JP2006249163A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【構成】ポリカーボネート樹脂(A)40〜98重量%、ゴム強化スチレン系樹脂(B)1〜60重量%およびポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレート成分とからなる複合ゴムに、少なくとも1種以上のビニル系単量体がグラフト重合された複合ゴム系グラフト共重合体と、シリコーン系オイルまたはオレフィン系オイルとを混合してなる摺動性改質剤(C)1〜15重量%からなる摺動性樹脂成分100重量部あたり、有機酸(D)0.01〜0.6重量部およびアミド化合物(E)0.2〜1.0重量部からなる熱可塑性樹脂組成物、およびそれを成形してなる成形品。
【効果】 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐熱性、耐衝撃性等を大きく損なうことなく流動性と摺動性を顕著に向上させていることから、電気、電子、IT等各種分野における軽量・薄肉化、意匠性、磨耗性などが要求される製品に対して好適に使用することが可能であり、工業的利用価値が高い。
【選択図】 なし
【効果】 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐熱性、耐衝撃性等を大きく損なうことなく流動性と摺動性を顕著に向上させていることから、電気、電子、IT等各種分野における軽量・薄肉化、意匠性、磨耗性などが要求される製品に対して好適に使用することが可能であり、工業的利用価値が高い。
【選択図】 なし
Description
本発明は、摺動性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。詳細には、ポリカーボネート樹脂とゴム強化スチレン系樹脂とのポリマーブレンドに、特定の有機酸、アミド化合物および摺動性改質剤を特定量配合することにより、摺動性および耐衝撃性に優れるのみならず極めて優れた流動性を有する熱可塑性樹脂脂組成物、およびそれからなる成形品に関する。
ポリカーボネート樹脂にABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のゴム強化スチレン系樹脂をブレンドしたポリマーブレンドは、電気、電子、IT等の分野の数多くの製品に広く使用されている。近年これらの分野では、製品の薄肉化に伴い材料の高い流動性が要望されている。また、当該分野においては、摺動性を必要とする場合も数多くあり、これらの特性をバランス良く具備した材料が市場において要求されている。
特開平09−302209では、ポリカーボネート樹脂にリン酸エステル系化合物を配合して流動性を高め、更に摺動性を改善する手法として低分子量のフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)を配合する方法が開示されている。
特開2000−143965では、ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂のポリマーブレンドを高度に高流動化させ得る技術として、当該ブレンドに可塑化効果をもたらすリン酸エステル系化合物を配合し、更には組成物の摺動性を改善する手法として、低分子量のフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)やシリコーンオイル(ポリオルガノシロキサン)を配合する方法が開示されている。
特開2000−143965では、ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂のポリマーブレンドを高度に高流動化させ得る技術として、当該ブレンドに可塑化効果をもたらすリン酸エステル系化合物を配合し、更には組成物の摺動性を改善する手法として、低分子量のフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)やシリコーンオイル(ポリオルガノシロキサン)を配合する方法が開示されている。
しかしながら当該技術は、リン酸エステル系化合物の影響により、得られた組成物の耐熱性、耐衝撃性等の重要な性能が大きく損なわれるばかりでなく、シリコーンオイル等の滲みだしに起因する成形品の外観不良が発生したり、さらには長期的な摺動性の維持という面でも必ずしも十分ではないため、改良が求められてきた。
本発明者らは、かかる問題点に鑑み鋭意検討を行った結果、ポリカーボネート樹脂とゴム強化スチレン系樹脂のポリマーブレンドに、特定の有機酸とアミド化合物および摺動性改質剤を特定量配合することにより、組成物の耐熱性や耐衝撃性を損なうことがないうえに、オイルの滲みだしによる不具合も発生することなく、その流動性、摺動性を著しく改善することに成功し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)40〜98重量%、ゴム強化スチレン系樹脂(B)1〜60重量%およびポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレート成分とからなる複合ゴムに、少なくとも1種以上のビニル系単量体がグラフト重合された複合ゴム系グラフト共重合体と、シリコーン系オイルまたはオレフィン系オイルとを混合してなる摺動性改質剤(C)1〜15重量%からなる摺動性樹脂成分100重量部あたり、有機酸(D)0.01〜0.6重量部およびアミド化合物(E)0.2〜1.0重量部からなる熱可塑性樹脂組成物、およびそれを用いて成形されてなる成形品を提供するものである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐熱性、耐衝撃性等を大きく損なうことなく流動性と摺動性を顕著に向上させていることから、電気、電子、IT等各種分野における軽量・薄肉化、意匠性、磨耗性などが要求される製品に対して好適に使用することが可能であり、工業的利用価値が高い。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明にて使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらは単独または2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−〔4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル〕−プロパンなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量には特に制限はないが、成形加工性、強度の面より通常10000〜100000、より好ましくは15000〜30000、さらに好ましくは17000〜26000である。また、かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調整剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
本発明にて使用されるゴム強化スチレン系樹脂(B)とは、(a)芳香族ビニル単量体成分、(b)シアン化ビニル単量体成分および(c)ゴム質重合体を共重合体の構成成分として含む(B−1)共重合体と前記(a)および(b)を共重合体の構成成分として含む(B−2)共重合体とから構成されることを特徴とする樹脂である。好ましいゴム強化スチレン系樹脂(B)の例としては、(c)ゴム質重合体の存在下に(a)、(b)成分がグラフト共重合したグラフト共重合体を含むものが挙げられ、さらに好ましくは塊状重合によって作られるABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)が挙げられる。
(a)芳香族ビニル単量体成分としては、例えばスチレン、α―メチルスチレン、o−、m−、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられ、これらを一種または二種以上使用することができる。とりわけ、スチレンが好適に使用される。
(b)シアン化ビニル単量体成分としては、例えばアクリロニトリル、メタアクリロニトリル等が挙げられ、これらを一種または二種以上使用することができる。とりわけ、アクリルニトリルが好適に使用される。
(c)ゴム質重合体としては、ポリブタジエン、スチレン-ブタジエンのランダム共重合体またはブロック共重合体、当該ブロック共重合体の水素添加物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、イソプレン-ブタジエン共重合体等のジエン系ゴム、エチレン-プロピレンのランダム共重合体またはブロック共重合体、ポリイソプレン、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン−メタクリレ−ト、エチレン−ブチルアクリレ−トなどのエチレン−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、例えばブチルアクリレ−ト−ブタジエン共重合体などのアクリル系弾性重合体、エチレン−酢酸ビニル等のエチレンと脂肪酸ビニルとの共重合体、エチレン−プロピレン−ヘキサジエン共重合体などのエチレン−プロピレン非共役ジエンタ−ポリマ−、ブチレン−イソブレン共重合体、塩素化ポリエチレン等が挙げられ、これらを一種または2種以上の組合せで使用することできる。好ましいゴム質重合体としては、ジエン系ゴム、エチレン−プロピレン非共役ジエンタ−ポリマ−およびアクリル系弾性重合体であり、特に好ましくはポリブタジエンおよびスチレン−ブタジエン共重合体である。
上記(a)、(b)、(c)の各成分の組成比には特に制限はなく、用途に応じて調整可能である。また、(B−1)共重合体には、上記の成分(a)、(b)、(c)の他に、これらの成分と共重合可能な単量体を本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。
そのような共重合可能な単量体としては、アクリル酸、メタアクリル酸などのα,β−不飽和カルボン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のα,β−不飽和カルボン酸エステル類;無水マレイン酸、無水イタコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物類;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミド等のα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物類;等を挙げることができ、これらの単量体は一種または二種以上で使用することができる。
(B−2)共重合体は、前述の(a)芳香族ビニル単量体成分および(b)シアン化ビニル単量体成分から構成され、好適にはSAN樹脂(スチレン−アクリロニトリル共重合体)が使用される。(B−2)共重合体は、得られた熱可塑性樹脂組成物の成形性(流動性)の改善に寄与する。
上記(a)、(b)の各成分の組成比には特に制限はなく、用途に応じて調整可能であるが、好ましくは、(B−2)共重合体を基準にして(a)成分が95〜50重量%、(b)成分が5〜50重量%であり、さらに好ましくは(a)が90〜65重量%、(b)が10〜35重量%である。また、(B−2)共重合体には、上記の成分(a)、(b)の他に、これらの成分と共重合可能な単量体を本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。
そのような共重合可能な単量体としては、アクリル酸、メタアクリル酸などのα,β−不飽和カルボン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のα,β−不飽和カルボン酸エステル類;無水マレイン酸、無水イタコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物類;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミド等のα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物類;等を挙げることができ、これらの単量体は一種または二種以上で使用することができる。
ゴム強化スチレン系樹脂(B)の配合比率は、ポリカーボネート樹脂(A)および摺動性改質剤(C)を基準として、1〜60重量%の範囲である。配合比率が1重量%未満であると流動性が劣り、また60重量%を超えると耐熱性が劣るので好ましくない。より好ましくは、5〜25重量%の範囲である。
本発明の摺動性改質剤(C)における複合ゴム系グラフト共重合体に用いるポリオルガノシロキサンは、特に限定されるものではないが、好ましくはビニル重合性官能基を含有するポリオルガノシロキサンである。かかるポリオルガノシロキサンは、例えば、ジオルガノシロキサンとビニル重合性官能基含有シロキサンからなる混合物またはさらに必要に応じてシロキサン系架橋剤を含むラテックスを、酸触媒を用いて高温下で重合させることにより、製造することができる。
ポリオルガノシロキサンの製造に用いられるジオルガノシロキサンとしては、3員環以上のジオルガノシロキサン系環状体が挙げられ、3〜7員環のものが好ましい。具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン,ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられるが、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ビニル重合性官能基含有シロキサンとしては、ビニル重合性官能基を含有し、かつ、ジオルガノシロキサンとシロキサン結合を介して結合しうるものであってよく、ジオルガノシロキサンとの反応性を考慮するとビニル重合性官能基を含有する各種アルコキシシラン化合物が好ましい。具体的には、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエトキシメチルシランおよびδ−メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等のメタクリロイルオキシシラン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等のビニルシロキサン、p−ビニルフェニルジメトキシメチルシラン等のビニルフェニルシラン、さらにγ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシロキサンが挙げられる。これらのビニル重合性官能基含有シロキサンは、単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。
シロキサン系架橋剤としては,3官能性または4官能性のシラン系架橋剤、例えば、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン等を用いることができる。上記ポリオルガノシロキサンの製造は、具体的には、例えば、ジオルガノシロキサンとビニル重合性官能基含有シロキサンからなる混合物またはさらに必要に応じてシロキサン系架橋剤を含む混合物を乳化剤と水によって乳化させたラテックスを、高速回転による剪断力で微粒子化するホモミキサーや、高圧発生機による噴出力で微粒子化するホモジナイザー等を使用して微粒子化した後、酸触媒を用いて高温下で重合させ、次いでアルカリ性物質により酸を中和することにより行うことができる。
重合に用いる酸触媒の添加方法としては,シロキサン混合物、乳化剤および水とともに混合する方法と、シロキサン混合物が微粒子化されたラテックスを高温の酸水溶液中に一定速度で滴下する方法等があるが、ポリオルガノシロキサンの粒子径の制御のしやすさを考慮すると、シロキサン混合物が微粒子化されたラテックスを高温の酸水溶液中に一定速度で滴下する方法が好適に用いられる。
また、ポリオルガノシロキサンの製造の際に用いる乳化剤としては、アニオン系乳化剤が好ましく、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウムなどの中から選ばれる乳化剤が使用される。特にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどが好ましい。
シロキサン混合物、乳化剤、水および/または酸触媒を混合する方法は、高速攪拌による混合、ホモジナイザーなどの高圧乳化装置による混合などがあるが、ホモジナイザーを使用する方法は、ポリオルガノシロキサンラテックスの粒子径の分布が小さくなるので好ましい方法である。ポリオルガノシロキサンの重合に用いられる酸触媒としては、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸などのスルホン酸類および硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸類などが挙げられる。これらの酸触媒は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうちでは、ポリオルガノシロキサンラテックスの安定化作用にも優れている点で脂肪族置換ベンゼンスルホン酸が好ましく、n−ドデシルベンゼンスルホン酸が特に好ましい。また、n−ドデシルベンゼンスルホン酸と硫酸などの鉱酸とを併用すると、ポリオルガノシロキサンラテックスの乳化剤成分に起因する熱可塑性樹脂組成物の外観不良を低減させることができる。
ポリオルガノシロキサンの重合温度は、50℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。また、ポリオルガノシロキサンの重合時間は、酸触媒をシロキサン混合物、乳化剤および水とともに混合し、微粒子化させて重合する場合には2時間以上が好ましく、より好ましくは5時間以上であり、酸触媒の水溶液中にシロキサン混合物が微粒子化されたラテックスを滴下する方法では、ラテックスの滴下終了後1時間程度保持することが好ましい。
重合の停止は、反応液を冷却し、さらにラテックスを苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸ナトリウムなどのアルカリ性物質により中和することによって行うことができる。複合ゴム系グラフト共重合体を構成するアルキル(メタ)アクリレートゴムは、アルキル(メタ)アクリレートと多官能性アルキル(メタ)アクリレートとの重合物である。複合ゴム系グラフト共重合体中のアルキル(メタ)アクリレートゴムの量は特に限定されるものではない。
本発明に用いられる複合ゴムは、ポリオルガノシロキサンラテックスにアルキル(メタ)アクリレートと多官能性アルキル(メタ)アクリレートからなるアルキル(メタ)アクリレート成分を含浸させた後、重合させることによって製造することができる。アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートおよびヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレートが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、グラフト共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性および成形光沢を考慮すると、特にn−ブチルアクリレートの使用が好ましい。
多官能性アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましい多官能性アルキル(メタ)アクリレートの例としては、グラフト共重合体のグラフト構造(アセトン不溶分量、アセトン可溶成分の溶液粘度)を考慮すると、アリルメタクリレートと1,3−ブチレングリコールジメタクリレートとの組み合わせが挙げられる。
本発明に用いられるポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレートゴムからなる複合ゴムは、ポリオルガノシロキサン成分のラテックス中ヘ上記アルキル(メタ)アクリレート成分を添加し、通常のラジカル重合開始剤を作用させて重合することによって調製することができる。アルキル(メタ)アクリレートを添加する方法としては、ポリオルガノシロキサン成分のラテックスと一括で混合する方法とポリオルガノシロキサン成分のラテックス中に一定速度で滴下する方法がある。なお、得られるグラフト共重合体を含む樹脂組成物の耐衝撃性を考慮すると、ポリオルガノシロキサン成分のラテックスを一括で混合する方法が好ましい。また、重合に用いるラジカル重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系開始剤または酸化剤と還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤が用いられる。これらのうちでは、レドックス系開始剤が好ましく、特に硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩・ロンガリット・ハイドロパーオキサイドを組み合わせた系が好ましい。
上記複合ゴム系グラフト共重合体の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、0.01〜0.6μmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径が0.01μm未満になると、樹脂組成物から得られる成形物の耐衝撃性が悪化することがあり、また平均粒子径が0.6μmを越えると、熱可塑性樹脂組成物から得られる成形物の耐衝撃性が低下するとともに成形表面外観が悪化することがある。
上記複合ゴムの存在下に、1種以上のビニル系単量体をラジカル重合することにより、複合ゴム系グラフト共重合体が得られる。ビニル系単量体としては、特に限定はないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル、アクリロニトリル,メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
グラフト重合は、複合ゴムのラテックスにビニル系単量体を加え、ラジカル重合法により一段であるいは多段で行うことができる。重合に用いるラジカル重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系開始剤または酸化剤と還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤が用いられる。それらのうちでは、レドックス系開始剤が好ましく、特に硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩・ロンガリット・ハイドロパーオキサイドを組み合わせた系が好ましい。
グラフト重合において用いるビニル系単量体中にはグラフトポリマーの分子量やグラフト率を調製するための各種連鎖移動剤を添加することができる。また、グラフト重合の際には、重合ラテックスを安定化させ、さらにグラフト共重合体の平均粒子径を制御するために乳化剤を添加することができる。用いられる乳化剤としては、特に限定するものではないが、その好ましい例としてはカチオン系乳化剤、アニオン系乳化剤およびノニオン系乳化剤であり、さらに好ましい例としてはスルホン酸塩乳化剤あるいは硫酸塩乳化剤とカルボン酸塩乳化剤との組み合わせがある。
また、上記のようにして調製される複合ゴム系グラフト共重合体の粒子径は、特に限定されるものではないが、得られるグラフト共重合体を含む樹脂組成物の耐衝撃性と成形物表面外観を考慮すると、上記複合ゴムの平均粒子径は0.01〜2μmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径が0.01μm未満になると、樹脂組成物から得られる成形物の耐衝撃性が悪化することがあり、また平均粒子径が2μmを越えると、熱可塑性樹脂組成物から得られる成形物の耐衝撃性が低下するとともに、成形物表面外観が悪化することがある。
本発明において、複合ゴム系グラフト共重合体は、上記のようにして製造したグラフト共重合体ラテックスを塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩を溶解した熱水中に投入して塩析し、固化させることによりグラフト共重合体を分離し、粉末状で回収することにより製造される。本発明の摺動性改質剤(C)におけるシリコーン系オイルは、特に限定されるものではなく、本発明の目的を達成するために有効な広範囲のシリコーン系オイルを使用することができる。代表的なシリコーン系オイルとしては、R3 SiO0.5 、R2 SiO、RSiO1.5 、SiO2 、R1 R2 SiO0.5 、R1 RSiO、R1 2SiO単位およびこれらの混合物(式中、Rはそれぞれ独立に飽和または不飽和の一価の炭化水素基を表し、R1 はそれぞれ独立にRに対して規定したものと同じ基(R1 とRの両者が存在する場合、これらは同一であっても相異なっていてもよい)または水素原子、ヒドロキシル、アルコキシル、アリール、ビニルまたはアリル基等からなる群から選ばれる基を表す)からなる群から選ばれる化学的に結合したシロキシ単位からなるシリコーン系オイルが挙げられる。
また、オレフィン系オイルについても、特に限定されるものではなく、広範囲のオレフィン系オイルを用いることができる。本発明に有用な、オレフィン系オイルの代表的な例としては、オレフィン系オリゴマー、特にエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとのコオリゴマーを挙げることができ、炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等を挙げることができる。さらに、オレフィン系オリゴマーは、100℃における動粘度が15〜1000cStであることが、摺動性および成形加工性の点から好ましい。
本発明において、ポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレートゴムとからなる複合ゴムに1種以上のビニル系単量体がグラフト重合された複合ゴム系グラフト共重合体と、シリコーン系オイルまたはオレフィン系オイルとの重量比率は、99:1〜60:40であることが好ましい。さらに好ましくは、90:10〜70:30の範囲である。これら成分の配合方法としては、複合ゴムグラフト共重合体にシリコーン系オイルまたはオレフィン系オイルを含浸させる方法が好ましい。
摺動性改質剤(C)の配合比率は、ポリカーボネート樹脂(A)およびゴム強化スチレン系樹脂(B)を基準にして1〜15重量%である。より好適には、3〜10重量%、さらに好適には5〜8重量%の範囲である。摺動性改質剤(C)の添加量が1重量%未満の場合には、十分な摺動性付与良効果が得られず、また15重量%を越えると、効果が飽和に達してしまうことから経済的に好ましくない。
有機酸(D)には種々のタイプのものを使用することができる。例えば、炭素数6〜30の脂肪酸が挙げられ、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、無水マレイン酸、酸変性のシロキサンなどが代表的な化合物として例示される。とりわけカプリン酸が好適に用いられる。
有機酸(D)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)40〜98重量%、ゴム強化スチレン系樹脂(B)1〜60重量%およびポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレート成分とからなる複合ゴムに、少なくとも1種以上のビニル系単量体がグラフト重合された複合ゴム系グラフト共重合体と、シリコーン系オイルまたはオレフィン系オイルとを混合してなる摺動性改質剤(C)1〜15重量%からなる摺動性樹脂成分100重量部あたり、0.01〜0.6重量部である。配合量が0.01重量部未満では流動性が劣り、また0.6重量部を超えると衝撃強度が低下するので好ましくない。より好適な配合量としては、0.05〜 0.2重量部の範囲である。
アミド化合物(E)は、下記一般式(1)で示される化合物である。
一般式(1)
R1−CONH−(CH2)n−NHCO−R2
ただし、R1およびR2は炭素数6〜30である直鎖または分岐鎖アルキル基であり、nは2〜6の整数である。具体的には、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスオレイルアミド等が挙げられ、とりわけエチレンビスステアリルアミドが好適に使用される。
一般式(1)
R1−CONH−(CH2)n−NHCO−R2
ただし、R1およびR2は炭素数6〜30である直鎖または分岐鎖アルキル基であり、nは2〜6の整数である。具体的には、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスオレイルアミド等が挙げられ、とりわけエチレンビスステアリルアミドが好適に使用される。
アミド化合物(E)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)40〜98重量%、ゴム強化スチレン系樹脂(B)1〜60重量%およびポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレート成分とからなる複合ゴムに、少なくとも1種以上のビニル系単量体がグラフト重合された複合ゴム系グラフト共重合体と、シリコーン系オイルまたはオレフィン系オイルとを混合してなる摺動性改質剤(C)1〜15重量%からなる摺動性樹脂成分100重量部あたり、0.2〜1.0重量部である。配合量が0.2重量部未満では流動性が劣り、また1.0重量部を超えると衝撃強度が低下するので好ましくない。より好適な配合量としては、0.4〜0.8重量部の範囲である。
ポリカーボネート樹脂(A)、ゴム強化スチレン系樹脂(B)、摺動性改質剤(C)、有機酸(D)、アミド化合物(E)を混合する方法には特に制限はない。また、これらは、任意の混合機、例えばタンブラー、リボンブレンダー、高速ミキサー等で混合し、通常の一軸または二軸押出機等で容易に溶融混練することができる。
また、混合時、必要に応じて他の公知の添加剤、例えば離型剤、紫外線吸収剤、充填剤、衝撃改良剤、帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、その他の難燃剤、難燃助剤(有機金属塩等)、染顔料、展着剤(エポキシ大豆油、流動パラフィン等)等を配合することができる。
充填剤としては、例えばガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、ワラストナイト、シリカ等が挙げられる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限されるものではない。なお、特に断りのない限り「部」は重量基準に基づく。
使用した配合成分の詳細は、以下のとおりである。
・ポリカーボネート樹脂(以下、PCと略記)
住友ダウ社製 カリバー 200−20(分子量:18600)
・ABS樹脂(以下、ABSと略記)
日本A&L社製 サンタックAT05(塊状重合品)
・摺動性改質剤
三菱レイヨン社製 メタブレンSX005
・有機酸
カプリン酸(日本油脂社製NAA−102)
・アミド化合物
エチレンビスステアリルアミド(日本油脂社製アルフロー H−50TF)
・ポリカーボネート樹脂(以下、PCと略記)
住友ダウ社製 カリバー 200−20(分子量:18600)
・ABS樹脂(以下、ABSと略記)
日本A&L社製 サンタックAT05(塊状重合品)
・摺動性改質剤
三菱レイヨン社製 メタブレンSX005
・有機酸
カプリン酸(日本油脂社製NAA−102)
・アミド化合物
エチレンビスステアリルアミド(日本油脂社製アルフロー H−50TF)
各種配合成分を表1および表2に示す配合比率にて一括してタンブラーに投入し、10分間乾式混合した後、二軸押出機(神戸製鋼所製KTX37)を用いて、溶融温度240℃にて混練し、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットから、以下の評価を行った。ペレットの射出成形加工には、日本製鋼社製J100E−C5射出成形機を用いた。
(1)アルキメデススパイラルフロー流動性
溶融温度250℃、射出圧力1600kg/cm2の条件下、アルキメデススパイラルフロー金型を使用して、流路厚み1mmでの流動長さを測定した。流動長さが130mm以上を合格とした。
溶融温度250℃、射出圧力1600kg/cm2の条件下、アルキメデススパイラルフロー金型を使用して、流路厚み1mmでの流動長さを測定した。流動長さが130mm以上を合格とした。
(2)アイゾット衝撃試験
溶融温度250℃の条件下、アイゾット衝撃試験用試験片を加工し、ASTM D256に準拠し、アイゾット衝撃強度を測定した。測定温度は23℃、試験片の厚みは3.2mmである。衝撃値が20Kg・cm/cm以上を合格とした。
溶融温度250℃の条件下、アイゾット衝撃試験用試験片を加工し、ASTM D256に準拠し、アイゾット衝撃強度を測定した。測定温度は23℃、試験片の厚みは3.2mmである。衝撃値が20Kg・cm/cm以上を合格とした。
(3)磨耗量
溶融温度250℃の条件下、磨耗性評価用試験片を加工し、JIS K7218 A法に準拠し、磨耗量(mg)を測定した。磨耗量が100mg以下を合格とした。
溶融温度250℃の条件下、磨耗性評価用試験片を加工し、JIS K7218 A法に準拠し、磨耗量(mg)を測定した。磨耗量が100mg以下を合格とした。
表1のとおり、熱可塑性樹脂組成物が本発明の構成を満足する場合(実施例1〜6)にあっては、全ての評価項目にわたりその規格を満足していた。
表2で示したとおり、熱可塑性樹脂組成物が本発明の構成を満足しない場合においては、それぞれ次の欠点を有していた。
比較例1は、アミド化合物(E)の配合量が規定範囲の下限を下回っている場合であり、流動性が劣っていた。
比較例2においては、アミド化合物(E)の配合量が規定範囲の上限より多く、衝撃強度が劣っていた。
比較例3においては、有機酸(D)の配合量が規定範囲の下限を下回っている場合であり、流動性が劣っていた。
比較例4においては、有機酸(D)の配合量が規定範囲の上限より多く、衝撃強度が劣っていた。
比較例5においては、摺動性改質剤(C)の配合量が規定範囲の下限を下回っている場合であり、磨耗量が規格を満足しなかった。
比較例1は、アミド化合物(E)の配合量が規定範囲の下限を下回っている場合であり、流動性が劣っていた。
比較例2においては、アミド化合物(E)の配合量が規定範囲の上限より多く、衝撃強度が劣っていた。
比較例3においては、有機酸(D)の配合量が規定範囲の下限を下回っている場合であり、流動性が劣っていた。
比較例4においては、有機酸(D)の配合量が規定範囲の上限より多く、衝撃強度が劣っていた。
比較例5においては、摺動性改質剤(C)の配合量が規定範囲の下限を下回っている場合であり、磨耗量が規格を満足しなかった。
Claims (9)
- ポリカーボネート樹脂(A)40〜98重量%、ゴム強化スチレン系樹脂(B)1〜60重量%およびポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレート成分とからなる複合ゴムに、少なくとも1種以上のビニル系単量体がグラフト重合された複合ゴム系グラフト共重合体と、シリコーン系オイルまたはオレフィン系オイルとを混合してなる摺動性改質剤(C)1〜15重量%からなる摺動性樹脂成分100重量部あたり、有機酸(D)0.01〜0.6重量部およびアミド化合物(E)0.2〜1.0重量部からなる熱可塑性樹脂組成物。
- ゴム強化スチレン系樹脂(B)が、塊状重合法により製造されたアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 摺動性改質剤(C)を構成する複合ゴム系グラフト共重合体とシリコーン系オイルまたはオレフィン系オイルの重量比が99:1〜60:40であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 有機酸(D)の配合量が0.05〜0.2重量部であり、かつアミド化合物(E)の配合量が0.4〜0.8重量部であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 有機酸(D)が、炭素数6〜30の脂肪酸である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 有機酸(D)が、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、無水マレイン酸、酸変性のシロキサンから選択される一種もしくは二種以上の脂肪酸であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- アミド化合物(E)が、下記一般式(1)で示される化合物である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
一般式(1)
R1−CONH−(CH2)n−NHCO−R2
ここで、R1、R2は炭素数6〜30の(直鎖または分岐鎖)アルキル基であり、nは2〜6の整数である。 - 有機酸(D)がカプリン酸であり、アミド化合物(E)がエチレンビスステアリルアミドであることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を用いて成形されてなる成形品。
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