JP2006246397A - エコー消去装置、エコー消去方法、エコー消去プログラムおよびその記録媒体 - Google Patents

エコー消去装置、エコー消去方法、エコー消去プログラムおよびその記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】演算量を低減することによりハードウェアの規模を縮小し、瞬時にエコー抑圧を行うことで計算量が膨大であること、残響特性の変化に追従できないことに起因するエコー消去装置の性能劣化を改善する。
【解決手段】本発明では、再生信号の総和の周波数成分と、収音信号の周波数成分を分析し、各周波数成分をグループ化し、当該グループごとに振幅比からエコーの振幅スペクトルを推定し、収音信号の周波数成分と推定されたエコー振幅スペクトルの周波数成分ごとの振幅比からエコー消去信号の周波数成分を計算し、エコー消去信号の周波数成分を時間領域に変換して出力する。
【選択図】図2

Description

この発明は、例えば多チャネル音響再生系を有する通信会議システムに適用され、ハウリングの原因及び聴覚上の障害となる音響エコーを消去するエコー消去装置、エコー消去方法、エコー消去プログラムおよびその記録媒体に関するものである。
図1に示すように、N(≧2の整数)チャンネルの再生信号x(k)〜x(k)がスピーカ1〜1からマイクロホン2へ回り込むエコーを消去した出力信号e(k)を生成する従来の多チャンネルエコー消去装置は、非特許文献1に記載する手法を用いて、スピーカ1〜1とマイクロホン2間のエコー経路のインパルス応答を要素として持つ長さ(即ちタップ数)Lのベクトルh〜hの疑似特性h^(k)〜h^(k)を保持する疑似エコー経路を適応フィルタ3〜3で実現している。ここで、kは、所定間隔の離散的な時刻を指す数(サンプル点の番号)である。サンプリングとは、アナログの音声信号をディジタル信号に変換するために変数のある区間の値を1つの代表する値に置き換えることで、たとえばサンプリング周波数16kHz(1秒間に16000回)で行われる。なお、スピーカ1〜1に与える信号、マイクロホン2で収音された信号はアナログ信号であり、以下の説明では、ディジタル信号を扱うので、それぞれDA変換器、AD変換器によって変換を行う必要があるが、それは当黙のことであり、図示していない。
適応フイルタ3〜3は再生信号x(k)〜x(k)と疑似特性h^(k)〜h^(k)との畳み込み演算により疑似エコー信号d’(k)〜d’(k)を生成し、実際のエコー信号を含むマイクロホン2の収音信号(「エコー消去前信号」とも呼ぶ。)y(k)から減算することで、エコー消去装置の出力信号(「エコー消去信号」とも呼ぶ。)e(k)を出力する。再生信号x(k)〜x(k)と出力信号e(k)とを用いて、疑似特性h^(k)〜h^(k)の特性を随時更新し、適応フィルタ3〜3に設定する。
適応フィルタ3〜3において、たとえば学習同定アルゴリズムを用いた場合の疑似特性h^(k)〜h^(k)の推定は、
Figure 2006246397
で表される。ここで、チャンネルnは1〜Nの間の自然数、x(k)=[x(k),x(k−1),…,x(k―L+1)]、ψは係数の更新幅を与えるステップサイズであり、0〜2の間の値をとる実数である。δは分母が0になることを防止するための微小な定数である。式(1)が示すように、前回の疑似特性h^(k−1)に対し更新量を加えて今回の疑似特性h^(k)を得る。
藤井哲郎、島田正治、"多チャンネル適応ディジタルフィルタ、"電子通信学会論文誌’86/10、Vol.J69−A No.10.
式(1)において、再生信号x(k)〜x(k)のチャンネル数と同数の疑似特性h^(k)〜h^(k)を随時更新しているため、演算量が飛躍的に増大するという問題点があった。また、適応フィルタ3〜3の収束には一定時間を要するため、学習途中において推定誤差が起こり、エコー推定精度が劣化するという問題点もあった。本発明の課題は、演算量を低減することによりハードウェアの規模を縮小し、瞬時にエコー抑圧を行うことで上記問題に起因するエコー消去装置の性能劣化を改善することである。
本発明では、再生信号の総和の周波数成分と、収音信号の周波数成分を分析し、各周波数成分をグループ化し、当該グループごとに振幅比からエコーの振幅スペクトルを推定し、収音信号の周波数成分と推定されたエコー振幅スペクトルの周波数成分ごとの振幅比からエコー消去信号の周波数成分を計算し、エコー消去信号の周波数成分を時間領域に変換して出力する。
この発明によれば、収音信号周波数成分と推定エコー振幅スペクトルの振幅比のみを用いてエコー消去信号周波数成分を算出できるので、従来のような膨大な計算量となる多チャンネルの適応フィルタ演算を避けることができる。また、推定エコー振幅スペクトルをほぼ瞬時に算出することができるため、エコー消去精度が適応フィルタの収束精度に大きく依存するという従来の問題を解決できる。
以下にこの発明の実施形態を、図面を参照しながら説明するが、各図中の対応する部分は同一参照番号を付けて重複説明を省略する。
[第1実施形態]
図2は本発明のエコー消去装置100の機能構成例を示す図、図3は処理フローを示す図である。エコー消去装置100は、総和部4A、再生信号用の周波数分析部101、収音信号用の周波数分析部102、エコー振幅スペクトル計算部103、目的成分選択計算部104、および周波数合成部105から構成される。以下に、図2と図3とを参照しながら説明する。
ステップS4A
総和部4Aでは、複数(N個、Nは2以上の整数)のチャンネルの再生信号x(k)〜x(k)を入力とし、各チャンネルの再生信号x(k)〜x(k)をサンプルごとに加算した加算再生信号x(k)=Σ n=1(k)を出力する。ここで、kは、所定間隔の離散的な時刻を指す数(サンプル点の番号)である。サンプリングは、たとえばサンプリング周波数16kHz(1秒間に16000回)で行われる。
ステップS101
周波数分析部101は、加算再生信号x(k)を入力とし、各周波数成分の振幅スペクトルを加算再生信号振幅スペクトル|Xω|として出力する。ここで、ωは所定の周波数間隔で求めた振幅スペクトルの周波数成分の番号を示す数である。たとえば、16kHzでサンプリングした512個の加算再生信号x(k−511),…,x(k)を1フレームとし、加算再生信号x(k)をフレーム単位で、8kHzまでの周波数帯域をサンプル点数256で表した加算再生信号振幅スペクトル|Xω|(ω=1,…,256)へ変換する。
ステップS102
周波数分析部102は、収音信号y(k)を入力とし、各周波数成分の収音信号振幅スペクトル|Yω|と位相スペクトルarg(Yω)を出力する。kおよびωはステップS101での説明と同じである。またarg(Yω)は0以上2π未満の実数である。
ステップS103
エコー振幅スペクトル計算部103は、入力の加算再生信号振幅スペクトル|Xω|と収音信号振幅スペクトル|Yω|から、推定エコー振幅スペクトル|D^ω|を出力とする。ステップS1031からS1034は、M個(Mは2以上の整数)の周波数成分のグループごとに行い、すべてのm(1≦m≦M)の処理が終了するとステップS1035へ進む(ステップS1037、S1038、S1039により、周波数グループ単位の繰り返し処理を行っている。)。たとえば、ω=1,…,256、M=32の場合は、8個のω(ω=8m−7,…,8m)の各周波数成分が1つのグループとなる。内部の具体的な処理手順は以下の通りである。
ステップS1031
周波数グループ中の複数個の|Yω(j)|(たとえば、1つのグループが8個のωで構成されている場合には、|Y8m−7(j)|,…,|Y8m(j)|)のうちの最大値とその最大値をとるωYmを求める。
次に、周波数グループ中の複数個の|Xω(j)|(たとえば、1つのグループが8個のωで構成されている場合には、|X8m−7(j)|,…,|X8m(j)|)から、フレームjでの残響付加再生信号振幅スペクトル
Figure 2006246397
を求める。ただし、
Figure 2006246397
である。また、ξはエコー消去装置100を使用する場所の残響時間を考慮して過去の残響付加再生信号振幅スペクトルを加算再生信号振幅スペクトル|Xω(j)|に付加する割合を表し、0〜1の範囲(たとえば0.7)で値を設定する。なお、たとえば残響付加再生信号振幅スペクトルの初期値は0、変形補正量c(0)は1とする。
このように周波数グループm内の全てのωに対して求めた残響付加再生信号振幅スペクトル(たとえば、1つのグループが8個のωで構成されている場合には、
Figure 2006246397
)のうちの最大値とその最大値をとるωXmを求める。
次に、暫定補正量z(j)を
Figure 2006246397
により計算する。jは、フレームの番号を示す値であり、νは変形補正量の変化を調整するための重み係数(たとえば0.4)であり、δは式(1)と同様に分母が0とならないために加える微小な値である。|Yω(j)|は、フレームjでの収音信号振幅スペクトルである。
ステップS1032
次に、ステップS1035で用いる変形補正量c(j)を、たとえば以下の2つの条件(条件1、条件2)の組合せによる判断で求める。
条件1:グループm(1≦m≦M)での残響付加再生信号振幅スペクトルが最大となるωXmと収音信号周波数成分振幅スペクトルが最大となるωYmが一致し、かつ当該ωでの2つの振幅スペクトルがあらかじめ定めた所定の閾値以上の値を持つ。
あらかじめ定める閾値とは、エコー消去装置100を使用する環境の雑音などによって異なり、音として認識できる程度の値(たとえば、60dBm、1000など)である。
条件2:暫定補正量z(j)が、c(j−1)と比較してあらかじめ定めた範囲以内(たとえば、0.5・c(j−1)<z(j)<2・c(j−1))である。
ここで、範囲を定めるのは、本発明ではチャンネル間の位相差を検出(計算)していないため、2つ以上の音が強めあう場合や弱めあう場合があるが、このような特定の周波数での誤動作、および近端話者(マイクロホン2に対する話者)が話した場合に、話者の成分でc(j)が大きくなりすぎたり小さくなりすぎたりすることを避けるためである。
上記の2つの条件(条件1、条件2)とも満たす場合にはステップS1033へ進み、どちらか一方でも条件を満たさない場合にはステップS1034へ進む。
ステップS1033
ステップS1032の条件を満足する場合は、ステップS1031で求めた暫定補正量z(j)を変形補正量c(j)とする。ここで求めた変形補正量c(j)は次フレームのS1032およびS1034で前フレームの変形補正量として用いるために記憶しておく。
ステップS1034
ステップS1032の条件を満足しない場合は、前フレームで用いた変形補正量c(j−1)を変形補正量c(j)とする。ここで求めた変形補正量c(j)は次フレームのS1032およびS1034で前フレームの変形補正量として用いるために記憶しておく。
ステップS1031からステップS1034は、周波数成分のグループmごとに行ない、すべてのm(1≦m≦M)の処理が終了するとステップS1035へ進む。
ステップS1035
各周波数成分ωごとの推定エコー振幅スペクトル|D^ω|(すなわち、|D^1|,…,|D^256|)を
Figure 2006246397
により求める。この処理は周波数成分ωごとに行い、当該周波数成分ωが属するグループmのステップS1033またはS1034で求めた変形補正量c(j)を用いて計算する。
ステップS104
目的成分選択計算部104では、エコー消去信号振幅スペクトル|Eω|を周波数成分ωごとに、
Figure 2006246397
より求め、出力する。ただし、
Figure 2006246397
である。また、βは推定エコー振幅スペクトル|D^ω|を実際より小さく推定することによって生じる近端話者による誤動作を軽減するためにあらかじめ設定する閾値であり、この閾値は1よりやや小さく設定する(たとえば、β=2.5)。
なお、既存の再生信号のシングルトーク検出装置200を利用して、再生信号のシングルトーク状態(近端話者が話していない状態)を検出したとき(ステップS200)、式(4)のエコー消去信号振幅スペクトル|Eω|を振幅比ΔAωに関わらず0にする方法もある。
ステップS105
周波数合成部105では、ステップS104で求めた各周波数成分ωに対応するエコー消去信号振幅スペクトル|Eω|とステップS102で求めた位相スペクトルarg(Yω)から、時間領域の信号e(k)を再合成して出力する。
[第2実施形態]
第1実施形態では複数の再生信号x(k)〜x(k)を加算した後に周波数分析したが、本発明では、それぞれの再生信号を周波数分析した後に、周波数成分ωごとに加算する点が異なる。このように先に再生信号ごとの周波数分析を行うことで、周波数分析部の数は多くなるが、再生信号間の位相差による強めあいや弱めあいの影響を避けることができる。図4にエコー消去装置100’の機能構成例、図5に処理フローを示す。
第1実施形態と異なる点のみについて、以下に説明する。
エコー消去装置100’は、第1実施形態のエコー消去装置100の総和部4Aと周波数分析部101の代わりに、複数の周波数分析部101〜101と総和部4Bを備えている。
ステップS101およびS1017〜S1019
ハードウェアとして周波数分析部を構成する場合には、N個の周波数分析部101〜101が存在し、再生信号x(k)〜x(k)をそれぞれ周波数分析し、再生信号振幅スペクトル|X1ω|〜|XNω|を得る。一方、周波数分析部がソフトウェアによって構成される場合には、N回の繰り返し処理によってN個の再生信号x(k)〜x(k)からN個の再生信号振幅スペクトル|X1ω|〜|XNω|を得る。図5の処理フローでは、ソフトウェアによって構成した場合を示しており、ステップS1017〜S1019の繰り返し処理によって、N回の周波数分析が行われている。
ステップS4B
総和部4Bでは、再生信号振幅スペクトル|X1ω|〜|XNω|を入力とし、周波数ごとに振幅スペクトルを加算し、加算再生信号振幅スペクトル|Xω|を
Figure 2006246397
のように求めて、出力する。
残りの処理は、第1実施形態と同じである。
[第3実施形態]
再生信号のシングルトーク時には、収音信号y(k)は再生信号x(k)〜x(k)のエコーと雑音のみから構成されているため、式(5)の振幅比ΔAωは1に近い値となるはずである。もし、振幅比ΔAωが1/β未満になる周波数成分が存在すれば、それは推定エコー振幅スペクトル|D^ω|の誤推定により、変形補正量cの設定が小さすぎるためである。このような特定の周波数成分の変形補正量cが小さすぎると、ミュージカルノイズが発生する原因となるため、本実施形態では、変形補正量cを増加させる処理を加える。具体的には、エコー消去装置100または100’の目的成分選択計算部104での処理を以下のように変更する。本実施形態での処理フローを図6に示す。なお、図6は第1実施形態からの変更例を示しているが、第2実施形態の場合にも同じように適用できる。
ステップS1042の追加
目的成分選択計算部104では、振幅比ΔAωが1/β未満になる周波数成分が存在するか否かを確認する。そのような周波数成分がない場合にはステップS104に進み、条件を満足する周波数成分がある場合には、ステップS1043に進む。
ステップS1043の追加
目的成分選択計算部104では、変形補正量c(j)を増加させる処理として、たとえば、
Figure 2006246397
を行う。ここで、c(j)は増加させる処理後の変形補正量、c’(j)はステップS1033またはS1034でもとめたフレームjの変形補正量(増加させる処理前の変形補正量)、εは変形補正量c(j)の更新値を微増減する係数であり、あらかじめ値を設定する。本ステップでは、ステップS1032のような変形補正量c(j)の更新を行うか否かの判断は行わず、強制的に変形補正量c(j)を増加させるので、大きな変化を避けるため、εをたとえば0.2のような値とする。
このように増加された変形補正量c(j)を記録し、次フレームでの暫定補正量z(j+1)の計算やステップS1034の処理に使用される。
残りの処理は第1実施形態および第2実施形態と同じである。
[第4実施形態]
わずかな推定誤差が含まれることによってもミュージカルノイズや近端話者の音がこもるなどの問題が発生する。本実施形態では、このような問題を解決するための手法として、一般的に使用されている原音付加の方法を適用した場合を示す。図7にエコー消去装置100または100’の変更する部分を示す。この原音付加の方法は、第1実施形態から第3実施形態までの実施形態と組み合わせることができるが、図8には第2実施形態と組み合わせた処理フローを示す。
ステップS5Aの追加
積算部5Aでは、収音信号振幅スペクトル|Yω|に(1−α)を積算する。ここで、αはエコー消去信号振幅スペクトル|Eω|と収音信号振幅スペクトル|Yω|との比をあらかじめ定める値であり、たとえば、α=0.99などの値である。
ステップS5Bの追加
積算部5Bでは、エコー消去信号振幅スペクトル|Eω|にαを積算する。
ステップS6の追加
加算部6では、積算部5Aからの出力と積算部5Bからの出力とを加算する。
残りの処理は第1実施形態、第2実施形態、および第3実施形態と同じである。
[第5実施形態]
本実施形態では、再生信号のシングルトーク状態か否かの判断手段1041を目的成分選択計算部104’に追加している。この機能構成例を図9、10に示す。この方法の場合、図2および図4に示したシングルトーク検出装置200は不要である。図9は第1実施形態から変更した場合であり、図10は第2実施形態から変更した場合である。図11は図9の機能構成例(第1実施形態からの変更)の場合の処理フローを示す図である。図10の機能構成例の場合も、変更箇所は同じであり、再生信号のシングルトーク検出(ステップS1041)を追加するだけである。
ステップS1041
目的成分選択計算部104’のシングルトーク判断手段1041では、すべての周波数成分の振幅比ΔAωが1/β’以上の時、再生信号のシングルトーク状態と判断し、シングルトーク状態であることを示す情報を出力する。ここで、β’はあらかじめ定める値であり、たとえばβ’=10のようなβよりも大きな値を設定する。
目的成分選択計算部104’で行う、ステップS1042やステップS104では、このシングルトーク状態か否かを示す情報を用いて、これらの処理を行う。
残りの処理は第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、および第4実施形態と同じである。
なお、本発明のすべての実施形態は、上記の処理手順の全部または一部を、コンピュータと当該コンピュータを動作させるプログラムによっても実行することができる。また、当該プログラムはコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録しておき、必要に応じてコンピュータに読み取らせて実行することも可能である。
[実験例]
実験では、第2実施形態に第3実施形態から第5実施形態での変更を適用したエコー消去装置を用いて従来方法との違いを確認した。図12は本実験で使用したエコー処理装置の処理フローを示す図である。
なお、サンプリング周波数は16kHzとし、残響時間200msの部屋で実測したインパルス応答を2048点で打ち切り、与えた。本発明のエコー消去装置では、周波数分析点数を512点、周波数帯域のグループ数を32、ξ=0.7、ν=0.4、β=2.5、β’=10と設定した。なお、適応フィルタはステップサイズ0.5、タップ数L=2048の学習同定アルゴリズムとし、送話音声存在区間で適応を停止させた。
図13に各信号の時間波形を、図14に各信号をパワーエンベローブに変換したエコー抑圧量を示す。図13で、Aはエコー信号を、Bは送話信号を、Cは適応フィルタによるエコー消去信号を、Dは本発明のエコー消去方法によるエコー消去信号を示している。図14では、点線は収音信号、細線は適応フィルタによるエコー消去の比率、太線は本発明のエコー消去方法によるエコー消去の比率を示している。また、区間(1)は受話シングルトーク状態、区間(2)は送話シングルトーク状態、区間(3)はダブルトーク状態、区間(4)はステレオ信号の相関による適応フィルタの誤収束の影響を確認するために左右の再生信号を入れ替えた受話シングルトーク状態である。
図14より、区間(1)において、本発明によるエコー抑圧量は約40dBに達し、適応フィルタと比べて少なくとも約30dBエコーを低減している。区間(2)では、出力信号の波形が送話信号の波形とほぼ同じであり、送話音声に悪影響が無いことが確認できる。区間(4)では、本発明のエコー消去方法が瞬時にエコーを40dB程度抑圧し、エコー経路の変動に頑健であることが分かる。これに対し、適応フィルタでは残留エコーが区間の初期には多いことが分かる。図13の区間(3)では、本発明のエコー消去方法は、送話信号の波形をほぼ復元していることが分かる。また、内観聴取からミュージカルノイズがほとんど無いことも確認した。このように、本発明のエコー消去方法を用いることで、使用する部屋の環境の変化などにも即応でき、送話音声パワーを保持したままでエコーを抑圧できることが分かった。
従来の多チャンネルエコー消去装置の機能構成例を示す図。 第1実施形態のエコー消去装置100の機能構成例を示す図。 第1実施形態のエコー消去装置100の処理フローを示す図。 第2実施形態のエコー消去装置100’の機能構成例を示す図。 第2実施形態のエコー消去装置100’の処理フローを示す図。 第3実施形態の処理フローを示す図。 第4実施形態の機能構成例を示す図。 第2実施形態と組み合わせた第4実施形態の処理フローを示す図。 第5実施形態のエコー消去装置100’’の機能構成例を示す図。 第5実施形態のエコー消去装置100’’’の機能構成例を示す図。 第5実施形態のエコー消去装置100’’の処理フローを示す図。 実験で使用したエコー処理装置の処理フローを示す図。 各信号の時間波形を示す図。 各信号をパワーエンベローブに変換したエコー抑圧量を示す図。

Claims (14)

  1. 入力された複数チャンネルの再生信号を加算し、加算再生信号を出力する総和部と、
    上記加算再生信号を周波数領域に変換し、周波数成分の分析を行い、加算再生信号振幅スペクトルを出力する第1の周波数分析部と、
    入力された収音信号を周波数領域に変換し、周波数成分の分析を行い、収音信号周波数成分を出力する第2の周波数分析部と、
    上記加算再生信号振幅スペクトルと上記収音信号周波数成分を1成分以上から構成されるグループに分け、当該グループごとに振幅比から推定したエコーの振幅スペクトルである推定エコー振幅スペクトルを出力するエコー振幅スペクトル計算部と、
    上記収音信号周波数成分と上記推定エコー振幅スペクトルの周波数成分ごとの振幅比からエコー消去信号周波数成分を出力する目的成分選択計算部と、
    上記エコー消去信号周波数成分を時間領域に変換し、出力信号を出力する周波数合成部と、
    を備えるエコー消去装置。
  2. 入力される複数チャンネルの再生信号を、チャンネルごとに周波数領域に変換し、周波数成分の分析を行い、再生信号振幅スペクトルを出力する第1の周波数分析部と、
    複数チャンネルの上記再生信号振幅スペクトルを加算し、加算再生信号振幅スペクトルを出力する総和部と、
    入力された収音信号を周波数領域に変換し、周波数成分の分析を行い、収音信号周波数成分を出力する第2の周波数分析部と、
    上記加算再生信号振幅スペクトルと上記収音信号周波数成分を1成分以上から構成されるグループに分け、当該グループごとに振幅比から推定したエコーの振幅スペクトルである推定エコー振幅スペクトルを出力するエコー振幅スペクトル計算部と、
    上記収音信号周波数成分と上記推定エコー振幅スペクトルの周波数成分ごとの振幅比からエコー消去信号周波数成分を出力する目的成分選択計算部と、
    上記エコー消去信号周波数成分を時間領域に変換し、出力信号を出力する周波数合成部と、
    を備えるエコー消去装置。
  3. 請求項1または2記載のエコー消去装置であって、
    再生信号のシングルトークか否かの状態を示す信号も入力でき、再生信号のシングルトーク状態の場合に、エコー消去信号周波数成分を0として出力する上記目的成分選択計算部
    を備えるエコー消去装置。
  4. 請求項1または2記載のエコー消去装置であって、
    上記収音信号周波数成分と上記推定エコー振幅スペクトルの周波数成分ごとの振幅比から再生信号のシングルトークか否かの状態を判断する手段を有し、再生信号のシングルトーク状態の場合に、エコー消去信号周波数成分を0として出力する上記目的成分選択計算部
    を備えるエコー消去装置。
  5. 請求項3または4記載のエコー消去装置であって、
    再生信号のシングルトーク状態の場合であって、上記収音信号周波数成分と上記推定エコー振幅スペクトルの振幅比があらかじめ定めた値未満の時に、上記エコー振幅スペクトル計算部でのエコーの振幅スペクトルの推定に使用する補正量を増加させて記録する上記目的成分選択計算部、
    を備えるエコー消去装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のエコー消去装置であって、
    エコー消去信号周波数成分にあらかじめ定めた第1の係数を乗ずる第1の積算部と、
    収音信号周波数成分にあらかじめ定めた第2の係数を乗ずる第2の積算部と、
    上記第1の積算部の出力と、上記第2の積算部の出力とを加算する加算部も備え、
    上記加算部からの出力を時間領域に変換し、出力信号を出力する周波数合成部
    を備えるエコー消去装置。
  7. 総和部で、入力された複数チャンネルの再生信号を加算し、加算再生信号を出力し、
    第1の周波数分析部で、上記加算再生信号を周波数領域に変換し、周波数成分の分析を行い、加算再生信号振幅スペクトルを出力し、
    第2の周波数分析部で、入力された収音信号を周波数領域に変換し、周波数成分の分析を行い、収音信号周波数成分を出力し、
    エコー振幅スペクトル計算部で、上記加算再生信号振幅スペクトルと上記収音信号周波数成分を1成分以上から構成されるグループに分け、当該グループごとに振幅比から推定したエコーの振幅スペクトルである推定エコー振幅スペクトルを出力し、
    目的成分選択計算部で、上記収音信号周波数成分と上記推定エコー振幅スペクトルの周波数成分ごとの振幅比からエコー消去信号周波数成分を出力し、
    周波数合成部で、上記エコー消去信号周波数成分を時間領域に変換し、出力信号を出力する、
    ことを特徴とするエコー消去方法。
  8. 第1の周波数分析部で、入力される複数チャンネルの再生信号を、チャンネルごとに周波数領域に変換し、周波数成分の分析を行い、再生信号振幅スペクトルを出力し、
    総和部で、複数チャンネルの上記再生信号振幅スペクトルを加算し、加算再生信号振幅スペクトルを出力し、
    第2の周波数分析部で、入力された収音信号を周波数領域に変換し、周波数成分の分析を行い、収音信号周波数成分を出力し、
    エコー振幅スペクトル計算部で、上記加算再生信号振幅スペクトルと上記収音信号周波数成分を1成分以上から構成されるグループに分け、当該グループごとに振幅比から推定したエコーの振幅スペクトルである推定エコー振幅スペクトルを出力し、
    目的成分選択計算部で、上記収音信号周波数成分と上記推定エコー振幅スペクトルの周波数成分ごとの振幅比からエコー消去信号周波数成分を出力し、
    周波数合成部で、上記エコー消去信号周波数成分を時間領域に変換し、出力信号を出力する、
    ことを特徴とするエコー消去方法。
  9. 請求項7または8記載のエコー消去方法であって、
    上記目的成分選択計算部で、再生信号のシングルトークか否かの状態を示す信号を受信し、再生信号のシングルトーク状態の場合に、エコー消去信号周波数成分を0として出力する
    ことを特徴とするエコー消去方法。
  10. 請求項7または8記載のエコー消去方法であって、
    上記目的成分選択計算部で、上記収音信号周波数成分と上記推定エコー振幅スペクトルの周波数成分ごとの振幅比から再生信号のシングルトークか否かの状態を判断し、再生信号のシングルトーク状態の場合に、エコー消去信号周波数成分を0として出力する
    ことを特徴とするエコー消去方法。
  11. 請求項9または10記載のエコー消去方法であって、
    上記目的成分選択計算部で、再生信号のシングルトーク状態の場合であって、上記収音信号周波数成分と上記推定エコー振幅スペクトルの振幅比があらかじめ定めた値未満の時に、上記エコー振幅スペクトル計算部でのエコーの振幅スペクトルの推定に使用する補正量を増加させて記録する
    ことを特徴とするエコー消去方法。
  12. 請求項7から11のいずれかに記載のエコー消去方法であって、
    第1の積算部で、エコー消去信号周波数成分にあらかじめ定めた第1の係数を乗じ、
    第2の積算部で、収音信号周波数成分にあらかじめ定めた第2の係数を乗じ、
    加算部で、上記第1の積算部の出力と、上記第2の積算部の出力とを加算し、
    周波数合成部では、上記加算部からの出力を時間領域に変換し、出力信号を出力する
    ことを特徴とするエコー消去方法。
  13. 請求項1から6のいずれかに記載のエコー消去装置をコンピュータにより実現するエコー消去プログラム。
  14. 請求項13記載のエコー消去プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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