JP2006249856A - 擁壁模型装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、設計者が擁壁の構造を設計するに当たって、擁壁の挙動を模型を使って具体的且つ簡便に再現して擁壁の構造設計の要点を知得出来る擁壁模型装置及び擁壁学習方法を提供することを可能にすることを目的としている。
【解決手段】 少なくとも側壁が透明体からなる箱体2の内壁の一辺の長さに対応する幅を有する擁壁体3を箱体2の内部に遊動自在に嵌入し、該擁壁体3により仕切られた箱体2の一方側の内部に粒状体4を充填し、該粒状体4の上部に重錘体5を載置した構成であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、擁壁を介してその両側に段差のある土地の断面構造を視覚的に提示する擁壁模型装置及び擁壁学習方法に関するものである。
従来、段差のある土地に設置する擁壁の構造を設計する場合、設計者は文章や図による解説書を使って、擁壁の構造(形状や寸法)による安定性の差異を理解した後に擁壁の構造設計を行っているのが現状である。
一方、擁壁の設計支援システムとしては、特開2001-090093号公報(特許文献1)、特開2001-200547号公報(特許文献2)等により提案されたものもある。
特開2001−090093号公報 特開2001−200547号公報
しかしながら、前述の従来例において、文章や図による解説書では擁壁の安定性を欠く具体的な挙動、つまり擁壁の転倒、沈下、滑動、破壊等の動きが無く、それ等の挙動の現象をイメージし難いため安定性の実態が理解し難い。また、上記特許文献1,2の技術を用いても擁壁の安定性を欠く具体的な挙動を容易にイメージすることが困難であった。
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、設計者が擁壁の構造を設計するに当たって、擁壁の挙動を模型を使って具体的且つ簡便に再現して擁壁の構造設計の要点を知得出来る擁壁模型装置及び擁壁学習方法を提供せんとするものである。
前記目的を達成するための本発明に係る擁壁模型装置の第1の構成は、擁壁を介してその両側に段差のある土地の断面構造を視覚的に提示する擁壁模型装置であって、箱体と、前記箱体の内壁の一辺の長さに対応する幅を有して該箱体の内部に遊動自在に嵌入される擁壁体と、前記擁壁体により仕切られた前記箱体の一方側の内部に充填される粒状体と、前記粒状体の上部に載置される重錘体とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る擁壁模型装置の第2の構成は、前記第1の構成において、前記箱体の少なくとも側壁が透明体であることを特徴とする。
また、本発明に係る擁壁模型装置の第3の構成は、前記第1の構成において、前記粒状体の上部に載置される重錘体を有することを特徴とする。
また、本発明に係る擁壁模型装置の第4の構成は、前記第1の構成において、前記擁壁体は、片持ち梁式擁壁を模した水平片と起立片とを有し、前記水平片と前記起立片との接合部が繰り返し着脱可能に構成されたことを特徴とする。
また、本発明に係る擁壁模型装置の第5の構成は、前記第4の構成において、前記起立片が前記水平片の任意の位置に接合可能に構成されたことを特徴とする。
また、本発明に係る擁壁模型装置の第6の構成は、前記第1の構成において、前記擁壁体は、重力式擁壁を模した積層ブロック体を有することを特徴とする。
また、本発明に係る擁壁学習方法の第1の構成は、高低差のある土地に築造される擁壁の挙動を視覚的に提示する擁壁学習方法であって、上記擁壁模型装置の第1〜第6の構成の擁壁体を用いて該擁壁体の挙動を学習することを特徴とする。
また、本発明に係る擁壁学習方法の第2の構成は、高低差のある土地に築造される擁壁の挙動を視覚的に提示する擁壁学習方法であって、かさ比重と粒径が略同じで、表面形状または表面摩擦係数が異なる複数種類の粒状体を用意し、箱体の内部に、該箱体の内壁の一辺の長さに対応する幅を有する擁壁体を遊動自在に嵌入し、該擁壁体により仕切られた前記箱体の一方側の内部に前記粒状体を選択的に充填して前記擁壁体の挙動を比較することを特徴とする。
また、本発明に係る擁壁学習方法の第3の構成は、前記第1、第2の構成において、前記擁壁体は水平片と起立片とを有し、該水平片の載置面よりも下方の層構成を変化させて該擁壁体の挙動を比較することを特徴とする。
また、本発明に係る擁壁学習方法の第4の構成は、前記第1、第2の構成において、形状が異なる複数種類の擁壁体を用意し、該擁壁体を選択的に用いて該擁壁体の挙動を比較することを特徴とする。
本発明に係る擁壁模型装置の第1の構成によれば、箱体の内部に遊動自在に嵌入された擁壁を模した擁壁体が土壌を模した粒状体により押圧される際の挙動を視認することで擁壁の安定性を欠く挙動が模型で具体的に例示され、設計者が擁壁の構造設計の要点を簡便に理解することが出来る。
また本発明に係る擁壁模型装置の第2の構成によれば、箱体の少なくとも側壁が透明体であることから擁壁が転倒、沈下、滑動、破壊に至るまでの擁壁の動きを側断面で視認することが出来る。
また本発明に係る擁壁模型装置の第3の構成によれば、建物を模した重錘体の荷重を受けた土壌を模した粒状体により擁壁を模した擁壁体が押圧される際の挙動を視認することが出来る。
また本発明に係る擁壁模型装置の第4の構成によれば、断面L字形状や断面逆T字形状等の片持ち梁式擁壁を模した水平片と起立片との接合部が繰り返し着脱可能に構成されたことで、片持ち梁式擁壁を模した擁壁体が水平片と起立片との接合部において破壊した挙動を視認した後に、再度、水平片と起立片とを接合して繰り返し学習することが出来る。水平片と起立片との接合部を繰り返し着脱可能に構成する場合、面ファスナーを水平片と起立片とに設けて着脱可能に構成することが出来る。
また本発明に係る擁壁模型装置の第5の構成によれば、片持ち梁式擁壁を模した擁壁体の起立片が水平片の任意の位置に接合可能に構成されたことで、起立片の水平片に対する位置を所望の位置に変更して片持ち梁式擁壁を模した擁壁体の形状を任意に変更することが出来る。起立片を水平片の任意の位置に接合可能に構成する場合、面ファスナーを水平片と起立片とに設けて着脱可能に構成することが出来る。
また本発明に係る擁壁模型装置の第6の構成によれば、重力式擁壁を模した積層ブロック体を有する擁壁体としたことで、重力式擁壁を模した擁壁体が地盤を模した粒状体により押圧される際の挙動を視認することで擁壁の安定性を欠く挙動が模型で具体的に例示され、併せて擁壁を安定させるために擁壁に傾斜を設けた際に生まれる擁壁近傍のデッドエリア(上部地盤面と連続した水平な面が形成されず有効利用出来ない領域)も視認することが出来るので、設計者が擁壁の構造設計の要点を簡便に理解することが出来る。
また本発明に係る擁壁学習方法の第1の構成によれば、上記擁壁模型装置を利用して設計者が擁壁の構造設計の要点を簡便に理解することが出来る。
また本発明に係る擁壁学習方法の第2の構成によれば、かさ比重と粒径が略同じで表面形状または表面摩擦係数が異なる複数種類の粒状体を用意したことで、異なる複数種類の粒状体毎に擁壁体の挙動の違いを理解することが出来る。
また本発明に係る擁壁学習方法の第3の構成によれば、片持ち梁式擁壁を模した擁壁体の水平片の下方の層構成を変化させることで、片持ち梁式擁壁の転倒、沈下、滑動、破壊のメカニズムを最適に視認出来る層構成を適宜選択することが出来る。
また本発明に係る擁壁学習方法の第4の構成によれば、形状が異なる複数種類の擁壁体を用意したことで、形状が異なる複数種類の擁壁体毎に該擁壁体の挙動の違いを理解することが出来る。
図により本発明に係る擁壁模型装置及び擁壁学習方法の一実施形態を具体的に説明する。図1は本発明に係る擁壁模型装置の一例を示す斜視図、図2は片持ち梁式擁壁を模した擁壁体が転倒する様子を示す図、図3は片持ち梁式擁壁を模した擁壁体が沈下する様子を示す図、図4は片持ち梁式擁壁を模した擁壁体が滑動する様子を示す図、図5は片持ち梁式擁壁を模した擁壁体が破壊する様子を示す図、図6は片持ち梁式擁壁を模した擁壁体の他の構成を示す断面図、図7は片持ち梁式擁壁を模した擁壁体の水平片と起立片との接合部を着脱可能に構成した一例を示す図、図8は重力式擁壁を模した擁壁体の様子を示す図である。
図1において、1は擁壁を介してその両側に段差のある土地の断面構造を視覚的に提示するための擁壁模型装置である。2は少なくとも側壁が透明体からなる箱体であり、本実施形態では透明なアクリル板を接着して上部が開口した矩形の6面体からなる。アクリル板の板厚は2mm〜5mm程度が好ましい。尚、透明体の材質はポリカーボネイトやガラス等でも良い。
3は箱体2の内壁の一辺の長さに対応する幅を有して該箱体2の内部に遊動自在に嵌入される片持ち梁式擁壁を模した擁壁体である。擁壁体3は設計する擁壁の長手方向の一部を切り取って縮小した模型であり、図1〜図5に示すように、断面L字形状の擁壁体3、或いは図6(a)及び図7に示すように、断面L字形状の擁壁体3の水平片3cの底部に滑動防止用の突起部3a、或いは擁壁体3の角部に転倒防止用の突起部3bを設けたもの、或いは図6(b)に示すように、断面逆T字形状の擁壁体3が適宜使用出来る。
擁壁体3の幅(擁壁体3の長手方向の長さ)は箱体2の一辺の内側寸法よりも若干小さい寸法に設定されており、擁壁体3が箱体2の内側に嵌合挿入されて該箱体2の内部を区画する隔壁を形成する。擁壁体3の縮尺は実物の擁壁の1/30〜1/5程度が好ましく、擁壁体3の材質としては木材、樹脂、金属、厚紙等が適宜適用出来る。
擁壁体3により仕切られた箱体2の一方側の内部には土壌を模した粒状体4が充填される。粒状体4の材質としてはガラス、樹脂、金属、砂礫等が適宜適用出来る。樹脂の一例としてはアクリルが好適である。粒状体4の形態としては球形や多面体等のビーズ状が好ましく、また粒径は直径1mm〜5mm程度が好ましい。粒状体4の直径が0.5mm程度の樹脂製ビーズではアクリル板からなる箱体2との間に静電気力が発生して実験の操作性が悪く、箱体2の壁面に付着してしまい回収に手間がかかるという問題がある。従って、粒状体4は箱体2と擁壁体3との間に入り込まない径であることが好ましく、樹脂製の粒状体4の場合は静電気力が重力に勝って他の樹脂製品に付着しない径であることが好ましい。
粒状体4は、例えば、かさ比重と粒径が略同じで、表面形状或いは表面摩擦係数が異なる複数種類の粒状体4を用意しておき、それ等の粒状体4を適宜選択的に箱体2内に充填して擁壁体3の挙動を比較することが出来る。ここで、粒状体4のかさ比重が同じとは粒径及び隙間が略同じ条件であることを言う。また粒状体4の表面形状が異なるとは球状や多面体、或いは球状の表面に所定の加工を施したもの等の表面形状の違いを言う。また粒状体4の表面摩擦係数が異なるとは表面に滑動性や粘着性の物質を付着させる等して滑動性や粘着性を有する違いを言う。これにより、擁壁に載置される土壌の種類の違いが擁壁に与える影響を理解することが出来る。具体的には摩擦力(内部摩擦角)の小さな砂質土のほうが粘性土よりも擁壁を水平に押す力(土圧)が大きく滑動、転倒、沈下に対して不利になるということが容易に理解出来る。
また片持ち梁式擁壁を模した擁壁体3の水平片3cの載置面よりも下方の層構成を変化させて該擁壁体3の挙動の違いを比較することが出来る。即ち、図1では、箱体2の内部に発泡スチロール等の基材7を敷設し、更に基材7の上部に表面の摩擦係数が小さい樹脂製のプレート12を敷設し、更にプレート12の上部に粒状体4を敷設した層構成の一例である。プレート12の代わりに樹脂製のシートであっても良い。図2、図4及び図5では基材7上に直に擁壁体3の水平片3cを載置し、該基材7上に粒状体4を敷設した層構成の一例である。
図4に示すように、擁壁体3の水平片3cの載置面の下層を比較的硬質な発泡スチロールとすることで擁壁体3の沈下を抑えて滑動を容易に発現することが出来、擁壁の滑動の挙動を把握することが出来る。更に摩擦係数の小さいプレートを発泡スチロールの上に敷設することにより繰り返しの学習においても滑動性を維持することが出来る。また、プレート12を例えば表面が粗く摩擦係数の大きなものに置き換えて学習することにより、図2に示すように、擁壁体4の滑動の発現が抑えられ転倒の挙動を把握することが容易に出来る。
図3は基材7を省略して箱体2の内部に直に粒状体4を敷設した層構成の一例である。このように擁壁体3の水平片3cの載置面の下層を重量のある固体が潜り込みやすい層構成とすることで、擁壁体3の沈下の挙動を発現し、例えば軟弱地盤上に構築された擁壁の沈下の様子が分かり易く視認出来る。
擁壁体3により仕切られた箱体2の一方側の内部に充填された粒状体4の上部には建物を模した重錘体5を載置することが出来る。重錘体5は粒状体4よりもかさ比重が大きく、1辺が10mm〜30mmの立方体で構成され、材質としては金属、樹脂、或いは木材が好適である。同一条件の擁壁模型装置1で重錘体5を載置しない場合と載置した場合とを比較することにより、建物等の上載荷重の影響により土圧が増加して転倒に対しては不利になり、上載荷重が擁壁の上部に近い位置に載置された場合には滑動や沈下に対しても不利になるということが理解出来る。
図2は擁壁体3が転倒する様子を示し、先ず、図2(a)に示すように、箱体2内に断面L字形状の擁壁体3を起立させ、次に図2(b)に示すように、擁壁体3の水平片3c側に粒状体4を充填していく。粒状体4が増加すると、該粒状体4の重量により擁壁体3の起立片3dを水平方向に押圧する力(主働土圧に相当する力)による左回りのモーメントが増加して擁壁体3はつま先部分を支点として左方向に回転を開始する。(図2(b)参照)。このとき、指で擁壁体3の起立片3dを図2(b)の右側方向に押さえて支えることで主働土圧によるモーメントを実感することも出来る。
図2(c)は、その後、該擁壁体3が転倒し、土壌を模擬した粒状体4が崩れ出す様子を示す。擁壁体3の底版となる水平片3cの長さが十分でないため、図2のつま先まわりのモーメントを考えた場合、擁壁体3の水平片3cの自重及び水平片3cの上部に載置された粒状体4の重量による右回りのモーメントよりも、水平片3cの上部に載置された粒状体4が擁壁体3の起立片3dを水平方向に押圧する力による左回りのモーメントが勝り、擁壁体3が転倒する様子が視認出来る。
尚、転倒を発現しやすくするするには、前述の通り、表面の形状や仕上げが滑らかで相互に働く摩擦が小さな粒状体4を選択して左まわりの擁壁体3を転倒させる方向に働くモーメントを大きくしたり、擁壁体3の水平片3cの載置面を粗い仕上げにするなどして擁壁体3の水平片3cとその載置面に働く摩擦力を大きくすると良い。
図3は擁壁体3が沈下する様子を示し、先ず、図3(a)に示すように、箱体2内に敷設した粒状体4上に断面L字形状の擁壁体3を起立させ、次に図3(b)に示すように、擁壁体3の水平片3c側に粒状体4を充填していく。粒状体4が増加すると、該粒状体4の重量が擁壁体3の水平片3cに作用して擁壁体3を下方に押圧する力とともに起立片を側方に押圧する力が作用し、この2つの力により支持地盤を模擬した擁壁体3の下部層に敷設された粒状体4には特につま先部分に大きな圧力(接地圧)が加わる。そして、粒状体はこの圧力に屈し、つま先部分から沈下が始まる(図3(b)参照)。尚、沈下を発現しやすくするためには表面の形状や仕上げが滑らかで相互に働く摩擦が小さな粒状体4を選択すると良い。
図4は擁壁体3が滑動する様子を示し、先ず、図4(a)に示すように、箱体2内に断面L字形状の擁壁体3を起立させて仮支持部材6により擁壁体3を仮支持した状態で該擁壁体3の水平片3cと反対側に粒状体4を充填していく。粒状体4が増加すると、該粒状体4の荷重により擁壁体3の起立片3dが押圧され、仮支持部材6を退避させて擁壁体3の支持を解除すると擁壁体3は図4(b)の左方向に動き出す。このとき、指で擁壁体3の起立片3dを水平方向に押さえて支えることで主働土圧を実感することも出来る。
また擁壁体3の底版を模擬した水平片3cの面積を大きくすると、底版を模擬した水平片3cと、土を模擬した粒状体4との間に発生する摩擦力が大きくなり擁壁体3の滑動を防止することが可能であるということも学習出来る。
図5は擁壁体3が強度不足により破壊する様子を示し、先ず、図5(a)に示すように、箱体2内に起立片3dと水平片3cとを接合力を弱めた断面L字形状の擁壁体3を起立させ、該擁壁体3の水平片3c側に粒状体4を充填していく。粒状体4が増加すると、該粒状体4の荷重により擁壁体3の起立片3dが図5(b)の左方向に押圧されて起立片3dと水平片3cとの接合部が内側から破断して該起立片3dが倒壊することが視認出来る。
図6は擁壁体3の他の構成を示す断面図であり、前述した断面L字形状の擁壁体3の代わりに、例えば図6(a)に示すように、断面L字形状の擁壁体3の水平片3cの底部に滑動防止用の突起部3aと該擁壁体3の角部に転倒防止用の突起部3bを設けた擁壁体3や、或いは図6(b)に示すように、断面逆T字形状の擁壁体3を適宜使用した擁壁模型装置1により擁壁を介してその両側に段差のある土地の断面構造を視覚的に提示することが出来る。
尚、箱体2の透明な側壁には水平方向と鉛直方向に指標となる基準線8が設けられており、擁壁体3の水平片3cと起立片3dの初期位置を基準線8上に設定しておき、擁壁体3により仕切られた箱体2の一方側の内部に粒状体4を充填して該擁壁体3が転倒、沈下、滑動、破壊する様子を基準線8からの位置変化により容易に視認することが出来る。また図示はされていないが、基準線8を基準として水平方向、垂直方向に一定間隔の目盛りを設けることにより、粒状体4の充填量や擁壁体3の沈下量等の移動量を容易に測定することが可能である。
図7(a),(b)は片持ち梁式擁壁を模した擁壁体3の水平片3cと起立片3dとの接合部、及び該水平片3cと突起部3a,3bとの接合部を、繰り返し着脱可能に接合する接合手段となる面ファスナー9によりそれぞれ着脱可能に構成した一例を示す。面ファスナー9は一方が複数のかぎ状部を設けた雄の面ファスナーで構成され、他方が複数のリング糸を設けた雌の面ファスナーで構成される。
水平片3cと起立片3d、或いは水平片3cと突起部3a,3bとの各接合部の接合強度は、接合材料自体の種類を変えたり、接合面積を変えたりして適宜調整することが出来る。擁壁体3のつま先部の突起部3bは、擁壁体3の転倒や沈下防止のために地盤を模した粒状体4の低い側に突出させた擁壁底版を模したものであり、突起部3aは擁壁体3の滑動防止のために下方に突出させた擁壁の部分を模したものである。
図7(b)は、図7(a)に示す擁壁体3により仕切られた箱体2の一方側の内部に粒状体4を充填して行き、該粒状体4の荷重により起立片3d及び水平片3cが押圧されて、該起立片3d、突起部3b及び突起部3aにそれぞれ回転モーメントが作用して各面ファスナー9による接合部で擁壁体3が破断する様子を示す。
粒状体4の充填により、擁壁体3の各面ファスナー9により着脱可能に接合した各接合部が剥がれることで擁壁体3の破壊の様子が理解出来、擁壁体3の補強鉄筋13が必要な部位が理解出来る。実験が終了すると、面ファスナー9を利用して擁壁体3を図7(a)に示す擁壁体3の形状に容易に復帰することが出来る。
図7(c)は片持ち梁式擁壁を模した擁壁体3の水平片3cの一方の全面に面ファスナー9が設けられており、起立片3dの下端部に設けられた面ファスナー9を水平片3cの任意の位置に接合可能に構成されている。これにより、擁壁体3の形状を種々の形状に変形して該擁壁体3の挙動を学習することが出来る。これにより、形状の異なる複数の擁壁体3を用意する必要がなく、且つ繰り返し使用出来る。
また同一寸法の水平片3cと起立片3dとを有する擁壁体3で、接合位置を変えた形状の違いによる擁壁体3の挙動の差異が容易に比較出来、水平片3cが地盤を模した粒状体4の低い側に突出する突起部3bの突出寸法が大きくなるにつれて擁壁体3は転倒に対しては有利になる一方で、滑動に対しては不利になるということが容易に理解することが出来る。また突起部3aや突起部3bの有無による擁壁体3の挙動の差異が容易に比較出来、突起部3aや突起部3bの機能が容易に理解出来る。
図8は重力式擁壁を模した擁壁体3の一例を示す図であり、本実施形態では、図8(b)に示すように、6面体からなる積層ブロック体10を3段に積み重ねた一例である。尚、箱体2の内壁の一辺の長さは、積層ブロック体10の幅に対応して形成されており、各積層ブロック体10は箱体2の内部に遊動自在に嵌入される。
積層ブロック体10を単純に垂直に積み上げると、積層ブロック体10の自重が軽い場合には、粒状体4が積層ブロック体10を水平方向に押圧する力(土圧)により崩壊してしまうことが視認出来る。そこで、積層ブロック体10のつま先部に下方に突出した突起部10aを粒状体4を充填する側に傾斜させながら積み上げると、粒状体4の押圧する力に対して安定することが分かり、積層ブロック体10を安定させるためにはデッドエリア11を形成せざるを得ないことが分かる。このような体験を通じて、重力式擁壁の設計の要点を容易に理解することが出来る。
上述したように、形状が異なる複数種類の擁壁体3を用意し、該擁壁体3を選択的に用いて該擁壁体3の挙動を比較することで、擁壁模型装置1により、設計者が擁壁の構造設計の要点を理解し、その結果、設計者は擁壁の設計力(土質や高低差などの条件や予算などを考慮して最適な擁壁の構造形式を選択する能力や、長期間にわたって転倒、沈下、滑動、破壊等が生じる事がないように擁壁を設計する能力)を高めることが出来る。
本発明の活用例として、擁壁を介してその両側に段差のある土地の断面構造を視覚的に提示する擁壁模型装置及び擁壁学習方法に適用することが出来、特にコンピュータ等の複雑な設計支援システムを使わずに擁壁構造物の安定性を模型により学習する分野で好適に利用出来る。
本発明に係る擁壁模型装置の一例を示す斜視図である。 片持ち梁式擁壁を模した擁壁体が転倒する様子を示す図である。 片持ち梁式擁壁を模した擁壁体が沈下する様子を示す図である。 片持ち梁式擁壁を模した擁壁体が滑動する様子を示す図である。 片持ち梁式擁壁を模した擁壁体が破壊する様子を示す図である。 片持ち梁式擁壁を模した擁壁体の他の構成を示す断面図である。 片持ち梁式擁壁を模した擁壁体の水平片と起立片との接合部を着脱可能に構成した一例を示す図である。 重力式擁壁を模した擁壁体の様子を示す図である。
符号の説明
1…擁壁模型装置
2…箱体
3…擁壁体
3a,3b…突起部
3c…水平片
3d…起立片
4…粒状体
5…重錘体
6…仮支持部材
7…基材
8…基準線
9…面ファスナー
10…積層ブロック体
10a…突起部
11…デッドエリア
12…プレート
13…補強鉄筋

Claims (10)

  1. 高低差のある土地に築造される擁壁の挙動を視覚的に提示する擁壁模型装置であって、
    箱体と、
    前記箱体の内壁の一辺の長さに対応する幅を有して該箱体の内部に遊動自在に嵌入される擁壁体と、
    前記擁壁体により仕切られた前記箱体の一方側の内部に充填される粒状体と、
    を有することを特徴とする擁壁模型装置。
  2. 前記箱体の少なくとも側壁が透明体であることを特徴とする請求項1に記載の擁壁模型装置。
  3. 前記粒状体の上部に載置される重錘体を有することを特徴とする請求項1に記載の擁壁模型装置。
  4. 前記擁壁体は、片持ち梁式擁壁を模した水平片と起立片とを有し、前記水平片と前記起立片との接合部が繰り返し着脱可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の擁壁模型装置。
  5. 前記起立片が前記水平片の任意の位置に接合可能に構成されたことを特徴とする請求項4に記載の擁壁模型装置。
  6. 前記擁壁体は、重力式擁壁を模した積層ブロック体を有することを特徴とする請求項1に記載の擁壁模型装置。
  7. 高低差のある土地に築造される擁壁の挙動を視覚的に提示する擁壁学習方法であって、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の擁壁体を用いて該擁壁体の挙動を学習することを特徴とする擁壁学習方法。
  8. 高低差のある土地に築造される擁壁の挙動を視覚的に提示する擁壁学習方法であって、
    かさ比重と粒径が略同じで、表面形状または表面摩擦係数が異なる複数種類の粒状体を用意し、
    箱体の内部に、該箱体の内壁の一辺の長さに対応する幅を有する擁壁体を遊動自在に嵌入し、該擁壁体により仕切られた前記箱体の一方側の内部に前記粒状体を選択的に充填して前記擁壁体の挙動を比較することを特徴とする擁壁学習方法。
  9. 前記擁壁体は、片持ち梁式擁壁を模した水平片と起立片とを有し、該水平片の載置面よりも下方の層構成を変化させて該擁壁体の挙動を比較することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の擁壁学習方法。
  10. 形状が異なる複数種類の擁壁体を用意し、該擁壁体を選択的に用いて該擁壁体の挙動を比較することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の擁壁学習方法。
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