温となり、ノズル102側からエンジン本体の金属部100側に熱の移動を生じてしまう。このようにエンジン本体側に熱の移動を生じると、カーボン系材料は金属に対して熱膨張率が小さいことから、下部フランジ部101と上部フランジ部103との間に熱伸び差が生じ、熱応力が生じてしまう。
また、図9に示すように、カーボン系材料でコーン型に形成されたノズル102を上部分割体108と下部分割体109とに分割し、飛行中に上部分割体108の下部接合部110と下部分割体109の上部接合部111とが重なり合う位置まで伸展機構112で上部分割体108に対して下部分割体109を移動させる伸展式とした場合には、伸展時に下部接合部110と上部接合部111とが接触して破損を生じることがないように、これら下部接合部110と上部接合部111との間にクリアランスを設ける必要がある。しかしながら、これらの間にクリアランスがあると、このクリアランス部分から燃焼ガスのリークが生じてしまう。これは、図10(非特許文献1のFig9)に示すように、伸展時に下部分割体109の上部接合部111の係合突起部114が上部分割体108の下部接合部110近傍の板バネ115を乗り越えることで上部分割体108の下部接合部110と下部分割体109の上部接合部111とを係合させるラッチ係合式とした場合でも同様である。
したがって、本発明は、エンジン本体側の金属部とノズルとに生じる熱応力を防止できるロケットエンジン、および伸展時に上部分割体および下部分割体の間にクリアランスを設けつつ伸展後の燃焼ガスのリークを防止できるロケットエンジンノズルの提供を目的とする。
本発明のロケットエンジは、下部に下部フランジ部を有するエンジン本体側の金属部と、カーボン系材料でコーン型に形成されるとともに上部に下部フランジ部に重ねられて連結される上部フランジ部を有するノズルとを備えてなるロケットエンジンであって、下部フランジ部と上部フランジ部とをこれらの半径方向の熱伸び差を許容しつつ軸線方向両側から挟持して連結させる連結手段を具備することを特徴としている。
これにより、エンジン本体側の金属部の下部フランジ部とカーボン系材料からなるノズルの上部フランジ部とを重ね、これらを連結手段で軸線方向両側から挟持して連結させると、下部フランジ部と上部フランジ部とがこれらの隙間からの燃焼ガスのリークを防止するように良好に連結される。しかも、この連結手段によってこれら下部フランジ部および上部フランジ部の半径方向の熱伸び差が許容される。
連結手段は、下部フランジ部の上側に配置される上板部と、上部フランジ部の下側に配置される下板部と、これら上板部および下板部を下部フランジ部および上部フランジ部の半径方向外側で連結させる連結部とを有する連結部材と、上板部と下板部とを下部フランジ部および上部フランジ部の半径方向外側で締結させる締結部材とを有する構成とすることができる。これにより、締結部材で連結部材の上板部と下板部とを締結させることで、下部フランジ部と上部フランジ部とをこれら上板部および下板部で軸線方向両側から挟持して連結させることになる。そして、これら上板部および下板部が、下部フランジ部および上部フランジ部の半径方向外側の連結部で連結されており、下部フランジ部および上部フランジ部の半径方向外側で締結部材により締結されているため、これら下部フランジ部および上部フランジ部の半径方向の熱伸び差を許容できる。
また、下部フランジ部と上部フランジ部との間にカーボン系材料よりも軟質な介在部を介在させることもできる。これにより、周方向の形状誤差等によって下部フランジ部に対し、硬いカーボン系材料からなる上部フランジ部が片当たりを生じようとしても、カーボン系材料よりも軟質な介在部が変形してこの片当たりを防止する。
本発明のロケットエンジンノズルは、カーボン系材料でコーン型に形成されるとともに上部分割体と下部分割体とに分割されたノズルと、上部分割体に対して下部分割体を移動させて、上部分割体の下部接合部と下部分割体の上部接合部との位置を合わせる伸展状態とする伸展機構とを有するロケットエンジンノズルであって、下部接合部と上部接合部との間のクリアランスを伸展後に調整するクリアランス調整手段を具備することを特徴としている。
これにより、伸展時には下部接合部と上部接合部とが接触して破損を生じることがないように下部接合部と上部接合部との間にクリアランスを設けても、伸展後にクリアランス調整手段によって、上部接合部と下部接合部との間のクリアランスをなくす。
下部接合部と上部接合部とをテーパ嵌め合いとし、クリアランス調整手段が伸展後のエンジン本体の作動状態に応じて伸展機構を調節することができる。このように、上部接合部と下部接合部とをテーパ嵌め合いとし、クリアランス調整手段がエンジン本体の作動状態に応じて伸展機構を調節するため、伸展時に下部接合部と上部接合部とが接触して破損を生じることがないように、上部分割体に対して下部分割体を移動させ、伸展後は、クリアランス調整手段が伸展機構を調節し、エンジン本体の作動状態つまり温度状況に応じて上部接合部と下部接合部との間のクリアランスをなくす。
クリアランス調整手段は、下部接合部と上部接合部との相対温度差を、伸展後に拡大させる相対温度差拡大手段を有する構成とすることができる。これにより、上部分割体の下部接合部と下部分割体の上部接合部の相対温度差が低い状態では下部接合部および上部接合部との間にクリアランスを設けておき、伸展後に相対温度差拡大手段で相対温度差を拡大させることで下部接合部の拡径および上部接合部の縮径の少なくともいずれか一方によって上部接合部と下部接合部との間のクリアランスをなくす。
相対温度差拡大手段は、下部接合部と上部接合部との間に設けられる断熱部と、下部接合部の上側かつ外側に設けられる低輻射率の低輻射部と、上部接合部の外側に設けられる放熱部と、のうちの少なくともいずれか一つを有するものとすることができる。これにより、下部接合部と上部接合部との間に断熱部を設ければ伸展後の燃焼ガスによる熱の下部接合部から上部接合部への放熱を抑制することができることから、下部接合部の温度を上昇させ、また上部接合部の温度上昇を抑えてこれらの相対温度差を拡大させることができる。また、下部接合部の上側かつ外側に低輻射部を設ければ、伸展後の燃焼ガスによる熱の下部接合部近傍から外部への放熱を抑制することができることから、下部接合部の温度を上昇させて下部接合部と上部接合部との相対温度差を拡大させることができる。さらに、上部接合部の外側に放熱部を設ければ、伸展後の燃焼ガスによる熱の上部接合部近傍から外部への放熱を促進することができることから、上部接合部の温度上昇を抑制して下部接合部と上部接合部との相対温度差を拡大させることができる。
また、クリアランス調整手段は、下部接合部の外側に設けられ、温度上昇で径方向に拡大する拡大手段とすることができる。これにより、燃焼ガスが発生していない伸展時には、下部接合部および上部接合部の間にクリアランスを設けておき、伸展後に燃焼ガスが発生してクリアランスからリークしようとするとその温度で拡大手段が径方向に拡大して上部接合部と下部接合部との間のクリアランスをなくす。
本発明によれば、ノズル側からエンジン本体側に熱の移動を生じ、下部フランジ部と上部フランジ部との間に熱伸び差が生じたとしても、連結手段がこの熱伸び差を許容するため、これらの間に生じる熱応力を防止できる。
また、本発明によれば、伸展後に相対温度差拡大手段で相対温度差を拡大させることで、伸展時に上部分割体および下部分割体の間にクリアランスを設けつつ伸展後にクリアランスをなくして燃焼ガスのリークを確実に防止することができる。
本発明の第1実施形態を図1〜図5を参照して以下に説明する。
図1は、ロケットエンジン11を示すもので、エンジン本体12の下側にエンジン本体12から放出される燃焼ガスを案内するノズル13が取り付けられている。このロケットエンジン11は、例えば第2段エンジンであり、飛行中に切り離された前段のエンジンに替わって推進力を発生させるものである。
エンジン本体12はニッケル超合金等の金属を主体として形成されており、ノズル13は、カーボン/カーボン複合材(カーボン系材料)で、一端側が小径で他方側に行くほど徐々に拡径するコーン型に形成されている。ノズル13は、小径側の上部分割体16と大径側の下部分割体17とに分割されており、これらは伸展機構18によって連結されている。この伸展機構18によって、上部分割体16および下部分割体17は、互いに軸線方向の位置を重ね合わせる格納状態(図1において実線で示す上部分割体16および二点鎖線で示す下部分割体17参照)から互いに軸線方向の位置をずらして全体として長いコーン型となる伸展状態(図1において実線で示す上部分割体16および下部分割体17参照)まで切り替えられる。
エンジン本体12のノズル13が取り付けられるその下部は、金属からなる金属部21とされている。この金属部21の下端部には、図2に示すように、円環状をなして半径方向外方に延出する下部フランジ部22が形成されており、この下部フランジ部22の内径側に入り込むようにエンジン本体12の冷却用の液体水素を流す冷却通路23が金属部21まで形成されている。また、下部フランジ部22の下面22aには半径方向の中間位置に環状のシール溝24が上方に凹むように形成されている。このシール溝24にはカップシール25が配置されている。
ノズル13の上部分割体16の上端部には、円環状をなして半径方向外方に延出する上部フランジ部28が形成されている。ここで、この上部フランジ部28はその上面28aにおいて下部フランジ部22の下面22aに重ねられるもので、その外径は上記した下部フランジ部22の外径とほぼ等しくされている。
そして、ノズル13の金属部21への取付時には、シール溝24にカップシール25が配置された状態の金属部21の下部フランジ部22に、カーボン/カーボン複合材よりも軟質な石綿等のパッキンからなる円環状の介在部29を介在させて、ノズル13の上部フランジ部28が半径方向の位置を合わせて重ねられることになり、このように重ねられた態で、下部フランジ部22と上部フランジ部28とにおいて金属部21とノズル13とがクランプ機構(連結手段)30で連結される。
このクランプ機構30は、下部フランジ部22の上側に全周にわたって配置される円環状の上板部33と、上部フランジ部28の下側に全周にわたって配置される円環状の下板部34と、これら上板部33および下板部34を下部フランジ部22および上部フランジ部28の半径方向外側で連結させる円環状の連結部35とを有する連結部材36と、上板部33と下板部34とを下部フランジ部22および上部フランジ部28の半径方向外側で締結させるボルト(締結部材)39およびナット(締結部材)40とを有している。
このクランプ機構30は、ボルト39およびナット40による上板部33および下板部34への締結力を上げることで、下部フランジ部22と上部フランジ部28とを上板部33および下板部34とで軸線方向両側から挟持して連結させることになる。ここで、連結部材36の連結部35およびボルト39が下部フランジ部22および上部フランジ部28の半径方向外側の外端面22b,28bから半径方向外側に離間しており、その結果、クランプ機構30は、下部フランジ部22および上部フランジ部28の半径方向の熱伸び差を許容するようになっている。
なお、図示は略すが、クランプ機構30は、下部フランジ部22および上部フランジ部28への取り付けのために円周方向で複数に分割されており、下部フランジ部22および上部フランジ部28への取り付け後に円周方向に隣り合うもの同士が連結される。ここで、クランプ機構30には、全周の均等な三カ所以上の位置に、ボルト39およびナット40が設けられており、均等な挟み込み効果が得られるようになっている。また、クランプ機構30には、図示は略すが、全周の均等な三カ所以上の位置に、下部フランジ部22および上部フランジ部28の中心軸線を合わせるセンタ保持機構と、下部フランジ部22および上部フランジ部28の中心軸線周りの相互回転を規制する回転規制機構とが設けられている。
上記したように、クランプ機構30においてボルト39およびナット40で連結部材36の上板部33と下板部34とを締結させることで、下部フランジ部22と上部フランジ部28とを上板部33および下板部34で軸線方向両側から挟持して連結させることになる。そして、これら上板部33および下板部34が、下部フランジ部22および上部フランジ部28の半径方向外側の連結部35で連結されており、下部フランジ部22および上部フランジ部28の半径方向外側でボルト39およびナット40により締結されているため、クランプ機構30は、これら下部フランジ部22および上部フランジ部28の半径方向の熱伸び差を許容できる。これにより、燃焼ガスを受けるカーボン/カーボン複合材からなるノズル13側からエンジン本体12側の金属部21に熱の移動を生じ、下部フランジ部22と上部フランジ部28との間に熱伸び差が生じたとしても、クランプ機構30がこの熱伸び差を許容するため、これらの間に生じる熱応力を防止できる。
また、クランプ機構30が上板部33、下板部34および連結部35を有する連結部材36とボルト39およびナット40とを有しているため、簡素な構造になる。なお、図3に示すように、上記したクランプ機構30に換えて、下部フランジ部22と上部フランジ部28とにそれぞれ貫通孔(連結手段)44,45を形成し、これら貫通孔44,45に挿通されるボルト(連結手段)46およびナット(連結手段)47の締結で下部フランジ部22と上部フランジ部28とを連結させても良い。この場合、貫通孔44,45とボルト46との隙間に下部フランジ部22と上部フランジ部28との間の熱伸び差を許容する隙間を設けることになる。
加えて、周方向の形状誤差等によって下部フランジ部22に対して、硬いカーボン/カーボン複合材からなる上部フランジ部28が片当たりを生じようとしても、カーボン/カーボン複合材よりも軟質な介在部29が変形して片当たりを防止することができる。よって、上部フランジ部28側に生じる破損を防止できる。また、介在部29に断熱性を持たせることで、エンジン本体12とノズル13との間の伝熱を抑制し、冷却されるエンジン本体12に近い側の部分と燃焼ガスで高温となる先端側とでノズル13内に大きな温度差が生じること、および燃焼ガスの温度がノズル13側から伝わることでエンジン本体12の温度が上がることを防ぐことができる。さらに、介在部29にシール性を持たせることで燃焼ガスのリークを防止できる。
なお、介在部29として、下部フランジ部22の下面22aまたは上部フランジ部28の上面28aにカーボン/カーボン複合材よりも軟質な金属例えば純ニッケルあるいはオーステナイト系ステンレス等を、メッキあるいは溶射等の表面処理により円環状に形成しても、片当たりおよびリークを防止することができる。また、介在部29として、カーボン/カーボン複合材よりも軟質な多孔質セラミック層等を設けても、片当たりを防止することができ、断熱性も得られる。
図1に示すように、ノズル13の下部分割体17は、上述したように、伸展機構18によって、上部分割体16に対し外側にあって軸線方向の位置を重ね合わせる格納状態から軸線方向の位置をずらして全体として長いコーン型となる伸展状態とされる。ここで、ノズル13は、前段のエンジンで推進力を発生させている状態では格納状態とされ、飛行中に前段のエンジンから切り離されると、伸展状態となり、この状態でエンジン本体12が推進力を発生させることになる。
伸展機構18は、エンジン本体12側から延出するとともに延出長さが変更制御される複数のロッド51を有しており、これらのロッド51の先端に下部分割体17が上部分割体16と中心軸線を合わせた状態で取り付けられている。ここで、伸展状態にあるとき、図4に示すように、上部分割体16の大径側の下部接合部52と下部分割体17の小径側の上部接合部53とが軸線方向における位置を重ね合わせることになる。なお、ロッド51が取り付けられる下部分割体17の上部接合部53は、軸線方向に沿う円筒状をなしている。
そして、上部分割体16の下部接合部52と下部分割体17の上部接合部53との間のクリアランスを、衝突する可能性がある伸展時において設け、伸展後においてはなくすように調整する。
具体的に、下部接合部52の外側に下方ほど大径となる外テーパ面52aを形成し、上部接合部53の下部内側にも外テーパ面52aと同じ割合で下方ほど大径となる内テーパ面53aを形成して、これら下部接合部52の外テーパ面52aと上部接合部53の内テーパ面53aとをテーパ嵌め合いとする。
そして、図示略の制御部(クリアランス調整手段)が、伸展後のエンジン本体12の作動状態に応じて伸展機構18のロッド51を調節する。つまり、制御部は、伸展時には、外テーパ面52aおよび内テーパ面53aの面圧が、それ以下であればノズル13に破損を生じないと判断できる所定値以下の範囲で接触させる。その後は、エンジン本体12の作動状態に応じてノズル13の温度を推定し、面圧が、それ以上ならリークを生じないと判断できる小側の所定値以上とし、それ以下ならノズル13に破損を生じないと判断できる大側の所定値以下になるようにロッド51の延出量を例えば予め設定されたマップ等にしたがって調整する。
このように、下部接合部52と上部接合部53とをテーパ嵌め合いとし、伸展時に伸展機構18を調節して下部接合部52と上部接合部53とが面圧過大で接触して破損を生じることがない範囲で上部分割体16に対して下部分割体17を移動させ、伸展後は、制御部がエンジン本体12の作動状態に応じて、伸展機構18を調節し、リークを生じることがなく、しかもノズル13に破損を生じない状態を維持するように制御する。これにより、伸展後にクリアランスをなくして燃焼ガスのリークを確実に防止することができる。
なお、図5に示すように、上部分割体16の下部接合部52の外端を軸線方向に沿う円筒面52bとするとともに、全体としてコーン型をなすために下部接合部52に形成された、円筒面52bよりも上側のテーパ面52cを利用して、下部分割体17の上部接合部53の内側にこのテーパ面52cと同じ割合で下方ほど大径となる内テーパ面53cを形成するようにして、テーパ面52cと内テーパ面53cとをテーパ嵌め合いとするようにしても良い。この場合、上部接合部53の内テーパ面53cよりも下側に軸線方向に沿う円筒面53dを形成して上部接合部53を段付き形状としており、下部接合部52の円筒面52bと上部接合部53の円筒面53dとの間にクリアランスを設けている。
本発明の第2実施形態を図6を参照して以下に第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
第2実施形態では、下部接合部52と上部接合部53との間のクリアランスを伸展後にで調整するために、下部接合部52と上部接合部53との相対温度差を、伸展時に対して伸展後に拡大するようになっている。
つまり、上部分割体16の下部接合部52の外端を軸線方向に沿う円筒面52bとするとともに、ロッド51が取り付けられる下部分割体17の上部接合部53を軸線方向に沿う円筒状としている。そして、下部接合部52の円筒面52bと伸展時にこれと軸線方向における位置が合う上部接合部53の軸線方向に沿う内面53eとのうちのいずれか一方に断熱材が貼付されることで円環状の断熱部(クリアランス調整手段,相対温度差拡大手段)56が形成されている。つまり、下部接合部52と上部接合部53との間に断熱部56が設けられている。また、下部接合部52の上側かつ外側のテーパ面52cに円筒面52bに隣接してメッキ加工あるいは断熱材の貼付等で低輻射率の低輻射部(クリアランス調整手段,相対温度差拡大手段)57がテーパ状に設けられている。さらに、上部接合部53の外側に、全体として円環状をなすとともに軸線方向に沿いかつ半径方向に沿って突出するフィン58が円周方向に多数形成された放熱部(クリアランス調整手段,相対温度差拡大手段)59が取り付けられている。これら断熱部56、低輻射部57および放熱部59は、下部接合部52と上部接合部53との相対温度差を、伸展時に対して伸展後に拡大するものである。
つまり、下部接合部52と上部接合部53との間に設けられた断熱部56は、伸展後の燃焼ガスによる熱の下部接合部52から上部接合部53への放熱を抑制することができることから、下部接合部52の温度を上昇させ、また上部接合部53の温度上昇を抑えてこれらの相対温度差を拡大させることになる。また、下部接合部52の上側かつ外側に設けられた低輻射部57は、伸展後の燃焼ガスによる熱の下部接合部52近傍から外部への放熱を抑制することができることから、下部接合部52の温度を上昇させて下部接合部52と上部接合部53との相対温度差を拡大させることになる。さらに、上部接合部53の外側に設けられた放熱部59は、伸展後の燃焼ガスによる熱の上部接合部53近傍から外部への放熱を促進することができることから、上部接合部53の温度上昇を抑制して下部接合部52と上部接合部53との相対温度差を拡大させることになる。
そして、上記のように、断熱部56、低輻射部57および放熱部59によって、下部接合部52と上部接合部53との相対温度差を、伸展時に対して伸展後に拡大する。これにより、上部分割体16の下部接合部52と下部分割体17の上部接合部53との相対温度差が低い伸展時には、下部接合部52および上部接合部53の間にクリアランスを設けておき、伸展後に、断熱部56、低輻射部57および放熱部59で相対温度差を拡大させることで熱伸びによる下部接合部52の拡径および上部接合部53の縮径によって上部接合部53と下部接合部52との間のクリアランスをなくす。これにより、伸展後に相対温度差を拡大させることで、伸展時に上部分割体16および下部分割体17の間にクリアランスを設けしつつ伸展後にクリアランスをなくして燃焼ガスのリークを確実に防止することができる。しかも、簡素な構造で下部接合部52と上部接合部53との相対温度差を拡大できる。なお、断熱部56、低輻射部57および放熱部59の三つを適用するのではなく、これらの中から選択的に一つあるいは二つを適用しても良い。
本発明の第3実施形態を図7を参照して以下に第2実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第2実施形態と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
下部接合部52の外端の円筒面52bに、温度上昇で径方向に拡大するバイメタルあるいは形状記憶合金等からなる円環状のばねシール(クリアランス調整手段,拡大手段)62を取り付ける。ばねシール62は、円筒面52bの外側に配置される軸線方向に沿う円筒部63と円筒部63の上端縁部から下側ほど大径となるように傾斜するテーパ部64とを有している。
これにより、燃焼ガスが発生していない伸展時に、ばねシール62は、図7(a)に示すようにテーパ部64が円筒部63に近接する収縮状態にあり、下部接合部52および上部接合部53の間にクリアランスを設けることになり、伸展後に燃焼ガスが発生してクリアランスからリークしようとすると、その温度で、図7(b)に示すようにテーパ部64が円筒部63から離間し半径方向に拡大する状態となり、上部接合部53と下部接合部52との間のクリアランスをなくす。これによっても、伸展時に上部分割体16および下部分割体17の間にクリアランスを設けつつ伸展後にクリアランスをなくして燃焼ガスのリークを確実に防止することができる。
本発明の第1実施形態のロケットエンジンを示す正面図である。 本発明の第1実施形態のロケットエンジンの要部を示す拡大断面図である。 本発明の第1実施形態のロケットエンジンの要部の変形例を示す拡大断面図である。 本発明の第1実施形態のロケットエンジンの別の要部を示す拡大断面図である。 本発明の第1実施形態のロケットエンジンの別の要部の変形例を示す拡大断面図である。 本発明の第2実施形態のロケットエンジンの要部を示す拡大断面図である。 本発明の第3実施形態のロケットエンジンの要部を示す拡大断面図である。 従来のロケットエンジンの要部を示す拡大断面図である。 ロケットエンジンの別の要部を示す拡大断面図である。 ロケットエンジンの別の要部の変形例を示す拡大断面図であって、(a)は係合直前の状態を、(b)は係合途中の状態を、(c)は係合状態を示すものである。
符号の説明
11…ロケットエンジン、12…エンジン本体、13…ノズル、16…上部分割体、17…下部分割体、18…伸展機構、21…金属部、22…下部フランジ部、28…上部フランジ部、29…介在部、30…クランプ機構(連結手段)、33…上板部、34…下板部、35…連結部、36…連結部材、39…ボルト(締結部材)、40…ナット(締結部材)、44…貫通孔(連結手段)、45…貫通孔(連結手段)、46…ボルト(連結手段)、47…ナット(連結手段)、52…下部接合部、53…上部接合部、56…断熱部(クリアランス調整手段,相対温度差拡大手段)、57…低輻射部(クリアランス調整手段,相対温度差拡大手段)、59…放熱部(クリアランス調整手段,相対温度差拡大手段)、62…ばねシール(クリアランス調整手段,拡大手段)

Claims (8)

  1. 下部に下部フランジ部を有するエンジン本体側の金属部と、
    カーボン系材料でコーン型に形成されるとともに上部に前記下部フランジ部に重ねられて連結される上部フランジ部を有するノズルとを備えてなるロケットエンジンであって、
    前記下部フランジ部と前記上部フランジ部とをこれらの半径方向の熱伸び差を許容しつつ軸線方向両側から挟持して連結させる連結手段を具備することを特徴とするロケットエンジン。
  2. 前記連結手段は、
    前記下部フランジ部の上側に配置される上板部と、前記上部フランジ部の下側に配置される下板部と、これら上板部および下板部を前記下部フランジ部および前記上部フランジ部の半径方向外側で連結させる連結部とを有する連結部材と、
    前記上板部と前記下板部とを前記下部フランジ部および前記上部フランジ部の半径方向外側で締結させる締結部材とを有することを特徴とする請求項1記載のロケットエンジン。
  3. 前記下部フランジ部と前記上部フランジ部との間に前記カーボン系材料よりも軟質な介在部を介在させていることを特徴とする請求項1または2記載のロケットエンジン。
  4. カーボン系材料でコーン型に形成されるとともに上部分割体と下部分割体とに分割されたノズルと、
    前記上部分割体に対して前記下部分割体を移動させて、前記上部分割体の下部接合部と前記下部分割体の上部接合部との位置を合わせた伸展状態とする伸展機構とを有するロケットエンジンノズルであって、
    前記下部接合部と前記上部接合部との間のクリアランスを伸展後に調整するクリアランス調整手段を具備することを特徴とするロケットエンジンノズル。
  5. 前記下部接合部と前記上部接合部とをテーパ嵌め合いとし、前記クリアランス調整手段が伸展後のエンジン本体の作動状態に応じて前記伸展機構を調節することを特徴とする請求項4記載のロケットエンジンノズル。
  6. 前記クリアランス調整手段は、前記下部接合部と前記上部接合部との相対温度差を、伸展後に拡大させる相対温度差拡大手段を有することを特徴とする請求項4記載のロケットエンジンノズル。
  7. 前記相対温度差拡大手段は、前記下部接合部と前記上部接合部との間に設けられる断熱部と、前記下部接合部の上側かつ外側に設けられる低輻射率の低輻射部と、前記上部接合部の外側に設けられる放熱部と、のうちの少なくともいずれか一つを有することを特徴とする請求項6記載のロケットエンジンノズル。
  8. 前記クリアランス調整手段は、前記下部接合部の外側に設けられ、温度上昇で径方向に拡大する拡大手段であることを特徴とする請求項4記載のロケットエンジンノズル。
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