JP2000021856A - 半導体製造条件設定方法、半導体製造条件設定装置、この装置を用いた半導体製造装置、及びこの半導体製造装置により製造された半導体基板 - Google Patents

半導体製造条件設定方法、半導体製造条件設定装置、この装置を用いた半導体製造装置、及びこの半導体製造装置により製造された半導体基板

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JP2000021856A
JP2000021856A JP10184653A JP18465398A JP2000021856A JP 2000021856 A JP2000021856 A JP 2000021856A JP 10184653 A JP10184653 A JP 10184653A JP 18465398 A JP18465398 A JP 18465398A JP 2000021856 A JP2000021856 A JP 2000021856A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体のプラズマプロセスを安定な状態で行
える半導体製造条件設定方法、装置、半導体製造装置、
及び半導体基板を提供すること。 【解決手段】 励起光発生手段5と、プラズマ内の粒子
からの蛍光を分光する分光手段28と、蛍光強度を電気
信号に変換する光検出手段30と、電気信号に基づいて
蛍光強度を算出する蛍光強度算出手段35と、二以上の
対応波長を選択する対応波長選択手段35と、パラメー
タと各対応波長の蛍光強度との関係である基準蛍光デー
タを作成する基準蛍光データ作成手段35と、許容蛍光
範囲を決定する許容蛍光範囲決定手段35と、被処理基
板7の処理中に得られる処理中蛍光強度を算出する処理
中蛍光強度算出手段35と、処理中蛍光強度に応じた候
補パラメータを選定する候補選定手段35とを備えるこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波電力を利用
してチャンバ内に発生させたプラズマを使用して被処理
基板に処理を施すプラズマエッチング、スパッタリン
グ、プラズマCVD等(以下「プラズマプロセス」とい
う。)の半導体製造工程において、高周波電力等の諸条
件を設定する方法、装置、この装置を用いた半導体製造
装置、及びこの半導体装置により製造された半導体基板
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体製造プロセスの中で、
プラズマを使用するプラズマプロセスが知られている。
このプラズマプロセスを効率良く行うためには、プラズ
マを発生するための高周波電力、チャンバ内の圧力、及
びチャンバ内に流入するエッチングガス等の流量等を所
定の値に設定しておくことが必要であり、これら高周波
電力、チャンバ内圧力、及びガス流量等のパラメータ
は、それぞれ半導体製造装置の外部に付設された高周波
電力計、容器内圧力計、及びガス流量計等により監視さ
れている。
【0003】これらの計器によれば、プラズマプロセス
中に、チャンバの外部から与えた各パラメータの大き
さ、具体的には、高周波発生器からチャンバ内の高周波
電極等に印加された高周波電力、排気バルブからチャン
バ内のガスが排出された後の容器内圧力、及びガス導入
バルブを通過してチャンバ内に流れ込むガスの流量等を
測定することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、プラズマプロ
セス中の半導体製造装置においては、プロセス中に生成
された処理材料の分解物がチャンバの内部壁面や高周波
電極に付着するため、高周波発生器から供給される高周
波電力に対するインピーダンス変化を起こして反応に使
われる実効電力が変動し、また、真空保持用の材料の劣
化に伴って、容器内圧力が変動する。さらには、ガス導
入バルブの開放時に生じるガスの急激かつ多量の流入や
ガス導入バルブの開閉誤差のため、チャンバ内、特に、
ウエハ等の被処理基板の近傍のガス流入量やガスの混合
比が変動してしまう。実効電力や容器内圧力等のパラメ
ータの変動は、例えば、プラズマエッチングにおいてエ
ッチングの方向が所望の方向にならなかったり、プラズ
マCVDにおいて膜質が変質したり均一にならない、と
いう製品の品質低下を招くことになる。
【0005】このようなパラメータの変動は、半導体製
造装置の外部に付設された高周波電力計等の各種計器で
は測定不可能なため、各種計器が所望の値を示している
にもかかわらず、実際のパラメータの値は所望の値とは
異なるという事態が生じる。そして、かかる事態の発生
は、外部の各種計器では発見できないため、プラズマプ
ロセスが正常に行われていないにもかかわらず半導体の
製造処理が継続して進行されたり、また、プロセス終了
後の材料の不具合から半導体製造装置の異常に気付いて
も、材料に不具合を生じさせる原因となったパラメータ
が分からないため、装置の復旧方法を見出すことができ
ない。
【0006】このようにプラズマプロセスの進行に影響
を与える各パラメータの状況を高周波電力計、容器内圧
力計、及びガス流量計等のチャンバ外部に取り付けられ
た計器により監視するだけでは、チャンバ内において時
々刻々と変化するパラメータの値を掌握することができ
ず、半導体製造装置による安定したプラズマプロセスを
行うことが困難となる。
【0007】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、外部の計器では測定できないパラメータの変
化を把握することで、半導体のプラズマプロセスを安定
な状態で行え、かつ、高品質な半導体を製造することが
できる半導体製造条件設定方法、半導体製造条件設定装
置、この装置を用いた半導体製造装置、及びこの半導体
製造装置により製造された半導体基板を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明に係る半導体製造条件設定方法
は、チャンバ内に発生させたプラズマを使用して被処理
基板に処理を施す半導体製造工程の製造条件を設定する
方法であって、プラズマに励起光を照射して蛍光を発生
させる工程と、蛍光を分光する工程と、分光された蛍光
の各波長の蛍光強度を算出する工程と、製造条件である
複数のパラメータの値を増減変化させたときに当該パラ
メータの増減変化に伴って蛍光強度が変化する各波長の
中から、少なくとも二以上の波長を対応波長として各パ
ラメータごとに選択する工程と、パラメータの値と、各
対応波長の蛍光強度に基づく値との関係を示す基準蛍光
データを各パラメータごとに作成する工程と、パラメー
タの許容範囲に対応した、各対応波長の蛍光強度に基づ
く範囲である許容蛍光範囲を各パラメータごとに決定す
る工程と、被処理基板に処理を施す際に得られる蛍光の
各対応波長の蛍光強度である処理中蛍光強度を算出する
工程と、基準蛍光データに基づいて、処理中蛍光強度に
応じた候補パラメータを各パラメータの中から選定する
工程と、処理中蛍光強度に基づく値が許容蛍光範囲を越
えたときに、当該処理中蛍光強度に基づく値が許容蛍光
範囲内になるまで候補パラメータの値を調整する工程と
を備えることを特徴とする。
【0009】請求項1記載の発明に係る半導体製造条件
設定方法によれば、まず、プラズマへの励起光の照射に
よって、チャンバ内のプラズマに含まれる粒子から蛍光
が放出する。この蛍光は、例えば、回折格子等によって
分光され、分光された蛍光は、リニアイメージセンサー
等によって受光されて、各波長における蛍光強度が算出
される。分光された蛍光の各波長の中には、高周波電力
等のパラメータの値を増減変化させたときに、当該パラ
メータの変化に伴って蛍光強度が変化するものがある
が、この蛍光強度が変化する波長の中から少なくとも二
以上の波長が対応波長として選択される。対応波長の選
択は、各パラメータごと、すなわち、高周波電力、ガス
流量等のパラメータそれぞれについて行われる。
【0010】対応波長が選択された後、パラメータの値
と、各対応波長の蛍光強度との関係を示す基準蛍光デー
タが各パラメータごとに作成される。基準蛍光データが
作成さる一方、パラメータの許容範囲に対応する各対応
波長の蛍光強度に基づく範囲である許容蛍光範囲も決定
される。ここで、パラメータの許容範囲について説明す
ると、パラメータが所望範囲から外れてある値(異常
値)になると、半導体製造工程を経た被処理基板が目的
の機能を果たさなくなるが、例えば、この異常値から十
分なマージンを考慮したものが、パラメータの許容範囲
となる。尚、パラメータの所望範囲とは、半導体製造工
程を経た被処理基板に不具合が生じなかった場合の理想
的な範囲を意味するものである。
【0011】各パラメータごとの許容蛍光範囲が算出さ
れた後、被処理基板に実際に処理が施され、励起光が照
射されたプラズマから生成される蛍光の各対応波長の蛍
光強度である処理中蛍光強度が算出される。そして、基
準蛍光データに基づいて、数種類のパラメータの中か
ら、処理中蛍光強度に応じた候補パラメータが選定され
る。さらに、処理中蛍光強度が許容蛍光範囲を越えたと
きに、処理中蛍光強度が許容蛍光範囲内になるまで候補
パラメータの値が調整されて、チャンバ内の各パラメー
タを所望範囲の近傍に設定・維持することができる。こ
れにより、半導体製造工程を安定な状態で行うことがで
きる。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の半
導体製造条件設定方法において、パラメータが、プラズ
マを生成するための高周波電力、プラズマを生成するた
めの周波数、プラズマ内に含まれるイオン又はラジカル
を被処理基板方向へ誘導するためのバイアス電圧、チャ
ンバ内に流入するガスの流量、チャンバ内の圧力、プラ
ズマを高密度に維持するための磁界の強さ、又はチャン
バ内の温度のうちの少なくとも一つであることを特徴と
する。
【0013】請求項3記載の発明に係る半導体製造条件
設定装置は、チャンバ内に発生させたプラズマを使用し
て被処理基板に処理を施す半導体製造工程の製造条件を
設定する装置であって、励起光を出力する励起光発生手
段と、励起光の照射によりプラズマ内の粒子から放出す
る蛍光を分光する分光手段と、蛍光の分光方向に分解能
を有し、分光された蛍光の各波長成分を受光するととも
に当該蛍光の各波長の強度に応じた電気信号を出力する
光検出手段と、光検出手段から出力された電気信号に基
づいて、蛍光の各波長の蛍光強度を算出する蛍光強度算
出手段と、製造条件である複数のパラメータの値を増減
変化させたときに当該パラメータの増減変化に伴って蛍
光強度が変化する各波長の中から、少なくとも二以上の
波長を対応波長として各パラメータごとに選択する対応
波長選択手段と、パラメータの値と、各対応波長の蛍光
強度に基づく値との関係を示す基準蛍光データを各パラ
メータごとに作成する基準蛍光データ作成手段と、パラ
メータの許容範囲に対応した、蛍光の各対応波長の蛍光
強度に基づく範囲である許容蛍光範囲を前記各パラメー
タごとに決定する許容蛍光範囲決定手段と、被処理基板
に処理を施す際に得られる蛍光の各対応波長の蛍光強度
である処理中蛍光強度を算出する処理中蛍光強度算出手
段と、基準蛍光データに基づいて、処理中蛍光強度に応
じた候補パラメータを各パラメータの中から選定する候
補パラメータ選定手段とを備えることを特徴とする。
【0014】請求項3記載の発明に係る半導体製造条件
設定装置によれば、励起光発生手段から出力された励起
光の照射によって、チャンバ内のプラズマに含まれる粒
子から蛍光が放出する。この蛍光は、例えば、回折格子
等の分光手段によって分光される。さらに、分光された
蛍光は、蛍光の分光方向に分解能を有する光検出手段に
よって検出され、当該光検出手段は、当該蛍光の各波長
の強度に応じた電気信号を出力する。光検出手段から発
せられた電気信号を受信した蛍光強度算出手段は、この
電気信号に基づいて、蛍光の各波長における蛍光強度を
算出する。分光された蛍光の各波長の中には、高周波電
力等のパラメータの値を増減変化させたときに、当該パ
ラメータの変化に伴って蛍光強度が変化するものがある
が、対応波長選択手段によって、この蛍光強度が変化す
る波長の中から少なくとも二以上の波長が対応波長とし
て選択される。対応波長の選択は、各パラメータごと、
すなわち、高周波電力、ガス流量等のパラメータそれぞ
れについて行われる。
【0015】対応波長が選択された後、基準蛍光データ
作成手段によって、パラメータの値と、各対応波長の蛍
光強度との関係を示す基準蛍光データが各パラメータご
とに作成される。基準蛍光データが作成される一方、許
容範囲決定手段によって、パラメータの許容範囲に対応
する各対応波長の蛍光強度に基づく範囲である許容蛍光
範囲が決定される。各パラメータごとに許容蛍光範囲が
決定された後、被処理基板に実際に処理が施され、処理
中蛍光強度算出手段によって、励起光が照射されたプラ
ズマから生成される蛍光の各対応波長における蛍光強度
である処理中蛍光強度が算出される。そして、候補パラ
メータ選定手段によって、数種類のパラメータの中から
処理中蛍光強度に応じた候補パラメータが基準蛍光デー
タに基づいて選定される。
【0016】候補パラメータが選定された後、当該候補
パラメータの基準蛍光データ等が、例えば、ディスプレ
イ等に表示される。そして、処理中蛍光強度が許容蛍光
範囲を越えたときに、オペレータは、高周波発生器等の
各種計器を操作することにより候補パラメータの値を調
整し、処理中蛍光強度を許容蛍光範囲内に収める。これ
により、チャンバ内のパラメータを所望範囲の近傍に設
定・維持することができ、半導体製造工程を安定な状態
で進めることができる。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項3記載の半
導体製造条件設定装置において、制御信号を受信するこ
とにより候補パラメータの値を制御するパラメータ値制
御手段と、処理中蛍光強度に基づく値が許容蛍光範囲を
越えたときに、処理中蛍光強度に基づく値が許容蛍光範
囲内になるまでパラメータ値制御手段に制御信号を送信
するパラメータ値設定手段とを更に備えることを特徴と
する。
【0018】請求項4記載の発明に係る半導体製造条件
設定装置によれば、処理中蛍光強度に基づく値が許容蛍
光範囲を越えたときに、パラメータ値設定手段によっ
て、処理中蛍光強度に基づく値が許容蛍光範囲内になる
までパラメータ値制御手段に制御信号が送信される。制
御信号が、パラメータ値制御手段に到達すると、当該パ
ラメータ値制御手段は、候補パラメータの値を制御す
る。これにより、チャンバ内の候補パラメータを所望範
囲の近傍に自動的に設定・維持することができ、半導体
製造工程を安定な状態で進めることができる。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項3記載の半
導体製造条件設定装置において、パラメータが、プラズ
マを生成するための高周波電力、プラズマを生成するた
めの周波数、プラズマ内に含まれるイオン又はラジカル
を被処理基板方向へ誘導するためのバイアス電圧、チャ
ンバ内に流入するガスの流量、チャンバ内の圧力、プラ
ズマを高密度に維持するための磁界の強さ、又はチャン
バ内の温度のうちの少なくとも一つであることを特徴と
する。
【0020】請求項6記載の発明は、請求項3記載の半
導体製造条件設定装置において、励起光をパルス励起光
にするパルスタイミング信号を励起光発生手段に送信す
ると共に、パルスタイミング信号に同期して、一のパル
ス励起光が出力された後所定の受光停止時間が経過した
時刻から次のパルス励起光が出力される以前の時刻まで
の所定時間を指示する第一の受光タイミング信号を生成
するタイミング信号生成手段を備え、光検出手段は、第
一の受光タイミング信号に基づいて、所定時間だけ、受
光可能状態になることを特徴とする。
【0021】請求項6記載の発明に係る半導体製造条件
設定装置によれば、励起光発生手段は、タイミング信号
生成手段から送信されたパルスタイミング信号を受信す
ることにより、励起光をパルス励起光にする。さらに、
タイミング信号生成手段は、パルスタイミング信号に同
期して、所定時間を指示する第一の受光タイミング信号
を生成する。そして、光検出手段は、この第一の受光タ
イミング信号に基づいて、上記所定時間だけ受光可能状
態になって蛍光等を受光する。ここで、一般的に、励起
光を受けて励起された粒子は、励起光照射時から暫く経
った後に緩和して蛍光を発するが、本発明における光検
出手段が受光可能状態に入るのは、一のパルス励起光が
出力されてから所定の受光停止時間が経過した後であ
る。このため、光検出手段は、プラズマから蛍光が多量
に発生しているときに受光可能状態になり、プラズマ内
の粒子から放出した蛍光を効率よく受光することができ
る。
【0022】請求項7記載の発明は、請求項6記載の半
導体製造条件設定装置において、タイミング信号生成手
段が、励起光発生手段が励起光の出力停止状態にあると
きに、上記所定時間と同時間を指示する第二の受光タイ
ミング信号を更に生成し、光検出手段は、第一の受光タ
イミング信号に基づいて上記所定時間だけ、第一受光可
能状態になると共に、第二の受光タイミング信号に基づ
いて上記所定時間と同時間だけ、第二受光可能状態にな
り、蛍光強度算出手段は、第一受光可能状態にある光検
出手段から出力された電気信号と第二受光可能状態にあ
る光検出手段から出力された電気信号との差に基づい
て、蛍光強度を算出することを特徴とする。
【0023】請求項7記載の発明に係る半導体製造条件
設定装置によれば、上記第一の受光タイミング信号に基
づいて第一受光可能状態にある光検出手段が、検出対象
である蛍光及び雑音であるプラズマ光を受光する。ま
た、タイミング信号生成手段によって、励起光発生手段
が励起光の出力停止状態にあるとき、すなわち、プラズ
マから蛍光が放出されていないときに、上記所定時間と
同時間を指示する第二の受光タイミング信号が生成され
る。この第二の受光タイミング信号を受信した光検出手
段は、第二受光可能状態になり、プラズマ光のみを受光
することになる。そして、蛍光強度算出手段は、第一受
光可能状態にある光検出手段から出力された電気信号と
第二受光可能状態にある光検出手段から出力された電気
信号との差をとることにより雑音であるプラズマ光の発
光強度を除去し、蛍光のみの強度を算出することができ
る。
【0024】請求項8記載の発明は、チャンバ内にプラ
ズマを発生させ、当該プラズマを使用して被処理基板に
処理を施すことにより半導体基板を製造する半導体製造
装置において、請求項3〜請求項7の何れか一項記載の
半導体製造条件設定装置を備え、チャンバは、当該チャ
ンバ内に前記励起光を入射するための入射窓と、当該チ
ャンバ内のプラズマの発光及び蛍光を外部へ放出させる
ための監視窓とを有し、半導体製造条件設定装置の分光
手段は、監視窓を通過したプラズマ光及び蛍光が入射す
る位置に配置されていることを特徴とする。
【0025】請求項8記載の発明に係る半導体製造条件
設定装置によれば、チャンバに、励起光を入射させるた
めの入射窓が設けられており、この入射窓からプラズマ
に向けて励起光が入射される。また、チャンバには、蛍
光やプラズマ光を外部へ放出させるための監視窓が設け
られており、この監視窓を通過した蛍光は、上述の半導
体製造条件設定装置の分光手段に入射する。蛍光が分光
手段に入射した後は、半導体製造条件設定装置によって
各パラメータの値が所望範囲の近傍に設定・維持され
て、半導体製造工程を安定な状態で進めることができ
る。
【0026】請求項9記載の発明は、請求項8記載の半
導体製造装置において、入射窓又は監視窓のうち少なく
とも一方が、曇り止め手段を備えていることを特徴とす
る。
【0027】請求項9記載の発明に係る半導体製造装置
によれば、曇り止め手段によって入射窓や監視窓の曇り
が防止されるため、励起光のプラズマへの照射や蛍光の
分光手段への入射を効率良く行うことができる。
【0028】請求項10記載の発明は、請求項9記載の
半導体製造装置において、曇り止め手段が、入射窓又は
監視窓のうち少なくとも一方を加熱するヒータであるこ
とを特徴とする。
【0029】請求項10記載の発明に係る半導体製造装
置によれば、ヒータによって入射窓や監視窓が加熱され
るため、チャンバの中心から移動した反応性イオンなど
の反応生成物が入射窓や監視窓に付着しにくくなり、こ
れらの窓の曇りが防止される。
【0030】請求項11記載の発明に係る半導体基板
は、請求項8〜請求項10の何れか一項記載の半導体製
造装置により処理を施されたことを特徴とする。
【0031】請求項11記載の発明に係る半導体基板
は、チャンバ内の候補パラメータが所望範囲の近傍に維
持された状態で製造されているため、例えば、エッチン
グ等の処理が精度良くなされており、高品質である。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る半導体製造条
件設定方法、半導体製造条件設定装置、この装置を用い
た半導体製造装置、及びこの半導体製造装置により製造
された半導体基板の好適な実施形態について詳細に説明
する。尚、同一要素又は同一機能を有する要素には同一
符号を用いるものとし、重複する記載は省略する。
【0033】(第1実施形態)図1は、第1実施形態に
係る半導体製造装置2の全体構成を示しており、図のよ
うに、本実施形態の半導体製造装置2には、半導体製造
条件設定装置4が装備されている。尚、本実施形態に係
る半導体製造装置2は、チャンバ6内にプラズマを発生
させて被処理基板であるシリコンウエハ7をエッチング
するプラズマドライエッチング装置である。
【0034】石英等からなる略円筒形のチャンバ6に
は、エッチングガスであるCHF3,CF4,Ar等の混
合ガスをチャンバ6内へ流入させるガス導入ポート8が
挿入されており、さらに、このガス導入ポート8には、
エッチングガスの流入量を調節するガス導入バルブ8a
が備えられている。また、チャンバ6には、チャンバ6
内のガスを外部に流出させて減圧するための排気ポート
10が挿入されており、さらに、この排気ポート10に
は、ガスの流出量を調節する排気バルブ10aが備えら
れている。
【0035】チャンバ6の内部には、上部電極12aと
ウエハ7を支持する下部電極12bとが互いに対向して
配置されており、上部電極12aには、プラズマ13を
生成するための周波数及び電力を発生させる高周波発生
器14が接続され、下部電極12bには、生成されたプ
ラズマ内に含まれるイオン又はラジカルを当該下部電極
12bに誘導するバイアス電圧を供給するためのバイア
ス電源16が接続されている。また、下部電極12bの
下方には、チャンバ6内の温度を調節するための温度調
整器18が配置されている。さらに、チャンバ6の外周
には、環状の磁石コイル20が設けられている。この磁
石コイル20は、チャンバ6内にプラズマを捕捉する磁
場を形成し、高密度のプラズマを生成、維持するもので
ある。
【0036】また、チャンバ6の外周面の一部(図1中
右側)には、外部に突出した円筒形の突出部22が形成
されており、この突出部22の先端には、プラズマ光が
透過可能な無蛍光ガラス製の監視窓24がはめ込まれて
いる。さらに、この外周を覆うように、曇り止め手段で
あるリング状のヒータ26が突出部22の外周に配置さ
れている。このヒータ26は、監視窓24を加熱するた
めのものであり、監視窓24の温度を周囲の突出部22
よりも高くすることによって、チャンバ6内のプラズマ
13から移動した反応性イオンなどの反応生成物が監視
窓24に付着しにくくなり、監視窓24の曇りが防止さ
れる。
【0037】また、監視窓24の曇りを防止するため
に、ヒータ26で監視窓24を加熱する構成でなく、電
極を設けて電位勾配を作ることで、反応性イオンを監視
窓24に近付けないようにする構成も採用することがで
きる。図2は、電極を用いた例を示している。図2
(a)の構成では、突出部22内に、メッシュ電極26
aが監視窓24と平行に配置されており、このメッシュ
電極26aに電圧を印加すると、反応性イオンがメッシ
ュ電極26aに吸着されて監視窓24まで到達しない
か、メッシュ電極26aに反発されて監視窓24から遠
ざかる。これにより、監視窓24の曇りが防止される。
図2(b)の構成では、突出部22の外周に環状電極2
6bが配置されている。この環状電極26bに電圧を印
加すると、反応性イオンは、当該環状電極26bに引き
つけられて、突出部22の内周面に吸着したり、監視窓
24方向への移動を抑制される。このため、反応性イオ
ンは、監視窓24まで到達せず、監視窓24の曇りが防
止される。
【0038】次に、図1及び図3を用いて、半導体製造
条件設定装置4の構成について説明する。図3は、図1
に示すチャンバ6のIII-III断面図である。図3に示す
ように、本実施形態の半導体製造条件設定装置4には、
パルス励起光を出力するパルスレーザ光源5が備えられ
ている。このレーザ光源5から出力されるパルス励起光
によって、プラズマ13内の原子、分子、イオン又はラ
ジカル等の粒子は、励起される。尚、チャンバ6のパル
スレーザ光源5が装着される位置には、突出部23が形
成されており、この突出部23には、励起光を入射させ
るための入射窓25がはめ込まれている。また、突出部
23の周囲には、入射窓25を加熱するための曇り止め
用のヒータ27が配置されている。上述のように、曇り
止め手段として、ヒータ27の代わりに電極を用いるこ
とも当然可能である。また、チャンバ6の内壁のレーザ
光源5と対向する位置に、パルス励起光を止める光トラ
ップ9が配置されている。
【0039】イオン等の粒子は、励起光で励起されてし
ばらく経った後、緩和する際に蛍光を放出する。パルス
レーザ光源5は、BBO結晶等の非線形光学結晶及び倍
波発生器を内装したパラメトリック波長可変レーザであ
り、BBO結晶等の角度を変えることにより、励起光の
波長を220nmから450nmまで変えることができ
る。尚、使用できるレーザはこのレーザに限られず、他
の波長域のレーザ光を出力するレーザも当然使用するこ
とができる。また、図1に示すように、半導体製造条件
設定装置4には、パルスタイミング信号を生成するタイ
ミング信号生成部11が備えられており、パルスレーザ
光源5は、このタイミング信号生成部11から出力され
るパルスタイミング信号に同期してパルス励起光を出力
する。尚、パルスタイミング信号を生成するタイミング
信号生成部11は、レーザ光源5内に内蔵しても良い。
また、励起光をパルスにする他の手法として、励起光を
通過させる光通過部と光を遮断する光遮断部とが回転板
の回転方向に交互に設けられたチョッパを用いる方法が
ある。
【0040】また、半導体製造条件設定装置4は、監視
窓24を通過してチャンバ6から放出される蛍光を分光
する分光器28及び分光器28により分光された蛍光を
検出するPD(フォトダイオード)アレイ30を備えて
いる。蛍光は、分光器28の入射スリットに入射され、
回折格子に照射されることによってスペクトルに分解さ
れる。尚、図示は省略するが、監視窓24を通過した蛍
光を効率よく分光器28に入射させるため、監視窓24
と分光器28の間には、光ファイバ等が配設されてい
る。PDアレイ30には、蛍光の分光方向、換言すれ
ば、スペクトルの分解方向にフォトダイオードが複数配
列され、当該PDアレイ30は、蛍光の各波長成分を受
光すると共に当該蛍光を光電変換して蛍光の各波長にお
ける強度に応じたアナログ信号を出力する。尚、分光器
として、回折格子の代わりにフィルタを用いることがで
き、また、光検出器として、PDアレイ30の代わり
に、光電子増倍管等を用いることもできる。
【0041】さらに、分光器28とPDアレイ30との
間には、PDアレイ30とともに光検出手段を構成する
ゲート29が介在されている。このゲート29は、タイ
ミング信号生成部11から出力される受光タイミング信
号に基づいて、光の通過及び遮断の切り換えを行う。
【0042】PDアレイ30には、当該PDアレイ30
から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する
A/D変換器32が接続され、さらに、このA/D変換
器32には、制御部34が接続されている。制御部34
には、種々の演算処理を行うCPU35が内蔵されてお
り、さらに、当該CPU35には、上述のA/D変換器
32からデジタル信号として出力された蛍光の各波長に
おける蛍光強度に関するデータ等を記憶できるRAM3
5a、及び後述する基準蛍光データを作成するプログラ
ム等が記憶されているROM35bが接続されている。
また、CPU35には、制御部34の外部に設けられた
ディスプレイ36が出力可能に、キ−ボード38が入力
可能に接続されている。
【0043】ここで、図4を用いて、上記タイミング信
号生成部11が生成する二つの受光タイミング信号、及
びこれらの信号に基づくCPU35による蛍光強度算出
手法について説明する。図4の横軸は、時間の経過を示
しており、縦軸は、チャンバ6の監視窓24から放出さ
れる光の強度を示している(単位は任意)。また、斜線
で表示されたパルスは、パルスレーザ光源5からパルス
励起光が出力されている状態を示している。この図に示
されているように、プラズマ内の粒子への励起光の照射
と粒子からの蛍光の発生とには、タイムラグがある。タ
イミング信号生成部11には、このタイムラグが受光停
止時間として予め記憶されている。
【0044】タイミング信号生成部11は、パルスレー
ザ光源5にパルスタイミング信号を送信すると共に、こ
のパルスタイミング信号に同期して、所定の時刻TS
よびTE(TS<TE)を示す第一受光タイミング信号を
生成する。この信号は、パルス励起光が出力される度に
生成される。時刻TSは、レーザ光源5からパルス光が
出力されてから、所定の受光停止時間が経過した後の時
刻で、時刻TEは、発生した蛍光が消失する時刻であ
る。このような時刻TSとTEとの間の所定時間を指示す
る第一受光タイミング信号がゲート29に入力される
と、ゲート29は、当該タイミング信号が示す所定時間
だけ開き、光が通過できる状態となって、分光器28に
より分光された光がPDアレイ30に到達する。この
際、ゲート29は、第一受光タイミング信号に従って、
プラズマから蛍光が多量に発生しているときに開いてい
るため、PDアレイ30は、プラズマ13内の粒子から
放出した蛍光を効率よく受光することができる。但し、
この場合、PDアレイ30には、検出対象である蛍光の
みならず雑音であるプラズマ光も入射しているが、この
問題の対処法については後述する。尚、パルス光が出力
される時刻と時刻TSとの間の受光停止時間は適宜設定
することができ、具体的には、0〜50ns程度にする
ことが望ましい。また、時刻TEに関しても、次のパル
スが出力される前であれば、適宜設定することができ
る。
【0045】次に、タイミング信号生成部11が生成す
る第二受光タイミング信号について説明する。第二受光
タイミング信号は、図4において、所定の時刻TAおよ
びTB(TA<TB)を示すものである。ここで、時刻TA
は、レーザ光源5から励起光が出力されていない状態、
つまり、プラズマから蛍光が発生していない状態におけ
る任意の時刻であり、時刻TBは、任意の時刻TAから、
各パルス励起光が出力される度に定められた所定時間T
1S〜T1E、T2S〜T2E、T3S〜T3E、T4S〜T4Eの合計
時間が経過した時刻である。このような時刻TAとTB
の間の所定時間を指示する第二受光タイミング信号がゲ
ート29に入力されると、ゲート29は、当該タイミン
グ信号が示す所定時間(TA〜TB)だけ開き、光通過状
態となって、分光器28により分光された光がPDアレ
イ30に到達する。この際、ゲート29は、第二受光タ
イミング信号に従って、蛍光が発生していないときに開
いているため、PDアレイ30は、雑音であるプラズマ
光のみを受光することになる。
【0046】以上のように、第一受光タイミング信号お
よび第二受光タイミング信号を受信することにより受光
可能状態となったPDアレイ30は、第一受光タイミン
グ信号を受信した際に受光した光の強度に応じた電気信
号と、第二受光タイミング信号を受信した際に受光した
光の強度に応じた電気信号とをそれぞれA/D変換器3
2を介してCPU35に送信する。そして、これら二つ
の電気信号を受信したCPU35は、これらの電気信号
の差を求めることにより、蛍光の強度を算出する。すな
わち、検出対象である蛍光の強度と雑音であるプラズマ
光の発光強度とが合わさった値から、プラズマ光の発光
強度を差し引くことにより蛍光の強度のみを求めてい
る。
【0047】続いて、図1及び図5のフロー図を用い
て、以上のように構成された半導体製造条件設定装置4
により半導体製造装置2の製造条件であるパラメータを
設定する過程を説明する。尚、半導体製造装置2には、
(1)プラズマ13を生成するために上部電極12aに印
加される高周波電力、(2)プラズマ13を生成するため
の周波数、(3)バイアス電源により下部電極12bに印
加されるバイアス電圧、(4)チャンバ6内に流入するガ
スの流量、(5)チャンバ6内の圧力、(6)磁石コイル20
によりチャンバ内に生成される磁界の強さ、(7)チャン
バ6内の温度、の7つの製造パラメータがある。
【0048】まず、図1を用いて、チャンバ6内のプラ
ズマの発生から、CPU35が蛍光強度を算出するまで
の過程を説明する。尚、最初に説明するエッチング処理
は、ウエハに正式な処理を施すために行うものではな
く、後述の基準蛍光データなどの諸データを求めるため
に行うものである。以下、このような、諸データを求め
るために行うエッチングを試験エッチングという。
【0049】ガス導入バルブ8aを開いてチャンバ6内
にエッチングガスを流入させつつ、排気バルブ10aの
操作によりチャンバ6内を所定圧に減圧し、さらに、チ
ャンバ6内の温度、詳しくは、ウエハ7を支持する下部
電極12bの下方の温度を所定温度に設定した後、高周
波発生器14とバイアス電源16を作動させて上部電極
12aと下部電極12bとの間に高周波電力を印加させ
ることにより、電極12a,12b間にプラズマ13が
発生する。このプラズマ13は、磁石コイル20により
形成された磁場によって、高密度な状態が維持されてい
る。
【0050】プラズマが発生すると、例えば、CF4
励起されて、イオンないしはラジカルとなる。そして、
このイオン等は、バイアス電圧の作用によって下部電極
12b上に載置されたウエハ7方向に向けて誘導され、
ウエハ7の表面に成膜されたSiO2膜と反応し、試験
エッチングが進行する。
【0051】プラズマが発生して試験エッチングが進行
すると同時に、タイミング信号生成部11にパルスタイ
ミング信号を出力させ、パルスレーザ光源5からパルス
励起光を出力させる。この際、パルス励起光の波長は、
BBO結晶の角度調整や倍波発生器の操作により、チャ
ンバ6内のガスに含まれる粒子の何れか(例えば、C
F,CF2,O等)を励起できる波長に合わせられてい
る。プラズマ内の粒子にパルス励起光が当たると、当該
粒子から蛍光が発生する。尚、励起された粒子が、どの
エネルギー状態まで緩和するかによって、発生する蛍光
の波長が異なる。粒子から発生した蛍光は、監視窓24
を通過して分光器28に到達する。この際、監視窓24
は、ヒータ26によって曇り止めがなされているため、
蛍光は、当該監視窓24を容易に通過することができ
る。
【0052】分光器28の入射スリットに入射した蛍光
は、回折格子に照射されることによってスペクトルに分
解される。そして、上述のようにゲート29が開いてい
る状態の時に、スペクトルに分光された蛍光はPDアレ
イ30によって受光され、蛍光の各波長における強度に
関するデータである蛍光強度データがアナログ信号とし
て出力される。蛍光強度データがアナログ信号としてA
/D変換器32に到達すると、当該アナログ信号はデジ
タル信号に変換される。そして、デジタル変換された蛍
光強度データは、制御部34のCPU35に送信され、
CPU35は、蛍光強度データに基づいて、蛍光の各波
長の蛍光強度を算出するとともに、蛍光強度データをR
AM35aに記憶させる。以上が、蛍光強度の算出まで
の過程である。
【0053】次に、図5のフロー図を参照して、蛍光強
度を算出したCPU35が、エッチング中の各パラメー
タを所望範囲に設定・維持する制御手順を説明する。
尚、パラメータの理想的な範囲である所望範囲はチャン
バ外部の各種計器では求めることができないが、蛍光の
波長から得られる情報に基づいて、パラメータを理想的
な範囲に設定・維持することが、本実施形態の目的であ
る。
【0054】まず、オペレータは、試験エッチングをし
ながら、各パラメータの値を強制的に増減変化させる。
例えば、チャンバ6内の圧力を増減するには、排気バル
ブ10aを調節すればよい。但し、パラメータは一つず
つ変化させ、あるパラメータを変化させている最中は、
他のパラメータは変化させない。パラメータの値を強制
変化させると、この変化に伴って蛍光強度が変化する波
長が幾つかある。CPU35は、これらの蛍光強度が変
化した波長の中から少なくとも二以上の波長を対応波長
として選択する(S101)。すなわち、対応波長と
は、パラメータに相関を有し、当該パラメータ値の変化
に伴って蛍光強度が変化する波長を意味する。
【0055】ここで一旦、図6を参照して、対応波長の
選択方法について具体的に説明する。図6(a)は、5
つの波長のエッチング中の蛍光強度を示す蛍光強度デー
タを図示したものである。横軸は蛍光の波長で、縦軸は
蛍光強度(単位は任意)である。図6(b)は、ガス流
量を所望値から強制的に増加させた場合の蛍光強度デー
タを示しており、波長XとYにおいて、それぞれ蛍光強
度の大きな減少、増加が見られる。そして、CPU35
は、このように蛍光強度に大きな変化の見られた波長
を、対応波長として選択する。選択された対応波長の波
長は、RAM35aに記憶される。尚、対応波長は、三
本以上選択してもよく、例えば、図6(b)において、
波長Xの左隣の波長も僅かながら蛍光強度が増している
ので、この波長も対応波長として選択しても良い。対応
波長を選択する数などの基準は、制御部34のRAM3
5aやROM35bに予め記憶させておいてもよいし、
また、オペレータが、キーボード38によりその都度入
力するようにしてもよい。
【0056】再び、図5のフロー図を用いて、CPU3
5の制御手順を説明する。各パラメータごとに対応波長
を選択した後、CPU35は、ROM35bに記憶され
たプログラムに基づいて、強制的に値を変化させたとき
のパラメータ値と各対応波長の蛍光強度との関係である
基準蛍光データを作成する(S102)。図7は、基準
蛍光データをグラフ化したものであり、図7(a)〜
(c)は、それぞれパラメータを高周波電力、ガス流
量、圧力としたときの基準蛍光データを示している。縦
軸は、対応波長の蛍光強度(単位は任意)を示してお
り、横軸は、パラメータ値の目安を示している。但し、
このパラメータの値は、チャンバ6外の計器で測定した
値であり、チャンバ6内のパラメータの正確な値を示し
ているわけではない。CPU35は、作成した基準蛍光
データを、RAM35aに記憶させる。
【0057】図7(a)〜(c)に示されているよう
に、高周波電力、ガス流量、圧力は、ともに波長A,
B,Cの三つの波長に相関がある。図8は、図7(a)
〜(c)の基準蛍光データに基づいて、パラメータと対
応波長との関係をまとめた表であり、各パラメータの値
を増加又は減少させたときに、各対応波長の蛍光強度
が、増加、減少、又は不変の何れになるかを示してい
る。尚、この図において、右上がりの矢印は増加、右下
がりの矢印は減少、水平な矢印は不変を意味している。
図8より、例えば、高周波電力を増加させたときは、波
長A,B,Cの蛍光強度が全て増加し、圧力を増加させ
たときは、波長Aの蛍光強度は増加、波長Bの蛍光強度
は不変、波長Cの蛍光強度は減少、となることがわか
る。
【0058】再び、図5のフロー図を用いて、CPU3
5の制御手順を説明する。基準蛍光データを作成した
後、CPU35は、この基準蛍光データに基づいて、パ
ラメータの許容範囲に対応する各対応波長の蛍光強度の
範囲である許容蛍光範囲を決定する(S103)。尚、
パラメータの許容範囲は、試験エッチングを繰り返すこ
とによって見出される。エッチング中に、高周波電力が
正常に変動すれば、高周波電力が要因となる製品不良は
当然起こらない。ところが、エッチング開始後のある時
刻において、高周波電力をある値以上まで強制的に増加
させれば、ウエハ上に塗布されているレジスト膜がプラ
ズマからの加熱によって熱変質を起こす。レジスト膜が
変質すると、エッチングが設計通りに行われず、製品の
不良につながることになる。すなわち、このときの電力
値が、製品に不具合を生じさせない上限になる。一方、
高周波電力をある値まで減少させると、プラズマ密度の
不足と、ウエハ温度の不足からエッチング速度が低下
し、エッチング処理に長時間を要する。すなわち、この
ときの電力値が、製品に不具合を生じさせない下限にな
る。そして、これらの上限および下限から十分なマージ
ンを考慮したものが、他のパラメータが一定条件下にあ
るときの高周波電力の許容範囲となり、このときの蛍光
強度が許容蛍光範囲となる。オペレータが、許容蛍光範
囲の上限値及び下限値を入力すると、CPU35は、こ
れらの値で規定される範囲を許容蛍光範囲として決定す
る。許容蛍光範囲を決定した後、CPU35は、許容蛍
光範囲に関するデータをRAM35aに記憶させる。
【0059】尚、エッチング精度を向上したい場合は、
許容蛍光範囲を狭めて入力すればよい。また、高周波電
力に限られず、ガス流量や圧力を強制的に変化させた場
合ついても、エッチング形状の不良、エッチング速度の
低下、および面内の不均一性など、エッチング処理後の
ウエハの特性に悪影響の出る場合を予め把握して、許容
蛍光範囲を定める。また、チャンバ6内の温度のよう
に、エッチング開始から時々刻々と値が変動するパラメ
ータについては、エッチング開始から任意の時間ごとに
許容蛍光範囲が決定されることになる。さらにまた、オ
ペレータが許容蛍光範囲を決定せず、CPU35が、許
容蛍光範囲を決定するように構成することもできる。例
えば、試験エッチングを終えた後、完成したウエハ7が
高品質であり、エッチング処理が理想的なパラメータ値
の下で行われていたことを確認したオペレータが、その
ときの各対応波長の蛍光強度を入力する。そして、CP
U35は、入力された蛍光強度に所定の許容誤差を設
け、この許容誤差の範囲を許容蛍光範囲として決定す
る。尚、許容誤差の範囲を変更することで、許容蛍光範
囲の幅を調整することができる。
【0060】以上のステップ103までで試験エッチン
グは終了し、次に、ウエハ7に対するエッチング処理が
実際に開始され、半導体製造条件設定装置4は、エッチ
ング中に各パラメータの値を許容範囲内に設定・維持す
る。以下、この過程を説明する。
【0061】エッチング中に発生する蛍光は、分光器2
8によりスペクトルに分光され、この各波長成分の蛍光
強度データは、PDアレイ30及びA/D変換器32を
介して、CPU35に到達する。ここで、CPU35
は、RAM35aから、各パラメータの基準蛍光データ
と対応波長の波長に関するデータとを呼び出す。この
後、CPU35は、蛍光強度データのうち、対応波長の
蛍光強度のみを監視することになり、随時、エッチング
処理中の各対応波長の蛍光強度を処理中蛍光強度として
算出する(S104)。
【0062】処理中蛍光強度を算出した後、CPU35
は、基準蛍光データに基づいて、処理中蛍光強度に応じ
た候補パラメータを各パラメータの中から選定する(S
105)。候補パラメータとは、処理中蛍光強度の変化
に影響を与えたパラメータを意味する。ここで、基準蛍
光データをまとめた図8を用いて、候補パラメータの選
定方法を説明する。例えば、エッチング中に、波長A,
B,Cの蛍光強度が全て増加したような場合には、図8
上段に示す相関から、高周波電力が何らかの原因で増加
したと推定され、高周波電力が候補パラメータとして選
定される。また、波長AとBの蛍光強度が増加し、波長
Cの蛍光強度が減少したような場合には、図8中段の相
関から、チャンバ6内のガス流量が何らかの原因で減少
したと推定され、ガス流量が候補パラメータとして選定
される。さらに、波長Bの蛍光強度が変化せず、波長A
の蛍光強度が増加し、波長Cの蛍光強度が減少したよう
な場合には、図8下段の相関から、チャンバ6内の圧力
が何らかの原因で増加したと推定され、圧力が候補パラ
メータとして選定される。
【0063】尚、図8に示すデータでは、各パラメータ
ごとに各対応波長の変化の組み合わせが異なるため、三
つの対応波長の増減変化を求めれば、一つのパラメータ
を決定できる。しかし、ある二つのパラメータを増減変
化させたときに、三つの対応波長が全て同じ変化をする
場合もあり得る。このような場合、CPU35は、選択
する対応波長の数を増やしたり、処理中発光強度の値そ
のものを基準蛍光データの値と比較して、候補パラメー
タを選択する。
【0064】再び、図5のフロー図を用いて、CPU3
5の制御手順を説明する。候補パラメータを選択した
後、CPU35は、候補パラメータに対応する基準蛍光
データをディスプレイ36に表示する(S106)。こ
のとき、ディスプレイ36には、(1)エッチング開始後
の時刻、(2)RAM35aから呼び出された、エッチン
グ開始後の時刻における候補パラメータの許容蛍光範
囲、及び(3)現在の処理中蛍光強度も併せて表示され
る。そして、エッチング中に候補パラメータが許容範囲
を越えて異常値になったときは、ディスプレイ36に表
示された処理中蛍光強度が変化して許容蛍光範囲を越え
る。このとき、オペレータは、許容蛍光範囲の限界値と
処理中蛍光強度との差を求め、さらに、この差を埋める
には候補パラメータの値をどれだけ調整すれば良いか
を、基準蛍光データを参照して求める。候補パラメータ
の調整量を求めたオペレータは、候補パラメータの値を
正常な範囲に戻すべく、高周波発生器等の各種計器を操
作する。そして、処理中蛍光強度が許容蛍光範囲内にな
るまで各種計器を操作することにより、チャンバ6内の
候補パラメータを所望範囲の近傍に設定・維持すること
ができ、これにより、エッチング処理を安定な状態で進
めることができる。尚、処理中蛍光強度が許容蛍光範囲
を越えたときに、CPU35が、その旨をアラームでオ
ペレータに知らせるように構成してもよい。また、許容
蛍光範囲の限界値と処理中蛍光強度との差をオペレータ
が求めるのではなく、CPU35が求めるようにしても
よい。
【0065】基準蛍光データをディスプレイ36に表示
した後、CPU35は、エッチングがエンドポイントに
達しているか否かを判定する(S107)。尚、CPU
35は、エッチングがエンドポイントに達したか否かの
判定をするにあたって、ROM35bに記憶されている
データや、オペレータにより入力された演算式を参照す
る。エンドポイントに達していないときは、ステップ1
04にリターンして、再び処理中蛍光強度の算出を行
う。一方、エンドポイントである場合は、ステップ10
8に進み、エッチングが終了した旨をディスプレイ36
に表示してオペレータに知らせる。また、チャンバ6に
エッチング終了指令を送出するように構成することも当
然可能である。
【0066】(第2実施形態)図9は、第2実施形態に
係る半導体製造装置2の全体構成を示しており、本実施
形態が第1実施形態と異なるのは、半導体製造条件設定
装置4に、各パラメータ値を制御する制御部40〜50
が装備されている点である。高周波制御部40は、高周
波発生器14に制御信号を送信して高周波電力および周
波数を制御するもので、磁界制御部42は、磁石コイル
20に制御信号を送信してチャンバ6内の磁界の強さを
制御するものである。また、温度制御部44は、温度調
整器18に制御信号を送信してチャンバ6内の温度を制
御するもので、バイアス電圧制御部46は、バイアス電
源16に制御信号を送信してバイアス電圧を制御するも
のである。さらに、圧力制御部48は、排気バルブ10
aに制御信号を送信してチャンバ6内の圧力を制御する
ものであり、ガス流量制御部50は、ガス導入バルブ8
aに制御信号を送信してガス流量を制御するものであ
る。これらの制御部40〜50は、全て制御部34のC
PU35に接続されている。
【0067】続いて、図10のフロー図を用いて、以上
のように構成された半導体製造条件設定装置4により半
導体製造装置2の製造条件であるパラメータを設定する
過程を説明する。但し、ステップ101の対応波長の選
択から、ステップ105の候補パラメータの選定まで
は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0068】ステップ105で候補パラメータを選定し
た後、CPU35は、処理中蛍光強度が各パラメータの
許容蛍光範囲を越えたか否かを判定する(S106)。
処理中蛍光強度が許容蛍光範囲を越えないときはエッチ
ングが正常に行われていることを意味し、ステップ10
9に進んで、エッチングがエンドポイントに達している
か否かを判定する。エンドポイントに達していないとき
は、ステップ104にリターンして、再び処理中蛍光強
度の算出が行われる。一方、エンドポイントである場合
は、ステップ110に進み、エッチングが終了した旨を
ディスプレイ36に表示してオペレータに知らせるとと
もに、CPU35は、各制御部40〜50に停止信号を
送信して、各制御部40〜50は、それぞれ高周波発生
器14、磁石コイル20、温度調整器18、バイアス電
源16、排気バルブ10a、ガス導入バルブ8aに終了
信号を送信して、エッチング終了動作を行わせる。
【0069】一方、ステップ106において、処理中蛍
光強度が許容蛍光範囲を越えたときは、CPU35は、
各制御部40〜50に制御信号を送信する。例えば、候
補パラメータとして、温度が選択されたとする。この場
合において、各対応波長の処理中蛍光強度が温度に関す
る許容蛍光範囲を越えたときは、CPU35(パラメー
タ値設定手段)は、温度制御部44に温度を制御する旨
の指令を送信し、当該指令を受信した温度制御部44
(パラメータ値制御手段)は、温度調整器18を調整す
る。
【0070】温度制御部44に指令を送信した後、CP
U35は、各対応波長の処理中蛍光強度が許容蛍光範囲
内になったか否かを判定する(S108)。各対応波長
の処理中蛍光強度が許容蛍光範囲内にならない場合は、
CPU35は、ステップ107にリターンして、再び温
度制御部44へ温度を制御する旨の指令を送信する。一
方、各対応波長の処理中蛍光強度が許容蛍光範囲内にな
った場合は、温度がその時間における理想的な値にある
ことになり、ステップ109に進んで、エッチングがエ
ンドポイントに達しているか否かを判定する。尚、本実
施形態では、温度を制御する場合について説明したが、
他のパラメータについても、同様に制御することができ
る。
【0071】エッチングがエンドポイントに達した場合
は、ステップ111に進み、エッチングが終了した旨を
ディスプレイ36に表示してオペレータに知らせるとと
もに、CPU35は、各制御部40〜50に停止信号を
送信して、各制御部40〜50は、それぞれ高周波発生
器14、磁石コイル20、温度調整器18、バイアス電
源16、排気バルブ10a、ガス導入バルブ8aに終了
信号を送信して、エッチング終了動作を行わせる。本実
施形態の半導体製造装置2によれば、CPU35が各対
応波長の処理中蛍光強度を許容範囲内にすることで各パ
ラメータを所望範囲に近付けることができるため、オペ
レータが操作する必要がなくなる。このため、エッチン
グ処理をスムーズに進めつつ、高品質の半導体基板を得
ることができる。しかも、不良製品が低減し、歩留まり
の改善を行える。また、半導体製造装置が安定状態から
逸脱する機会が減少するため、装置の稼働時間が延び
て、全体としての生産性が向上する。
【0072】(第3実施形態)第3実施形態の半導体製
造条件設定装置の構成は、第2実施形態の構成と同様で
ある。第2実施形態の半導体製造条件設定装置4と異な
るのは、各パラメータを理想的な範囲に設定・維持する
ために蛍光の強度そのものを用いるのではなく、各対応
波長の蛍光強度の比を用いる点に特徴がある。具体的に
は、基準蛍光データを、パラメータの値と各波長の蛍光
強度の比の値(蛍光強度に基づく値)との関係を示すも
のとし、許容蛍光範囲を各対応波長の蛍光強度の比で定
めた範囲(蛍光強度に基づく範囲)にする。そして、各
対応波長ごとに算出した処理中蛍光強度の比の値(処理
中蛍光強度に基づく値)が許容蛍光範囲を越えたとき
に、候補パラメータの値が調整されることになる。
【0073】本実施形態の半導体製造条件設定装置によ
れば、各対応波長の蛍光強度の値そのものでなく、各対
応波長間の蛍光強度の比を用いて各種演算処理を行って
いるため、あるエッチング処理で、例えば、チャンバ外
部の環境温度が変化してPDアレイの感度が低下したと
しても、各対応波長の蛍光強度の相対値は殆ど変わらな
いので、基準蛍光データとの比較の際に誤差が生じにく
く、候補パラメータを所望範囲の近傍に効率よく維持す
ることができる。
【0074】以上、本発明者によってなされた発明を実
施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施
形態に限定されるものではない。例えば、ウエハへの処
理はエッチングに限られず、スパッタリングやプラズマ
CVDなど、他のプラズマプロセスでもよい。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
蛍光強度の変化を監視することで、外部の計器では測定
できないパラメータの変化を把握することができ、半導
体のプラズマプロセスを安定な状態で行え、かつ、高品
質な半導体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る半導体製造装置の全体構成
図である。
【図2】図2(a)は、監視窓の曇りを防止するために
メッシュ電極を用いた構造を示す図である。図2(a)
は、監視窓の曇りを防止するために環状電極を用いた構
造を示す図である。
【図3】図1に示すチャンバのIII-III方向の断面図で
ある。
【図4】タイミング信号生成部による受光タイミング信
号の生成方法を説明するために用いた図である。
【図5】第1実施形態に係るCPUの制御手順を示すフ
ロー図である。
【図6】第1実施形態において対応波長の選択方法を説
明するために用いた蛍光強度データであり、図6(a)
は、パラメータ値を変化させる前の蛍光強度を示す図で
ある。図6(b)は、パラメータ値を強制的に変化させ
た場合の蛍光強度を示す図である。
【図7】図7(a)は、高周波電力の基準蛍光データを
示す図である。図7(b)は、ガス流量の基準蛍光デー
タを示す図である。図7(c)は、圧力の基準蛍光デー
タを示す図である。
【図8】図7(a)〜(c)の基準蛍光データに基づい
て、パラメータと対応波長との関係をまとめた表であ
る。
【図9】第2実施形態に係る半導体製造装置の全体構成
図である。
【図10】第2実施形態に係るCPUの制御手順を示す
フロー図である。
【符号の説明】
2…半導体製造装置、4…半導体製造条件設定装置、5
…パルスレーザ光源、6…チャンバ、7…ウエハ、8…
ガス導入ポート、8a…ガス導入バルブ、10…排気ポ
ート、10a…排気バルブ、11…タイミング信号生成
部、12a…上部電極、12b…下部電極、13…プラ
ズマ、14…高周波発生器、16…バイアス電源、18
…温度調整器、20…磁気コイル、22…突出部、24
…監視窓、26…ヒータ、29…ゲート、34…制御
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F004 BB03 BB07 BB13 BD04 BD05 CA02 CA03 CA06 CA08 CB02 CB16 5F045 AA08 AA19 BB04 EH01 EH13 EH20 GB05 GB06 GB07 GB08 GB15 GB16 GB17 5F103 AA08 AA10 BB42 BB48 BB51 BB52 BB53 BB56 BB57 BB58 NN01 NN03 NN04 NN05 RR04

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバ内に発生させたプラズマを使用
    して被処理基板に処理を施す半導体製造工程の製造条件
    を設定する方法であって、 前記プラズマに励起光を照射して蛍光を発生させる工程
    と、 前記蛍光を分光する工程と、 分光された前記蛍光の各波長の蛍光強度を算出する工程
    と、 前記製造条件である複数のパラメータの値を増減変化さ
    せたときに当該パラメータの増減変化に伴って前記蛍光
    強度が変化する前記各波長の中から、少なくとも二以上
    の波長を対応波長として前記各パラメータごとに選択す
    る工程と、 前記パラメータの値と、前記各対応波長の前記蛍光強度
    に基づく値との関係を示す基準蛍光データを前記各パラ
    メータごとに作成する工程と、 前記パラメータの許容範囲に対応した、前記各対応波長
    の前記蛍光強度に基づく範囲である許容蛍光範囲を前記
    各パラメータごとに決定する工程と、 前記被処理基板に前記処理を施す際に得られる前記蛍光
    の前記各対応波長の蛍光強度である処理中蛍光強度を算
    出する工程と、 前記基準蛍光データに基づいて、前記処理中蛍光強度に
    応じた候補パラメータを前記各パラメータの中から選定
    する工程と、 前記処理中蛍光強度に基づく値が前記許容蛍光範囲を越
    えたときに、当該処理中蛍光強度に基づく値が前記許容
    蛍光範囲内になるまで前記候補パラメータの値を調整す
    る工程と、 を備えることを特徴とする半導体製造条件設定方法。
  2. 【請求項2】 前記パラメータは、前記プラズマを生成
    するための高周波電力、前記プラズマを生成するための
    周波数、前記プラズマ内に含まれるイオン又はラジカル
    を前記被処理基板方向へ誘導するためのバイアス電圧、
    前記チャンバ内に流入するガスの流量、前記チャンバ内
    の圧力、前記プラズマを高密度に維持するための磁界の
    強さ、又は前記チャンバ内の温度のうちの少なくとも一
    つであることを特徴とする請求項1記載の半導体製造条
    件設定方法。
  3. 【請求項3】 チャンバ内に発生させたプラズマを使用
    して被処理基板に処理を施す半導体製造工程の製造条件
    を設定する装置であって、 励起光を出力する励起光発生手段と、 前記励起光の照射により前記プラズマ内の粒子から放出
    する蛍光を分光する分光手段と、 前記蛍光の分光方向に分解能を有し、分光された前記蛍
    光の各波長成分を受光するとともに当該蛍光の各波長の
    強度に応じた電気信号を出力する光検出手段と、 前記光検出手段から出力された電気信号に基づいて、前
    記蛍光の各波長の蛍光強度を算出する蛍光強度算出手段
    と、 前記製造条件である複数のパラメータの値を増減変化さ
    せたときに当該パラメータの増減変化に伴って前記蛍光
    強度が変化する前記各波長の中から、少なくとも二以上
    の波長を対応波長として前記各パラメータごとに選択す
    る対応波長選択手段と、 前記パラメータの値と、前記各対応波長の前記蛍光強度
    に基づく値との関係を示す基準蛍光データを前記各パラ
    メータごとに作成する基準蛍光データ作成手段と、 前記パラメータの許容範囲に対応した、前記各対応波長
    の蛍光強度に基づく範囲である許容蛍光範囲を前記各パ
    ラメータごとに決定する許容蛍光範囲決定手段と、 前記被処理基板に前記処理を施す際に得られる前記蛍光
    の前記各対応波長の蛍光強度である処理中蛍光強度を算
    出する処理中蛍光強度算出手段と、 前記基準蛍光データに基づいて、前記処理中蛍光強度に
    応じた候補パラメータを前記各パラメータの中から選定
    する候補パラメータ選定手段と、 を備えることを特徴とする半導体製造条件設定装置。
  4. 【請求項4】 制御信号を受信することにより前記候補
    パラメータの値を制御するパラメータ値制御手段と、 前記処理中蛍光強度に基づく値が前記許容蛍光範囲を越
    えたときに、当該処理中蛍光強度に基づく値が前記許容
    蛍光範囲内になるまで前記パラメータ値制御手段に前記
    制御信号を送信するパラメータ値設定手段と、 を更に備えることを特徴とする請求項3記載の半導体製
    造条件設定装置。
  5. 【請求項5】 前記パラメータは、前記プラズマを生成
    するための高周波電力、前記プラズマを生成するための
    周波数、前記プラズマ内に含まれるイオン又はラジカル
    を前記被処理基板方向へ誘導するためのバイアス電圧、
    前記チャンバ内に流入するガスの流量、前記チャンバ内
    の圧力、前記プラズマを高密度に維持するための磁界の
    強さ、又は前記チャンバ内の温度のうちの少なくとも一
    つであることを特徴とする請求項3記載の半導体製造条
    件設定装置。
  6. 【請求項6】 前記励起光をパルス励起光にするパルス
    タイミング信号を前記励起光発生手段に送信すると共
    に、前記パルスタイミング信号に同期して、一のパルス
    励起光が出力された後所定の受光停止時間が経過した時
    刻から次のパルス励起光が出力される以前の時刻までの
    所定時間を指示する第一の受光タイミング信号を生成す
    るタイミング信号生成手段を備え、 前記光検出手段は、前記第一の受光タイミング信号に基
    づいて、前記所定時間だけ、受光可能状態になることを
    特徴とする請求項3記載の半導体製造条件設定装置。
  7. 【請求項7】 前記タイミング信号生成手段は、前記励
    起光発生手段が前記励起光の出力停止状態にあるとき
    に、前記所定時間と同時間を指示する第二の受光タイミ
    ング信号を更に生成し、 前記光検出手段は、前記第一の受光タイミング信号に基
    づいて前記所定時間だけ、第一受光可能状態になると共
    に、前記第二の受光タイミング信号に基づいて前記所定
    時間と同時間だけ、第二受光可能状態になり、 前記蛍光強度算出手段は、前記第一受光可能状態にある
    前記光検出手段から出力された電気信号と前記第二受光
    可能状態にある前記光検出手段から出力された電気信号
    との差に基づいて、前記蛍光強度を算出することを特徴
    とする請求項6記載の半導体製造条件設定装置。
  8. 【請求項8】 チャンバ内にプラズマを発生させ、当該
    プラズマを使用して被処理基板に処理を施すことにより
    半導体基板を製造する半導体製造装置において、 請求項3〜請求項7の何れか一項記載の半導体製造条件
    設定装置を備え、 前記チャンバは、当該チャンバ内に前記励起光を入射す
    るための入射窓と、当該チャンバ内の前記プラズマの発
    光及び前記蛍光を外部へ放出させるための監視窓とを有
    し、 前記半導体製造条件設定装置の前記分光手段は、前記監
    視窓を通過した前記プラズマ光及び前記蛍光が入射する
    位置に配置されていることを特徴とする半導体製造装
    置。
  9. 【請求項9】 前記入射窓又は前記監視窓のうち少なく
    とも一方は、曇り止め手段を備えていることを特徴とす
    る請求項8記載の半導体製造装置。
  10. 【請求項10】 前記曇り止め手段は、前記監視窓を加
    熱するヒータであることを特徴とする請求項9記載の半
    導体製造装置。
  11. 【請求項11】 請求項8〜請求項10の何れか一項記
    載の半導体製造装置により前記処理を施されたことを特
    徴とする半導体基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100417649B1 (ko) * 2001-01-10 2004-02-11 주성엔지니어링(주) 플라즈마 관측 장치
JP2010080868A (ja) * 2008-09-29 2010-04-08 Toppan Printing Co Ltd プラズマエッチング方法及び装置
JP2010087109A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Toppan Printing Co Ltd プラズマエッチング方法及び装置
KR101525301B1 (ko) * 2012-11-15 2015-06-02 가부시키가이샤 히다치 하이테크놀로지즈 플라즈마 처리 장치 및 플라즈마 처리 방법
JP7413081B2 (ja) 2020-02-28 2024-01-15 東京エレクトロン株式会社 基板処理システム

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