JP2006246706A - 卵殻イオンパウダー及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鶏卵の卵黄、卵白を取り出した卵殻の主成分であるカルシウム分、マグネシウム分を焙焼により取り出し、水で希釈した水溶液として使用できる卵殻イオンパウダーとその製造する方法を提供する。
【解決手段】細粒化した原料卵殻を焙焼炉へ入れ、炉内温度を約1000℃に保ち過剰空気状態で約1300℃の直火により卵殻を焙焼し、卵殻をよくかき混ぜる第一次焙焼を、原料卵殻の有機物が燃焼して暗赤色化するまで行い、炉内温度を1300℃以上に保った焙焼炉内で、1300℃〜1500℃の直火により卵殻が明るい赤色ないし黄色を帯びた赤色化するまで2時間〜3時間第二次焙焼を行い、3週間以上放置した卵殻を、1300℃〜1500℃の直火により、卵殻の酸素基及び水酸基が除去されて輝く白色化ないしダイヤモンド色化するまで2時間程度の第三次焙焼を行い、微粉化処理する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、鶏卵の卵黄、卵白を取り出した(使用済み)卵殻、即ち現状は生ゴミ或いは産業廃棄物として投棄されている卵殻を原料とし、卵殻の主成分であるカルシウム、マグネシウムを焙焼により取り出して有効利用する技術であって、水溶性でアルカリイオン化傾向が強く、水に溶かして希釈した水溶液として多目的に使用できる卵殻イオンパウダーと、同パウダーを製造する方法の技術分野に属する。
我が国で使用されている鶏卵は、一日当たり約1億5千万個と言われるが、使用済み卵殻のほとんど大部分が、生ゴミ或いは産業廃棄物として投棄されている。膨大な投棄量と云わねばならない。卵殻は炭酸カルシウムと酸化マグネシウムとが主成分であり、本来水には溶けない。しかし、卵白の有機質成分が土壌中で適度の水分を得ると発酵や腐敗の元になり、硫酸体ガスが発生して、植物の根腐れの原因となることは既に知られている。
そのため卵殻の主成分が炭酸カルシウム及び酸化マグネシウムであることに着目して、食品のカルシウム剤として有効利用するための技術が種々工夫されている。
下記する特許文献1〜4に開示された発明がその代表的なものである。
特開平6−303949号公報 特開平7−8226号公報 特開2001−161315号公報 特開2003−26525号公報
養鶏業においては、雛鳥の段階でワクチンを接種したり、抗生物質を含む飼料を与えたり、鶏舎の消毒に種々な薬品を使用しており、卵殻にもそうした成分が残存する。即ち、穀物飼料にも、その栽培時には農薬や防腐剤が散布されるし、鶏舎の清掃時には消毒液が使用され、鶏卵の洗卵には塩素系殺菌剤やオゾンが使用されている。こうした各種成分の物質に染まっているが故に、結果的に卵アレルギーとして鶏卵を食べることのできない人が日本人の15%から16%に達しているとも言われている。
したがって、卵殻を食品のカルシウム剤として有効利用するためには、前記のような有害成分、アレルギー成分の完全な除去乃至消去が望まれる。
しかるに、上記の特許文献1に記載された発明は、卵殻を洗浄し、乾燥して粉砕し、その粉末に水と酢と砂糖又は蜂蜜と塩、および果汁を加えた卵殻カルシウム液を提案する。しかし、卵殻に多く含まれているタンパク質等の有機成分や抗生物質、薬品等の不純物の処理がなされてはいないので、卵殻特有のえぐさや臭いが残り、これを酢や砂糖又は蜂蜜と塩、果汁を加える程度ではかき消せるものではなく、飲用に抵抗感が強い。カルシウム成分の有効度にも疑問が残る。
上記の特許文献2に記載された発明は、卵殻などを加熱して炭化させ、粉末化して酢酸に浸し、放置した後、残渣と上澄み液とを分離し、上澄み液を加熱沸騰してカルシウム含有微粉末を生成する方法を開示する。しかし、前記の炭化処理程度では、依然としてタンパク質等の有機成分の処理はなされていないに等しいから、カルシウム含有微粉末の有効成分割合は低いし、卵殻特有のえぐさは残る。
上記の特許文献3に記載された発明は、卵殻等を400℃から融点の直前温度範囲(卵殻の場合は1260℃と段落番号[0009]の文末に記載されている。)で焼成したものを有効成分とするカルシウム剤を提案する。しかし、本願発明者の知見によれば、前記程度の焼成処理では、やはり卵殻を構成しているタンパク質等の有機成分や抗生物質、薬品等の不純物は依然として残留すると考えられる。
上記の特許文献4に記載された発明は、卵殻等を約800℃〜1350℃の高温下で燃焼して得られるカルシウム粉末を提案する。しかし、当該公報には卵殻に関する具体的な実施例の記載はない。仮に卵殻等を約800℃〜1350℃の高温下で燃焼しても、なお卵殻を構成しているタンパク質等の有機成分や抗生物質、薬品等の不純物は依然として残留することは上述の通りであり、有効なカルシウム剤は得難いものと考えられる。
鶏卵は、親鶏の健康状態や気温、湿度あるいは飼料などによって品質の影響を受けやすく、恒常的に平均8%〜12%の割合で傷卵を発生する。よって、傷卵の分だけは生産性が低下するが、現実問題としては止む無しと養鶏業界で考えられている。
また、上記したように鶏卵は有害菌や有害成分で汚染され易いので、塩素系殺菌剤やオゾンによる洗浄水を使用して洗浄し除菌や減菌が行われている。しかし、前記した洗浄水による除菌や減菌の効果は一時的なものでしかないし、鶏卵の劣化を早めてしまうことさえもある。塩素系殺菌剤やオゾンの濃度を濃くすると、作業場環境を悪くし、作業員の健康被害さえ発生するおそれがある。
本発明の目的は、卵殻を3次にわたり高温直火で焙焼処理することにより、卵殻に多く含まれているタンパク質等の有機成分や抗生物質、薬品等の不純物質や有害物質、悪臭を燃焼させて除去し、有効、有益な強アルカリ性のカルシウム成分と弱アルカリ性のマグネシウム成分が残るように処理して、水溶性で強アルカリ性を呈し、イオン化傾向が強い微粉末(これを本願発明では卵殻イオンパウダーと称する。)を製造する方法を提供することにある。
本発明の次の目的は、上記の方法により得られた卵殻イオンパウダー、即ち、水に溶けやすく、水に溶かすとPH値が13以上の強アルカリ性を呈して、水をイオン化し還元性の水素を発生する卵殻イオンパウダーを、そのままで、又は水に溶かした水溶液として多種多様な用途、機能に活用することができる卵殻イオンパウダーを提供することにある。
上述した従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る卵殻イオンパウダーは、
細粒化した原料卵殻を焙焼炉へ入れ、炉内温度を約1000℃に保ち、過剰空気状態で約1300℃の直火により前記卵殻を焙焼し、且つ同卵殻をよくかき混ぜる第一次焙焼を、原料卵殻の有機物が燃焼して暗赤色化するまで行い、
前記の第一次焙焼を終えた卵殻を、炉内温度を1300℃以上に保った焙焼炉内で、1300℃〜1500℃の直火により卵殻が明るい赤色ないし黄色を帯びた赤色化するまで、2時間〜3時間第二次焙焼を行い、
その後、大気温度下で少なくとも3週間以上放置した卵殻を、1300℃〜1500℃の直火により、卵殻の酸素基及び水酸基が除去されて輝く白色化ないしダイヤモンド色化するまで2時間程度の第三次焙焼を行い、
前記の第三次焙焼を終えて冷めた卵殻を微粉化処理してなることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した卵殻イオンパウダーにおいて、
主成分のカルシウム分とマグネシウム分とが重量比にして約95%以上を占め、他にカリウム、リン、ナトリウム、鉄分などの微量要素が約5%以下含まれており、前記主成分におけるカルシウム分とマグネシウム分の比率は約92:8であることを特徴とする。
請求項3に記載した発明に係る卵殻イオンパウダーの製造方法は、
原料として1mm〜2mm程度に細粒化した卵殻を焙焼炉へ入れ、炉内温度を1000℃程度に保ち、過剰空気状態で約1300℃の直火により原料卵殻を焙焼し、且つ2分〜3分間隔で同卵殻をかき混ぜる第一次焙焼を、卵殻の有機物が燃焼して暗赤色化するまで20分〜30分程度行う段階と、
前記の第一次焙焼を終えた卵殻を更に、焙焼炉内の温度を1300℃以上に保ち、1300℃〜1500℃の直火により卵殻が明るい赤色ないし黄色を帯びた赤色化するまで少なくとも2時間〜3時間程度第二次焙焼を行い、その後大気温度下で少なくとも3週間以上放置する段階と、
上記の放置を経た卵殻を、炉内温度が1300℃以上の焙焼炉内で1300℃〜1500℃の直火により卵殻の酸素基及び水酸基並びに炭素を除去して輝く白色化ないしダイヤモンド色化するまで空気過剰状態で2時間程度の第三次焙焼を行う段階と、
前記の第三次焙焼を終えて冷めた卵殻を微粉化してパウダーとなし、保存容器へ入れて密封する段階とからなることをを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項3に記載した卵殻イオンパウダーの製造方法において、
原料としての卵殻は、予め水洗いして卵白、卵黄成分の可及的な除去を行い、その後遠心分離機で脱水処理し、熱風乾燥を行い、1mm〜2mm程度に細粒化して第一次焙焼炉へ入れることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項3に記載した卵殻イオンパウダーの製造方法において、
原料としての卵殻は、水洗いすることなく、ロータリキルンで軽く焼いて乾燥させた後に1mm〜2mm程度に細粒化して第一次焙焼炉へ入れることを特徴とする。
請求項1、2の発明に係る卵殻イオンパウダー、即ち、請求項3〜5の発明に係る方法で製造された卵殻イオンパウダーは、第一次焙焼によって卵殻に多く含まれているタンパク質等の有機質成分や悪臭を燃焼により除去し、第二次焙焼により卵殻を構成する有機質成分や抗生物質、薬品等が更に燃焼して除去され、その後更に第三次焙焼を行って酸化物(CaO)や水酸化物(OH)及び炭素成分(C)を除去して成り、カルシウム分とマグネシウム分を主成分とするもので、製粉機等により使用目的別に100〜500メッシュに製粉して使用される。この卵殻イオンパウダーは、主にカルシウム分とマグネシウム分とで構成されているため、水溶性であり、強いアルカリ性とイオン化傾向を呈する。即ち、水に溶けやすく、水に添加すると水はイオン化され、水の一部が水素と酸素に分離される。前記の性質を化学式で表すと、Ca+4HO→2Ca(OH) +2H
Mg +4HO→2Mg+2H +2O。このとき発生する水素(H)は還元作用が強く、この還元作用によって種々な作用効果を奏する。この卵殻イオンパウダー1gを100ccの水に溶かすと、PH値が13以上の強アルカリ性を呈する。こうした卵殻イオンパウダーおよびその水溶液の性質、作用を応用、利用するべく、以下に説明するように多種、多様な用途、機能、優れた作用、効果を発揮するように使用される。
請求項3〜5の発明に係る卵殻イオンパウダーの製造方法による産業上の効果として特筆するべきは、上述したように我が国で一日当たり1億5千万個以上と言われる使用済み卵殻の大量の生ゴミ又は産業廃棄物を解消してその投棄の防止にすこぶる有効的なことである。その上に、卵殻原料に多く含まれているカルシウム分とマグネシウム分を有用な卵殻イオンパウダーとして効率よく取り出し、パウダーそのままで、又は水に溶かした水溶液の状態で、以下に説明するように多方面の産業界で環境の改善、生産性の向上、人間生活の改善などに広く応用、利用する使用ができることである。但し、以下に説明する応用、利用の使用方法と、その結果奏する作用、効果は、現在のところ、発明者が知り得た知見を例示するものでしかなく、決してこの例示に限る意味ではないことを、ここに念のため申し添える。
本発明の方法により製造した卵殻イオンパウダーは、上述したように水に溶けやすく、イオン化傾向が強いもので、水に添加すると水はイオン化され、水の一部が水素と酸素に分離される。このとき発生する水素は還元作用が強く、この還元作用が種々な作用効果を奏する。また、卵殻イオンパウダー1gを100ccの水に溶かすとPH値が13以上の強アルカリ性を呈するので、これを例えば1万倍〜5万倍に希釈し、PH値にして8.0〜9.5の範囲で種々な用途に使用することができる。このとき使用する水は、地下水、水道水、蒸留水などの別を問わない。
(イ)人の健康補助剤として使用する。
卵殻イオンパウダーを、飲みやすい400メッシュ〜500メッシュ程度に微粉化して水に溶かし、1万〜5万倍に希釈した水溶液(PH値にして10〜8.0)にして飲用すると、カルシウム分およびマグネシウム分の体内補給に有効な健康補助剤としての効能を発揮する。例えば血液がサラサラ状態になるし、胃腸内部の善玉細菌が増殖して下痢症状が改善する等々の効果が得られる。
(ロ)養鶏の飲用水として使用する。
少々粗い100メッシュ〜200メッシュ程度に微粉化した卵殻イオンパウダーを水に溶かし、3万倍〜5万倍に希釈した水溶液(PH値にして8.0〜9.5)にして養鶏の飲用水として使用する。この飲用水を飲用した鶏の卵は質量が5%〜10%増し、鶏卵に含まれる熱量カロリー、脂質が減少して、タンパク質、ビタミンE、カルシウム、マグネシウム成分が増加する。また、タンパク質を構成するアミノ酸、中でも食味を良くするアミノ酸、免疫力を高めるアミノ酸、保水性を高めるアミノ酸の増加、およびビタミンEの増加が顕著で、これは親鶏の健康状態が向上していることを示す。しかも卵殻の厚さが15%向上し(通常厚さが0.33mmであるところ、卵殻イオンパウダー水を飲用する親鶏の卵の殻は0.38mmである。)丈夫な鶏卵を生産する。
(ハ)鶏卵の洗浄水として使用する。
200メッシュ程度に微粉化した卵殻イオンパウダーを水に溶かし、3万倍〜5万倍に希釈した水溶液(PH値にして8.0〜9.5)を、水温50℃程度に保ち鶏卵の洗浄水に使用する。この洗浄水で洗うと、卵の汚れが落ちやすい上に、傷卵のうち浅い傷の卵殻は修復されて傷が消える(又は消えたように見える。)。鶏卵の鮮度の目安であるハウユニットの数値が最良の95〜100前後まで向上する。また、洗浄後の卵殻表面の雑菌数が、オゾンや塩素添加洗浄水(温水)で洗浄したものよりも1/3〜1/5に減り安全度が高い。卵殻の硬度が向上して割れにくいものとなる。
(ニ)鶏舎の消毒液、清掃水として使用する。
100メッシュ程度に微粉化した卵殻イオンパウダーを水に溶かし、1万倍に希釈した水溶液(PH値にして10程度)を鶏舎内の消毒液、清掃水として使用すると、ダニ類や害虫の駆除剤、忌避剤としての効果、および殺菌効果がある。養鶏の体に直接噴射してやると、マイナスイオン効果により健康状態が良好になる。
(ホ)野菜や花卉類の洗剤、活性剤として使用する。
200メッシュ〜300メッシュ程度に微粉化した卵殻イオンパウダーを水に溶かし、1万倍に希釈した水溶液(PH値にして10程度)の中に野菜や果物を2分〜3分間程度浸けると、野菜や果物に付着した酸性農薬が中和されて鮮度を増し、人の食生活の健康増進に寄与する。カルシウム分がCaO、CaCl になって中和される。そして、酸味の強い果実の酸味が薄れ、甘味が増し、食べやすくなる。生花(切り花)を生けた花瓶の水に使用し、或いは生花の葉面に散水すると、生花の日持ちが2倍〜3倍長くなる。米の研ぎ水に使用すると、おいしいご飯が炊ける。うどん等の麺類をこの水溶液で茹でると、漂白剤が中和されて麺本来の色となり、甘みが増し、腰も強くなる。
(ヘ)農業の生産環境の改善、生産性の向上に使用する。
100メッシュ程度に微粉化した卵殻イオンパウダーを水に溶かし、1万倍に希釈した水溶液(PH値にして10程度)を土壌改良材として10アール当たり1000Kg程度の割合で散布すると、化学肥料や堆肥の窒素成分、農薬等で酸性化した土壌を中性ないし弱アルカリ性に改良できる。
前記卵殻イオンパウダーを1万倍〜2万培に希釈した水溶液(PH値にして10〜9.0程度)を畑作物の灌水に使用すると、根張りが良くなり、茎の成長を促す。また、葉面への散水に使用すると、光合成が活発になり、葉に栄養を与えトマト、キュウリ、なす、スイカ、メロン、イチゴなど実がなるものには必ず花が付き(着花性の向上)、実を付けて生産性が向上する。その上、果実の品質が向上する。例えばトマトは空洞が無くなり、全て水中に沈むようになる。キュウリは芯部分が空洞化、白色化することなく、淡い黄緑色になる。ビタミンCやビタミンEなど免疫力を高める栄養素が20〜100%増える。割れやすい長芋も割れにくく粘性が向上する。
卵殻イオンパウダーを1万倍に希釈した水溶液(PH値にして10程度)を、リンゴ、梨、桃、ブドウ、柑橘類などが早春の花芽が膨らむ時期に、及び小さな実を付ける時期、果実が肥大化する時期、収穫の2週間前の時期、並びに収穫後にそれぞれ、噴霧器で葉面へ散布すると、花芽が多く付き、実が肥大化し、糖度が高く美味しい果実となる。鮮度維持の困難な桃が1週間以上も日持ちし、完熟した桃の出荷が可能になる。そのほか害虫の忌避効果があり(一般に害虫はマイナスイオン環境を嫌う。)、ダニや害虫に対する殺虫剤の散布回数が0回〜2回程度に極端に減った。黒星病などに代表される果実の病気の発生が少なくなる。通常の農薬散布回数が1シーズンあたり25回程度であったことに比すると、殺虫剤の散布回数が減った分だけ作業員及び食の安全性が著しく高くなる。卵殻イオンパウダーを希釈した水溶液の散布には防毒マスクを使用する必要がない。
水稲の栽培において、100メッシュ程度に微粉化した卵殻イオンパウダーを1万倍〜2万培に希釈した水溶液(PH値にして10〜9.0程度)を、10アール当たり1000kgの目安で水稲の分株時、出穂時、および刈り取り時期にそれぞれ1回ずつ葉面へ散水してやると、病気や害虫に対して強くなって、殺虫剤の散布回数が減るほか、収穫量が増える。
各種の作物の水耕栽培における養水に、100メッシュ程度に微粉化した卵殻イオンパウダーを1万倍〜2万培に希釈した水溶液(PH値にして10〜9.0程度)を添加してやると、やはり作物の生育を促進し、収穫量が増える。
(ト)鯉や金魚などの養殖に使用する。
鯉や金魚などを養殖する生け簀の水に、100メッシュ程度に微粉化した卵殻イオンパウダーの100倍に希釈した水溶液(PH値にして13程度)を投入して、同水のPH値を0.7±0.5前後に調整すると、稚魚の成育が早まり、尾びれ(鰭)の血管が浮き出た状態が2日〜3日で解消し、魚糞の硝酸を中和して酸欠状態を解決できる。養殖池の硝酸体物質が卵殻イオンパウダーによって中和される。殺菌や鮮度の向上に寄与する。
(チ)重油ボイラのエマルジョン燃焼の改善に使用する。
重油のエマルジョン燃焼(油中で水を乳化剤により粒子化しミクロ爆発を起こし、燃焼する方法)時の乳化剤の中に卵殻イオンパウダーを投入し、水で500〜1000倍に薄めたものを、重油の中へ注水する。注水量は重油の15%〜20%とし、注水後攪拌することにより水は粒子化する。更に、パウダーのイオン化作用により酸素(O)と水素(H)に分離し、又は分離し易くなる。重油は前記の水に含まれているパウダー、或いはイオン化作用の影響を受けた水粒子、更に酸素(O)と水素(H)に分離した元素が攪拌時に一部が重油と反応し、水性ガス化してゆく。前記のエマルジョン燃料油がバーナ口(噴射口)を通過するとき、高温のためにイオン化が進み、A重油の場合は、噴射時に水性ガス化し、燃焼時の炎が白黄色からガスの炎の青白色に瞬時に変化して、黒煙は消える。B、C重油の場合は、黄色の炎が白色化して黒煙は消える。
前記事実は、未燃カーボンが極端に減少することを示す。20トンボイラーにおけるエマルジョン油燃焼テストでは、排気ガスに含まれる煤塵量が通常燃焼の1/10以下にまで減少することが確認された。また、重油の中へ注水した水が、低温下で、卵殻イオンパウダーのイオン化作用で酸素(O)と水素(H)に分離して燃焼するが、このときの分離に必要な温度(吸熱エネルギー)が100℃〜200℃であるのに、前記水素(H)が燃焼するときの発生温度(発熱エネルギー)は1200℃〜1300℃と吸熱エネルギーよりも発熱エネルギーが大きいこと、および噴霧された燃料油の中には前記酸素(O)が発生しているため、燃焼しにくい炭素(C)が前記酸素(O)と瞬間的に簡単に燃焼反応を起こす。
したがって、従来未燃カーボン(煤塵)として残存していたものが燃焼して熱エネルギーを発生するから、燃焼効率、熱効率が高いものとなる。しかも前記酸素(O)が燃料内で燃焼するため、ファンで強制供給する空気量は従来の2/3〜1/2と少なくて良く、炉内の加熱されたガス(空気、炭酸ガス、水蒸気、その他)の通過時間が長くなり、その分熱エネルギーがボイラー水管へ良く吸収される。よって、トータルでは15%±5%の省エネルギー効果が発揮される。排気中のNOxは、供給空気量の減少と、燃料に添加された卵殻イオンパウダーが強アルカリ性であるため、通常発生するものの50%以下である。また、SOxは通常発生の1/3以下となる。
(リ)ガソリン機関、ディーゼル機関の燃焼改善に使用する。
ガソリンエンジンにおける給気ダクトの外周に、上記の卵殻イオンパウダーを直接塗り付け、又は布製、ゴム製、プラスチック製等の帯状物に卵殻イオンパウダーを塗り付けたものを巻き付けて設置すると、排気ガス中の未燃ガスが減少し(黒煙が消え)、出力が増大し、5%〜10%の省エネルギー効果が得られる。
ディーゼルエンジンの給気ダクトの外周および燃料パイプの外周に、上記の卵殻イオンパウダーを直接塗り付け、又は布製、ゴム製、プラスチック製等の帯状物を巻き付けて間接的に設置すると、排気ガス中の未燃ガスが減少し(黒煙が消え)、出力が増大し、5%〜10%の省エネルギー効果が得られる。給気ダクト内を通過する空気、および燃料パイプ内を通過する燃料のクラスタ(塊)が電子の移動によって砕け、燃焼反応が早くなる。黒煙を出しているディーゼルエンジンの前記給気ダクトの外周、および燃料パイプの外周に卵殻イオンパウダーを直接塗り付け、又は布製、ゴム製、プラスチック製等の帯状物に卵殻イオンパウダーを塗り付けたものを巻き付けると、瞬時に黒煙が消え、出力が向上して、加速性が良くなった。
メカニズムの解明は十分と言えないが、燃焼前の空気及び燃料に卵殻イオンパウダーを接近させると、イオン化作用により分子間結合状態を解き分離して燃焼効率を高め、未燃ガスの発生を抑制することで省エネルギー効果、出力性能と加速性能の向上、更には浮遊粒子状物質やCOの削減に大きな効果が認められる。要する費用は、既往の排ガス対策装置の1/10程度で済む。
(第一次焙焼工程)
原料の卵殻を1mm〜2mm程度に細粒化してガス炉又は石油炉のような焙焼炉へ入れ、炉内温度を少なくとも1000℃に保ち、過剰空気状態のもと約1300℃のガスバーナ直火により、卵殻を焙焼する。このとき細粒化した卵殻は焙焼時に固まり易いので、2分〜3分間隔で卵殻をよくかき混ぜて、卵殻の有機物質が燃焼して暗赤色化するまで焙焼する。この第1次焙焼は20分〜30分ぐらいかけて有機物質や雑菌の燃焼が終了するまで行う。この第1次焙焼においては、卵殻にタンパク質等の有機質成分が多いため、大量の黒煙と強烈な悪臭を放つ。それを抑制するために、過剰空気状態にすることが肝要であり、焙焼炉に強制的に空気を供給する装置を設備するか、炉の扉を大きく開放して焙焼を進める。この第一次焙焼工程を終えて冷却した卵殻の表面は白炭のように灰白色であるが、内部は黒色で非常に硬い物質となっているが、もはや固まる心配はない。
(卵殻原料の前処理)
なお、上記原料としての卵殻は、水中にドブ浸けにしていわば芋の子を洗うように予め水洗いをして卵白、卵黄成分の可及的な除去を行い、その後に遠心分離機で脱水処理し、更に熱風乾燥を行った後、1mm〜2mm程度に細粒化して第一次焙焼炉へ入れる。
或いは原料としての卵殻は、水洗いすることなく、ロータリキルンで軽く(茶色にこげる程度に約10分)焼いて乾燥させた後に1mm〜2mm程度に細粒化して第一次焙焼炉へ入れる方法も実施できる。この方法によれば、卵殻イオンパウダーの微量要素に含まれるFe分の割合が多くなる。
水洗いをする場合としない場合とでは、あとの焙焼工程に要する処理時間には格別の変化を生じない。むしろ、気候条件において、湿度が高いときは水洗いをしないで処理すると焙焼効果が早く進み、時間の短縮が図れる。
(第二次焙焼工程)
上記の第一次焙焼工程を終えた卵殻を第二次焙焼に進める。この第二次焙焼は、卵殻を汚染している残留薬剤を除去し、水に溶けやすくすることを主な目的として行う。よって第二次焙焼は、炉内温度を1300℃以上に保ち、1400〜1500℃のバーナ直火で行うが、その手段としては例えばガス炉又は石油炉のような焙焼炉のバーナ燃焼カロリー(熱量)を増やす(例えばガス量を2倍に増やす)ことで足りる。第一次焙焼と第二次焙焼とは、焙焼炉を移して行っても良いが、第一次焙焼した位置のままで直ちに卵殻の第二次焙焼へ移行する方法を実施すれば、位置移動の手間を省け、炉内の熱エネルギーの節約(効率的使用)を図れて好都合である。焙焼炉が大型化し、一度に処理する原料卵殻の量が膨大になるときは、異なる焙焼炉を使用する方法が好都合であろう。
第二次焙焼の工程は、卵殻が明るい赤色ないし黄色を帯びた赤色化するまで、少なくとも3時間以上、好ましくは5時間程度かけてじっくり行う。この第二次焙焼で、卵殻カルシウム、マグネシウムの炭素成分を燃焼させ除去する。前記の卵殻原料を直接バーナ炎で焼き炎焼反応を起こさせ、卵殻に還元作用を生じさせる。その結果、炭酸カルシウム(CaCO)の炭酸分(CO)が燃焼して、酸化カルシウム(CaO)と酸化マグネシウム(MgO)が生成する。
第二次焙焼は、炉内温度を1300℃以上の高温に保って燃焼させるので、ダイオキシンを発生しない。第二次焙焼後の卵殻は、当初原料に比すると、重量比で45%程度に減少している。第二次焙焼後の卵殻は、大気温度下で少なくとも3週間以上、好ましくは5週間程度まで放置する。3週間未満の放置では、後の第三次焙焼において、未燃物質が多く残って卵殻パウダーの品質が劣化するからである。
上記のように放置する間に卵殻は空気と接触することにより一部は水酸化を生じ、一部は酸化して、見かけ上の嵩は6割から7割程度のボリューム(嵩)に増え、グレイ色化する。更なる現象としては、金属と金属を結合するタンパク質等の有機質成分の燃焼により、自然崩壊(自壊作用)を起こし細粒化し粉末状になる。
(第三次焙焼工程)
上記したように、第二次焙焼後に長期間放置した卵殻は、イオン化傾向が強く、酸化、水酸化して機能が低下するので、これを再び1300℃〜1500℃の高温直火により2時間程度第三次焙焼して卵殻の酸素基(O)及び水酸基(OH)を除去し、且つ残留している炭素成分(C)をも除去する。この第三次焙焼は、卵殻が輝く白色化ないしダイヤモンド色化するまで2時間程度行う。
こうして第三次焙焼まで終えて冷えた卵殻は、当初原料の重量比40%位になっており、ホワイトシルバー色を呈する。
この第三次焙焼後の卵殻は直ちに製粉機で使用目的別に100メッシュないし500メッシュに粉砕してパウダー化し、保存容器へ入れて密封保存する。
上記の製造方法で得られた卵殻イオンパウダーは、主成分のカルシウム分とマグネシウム分とが重量比にして約95%以上を占め、他にカリウムとリン、ナトリウム、鉄分(Fe)などの微量要素が約5%以下を占める構成である。前記カルシウム分とマグネシウム分の比率はおよそ92:8の構成である。
この卵殻イオンパウダーは、アルカリイオン化しており、水に溶けやすく、水に溶かすと水が酸素と水素に分離され、更には酸化マグネシウム(MgO)及び水酸化カルシウム(Ca(OH))を生成して水がイオン化される。このとき発生する水素(H)が強い還元作用を働く。例えばこの卵殻イオンパウダー1gを100ccの水に溶かすと、PH値が13以上の強アルカリ性を呈する。よって、多種多様な用途、機能を発揮するが、食品としても安全性は極めて高いものである。
上記の方法で製造した卵殻イオンパウダーを水に溶かして希釈した卵殻イオンパウダー水溶液を、養鶏の飲用水として、又は鶏卵、果物、野菜類浸して洗う洗浄水として、若しくは鶏舎掃除する洗浄水として、又は田畑を中和する土壌改良水などとして多方面に使用することができる。
以下に、本発明の実施例を説明する。
(第一次焙焼)
約8kgの原料卵殻Aを、水洗いすることなく、ロータリキルンで約10分程度、薄茶色にこげる程度まで軽く焼いて乾燥を行った後、1mm〜2mm程度に細粒化したものを焙焼炉1へ入れほぼ5cmの厚さで平らに均した。焙焼炉1は、図1および図2に示すように中核炉5の外周を外殻炉6で取り囲んだ二重構造炉であり、両者間に形成した煙道7を巡らせることによって中核炉5の炉内温度の均一化と調整が容易な構成とされている。符号8は煙道7の下部と連通させた煙突を示す。この焙焼炉1はいわゆるLPGガス炉(又は石油炉でも可)であり、中核炉5の内部は複数枚のセラミック板2…で上下に仕切られており、最下段が第一次および第二次焙焼室3として構成され、上方2段の炎道がそれぞれ第三次焙焼室9として構成されている。
上記の焙焼炉1は、ガスバーナ4を燃やすことによって炉内温度を1000℃以上に上昇させ、前記炉内温度を保つようにバーナを燃やしつつ、バーナ口部12を全開にしてファンで強制的に空気を供給するほか、図1に示したように第三次焙焼室9の外殻側壁の一部10を取り外して通風口11を開口し過剰空気状態にして、上記第一次焙焼室3内のセラミック板2上に置いた原料卵殻Aが暗赤色化するまで、約1300℃のガスバーナ4の直火を当てて20分〜30分程度焙焼して第一次焙焼を行った。
卵殻は、主にタンパク質等の有機質成分と、カルシウム等のミネラル成分とで構成されているため、この第一次焙焼の当初には、卵殻中の有機質成分が溶解、液状化、気化して燃焼する。この時の燃焼には、黒煙や悪臭が発生し易いので、これを抑制するため、空気量は、燃料及び卵殻の燃焼に必要な量の20%増しと設定した。液状化した有機質成分の一部は気化、燃焼し、一部は酸化した。第一次焙焼時に炉内温度を1200℃〜1300℃の高温にすると、有機質成分の液状化が激しくなり、卵殻原料の下部に浸み込んだ液状化物質が炭化と同時に固形化して大きな塊になってしまう。この塊は長時間バーナーで加熱しても殆ど変化せず、求める性能、性質の卵殻イオンパウダーを得ることはできない。したがって、第一次焙焼の際は燃料の供給量(熱カロリー量)を絞って、炉内温度が1000℃以上に上昇しないように制御して、有機質成分の液状化現象を抑制しながら、卵殻が暗赤色化するまで焙焼するのが良い。
この第一次焙焼では、第一次焙焼室3内の卵殻Aは2分〜3分間隔で良くかき混ぜながら熱処理することが肝要である。かき混ぜ処理が不足すると、卵殻の表面部分のみが焼けて黒色に固まり(炭化凝結する)、以後の焙焼処理が順調に進まないからである。因みに、卵殻を1mm以下に微粉化して第一次焙焼を行うと、やはり炭化凝結するので、上記したように1mm〜2mm程度に細粒化することが好ましい。
上記の第一次焙焼を終了して冷却した原料卵殻の表面は白炭のように灰白色であるが、内部は黒色で非常に硬い物質となっている。
(第二次焙焼工程)
第二次焙焼は、卵殻を汚染している残留薬剤やワクチン、抗生物質等を除去して、水に溶けやすくすることを主な目的として行う。上記第一次焙焼を終了した原料卵殻Aは、本実施例の場合は同じ焙焼炉1の第一次、第二次焙焼室3を共通に使用して冷ますことなく、連続的に第二次焙焼へ移行させることで熱エネルギーの節約、および加熱時間の短縮化、移動の手間を省くことを図った。もっとも、原料卵殻Aがもっと大量で、しかも次から次へと焙焼作業を繰り返す必要があって、大型炉を使用するときには、第一次から第三次の焙焼工程はそれぞれ異なる専用の焙焼炉を使用して行うのが有利である。
第二次焙焼は、炉内温度を1300℃以上の高温に保ち、燃焼温度が約1300℃〜1500℃のバーナ直火を当てて炎焼反応させ、卵殻カルシウム、マグネシウムの炭素成分と炭酸カルシウム(CaCO)におけるCO の炎焼により除去した。具体的にはバーナ4へ供給する燃料(=熱カロリー量)を2倍に増やして炉内温度を高温に保った。卵殻の炭酸成分(CO)は共有結合で、炭酸とカルシウムはイオン結合であるため、高温で且つ直接火炎を当てないと前記COを除去することは困難だからである。
図1、2の焙焼炉1は、第一次焙焼において開放したバーナ口部12を閉じ、また、取り外しておいた第三次焙焼室9の外殻側壁の一部10を戻して通風口11を閉じ、炉内温度を1300℃以上の高温に保った。こうして5時間かけて高温直火で焙焼を行い、原料卵殻Aに直接火炎を当てて炎焼反応を起こさせ、卵殻が明るい赤色ないし黄色を帯びた赤色化するまで第二次焙焼を行った。
その結果、卵殻に還元作用が起こり、炭酸カルシウム(CaCO)におけるCOが燃焼して、カルシウム成分のCaとCaOが生成した。また、酸化マグネシウム(MgO)における酸素分(O)も一部燃焼してマグネシウム成分のMgとMgOが生成した。汚染物質である残留薬剤などは全て燃焼してしまった。炉内温度を1300℃以上に保って高温燃焼させたので、ダイオキシンの発生も皆無であった。
第二次焙焼後の卵殻原料は、冷めると薄いグレイ色化した。そして、金属と金属を結合するタンパク質等の有機質成分が燃焼した結果、大気温度下で少なくとも3週間以上、好ましくは5週間放置すると、この物質はイオン化傾向が強く、水分を吸収して酸化、水酸化すると共にボリューム(嵩)が6割から7割方増えた(重量は45%に減少した)。また、金属(Ca、Mg)と金属の糊の役目をしていたタンパク質等の有機質成分が燃焼し消失したが故に、粒子状の原料卵白は自然崩壊を起こし微粉化した。
(第三次焙焼工程)
上記のように大気温度下で3週間以上も長く放置すると、第二次焙焼後の卵殻はイオン化傾向が強くて酸化、水酸化し機能が低下するので、第三次焙焼を行った。ちなみに、放置期間が3週間未満と短いと、第三次焙焼の工程において、燃えにくい炭素のような未燃物質が多く残って、卵殻イオンパウダーの品質が悪いことが確認された。
第三次焙焼は、図3及び図4に示すように、図1と同じ構造の焙焼炉1における上段の第三次焙焼室9内へ、上記第二次焙焼後に大気温度下で3週間以上も長く放置した原料卵殻Bを移し、1300℃〜1500℃の高温度で、2時間程度バーナ4の直火を当てて輝く白色化ないしダイヤモンド色化するまで過剰空気状態で焙焼して卵殻の酸素基及び水酸基を除去し、更に残留している炭素成分を除去する第三次焙焼を行った。この第三次焙焼を終了して冷めた卵殻はホワイトシルバー色となった。
上記の第三次焙焼により、卵殻を形成していたタンパク質などの有機成分はすべて燃焼して、主成分としてカルシウム分とマグネシウム分が残り、更に若干の微量要素も含まれている。主成分としてのカルシウム分とマグネシウム分が約96〜98%を占め、カリウム、リン、ナトリウム、鉄分(Fe)などの微量要素が残り4%以下を占めた。因みに、カルシウム分とマグネシウム分の成分割合はおよそ92:8であった。事前に卵殻を水洗いしなかった場合、微量要素に占める鉄分(Fe)の比率が高くなることを確認した。この第三次焙焼後の卵殻重量は約3.5kgで、第一次焙焼前の当初重量の約43%に減少していた。
第三次焙焼を終了した卵殻原料を、製粉機で使用目的別に100メッシュないし500メッシュに粉砕して卵殻イオンパウダーとし、出来上がった卵殻イオンパウダーは、変質しないように速やかに保存容器へ入れて密封し保存した。
上記の卵殻イオンパウダーは、カルシウム分とマグネシウム分を主成分とするもので、アルカリイオン化しており、水に溶けやすく、水溶液にするとCa+2HO=Ca(OH) +H のようにイオン結合による水素を長時間にわたり発生して水がイオン化され、このとき発生する水素が強い還元作用を働く。
この卵殻イオンパウダー1gを100ccの水に溶かすと、PH値が13以上の強アルカリ性を呈した。そのため、多種多様な用途、機能を有するが、食品としても安全性は極めて高い。よって希釈倍率を変え、PH値を変えて使用する。人に有害な成分はなく、各方面での環境改善に極めて有効的ある。
その用途や機能、使用方法や効果、効能については、上記した[発明の効果]の項に(イ)〜(リ)のように詳述したので、ここでは重複説明を省略する。
以上に本発明を実施例と併せて説明したが、もちろん、本発明の技術的思想は上記実施例の限りではない。本発明の要旨、技術的思想を逸脱しない範囲で、当業者が通常行う設計変更ないし応用変形を含めて、多様に実施することができる。
焙焼炉による第一次焙焼の状態を示す断面図である。 図1のII−II矢視断面図である。 焙焼炉による第三次焙焼の状態を示す断面図である。 図3のIV−IV矢視断面図である。
符号の説明
1 焙焼炉
2 セラミック板
3 第一次焙焼室
4 バーナーノズル
9 第三次焙焼室

Claims (5)

  1. 細粒化した原料卵殻を焙焼炉へ入れ、炉内温度を約1000℃に保ち、過剰空気状態で約1300℃の直火により前記卵殻を焙焼し、且つ同卵殻をよくかき混ぜる第一次焙焼を、原料卵殻の有機物が燃焼して暗赤色化するまで行い、
    前記の第一次焙焼を終えた卵殻を、炉内温度を1300℃以上に保った焙焼炉内で、1300℃〜1500℃の直火により卵殻が明るい赤色ないし黄色を帯びた赤色化するまで、2時間〜3時間第二次焙焼を行い、
    その後、大気温度下で少なくとも3週間以上放置した卵殻を、1300℃〜1500℃の直火により、卵殻の酸素基及び水酸基が除去されて輝く白色化ないしダイヤモンド色化するまで2時間程度の第三次焙焼を行い、
    前記の第三次焙焼を終えて冷めた卵殻を微粉化処理してなることを特徴とする、卵殻イオンパウダー。
  2. 主成分のカルシウム分とマグネシウム分とが重量比にして約95%以上を占め、他にカリウム、リン、ナトリウム、鉄分などの微量要素が約5%以下含まれており、前記主成分におけるカルシウム分とマグネシウム分の比率は約92:8であることを特徴とする、請求項1に記載した卵殻イオンパウダー。
  3. 原料として1mm〜2mm程度に細粒化した卵殻を焙焼炉へ入れ、炉内温度を1000℃程度に保ち、過剰空気状態で約1300℃の直火により原料卵殻を焙焼し、且つ2分〜3分間隔で同卵殻をかき混ぜる第一次焙焼を、卵殻の有機物が燃焼して暗赤色化するまで20分〜30分程度行う段階と、
    前記の第一次焙焼を終えた卵殻を更に、焙焼炉内の温度を1300℃以上に保ち、1300℃〜1500℃の直火により卵殻が明るい赤色ないし黄色を帯びた赤色化するまで少なくとも2時間〜3時間程度第二次焙焼を行い、その後大気温度下で少なくとも3週間以上放置する段階と、
    上記の放置を経た卵殻を、炉内温度が1300℃以上の焙焼炉内で1300℃〜1500℃の直火により卵殻の酸素基及び水酸基並びに炭素を除去して輝く白色化ないしダイヤモンド色化するまで空気過剰状態で2時間程度の第三次焙焼を行う段階と、
    前記の第三次焙焼を終えて冷めた卵殻を微粉化してパウダーとなし、保存容器へ入れて密封する段階とからなることをを特徴とする、卵殻イオンパウダーの製造方法。
  4. 原料としての卵殻は、予め水洗いして卵白、卵黄成分の可及的な除去を行い、その後遠心分離機で脱水処理し、熱風乾燥を行い、1mm〜2mm程度に細粒化して第一次焙焼炉へ入れることを特徴とする、請求項3に記載した卵殻イオンパウダーの製造方法。
  5. 原料としての卵殻は、水洗いすることなく、ロータリキルンで軽く焼いて乾燥させた後に1mm〜2mm程度に細粒化して第一次焙焼炉へ入れることを特徴とする、請求項3に記載した卵殻イオンパウダーの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008113661A (ja) * 2006-11-06 2008-05-22 Hatsuyu Ryu オゾン卵殻カルシウム粉の製造方法
JP2012139205A (ja) * 2011-01-06 2012-07-26 Domo Corporation:Kk 卵殻と卵殻膜との分離回収方法及びその装置
JP2017508714A (ja) * 2013-12-09 2017-03-30 ホ チェ,テ 水素陰イオン含有物の製造方法及びこれを用いて製造した水素陰イオン含有物

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