JP2006248917A - 健康障害抑制剤 - Google Patents

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勤 鍵谷
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Abstract

【課題】放射線被曝や癌の治療時の放射線照射あるいは抗癌剤投与に起因する副作用として発現する健康障害の抑制(緩和)に有効な薬剤を提供する。
【解決手段】放射線被曝や癌の治療時に、L−アスコルビン酸−2−グルコシドなどのL−アスコルビン酸またはその誘導体の配糖体を有効成分とする健康障害抑制剤を投与する。
【選択図】なし

Description

本発明は、放射線被曝による健康障害の予防、癌の治療時の放射線照射や抗癌剤投与に起因する副作用として発現する健康障害の抑制(緩和)に有効な薬剤に関する。
原子力発電に携わる作業者、レントゲン検査技術者、または放射線による癌の診断や治療を行う技術者や治療医師は放射線の被曝を物理的に防護している。しかしながら、物理的な防護法は完全とはいえず、微量の放射線の慢性被曝による健康被害が心配されている。また、放射線診断による被曝は癌を発生させていることが社会的な問題になっている。
放射線治療においては、正常組織の被曝障害を可能な限り防護し、患部に放射線を集中的に照射しているが、患者は副作用による吐き気や下痢などの健康障害に悩まされる場合が多い。一方、癌の抗癌剤治療においては、副作用を抑制するために投与量を制限しているが、それでも治療を受けている患者は副作用による嘔吐や下痢などの健康障害に苦しんでいるのが実状である。
これらの放射線や抗癌剤による癌治療の副作用である健康障害を効果的に防御する薬剤の開発は緊急の研究課題である。また、近年、慢性の微量被曝や抗癌剤による晩発影響としての発癌も問題になっているが、有効な予防対策は全く行われていない。
従来、放射線防護剤として各種アミノチオール類が提案されている(非特許文献1)が、これらの化合物はいずれも強い副作用のため、いまだ実用化されていない。
また、抗癌剤の副作用を効果的に抑制する薬剤は開発されておらず、止瀉(吐き止め)剤などを投与する対症療法だけでは患者の苦痛を除くことができていないのが現状である。
すなわち、放射線による診断を受ける者、癌の放射線治療や抗癌剤治療を受ける患者、放射線の取扱い者、あるいは微量の放射線を被曝している航空機の搭乗員に対して、健康障害を予防するために放射線防護剤や副作用抑制剤を摂取させる、または投与することは今日まで全く行なわれていなかった。
現在の癌治療における放射線の最大照射線量、あるいは抗癌剤の最大投与量は副作用によって生じる健康障害によって制限されている。したがって、癌治療における副作用を抑制することが可能になれば、放射線の最大照射線量や抗癌剤の最大投与量を現在より増やすことができることになり、放射線や抗癌剤による癌の治癒率は向上すると考えられる。
本発明者は、以前より、放射線や抗癌剤による癌治療の副作用である健康障害を効果的に防御する薬剤を研究してクロマノール配糖体を開発し(特許文献1)、これらの防御剤の効果について発表している(1996年の日本放射線影響学会第39回大会、大阪、および2003年の第9回日本癌治療増感研究会、京都)。
特開平10−72356号公報 菅原努ほか著、「放射線と医学」、共立出版株式会社、1986年
本発明者は、放射線被曝あるいは癌の放射線治療や抗癌剤治療における健康障害(副作用)を効果的に防御する薬剤として、L−アスコルビン酸またはその誘導体を配糖体とすることが効果的であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の目的は、放射線被曝や癌の治療時の放射線照射、あるいは抗癌剤投与に起因する副作用として発現する健康障害の抑制や緩和に有効な薬剤を提供することにある。
すなわち本発明は、L−アスコルビン酸またはその誘導体(以下、特に断りがない限り「L−アスコルビン酸」に代表させて説明する)の配糖体を有効成分とする放射線や抗癌剤による健康障害の抑制剤に関する。
本発明の健康障害抑制剤を用いるときは、放射線被曝や癌治療のための放射線照射、あるいは抗癌剤投与に起因する副作用として発現する健康障害を効果的に抑制ないし緩和することができる。
本発明のL−アスコルビン酸配糖体は、体内でL−アスコルビン酸(ビタミンC)を生ずるプロビタミンCであり、その特徴は血液中の有効成分の滞在時間が数時間に及ぶことであって、体内で生じたL−アスコルビン酸も効果を奏する。
L−アスコルビン酸(ビタミンC)は生体の抗酸化性物質として知られる健康食品のひとつであるが、その配糖体が生体の障害を防御する作用機序を有することについては知られていなかった。
本発明のL−アスコルビン酸配糖体の健康障害抑制の機序については明らかでない部分もあるが、L−アスコルビン酸がフリーラジカルを消去する機能を有することを考えると、放射線被曝や癌の放射線治療、あるいは抗癌剤治療によって発生するフリーラジカルに起因する細胞の損傷をL−アスコルビン酸と同じ作用機序で防いでいるものと考えられる。また、L−アスコルビン酸配糖体がL−アスコルビン酸よりも体内での持続性が高いことが、事前に摂取することによる健康障害の優れた予防効果を発現する原因と考えられる。
本発明の抑制剤の有効成分であるL−アスコルビン酸配糖体は、それ自身および体内で徐々に分解して生じたL−アスコルビン酸が効果を発現する。本発明で用いるL−アスコルビン酸配糖体を構成するL−アスコルビン酸はビタミンCとして知られ健康食品の成分としても広く用いられている安全な化合物である。
また、本発明においては、L−アスコルビン酸に種々の化学的修飾を加えた誘導体を用いてもよい。修飾位置はL−アスコルビン酸の6位が好ましく、L−アスコルビン酸誘導体の具体例としては、たとえば6−アシル−アスコルビン酸、6−パルミチル−アスコルビン酸、6−ステアリル−アスコルビン酸などが、脂質(細胞)への親和性が高まることが期待できる点から例示できる。
他方の構成成分である配糖体の原料成分である糖としては、たとえばグルコース、ガラクトース、フコース、キシロース、マンノース、ピラノーズ、ラムノース、フルクトース、アラビノーズ、リキソース、リボース、アロース、アルトロース、イドース、タロース、デオキシリボース、アロース、アルトース、デオキシリボース、2−デオキシリボース、キノース、アベクオースなどの単糖類、たとえばマルトース、ラクトース、セロビオース、ラフイノース、キシロビオース、スクロースなどの上記単糖類が2〜4個結合したオクトースなどやアルデヒド基をもつアルドースやケトン基をもつケトースなどのオリゴ糖類があげられる。
入手が容易で取扱いが容易な点から、好ましい具体的な配糖体としては、たとえばL−アスコルビン酸−2−グルコシドのほか、脂質(細胞)との親和性の向上が期待される6−アシル−アスコルビン酸−2−グルコシド、6−パルミチル−アスコルビン酸−2−グルコシド、6−ステアリル−2−グルコシドなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のL−アスコルビン酸配糖体は、公知の方法、たとえば、L−アスコルビン酸とグルコースあるいは、その誘導体から酵素化学的に合成することができる(香料会誌、第26巻、3号、154−162頁、2002年)。これらは化粧品の原料や食品添加剤として認可され市販されており、容易に入手できる人体に安全な物質である。
L−アスコルビン酸配糖体は、これを構成するL−アスコルビン酸および糖類が無害な化合物であり、また上記のとおり、既に食品添加物として使用されており、重篤な毒性がないことは明らかである。
製剤としては、粉剤、液剤、錠剤などがあり、薬理学的に許容し得る賦形剤を適宜使用して製剤化するが、紅茶に入れたレモンテイなどの飲料として投与することもできる。
投与方法は、水溶液の経口投与で充分に有効であるが、静脈内投与などでもよい。
こうした効果を有する本発明の抑制剤は、つぎの具体的な用途の薬剤として有用である。
(1)各種の放射線による診断や治療における副作用予防剤および副作用緩和剤。
(2)抗癌剤治療における副作用予防剤および副作用緩和剤。
(3)航空機の搭乗員、放射線技師および原子炉作業員の被曝による健康障害予防剤。
本発明のL−アスコルビン酸配糖体を健康障害予防剤として投与するのは、放射線の全身被曝が予期される場合、または放射線の局所照射や抗癌剤投与の場合であって、被曝あるいは抗癌剤投与の直前ないし5時間前に投与するときに健康障害の優れた抑制効果が奏される。また、常態的に微量の放射線に曝されている航空機の搭乗員、放射線技師や原子炉作業員などは、作業日には数時間毎に投与することが望ましい。
その投与量は、経口投与の場合は50〜1000mg/kg体重、静脈内投与の場合は10〜100mg/kg体重である。
本発明が対象とする抗癌剤は、シクロホスファミドやメルファランなどのアルキル剤、メトトレキサートやフルオロウラシルなどの代謝拮抗剤、マイトマイシンやアドリアマイシンなどの抗癌性抗生物質、ビンクリスチンやエトポシドなどの抗癌性植物由来物質、シスプラチンなどのDNA合成阻害剤のほか、ジェムザールやタキサン系の抗癌剤などであって、投与すると副作用を発現する細胞障害性の抗癌剤である。
たとえば乳癌に対しては、タキソールの単独投与やアドリアマイシン、シクロホスファミド、メトトレキサート、ドセタキセル、フルオロウラシルなどの多剤を併用投与することが行われている。これらの抗癌剤治療法においては、吐き気や嘔吐などの副作用を発現する。本発明のL−アスコルビン酸配糖体は、これらの抗癌剤による副作用として発現する健康障害を抑制することができる。
つぎに実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
1回に3Gyの放射線治療を受けている腰部腫瘍の女性患者(65歳)を被験者とした。この患者は放射線治療の副作用として、放射線の照射を受けた2時間後から1時間に7〜8回の下痢を起こしていた。
この患者に対して、次回の放射線治療の2時間前に10g(220mg/kg体重)のL−アスコルビン酸−2−グルコシドを100mlの水で経口服用させたところ、照射後に下痢の症状は全くみられなかった。その後、L−アスコルビン酸−2−グルコシドを放射線照射の2時間前に10g/100ml水(220mg/kg体重)を経口服用して行う放射線治療を週5回、2週間に合計9回行ったが、下痢は一度も発症しなかった。
実施例2
1回に3Gyの放射線治療を受けている脳腫瘍の男性患者(58歳)を被験者とした。この患者は放射線治療の副作用として、激しい吐き気の症状を起こしていた。
この患者に対して、次回の放射線治療の2時間前に15g(350mg/kg体重)のL−アスコルビン酸−2−グルコシドを100mlの水で経口服用させたところ、照射後に吐き気は全く起きなかった。その後、L−アスコルビン酸−2−グルコシドを放射線照射の2時間前に15g/100ml水(350mg/kg体重)を経口服用して放射線治療を週5回、2週間に合計9回行ったが、吐き気は全く起こらなかった。
実施例3
1週間に1回のタキソール点滴投与治療を受けていた乳癌手術後の女性患者(61歳)を被験者とした。この患者は抗癌剤治療の副作用として、激しい吐き気の症状を起こしていた。
この患者に対して、次回のタキソール点滴開始の2時間前に15g(290mg/kg体重)のL−アスコルビン酸−2−グルコシドを100mlの紅茶で経口服用させたところ、点滴後の吐き気は全く起きなかった。その後、L−アスコルビン酸−2−グルコシドをタキソール点滴開始の2時間前に15g/100ml水(290mg/kg体重)を経口服用して行う週1回の抗癌剤治療を3ヵ月間に合計9回行ったが、吐き気は全く起こらなかった。
これらの実施例によって、放射線や抗癌剤による治療の副作用が本発明のL−アスコルビン酸配糖体によって効果的に予防できることが示された。

Claims (2)

  1. L−アスコルビン酸またはその誘導体の配糖体を有効成分とする健康障害抑制剤。
  2. 放射線被曝または放射線治療や抗癌剤治療に際して投与する請求項1記載の健康障害抑制剤。
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