JP2006245386A - 極細炭素繊維および/または極細活性炭素繊維を導電補助材として用いた電気二重層キャパシタ - Google Patents

極細炭素繊維および/または極細活性炭素繊維を導電補助材として用いた電気二重層キャパシタ Download PDF

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Abstract

【課題】従来に比べ内部抵抗が低く、このため高出力性に優れた電気二重層キャパシタを提供する。
【解決手段】電気二重層キャパシタにおいて、極細炭素繊維および/または極細炭素繊維を賦活により高比表面積化した極細活性炭素繊維を導電補助材として用いることで、そのネットワーク構造により電極の内部抵抗を低下させ、高出力性を向上させる。また、極細活性炭素繊維を用いる場合には導電補助材自体が大きな静電容量を持つことで容量をも増加させる効果を有する。

Description

本発明は電気二重層キャパシタに関するものであり、詳しくは電極中に極細炭素繊維および/または極細活性炭素繊維を導電補助材として用いた電気二重層キャパシタであって、内部抵抗が低く、このため高出力性に優れているため、各種携帯機器用電源、家電製品待機電源、光通信UPSおよび電気自動車用動力電源などの広い用途に好適に利用できる。
近年、電気エネルギーの利用が急速に進むなか電気二重層キャパシタが注目されている。これは電気二重層の現象を利用した蓄電体であり、電気二重層コンデンサーとも呼ばれる。この電気二重層の現象とは異なる二層が接触すると、その界面に正電荷と負電荷がある距離をおいて配列する現象である。電気二重層キャパシタでは固体の分極性電極と電解液の界面に生じる電気二重層に電圧を加えて電荷を蓄積させる大容量のコンデンサーと言うべきものである。電気二重層キャパシタは充放電に従来の電池の様に化学反応を利用するものではない。従って充放電の繰り返し特性や急速充電性に優れ、かつ維持管理が容易で環境にも悪影響を及ぼさないことから関心を集めている。
現在、この電気二重層キャパシタでは、特に高出力用途で強い期待を受けている。
従来、電気二重層キャパシタでは、集電体上に活性炭を主とする分極性電極層を形成した一対の分極性電極の間にポリプロピレン不織布などのセパレータを挟んで素子とし、この素子に電解液を含浸させ、金属容器に収容し、封口板とガスケットにより、金属容器に密封した構造がとられていた。また、一対のシート状分極性電極の間にセパレータを挟んだ積層シートを捲回し、電解液を含浸させて金属容器に収容し、金属開口部を封口部材で密閉した構造をとる電気二重層キャパシタもある。これらの、小型の電気二重層キャパシタは、おもにICメモリのバックアップに使用されてきた。
また、大電流・大容量向けには多数のシート状分極性電極層間にセパレータを挟んで積層した素子を有する積層型の電気二重層キャパシタが用いられている。
これらの電気二重層キャパシタを構成する分極性電極は、大比表面積を有する活性炭を主とするものであり、また、電極中には活性炭から集電するためにアセチレンブラック、カーボンブラック等の導電補助材が混合使用されている。
ところで、このような電気二重層キャパシタにおいては、導電補助材を用いても電極の構造、組成等により、どうしても内部抵抗が生じる。特に高速充放電を行う高出力型電気二重層キャパシタではこの内部抵抗が問題となる場合がある。大電流を取り出す高出力型キャパシタでは特に電極の内部抵抗を下げる必要がある。
しかし、内部抵抗を下げるために導電補助材の混合割合を多くしていくとすると、それに伴って内部抵抗は減少するものの、相対的に主材の活性炭の配合比が低くなるため、電気二重層キャパシタの容量が減少する。
そこで、活性炭にメソカーボン等を混合して電極体に焼結せしめた構造(例えば、特許文献1参照。)、また主成分である活性炭粒子を、導電性が活性炭より高く且つ大きさが活性炭粒子よりも小さい第2の物質でネットワーク状に接続した構造として解決を図った例(例えば、特許文献2参照。)がある。
しかしながら、前記特許文献1に記載されている方法では、内部抵抗がせいぜい20mΩ程度に下がるに過ぎず、特に高速で電力制御を行うような用途では、制御する電流による抵抗損失が多大であるが故、温度上昇、劣化等の原因となっていた。
また、前記特許文献2に記載されている方法は、従来に比べ、内部抵抗削減には効果的であるが、ネットワーク状とはいいながらも小さな導電性物質で活性炭間に導電パスを増やす程度であって、長繊維状導電物質による真のネットワーク構造を積極的に利用した方法ではない。
他方、カーボンナノファイバーを電極主材として用いた電極では、カーボンナノファイバーがネットワーク構造を有するため内部抵抗を低減させ、ファイバー同士の交絡点が擬似細孔として働き、大容量を得るため効果的ではあるが、嵩高いために電極密度が低下し、体積当たりの容量が低下することや、高価なカーボンナノファイバーを30〜100質量%使用することから、電極のコスト増を招いてしまう(例えば、特許文献3参照。)。更に前記特許文献3では繊維径には規定があるものの、繊維長には制限がないことからも分かるように前記特許文献2と同様、長繊維状導電物質による真のネットワーク構造を利用した方法ではない。
特許第2830253号公報 特開2003−257797号公報 特開2004−193443号公報
従来のいずれの方法も高出力型電気二重層キャパシタに適用することが難しく、効果的な対策がないのが実情であった。
本発明は上記実情に鑑み本発明者らが鋭意検討の末完成させたもので、その目的は、内部抵抗の十分な低減を図ることができ、大電力の高速充放電に適した高出力型電気二重層キャパシタを提供することにある。
本発明者は、内部抵抗を低減させ高出力性に優れた電気二重層キャパシタの開発を目的として、導電補助材の形状に着目し鋭意検討した。
電極の体積抵抗は、活性炭の体積比率(充填量)に応じて変化するが、ある体積比率を越えると体積抵抗値が急激に低下し、更に活性炭粒子の充填量が大きくなると緩やかに低下するようになる。この体積抵抗値が緩やかに低下する領域では、パーコレーションパスができるようになると考えられる。この領域は、活性炭が形成する導電パスの数によって電気抵抗が変化する領域である。
従って、活性炭粒子を主成分とした電極にあっては、体積抵抗を下げるため導電パスの数を増やすことが重要である。ところが、活性炭粒子はある程度の大きさの粒径を有し、活性炭粒子間の隙間には樹脂(バインダー)あるいは電解液といった導電性の低い物質が存在するため、活性炭粒子間(並びに活性炭と集電極との間)の隙間が比較的大きくなり、導電パスは活性炭同士の点接触部分で形成せざるを得なくなり、十分な内部抵抗の低減を図ることができない。
本発明者らは、繊維径50〜2000nm、繊維長50μm〜2000μmの極細炭素繊維を導電補助材として加えることで、極めて長い導電性繊維が活性炭粒子を絡めとる網目の如くネットワーク構造を形成することから、活性炭同士の点接触に加え、このネットワーク構造が導電性を高める働きをすることを見出した。
この効果を利用すると内部抵抗の十分な低減を図ることができ、大電力の高速充放電に適した高出力型の電気二重層キャパシタを得ることができるのである。これは、高比表面積の活性炭は一般的に電気伝導度が低いため、活性炭同士の点接触よる導電パスだけでは如何に導電パスが増えようとも活性炭そのものの電気伝導性が支配的となり、充分な体積抵抗値の低減を図ることは難しい。これに対して、単一では電気伝導度が低いものの極めて長い導電性繊維が活性炭粒子を絡めとる網目の如きネットワーク構造を有する本発明では少量の極細炭素繊維および/または極細活性炭素繊維で容易に導電パスを均一かつ効果的に形成できるのである。本発明では高比表面積化した極細活性炭素繊維を用いることもできるが、そのものの電気伝導度が低くとも接触点が著しく増加させることにより充分な電気伝導性を発揮するのである。これがカーボンブラックやアセチレンブラック等の従来多用されてきた炭素質粉末では実現し得ない極めて低い内部抵抗を与え、高電流充放電の際の抵抗損失が減少し、高出力が得られるのである。
更に本発明者らの検証では極細炭素繊維および/または極細活性炭素繊維ネットワークの交絡点が、擬似的に活性炭における細孔の如く電解質イオンを吸着することを見出した。一般に、電気二重層キャパシタでは用いる活性炭を高比表面積にすると細孔の深さが増すため、比較的サイズの大きい電解質にとっては吸脱着の際の細孔からの出入りが困難である。ところが極細炭素繊維および/または極細活性炭素繊維ネットワークの交絡点は活性炭の細孔に比べて電解質イオンの吸脱着は極めて迅速に行なわれる。本発明では高速充放電時の初期電荷量はこのネットワーク交絡点から補われるのである。これに加え、極細活性炭素繊維を用いた場合では、たとえ高比表面積化してもその細孔は通常の活性炭に比べ浅いため、電解質イオンの吸脱着はやはり迅速に行われる。このために更なる高出力化が図られるのである。
勿論、極細炭素繊維および/または極細活性炭素繊維ネットワークの交絡点や極細活性炭素繊維の細孔は活性炭量を増やしたことと等価であることから、吸脱着できる電解質イオン量が増し、より容量が増加できるのである。
また、本発明の極細炭素繊維および/または極細活性炭素繊維を導電補助材として添加した電極は従来と同等の電極密度とすることができるため、容積当りの容量を低下させることが無いのも利点である。
アセチレンブラックを導電補助材に用いた従来のキャパシタに比べて極細炭素繊維および/または極細活性炭素繊維を導電補助材として用いたキャパシタは電極密度を殆ど低下させることがない。更に電流密度が大なる場合でも容量の低下が少なく高出力化を図ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の電気二重層キャパシタは電解液を含浸させた一対の分極性電極が、セパレータを介して配置されたものであり、積層型、捲回型いずれの形体であってもよい。
本発明の電気二重層キャパシタにおける分極性電極は主材となるのは従来の電気二重層キャパシタと同様に活性炭である。活性炭についてはその前駆体あるいは製法につき特に限定されるものではなく、植物物系の木材、のこくず、ヤシ殻、パルプ廃液、化石燃料系の石炭、石油重質油、あるいはそれらを熱分解した石炭および石油系のタール及びピッチ、石油コークス、石炭コークス、タールピッチを紡糸した繊維、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、微小黒鉛繊維、カーボンアエロゲル、活性炭、合成高分子、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、液晶高分子、プラスチック廃棄物、廃タイヤ等から作られたもので良く、また、活性炭の形状は粒状、粉末状、繊維等のいずれであっても良い。その賦活方法についても水蒸気、二酸化炭素などの酸化性ガスを用いたガス賦活および水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属や塩化亜鉛等を用いた薬品賦活などの公知の賦活法が好適である。比表面積について特に限定するものではないが、充分な静電容量を確保するために比表面積は800〜3000m・g−1程度のもで、電解質イオン半径に見合った細孔径を有するものを選択することが好ましい。ここで比表面積が800m・g−1以下では電解質イオンを吸脱着する細孔が少なく、また細孔径も充分発達していないため充分な容量を確保できない。また、3000m・g−1以上の比表面積を有する活性炭は一般的にその密度が極端に低下するため実用上重要な容積当りの容量が低下する問題がある。
電極材料の混合組成は極細炭素繊維および/または極細活性炭素繊維が電極質量全体の1〜20質量%、バインダーが1〜10質量%の範囲で選択可能であり、残りが電極主材となる活性炭となる。内部抵抗と容量とのバランスを考慮すると極細炭素繊維および/または極細活性炭素繊維が電極重量全体の1〜10質量%、バインダーを1〜3質量%程度とすることが好ましい。極細炭素繊維および/または極細活性炭素繊維が1質量%未満であると充分且つ均一な導電性が確保されず、内部抵抗が増加する。30質量%以上では電極の成形が困難であり、電極容積が著しく増大するため好ましくない。尚、導電性の均一化を図るためには一般的に用いられるカーボンブラック等の導電性粒子を補助的に用いても良い。特に極細炭素繊維および/または極細活性炭素繊維を1〜5質量%用いる場合にカーボンブラック等の導電性粒子を極少量用いることは効果的であるが、本発明の効果を打ち消さない極少量に留めるべきである。
次に、バインダーについても特に限定されるものではなく、公知のバインダーであればその種類、形状を問わず使用することができる。例えばPVA、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロースやPTFE、PVDF、SBR、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、ポリイミド、石油ピッチ、石炭ピッチ、フェノール樹脂等のうち少なくとも1種類以上を用いれば良い。用いる形状としては固体であってもエマルジョンのような液体であっても良く、乾式での混練、スラリー状にした湿式での混練等、電極の作成法、電解液への溶解性などを考慮し選択すれば良い。バインダーの添加量が1質量%未満では充分な形成能を有することができず、10%より多い場合は内部抵抗の増大を招いてしまう。
上述した方法等適正な条件のもとで作成された電極では極細炭素繊維および/または極細活性炭素繊維が活性炭周辺に巻きつくように、さらには活性炭粒子の間隙にまでネットワーク状の構造を形成している。従来のカーボンブラック等の導電性粒子を用いた場合は、活性炭粒子間に二次凝集した塊が入り込み大きな空隙を生じさせ電極密度を低下させる問題があったが、本発明では活性炭粒子間にネットワーク構造が入り込み効率的導電パスを形成することから電極の密度は従来の電極と同等以上である。
本発明では電極の内部抵抗を示す尺度である体積抵抗値は0.01Ωcm以下になり、内部抵抗が効果的に低減できていると判断できる。より望ましい体積抵抗値は0.001Ωcm以下であり高出力化に充分な効果が期待できる。極めて高速での充放電等、特殊な用途での電気二重層キャパシタを作成する場合、極細炭素繊維および/または極細活性炭素繊維を適性範囲内の上限とするなどの対応で体積抵抗値を更に低減することも可能である。
本発明に係る極細炭素繊維およびまたは極細活性炭素繊維としては繊維径50〜2000nm、繊維長50μm以上のものであれば良い。繊維径が2000nmよりも太いものは同容積中の繊維本数が減少することから交絡点が過少となる。同様に繊維長が50μm以下であるような場合も交絡点が過少となり導電性が低下してしまう。
本発明における極細炭素繊維および極細活性炭素繊維の構造はアモルファス状の炭素質であっても結晶性であっても良い。但し、極細活性炭素繊維として用いる場合には賦活の容易さという観点からアモルファス状であることが望ましい。なぜならば、グラファイト状の結晶性構造を表面にもつものは、これを賦活処理により高比表面積化することが困難なためである。
本発明の極細活性炭素繊維は極細炭素繊維を賦活処理することにより得られる。賦活処理には水蒸気、二酸化炭素賦活等のガス賦活、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属や、塩化亜鉛等を用いた薬品賦活のいずれであっても良く、特に限定されるものではない。賦活温度、時間は目的とする比表面積を得ることができれば良く、賦活法に応じて適宜選択してやれば良い。
前述の極細炭素繊維および極細活性炭素繊維に製法、組成等の特別な限定はないが、作成法の一例としては、本発明者らの出願となる特開2001−73226号公報あるいは特開2004−43998号公報に詳細な記載があるフェノール樹脂から作成する方法が有効である。
本発明の電気二重層キャパシタに用いる集電体は電気化学的及び化学的に耐食性があれば、特に限定するものではないが、例えば、正極ではステンレス、アルミニウム、チタン、タンタルがあり、負極では、ステンレス、ニッケル、銅等が好適に使用され、箔、エキスパンドメタル等キャパシタの使用条件、環境により適宜選択される。
用いられる電解液は水系、非水系のどちらでも良く、キャパシタの使用条件に併せて選択することが可能である。例えば水系電解液ならば希硫酸やLiBF、LiClO4、LiPF、LiSbF、LiAsF、LiCFSO、LiC(CFSO、LiB(C、LiCSO、LiC17SO、LiB(C、LiN(CFSO等のリチウム塩の水溶液が挙げられる。非水系電解液ならばR、R(ただし、RはC2n+1で示されるアルキル基)、トリエチルメチルアンモニウムイオン等でなる第4級オニウムカチオンと、BF 、PF 、ClO 、SbF またはCFSO なるアニオンとを組み合わせた塩、または、カチオンがリチウムイオンである水系と同様のリチウム塩を用いることができ、前記電解質中から選ばれる1つ以上の物質が好ましい。溶媒は特に限定するものではないが、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、スルホラン、メチルスルホラン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、N−メチルオキサゾリジノン、ジメチルスルホキシド、及びトリメチルスルホキシドから選ばれる1種類以上からなる有機溶媒が好ましい。
次いで電極の形成法であるが、特に限定されるものではなく、作成するキャパシタの形状に合わせ任意に選択することが可能である。例えば所定の割合で混合した材料を2軸のニーダー等により乾式で混練し、プレス法、ロール圧延法など、従来用いられている方法を用いてシート状に成形後、任意の形状に打ち抜くか、前記集電体上にシートを圧着もしくは導電性接着剤等で貼り付け電極とする。もしくは、水、N−メチルピロリドンなどの溶剤を用いて所定の割合で混合した材料をスラリーとした後、集電体上に塗工して電極を作成しても良い。
以下に実施例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
〔測定及びサンプル作成〕
尚、本例では活性炭の比表面積の測定は液体窒素温度条件下の窒素吸着によるB.E.T法による。
測定は充放電試験機(北斗電工製HJ1001SM8A)を用いし、2mA・cm−2および、20mA・cm−2の電流密度において0〜2.5Vまで充電し、さらに30分間2.5Vで充電を行い、充電と同じ電流密度で0Vまで放電させた。得られた放電曲線より、次式により静電容量を算出した。
静電容量(F)=電流密度(mA・cm−2)×電極面積(cm)×放電に要した時間(s)/電圧(V)
尚、電極の体積抵抗率は抵抗率計(三菱化学製ロレスタGP MCP−T600型)を用い、四探針法により測定した。
[実施例1]
フェノール1000g、37重量%ホルマリン733.2g、シュウ酸5gを攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に仕込み、40分間で100℃に昇温し、その後この温度を4時間保持した。200℃まで加熱して脱水濃縮した後、冷却することにより、フェノール樹脂を得た。次に、このフェノール樹脂の粉末と直径約3mmの高密度ポリエチレンのペレットを重量比で50:50となるように混合した。この混合樹脂100gを、混練押出試験機を用いて、150℃で50分間混練した。同様の混練を合計3回行った。
次に、得られた混合樹脂をノズル温度150℃で溶融紡糸し、海島型の未硬化複合繊維を得た。得られた未硬化複合繊維を塩酸−ホルムアルデヒド水溶液(塩酸18重量%、ホルムアルデヒド10重量%)中に96℃、24時間浸漬し、硬化繊維を得た。次に、この硬化繊維を、窒素気流中、600℃、10分の条件で炭素化し、海成分のポリエチレンを除去して、繊維径100〜2000nmの極細炭素繊維を得た。
市販活性炭繊維カイノールACF1605−15(群栄化学工業製、比表面積1500m・g−1、繊維径10μm、繊維長5mm)、上述の様にして調整した極細炭素繊維、PTFE粉末を92:5:3の質量比となるよう乳鉢に採り入れ、粘土状となるまでよく混練した後、140Kg/cmでプレスを行い、厚み0.75mmのシートを得た。このシートをφ13mmに打ち抜き、ペレットを2枚作成した。得られたペレットを210℃真空中で6時間乾燥させた後、PP製セパレータ80μm厚を介して対向させ、1Mテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートのプロピレンカーボネート溶液を真空含浸させてコイン型電池かしめ機によりコイン型電気二重層キャパシタを得た。尚、用いたペレットの重量は0.054gであった。
[実施例2]
フェノール400g、50%ホルマリン440gを反応容器に仕込み25%アンモニア水74gを加えて60℃にて3時間反応させた後、80mmHgの減圧下にて反応混合物内温が80℃に上昇するまで脱水濃縮反応を行い更にそのまま80℃、80mmHg下に保持して常温で透明液状のレゾール型フェノール樹脂(含水率20%)を得た。
次に市販試薬のアルギン酸ソーダ100gを900gの水に入れ常温で約1時間攪拌した後1時間かけて90℃まで昇温し、更に90℃に保ったまま30分の攪拌を行い、完全に溶解したことを確認後冷却し、アルギン酸ソーダ水溶液(固形分10%)を得た。このアルギン酸ソーダ水溶液の中に前述のレゾール型フェノール樹脂を、固形分の質量比がアルギン酸ソーダ:フェノール樹脂=30:70になるように加え、小型ホモジナイザーで攪拌し均一な乳化物を得た。
次にこれを孔径0.1mm、ホール数100の紡糸口金から一定吐出量を保ちながら15℃の30重量%塩化カルシウム水溶液中に押出した。凝固浴中の糸條引取り速度がノズル孔の吐出線速度の5倍になるよう巻取りローラーの回転数を調整した。巻き取った糸條は塩化カルシウム10重量%30℃の浴中で更に3倍の延伸を行い、その後緊張状態を保ったまま130℃で30分の熱処理を行った。
熱処理後、糸條を60℃の0.5%炭酸ナトリウム水溶液中に1時間浸漬し海成分のアルギン酸ソーダを溶かした後に極細フェノール樹脂繊維を濾過して取り出し乾燥した。この繊維を顕微鏡にて観察したところ繊維直径400nm〜1000nm、最長繊維長200μmの極細繊維であることを確認した。
この極細フェノール樹脂繊維を内径70mmの石英管に入れ室温から5℃/分の昇温速度で900℃まで昇温した。この時点で予め80℃に調整されている温水中に窒素ガスを導入し窒素・水蒸気の混合ガスを石英管に10分間導入した。続いて窒素のみを導入しながら冷却し、比表面積2400m・g−1の極細活性炭素繊維を得た。
市販活性炭(フェノール樹脂粒状炭、比表面積1800m・g−1、平均粒子径10μm)、上述の様にして調整した極細炭素繊維、PTFE粉末を90:8:2の質量比となるよう乳鉢に採り入れ、粘土状となるまでよく混練した後、140Kg/cmでプレスを行い、厚み0.75mmのシートを得た。このシートをφ13mmに打ち抜き、ペレットを2枚作成した。得られたペレットを210℃真空中で6時間乾燥させた後、PP製セパレータ80μm厚を介して対向させ、1Mテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートのプロピレンカーボネート溶液を真空含浸させてコイン型電池かしめ機によりコイン型電気二重層キャパシタを得た。このときのペレット重量は0.053gであった。
[実施例3]
実施例1と同様の市販活性炭繊維と極細炭素繊維、実施例2で得た極細活性炭素繊維、PTFE粉末を87:4:6:3とした以外は実施例1と同様の操作によりコイン型電気二重層キャパシタを得た。このときのペレット重量は0.050gであった。
[実施例4]
フェノール樹脂粉末を不活性雰囲気下900℃で炭素化したものをニッケル製坩堝に採り入れ、炭化物に対してKOHが2倍量となるようにKOH水溶液を加え、攪拌した。この坩堝を窒素雰囲気下300℃に保ち、水分を蒸発させた後、反応温度800℃でアルカリ賦活反応を1時間行い、放冷した。取り出した活性炭を希塩酸中に分散させ、常温において24時間攪拌した。活性炭を濾別して新たに希塩酸を加え同様に24時間攪拌し、中和、洗浄を行った。さらに濾別した活性炭をイオン交換蒸留水中に分散させ、常温24時間攪拌を2度行い、洗浄を行った。濾別した活性炭を200℃真空中で乾燥させた後、粉砕を行い、比表面積2800m・g−1、粒子径は約50μmのアルカリ賦活フェノール樹脂系活性炭粉末を得た。
このアルカリ賦活フェノール樹脂系活性炭粉末を用いた以外は実施例1と同様の操作によりコイン型電気二重層キャパシタを得た。このときのペレット重量は0.039gであった。
[実施例5]
市販石炭水蒸気賦活処理品(比表面積1030m・g−1)、市販ヤシガラ炭水蒸気賦活品(比表面積2100m・g−1)を200℃真空中で乾燥させた後、それぞれ粉砕し粒子径約50μmとした。次いで実施例2で用いた極細活性炭素繊維、PTFE粉末を石炭:ヤシガラ炭:極細活性炭素繊維:PTFE粉末を40:40:15:5の質量比率で乳鉢に採り入れ、粘土状となるまでよく混練した後、140Kg/cmでプレスを行い、厚み0.85mmのシートを得た。このシートをφ13mmに打ち抜き、ペレットを2枚作成した。得られたペレットを210℃真空中で6時間乾燥させた後、PP製セパレータ80μm厚を介して対向させ、1Mテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートのプロピレンカーボネート溶液を真空含浸させてコイン型電池かしめ機によりコイン型電気二重層キャパシタを得た。尚、用いたペレットの重量は0.060gであった。
[比較例1]
市販活性炭繊維カイノールACF1605−15(群栄化学工業製、比表面積1500m・g−1、粒子径100μm、アセチレンブラック、PTFE粉末を92:5:3とした以外は実施例1と同様の操作によりコイン型電気二重層キャパシタを得た。このときのペレット重量は0.054gであった。
[比較例2]
実施例4で用いたアルカリ賦活フェノール樹脂系活性炭粉末を用いた以外は比較例1と同様の操作によりコイン型電気二重層キャパシタを得た。このときのペレット重量は0.039gであった。
本実施例で得られた電気二重層キャパシタの電極密度と体積抵抗値、電流密度2mA・cm−2、20mA・cm−2の場合の静電容量を表1に示す。
Figure 2006245386

Claims (4)

  1. 電解液と両極に活性炭を主体とする分極性電極を用いた電気二重層キャパシタにおいて、分極性電極に極細炭素繊維および/または極細活性炭素繊維を1質量%以上25質量%未満含有することを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  2. 前記電極の体積抵抗値が0.01Ωcm以下であることを特徴とする請求項1記載の電気二重層キャパシタ。
  3. 極細炭素繊維が繊維径50〜2000nm、繊維長50μm〜2000μmであることを特徴とする請求項1記載の電気二重層キャパシタ。
  4. 極細活性炭素繊維が繊維径50〜2000nm、繊維長50μm〜2000μm、比表面積が800m・g−1〜2500m・g−1であることを特徴とする請求項1記載の電気二重層キャパシタ。
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