JP2006245509A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 被処理物近傍のプラズマの発光状態を容易に知ることができるプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】 被処理物11を保持する被処理物支持台12にプラズマの発光を受光する受光部13を装備し、受光した発光を装置外に取り出す光伝送手段14を装備し、前記光伝送手段14により装置外部に取り出した発光を装置外部の分光器15により分光し、データ収録装置16に記録する。
【選択図】 図1
【解決手段】 被処理物11を保持する被処理物支持台12にプラズマの発光を受光する受光部13を装備し、受光した発光を装置外に取り出す光伝送手段14を装備し、前記光伝送手段14により装置外部に取り出した発光を装置外部の分光器15により分光し、データ収録装置16に記録する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体、液晶ディスプレイ用基板等の製造において有効なプラズマ処理装置、および処理方法に関する。
プラズマ処理プロセスにおいては、所望の処理結果が得られるよう、例えば、ガス流量、処理圧力、プラズマ生成用電力、ウエハ温度、バイアス電力等のプロセス制御パラメータを調整している。
しかし、これら制御パラメータを以ってしても所望の処理結果が得られないことがある。最近の研究では、原因のひとつとして、プラズマと被処理物の化学反応で発生する反応生成物が処理の結果を大きく左右することを挙げている。これら反応生成物は、量産における適切な状態では、処理室内壁に適量だけ付着しているが、処理を繰り返すと過剰に付着したり、あるいは除去操作を行ったために不足したりする。
上記の問題の解決法として、装置を定期的にクリーニングし、かつ適当な慣らし運転をすることで装置内壁の状態を常に一定の状態に保つなどの方法が用いられている。しかし、クリーニングおよび慣らし運転が適切かどうかの判断は、難しく、さらに近年では、着工環境のわずかな差異が最終的な製品の信頼性を左右するまでに高精度の加工が要求されているため、困難になってきた。
この問題の解決のため、プラズマおよびプラズマ処理装置の監視技術が従来から提案および実施されてきた。これらの技術においては、プラズマの発光、プラズマソースやウエハバイアスの電流、電圧、インピーダンス等を監視し、これらを信号として装置使用者への警告、装置の停止、着工条件の調整などの対応を装置に自動的に行わせることが求められる。また、これらの信号を元に、着工中でも動的に着工条件を調整する手法も検討されている。
前述の信号の中でも、プラズマの発光には、装置および被処理物ならびにプラズマの情報が多く含まれている。発光モニタの導入が簡便で安価であることもあって、発光モニタは広く用いられている。従来技術の発光モニタは、装置の処理室内壁、処理室の底面、ないし天井などのウエハから離れた位置に設置され、ここからプラズマを監視し、その情報を装置の管理に利用していた。
しかしながら、これらの位置に設置された発光モニタでは、今後のさらなる高精度で微細な加工に対応することが難しい。まず、従来技術の発光モニタは、プラズマから離れた位置で一定領域の発光を見ているに過ぎない。これに対し、前述の反応生成物は、被処理物から発生するために、被処理物近傍では特に密度が高い分布となっている。そのため、従来技術のように単にプラズマの発光を監視するだけでは十分とは言いがたい。今後の高精度加工においては、被処理物近傍、および処理室内壁近傍のプラズマを適切に受光することが必須となる。
これに対し、処理室内壁からウエハ近傍まで発光モニタを伸ばすという手法で、ウエハ近傍のプラズマの発光を測定する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この手法は、量産工場においてプラズマ処理の終点判定に上記の発光モニタを使用することに特化しており、また、処理室内壁から伸ばした発光モニタにプラズマからの化学物質が付着し、異物の原因となる難点がある。また、上記特許文献1には、ウエハの裏面に設置した発光モニタにより、ウエハに開けた貫通孔を通してプラズマを観測する手法も考案しているが、実際の量産工場では製品ウエハに貫通孔を設けることは不可能である。そのため、研究開発段階のみの使用となる。
特開平10−335307号公報
本発明が解決しようとする問題点は、従来の技術における被処理物直上のプラズマを直接観測することができない点である。すなわち、本発明は、被処理物直上のプラズマを直接観測する手法を備えたプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を提供することにある。
本発明は、被処理物のごく近傍に発光モニタを設置し、ここから被処理物近傍のプラズマを直接観測することを最も主要な特徴とする。
すなわち、本発明は、処理室、プラズマ源、及び被処理物を保持するための被処理物支持台を備えたプラズマ処理装置において、被処理物支持台に設置する1つ以上の受光部と、前記受光部で受光したプラズマの発光を処理室外部に取り出すための光伝送手段とを備えた。さらに、本発明は、前記受光部の視野が被処理物直上の領域であること、被処理物を囲むように前記受光部が複数配置されていること、視野が異なる複数の受光部をもつこと、複数の受光部のうち1つ以上が処理室内壁付近を視野とすることを特徴とする。
本発明は、プラズマ処理方法において、上記プラズマ処理装置を用い、前記光伝送手段を用いて伝送したプラズマの発光を、被処理物の着工判断や装置診断に用いるようにした。
本発明によれば、被処理物近傍のプラズマの発光を直接観測でき、処理の進行状況を高精度に測定することができる。このことから、処理環境のコントロールを適切に実行できるとともに、装置の運転者に装置のメンテナンスの必要性をより適切なタイミングで伝えることができるようになり、これによって被処理物から得られる製品歩留まりを向上することができる。
[実施例1]本発明は、半導体デバイスの製造の分野に限定されるものではなく、液晶ディスプレイの製造や各種プラズマ表面処理等、様々な分野に適用が可能であるが、ここでは、半導体デバイス製造用のプラズマエッチング装置を例にとって、実施例を示すことにする。プラズマエッチング装置の断面図である図1を用いて、本発明にかかるプラズマエッチング装置の構成を説明する。
本発明にかかるプラズマエッチング装置は、処理室1と、バタフライバルブ2と、真空ポンプ3と、高周波整合器4と、高周波電源5と、流量コントローラ6と、高周波バイアス電源7と、高周波整合器8と、圧力計9と、ウエハ(被処理物)11を載置するためのウエハステージ(被処理物支持台)12と、受光部13と、光伝送手段14と、分光器15と、計算機(データ収録装置)16と、プラズマソース26とを有して構成される。
図1中の処理室1は、例えばステンレスまたはアルミニウム等の材質で構成された真空容器であり、バタフライバルブ2を介してポンプ3が接続され、流量コントローラ6を介してエッチングガスが導入され、所望の圧力が保たれる。処理室1中には、ウエハ11を載置するためのウエハステージ12が設置される。ウエハステージ12は、図示しない温調機構を備えており、所望する処理結果が得られるようウエハ11の温度を変えたり、場合によっては複数の温調機構により、ウエハ11の外周部と中心部とで温度勾配を作ることもできる。このウエハステージ12を介して、ウエハ11には高周波バイアスが印加される。一方、ウエハ11と対向する位置には、高周波電源5と接続されるプラズマソース26があり、導入されたエッチングガスを電離して、プラズマ10を生成し、ウエハ11のエッチングを行なう。
以上が一般的なプラズマエッチング装置であるが、本発明は、その特徴としてさらに、受光部13および装置外部に光を伝送する光伝送手段14とをウエハステージ12に装備させる。被処理物11直上のプラズマ10の発光は、受光部13によって受光され、ウエハステージ12内部を通る光伝達手段14によって装置外部の分光器15へ伝送され、分光器15によって波長ごとに分解された発光スペクトル情報に変換され、さらに後続の計算機16により記録および演算される。
計算機16は、図示しない通信手段によりプラズマエッチング装置の制御部に信号を送り、例えば、バタフライバルブ2、流量コントローラ6等の装置の各可動部を制御することができる。計算機16には、過去に処理した発光状態を、時間の経過とともに変化する発光スペクトルと、ウェハの処理結果としてすでに記録されており、計算機16は、記録された発光状態を元に、プラズマ10およびプラズマ処理装置の状態が、正常か否かを判断する。プラズマ10の発光状態が正常ではない場合には、例えば、流量コントローラ6を操作して処理ガスの量を調整するなどで正常な状態になるよう調整するか、異常の度合いが強い場合には装置運転者に図示しない告知手段で告知するか、処理を中断するなどの操作を自動で行う。
従来のウエハステージ12の構成を図2の断面図を用いて説明する。一般に、プラズマエッチング装置の場合、ウエハ11は、図示を省略したメカニカルクランプもしくは静電吸着等の手法によってウエハステージ12に保持される。通常、このウエハステージ12の周囲には、例えば酸化イットリウム溶射などの耐腐食性加工による表面処理を施したアルミニウムを基礎とした、取り外し可能であるステージカバー17が備えられている。
以下、本発明にかかるプラズマ処理装置のウエハステージ12の構成を、図3の断面図を用いて説明する。ウエハステージ12には、ウエハステージの周囲の貫通穴に設けられた受光部13と光伝達手段14と、受光部13と光伝達手段14を接続する接続部18と、前記貫通穴をシールする真空シール19とが設けられる。ステージカバー17には、受光部13に対応して設けられた採光部20が設けられる。プラズマ10の発光は、ステージカバー17に装備された採光部20を透過して、採光部20の背面に設置された受光部13で受光され、さらに接続部18により受光部13に接続された光伝達手段14を通過する。このようにして、処理室1外部に設置された分光器15で分光される。
受光部13としては例えば石英ロッドを、光伝達手段14としては例えば光ファイバーを用いる。採光部20は、例えば石英などを用いる。ステージカバー17に採光部20と同じ材質を使用する場合には、採光部20とステージカバー17を一体の部品としてもよい。真空シール19は、光伝達手段14を設置した位置から処理室1の真空が破れることを防いでいる。
さらに、採光部20は、その構造によっては受光部13の視野を設定することができる。採光部20の視野設定手段としては以下に3つ例を挙げる。1つめは、図4のように採光部としてプリズム21を用いて、屈折を利用して視野を設定する方法である。2つめは、図5のようにミラー22を採光部20内部に設置する方法である。3つめは、図6のようにコリメータ23を用いる方法である。これらの何れの方法を用いてもよいし、複数の方法を適切な方法で組み合わせてもよい。
図4から図6に示すような採光部20の構成とした場合には、ウエハ11上のプラズマの状態を接続部18に導くようにプリズム21、またはミラー22もしくはコリメータ23が設けられる。
ここで、本発明を適用したときの効果を、図7を用いて説明する。ここでは例として、HBrとO2の混合ガスでプラズマ10を生成し、Siゲートを加工する場合を挙げる。プラズマ10を用いてウエハ11から余分なSiを除去してSiゲートを作成すると、HBr、O2とSiの反応生成物であるSixBryOzなどが生成される。この反応生成物はプラズマによって除去されにくいため、生成されてから再びウエハの表面に付着すると、プラズマ10に対する保護膜となる。このため、高精度加工においてはこの反応生成物を適切な量に保つようコントロールする必要がある。図7では、縦軸にSiBrラジカルの発光強度をウエハ処理中の適当な時間で平均化したものを、横軸に処理したウエハの枚数を示した。
曲線24は、従来技術による発光モニタでSiBrラジカルの発光を受光した場合の発光強度の変化を示している。一方、曲線25は、本発明による発光モニタでSiBrラジカルの発光を受光した場合の発光強度の変化を示している。曲線25の変化は曲線24の変化よりも大きいことが分かる。これは、本発明が発光モニタをウエハ11近傍に設置したことによるものであり、発光の変化を高精度に捕らえることができるためである。すなわち、従来技術による発光モニタよりも本発明による発光モニタの方が、高精度加工においてはより有利であることが分かる。この結果を用いて計算機16に混合ガスの比や流量などを制御させれば、処理結果の制御に高い効果が得られる。
以上はSiBrの発光をモニタする場合を例に本発明の適用例を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定するものではない。例えば、前記適用例ではSiBrの発光のみについて着目しているが、計算機16を用いて複数の波長の発光強度を適当に演算し、それに基づいた結果をプラズマ10の状態を示す値として監視することも可能であるし、混合ガスはHBr、O2に限定せず他の組み合わせでもよく、被処理物であるウエハ11の組成もSiに限定しなくてもよい。また、前記特許文献1記載のように、加工の終点判定に用いることも当然可能である。さらに、本発明によって取得したプラズマの発光を、被処理物の着工判断や、プラズマ装置の状態診断に用いることができる。
ところで、受光部13および採光部20は、図8の鳥瞰図に示すように、ステージカバー17の周囲に例えば所定の間隔を置いて複数設置してもよい。もちろんこのとき、光伝達手段14、分光器15もそれに応じて複数設置し、計算機16に接続する。計算機16は1台でもよいし、複数台を互いに通信できるようにしてもよい。このとき、採光部20は受光部13の視野設定手段となっているため、それぞれの受光部に異なる視野を設定することもできる。複数の視野を設定することで、様々な利点を得られる。以下では、受光部13および採光部20を複数設置した場合の利点を説明する。
例として、受光部13のうち、ウエハ11の外周部を視野とするものと中心部を視野とするものの2種類を使用した場合を、図9を用いて説明する。
図9の縦軸はプラズマ10の発光強度、横軸は発光の波長である。曲線26はウエハ11外周部におけるプラズマ10の発光を観測したもの、曲線27はウエハ11中心部におけるプラズマ10の発光を観測したものであり、特にSiBrラジカルの発光を受光できる426nm付近を表示している。SiBrは、HBrガスによるプラズマとSiウエハとの反応により生成されるが、ウエハ中心部では特にその密度が高い。SiBrの密度は処理結果を左右するため、図9の示すところは、ウエハ11の外周部と内週部で処理結果が異なるということである。本発明を用いれば、このようにウエハ11の外周部と内週部のプラズマの性質の差を観測できる。プラズマ10の受光した結果を計算機16により演算し、例えば流量コントローラ6を操作して処理ガスの流量を調節したり、ウエハステージ12の温度を調整するなどにより、外周部と内週部の差がなくなるようにすれば、ウエハ11の全面で均一な処理結果を得ることができる。
さらに、ウエハ11上の領域だけでなく、処理室1内壁付近のプラズマを観測できるように視野を設定した採光部20を備えている場合は、下記の利点がある。
図10は、SF6とO2の混合ガスによるプラズマで、処理室1内壁に堆積したフロロカーボン、シリコン化合物を除去する場合を例として、縦軸にSiFラジカルの発光強度、横軸にプラズマ10で処理した時間を示した。
ウエハ11の処理には、フロロカーボンなどの炭素原子を含むガスや、ウエハとの反応のためシリコンを含むガスなどが生成され、これらが処理室1内壁に付着する。この付着物の一部はプラズマ10と反応しプラズマ10中に戻ってくるため、これらがウエハ11の加工結果に影響する場合がある。そのため、前記混合ガスを用いて適当に除去する必要がある。
曲線28は従来技術による発光モニタを用いた場合、曲線29は本発明による発光モニタを用いた場合でも、特に処理室内壁の上部を視野とした場合、曲線30は本発明による発光モニタを用いた場合でも、特に処理室1内壁の下部を視野とした場合である。従来技術による発光モニタによる曲線28と本発明による発光モニタによる曲線29はほぼ同じ結果を得ているが、本発明による発光モニタでも処理室1内壁上部を視野とした曲線29と下部を視野とした曲線30とでは結果が異なり、この場合では曲線30が示すように処理室1上部のSiFの減衰が遅い。このことは、処理室1下部ではプラズマ10によるクリーニングがまだ終了していないことを示している。
このように、本発明ではクリーニングの効果についてより多くの情報を得ることが可能となり、得られた情報に基づいて量産工場における適切なクリーニングを実施したり、基礎研究段階においてより適切なクリーニング手法の開発を行ったりすることが可能となる。
以上、本発明による効果を実施例を用いて説明したが、本発明によれば、プラズマ10によるウエハ11の処理においても、プラズマ10による処理室1内壁のクリーニングにおいても、より高精度でより多くの情報を得ることが可能となり、製品歩留まりの向上、コストの低減に貢献できるほか、基礎研究の充実にも貢献することができる。
[実施例2]以下では、図11の断面図を用いて、本発明の第二の実施例となるウエハステージ12の構造を説明する。この実施例では、受光部13の材質として石英ロッドなどを用い、その上端面は角度がつけられている。受光部13の表面は光を反射する材質、または受光部13中の光を全反射する材質で構成される被服で覆われており、この被服の表面をさらに光を反射しない材料である被服で覆う。これら被服の一部は、受光部13が露出するように窓を持ち、この窓と、上端面を以って、受光部13の視野を決定する。すなわち、プラズマ10の発光は、採光部20と窓を通過して受光部13に入り、上端面を覆う被服により受光部13内部で反射され、光伝送手段14に伝えられる。採光部20は、窓と上端面で決定する視野を確保するだけの領域に存在するか、あるいは、視野を確保する領域以外は、ステージカバー17と同様に表面に耐腐食性加工がなされている。
第二の実施例では、受光部13がウエハステージ12からある高さをもって突出しており、受光部13がウエハステージ12に埋没した構造となっている第一の実施例とはこの点で異なる。ステージカバー17に装備された採光部20は、受光部13の突出部を覆うような構造である。これにより、ステージカバー17の構造、受光部13、ウエハステージ12の構造を単純化できる。これにより、構造に自由度をもたせ、ステージカバー17のコストを低減することが可能となる。
以上、実施例により本発明の利点を説明した。しかし、ウエハ11を処理する条件によっては、採光部20の表面に化学反応生成物が付着したり、プラズマ10にさらされることで表面が荒れたりして採光部20の透過率が低下することがある。本発明では、特に被処理物であるウエハ11近傍に採光部20が存在するため、従来の発光モニタよりもその影響が顕著となる場合がある。透過率が低下すると、プラズマ10の本来の発光スペクトルを正しく観測できず、装置およびプラズマ10が正常な状態にあるにもかかわらず計算機16が異常と判断してしまう場合が起こり得る。この問題は、採光部20を装備したステージカバー17を新しいものに交換することで容易に解決できるが、交換の頻度が高い場合、量産性に影響が出る。この難点を解決する手段を以下に説明する。なお、本発明は、ウエハステージ12内に受光部13を設置することを最大の特徴としているので、上記のような難点が量産性に影響を与えない場合は、解決の手段として単にステージカバー17の交換のみを行うだけでよく、後述のような特別な処置あるいは設備を必要としない。
化学反応生成物の付着に起因する採光部20の透過率の低下は、プラズマ10を用いて付着物を積極的に除去する方法を利用することが出来る。例えば、付着物がフルオロカーボンなどの場合には、酸素ガスを用いたプラズマなどにより容易に除去できる。本発明では、採光部20がウエハ11近傍にあるためにプラズマ10にさらすことが容易であり、適当なプラズマを必要に応じて生成することにより、採光部20の表面から付着物を除去することが可能である。
一方、プラズマ10による採光部20の表面の荒れに対しては、下記対策が有効である。第一に、装置が正常に稼動している状態で、基準となる条件でプラズマを生成し、本発明を使用して発光スペクトルを観測し、計算機16に記録させる方法である。以降、適当な期間を経るごとに同様の条件でプラズマ10を生成し、本発明を使用して発光スペクトルを観測し、計算機16に記録させる。前者の発光スペクトルに対する後者の発光スペクトルの差は、採光部20の表面への化学反応生成物の付着、表面の荒れを起因とする発光スペクトルの歪みなので、この比を計算機16に補正量として記録させる。以後、製品ウエハを処理する間に観測した発光スペクトルには、この補正量を適用する。さらに適当な期間が経過すると再び基準となる条件でプラズマ10を生成し、補正量を算出しなおす。このような手順を繰り返すことにより、長期にわたり安定して正確な発光スペクトルを測定できる。ただし、補正量が大きくなった場合には、ステージカバー17の交換または装置のメンテナンスが必要と計算機16に判断させ、装置運転者に告知させる。
採光部20の透過率の低下に対する対策として、上記のように基準となる条件で生成したプラズマ10の発光を用いて透過率の低下を補正する方法を挙げたが、LEDなどの基準光源で受光部を照射し、得られた発光スペクトルを透過率の補正に利用してもよい。ちなみに上記の手段は、採光部20の表面の荒れによる透過率の低下の対策として紹介したが、付着物による採光部20の透過率の低下の対策としても用いることが可能である。
以上、プラズマエッチング装置を例として本発明を説明したが、本発明によれば、ウエハステージ12に装備された受光部13を用いて、ウエハ11近傍のプラズマ10を直接観測することで処理状況を正確に測定し、測定結果を用いて装置状態およびプラズマ10状態を適切な状態に保つことが可能となり、その結果、量産性が向上し、コストも低減できる。なお、例としてプラズマエッチング装置を用いたが、本発明はプラズマエッチング装置にのみ関わる発明ではなく、プラズマを用いた処理装置全般に対して適用できるものである。
本発明は、半導体デバイスの製造の分野に限定されるものではなく、液晶ディスプレイの製造や各種プラズマ表面処理等、様々な分野に適用が可能である。
1…処理室、2…バタフライバルブ、3…真空ポンプ、4…高周波整合器、5…高周波電源、6…流量コントローラ、7…高周波バイアス電源、8…高周波整合器、9…圧力計、10…プラズマ、11…ウエハ、12…ウエハステージ、13…受光部、14…光伝送手段、15…分光器、16…計算機、17…ステージカバー、18…接続部、19…真空シール、20…採光部、21…プリズム、22…ミラー、23…コリメータ、26…プラズマソース。
Claims (6)
- 処理室、プラズマ源、及び被処理物を保持するための被処理物支持台を備えたプラズマ処理装置において、
被処理物支持台に設置する1つ以上の受光部と、前記受光部で受光したプラズマの発光を処理室外部に取り出すための光伝送手段とを備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項1記載のプラズマ処理装置において、前記受光部の視野が被処理物直上の領域であることを特徴とするプラズマ処理装置。
- 請求項1記載のプラズマ処理装置において、被処理物を囲むように前記受光部が複数配置されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
- 請求項3記載のプラズマ処理装置において、視野が異なる複数の受光部をもつことを特徴とするプラズマ処理装置。
- 請求項4記載のプラズマ処理装置において、複数の受光部のうち1つ以上が処理室内壁付近を視野とすることを特徴とするプラズマ処理装置。
- 請求項1記載のプラズマ処理装置を用い、前記光伝送手段を用いて伝送したプラズマの発光を、被処理物の着工判断や装置診断に用いることを特徴とするプラズマ処理方法。
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WO2023058476A1 (ja) * | 2021-10-08 | 2023-04-13 | 東京エレクトロン株式会社 | 測定方法及び基板処理装置 |
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