JPH07135478A - ステレオエコーキャンセラ - Google Patents

ステレオエコーキャンセラ

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JPH07135478A
JPH07135478A JP30753793A JP30753793A JPH07135478A JP H07135478 A JPH07135478 A JP H07135478A JP 30753793 A JP30753793 A JP 30753793A JP 30753793 A JP30753793 A JP 30753793A JP H07135478 A JPH07135478 A JP H07135478A
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Junichi Tagawa
潤一 田川
Hiromoto Furukawa
博基 古川
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 テレコンファレンスシステム等におけるステ
レオ音声信号の伝送、拡散を行なう場合、話者交代時に
発生するエコーを抑圧するステレオエコーキャンセラを
実現すること。 【構成】 他方の音響空間から伝送される第1及び第2
の受信信号から第1〜第4の適応フィルタ11〜14を
用いてエコー音と等価なエコーレプリカを合成する。そ
して一方の音響空間で第1及び第2の送信入力からエコ
ーレプリカを減算し、残留エコーのない第1及び第2の
送信出力を発生する。次に話者交代検出装置17と第1
及び第2の損失手段18,19を設けて話者の交代を検
出する。話者交代時には損失手段18,19の利得を下
げ、一時的に送信出力のレベルを下げる。こうすると話
者交代時にもエコーの増加を抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレコンファレンスシ
ステム等におけるステレオチャンネルのエコーの打ち消
しを行うステレオエコーキャンセラに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、テレコンファレンスシステムが実
用化され、更に音声をステレオ化して伝送及び拡散する
ことにより臨場感を向上しようとする試みがなされてい
る。ステレオ拡声を行う場合、モノラルの音響エコーキ
ャンセラでは十分にエコーが消去できないため、ステレ
オエコーキャンセラの実用化が望まれている。このよう
な要望に対して、適応フィルタを線形結合したステレオ
エコーキャンセラが提案されている。例えば、B.Widro
w, et al.:Adaptive noise cancelling: Principle and
applications, Proc. IEEE, 63, 12, pp1692-1716, (1
975) に一例が発表されている。
【0003】上述したステレオエコーキャンセラについ
て図面を参照しつつ説明する。図7は従来例のステレオ
エコーキャンセラの全体構成を示すブロック図である。
本図において、入力端1,2は遠隔地点の音響空間に設
置された第1(左),第2(右)マイクロフォンから出
力される音声信号の入力部である。添え字jをサンプル
番号又はサンプル点とすると、入力端1に伝送された第
1の受信信号x1j は電力増幅されて出力端3に与えら
れ、入力端2に伝送された第2の受信信号x2j は電力
増幅されて出力端3に与えられる。出力端3,4には夫
々第1,第2のスピーカが接続される。第1,第2のス
ピーカは当地点の音響空間に設置された左及び右のスピ
ーカである。又当地点の音響空間の左右に図示しないマ
イクロフォンが設置されている。これらのマイクロフォ
ンに入力された夫々の音声信号は第1の送信入力y
j ,第2の送信入力y2j として入力端5,6に与え
られる。又出力端7,8は遠隔地点に当地の音声信号を
第1の送信出力e1j ,第2の送信出力e2j として夫
々送出する出力部である。
【0004】さて入力端1に第1の適応フィルタ71,
第3の適応フィルタ73が接続され、入力端2に第2の
適応フィルタ72,第4の適応フィルタ74が接続され
る。適応フィルタ71は出力端3のスピーカから入力端
5のマイクロフォンに至る音響的インパルス応答を適応
的に推定するフィルタであり、適応フィルタ72は出力
端4のスピーカから入力端5のマイクロフォンに至る音
響的インパルス応答を適応的に推定するフィルタであ
る。同様に適応フィルタ73は出力端3のスピーカから
入力端6のマイクロフォンに至る音響的インパルス応答
を適応的に推定するフィルタであり、適応フィルタ74
は出力端4のスピーカから入力端6のマイクロフォンに
至る音響的インパルス応答を適応的に推定するフィルタ
である。
【0005】第1の減算手段75は、適応フィルタ71
で生成されたエコーレプリカyh11j と適応フィルタ7
2で生成されたエコーレプリカyh12j とを送信入力y
jから減算する回路で、減算結果は送信出力e1j
して出力端7から出力される。第2の減算手段76は、
適応フィルタ73で生成されたエコーレプリカyh21j
と適応フィルタ74で生成されたエコーレプリカyh22
j とを送信入力y2jから減算する回路で、減算結果は
送信出力e2j として出力端8から出力される。
【0006】図8は適応フィルタ71,72と減算手段
75の具体的な構成を示すブロック図である。図8にお
いて、第1のXレジスタ81の入力部は図7の入力端1
に接続されている。Xレジスタ81は受信信号x1j
例えば8kHzでサンプリングし、(以下の全てのレジス
タは入力信号を8kHzでサンプリングするものとする)
サンプル点jにおける過去Nサンプルの受信信号系列X
j ={x1j , x1j-1 ,・・・,x1j-N+1 }を格
納するレジスタである。
【0007】第2のXレジスタ82の入力部は図7の入
力端2に接続されている。Xレジスタ82は受信信号x
j を8kHzでサンプリングし、サンプル点jにおける
過去Nサンプルの受信信号系列X2j ={x2j ,x2
j-1 ,・・・,x2j-N+1 }を格納するレジスタであ
る。第1のHレジスタ83は出力端3のスピーカから入
力端5のマイクロフォンに至るエコー経路のインパルス
応答の推定値H11j ={h110j,h111j,・・・,h11
N-1j}を格納するレジスタである。第2のHレジスタ8
4は出力端4のスピーカから入力端5のマイクロフォン
に至るエコー経路のインパルス応答の推定値H12j
{h120j,h121j,・・・,h12N-1j}を格納するレジ
スタである。
【0008】Xレジスタ81の出力とHレジスタ83の
出力は第1の積和手段85に与えられる。積和手段85
は1サンプル毎にXレジスタ81とHレジスタ83のN
個データの畳み込み演算を行い、エコーレプリカyh11
j を合成する回路である。又Xレジスタ82の出力とH
レジスタ84の出力は第2の積和手段86に与えられ
る。積和手段86は1サンプル毎にXレジスタ82とH
レジスタ84のN個データの畳み込み演算を行い、エコ
ーレプリカyh12j を合成する回路である。
【0009】減算手段87は図7の減算手段75に相当
し、積和手段85,86で夫々合成されたエコーレプリ
カyh11j ,yh12j を送信入力y1j から差し引く回
路で、送信入力y1j に含まれるエコーが打ち消された
送信出力e1j を出力する。第1の受信電力演算手段8
8はXレジスタ81に格納されている受信信号系列X1
j の自乗和P1j (以下、第1の受信電力と呼ぶ)を演
算する回路である。第2の受信電力演算手段89はXレ
ジスタ82に格納されている受信信号系列X2j の自乗
和P2j (以下、第2の受信電力と呼ぶ)を演算する回
路である。
【0010】受信電力演算手段88,89の出力は更新
利得算出手段810に与えられる。更新利得算出手段8
10は定数α(0<α≦1)を受信電力P1j と受信電
力P2j との和で割ることにより、第1及び第2の更新
手段811,812に更新利得σ1j を出力する回路で
ある。第1の更新手段811は減算手段87の出力信号
e1j に更新利得δ1j を乗じ、その乗算結果e1j
σ1j をXレジスタ81のN個のデータ{x1j ,x1
j-1 ,・・・,x1j-N+1 }に乗じる回路である。ここ
での演算結果はHレジスタ83に加算され、以前にHレ
ジスタ83で保持されたインパルス応答の推定値H11j
が更新される。
【0011】第2の更新手段812は減算手段87の出
力信号e1j に更新利得σ1j を乗じ、その乗算結果e
j ・σ1j をXレジスタ82のN個のデータ{x
j ,x2j-1 ,・・・,x2j-N+1 }に乗じる回路で
ある。ここでの演算結果はHレジスタ84に加算され、
以前にHレジスタ84で保持されたインパルス応答の推
定値H12j が更新される。
【0012】図7に示す適応フィルタ73,74と減算
手段76の構成についても図8と同様である。以下、適
応フィルタ73のHレジスタに格納されたインパルス応
答の推定値をH21j とし、適応フィルタ74のHレジス
タに格納されたインパルス応答の推定値をH22j とす
る。更に適応フィルタ73,74で合成されたエコーレ
プリカをyh21j 、yh22j とし、第2の送信出力をe
j とする。
【0013】以上のように構成された従来例のステレオ
エコーキャンセラの動作について数式を用いて説明す
る。図8の更新手段811はXレジスタ81から受信信
号系列X1j を入力し、次の(1)式で示される正規化
ステレオエコーキャンセラアルゴリズムにより新たなイ
ンパルス応答を推定する。
【数1】 (1)式で得られたインパルス応答の推定値H11j
{h110j,h111j,・・・,h11N-1j}をHレジスタ8
3に格納する。
【0014】次に積和手段85は次の(2)式を用いて
エコーレプリカyh11j を演算する。
【数2】
【0015】一方、受信電力演算手段88,89は次の
(3),(4)式を用いて第1の受信電力P1j 及び第
2の受信電力P2j を夫々演算する。
【数3】
【数4】 これらの値は更新利得算出手段810に入力され、次の
(5)式を用いて更新利得σ1j が演算される。
【数5】 このように図7の適応フィルタ71で生成されたエコー
レプリカyh11j は減算手段75に出力される。
【0016】同様に適応フィルタ72は、出力端4のス
ピーカから入力端5のマイクロフォンへ至るエコー経路
のインパルス応答H12j の各係数を次の(6)式を用い
て演算する。
【数6】 そしてそのエコーレプリカyh12j を次の(7)式を用
いて生成する。
【数7】
【0017】次に減算手段75は適応フィルタ71、7
2で生成されたエコーレプリカを次の(8)式を用いて
送信出力e1j に変換する。
【数8】
【0018】最初の受信入力が与えられ、十分な時間が
経過すると、適応フィルタ71,72で合成されたエコ
ーレプリカの和が送信入力y1j とほぼ等しくなる。こ
のため送信出力e1j のエコー成分はほぼ零になり、当
地点の話者の音声信号のみが出力端7を介して遠隔地点
の受聴者に伝送される。
【0019】第2の送信出力e2j についても同様に、
適応フィルタ73,75と減算手段76により生成され
る。即ち次に示す(9)〜(14)式を用いて信号処理
される。
【数9】
【数10】
【数11】
【数12】
【数13】
【数14】
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、適応フ
ィルタ71,72は送信出力e1j の自乗平均が最小と
なるように、適応フィルタ73,74は送信出力e2j
の自乗平均が最小になるように、夫々適応フィルタのフ
ィルタ係数を更新するため、受信信号x1j と受信信号
x2j との間に相関がある場合、各適応フィルタが推定
すべきインパルス応答に収束しないことがある。例え
ば、出力端3のスピーカから入力端5のマイクロフォン
へ至るエコー経路のインパルス応答数列をG11とし、出
力端4のスピーカから入力端5のマイクロフォンへ至る
エコー経路のインパルス応答数列をG12とする。又、出
力端3のスピーカから入力端6のマイクロフォンへ至る
エコー経路のインパルス応答数列をG21とし、出力端4
のスピーカから入力端6のマイクロフォンへ至るエコー
経路のインパルス応答数列をG22とする。
【0021】次に適応フィルタ71,72,73,74
が推定したインパルス応答数列を夫々H11、H12、H2
1、H22とすると、十分に適応が進んだ状態では本来な
らばH11=G11、H12=G12、H21=G21、H22=G22
となるように適応フィルタのインパルス応答が収束すべ
きである。しかし受信信号x1j と受信信号x2j が全
く等しい信号、即ち相関が非常に強い信号の場合、H11
=H12=(G11+G12)/2、H21=H22=(G21+G
22)/2に収束しても、送信出力e1j ,e2jのエコ
ー成分を共に零にすることが可能となる。
【0022】このように、第1の受信信号と第2の受信
信号との間に相関がある場合、各適応フィルタが本来と
異なるインパルス応答に誤って収束する可能性がある。
このような誤ったインパルス応答に収束した状態で、話
者の交代や移動等により途中から受信信号間の相関の度
合が変化した場合、その時点からさらに適応フィルタの
インパルス応答が更新される。このため不要なエコーが
暫く発生し、送信出力に含まれる残留エコーが増加する
という問題を生じる。
【0023】又、第1の受信信号と第2の受信信号との
間に相関がある状態で、第1及び第2のHレジスタ8
3,84の更新を続行した場合、正しい系を推定するこ
とができなくなることがある。この場合、既に正しく推
定されたインパルス応答をもつ適応フィルタのフィルタ
係数を乱し、その結果エコーが発生し、かつエコー打ち
消しの速度が遅くなることがある。
【0024】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたものであって、話者交代時の残留エコーの増加
を抑え、エコー打ち消しの速度の低下を防ぐステレオエ
コーキャンセラを実現するものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、第1の位置と第2の位置とに夫々マイクロフォンと
スピーカとが設けられた一方の音響空間と、一方の音響
空間と隔たった所に位置し、第3の位置と第4の位置と
に夫々マイクロフォンとスピーカとが設けられた他方の
音響空間との間で、送信信号及び受信信号を用いてステ
レオの音声情報を授受するテレコンファレンスシステム
に用いられるステレオエコーキャンセラであって、第3
の位置のマイクロフォンから出力される第1の受信信号
が、第1の位置のスピーカを介して第1の位置のマイク
ロフォンに入力されるときの音響インパルス応答と等価
なタップ係数を適応的に持つ第1の適応フィルタと、第
4の位置のマイクロフォンから出力される第2の受信信
号が、第2の位置のスピーカを介して第1の位置のマイ
クロフォンに入力されるときの音響インパルス応答と等
価なタップ係数を適応的に持つ第2の適応フィルタと、
第3の位置のマイクロフォンから出力される第1の受信
信号が、第1の位置のスピーカを介して第2の位置のマ
イクロフォンに入力されるときの音響インパルス応答と
等価なタップ係数を適応的に持つ第3の適応フィルタ
と、第4の位置のマイクロフォンから出力される第2の
受信信号が、第2の位置のスピーカを介して第2の位置
のマイクロフォンに入力されるときの音響インパルス応
答と等価なタップ係数を適応的に持つ第4の適応フィル
タと、第1の位置のマイクロフォンの音声信号から、第
1及び第2の適応フィルタで生成されたエコーレプリカ
を夫々減算し、エコー成分が打ち消された第1の送信出
力を生成する第1の減算手段と、第2の位置のマイクロ
フォンの音声信号から、第3及び第4の適応フィルタで
生成されたエコーレプリカを夫々減算し、エコー成分が
打ち消された第2の送信出力を生成する第2の減算手段
と、第1及び第2の受信信号を入力し、他方の音響空間
における話者の交代を検知する話者交代検出手段と、話
者交代検出手段より話者交代が検出されれば、第1及び
第2の送信出力の損失を大きくする制御信号を夫々生成
する損失量制御手段と、損失量制御手段の制御信号に基
づき、第1及び第2の減算手段の出力に一定期間損失を
与え、他方の音響空間に音声信号を出力する第1及び第
2の損失手段と、を具備することを特徴とするものであ
る。
【0026】本願の請求項2の発明では、話者交代検出
手段は、第1及び第2の受信信号の平均電力を夫々算出
する第1及び第2の平均電力演算手段と、第1及び第2
の平均電力演算手段の出力を用い、その除算値βを算出
する除算手段と、除算手段の除算値βと予め定めた2種
の定数β1、β2(β1>1>β2)との大小関係を比
較する大小関係比較手段と、大小関係比較手段の出力変
化を検出し、出力変化があれば話者交代と判定する状態
変化検出手段と、を具備するものであること特徴とする
ものである。
【0027】本願の請求項3の発明は、除算値βの値を
対数変換する対数演算手段を、除算手段と大小関係比較
手段との間に設けたことを特徴とするものである。
【0028】本願の請求項4の発明は、第1の位置のマ
イクロフォンから入力される第1の送信入力、及び第1
の減算手段から出力される第1の送信出力の平均信号電
力との比を算出し、その結果を損失量制御手段に出力す
る第1の入出力比演算手段と、第2の位置のマイクロフ
ォンから入力される第2の送信入力、及び第2の減算手
段から出力される第2の送信出力の平均信号電力との比
を算出し、その結果を損失量制御手段に出力する第2の
入出力比演算手段と、を設け、損失量制御手段は、話者
交代時に第1の入出力比演算手段で算出された電力比が
小さいときには第1の損失手段の損失量を大きくする制
御信号を出力し、第2の入出力比演算手段で算出された
電力比が小さいときには第2の損失手段の損失量を大き
くする制御信号を出力することを特徴とするものであ
る。
【0029】本願の請求項5の発明は、第1の位置と第
2の位置とに夫々マイクロフォンとスピーカとが設けら
れた一方の音響空間と、一方の音響空間と隔たった所に
位置し、第3の位置と第4の位置とに夫々マイクロフォ
ンとスピーカとが設けられた他方の音響空間との間で、
送信信号及び受信信号を用いてステレオの音声情報を授
受するテレコンファレンスシステムに用いられるステレ
オエコーキャンセラであって、第3の位置のマイクロフ
ォンから出力される第1の受信信号が、第1の位置のス
ピーカを介して第1の位置のマイクロフォンに入力され
るときの音響インパルス応答と等価なタップ係数を適応
的に持つ第1の適応フィルタと、第4の位置のマイクロ
フォンから出力される第2の受信信号が、第2の位置の
スピーカを介して第1の位置のマイクロフォンに入力さ
れるときの音響インパルス応答と等価なタップ係数を適
応的に持つ第2の適応フィルタと、第3の位置のマイク
ロフォンから出力される第1の受信信号が、第1の位置
のスピーカを介して第2の位置のマイクロフォンに入力
されるときの音響インパルス応答と等価なタップ係数を
適応的に持つ第3の適応フィルタと、第4の位置のマイ
クロフォンから出力される第2の受信信号が、第2の位
置のスピーカを介して第2の位置のマイクロフォンに入
力されるときの音響インパルス応答と等価なタップ係数
を適応的に持つ第4の適応フィルタと、第1の位置のマ
イクロフォンの音声信号から、第1及び第2の適応フィ
ルタで生成されたエコーレプリカを夫々減算し、エコー
成分が打ち消された第1の送信出力を生成する第1の減
算手段と、第2の位置のマイクロフォンの音声信号か
ら、第3及び第4の適応フィルタで生成されたエコーレ
プリカを夫々減算し、エコー成分が打ち消された第2の
送信出力を生成する第2の減算手段と、第1及び第2の
受信信号を入力し、その相互相関から他方の音響空間に
おける話者の位置を検知する話者位置検出手段と、話者
位置検出手段が出力する話者の位置が他方の音響空間の
略中央であれば、第1〜第4の適応フィルタの更新利得
を小さくする更新利得算出手段と、を具備することを特
徴とするものである。
【0030】本願の請求項6の発明では、話者位置検出
手段は、第1及び第2の受信信号の平均電力を夫々算出
する第1及び第2の平均電力演算手段と、第1及び第2
の平均電力演算手段の出力を用い、その除算値βを算出
する除算手段と、除算手段の除算値βと予め定めた2種
の定数β1、β2(β1>1>β2)との大小関係を比
較する大小関係比較手段と、大小関係比較手段で第2の
音響空間の話者が中央と判定されたとき、第1及び第2
の受信信号の相互相関を算出する相互相関演算手段と、
相互相関演算手段の相互相関が最大値となる話者の位置
を検出する最大値位置検出手段と、最大値位置検出手段
と大小関係比較手段の情報が夫々入力され、相互相関が
最大値となる話者の位置が指定範囲以内に位置するか否
かを検出し、指定範囲内ならば話者の位置が中央と判定
して第1〜第4の適応フィルタの更新利得を小さくする
ように更新利得制御手段を制御する相関度判定手段と、
を具備することを特徴とするものである。
【0031】
【作用】このような特徴を有する本願の請求項1〜3の
発明によれば、第1の適応フィルタは第1の受信出力か
ら第1の送信入力に至るエコー経路のインパルス応答を
推定し、そのエコーレプリカを合成する。第2の適応フ
ィルタは第2の受信出力から第1の送信入力へ至るエコ
ー経路のインパルス応答を推定し、そのエコーレプリカ
を合成する。そして第1の減算手段で第1の送信入力か
ら第1及び第2の適応フィルタで合成されたエコーレプ
リカを差し引くことにより、第1の送信入力に含まれる
エコー成分を打ち消す。同様に、第3の適応フィルタで
第2の受信出力から第1の送信入力へ至るエコー経路の
インパルス応答を推定し、そのエコーレプリカを合成す
る。第4の適応フィルタは第2の受信出力から第2の送
信入力へ至るエコー経路のインパルス応答を推定し、そ
のエコーレプリカを合成する。そして第2の減算手段で
第2の送信入力から第3及び第4の適応フィルタで合成
されたエコーレプリカを差し引くことにより、第2の送
信出力に含まれるエコー成分を打ち消す。又、第1及び
第2の受信信号を観測することにより話者交代検出手段
で話者交代を検出し、話者交代時には一定期間損失量制
御手段が第1及び第2の損失手段の損失を大きくするよ
うに制御を行う。そして送信出力に損失を加えることに
より話者交代時に発生する残留エコーの増加を防ぐこと
が可能となる。
【0032】又本願の請求項4の発明によれば、入出力
比較手段で送信入力と送信出力との平均信号電力の比を
算出することにより、送信出力におけるエコー除去量が
わかる。損失量制御手段は入力演算比較手段の平均信号
電力比が入力されると、エコー除去量が大きなときには
損失手段の損失量を小さくする。又エコー除去量が小さ
いときにはエコー成分の損失量を大きくする。こうする
と前述の作用に加えてダブルトーク時のように送信入力
に損失を受けるべきでない信号が含まれる場合でも、そ
の信号の損失を最小限に抑え、かつ話者交代時の残留エ
コーを抑えることができる。
【0033】更に本願の請求項5,6の発明によれば、
請求項1〜3の発明の作用に加えて、音響空間の中央付
近に話者が位置している場合、更新利得制御手段により
各適応フィルタの更新利得を小さくする。こうすると各
適応フィルタのフィルタ係数の誤りにより引き起こされ
るエコーの発生と、適応フィルタの収束速度の劣化を防
ぐことが可能となる。
【0034】
【実施例】本発明の第1実施例におけるステレオエコー
キャンセラについて図1を参照しながら説明する。図1
は第1実施例のステレオエコーキャンセラの全体構成を
示すブロック図であり、従来例と同一部分は同一の符号
をつけて詳細な説明は省略する。本図において入力端
5,6は一方(当方)の音響空間の第1の位置(左)及
び第2の位置(右)に夫々設けられたマイクロフォンの
音声信号を入力する入力端である。出力端3,4は一方
の音響空間の第1及び第2の位置に夫々設けられたスピ
ーカに与える音声信号の出力端である。同様に入力端
1,2は他方(遠隔地点)の音響空間の第3の位置
(左)及び第4の位置(右)に夫々に設けられたマイク
ロフォンの音声信号を入力する入力端である。出力端
7,8は一方の音響空間の第3及び第4の位置に設けら
れた夫々のスピーカに与える音声信号の出力端である。
そして従来例と同様に第1〜第4の適応フィルタ11〜
14、第1及び第2の減算手段15,16が夫々設けら
れている。
【0035】従来と異なり本実施例には、入力端1,2
間に話者交代検出手段17が接続され、減算手段15,
16の出力部に第1の損失手段18,第2の損失手段1
9が夫々接続される。話者交代検出手段17は受信信号
x1j ,x2j を入力し、その信号レベルの変化から、
遠隔地点の話者の交代を検知する回路である。話者交代
検出手段17の出力は損失量制御手段110に与えられ
る。損失量制御手段110は話者交代検出手段17の出
力に基づき、損失量の制御信号を発生する回路である。
又損失手段18,19は送信出力e1j ,e2j を損失
量制御手段110の制御信号に基づき夫々減衰させる回
路である。
【0036】このように構成された本実施例のステレオ
エコーキャンセラの動作を説明する。遠隔地点の話者が
先方の音響空間の左右のマイクロフォンの中央に位置し
ている場合、受信信号x1j とx2j との相関は大きく
なる。この場合、各適応フィルタ11〜14のフィルタ
係数が誤って更新されることがある。この状態の後、話
者の交代により受信信号x1j とx2j の相関が変化す
ると、適応フィルタによりエコーレプリカが正しく合成
されず、送信出力において暫くエコーが増加する。そこ
で、受信信号x1j とx2j とを観測することにより、
話者交代検出手段17が話者の交代を検出し、話者交代
検出時には損失量制御手段110により損失手段18、
19の損失量を増加させる。すると話者交代時に送信出
力e1j,e2j が抑えられ、交代直後におけるエコー
の増加を抑止することができる。このように本実施例に
よれば、話者交代時に送信出力へ損失を加えることによ
り、話者交代時のエコーの増加を防ぐことができる。
【0037】次に本発明の第2実施例におけるステレオ
エコーキャンセラについて図2を参照しながら説明す
る。本実施例は第1実施例の話者交代検出手段を具体化
したものであり、その他の構成は図1と同一である。図
2は本実施例の話者交代検出手段の構成を示したブロッ
ク図である。
【0038】図2において入力端1,2に第1及び第2
の平均電力演算手段21,22が夫々接続される。平均
電力演算手段21,22は受信信号x1j ,x2j の平
均電力を夫々算出する回路で、その結果は除算手段23
に与えられる。除算手段23は平均電力演算手段21の
出力を平均電力演算手段22の出力で割算し、その除算
値βを大小関係比較手段24に出力する。大小関係比較
手段24は除算値βと、予め定めた2種の定数β1 、β
2 (β1 >1>β2 )との比較を行い、除算値βがどの
範囲に含まれるかを判定する回路である。この判定結果
は状態変化検出手段25に与えられる。状態変化検出手
段25は除算値βの範囲が変化したか否かを調べ、変化
した場合に話者が交代したとして話者交代検出信号を出
力する。
【0039】このように話者交代検出手段が構成された
ステレオエコーキャンセラの動作を説明する。例えば、
第1の受信入力側を左、第2の受信入力側を右と定め、
各話者が左、中央、右の何れか一方に位置しているとす
る。そして左側の話者が発話したときβ>β1>1と
し、又右側の話者が発話したとき1>β2>βとなるよ
う、β1,β2を予め設定しておく。そうすると、先ず
始めに左側の話者が発話すると、第1の平均電力P1j
が第2の平均電力P2j より大きくなるため、除算手段
23の出力βはβ1 より大きくなる。
【0040】又、中央の話者が発声したときはほぼβ=
1となり、β1 >β>β2 が成立する。同様に右側の話
者が発話したときはβ<β2 となる。このように話者の
位置によりβとβ1 及びβ2 との関係が定まり、βの状
態の変化の境界を状態変化検出手段25で検知すること
により話者交代の検出が可能となる。
【0041】以上のように本実施例によれば、受信信号
x1j ,x2j の各平均電力の除算値βの変化を観測す
ることにより、話者の交代を検出する。そしてこの場合
図1の損失手段18,19の各損失量を大きくすること
により、話者交代時のエコーの増加を防ぐことができ
る。
【0042】次に本発明の第3実施例におけるステレオ
エコーキャンセラについて図3を参照しながら説明す
る。図3は第3実施例の話者交代検出手段の構成を示し
たブロック図である。本実施例は第2実施例の話者交代
検出手段に対数演算手段31を追加したことである。そ
の他の構成は図1,図2と同一であり、第2実施例と同
一部分は同一の符号をつけ説明を省略する。
【0043】図3において除算手段23の除算値βは対
数演算手段31に出力される。除算値βは受信信号x1
j の平均電力と受信信号x2j の平均電力との比で表さ
れるため、話者が中央に近い位置に複数人存在する場
合、βは1付近に集中する。この場合話者が端に位置し
ているときに比べてβの値に差が現れにくくなり、話者
交代の判別が難しい。このため除算手段23の後段に対
数演算手段31を設けると、βの値が1を中心に微小に
変化しても、その対数値γ(=log β)の基準値γ
1 (=log β1 ),γ2 (=log β2 )に対する変化を
敏感に検知できる。従って複数人の話者が中央付近に位
置する場合でも、話者交代の検出が容易になる。このよ
うに本実施例によれば、中央付近に話者が位置する場合
でも話者交代の検出が可能となり、話者交代時のエコー
の増加を防ぐことができる。
【0044】次に本発明の第4実施例におけるステレオ
エコーキャンセラについて図4を参照しながら説明す
る。図4は本実施例のステレオエコーキャンセラの全体
構成を示すブロック図である。本実施例は第1実施例の
ステレオエコーキャンセラの回路に第1の入出力比演算
手段41と第2の入出力比演算手段42とを追加し、そ
の出力を損失量制御手段111に入力するようにしたこ
とである。その他の構成は図1と同一であり、第1実施
例と同一部分は同一の符号をつけ説明を省略する。
【0045】図1又は図7のような回路では、第1の送
信入力y1j と第1の送信出力e1j との平均信号電力
の比を算出することにより、送信出力におけるエコー除
去量がわかる。このため図4に示すように入出力比演算
手段41を設け、減算手段15の入力信号と出力信号を
夫々入力して平均信号電力比を演算する。損失量制御手
段111は入出力比演算手段41の平均信号電力比が入
力されると、エコー除去量が大きなときには損失手段1
8の損失利得を小さくし、エコー除去量が小さいときに
はエコー成分の損失利得を大きくする。このように送信
出力e1j の損失量が最適になるよう損失量制御手段1
11で損失量の制御を行う。この動作によりダブルトー
ク時のように送信入力に損失を受けるべきでない信号が
含まれる場合でも、その信号の損失を最小限に抑え、か
つ話者交代時の残留エコーを抑えることができる。
【0046】入出力比演算手段42についても入出力比
演算手段41と同様に動作する。このように本実施例に
よれば、入出力比演算手段41,42によりエコー除去
量を検出することにより、送信入力y1j ,y2j に正
規の入力信号が混在する場合でもその信号の損失を最小
限に抑え、かつ話者の交代時の残留エコーの増加を抑え
ることができる。
【0047】次に本発明の第5実施例におけるステレオ
エコーキャンセラについて図5を参照しながら説明す
る。図5は第5実施例のステレオエコーキャンセラの全
体構成を示すブロック図である。本図において入力端
1,2,5,6と出力端3,4,7,8、第1〜第4の
適応フィルタ51〜54、第1及び第2の減算手段5
5,56が夫々設けられることは従来例と同一であり、
それらの説明は省略する。
【0048】従来例と異なり、本実施例には入力端1,
2間に話者位置検出手段57が設けられ、話者位置検出
手段57の出力部に更新利得制御手段58が設けられ
る。話者位置検出手段57は受信信号x1j ,x2j
入力し、その信号相関から遠隔地点の話者の位置を検知
する回路である。話者位置検出手段57の出力は更新利
得制御手段58に与えられる。更新利得制御手段58は
話者位置検出手段57で話者の位置を検出し、話者位置
に応じて第1から第4の適応フィルタ51から54の更
新利得を変化させる回路である。
【0049】例えば、話者が中央に位置する場合、第1
及び第2の受信入力はほぼ等しくなる。その場合、2つ
の受信信号x1j ,x2j には強い相関があるため、各
適応フィルタのフィルタ係数が誤って更新されることが
ある。このような状況を回避するため、更新利得制御手
段58は話者が中央に位置するときには各適応フィルタ
の更新利得を小さくする。そうすればフィルタ係数が誤
って更新されることが防止でき、そのときに生じるエコ
ーの増加を抑えることができる。このように本実施例に
よれば、話者位置に応じて各適応フィルタの更新利得を
制御することにより、フィルタ係数が誤って更新される
ことにより引き起こされるエコーの増加を防ぐことがで
きる。
【0050】次に本発明の第6実施例におけるステレオ
エコーキャンセラについて図6を参照しながら説明す
る。本実施例は第5実施例の話者位置検出手段を具体化
したことであり、その他の構成は図5と同一である。図
6は本実施例の話者位置検出手段の構成を具体的に示し
たブロック図である。
【0051】図6において入力端1,2に第1及び第2
の平均電力演算手段61,62が夫々接続される。平均
電力演算手段61,62は受信信号x1j ,x2j の平
均電力を夫々算出する回路で、その結果は除算手段63
に与えられる。除算手段63は平均電力演算手段61の
出力を平均電力演算手段62の出力で割算し、その除算
値βを大小関係比較手段24に出力する。大小関係比較
手段64は除算値βと、予め定めた2種の定数β1 、β
2 (β1 >1>β2 )との比較を行い、除算値βがどの
範囲に含まれるかを判定する回路である。
【0052】大小関係比較手段64において、β>β1
であれば、話者は左側に位置すると判定され、β1>β
>β2であれば中央に位置すると判定され、β2>βで
あれば右側に位置すると判定される。中央に位置してい
ると判断された場合は、その結果は相互相関演算手段6
5に報知される。この場合相互相関演算手段65は受信
信号x1j ,x2j を夫々入力し、次に示す(15)式
を用いて相互相関関数c(τ)j を演算する。但しτは
2つの受信信号x1j とx2j の相互相関を求める場合
のサンプル番号の差異を示し、Kはサンプル範囲を示す
整数とする。
【数15】
【0053】相互相関演算手段65で演算された相互相
関関数c(τ)j は最大位置検出手段66に出力され
る。最大値位置検出手段66はその相互相関関数c
(τ)j のデータに基づいて相互相関が最大となる位置
を検出し、その結果を相関度判定手段67に出力する。
相関度判定手段67は最大値位置検出手段66で最大値
の位置が例えばτ=0付近において検出されたとき、話
者が中央に存在すると判定し、τがそれ以外の値の場合
は複数の話者が存在すると判定する。即ち話者が中央に
位置し、受信信号x1j とx2j とが等しい信号だとす
ると、これらの信号の間には位相差がないので相関相関
関数c(τ)j はτ=0において最大値を持つ。
【0054】又、話者が左右に夫々位置し、その平均電
力が等しいが両信号間には相関がない場合、大小関係比
較手段64では中央と判定されてしまう。この場合の相
互相関c (τ)j はτ=0付近において最大値を持つと
は限らない。このように相互相関演算手段65の信号処
理により話者が中央に位置するかどうかが正確に判定で
きる。そして、話者が中央に位置すると判定された場合
には、各適応フィルタが誤ったフィルタ係数に収束する
ことがあるので、図5の更新利得制御手段58により更
新利得を小さくすると、各適応フィルタの係数が誤って
更新される動作を防ぐことができる。
【0055】このように本実施例によれば、第1及び第
2の受信信号の平均電力比と相互相関関数の最大値の位
置に着目して話者位置を検出し、検出した話者位置に応
じて各適応フィルタの更新利得を制御することにより、
フィルタ係数が誤って更新されるのを防ぎ、それにより
引き起こされるエコーの増加を抑制することができる。
【0056】
【発明の効果】以上のように請求項1〜4に記載の発明
によれば、話者交代検出手段を設けたことにより、第1
及び第2の受信信号から他方の音響空間における話者の
交代を検知することができる。この場合、一方の音響空
間の送信出力に損失を与えることにより、話者交代時に
発生する残留エコーを抑圧することが可能である。
【0057】又本願の請求項5、6の発明によれば、特
に第1及び第2の受信信号との間に相関がある場合、各
適応フィルタが本来と異なるインパルス応答に誤って収
束するという誤動作が解消される。このため異なる2地
点でステレオ音響システムを用いて合同会議等を行うと
き、マイクロフォンとスピーカとの間で発生するエコー
を未然に防止できるという効果が生じる。又話者位置検
出手段と更新量算出手段を設けたことにより前述した効
果に加えて、話者が音響空間の中央付近に位置する場合
でも、各適応フィルタのフィルタ係数が誤って更新され
るのを防止することができる。このため異なる2地点で
ステレオ音響システムを用いて合同会議等を行うとき、
各音響空間の中央部に話者が存在する場合も、ステレオ
エコーキャンセラが誤動作しにくくなる。そしてマイク
ロフォンとスピーカとの間で発生するエコーの発生を防
止できる。
【図面の詳細な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるステレオエコーキ
ャンセラの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施例において、ステレオエコー
キャンセラに用いられる話者交代検出手段の構成を示す
ブロック図である。
【図3】本発明の第3実施例において、ステレオエコー
キャンセラに用いられる話者交代検出手段の構成を示す
ブロック図である。
【図4】本発明の第4実施例におけるステレオエコーキ
ャンセラの全体構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第5実施例におけるステレオエコーキ
ャンセラの全体構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第6実施例において、ステレオエコー
キャンセラに用いられる話者位置検出手段の構成を示す
ブロック図である。
【図7】従来のステレオエコーキャンセラの構成例を示
すブロック図である。
【図8】従来のステレオエコーキャンセラに用いられる
適応フィルタの具体的な構成例を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1,2,5,6 入力端 3,4,7,8 出力端 11〜14,51〜54,71〜74 適応フィルタ 15,16,55,56,75,76,87 減算手段 17 話者交代検出手段 18,19 損失手段 21,22,61,62 平均電力演算手段 23,63 除算手段 24 大小関係比較手段 25,64 状態変化検出手段 31 対数演算手段 41,42 入出力比演算手段 57 話者位置検出手段 58 更新利得算出手段 65 相互相関演算手段 66 最大値位置検出手段 67 相関度判定手段 81,82 Xレジスタ 83,84 Hレジスタ 85,86 積和手段 87 減算手段 88,89 受信電力演算手段 110,111 損失量制御手段 810 更新利得算出手段 811,812 更新手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の位置と第2の位置とに夫々マイク
    ロフォンとスピーカとが設けられた一方の音響空間と、
    一方の音響空間と隔たった所に位置し、第3の位置と第
    4の位置とに夫々マイクロフォンとスピーカとが設けら
    れた他方の音響空間との間で、送信信号及び受信信号を
    用いてステレオの音声情報を授受するテレコンファレン
    スシステムに用いられるステレオエコーキャンセラであ
    って、 第3の位置のマイクロフォンから出力される第1の受信
    信号が、第1の位置のスピーカを介して第1の位置のマ
    イクロフォンに入力されるときの音響インパルス応答と
    等価なタップ係数を適応的に持つ第1の適応フィルタ
    と、 第4の位置のマイクロフォンから出力される第2の受信
    信号が、第2の位置のスピーカを介して第1の位置のマ
    イクロフォンに入力されるときの音響インパルス応答と
    等価なタップ係数を適応的に持つ第2の適応フィルタ
    と、 第3の位置のマイクロフォンから出力される第1の受信
    信号が、第1の位置のスピーカを介して第2の位置のマ
    イクロフォンに入力されるときの音響インパルス応答と
    等価なタップ係数を適応的に持つ第3の適応フィルタ
    と、 第4の位置のマイクロフォンから出力される第2の受信
    信号が、第2の位置のスピーカを介して第2の位置のマ
    イクロフォンに入力されるときの音響インパルス応答と
    等価なタップ係数を適応的に持つ第4の適応フィルタ
    と、 第1の位置のマイクロフォンの音声信号から、前記第1
    及び第2の適応フィルタで生成されたエコーレプリカを
    夫々減算し、エコー成分が打ち消された第1の送信出力
    を生成する第1の減算手段と、 第2の位置のマイクロフォンの音声信号から、前記第3
    及び第4の適応フィルタで生成されたエコーレプリカを
    夫々減算し、エコー成分が打ち消された第2の送信出力
    を生成する第2の減算手段と、 第1及び第2の受信信号を入力し、他方の音響空間にお
    ける話者の交代を検知する話者交代検出手段と、 前記話者交代検出手段より話者交代が検出されれば、第
    1及び第2の送信出力の損失を大きくする制御信号を夫
    々生成する損失量制御手段と、 前記損失量制御手段の制御信号に基づき、第1及び第2
    の減算手段の出力に一定期間損失を与え、他方の音響空
    間に音声信号を出力する第1及び第2の損失手段と、を
    具備することを特徴とするステレオエコーキャンセラ。
  2. 【請求項2】 前記話者交代検出手段は、 前記第1及び第2の受信信号の平均電力を夫々算出する
    第1及び第2の平均電力演算手段と、 前記第1及び第2の平均電力演算手段の出力を用い、そ
    の除算値βを算出する除算手段と、 前記除算手段の除算値βと予め定めた2種の定数β1、
    β2(β1>1>β2)との大小関係を比較する大小関
    係比較手段と、 前記大小関係比較手段の出力変化を検出し、出力変化が
    あれば話者交代と判定する状態変化検出手段と、を具備
    するものであること特徴とする請求項1記載のステレオ
    エコーキャンセラ。
  3. 【請求項3】 除算値βの値を対数変換する対数演算手
    段を、前記除算手段と前記大小関係比較手段との間に設
    けたことを特徴とする請求項2記載のステレオエコーキ
    ャンセラ。
  4. 【請求項4】 第1の位置のマイクロフォンから入力さ
    れる第1の送信入力、及び前記第1の減算手段から出力
    される第1の送信出力の平均信号電力との比を算出し、
    その結果を前記損失量制御手段に出力する第1の入出力
    比演算手段と、 第2の位置のマイクロフォンから入力される第2の送信
    入力、及び前記第2の減算手段から出力される第2の送
    信出力の平均信号電力との比を算出し、その結果を前記
    損失量制御手段に出力する第2の入出力比演算手段と、
    を設け、 前記損失量制御手段は、話者交代時に前記第1の入出力
    比演算手段で算出された電力比が小さいときには前記第
    1の損失手段の損失量を大きくする制御信号を出力し、
    前記第2の入出力比演算手段で算出された電力比が小さ
    いときには前記第2の損失手段の損失量を大きくする制
    御信号を出力することを特徴とする請求項1記載のステ
    レオエコーキャンセラ。
  5. 【請求項5】 第1の位置と第2の位置とに夫々マイク
    ロフォンとスピーカとが設けられた一方の音響空間と、
    一方の音響空間と隔たった所に位置し、第3の位置と第
    4の位置とに夫々マイクロフォンとスピーカとが設けら
    れた他方の音響空間との間で、送信信号及び受信信号を
    用いてステレオの音声情報を授受するテレコンファレン
    スシステムに用いられるステレオエコーキャンセラであ
    って、 第3の位置のマイクロフォンから出力される第1の受信
    信号が、第1の位置のスピーカを介して第1の位置のマ
    イクロフォンに入力されるときの音響インパルス応答と
    等価なタップ係数を適応的に持つ第1の適応フィルタ
    と、 第4の位置のマイクロフォンから出力される第2の受信
    信号が、第2の位置のスピーカを介して第1の位置のマ
    イクロフォンに入力されるときの音響インパルス応答と
    等価なタップ係数を適応的に持つ第2の適応フィルタ
    と、 第3の位置のマイクロフォンから出力される第1の受信
    信号が、第1の位置のスピーカを介して第2の位置のマ
    イクロフォンに入力されるときの音響インパルス応答と
    等価なタップ係数を適応的に持つ第3の適応フィルタ
    と、 第4の位置のマイクロフォンから出力される第2の受信
    信号が、第2の位置のスピーカを介して第2の位置のマ
    イクロフォンに入力されるときの音響インパルス応答と
    等価なタップ係数を適応的に持つ第4の適応フィルタ
    と、 第1の位置のマイクロフォンの音声信号から、前記第1
    及び第2の適応フィルタで生成されたエコーレプリカを
    夫々減算し、エコー成分が打ち消された第1の送信出力
    を生成する第1の減算手段と、 第2の位置のマイクロフォンの音声信号から、前記第3
    及び第4の適応フィルタで生成されたエコーレプリカを
    夫々減算し、エコー成分が打ち消された第2の送信出力
    を生成する第2の減算手段と、 第1及び第2の受信信号を入力し、その相互相関から他
    方の音響空間における話者の位置を検知する話者位置検
    出手段と、 前記話者位置検出手段が出力する話者の位置が他方の音
    響空間の略中央であれば、前記第1〜第4の適応フィル
    タの更新利得を小さくする更新利得制御手段と、を具備
    することを特徴とするステレオエコーキャンセラ。
  6. 【請求項6】 前記話者位置検出手段は、 前記第1及び第2の受信信号の平均電力を夫々算出する
    第1及び第2の平均電力演算手段と、 前記第1及び第2の平均電力演算手段の出力を用い、そ
    の除算値βを算出する除算手段と、 前記除算手段の除算値βと予め定めた2種の定数β1、
    β2(β1>1>β2)との大小関係を比較する大小関
    係比較手段と、 前記大小関係比較手段で第2の音響空間の話者が中央と
    判定されたとき、第1及び第2の受信信号の相互相関を
    算出する相互相関演算手段と、 前記相互相関演算手段の相互相関が最大値となる話者の
    位置を検出する最大値位置検出手段と、 前記最大値位置検出手段と前記大小関係比較手段の情報
    が夫々入力され、相互相関が最大値となる話者の位置が
    指定範囲以内に位置するか否かを検出し、指定範囲内な
    らば話者の位置が中央と判定して前記第1〜第4の適応
    フィルタの更新利得を小さくするように更新利得制御手
    段を制御する相関度判定手段と、を具備することを特徴
    とする請求項5記載のステレオエコーキャンセラ。
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Cited By (11)

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