JPH0949744A - 地盤挙動変化のモデル化方法及び装置 - Google Patents

地盤挙動変化のモデル化方法及び装置

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JPH0949744A
JPH0949744A JP16065096A JP16065096A JPH0949744A JP H0949744 A JPH0949744 A JP H0949744A JP 16065096 A JP16065096 A JP 16065096A JP 16065096 A JP16065096 A JP 16065096A JP H0949744 A JPH0949744 A JP H0949744A
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slide surface
ground
force
frame
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JP16065096A
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Toshiyasu Fujii
俊逸 藤井
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Fujii Consulting and Associates
Original Assignee
Fujii Consulting and Associates
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Testing Or Calibration Of Command Recording Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 工事対象地盤の重力による変動を簡単に物理
的・機械的にモデル化する。 【解決手段】 基板2やベルト16上に形成される平面
状のスライド面4上に多数の粒形状のエレメント3を平
面的で且つ平面方向に変形可能な集合体7を形成させる
ようにランダムに密集させて配置する。該集合体7の少
なくとも一方に平面方向の移動を阻止する塞ぎ止め用の
枠体6を形成する。そして上記集合体7をスライド面4
との摩擦力に抗し且つ該枠体6に向かって平面的に移動
させる方向の力を前記集合体7に対して前記スライド面
4と枠体6との間で相対的に作用せしめ、上記集合体7
の変形を地盤の変動として観察することにより地盤変動
のモデル化を行う。上記方法を実施する装置は、表面が
平面状のスライド面4をなす基板2と、上記スライド面
4上に沿って少なくとも左右いずれかの側方と下方とを
囲む枠体6とでモデル本体1を構成し、上記スライド面
4上に載置される多数の粒形状のエレメント3を備えて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は工事対象地盤又は土木
施工済地盤等の主として重力による地盤の挙動変化をモ
デル化して観察又は調査するためのモデル化方法及び装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に盛土部分や崖錐等の主として粘着
力の乏しい地盤に対する A、コンクリート擁壁 B、斜面表面に対する法枠工事や支圧板及びアンカー工
事,モルタル吹付 C、土中に固化材等の化学剤を含浸させ又は布状シート
材等の巻き込みを行うジオテキスタイル D、ナトムの鉄筋や斜面補強鉄筋埋設 等の工事に先立って、工事対象となる地盤の重力による
変動(挙動)を予測しておく必要があるが、これらの地
盤の挙動は各地盤の性情の違いにより一般に数値的に算
出することは困難である。このためこれらを物理的又は
機械的モデルによって実験的に計量することが最も有用
であるが、従来非粘着性地盤調査のために有効な物理的
モデルは存在しなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
課題を解決するために安価で正確且つ容易に実験できる
実用的な地盤変動のモデル化方法とそのための装置を提
供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めの本発明の方法は、第1に平面状のスライド面4上に
多数の粒形状のエレメント3を平面的で且つ平面方向に
変形可能な集合体7を形成させるように密集させて配置
し、該集合体7の少なくとも一方に平面方向の相対移動
を阻止する堰き止め用の枠体6を形成し、上記集合体7
にスライド面4との摩擦力に抗し平面的に移動させる方
向の力を作用せしめ、該力の作用による上記集合体7の
変形を地盤の変動として観察することを特徴としてい
る。
【0005】第2に集合体7を移動させる力がスライド
面4を起立方向に傾斜させることによって各エレメント
3に作用する重力であることを特徴としている。
【0006】第3に集合体7を移動させる力がスライド
面4に対して枠体6を集合体7方向に移動させることに
よって作用する外力であることを特徴としている。
【0007】第4に集合体7を移動させる力が枠体6に
対してスライド面4を移動させることによって作用する
外力であることを特徴としている。
【0008】また上記モデル化方法を実施するための装
置の発明は、第1に表面が平面状のスライド面4をなす
基板2と、上記スライド面4上に沿って少なくともスラ
イド面(4)の一次元方向の一部又は全部を遮閉する枠
体6とでモデル本体1を構成し、上記スライド面4上に
載置される多数の粒形状のエレメント3を備えたことを
特徴としている。
【0009】第2に側方の枠体6との間に、多数のエレ
メント3を平面的な集合体7として載置する所定広さの
スペースを形成するように上下方向の揺動枠8を下方の
枠体内面側に左右揺動自在に取り付けたことを特徴とし
ている。
【0010】第3に基板2と枠体6がスライド面4に沿
って相対的に移動可能な如く基板2と枠体6を組付合わ
せたことを特徴としている。
【0011】第4に回転自在に且つ平行に軸支された2
本のローラ13,14間にベルト16を巻掛け、上記ベ
ルト16の外周に形成された平面状のスライド面4には
ベルト16の回転駆動に対して上記スライド面4に沿っ
て停止状態で待機する枠体6を設けてモデル本体1を構
成し、上記スライド面4上に載置され粒形状をなす多数
のエレメント3を備えたことを特徴としている。
【0012】第5にエレメント3が平面視において多角
形又は円形をなし、少なくとも外周の一面がスライド面
4に摺接する平面を構成することを特徴としている。
【0013】
【実施例】図1〜図3は本発明のモデル化装置の第1実
施例を示し、モデル本体1は例えば横幅50cm,縦幅
40cm位の長方形をなすベニヤ板等からなる基板2の
表面に、比較的摩擦係数の高い紙その他のシートを貼着
して、基板面上は後述するエレメント3とのスライド面
4を形成している。スライド面4の摩擦係数を高めるに
は必ずしも紙等を貼着する必要はなく、基板2自体の材
質の選択又は表面加工によることもできる。そして上記
基板1の左右両側端及び底辺には全体として平面視でチ
ャンネル形をなす枠体6が一体的に固着されている。基
板2及び枠体6の材料は木材,プラスチック,金属等の
いずれでもよいが、取り扱い易いため軽量材が好まし
い。
【0014】エレメント3は、図2に示すように例えば
10mm,8mm,6mmのボルト用の異径のナット3
a,3b,3cをそれぞれ1:4:3の割合で混合した
ものからなり、水平又は水平に近い緩傾斜状態のスライ
ド面4上にランダムに並べられて載置される。この時各
ナット3a〜3cは枠体6の厚みを大きく越えず又はそ
れ以下の高さとし、上下いずれかの面がスライド面4と
接触するとともに、隣接するナット同士の周面が互いに
接触し合うように一層に並べられ、しかも全体配置形状
としては平面視において盛土や崖錐等の工事対象となる
地盤断面をモデル化(模型化)した形状の集合体7とし
て形成される。またエレメント3はスライド面4との一
定以上の摩擦力又は一定以上の重力が作用する必要があ
るため、金属,セラミックその他ある程度の高比重のも
のが望ましい。
【0015】そして図1の状態にエレメント3を載置し
たモデル本体1を図3(A)の仮想線の状態から緩速に
直立方向に起立させると、各エレメント3にはスライド
面4に支えられながら枠体6の底辺(下方)に向かって
徐々に重力が作用し、集合体7は傾斜度に応じて下向き
に且つ下部側に至る程強い力で圧迫される。
【0016】これらの過程で集合体7は、その自重によ
り盛土や崖錐等からなる傾斜地盤において作用する土圧
と同様な力の作用(仮想重力)を受けて、これらの傾斜
地盤が崩壊(変形)するのと同様に、7aから7bに地
滑りによって変形する(図3(B)参照)。その結果集
合体7における各粒状体(エレメント3)の挙動ととも
に傾斜地盤の変動をモデル化して物理的又は機械的に視
覚による地滑りの観察が可能となる。この例において、
集合体7の傾斜面に一定の作用によって切断又は変形す
るような紙テープ等からなる比較的抗張力の低いテープ
を貼着して実験すると、法面に対してモルタル吹付を施
した場合の構造と作用を模型的に確認でき、集合体7の
変形力が強い場合にはテープ部分が変形又は切断され
る。紙テープ等の代わりに集合体7の表面に速乾性で耐
曲げ荷重に乏しいペースト等を塗布又は吹き付けてモル
タル模型を形成することもできる。
【0017】図4〜図6は上記同様に枠体6と基板2を
用いたモデル化装置の他の実施例を示し、図4は上述し
たモデル化装置の枠体6内の片側寄りに上下方向のレバ
ー状の揺動枠8を立設し、その下端をヒンジ又は連結ピ
ン等からなる揺動支点9において左右揺動自在に連結し
たものであり、該揺動枠8と枠体右側辺との間のスライ
ド面4上のスペースにエレメント3を集合体7として配
置するものである。
【0018】この例では、揺動枠8を直立させてエレメ
ント3を右側に集合配置し、モデル本体1を鉛直方向に
起立させることによって揺動枠8に加わるa方向の力を
主働土圧として人手又は計器等により感覚的に若しくは
計量的に計測して、例えば土留擁壁等に作用する土圧を
模型的に調査,認識できる。また上記揺動枠8を矢印b
方向に揺動することにより、集合体7を圧迫変形させ、
揺動枠8に加えるべき力(受働土圧)を感得又は計測す
る。
【0019】上記受働土圧は揺動枠8に加える力が一定
であれば、支点9に作用する力を計測することによって
も計測できる。この主働土圧,受働土圧については土圧
の調査とともに地盤内の変形境界部分の形状も把握で
き、いずれも後述の図9,図10において集合体7と揺
動枠8の間における力の作用関係につき説明される。
【0020】上記2つの例が、いずれもモデル本体1を
起立させることによりエレメント3及び集合体7にスラ
イド面4に沿った重力を作用させて粒状エレメント3の
挙動を調べるのに対し、図5,図6のものは水平又は緩
傾斜のスライド面4上でスライド面4とエレメント3を
摺接させ、その摺動時の摩擦抵抗を仮想重力として模型
化した点に特徴がある。
【0021】このうち図5に示すものは、長方形の基板
2の長辺の一辺に沿って通直なレール状のガイド枠11
を固定し又は一体的に設けてモデル本体1とし、枠体6
は基板2とは分離して正方形又は長方形の枡型の枠と
し、該枡型枠の一辺外周をガイド枠11に接触させ、枡
型枠内に前述したエレメント3による模型地盤の集合体
7を形成するものである。
【0022】そしてこの例では、モデル本体1を起立さ
せる代わりに、可動枠体6をガイド枠11とスライド面
4上に摺接させて矢印方向に緩速移動させることによ
り、内部のエレメント集合体7に加わる摩擦抵抗を反矢
印方向から加わる重力と仮想し、集合体7及びエレメン
ト3の挙動変化を地盤変動と想定することによって、全
体の挙動変化をモデル化するものである。
【0023】図5に示す例では段差を形成した地盤断面
で、段部の切り立ち面に例えば異形台形のボール紙その
他のプレートを擁壁12として当接配置し、枠体6を矢
印方向にスライドさせることによる地盤変化及び擁壁1
2の変化を見ることができる。この時擁壁12の底面に
両面テープを貼着し、下側のエレメント3と部分的に接
着固定しておくことで、擁壁底面を滑りにくくした場合
の変化を調査することもできる。ここで擁壁12は金属
片等を収容して集合体7の比重と同等又はそれ以上にす
ることが望ましい。この例の詳細は図15において再度
詳述する。
【0024】図6は枡型の枠体6をモデル本体1側に固
定し、該モデル本体1の前後端には互いに平行にローラ
13,14を回転自在に軸支し、該ローラ13,14間
にはゴム又は合成樹脂又は布等からなるエンドレスなシ
ート状のベルト16を巻掛けるとともに、該ベルト16
表面に沿って枠体6を固定的に配置し、該枠体6内にエ
レメント集合体7を載置形成するものである。5はスラ
イド面4を形成する表面側ベルト16の背面側に配置さ
れたガイドプレートで、ベルト16に摺接してスライド
面4の平面を保持するものである。
【0025】そして上記ローラ13,14の一方にハン
ドル等の駆動部17を取り付け、これを緩速回転させる
ことにより、ベルト16上面(スライド面4)上でベル
ト16とともに移動しようとするエレメント3は、枠体
6に堰き止められてエレメント3とスライド面4間に摩
擦抵抗を生じ、この摩擦抵抗が地盤に加わる重力(土圧
=仮想重力)と同様な作用をして集合体7が変形する。
この時ベルトの駆動量が多い程集合体の変形も大きい。
図5に示す場合は枠体6を動かすのに対し、本例ではス
ライド面4を移動させる点が異なるのみである。
【0026】図7(A)〜(D)はエレメント3の形状
例を示し、図示するようにエレメント3は平面視円形,
三角形,正方形,長方形等いずれでもよく、これ以外の
異形状も無数に考え得るが、これらの形状は仮想地盤の
性質を決めるもので、スライド面4とエレメント3摺接
面との摩擦係数の大小とともに、仮想地盤の変形に深い
係わりをもつものである。
【0027】図8(A)〜(E)はモデル化する地盤の
性質に応じたエレメント3の組み合わせの例を示し、
(A)は大小の粒径の砂地地盤を模した大小の円形エレ
メントの組み合わせを示し、重力や外力に対する挙動変
化が最も激しいものである。
【0028】同図(B)は石塊径が比較的揃っている崖
錐部分の模型で、略同形同大の長方形エレメント3を揃
えてランダムに組み合わせている。同図(C)は石塊中
に大小の径のものが混在している場合の模型で、大小の
大きさのものをランダムに混在させている。
【0029】同図(D)は大小の石塊中に砂が混在する
モデルで、大小の長方形エレメントと円形エレメントが
混在している。また同図(E)は方向性のある多数の亀
裂のある石塊地盤のモデルで、長辺の方向性を揃えた同
大の長方形のエレメントを略同方向に組み合わせて配置
している。
【0030】図9(A)〜(C)部及び図10(A)〜
(C)部は前述した図4に示した装置による主働土圧及
び受働土圧のモデル実験におけるイメージ図と、この時
の力の作用関係のイメージ図及び力の釣り合い状態のベ
クトル図を示し、図中の符号次の意味を表す。 W,W・・・自重土圧 P ・・・主働土圧 P ・・・受働土圧 R,R・・・自重土圧W,Wと主働土圧P
は受働土圧Pとに対する反力 δ,δ・・・壁面(レバー8の内面)とエレメント
3間の摩擦角 φ,φ・・・集合体7内に発生するせん断面(直線
と仮定)とこの仮想線せん断面での摩擦角(注:現実に
は土質により、またモデル実験ではエレメント3の種類
によって異なる。図18の説明参照) L ・・・集合体7内のエレメントの変動の有無
の境界線(主働破壊面) L ・・・集合体7内のエレメントの変動の有無
の境界線(受働破壊面) 上記実験において集合体7内に粘着力がある場合は、せ
ん断力が作用する面(仮想せん断面)の長さに粘着力を
乗じて粘着力による抵抗を考慮する。またクーロン主働
土圧は仮想せん断面の角度を変化させてPが最大にな
る値を計算で求め、同様にしてクーロン受働土圧はP
が最小になる値を計算で求める。
【0031】図11〜17は上記図1,図5〜8等に示
す装置を用いて行う地盤の挙動変化のモデル実験の種類
と方法の例を示すもので、図11は図3(B)において
示した地盤内における異質の地層が形成されている場合
で、エレメント3の集合体7は変動性のある地盤を、1
8は変動性のない傾斜面である地山を表しており、地山
18はボール紙や合成樹脂板等で所定形状に剛体として
形成されたものを用いている。この場合、仮想重力の作
用しない状態の集合体7aは仮想重力を作用させること
により、地山18の傾斜面の影響を受けて集合体7bの
ように変形する。
【0032】また図12はエレメント3を集合配置した
変動性のある地盤内に粘土又は砂地層等の軟質層19が
傾斜して介在してする場合で、この軟質層19には滑り
易い少し厚めの紙その他短柵状のシートを配置してお
り、地盤変動時にはこの軟質層19において傾斜に沿っ
た地滑りを生じ、仮想重力を与えることにより集合体は
7aから7bに変化する。図13は2つの軟質層19
a,19bが水平方向と傾斜方向に交差している場合を
示し、いずれの場合も土圧の方向が軟質層に近い程他と
比較して大きく変動する。
【0033】図14(A)〜(C)は前述した装置を用
いて他のモデル化の例を示すもので、仮想重力が作用す
る図12(A)において、土留工事前の地盤の断面を示
す集合体7aの状態から、予定する地盤形状を表す7b
に掘削及び形成しようとすると、土圧により同7cのよ
うに崩壊する。このため同図(B)に示すように掘削に
際しては集合体7aの状態からまず傾斜面の上方を掘削
した7dの段階で、スポンジ等からなるプレート状の押
圧部材21aを掘削済みの斜面に押接し、同じくスポン
ジ材からなるアンカー22をスライド面4に接着固定
(両面テープ等による)して押圧部材21aを押圧固定
する。
【0034】この状態で押圧部材21aの下部を7eの
ように掘削すれば、上部が崩れることなく下部斜面が形
成され、続いて集合体7fの状態に掘削後に上記同様に
押圧部材21bを押接してアンカー固定する。さらに同
図(C)に示すようにその下方を集合体7gのように掘
削し、押圧部材21cを押接してアンカー固定する。こ
のように上記モデルによれば法面の崩壊を防止しながら
の掘削工事の工程モデルを示すことが可能である。
【0035】図15は既に図5で示したモデル実験をさ
らに具体化させて検討するもので、この例では砂質地盤
を想定し、装置は図5に示す本体1のスライド面4は枠
体6の内寸41cm×50cm,擁壁高さ15cm,天
端幅1cm,前勾配1:0.3,裏勾配垂直とし、エレ
メントとしては10mm,8mm,6mmボルトのナッ
トをそれぞれ90個,360個,270個をランダムに
配置して使用した。
【0036】同図(A)〜(C)は共に枠体6を等速で
30cmスライドさせた時に集合体7の形状が7aから
7bに変化し、擁壁12が土圧により移動又は傾斜変化
した状態を示しており、(A)は擁壁12をフリーにし
て配置したもの、(B),(C)は擁壁12の底面に両
面テープを利用してエレメント(ナット)3を4個固着
して配置したものを示しており、さらに(C)では擁壁
12の下端から上昇方向にテープ状の厚紙を傾斜せしめ
て挿入し、軟質層19を形成したものである。
【0037】その結果図15(A)では仮想重力を与え
ると擁壁12が後退移動して地崩れを生じているが、
(B)ではその後退移動量は少なく、上方が後退方向に
傾斜している。同図(C)の軟質層19が介在したケー
スでは擁壁12の傾動(転倒)量はさらに大きくなって
いる事が確認される。
【0038】図16(A)〜(C)は土留壁にジオグリ
ッド23を敷設した場合の地盤挙動を粒子レベルで確認
し、ジオグリッドの本質的な盛付補強機構を解明するた
めのモデル実験例である。この例でも6mm,8mm,
10mm型のナットを3:3:1の重量比でランダムに
配合し、ジオグリッド材23には紐を用い(注:その他
のテープ状のものでも良い)、集合体7は高さ70c
m,幅35cm、同図(B)では約25cm長の3本の
紐を高さ5cmにU字形に湾曲して3段に、(C)では
約30cmの紐を高さ5cmの閉ループにしてそれぞれ
の内部にエレメント3を収容せしめた状態でジオグリッ
ド23を敷設したものである。
【0039】そして同図(A)ではスライド面4を約1
9cm下方スライドした時点で、同図(B),(C)で
は同じく約38cm下方スライドさせた時点で、それぞ
れ集合体7は7aから7bに変形したことが確認でき
る。
【0040】その結果ジオグリッド23を施さない急斜
面は土砂等の自重で簡単に崩壊するが、ジオグリッド2
3を施したものでは土圧に対する強度が高まり、しかも
敷設はU字形のものより閉ループのものが強い補強効果
を示すことが確認された。その他一般にジオグリッド2
3の数を多くし又は長さを長くした方が補強効果が高い
ことも確認された。
【0041】図17(A)〜(C)は共にトンネル工事
等に備えたナトムの支保機構の方法と効果確認用のモデ
ルで、(A)はトンネル状断面のリング部24をテープ
状の紙等で形成し、これを集合体7内に埋入配置しただ
けのものの地盤の挙動変形を、(B),(C)はリング
部24の外周に同じく紙製テープ等で形成した補強材
(鉄筋に相当)26を放射状に突設したものの挙動変形
をそれぞれ示し、両者を同一条件でスライド面4との間
でスライドさせ又はスライド面4に沿って重力をかける
ことで、その変形の有無や違いを調べるものである。
【0042】この例では図(A)に示すように補強材2
6による補強が施されないものでは、エレメント集合体
7に既述の要領で自重圧を掛け又はスライド面4を下方
スライドさせると、リング部24は24aの状態から2
4bの状態に押圧変形を受ける。これに対し、同図
(B)のように補強部材26をリング部24の上方及び
側方に放射状に突出配設したものでは、(B)における
24aの状態から(C)における24bの状態に変化す
る。
【0043】以上のモデル実験から補強材26を配置し
たナトム支保機構によれば、土圧に対するトンネル部の
補強効果がイメージ的に確認されることが明らかであ
る。
【0044】図18はエレメント集合体7に挙動変形が
発生する際に、集合体7内で移動部分と静止部分がある
とき、即ち移動部分と静止部分にせん断力が作用する際
に仮想される仮想せん断面が形成される時、そのせん断
面における各エレメントの摩擦角を観察するための装置
及び方法である。
【0045】この例では例えば図5におけるガイド枠1
1に対し、下方開放型のコ字形又はゲート状の枠体6を
略平行に対向配置し、ガイド枠11側にエレメント(ナ
ット)3を両面テープ等で固着して固定集合体7Aと
し、その上方の枠体6内に可動集合体7Bを形成させ、
枠体6をガイド枠11に沿って水平方向に移動させるも
のである。
【0046】この時固定集合体7Aと可動集合体7Bと
の間に水平方向の仮想せん断面(直線と想定する)が形
成され、可動集合体7B側のエレメント(ナット)3B
は、固定集合体7A側の2個のエレメント3Aに支持さ
れている状態から1個のエレメント3Aに乗り上がる状
態に変化する。
【0047】そして変動する各エレメント間の内部摩擦
角は乗り上がる際の乗り上がり角の平均的な角度とエレ
メント自体が持っている摩擦角の和で表現され、乗り上
がり角はエレメントの締まり具合や粒度分布等により、
またエレメント自体の摩擦角は粒子自体の形状又は表面
性情によって異なる。
【0048】またこれらの可動エレメント3Bの乗り上
がりによって仮想せん断面近傍に空壁が形成され、これ
がダイレタンシー(膨張)の原因と考える。図18にお
ける集合体7aから7bへの変化はこの事を示してお
り、空隙部は破線部分のaから斜線部分のbのように変
化する。
【0049】これに対し、密でないエレメント配置の場
合でも仮想せん断面でのダイレタンシーは生じるが、予
め形成されている空隙部がせん断面時に潰れるため、必
ずしも体積膨張を生じるとは限らない。
【0050】以上本発明に係る地盤挙動の変化のモデル
化方法と装置につき説明したが、モデル実験用具として
のエレメントは地盤内の土質等の性質に応じ形状や材質
を任意に変更することができ、特にエレメントは粉体状
に近い細粒子状のものを用いることも可能である。
【0051】
【発明の効果】以上のように構成される本発明の方法及
び装置によれば、極めて簡単なモデル本体と手近に入手
可能なエレメント及び各種材料で、土木設計や工事又は
教材上の必要のためその他地震等に備える地盤や地盤内
構造物の変化等、重力や外力による地盤内や地盤全体の
変形挙動を容易にモデル化することができ、これらを数
値的に計量,想定する従来の方法に比し具体的に且つ迅
速にしかも視覚的に確認,調査できる利点があるほか、
説明対象に応じて枠体やモデル本体,エレメントの形
状,大きさ,組み合わせ等を自由に変えることができ
る。特に学校等の教育現場の教材として、又は工事発注
や施工関係者への説明用の道具として理解し易く安価で
説明も容易であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモデル化装置の1番目の例を示す斜視
図である。
【図2】同じく同装置のエレメントの平面図である。
【図3】(A),(B)は図1の装置の使用例及び使用
方法を示す側面図及び正面図である。
【図4】本発明装置の第2の例を示す斜視図である。
【図5】本発明装置の第3の例を示す斜視図である。
【図6】本発明装置の第4の例を示す斜視図である。
【図7】(A)〜(D)はエレメント形状の各種例を示
す斜視図である。
【図8】(A)〜(E)は地層の違いに応じたエレメン
トの組み合わせ例を示す正面図である。
【図9】図4に示す装置による主働土圧モデル実験時の
説明図である。
【図10】図4に示す装置による受働土圧モデル実験時
の説明図である。
【図11】地山上の地盤の崩壊を示すモデル化実験例の
説明図である。
【図12】盛土地盤内に滑り易い軟弱地層がある場合の
モデル化実験例を示す説明図である。
【図13】盛土地盤内に複数の軟弱地層がある場合のモ
デル化実験例を示す説明図である。
【図14】(A)〜(C)は段差を形成した地盤との挙
動変形とそれに対する土留施工方法を示すモデル実験説
明図である。
【図15】(A)〜(C)は異なる条件での土留擁壁に
対する地盤変形状態のモデル実験説明図である。
【図16】(A)〜(C)は急傾斜の土留壁とこれにジ
オグリッド材を複数を敷設した場合の地盤挙動変化を示
すモデル実験説明図である。
【図17】(A)〜(C)はトンネルに対するナトムの
支保機構とその有無による挙動変形の違いを確認するモ
デル実験説明図である。
【図18】地盤内にせん断力が作用した場合のエレメン
トの摩擦角及び膨張現象の説明図である。
【符号の説明】
1 モデル本体 2 基板 3 エレメント 4 スライド面 6 枠体 7 集合体 11 揺動枠 13,14 ローラ 16 シート(ベルト)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面状のスライド面(4)上に多数の粒
    形状のエレメント(3)を平面的で且つ平面方向に変形
    可能な集合体(7)を形成させるように密集させて配置
    し、該集合体(7)の少なくとも一方に平面方向の相対
    移動を阻止する堰き止め用の枠体(6)を形成し、上記
    集合体(7)にスライド面(4)との摩擦力に抗し平面
    的に移動させる方向の力を作用せしめ、該力の作用によ
    る上記集合体(7)の変形を地盤の変動として観察する
    地盤挙動変化のモデル化方法。
  2. 【請求項2】 集合体(7)を移動させる力がスライド
    面(4)を起立方向に傾斜させることによって各エレメ
    ント(3)に作用する重力である請求項1の地盤挙動変
    化のモデル化方法。
  3. 【請求項3】 集合体(7)を移動させる力がスライド
    面(4)に対して枠体(6)を集合体(7)方向に移動
    させることによって作用する外力である地盤挙動変化の
    モデル化方法。
  4. 【請求項4】 集合体(7)を移動させる力が枠体
    (6)に対してスライド面(4)を移動させることによ
    って作用する外力である請求項1の地盤挙動変化のモデ
    ル化方法。
  5. 【請求項5】 表面が平面状のスライド面(4)をなす
    基板(2)と、上記スライド面(4)上に沿って少なく
    ともスライド面(4)の一次元方向の一部又は全部を遮
    閉する枠体(6)とでモデル本体(1)を構成し、上記
    スライド面(4)上に載置される多数の粒形状のエレメ
    ント(3)を備えてなる地盤挙動変化のモデル化装置。
  6. 【請求項6】 側方の枠体(6)との間に、多数のエレ
    メント(3)を平面的な集合体(7)として載置する所
    定広さのスペースを形成するように上下方向の揺動枠
    (8)を下方の枠体内面側に左右揺動自在に取り付けて
    なる請求項5の地盤挙動変化のモデル化装置。
  7. 【請求項7】 基板(2)と枠体(6)がスライド面
    (4)に沿って相対的に移動可能な如く基板(2)と枠
    体(6)を組合わせてなる請求項5の地盤挙動変化のモ
    デル化装置。
  8. 【請求項8】 回転自在に且つ平行に軸支された2本の
    ローラ(13),(14)間にベルト(16)を巻掛
    け、上記ベルト(16)の外周に形成された平面状のス
    ライド面(4)にはベルト(16)の回転駆動に対して
    上記スライド面(4)に沿って停止状態で待機する枠体
    (6)を設けてモデル本体(1)を構成し、上記スライ
    ド面(4)上に載置され粒形状をなす多数のエレメント
    (3)を備えた地盤挙動変化のモデル化装置。
  9. 【請求項9】 エレメント(3)が平面視において多角
    形又は円形をなし、少なくとも外周の一面がスライド面
    (4)に摺接する平面を構成する請求項5又は6又は7
    又は8の地盤挙動変化のモデル化装置。
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