JP2006249613A - 小型漉き填め装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
修復対象物の大きさを制限することなく修復することができ、装置をコンパクトとするという従来の利点を損なわず、吸引モータの耐久性を向上し、補修箇所の紙厚を均一とし、設置場所を限定せず使用できる小型漉き填め装置の提供。
【解決手段】
本発明は、複数の枠部材(10)からなるフレーム(1)と、枠部材間に軸架される廃液槽(2)と、廃液槽の上方に設けられ且つ中央のみに吸引穴(30)を備えた載置台(3)と、載置台の上方に設けられる第一漉網部材(4)を備え、フレーム内に吸引手段を備え、フレームの下部にはキャスタ(11)
を備え、廃液槽は前記軸を中心として廃液槽を揺動させる揺動手段を備え、吸引手段は吸引モータ(50)と、吸引モータのスイッチ(51)と、吸引モータと連結される吸引ノズル(52)を備え、吸引ノズルの先端は廃液槽内で開口するノズル穴と廃液遮蔽部を備えてなる小型漉き填め装置。
【選択図】 図4

Description

本発明は、和紙製書画等の経年劣化、欠損や虫食い等によって傷んだ部分を、紙漉きの原理で補修(漉き填め)するための装置(以下、漉き填め装置という。)のうち、特に作業者一人程度によって取り扱い可能な小型の漉き填め装置に関する。
和紙製の書画等における虫食い穴を補修する漉き填め装置及び漉き填め方法は、従来から案出されている。しかしながら、その多くは、和紙の修復を専門とする事業に使用されるものであり、設備的に大掛かりなものとして、和紙修復用装置が用いられている。
上記和紙修復用装置は修復対象箇所が多数ある場合や、対象となる書画等の和紙のサイズが大きい場合には非常に有効である一方、稼動に伴う経済的な負担も大きい欠点がある。
このような観点から、軽量でコンパクトな漉き填め装置が考案されており、上面を開口させた中空の真空槽と、前記真空槽の上面開口部を被覆し、水を通し、楮、雁皮、三椏、絹、合成繊維などの紙の原料は通さない通水性薄膜と、前記真空槽内に連通し、前期真空槽内を真空排気する真空ポンプと、前記紙の原料の水溶液を収納する容器と、前記容器に形成され、前記容器内の水溶液を任意に注ぐことができる細長いノズルとからなる漉き填め装置(例えば、特許文献1参照。)が公知である。
特開平6−173189号公報
上記した特許文献1に係る発明は、修復対象物の大きさを制限することなく修復することができ、原本の厚さが増大せず、原本をもとの状態に保て、大きい虫穴だけを埋め、小さい虫穴を残すこともでき、装置をコンパクト化することを目的とするものである。
しかしながら当該特許文献1に係る発明においては、メッシュ2の下方に吸い込まれた水分が、真空槽4およびパイプ9を通り、真空ポンプに吸い込まれることとなる。したがって、防水性が不十分な真空ポンプによっては誤動作等の故障が発生する可能性が高い。また、防水性を備えたものであっても、頻繁に利用した場合には、耐久性に大きな悪影響を生ずる。
また、重量が大きい真空ポンプは、外部に設けられるものであることから、真空槽やノズルを備えた容器は、持ち運び容易でコンパクトとすることができるものの、結局設置場所は限られるという欠点があった。
更に、修復箇所が非常に少ない場所であっても、修復対象となる書画等の全体に対して負圧とすることから、真空ポンプは出力を大きいものを使用する必要が生じていた。このことは、漉き填め装置と真空ポンプとを別体としなければ扱えないという事態を招来している。
また、一方で、ノズルを備えた容器によって紙の原料の水溶液を流し込み、真空引きする構成のみでは、修復箇所の紙の厚みが均一とすることができない欠点があった。また手作業で漉網を傾けることによって紙の厚みを均一とすることも不可能ではないものの、十分な熟練が必要であった。
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、修復対象物の大きさを制限することなく修復することができ、装置をコンパクトとするという従来の利点を損なうことなく、吸引モータの耐久性を向上し、簡単に補修箇所を均一な厚さに修復でき、設置場所を限定することなく使用することができる優れた小型和紙修復装置の提供を、発明が解決しようとする課題とするものである。
複数の枠部材からなるフレームと、前記枠部材間に軸架される廃液槽と、廃液槽の上方に設けられ且つ中央のみに吸引穴を備えた載置台と、載置台の上方に設けられる第一漉網部材とを備え、前記フレーム内には前記載置台の吸引穴内を負圧とするための吸引手段を備え、前記フレームの下部にはキャスタを備え、前記廃液槽は、前記軸を中心として当該廃液槽を揺動させるための揺動手段を備え、前記吸引手段は、吸引モータと、吸引モータのスイッチと、前記吸引モータと連結される吸引管とを備え、前記吸引管の先端は、廃液槽内で開口するとともに廃液の吸引管内への浸入を阻止するための廃液遮蔽部を備えてなることを特徴とする小型漉き填め装置を、課題を解決するための手段とする。
請求項1に係る発明によれば、複数の枠部材からなるフレームと、前記枠部材間に軸架される廃液槽と、廃液槽の上方に設けられ且つ中央のみに吸引穴を備えた載置台と、載置台の上方に設けられる第一漉網部材とを備えた構成としたことによって、前記廃液槽の軸を中心として廃液槽、載置台、第一漉網部材及び漉枠を一体として揺動させることで、極めて簡単に、補修箇所を均一な厚さに修復することができる。
また、載置台の上方に第一漉網部材を備えた構成としたことによって、載置台の吸引穴のみから吸引を行なうため、第一漉網部材及び漉枠上となる修復対象物の補修箇所を吸引穴に近づけて紙漉きを行うことができ、熟練を要することなく、短時間で、前記した補修箇所を均一な厚さとすることができる。
更に、同構成及び作用によって、吸引モータに高出力を要することもなく、省電力性を向上させることができるとともに、吸引モータの大きさを抑えることで、現実的に吸引モータを小型漉き填め装置内に設置することができる。そして、吸引モータを小型漉き填め装置内に設置し、キャスタを備えることによって、吸引モータを小型漉き填め装置自体の自由な移動が可能となり、小型漉き填め装置自体の電力の供給源さえあれば、設置場所を限定することなく何処でも使用することができることとなる。
また、載置台上に修復対象物の大きさに対応した第一漉網部材を載置する構成と、載置台の中央に吸引穴を設けた構成としたことによって、第一漉網部材が平滑な載置台上を自由にスライドさせて載置台中央の吸引穴位置に修復対象部分を合わせることで、第一漉網部材を落下させる虞もなく安定した状態で漉き填めを行うことができ、修復対象物の大きさに制限することなく修復する機能を確保することができる。
請求項2に係る発明のように、載置台における吸引穴の一部をマスキングするためのシート状部材を備えた構成とした場合には、実質的な吸引穴の開口の大きさを自由に調節することができ、修復規模や和紙の厚さ等の諸条件に応じて、部分的な漉き填めを行うことができる。
請求項3に係る発明のように、揺動可能な廃液槽を一時的に固定するための固定部材を設ける構成とした場合には、固定部材により廃液槽の揺動を不可能な状態とすることで、載置台上に第一漉網部材を載置する際等において、不用意な廃液槽の揺動による漉枠等の落下事故等を阻止して安全性を向上することができる。
請求項4に係る発明のように、廃液槽の上方であって載置台の下方位置に第二漉網部材を具備した場合には、載置台を取り外すことによって、第二漉網部材上において、サイズの小さい和紙について漉き填めを行うことができる。この点では従来の漉き填め装置として転用することができるが、当該構成においても、モータを小型漉き填め装置内に設置し、且つキャスタを備えることによって、モータを小型漉き填め装置自体の自由な移動が可能となり、小型漉き填め装置自体の電力の供給源さえあれば、設置場所を限定することなく何処でも使用することができる効果を発揮することができる。
請求項5に係る発明のように、廃液槽の下部に排水バルブを設けた場合には、排水バルブを開くことによって、廃液槽に溜まった廃液を簡単に外部へ廃棄することができ、利便性を向上させることができる。排水バルブは別途設けられる排水管に連結することもできるし、バケツ等の廃液用容器へ移すこともできる。バケツ等の廃液用容器へ移す場合には、請求項3に開示した揺動可能な廃液槽を一時的に固定するための固定部材との併用により、廃液を廃棄する際に、廃液槽を固定状態とすることで、廃液をバケツ等の容器へ移す際に廃液を零す虞を低減することができる。
本発明は、複数の枠部材からなるフレームと、前記枠部材間に軸架される廃液槽と、廃液槽の上方に設けられ且つ中央のみに吸引穴を備えた載置台と、載置台の上方に設けられる第一漉網部材及び漉枠とを備え、前記フレーム内には前記載置台の吸引穴内を負圧とするための吸引手段を備え、前記廃液槽は、前記軸を中心として当該廃液槽を手動で揺動させるための揺動手段を備え、前記吸引手段は、吸引モータと、吸引モータのスイッチと、前記吸引モータと連結される吸引管とを備え、前記吸引管の先端は、廃液槽内で開口するとともに廃液の吸引管内への浸入を阻止するための廃液遮蔽部を備えてなる小型紙漉装置とすることで、吸引ポンプの耐久性が向上し、補修箇所を均一な厚さとし、設置場所を限定することなく使用することができる小型漉き填め装置を実現した。
図1は本発明の実施例に係る小型漉き填め装置の正面図、図2は同実施例に係る小型漉き填め装置の一部断面とした説明図、図3は同実施例に係る小型漉き填め装置の第二漉網部材を取り外した状態を示す一部断面とした説明図、図4は同実施例に係る小型漉き填め装置において第一漉網部材を載置しない状態を示す斜視図、図5は同実施例に係る小型漉き填め装置の分解説明図、図5は同実施例に係る揺動規制ハンドルとハンドル固定部との係脱を示す説明斜視図、図6は同実施例に係る吸引ノズルの拡大断面図、図8は実施例に係る小型漉き填め装置において載置台3を使用せず第二漉網部材7上に不織布等を載置した上で修復作業を行う場合の構成を示す分解説明図、図9は本発明の他の実施例に係る小型漉き填め装置において第一漉網部材を載置しない状態を示す斜視図である。
本発明の実施例に係る小型漉き填め装置は、図1乃至図5に示すように、フレーム1と、揺動機構を備えた廃液槽2と、吸引モータ50と、載置台3と、第一漉網部材4及び漉枠、揺動を一時的に阻止するための固定部材6とを備えたものである。
上記フレーム1は、主として、枠部材10を矩形としてなる左枠体10a及び右枠体10bと、該左枠体10aと右枠体10bとの間を継ぐ上枠部材10c及び下枠部材10dによって構成している。上枠部材10c及び下枠部材10dは背面側に設けている。これら各枠部材10は溶接によって一体としている。
また、右枠体10bにおける下側位置の枠部材と、前記下枠部材10dと、別途設けられる二本の補助枠部材10eとによって底面視矩形となるモータ設置枠を形成している。モータ設置枠上にはモータ設置台10fを設け、モータ設置台上に吸引モータ50を固定している。
本実施例に係る吸引モータ50は、電源電圧100V、出力0.75kWのモータを使用している。
部分的な吸引を行うに必要な小型の吸引モータ50を使用することにより、家庭用電源を用いることができる利点を有する。
本実施例においては、吸引モータ50のオンオフを切り替えるスイッチ51は、フレーム1に取付けられている。吸引モータ50から前記スイッチ51にいたる配線はフレーム1に固定されている。本実施例においては、電源ケーブルのみ吸引モータ50から外部へ延設している(図示せず)。
右枠体10b及び左枠体10aの下側位置の枠部材における前後端下部となる四箇所に、それぞれロック機構付きのキャスタ11を取付けた構成としている。
また、右枠体10b及び左枠体10aの上側位置の枠部材における中央上部には廃液槽2に設けた揺動軸20に対応する軸受部12を形成している。該軸受部12は、枠部材上において揺動軸20を囲むように壁板を設けてなる。
更に、右枠体10bの上側位置の枠部材には、廃液槽2の揺動を一時的に阻止する固定手段として揺動規制ハンドル60を設けている。揺動規制ハンドル60は、ハンドル軸60aと、該ハンドル軸60aを基準として水平円周方向に回動するレバー60bと、レバー60bに溶接される規制舌片60cとを備えている。当該固定手段は、後記ハンドル固定部61とともに、本発明における廃液槽の揺動に対する固定部材6を構成する。
尚、吸引モータ50に対する外部からの水分の浸入及び吸引モータ50自体の騒音低減のため、吸引モータ50をカバー56で囲んだ構成としている。該カバー56は、カバー天板と三枚のカバー側板とを一体とした構成であり、各側板の下端をモータ設置台に固着している。
廃液槽2は、前面、後面と、該前面及び後面の下方に位置する前後の傾斜面22と、左側面23、右側面24、最深部を形成する底面21を備え、上側が開口した外形を有する。開口部分の短手方向には、幅の狭い二本の桟27を設けている。
底面21は左右長手に亘って形成され、底面21に沿う前後夫々に前記傾斜面22を形成し、底面21の中央には吸引管連結部25を設置している。また底面21の右よりとなる位置には、排水バルブ8の上端となる排水口80が開口している。
一方、廃液槽2の外部となる左右側面の上端中央には揺動軸20を固着突設した構成としている。揺動軸20を前記軸受部12に落とし込むことによって、揺動軸20が揺動可能な状態で軸受部12によって軸支される構成である。また廃液槽2における前面の外部には、揺動手段となる揺動用把持部26を設けている。
また、前記揺動規制ハンドル60とともに、揺動を一時的に阻止し、廃液槽2を固定するためのハンドル固定部61を備えている。当該ハンドル固定部61は、図6に示すように、廃液槽2の外部となる右側面の上端前方に、二枚の板部材を備え、前記揺動規制ハンドル60の規制舌片60cを上下から挟み込んで係止するものである。揺動規制ハンドル60を水平方向に動かすことで、ハンドル固定部61に対して規制舌片60cを係脱することができる。
ここで前記吸引管連結部25の下端部は、廃液槽2から下方へ突出しており、吸引管連結部25の上端部は吸引ノズル52と連結している。前記吸引管連結部25の下端部と、吸引モータ50における吸気口であるモータ吸引口とは、吸引用ホース55で連結されている。
一方、前記排水管の下端側は廃液槽2から下方へ突出しており、当該箇所には排水バルブ8を設けている。排水バルブ8は廃液槽2の外部から操作可能な構成としている。
ここで、前記吸引ノズル52は、図7に示すように、筒状となる吸引ノズル52の先端側周面にノズル穴53を形成するとともに、吸引ノズル52の筒状先端を遮蔽するとともに、ノズル穴53を取り囲む鍔状の廃液遮蔽部54を備えてなる。
載置台3は、ステンレス製の平滑な基板における各縁部から下方へ縁枠を形成してなる蓋状を有する。基板の中央には直径10センチメートル程度の吸引穴30を設けている。また、左右の縁枠には摘み31を形成している。摘み31を設けることで、載置台3の着脱作業を容易とすることができる。
本実施例においては、漉枠を兼備したステンレス製の第一漉網部材4を使用している。第一漉網部材4の平面視における外形寸法は修復対象物Aのサイズに対応する大きさとすることができ、本実施例の場合、第一漉網部材4は、載置台3の外形寸法よりも大幅に大きいものとしている。
また、本実施例に係る小型漉き填め装置においては、図5に示すように、第一漉網部材4上に木製の漉枠B、漉き簀C、通水性を有する複数枚の不織布Dを順次載置している。漉き簀Cは、木製の漉枠B内に嵌合する。通水性を有する複数枚の不織布Dは、漉き簀Cと粗同程度の大きさを有する。
尚、本実施例においては、図3及び図5に示すように、廃液槽2の上部と廃液槽2上に載置される載置台3との間には特に部材を設けないが、基本構成として、図1及び図2に示すように、第二漉網部材7を載置した構成とすることができる。当該第二漉網部材7は、載置台3上に第一漉網部材4を載置して使用する場合には特に必要とするものではない。サイズの小さい和紙(具体的には、図8に示すように、第二漉網部材7と同程度までの大きさを有する和紙)を補修する際に、載置台3を使用せず、第二漉網部材7上に不織布等を載置した上で修復作業を行うべく、具備したものである。このため、前記第二漉網部材7は、載置台3上に第一漉網部材4を載置して使用する場合には、第二漉網部材7の左右側面を天地方向とし、フレーム1の左枠体10a若しくは右枠体10bに設けた二本のフック13に引っ掛けておくことができる。
以上のように構成した本実施例に係る小型漉き填め装置の使用方法について説明する。尚、本使用方法においては、上記第二漉網部材7は使用しない。
図3及び図5に示すように、廃液槽2の上に載置台3を乗せ、更にその上に漉枠を兼備したステンレス製の第一漉網部材4を載置する。そして、第一漉網部材4上に木製の漉枠B、漉き簀C、通水性を有する複数枚の不織布Dを順次載置する。次いで、修復対象物Aとなる和紙を不織布上に載置し、部分的な修復箇所を、載置台3の中央に形成された吸引穴30の直上に配置して、当該修復箇所に対して漉き填め修復用液(パルプ、澱粉糊を含有する水溶液)を注ぐ。
吸引モータ50のオンオフ切り替えのスイッチ51をオンとして、吸引モータ50を作動させ、第一漉網部材4を押えながら廃液槽2ごと揺動させる。当該揺動は、図4に矢印で示すように、廃液槽2に固着一体とした揺動軸20を中心とする揺動である。手作業で揺動するのとは異なり、規則正しい揺動によって、修復箇所に均等に漉き填め修復用液が浸透し、含有成分であるパルプ、澱粉糊がムラを生じず修復箇所に堆積されることとなる。
漉き填め修復溶液の廃液は、載置台3の吸引穴30から廃液槽2へ入り、吸引ノズル52の廃液遮蔽部54に当たり、廃液槽2の傾斜面及び底部へ落下し、排水口80へと流れる。排水バルブ8が閉栓されている場合、廃液槽2の底部に廃液が溜まる。適宜、排水バルブ8を開栓することで、廃棄する。図7に示すように、廃液遮蔽部54によってノズル穴53から遮蔽した廃液の流路9を形成するため、廃液が吸引モータ50内に浸入することがない。
揺動規制ハンドル60を、ハンドル軸60aを中心としてレバー60bを水平円周方向(左右)に動かすことで、ハンドル固定部61に対して規制舌片60cを係合して、廃液槽の揺動を阻止し、安全性を確保した状態でスイッチをオフにする。
以上の操作方法によって、修復箇所の紙の厚さを均一な状態として、和紙に対する漉き填め修復を行うことができる。
尚、漉き填めを行うに際しては、一般的に通常漉枠及び漉網部材の上に、直接修復対象物Aとなる和紙を載置するのではなく、通水性を有する細目のシート状部材を用いることが通常であり、この点については本発明においても同様に用いることができる。即ち、本発明においては、実施例のように第一漉網部材4上に適宜漉き簀や不織布等を設けることができる。
そして本発明においては、必ずしも、上記実施例のように、漉き簀と不織布の組合せが必須の構成となるものではない。この他に細目のメッシュ部材等、漉き填めにおいて公知の種々のシート状部材や漉枠を載置することができるし、例えば漉き簀を省略して不織布のみとすることもできる。基本的には、修復対象物Aである和紙に近い位置(より上方に載置されること)となるシート状部材をより細目のものとして、当該和紙に対する吸引の急激な負荷を軽減することができればよい趣旨である。これらの構成は、本発明の構成としては特に限定するものではない。
本実施例においては、上記したように、軸受部12は、枠部材上に軸を囲むように壁板を設けた構成としているが、本発明に置いては、上記実施例に限定するものではなく、凹部として形成する等、種々の公知手段とすることができる。しかしながら、本実施例における枠部材上に軸を囲むように壁板を設けた構成とした場合には、枠部材自体を変形させることなく壁板を付加する構成であることから、枠部材自体の強度低下を招来しない点、及び、フレームに対して廃液槽2を着脱することが容易である点において優れている。フレームに対して廃液槽2が着脱容易であることは、清掃等のメンテナンス性を良好とする効果がある。
本実施例においてキャスタ11はロック機構付きのものを使用しているが、本発明については当該ロック機構付きのものに限定するものではなく、ロック機構のないキャスタであってもよい。また、本発明においてキャスタとは移動手段の総称であり、一般的なキャスタとは異なる車輪等といった公知の移動手段であってもよい趣旨である。
本実施例においては、漉網部材(第一漉網部材4)は漉枠を兼備した構成としているが、本発明は当該実施例に限らず、例えば、漉枠の上面内側に段差を設け、該段差に別体の漉網部材を嵌合する構成等、漉網部材と漉枠とを別体とすることもできる。尚、本実施例のように漉網部材(第一漉網部材4)が漉枠を兼備した構成とした場合には、構成部品点数が減ることによって、漉網部材の着脱等のメンテナンス性が向上する利点がある。
また上記実施例に係る第一漉網部材4及び第二漉網部材7は、いずれも一枚のみならず、複数の漉網からなるものとすることができる。複数の漉網を重ねる場合、上側をより目の細かいものとすることにより、吸引による和紙の破れ等を防止することができる。
本実施例においては、吸引モータ50の電源ケーブルが、吸引モータ50から外部へ延設されているが、本発明にはこれに限る必要はなく、例えば、充電式の大型バッテリを本体に搭載することができる。この場合、更に場所を選ばず設置できるメリットを高めることができる。
更に、フレーム1の構成は、本実施例に開示されるものではなく、設計事項の範囲内において自由にレイアウトを決定することができる。また本発明におけるフレームとは、単なる棒状部材に限定するものではなく、種々の成形手段によって得られる種々の形状(例えば、板状部材や、その他直方体状や曲面を有するブロック等)とすることもできる。
廃液槽2の開口部に設けた桟27は、必ずしも必要はないが、当該桟27を設けることによって、廃液槽2の強度を確保するとともに、第二漉網部材を使用する際には該第二漉網部材を下方から支持する支持枠としての機能を有する。また、桟27の幅を狭く形成することによって、第二漉網部材を使用しない場合には、吸引時の空気の流れを阻害しない構成としている。
上記実施例においては、載置台3の吸引穴30は円形輪郭を有するものとしているが、矩形等他の形状を有するものとすることができる。また、本発明において、載置台3の吸引穴形成位置となる「中央のみ」とは、上記実施例のように長手方向且つ短手方向中央であるものは勿論、長手方向、若しくは短手方向のいずれかの中央となるものも含む。
従って、例えば、図9に他の実施例として示すように、吸引穴30は、載置台3の長手中央位置に短手方向へ連続するスリット状の吸引穴30bとすることもできる。尚、この場合には、同図9に示すように、スリット状の吸引穴30bの両端を他のシート状部材32でマスキングすることにより、吸引穴30bの開口の大きさを自由に調節することができ、修復規模や和紙の厚さ等の諸条件に応じた、部分的な漉き填めを行うことができる。
尚、本発明に係る小型漉き填め装置は、基本的に漉き填めに使用するものであるが、載置台を使用する装置構成において、漉き填め修復用液に代えて染抜き用の薬剤を用いることによって、和紙の染抜きを行うことができる。
本発明の実施例に係る小型漉き填め装置の正面図である。 本発明の実施例に係る小型漉き填め装置の一部断面図である。 本発明の実施例に係る小型漉き填め装置の第二漉網部材を取り外した状態を示す一部断面とした説明図である。 本発明の実施例に係る小型漉き填め装置において第一漉網部材を載置しない状態を示す斜視図である。 本発明の実施例に係る小型漉き填め装置の分解説明図である。 本発明の実施例に係る揺動規制ハンドルとハンドル固定部との係脱を示す説明斜視図である。 本発明の実施例に係る吸引ノズルの拡大断面図である。 本発明の実施例に係る小型漉き填め装置において載置台3を使用せず第二漉網部材7上に不織布等を載置した上で修復作業を行う場合の構成を示す分解説明図である。 本発明の他の実施例に係る小型漉き填め装置において第一漉網部材を載置しない状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 フレーム
10 枠部材
10a 左枠体
10b 右枠体
10c 上枠部材
10d 下枠部材
10e 補助枠部材
10f モータ設置台
11 キャスタ
12 軸受部
13 フック
2 廃液槽
20 揺動軸
21 底面
22 傾斜面
23 左側面
24 右側面
25 吸引管連結部
26 揺動用把持部
27 桟
3 載置台
30 吸引穴
30b 吸引穴
31 摘み
32 シート状部材
4 第一漉網部材
50 吸引モータ
51 スイッチ
52 吸引ノズル
53 ノズル穴
54 廃液遮蔽部
55 吸引ホース
56 カバー
6 固定部材
60 揺動規制ハンドル
60a ハンドル軸
60b レバー
60c 規制舌片
61 ハンドル固定部
7 第二漉網部材
8 排水バルブ
80 排水口
9 流路
A 修復対象物
B 漉枠
C 漉き簀
D 不織布

Claims (5)

  1. 複数の枠部材からなるフレームと、前記枠部材間に揺動軸で軸架される廃液槽と、廃液槽の上方に設けられ且つ中央のみに吸引穴を備えた載置台と、載置台の上方に設けられる第一漉網部材を備え、
    前記フレーム内には前記載置台の吸引穴内を負圧とするための吸引手段を備え、
    前記フレームの下部にはキャスタを備え、
    前記廃液槽は、前記揺動軸を中心として当該廃液槽を揺動させるための揺動手段を備え、
    前記吸引手段は、吸引モータと、吸引モータのスイッチと、前記吸引モータと連結される吸引ノズルとを備え、
    前記吸引ノズルの先端は、廃液槽内で開口するノズル穴を有するとともに廃液のノズル内への浸入を阻止するための廃液遮蔽部を備えてなることを特徴とする小型漉き填め装置。
  2. 載置台における吸引穴の一部をマスキングするためのシート状部材を備えたことを特徴とする請求項1記載の小型漉き填め装置。
  3. 揺動可能な廃液槽を一時的に固定するための固定部材を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の小型漉き填め装置。
  4. 廃液槽の上方であって載置台の下方位置に第二漉網部材を具備したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の小型漉き填め装置。
  5. 廃液槽の下部に排水バルブを設けたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の小型漉き填め装置。
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