JP2006244704A - 識別情報記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光記録媒体の、製造情報などの識別情報を、安価に確実に記録する方法を提供する。
【解決手段】 基板上に、記録層および反射層を有する光記録媒体の記録層に対し、該記録層の最大吸収波長かこれより短波長側で、かつ該記録層の吸光度が最大吸収波長おける吸光度の5%〜100%となる波長領域に、発振波長を有するレーザー光を照射することにより、不可逆的に情報を記録することを特徴とする光記録媒体の識別情報記録方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は光記録媒体において、媒体の識別情報を記録する方法、特に媒体の製造に関する情報を記載する方法と、これが記録された光記録媒体に関する。
近年、光記録媒体の高密度記録のため、記録再生用レーザー光の発振波長の短波長化が注目され、780nm、830nmよりも短波長のレーザー光で記録再生可能な光記録媒体として、640nm〜680nmの半導体レーザー光を記録再生に用いるDVDが開発されている。また600nm以下のレーザー光の利用も、今後の更なる高密度記録に不可欠の技術として、現在開発が進められている。
かかる光記録媒体としては様々なタイプが提案されているが、その中で有機色素系光記録媒体は、安価でプロセス上容易であるという特長を有する。
有機色素系光記録媒体に関しては、近年波長640nm近傍のレーザー光にて記録再生を行う追記型光ディスク(DVD―R)の3.95GB容量の規格が成立し、マーク長記録において、入射レーザー光をマルチパルス化することにより、記録マークのエッジを制御する方法が確立し、記録装置上も高密度記録に最適なシステムが実用化されている。
有機色素系光記録媒体に関しては、近年波長640nm近傍のレーザー光にて記録再生を行う追記型光ディスク(DVD―R)の3.95GB容量の規格が成立し、マーク長記録において、入射レーザー光をマルチパルス化することにより、記録マークのエッジを制御する方法が確立し、記録装置上も高密度記録に最適なシステムが実用化されている。
大容量で手軽に使用できる記録媒体の普及につれ、ユーザーが簡単に、質の良い映像情報や音楽情報などの入った光記録媒体を作成することが出来るようになった。しかし、映像ソフトや音楽ソフトの違法コピーによる海賊版も容易に作成できるようになったため、簡単で、しかも破られにくい不正コピー防止方法が求められている。
また媒体の製造管理のために、製造時期や場所、製造バッチなどを特定する製造に関する各種の情報(以下、製造情報と称すことがある)を媒体に記録することも求められている。
また媒体の製造管理のために、製造時期や場所、製造バッチなどを特定する製造に関する各種の情報(以下、製造情報と称すことがある)を媒体に記録することも求められている。
製造に関わる情報など、媒体毎の管理に必要な識別情報を光学的に媒体に施すことが提案されている。その一方法として特開平6−203412号公報には、光ディスクの内周側のいわゆるミラー領域に、光学的バーコードにて光記録媒体の識別情報などを記録する例が挙げられている。しかし該公報には光源等についての具体的な記載はない。
本発明者らは更なる検討の結果、実際に光記録媒体に識別情報を記録するに際し、有効に利用できる具体的な記録方法を見いだし、本発明に至った。
すなわち本発明の第一は、基板上に、記録層および反射層を有する光記録媒体の製造において、基板または記録層の一部に、波長1〜12μm、出射パワー0.1〜3Wのレー
ザー光を照射し、その構成有機化合物の振動モードを励起することにより、不可逆的に光記録媒体の識別情報を記録する工程を含むことを特徴とする光記録媒体の製造方法、に存する。
すなわち本発明の第一は、基板上に、記録層および反射層を有する光記録媒体の製造において、基板または記録層の一部に、波長1〜12μm、出射パワー0.1〜3Wのレー
ザー光を照射し、その構成有機化合物の振動モードを励起することにより、不可逆的に光記録媒体の識別情報を記録する工程を含むことを特徴とする光記録媒体の製造方法、に存する。
また本発明の第二は、基板上に、記録層および反射層を有する光記録媒体の記録層に対し、該記録層の最大吸収波長かこれより短波長側で、かつ該記録層の吸光度が最大吸収波長おける吸光度の5%〜100%となる波長領域に、発振波長を有するレーザー光を照射することにより、不可逆的に情報を記録することを特徴とする光記録媒体の製造方法、に存する。
さらに本発明の第三は、基板上に記録層を有する光記録媒体の製造において、基板または記録層の一部に、該光記録媒体の再生光の透過率が20%以下である非水溶性の印刷インキを用いて、非可逆的に光記録媒体の識別情報を記録することを特徴とする、光記録媒体の製造方法、に存する。
本発明によれば、400nm〜700nmで記録再生可能な高記録密度色素記録媒体において、ディスク毎の製造の情報をディスクに安価に確実に形成することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の第一の方式は、基板上に、記録層および反射層を有する光記録媒体の製造工程において、基板または記録層の一部に、波長1μm〜12μm、好ましくは、波長2μm〜12μmの高パワーのレーザーを照射し、基板や記録層を構成する有機化合物を励起させ、不可逆的な変形部を形成することにより識別情報を記録する。すなわち、基板を構成するポリカーボネート等の樹脂における、あるいは記録層に色素を使用する光記録媒体の場合は該色素における、メチン鎖や芳香環、複素環など、有機化合物の多くの伸縮振動や変角振動モードの吸収帯が存在する、上記波長範囲に発振波長を有するレーザー光を照射することにより、該有機化合物の振動モードを励起させ、基板上あるいは記録層上に不可逆的な変形部を形成させる。記録層を構成する有機化合物を励起させた場合でも、多くの場合、基板も変形する。変形部分は、非変形部分と反射率が異なるため、信号として検知される。
本発明の第一の方式は、基板上に、記録層および反射層を有する光記録媒体の製造工程において、基板または記録層の一部に、波長1μm〜12μm、好ましくは、波長2μm〜12μmの高パワーのレーザーを照射し、基板や記録層を構成する有機化合物を励起させ、不可逆的な変形部を形成することにより識別情報を記録する。すなわち、基板を構成するポリカーボネート等の樹脂における、あるいは記録層に色素を使用する光記録媒体の場合は該色素における、メチン鎖や芳香環、複素環など、有機化合物の多くの伸縮振動や変角振動モードの吸収帯が存在する、上記波長範囲に発振波長を有するレーザー光を照射することにより、該有機化合物の振動モードを励起させ、基板上あるいは記録層上に不可逆的な変形部を形成させる。記録層を構成する有機化合物を励起させた場合でも、多くの場合、基板も変形する。変形部分は、非変形部分と反射率が異なるため、信号として検知される。
最も効率良く、かかる被記録部を形成できる波長は、上記の吸収帯のうち強度が非常に強い、炭素―炭素の(単一)結合、炭素―炭素の二重結合、環等の伸縮振動のある5μm〜8μmであり、10μm近傍にも比較的強度の強い倍振動の吸収帯が知られている。この波長域に発振波長があるレーザーとしてはCO2レーザーがあり、最近では非常にコン
パクトな仕様のものが市販されているため、これを用いるとよい。
パクトな仕様のものが市販されているため、これを用いるとよい。
本発明は、光記録媒体の製造工程において、記録層などの層を設ける前に直接基板に、また色素を含む記録層を有する光記録媒体の場合には、記録層形成工程の後で記録層に、上記波長範囲に発振波長を有するレーザーを、出射パワー0.1〜3Wで照射することに
より識別情報を記録する。出射パワーが0.1W未満では十分読み取りできる反射率変化
が得られない。3Wを超えると過度の変形が発生する場合がある。
より識別情報を記録する。出射パワーが0.1W未満では十分読み取りできる反射率変化
が得られない。3Wを超えると過度の変形が発生する場合がある。
形成された一被記録部の最頂部と最深部との高低差(深さ)は0.5μm〜100μm
であることが好ましい。変形がそれよりも小さい場合には十分な反射率変化が得られない恐れがあり、大きい場合には分解能が劣る恐れがある。また、変形に必要な出射パワーは、ビームの集光の度合いが大きいほど、また記録する識別情報の線幅が細いほど小さくなる。
であることが好ましい。変形がそれよりも小さい場合には十分な反射率変化が得られない恐れがあり、大きい場合には分解能が劣る恐れがある。また、変形に必要な出射パワーは、ビームの集光の度合いが大きいほど、また記録する識別情報の線幅が細いほど小さくなる。
本発明の第二の方式では、基板上に、記録層および反射層を有する光記録媒体の記録層に対し、記録層の、可視光領域における最大吸収波長かこれより短波長側で、かつ最大吸収波長における吸光度の5%〜100%、さらに好ましくは15%〜100%の吸光度となる波長領域に発振波長を有するレーザー光を照射し、不可逆的に情報を記録する。なお、ここで言う最大吸収波長とは、記録層の可視紫外分光光度スペクトルのいくつかの吸収極大のうち、吸光度が最も大きい吸収帯を意味する。本発明の第二では、このようなレーザー光を照射された部分の記録層が、該レーザー光を吸収して昇温して分解・減量し光学特性が変化すること、また記録層に接する層の流動変形の影響もあり、反射率が変化するため、信号として検知される。
識別記号の記録に使用されるレーザー光に対する記録層の吸収が、その最大吸収波長における吸収の5%未満である場合には、光学的に読みとれる十分な信号(反射率)変化が得られない。なお記録層の吸光度は、例えば有機色素を主成分とする記録層の場合、以下の方法で測定できる。記録層の主成分である色素と、必要に応じて各種添加剤を溶剤に溶かし、基板上にスピンコートし、十分乾燥させて試料を作成する。この試料に対して、空気をリファレンスにして分光光度形で吸収スペクトルを測定し、吸収のすそよりも十分長波長でのベースライン吸光度を差し引いた値を、その波長での吸光度とする。
本発明の第二にて識別情報を記録するにあたり、特に好ましい光源は、安定な高いパワーが得られかつ比較的安価なKrレーザーとArレーザーである。Krレーザーは、基板の案内溝などのカッティングに使用される場合があり、Arレーザーよりもより高いパワーが出るため、さらに好ましい。かかる、発振波長413nmのKrレーザー光をON/OFF変調装置で変調させ、媒体の回転と同期させて、記録したい識別情報の信号の形状に合わせて適宜調節して記録する。
記録時の装置概略を図1に示す。
Krレーザー1から出射された413nmの発振線は、光変調装置5を通されたのち、対物レンズ6により基板7上で適切なビーム径に集光される。光変調装置5は、例えば音響光学素子や電気光学素子やメカニカルシャッターなどが利用できる。必要に応じて、パワー調整用に2分の1波長板2や検光子3を、ビーム整形用にビームエクスパンダーレンズ4を挿入する。基板7はパルスモーター制御の自動回転ステージ8及び自動並進ステージ9上に固定され、これらにより基板7を微動させることにより集光ビーム照射位置をトラック方向及び半径方向に移動させながらマーク(識別情報を表す被記録部。光学的バーコードなど)を形成する。
Krレーザー1から出射された413nmの発振線は、光変調装置5を通されたのち、対物レンズ6により基板7上で適切なビーム径に集光される。光変調装置5は、例えば音響光学素子や電気光学素子やメカニカルシャッターなどが利用できる。必要に応じて、パワー調整用に2分の1波長板2や検光子3を、ビーム整形用にビームエクスパンダーレンズ4を挿入する。基板7はパルスモーター制御の自動回転ステージ8及び自動並進ステージ9上に固定され、これらにより基板7を微動させることにより集光ビーム照射位置をトラック方向及び半径方向に移動させながらマーク(識別情報を表す被記録部。光学的バーコードなど)を形成する。
通常、焦点距離fが0.2mm〜200mmである対物レンズで集光し、ビーム径を記
録面で1μm〜10μm、出射パワー0.1W〜10Wで、板面上(光記録媒体上)での
パワー(被記録部が受けるパワー)が5mW〜100mWとなるように調整する。焦点距離が上記範囲未満の場合、例えば完成後の光記録媒体における記録層に、ある程度の厚みを持つ基板を通してレーザー光を照射することが困難であることが予想され、また上記範囲を超えると、装置の光学系が大きくなってしまう懸念がある。出射パワーおよび板面上でのパワーが上記範囲未満では充分に検出できる信号が形成できない恐れがあり、上記範囲を超えると反射層に穴があく等、レーザー光を照射された層やその隣接する層を破損する恐れがある。
録面で1μm〜10μm、出射パワー0.1W〜10Wで、板面上(光記録媒体上)での
パワー(被記録部が受けるパワー)が5mW〜100mWとなるように調整する。焦点距離が上記範囲未満の場合、例えば完成後の光記録媒体における記録層に、ある程度の厚みを持つ基板を通してレーザー光を照射することが困難であることが予想され、また上記範囲を超えると、装置の光学系が大きくなってしまう懸念がある。出射パワーおよび板面上でのパワーが上記範囲未満では充分に検出できる信号が形成できない恐れがあり、上記範囲を超えると反射層に穴があく等、レーザー光を照射された層やその隣接する層を破損する恐れがある。
本発明の第三の方式では、基板上に記録層を有する光記録媒体の製造工程において、基板または記録層の一部に、該光記録媒体の再生光の透過率が20%以下である非水溶性の印刷インキにて、非可逆的に識別情報を記録する。具体的には、溶融型または昇華型の感熱転写方式による印刷が好ましい。
一般に、コンピューターによって制御され、300dpi以上、好ましくは600dpi以上の解像度を有するプリンターには、溶融型及び昇華型感熱転写プリンターの他に、水などの溶媒に色素を溶解または分散し、ノズルから色素溶液を飛散させて、印刷される物の表面に所望のパターンを形成するインクジェットがある。
一般に、コンピューターによって制御され、300dpi以上、好ましくは600dpi以上の解像度を有するプリンターには、溶融型及び昇華型感熱転写プリンターの他に、水などの溶媒に色素を溶解または分散し、ノズルから色素溶液を飛散させて、印刷される物の表面に所望のパターンを形成するインクジェットがある。
しかしインクジェットタイプのプリンターは、殆どの場合溶媒が水などの常温で液体かつ沸点が100℃前後の物質であり、印刷される物の表面に吸水性がないとはじいてしまう。このため、色素のドットの広がりが不十分で小さくなりすぎたり、ドット間の色のない部分が大きすぎたり、目標の場所に形成されなかったりして、今回のようにディスク側の色素層上への直接印刷で、小さいパターンの形成時には再現が難しく、読みとり装置が正確に認識できる解像度でパターンの形成ができない場合がある。
これに対し溶融型及び昇華型の感熱印刷方式では、印刷されるものの表面に吸水性がなくても良好に印刷ができ、熱の伝わりによりドットの間も埋めるように印刷されるため、微視的に見ても連続的な線状のパターンが形成されるため好ましい。
具体的には、例えば基材の一方の面に耐熱潤滑層を設け、他方の面に熱移行性又は昇華性色素と接着剤からなる層を設けた熱転写記録用リボンを、案内溝の形成された基板表面、より好ましくはその上に塗布された有機色素からなる記録層表面に接触させ、耐熱潤滑性層側から加熱ヘッドによって必要な部分に熱を加え、熱移行性または昇華性の色素をディスク表面に所望のパターンに転写させる。溶融感熱プリンター、または、昇華感熱プリンターは、300dpi以上、好ましくは600dpi以上の解像度を持ち、単色色素または複数の色素を重ねることにより印刷された部分の再生光の透過率が20%以下となるような濃色の印刷が可能である。
具体的には、例えば基材の一方の面に耐熱潤滑層を設け、他方の面に熱移行性又は昇華性色素と接着剤からなる層を設けた熱転写記録用リボンを、案内溝の形成された基板表面、より好ましくはその上に塗布された有機色素からなる記録層表面に接触させ、耐熱潤滑性層側から加熱ヘッドによって必要な部分に熱を加え、熱移行性または昇華性の色素をディスク表面に所望のパターンに転写させる。溶融感熱プリンター、または、昇華感熱プリンターは、300dpi以上、好ましくは600dpi以上の解像度を持ち、単色色素または複数の色素を重ねることにより印刷された部分の再生光の透過率が20%以下となるような濃色の印刷が可能である。
なお、上記印刷法で記録された光記録媒体の識別情報は、再生光の透過率を直接検出することにより信号を読み取っても良いし、基板上に記録層と反射層を有する光記録媒体の場合には、識別情報の被記録部における再生光の反射光を検出することにより、信号を読み取ってもよい。
以下は上述の第一ないし第三の全ての方法に当てはまる。
以下は上述の第一ないし第三の全ての方法に当てはまる。
本発明の光記録媒体における識別情報は、被記録部の反射率の変化によって記録・これを検知することにより再生してもよく、また例えば反射層を設けないタイプの光記録媒体であれば、透過率の変化によって記録・これを検知することにより再生してもよい。識別情報の記録再生に反射率の変化を利用する場合、被記録部の反射率は記録前の30%以下が好ましく、20%以下であればなお好ましい。
本発明の光記録媒体における識別情報は、光記録媒体の基板に直接記録されていても良いし、記録層に記録されていても良い。また、基板は案内溝を有していてもよく、その場合、識別情報は、基板上または記録層上の案内溝が設けられた領域に記録されていても良く、案内溝が設けられていない領域、いわゆるミラー部に記録されていても良いが、現行の光記録媒体再生機で容易に再生できることから、案内溝が設けられた領域に記録されている方が好ましい。
識別情報は市販の光学的バーコード読み取り装置で読み取り可能なバーコードパターンであることが好ましく、該バーコードパターンは、線幅1μm〜80μm程度であることが好ましい。本発明の第一または第二の方式の場合、例えばビームの集光度、ビーム走行速度を調整することにより所望の光学的バーコードを形成する。この時、ビーム径が記録面で1〜10μmであると、このようなサイズのバーコードが好適に記録できる。
またバーコードは、図2に示すように、光記録媒体の再生中、つまり回転中に再生光によって読みとられるように配置され、トラック方向の線幅1μm〜80μm(好ましくは5μm〜40μm)、角幅20°〜360°、半径方向の長さ200μm〜1000μmで形成されることが好ましい。線幅が1μm未満の場合には線幅が細すぎて、光学的バーコード読みとりが困難となる可能性があり、80μmを越える場合は線幅が広すぎるため、汎用の安い光学的バーコード読みとり装置では読みとれない場合がある。角幅が20°未満の場合には、読み取るデータ数が少ないために十分な情報がのせられない場合がある。また、汎用の光学的バーコード読み取り装置は、トラッキングをかけずフォーカスのみで再生し読み取るものが一般的であるから、半径方向の長さが200μm未満の場合には、ディスクの反りによる再生位置のずれの大きさや、読み取り装置のビーム径が大きさによっては所望の情報が得られなくなる恐れがある。また、半径方向の長さが1000μmを越える場合には、必要以上に大きな領域をかかる情報のみで占めてしまうため、ユーザーゾーンの確保に障害がでる可能性がある。半径方向の長さは、さらに好ましくは500μm〜950μmである。
光記録媒体上のバーコードの向きに制限はなく、例えば円形ディスク状の光記録媒体の場合、円周に沿う方向にバーが並ぶものでも、直径方向に並ぶものでも良い。またバーは互いに平行であっても、放射線状に並ぶ略平行であってもかまわない。
なお、不可逆的に形成されるパターン部(光学的バーコード部)の反射率は、隣接する非パターン部(未記録部)の反射率の30%以下であることが好ましい。30%よりも高い場合には光学的バーコード読みとり機によっては、線幅のジッターのせいで情報を読み誤る場合が生じる。
なお、不可逆的に形成されるパターン部(光学的バーコード部)の反射率は、隣接する非パターン部(未記録部)の反射率の30%以下であることが好ましい。30%よりも高い場合には光学的バーコード読みとり機によっては、線幅のジッターのせいで情報を読み誤る場合が生じる。
なお本発明の、光記録媒体に記録する識別情報は、一般的な意味での製造管理情報とDVDなど映像と音楽のコンテンツをいれたソフトの普及にともない、違法コピーがでまわることを防ぐために管理する製造情報に関するものである。
本発明に使用する光記録媒体に特に制限はないが、記録前後の反射率または透過率の変化によって情報の記録・再生を行うものが好ましい。特に、あらかじめ案内溝が形成された基板上に、有機色素を主成分とする記録層、および反射層を有する光記録媒体であり、該光記録媒体の記録光(記録用レーザー光)波長が400nm〜700nmである光記録媒体が好ましい。以下、このような光記録媒体を例に説明する。
本発明に使用する光記録媒体に特に制限はないが、記録前後の反射率または透過率の変化によって情報の記録・再生を行うものが好ましい。特に、あらかじめ案内溝が形成された基板上に、有機色素を主成分とする記録層、および反射層を有する光記録媒体であり、該光記録媒体の記録光(記録用レーザー光)波長が400nm〜700nmである光記録媒体が好ましい。以下、このような光記録媒体を例に説明する。
このような光記録媒体は、記録光を照射された部分の記録層が、該記録光を吸収することにより昇温して有機色素の分解温度(後述する主減量開始温度)に達し、有機色素が分解・減量して膜厚が減少するとともにその部分の光学特性が変化した結果、戻り光の位相が変化すること、これに加えて基板の流動変形の影響により、反射率を変化させることにより記録を行い、該反射率の変化を検出することにより再生を行うものである。
光記録媒体の基板としては透明なものが好ましく、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、非晶質ポリオレフィン等の樹脂等、公知のものが用いられ、トラッキングサーボ用の案内溝を有している。その溝深さは80〜180nmが好ましく、トラックピッチは0.4〜0.9μmが好ましい。溝形状はU字溝が好ましい。
この案内溝のトラックピッチと溝深さの最適範囲は、記録再生ピックアップの波長にまず依存する。例えば、波長600nm〜700nmにおける記録再生用の光記録媒体としては、溝深さは100〜180nmが好ましく、140〜180nmがより好ましい。また波長400nm〜500nmにおける記録再生用光記録媒体としては、溝深さは80〜150nmが好ましい。溝深さの下限が80nm未満の場合、充分な記録変調度を得ること、及び十分なプッシュプル信号が得ることが困難になる場合があり、上限が180nmを超えると、転写性の維持および十分な反射率が得ることが難しくなる傾向がある。
この案内溝のトラックピッチと溝深さの最適範囲は、記録再生ピックアップの波長にまず依存する。例えば、波長600nm〜700nmにおける記録再生用の光記録媒体としては、溝深さは100〜180nmが好ましく、140〜180nmがより好ましい。また波長400nm〜500nmにおける記録再生用光記録媒体としては、溝深さは80〜150nmが好ましい。溝深さの下限が80nm未満の場合、充分な記録変調度を得ること、及び十分なプッシュプル信号が得ることが困難になる場合があり、上限が180nmを超えると、転写性の維持および十分な反射率が得ることが難しくなる傾向がある。
トラックピッチは、記録再生波長λ、開口率NAに対して0. 7(λ/NA)未満の場合には、十分なプッシュプル信号振幅が得られず、トラッキングに問題が生じる場合がある。また、クロストークも大きくなるため良好な記録再生特性が得られず、エラーレートが高くなる可能性がある。従って記録再生光波長が400〜700nmの場合には、十分な分解能を得るために開口率NAを0.6〜0.8とするのが好ましく、トラックピッチはかかる条件下では0. 4〜0.9μmである。
透明基板に設けられた案内溝の半値幅(溝の深さが半分になる溝幅)は、0.2〜0.
4μmの範囲が好ましい。溝幅0. 2μm未満では、記録時に溝内に基板の流動変形がおこりやすいため、長マークの波形が歪む傾向があり、ジッターが劣る恐れがある。溝幅が0. 4μmを超える場合には、記録再生ビームスポットが溝内におさまるほど十分に溝が広いので、反射率が低くなり、記録変調度も出にくくなる傾向がある。また、溝幅が広いと、これに対応して溝間部が狭くなるため、透明基板製造時に、金型の細い溝部(基板の溝間部に対応)に樹脂がはいりにくく、転写性が低くなる傾向がある。なお本発明の実施例では、溝幅や溝深さなどの溝形状はSEMやAFMで測定して求めた。
4μmの範囲が好ましい。溝幅0. 2μm未満では、記録時に溝内に基板の流動変形がおこりやすいため、長マークの波形が歪む傾向があり、ジッターが劣る恐れがある。溝幅が0. 4μmを超える場合には、記録再生ビームスポットが溝内におさまるほど十分に溝が広いので、反射率が低くなり、記録変調度も出にくくなる傾向がある。また、溝幅が広いと、これに対応して溝間部が狭くなるため、透明基板製造時に、金型の細い溝部(基板の溝間部に対応)に樹脂がはいりにくく、転写性が低くなる傾向がある。なお本発明の実施例では、溝幅や溝深さなどの溝形状はSEMやAFMで測定して求めた。
有機色素を主成分とする記録層は通常、有機色素および必要に応じて各種添加剤等を溶媒に溶かして得られる溶液を、透明基板上にスピンコートすることにより得られる。
この溶媒としては、有機色素および各種添加剤を高濃度に溶解し、かつ透明基板を浸食しないものが好ましく、例えば沸点が100〜150℃であり炭素数が3以上のフッ素系アルコール、すなわち、1H,1H,3H−テトラフルオロプロパノール、1H,1H,5H−オクタフルオロペンタノール、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブタノール等が好ましく用いられる。沸点が100℃未満の場合には、スピンコート時に溶媒が速く気化するため、ディスクの半径40mmより外周側に塗布液が行きつかず、半径方向の膜厚分布が大きくなる傾向があり、良好な特性が得られない場合がある。また、沸点が150℃を越える場合には、蒸発に時間がかかる上に、膜中に溶媒が残留しやすく、良好な記録ジッターが得られない場合がある。
この溶媒としては、有機色素および各種添加剤を高濃度に溶解し、かつ透明基板を浸食しないものが好ましく、例えば沸点が100〜150℃であり炭素数が3以上のフッ素系アルコール、すなわち、1H,1H,3H−テトラフルオロプロパノール、1H,1H,5H−オクタフルオロペンタノール、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブタノール等が好ましく用いられる。沸点が100℃未満の場合には、スピンコート時に溶媒が速く気化するため、ディスクの半径40mmより外周側に塗布液が行きつかず、半径方向の膜厚分布が大きくなる傾向があり、良好な特性が得られない場合がある。また、沸点が150℃を越える場合には、蒸発に時間がかかる上に、膜中に溶媒が残留しやすく、良好な記録ジッターが得られない場合がある。
記録層の膜厚は、再生光波長λに対して、溝間部の膜厚dlで0.042λ〜0.16λ、溝部の膜厚dgで0.102λ〜0.30λ程度が好ましく、またdlとdgの関係は(dg―dl)=0.05λ〜0.13λであることが好ましい。
dlおよびdgがこの範囲よりも薄い場合には、十分な記録変調度が得られない恐れがある。また、この範囲を越えると膜厚が厚すぎて、記録部がトラック方向やランド方向に広がりやすく、ジッターやクロストークが大きくなる恐れがある。
dlおよびdgがこの範囲よりも薄い場合には、十分な記録変調度が得られない恐れがある。また、この範囲を越えると膜厚が厚すぎて、記録部がトラック方向やランド方向に広がりやすく、ジッターやクロストークが大きくなる恐れがある。
(dg―dl)が0.05λよりも小さい場合には、溝部の膜厚が薄すぎるために、十分な記録感度や記録変調度が得られない恐れがある。また0.13λを越える場合には、ラジアルコントラスト(溝横断信号振幅)が小さくなりすぎる場合がある。
記録層の屈折率nは2. 0〜3. 0、好ましくは、2. 3〜2. 6である。消衰係数kは0. 03〜0. 10が好ましく、記録感度の良好なものを必要とする場合には、記録再生光波長でのkが0. 08〜0. 10が好ましい。
記録層の屈折率nは2. 0〜3. 0、好ましくは、2. 3〜2. 6である。消衰係数kは0. 03〜0. 10が好ましく、記録感度の良好なものを必要とする場合には、記録再生光波長でのkが0. 08〜0. 10が好ましい。
なお、本発明での記録層のn、kの測定は以下の方法により行うことができる。鏡面レプリカに、盤面のおよそ半分の領域をカバーするように色素溶液を置き、スピンコートし、この記録層の一部に反射層をスパッタして未塗布部分との段差を3次元表面荒さ計(キャノン製ZYGO:Maxim5800)で測定して膜厚を求め、反射層の付いていない記録層において日本分光製自動波長スキャンエリプソメータ(MEL−30S型)で多入射角測定後、前述の膜厚を参考に集束状況のよいn、kを求め、それを求める光学定数n、kとする。
溝間部の記録層表面から溝部の該層表面までの深さをdabs、溝部の左右に位置する溝間部における記録層と基板との界面から、溝部における該界面の最底部までの深さをdsubとしたとき、dabsはdsubに対して好ましくは45%〜75%、より好ましくは50%〜60%である。この範囲未満では、溝部の記録層膜厚が厚すぎるため反射率が低くなりすぎたり、トラッキングエラー信号が十分とれない恐れがある。また75%を越えると、溝部の記録層膜厚が薄すぎて十分な記録変調度が得られない恐れがある。
色素の例としては、上記基本物性の条件を満たす色素ならば、シアニン系、フタロシアニン系、含金アゾ系等、どんな骨格の色素でも良いが、特に含金属アゾ色素が好ましい。
本発明の光学記録媒体における記録層は、基板の両面に設けてもよいし、片面に設けてもよい。
反射層は、記録層を透過したレーザー光を効率良く反射する金属膜であり、400nm〜700nmで反射率が低下しないために、記録再生波長±5nmの波長領域の光の屈折率が0.1〜1. 5、消衰係数kが3〜8であるものが好ましい。特に屈折率が0. 1〜0. 2、消衰係数が3〜5である場合は高反射率が得られる。
本発明の光学記録媒体における記録層は、基板の両面に設けてもよいし、片面に設けてもよい。
反射層は、記録層を透過したレーザー光を効率良く反射する金属膜であり、400nm〜700nmで反射率が低下しないために、記録再生波長±5nmの波長領域の光の屈折率が0.1〜1. 5、消衰係数kが3〜8であるものが好ましい。特に屈折率が0. 1〜0. 2、消衰係数が3〜5である場合は高反射率が得られる。
尚、スパッタリングにて金属反射層を形成する際には、界面酸素量を極力低くしておく方がよい。なぜならば、酸素の存在により熱分解の挙動が大きく変化する色素が多いからである。金属反射層として好ましくは、純銀か、金あるいはPdやRh等の白金族の元素を、0.1at%〜1at%含む銀合金である。かかる合金ターゲットのスパッター膜は、その
膜強度(記録時の内圧の高まりに対抗する力があるため、過度の変形が抑制されるという性質)が銀よりも大きいということから、記録のパワーマージン、耐環境性が確保されるので好ましい。
膜強度(記録時の内圧の高まりに対抗する力があるため、過度の変形が抑制されるという性質)が銀よりも大きいということから、記録のパワーマージン、耐環境性が確保されるので好ましい。
本発明の光学記録媒体においては、記録部の金属反射層の穴の発生を防止したり、変形の非対称性を抑制する効果を有するために、反射層の上に保護層を積層した方が良い。保護層としては紫外線硬化性樹脂が好ましい。通常は、1μm以上、好ましくは3μm以上の膜厚にして、酸素による硬化抑制等がおこらないようにする。
さらにその上にホットメルトや紫外線硬化性の接着剤を片面10〜20μm設けて2枚の貼り合わせてもよい。
さらにその上にホットメルトや紫外線硬化性の接着剤を片面10〜20μm設けて2枚の貼り合わせてもよい。
なお、2枚の光記録媒体を貼りあわせる場合、貼り合わせの相手は、記録再生用の面と全く同じ構成の媒体でも、基板上に設けたアルミニウム等の金属反射層上に保護層を積層したもの(ダミー板)でも、単なる基板でも良いが、貼り合わせた後の記録再生面のトラック方向に対して接線方向のチルト角が0. 3度以下となるように、両方の面の反りを合わせるとよい。
また、貼り合わせの際の中心出し、及び、基板そのものの偏心には十分注意が必要で、貼り合わせ後の偏心量が20μm以下になるように十分小さくすると好ましい。上記範囲を越える場合、極めて高精度の調整がなされるピックアップ(チルトサーボ機構を有するドライブ)を使用できない場合には、良好なジッター値が得られず、その結果、エラーレートが劣る場合がある。
貼り合わせに使用する接着剤としては、粘度30cps〜700cpsで、ラジカル系型(瞬間硬化型)の紫外線硬化性樹脂が、耐衝撃性を向上させる点、接着強度の点から好ましい。また、特に本発明の第二の方式を使用する場合には、識別信号を記録するレーザー光の集光の度合いが小さいために、接着材に空隙がない、膜質が非常に均一な接着層が好ましい。具体的には、完成した光記録媒体における、接着剤からなる紫外線硬化性樹脂層の空隙の最大径が10μm以下であるものが好ましい。空隙の最大値が10μmを越えるものを接着層として使用すると、特に、貼り合わせ後に上記レーザー光を照射する場合に、バーコード部にその接着層の構造がうきでて、信号品質を低下させる恐れがある。
なお、記録再生光の入射面ではない面に、インクジェット、感熱転写などの各種プリンター、あるいは各種筆記具にて記入(印刷)可能な印刷受容層を設けてもよく、また基板鏡面側に、表面保護やゴミ付着防止のため、紫外線硬化性樹脂層や無機系薄膜を成膜してもよい。
実施例1
あらかじめ深さ155nm、溝幅(溝深さが半分のところの溝幅)0.31μm、トラックピッチ0.74μmの案内溝を有する0.6mmのポリカーボネート基板に、下記の構造式の色素
あらかじめ深さ155nm、溝幅(溝深さが半分のところの溝幅)0.31μm、トラックピッチ0.74μmの案内溝を有する0.6mmのポリカーボネート基板に、下記の構造式の色素
80℃で3時間アニールした。こうして形成された記録層(色素層)のランド部の膜厚は30nmで溝部の膜厚は90nmで、その膜の吸収スペクトルの、記録光657nmに最も近接した吸収極大は602nmであり、その吸収極大が吸収帯のうちで最も吸光度の高い吸収帯であり、その吸光度は0.64(空気をreferenceにした吸光度から、ベースライン吸光度を差し引いた吸光度。)であった。その色素塗布面の案内溝のある領域に波長10.6μmのCO2レーザー(キーエンス製高品位CO2マーカーML―9110)で線幅70μm、半径方向の長さ500μmの光学的バーコード20本分の情報を照射したところ、出射パワー0.7W〜0.8Wで記録したものでは、光学顕微鏡で照射部の基板と色素部が変形していることが確認された。
かかる処理をされた色素塗布ディスクに、銀反射層を100nmスパッタし、紫外線硬化性樹脂SD―318(大日本インキ社製)をスピンコートして約7μmの保護コートとし、遅延型紫外線硬化樹脂SK7000(ソニーケミカル)で貼り合わせディスクを作製した。これを657nmの半導体レーザーが搭載された、NA=0.60の評価機(パル
ステック製DDU−1000)で再生したところ、バーコードの各線の反射率がバーコードの線のないところの反射率の20%で線幅70μmの良好なパターンが再生できた。
実施例2
実施例1で使用したものと同じ基板の、案内溝が設けられた領域に同様のCO2レーザ
ーの照射を行ったところ、実施例1で色素塗布面に形成されたのと同様に、良好な情報の記録が形成された。案内溝に直交するように形成されたバーコード部の形状を3次元解析電子顕微鏡で観察したところ、80μmの凹凸部(被記録部の最頂部と最深部の高低差)であった。
ステック製DDU−1000)で再生したところ、バーコードの各線の反射率がバーコードの線のないところの反射率の20%で線幅70μmの良好なパターンが再生できた。
実施例2
実施例1で使用したものと同じ基板の、案内溝が設けられた領域に同様のCO2レーザ
ーの照射を行ったところ、実施例1で色素塗布面に形成されたのと同様に、良好な情報の記録が形成された。案内溝に直交するように形成されたバーコード部の形状を3次元解析電子顕微鏡で観察したところ、80μmの凹凸部(被記録部の最頂部と最深部の高低差)であった。
バーコードの記録された基板上に、実施例1と同様に記録層、反射層および保護層を設け、これを貼り合わせて貼り合わせディスクを作製した。
実施例1と同様に再生したところ、バーコードの各線部分(パターン部)の反射率がバーコードの線の無い部分(非パターン部)の反射率の25%で、線幅70μmの良好なパターンが再生できた。
実施例3
実施例1と同様にして記録層塗布まで施されたディスクの、色素塗布面にバーコードパターンを印刷した。今回使用した感熱転写プリンターRimage Perfect Image CD Printer
は1.2mm厚さの基板にしか印刷できないため、基板の色素層と反対側にもう1枚0.6mm厚さの透明基板を固定して一体化させ、厚さ1.2mmになるようにし、印刷を行っ
た。
実施例1と同様に再生したところ、バーコードの各線部分(パターン部)の反射率がバーコードの線の無い部分(非パターン部)の反射率の25%で、線幅70μmの良好なパターンが再生できた。
実施例3
実施例1と同様にして記録層塗布まで施されたディスクの、色素塗布面にバーコードパターンを印刷した。今回使用した感熱転写プリンターRimage Perfect Image CD Printer
は1.2mm厚さの基板にしか印刷できないため、基板の色素層と反対側にもう1枚0.6mm厚さの透明基板を固定して一体化させ、厚さ1.2mmになるようにし、印刷を行っ
た。
印刷用ソフトCorel―Draw7.0を用い、ディスク上に線幅50μm、半径方向の長さ500μmのバーコード100本のパターンを印刷した。印刷機の設定は、解像度300dpi,インクリボンがRimage専用の黒色リボン(印刷インキ、すなわち印刷部の再生光波長での透過率は5%)、Printstrobeが400μs、メディア設定がLacquerであった。
この印刷済みの色素塗布ディスクに、実施例1と同様に、銀反射層、保護コート、接着層を付し貼り合わせディスクを作製した。実施例1と同様に、657nmの評価機でパターン部を再生しタイムインターバルアナライザーで調べたところ、パターン部の反射率が隣接の非パターン部の反射率の20%である線幅50μmの良好なパターン(バーコード)が再生された。顕微鏡でパターン部を観察すると、非常に均一な形の黒色のドットが重なりあい、50μmの線を形成していた。
比較例1
実施例3と同じ色素塗布ディスクに、実施例2の感熱転写プリンターよりも高解像度を有する下記2種類のインクジェットプリンターで、実施例3と同一のバーコードパターン(線幅50μm、半径方向の長さ500μm、100本)の印刷を試みた。
この印刷済みの色素塗布ディスクに、実施例1と同様に、銀反射層、保護コート、接着層を付し貼り合わせディスクを作製した。実施例1と同様に、657nmの評価機でパターン部を再生しタイムインターバルアナライザーで調べたところ、パターン部の反射率が隣接の非パターン部の反射率の20%である線幅50μmの良好なパターン(バーコード)が再生された。顕微鏡でパターン部を観察すると、非常に均一な形の黒色のドットが重なりあい、50μmの線を形成していた。
比較例1
実施例3と同じ色素塗布ディスクに、実施例2の感熱転写プリンターよりも高解像度を有する下記2種類のインクジェットプリンターで、実施例3と同一のバーコードパターン(線幅50μm、半径方向の長さ500μm、100本)の印刷を試みた。
(表1)
装置1:EXPERT CP-1000X (Canon BJF-800内蔵)
設定:1200dpi×600dpi
装置2:セイコープレセジョン CD3000 (エプソンプリンター内蔵)
設定:1440dpi×720dpi
しかし、形成されたパターンを顕微鏡で観察したところ、記録層上にはインクが断続的に付着しており、連続的な線を描いていなかった。実施例3と同様にして貼り合わせ、ディスクを作製し、同様に評価機で再生したところ、バーコードパターンとして認識不可能なノイズ信号しか検出できなかった。
実施例4
あらかじめ深さ155nm、溝幅(溝深さが半分のところの溝幅)0.30μm、トラ
ックピッチ0.74μmの案内溝を有する0.6mmのポリカーボネート基板に、下記構造式で表されるモノアゾ系含金属キレート色素と添加物(ベンゾイルフェロセン。色素重量の15%添加)
装置1:EXPERT CP-1000X (Canon BJF-800内蔵)
設定:1200dpi×600dpi
装置2:セイコープレセジョン CD3000 (エプソンプリンター内蔵)
設定:1440dpi×720dpi
しかし、形成されたパターンを顕微鏡で観察したところ、記録層上にはインクが断続的に付着しており、連続的な線を描いていなかった。実施例3と同様にして貼り合わせ、ディスクを作製し、同様に評価機で再生したところ、バーコードパターンとして認識不可能なノイズ信号しか検出できなかった。
実施例4
あらかじめ深さ155nm、溝幅(溝深さが半分のところの溝幅)0.30μm、トラ
ックピッチ0.74μmの案内溝を有する0.6mmのポリカーボネート基板に、下記構造式で表されるモノアゾ系含金属キレート色素と添加物(ベンゾイルフェロセン。色素重量の15%添加)
厚は約30nmで溝部の膜厚は約90nmで、その膜の吸収スペクトルの、記録光657nmに最も近接した吸収極大は607nmであり、その吸光度は0.73であった。この
記録層上に銀反射層を75nmスパッタし、その上に紫外線硬化性樹脂層を7μmの厚さにスピンコートし、保護コート層とした。
このディスクに、案内溝のない側(基板の鏡面側)から、図1の構成の装置を用いてバーコードパターンを形成した。図1におけるレーザー1として、コヒレント社製INNOVA300Krレーザーを用い、100mWで出射させた413nmの発振線を、2分の1波長板2、検光子3、f=30mmとf=150mmのレンズ対から構成されるビームエクスパンダーレンズ4、メカニカルシャッター5に順に通し、f=50mmの対物レンズにて約7μmのビーム径に集光させた。上記ディスク面(板面)上でのパワーは35mWであった。なお413nmにおける記録層の吸光度は、該記録層の最大吸収波長における吸光度の28.6%であった。
自動並進ステージ9によりディスクを1mm/sで半径方向に走査すると、トラック方向線幅10μmのパターン(光学的バーコード)が形成された。尚、このパターンは、トラック方向の間隔が約30μmで、半径方向の長さは700μm、角幅100度になるように本数を調節した。
このディスクを、実施例3と同じように657nmの評価機でパターン部を再生したところ、線幅10μmの、反射率が隣接の非パターン部の反射率の20%である良好なパターン信号が検出された。
このディスクを、実施例3と同じように657nmの評価機でパターン部を再生したところ、線幅10μmの、反射率が隣接の非パターン部の反射率の20%である良好なパターン信号が検出された。
また、ディスク面(板面)でのパワーを30mWとし、ビーム径約7μmに集光された光を用いて同様にバーコードパターンを形成したところ、良好なパターンが形成された。このパターンは、トラック方向の間隔が約30μmで、半径方向の長さは700μm、角幅100度であり、板面上でのパワー35mWの場合と同様に再生したところ、線幅6μmの、反射率が隣接の非パターン部の反射率の20%である良好なパターン信号が検出された。
実施例5
色素を実施例1の色素に変えた以外は実施例4と同様に、光記録媒体を形成し、Krレーザーを光源としたレーザー光を照射して、バーコードパターンを形成した。トラック方向の間隔が約30μmで、半径方向の長さは700μm、角幅100度となるように本数を調節した。なお、413nmにおける記録層の吸光度は、該記録層の最大吸収波長における吸光度の15.2%であった。
実施例5
色素を実施例1の色素に変えた以外は実施例4と同様に、光記録媒体を形成し、Krレーザーを光源としたレーザー光を照射して、バーコードパターンを形成した。トラック方向の間隔が約30μmで、半径方向の長さは700μm、角幅100度となるように本数を調節した。なお、413nmにおける記録層の吸光度は、該記録層の最大吸収波長における吸光度の15.2%であった。
このディスクを、実施例4と同じように657nmの評価機でパターン部を再生したところ、実施例4と同様に、線幅10μmの、反射率が隣接の非パターン部の反射率の20%である良好なパターン信号が検出された。
比較例2
実施例4において、保護コートまで積層されたディスクを厚さ0.6mmのダミー板と
、粘度900cpsの遅延硬化型紫外線硬化接着剤(ソニーケミカル製SK7000)で接着層の組織の空隙の最大長が70μmとなるように接着した貼り合わせディスクに対して、Krレーザーで実施例4同様にパターンを形成した。
比較例2
実施例4において、保護コートまで積層されたディスクを厚さ0.6mmのダミー板と
、粘度900cpsの遅延硬化型紫外線硬化接着剤(ソニーケミカル製SK7000)で接着層の組織の空隙の最大長が70μmとなるように接着した貼り合わせディスクに対して、Krレーザーで実施例4同様にパターンを形成した。
パターン部を顕微鏡で観察したところ、線幅が20μmまで広がり隣接するパターンに重なりあい、良好なパターン(光学的バーコード)が得られなかった。この状況は、レーザーパワーを実施例4のように35mWから30mWに減じても、並進のスキャンスピードを減じても増加させても変わらなかった。実施例4と同様に評価機で再生したところ、信号のエッジ部が緩慢で良くなかった。
実施例6
実施例4において、保護コートまで積層されたディスクを、厚さ0.6μmのダミー板と、粘度600cpsのラジカル系瞬間硬化型紫外線硬化樹脂SD661(大日本ケミカル)で接着したところ、貼り合わせ層(接着層)の組織の空隙は全くなかった。この貼り合わせディスクに対して実施例3と同様にKrレーザー光を照射した。
実施例6
実施例4において、保護コートまで積層されたディスクを、厚さ0.6μmのダミー板と、粘度600cpsのラジカル系瞬間硬化型紫外線硬化樹脂SD661(大日本ケミカル)で接着したところ、貼り合わせ層(接着層)の組織の空隙は全くなかった。この貼り合わせディスクに対して実施例3と同様にKrレーザー光を照射した。
実施例4と同様に、記録されたバーコードパターンを観察したところ、線幅約10μmの実施例4と同様に良好なパターンが形成されていることが確認された。また実施例4と同様に657nmの評価機で再生したところ、実施例4と同様の線幅10μmで、反射率が非パターン部の20%である良好なパターンが再生された。
1 Krレーザー発振装置
2 2分の1波長板
3 検光子
4 ビームエクスパンダーレンズ
5 光変調装置
6 対物レンズ
7 基板
8 自動回転ステージ
9 自動並進ステージ
10 基板
11 ミラー部
12 案内溝
13 バーコード
2 2分の1波長板
3 検光子
4 ビームエクスパンダーレンズ
5 光変調装置
6 対物レンズ
7 基板
8 自動回転ステージ
9 自動並進ステージ
10 基板
11 ミラー部
12 案内溝
13 バーコード
Claims (13)
- 基板上に、記録層および反射層を有する光記録媒体の記録層に対し、該記録層の最大吸収波長かこれより短波長側で、かつ該記録層の吸光度が最大吸収波長おける吸光度の5%〜100%となる波長領域に、発振波長を有するレーザー光を照射することにより、不可逆的に情報を記録することを特徴とする光記録媒体の識別情報記録方法。
- レーザーを変調機で変調させ、焦点距離fが0.2〜200nmである対物レンズで集光し、ビーム径を記録面で1〜10μm、出射パワー0.1〜10Wで、板面上でのパワーが5〜100mWとなるように調整することを特徴とする、請求項1記載の方法。
- レーザー光がArレーザーまたはKrレーザーである、請求項1または2に記載の方法。
- 識別情報が記録前後の反射率変化によって検出される方式で記録されており、識別情報の被記録部の反射率が、記録前の30%以下である、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
- レーザー光により形成された情報被記録部分が、深さ0.5μm〜100μmの凹凸部
を有することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。 - 光記録媒体が基板上に案内溝を有しており、該光記録媒体のミラー部に識別情報が記録されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
- 光記録媒体が基板上に案内溝を有しており、該光記録媒体の案内溝が設けられた領域に、識別情報が記録されることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
- 識別情報が、光学的バーコード読みとり装置によって読みとることができるバーコードパターンであることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
- バーコードパターンの線幅が1μm〜80μmである、請求項8に記載の方法。
- バーコードパターンは、ディスクの回転中に再生光によって読みとられるように配置され、該バーコードパターンの、光記録媒体のトラック方向における線幅1μm〜80μm、半径方向の長さ200〜1000μmで形成されたものである、請求項8記載の方法。
- 識別情報が、光記録媒体の製造に関する情報を含んでいることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載の方法。
- 請求項1の方法にて記載された識別情報を有する光記録媒体。
- あらかじめ案内溝が形成された基板上に、有機色素を主成分とする記録層、および反射層を有する光記録媒体であり、該光記録媒体の記録光波長が400nm〜700nmであり、請求項1に記載の方法にて記録された識別情報を有する、光記録媒体。
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JP2006165510A JP2006244704A (ja) | 2000-01-21 | 2006-06-15 | 識別情報記録方法 |
Applications Claiming Priority (2)
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