JP2006244365A - バイオメトリクス照合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単、安価な処理系と簡便な照合アルゴリズムを用いて、短い比較、照合時間で、高い照合率を達成する。
【解決手段】 画像を用いてバイオメトリクス照合を行う照合方法において、前記照合を行う比較量は前記画像の階調から算術計算で求めた回転不変量である。回転不変量は、デカルト座標の輝度階調行列から求めた回転不変量である。また、回転不変量は、輝度階調行列を極座標変換して求めた行列から計算してもよい。バイオメトリクスは、指紋又は虹彩である。
【選択図】 図3
【解決手段】 画像を用いてバイオメトリクス照合を行う照合方法において、前記照合を行う比較量は前記画像の階調から算術計算で求めた回転不変量である。回転不変量は、デカルト座標の輝度階調行列から求めた回転不変量である。また、回転不変量は、輝度階調行列を極座標変換して求めた行列から計算してもよい。バイオメトリクスは、指紋又は虹彩である。
【選択図】 図3
Description
本発明は、指紋等のバイオメトリクス量の照合を行う方法、特に安価な手段により高速に行うバイオメトリクス照合方法に関する。
個人を認証するための指紋照合方法は、犯罪の捜査以外に、建物の入退室チェック、金融機関の本人確認等に用途が広がっている。指紋以外にも生体を計測した情報(バイオメトリクス)として、虹彩(アイリス)、掌紋、静脈、顔等が照合対象となっている。これらの対象を光学的、又は静電的手段で画像化し、登録した画像と比較することにより照合される。
代表的な例として指紋を取り上げると、従来の指紋照合方法には、以下に示すような方法が有る。
(1)特徴点比較法
(2)パターンマッチング
(3)周波数解析法
(4)位相限定相関法
(1)の特徴点比較法は、警察等の指紋照合で古くから行われている方法である。指紋の特徴点である端点や分岐点の分布や相関(リレーション)を調べて、指紋/個人の照合を行う方法である。
(1)特徴点比較法
(2)パターンマッチング
(3)周波数解析法
(4)位相限定相関法
(1)の特徴点比較法は、警察等の指紋照合で古くから行われている方法である。指紋の特徴点である端点や分岐点の分布や相関(リレーション)を調べて、指紋/個人の照合を行う方法である。
(2)のパターンマッチングは、指紋の2次元画像を直接比較する方法である。
(3)の周波数解析法は、下記特許文献1に開示され、近年梅崎太造教授らによって開発された方法であり、音声処理技術を用いて指紋照合を行う方法である。
(4)の位相限定相関法は、下記特許文献2に開示され、樋口龍雄教授らによって開発された方法であり、フーリエ変換後に位相成分のみを取得して比較、照合を行う方法である。また、回転誤差の検出にも、この位相限定相関法は使用されることが有る。
また、虹彩の照合方法には、例えば下記特許文献3,4等が有る。これらは、虹彩中心を中心として複数の円環上に分布する虹彩パターンの濃淡をコード化(バーコード化)することで、虹彩照合の比較量としている。
国際公開第02/009034パンフレット
特開2004−192633号公報
米国特許第4641349号明細書
米国特許第5291560号明細書
特開平10−307809号公報
しかし上述した各方法には、以下に示すような欠点がある。
(1)の特徴点比較法は、本人排除率や他人受入率等の照合率が良好であるものの、前記特徴点の取得には一般に長時間の演算を必要とする。これは前記照合アルゴリズムの長大さそのものであり、その演算と実現には高性能な演算環境、DSP(Digital Signal Processor)、CPUと大量のメモリ容量を必要とする。これは携帯電話等、演算能力の比較的低いモバイル機器への搭載を困難にしている。
一方、(2)のパターンマッチングは、原理的には簡単、直裁な方法であるが、実際には2枚の画像間でx,y,θの計3方向の画像アライメントを必要とする為に、その演算時間が長大になる傾向がある。これは照合時間の増大をもたらす。
また、前記指紋が形成されている指の皮は伸び縮みするので、例えば指をスウィープして1次元センサによって検出する照合装置、照合方法との相性が大変良くない。また同様の理由で、前記画像の直接比較だけでは前記照合率は高くならない。
(3)の周波数解析法は、前記指紋画像を1次元周波数変換して少数の線形予測係数(LPC)を求めているので、必要なリソースは少なく、また照合時間も比較的短い。これは前記モバイル機器への搭載を容易にする。しかし、その照合原理から、指紋画像の回転(θ)誤差には弱い。また、照合率が前記特徴点比較法と比べても余り高くないのが難点である。
(4)の位相限定相関法は、前述したように2枚の画像の回転(θ)誤差検出に用いられる方法である。2枚の指紋画像の照合が比較的簡単、容易、高精度になるものの、依然としてx,y,θの3方向のアライメントが必要なのは(2)と同様である。例えば、大きさ128画素角の任意の2枚の画像の位置ズレ(Δx,Δy,Δθ)が(±15画素、±15画素、±5度)であるとすると、最適なアライメントを行うには、計30*30*(10*128/90)〜12600回程度の比較が必要となる。仮に、2枚の画像の位置ズレ(Δx,Δy,Δθ)について、このΔθの位置ズレ補正が必要無くなれば、2枚の画像の比較、つまりは照合に要する時間は、1/14程度に短縮することができるが、実際にはこのΔθの位置ズレ補正を行わなければならない。
そこで、本発明は、上記従来の照合方法の問題点を解決するものであり、簡単、安価な処理系と簡便な照合アルゴリズムを用いて、短い比較、照合時間で、高い照合率を達成することを目的としている。
本発明のバイオメトリクス照合方法は、画像を用いてバイオメトリクス照合を行う照合方法において、前記照合を行う比較量は前記画像の階調から算術計算で求めた回転不変量であることを特徴とする。
本発明により、バイオメトリクス量の照合を簡単、安価な処理系と簡便な照合アルゴリズムを用いて、短い時間で行うことが可能で、しかも高い照合率が得られる照合方法を提供することができる。
図面を参照して説明する前に、本発明の概要を述べる。
本発明は、通常の画像入力装置であるモノクロあるいはカラーイメージセンサによって取得される2次元指紋画像、つまりはデカルト座標(2次元直交座標)の階調行列値、通常は輝度階調行列値を出発点として、前記指紋の照合に必要な比較量(指紋特徴量)を算術計算によって求める。
その比較量とは、前記回転誤差補正操作によって値を変えない回転不変量である。
前記回転不変量に関しては、例えば、上記特許文献5に開示されているが、それらは物理量の予測方法であって、本発明が問題とするバイオメトリクス照合ではない。
前記回転不変量に関しては、例えば、上記特許文献5に開示されているが、それらは物理量の予測方法であって、本発明が問題とするバイオメトリクス照合ではない。
2枚の指紋画像、つまりは登録指紋と採取指紋とを比較する際に、前記両指紋から前記算術計算によって求めた回転不変量同士を比較すれば、前記回転誤差補正操作は不要となる。
これは前記位置のズレ補正がx,yの2方向だけで済むことを表している。
これにより、簡単、安価な処理系と簡便な照合アルゴリズムを用いることができる。
また、前記回転不変量を求めるアルゴリズムも、以下に示すようにとても直截、簡単である。
一つは、物性物理等で利用されている回転群/空間群を利用する方法である。
図1は、要素(12)の行列A(11)を示す図である。
ここで、図1に示したように、3*3の大きさの行列A(11)での回転を考える。行列Aの各要素(12)をAijと表記する。
要素A22を中心とした回転操作には、1/4回転(R4)、1/2回転(R2)が有る。これらの回転操作に対する回転不変量Iとは、以下のような量である。
I1=A11+A13+A31+A33………………(1)
I2=A12+A21+A23+A32………………(2)
I1,I2は、中心からの距離に応じた値であり、これらの量は、前記回転操作R4,R2に対してその値を変えない。
I1=A11+A13+A31+A33………………(1)
I2=A12+A21+A23+A32………………(2)
I1,I2は、中心からの距離に応じた値であり、これらの量は、前記回転操作R4,R2に対してその値を変えない。
勿論、これらの線形結合α*I1+β*I2も、回転不変量である。ここでα,βは任意の定数である。
本発明では前記バイオメトリクス量が含まれる2枚の画像から各々別々に抽出された前記回転不変量を比較量とし、比較を行うことで、前記バイオメトリクス量の照合を簡単化する。
他の一つの方法は、前記デカルト座標で表される画像行列を極座標に変換する方法である。
図2は、2次元デカルト座標で表された指紋画像の階調行列値(要素)(22)を有する行列A(21)を示す図である。
図2に示したように、2次元デカルト座標で表された指紋画像の階調行列値Aij(22)は、以下のような式で極座標表現に変換可能である。
x=i−N/2……………………(3)
y=N/2−j……………………(4)
r=(x2+y2)1/2……………(5)
tanθ=y/x…………………(6)
0<r<=N/2…………………(7)
0<=θ<2*π…………………(8)
ここで行列A(21)は、N*Nの正方行列を仮定している。図2では説明の為、Nの数を8にとっている。
x=i−N/2……………………(3)
y=N/2−j……………………(4)
r=(x2+y2)1/2……………(5)
tanθ=y/x…………………(6)
0<r<=N/2…………………(7)
0<=θ<2*π…………………(8)
ここで行列A(21)は、N*Nの正方行列を仮定している。図2では説明の為、Nの数を8にとっている。
動径rに関しては整数をとり(要素数はN/2個)、偏角θに関しては(2*π)/(4*N)刻みの4*N個程度の要素数をとるとして、前記行列Aつまりは指紋画像を極座標表現行列B(r,θ)(31)に変換する。
図3は、指紋画像を極座標表現行列B(r,θ)(31)として示した図である。
ここで、xやyは必ずしも整数になるとは限らないが、その場合には前記極座標表現行列値(要素)Bxy(32)を近接する行列値Aijから作成することにすれば良い。
Bxy=(Auv+Au(v+1)+A(u+1)Av+A(u+1)(v+1))/4………(9)
u=floor(x)……………(10)
v=floor(y)……………(11)
(9)式は、点(x,y)に近接する4つの画素(i,j)の階調の平均をとることを示している。ここでuやvは、xやyを越えない最大の整数である。
Bxy=(Auv+Au(v+1)+A(u+1)Av+A(u+1)(v+1))/4………(9)
u=floor(x)……………(10)
v=floor(y)……………(11)
(9)式は、点(x,y)に近接する4つの画素(i,j)の階調の平均をとることを示している。ここでuやvは、xやyを越えない最大の整数である。
上述した極座標表現はあくまでも一例であり、デカルト座標行列を極座標表現化する方法には、この他にも類似の方法が多数存在する。
このような極座標表現での回転不変量Iとは、
Ir=ΣB(r,θ)……………(12)
というような量である。ここで総和Σは、θについて0から2πまでとる。
Ir=ΣB(r,θ)……………(12)
というような量である。ここで総和Σは、θについて0から2πまでとる。
このように前述した行列Bからは、rの個数分(N/2個)だけ回転不変量Irが求まる。
本発明はこれら回転不変量同士を比較することで、前記指紋の照合を簡単化する。
以上に述べたように、本発明のアルゴリズムは非常に簡単である。そして、本発明は回転誤差補正が不要であるので、指紋照合に要する時間を短縮することができる。
また、前記N/2個の回転不変量Irから、指紋の比較に用いる特徴ベクトルV(Ir)を作成することができる。前記特徴ベクトルの要素数は、回転不変量Irと同数のN/2個である。
しかし、比較すべき2枚の指紋画像から作成された特徴ベクトルV1,V2をそのまま比較量に用いると、前記極座標表現行列Bあるいは回転不変量Irにおいて、動径rの小さな部分の要素数4*Nと動径rの大きな部分の要素数、加算数が同じである為、指紋画像の中心部分の特徴が強調されるきらいが有る。
そこで、デカルト座標の行列表現、比較量と同様に成るように、極座標行列表現、比較量においても、動径方向に適当な重み付けをすることが望ましい。そのような重み付けの一例として、(r*Ir)なる量が挙げられる。
このようにして作成された、回転不変量からなる特徴ベクトルV(r*Ir)を前記比較に用いることで、本発明は高い照合率を得ることが出来た。
また、前記Ir、r*Ir以外の回転不変量としては、前記偏角方向の行列値B(r,θn)から抽出した線形予測係数(LPC)が挙げられる。前記LPC係数αiは、以下の式で求める。
B(r,θn)=−Σαi*B(r,θn−i)+en……………(13)
ここで総和Σは、i=1からp迄とる。また、θnは0から2πまでの範囲の、4*N個の数列である。
B(r,θn)=−Σαi*B(r,θn−i)+en……………(13)
ここで総和Σは、i=1からp迄とる。また、θnは0から2πまでの範囲の、4*N個の数列である。
前記求めるp次のLPC係数とは、前記全体の予測誤差enを最少にする係数である。前記回転不変量であるLPC係数αiから、特徴ベクトルを同様にして作成する。また、本発明の高い照合率については、実際の実施例中でその説明を行う。
なお、特徴点比較法によって抽出される特徴点やリレーションもある種の回転不変量であるが、本発明が問題としている回転不変量の求め方とその求めた結果、特徴量がそれらと異なっていることは、以上の説明で明白である。更に、本発明で問題としている回転不変量は、前記虹彩照合の際に用いられるバーコード形式のデータとも、明らかに異なっている。
〔第一実施例〕
本発明の第一実施例である、光学式指紋照合モジュールによって撮像された指紋領域7.6mm角、大きさ128*128画素、256階調のモノクロ指紋画像の照合方法を、以下に示す。前記画像は、予め輝度調整(平均値と標準偏差の両方)されている。
本発明の第一実施例である、光学式指紋照合モジュールによって撮像された指紋領域7.6mm角、大きさ128*128画素、256階調のモノクロ指紋画像の照合方法を、以下に示す。前記画像は、予め輝度調整(平均値と標準偏差の両方)されている。
本実施例では、計34人の右手人差し指の指紋を前記モジュールによって撮像して得られた各人当たり20枚、計680枚から成る指紋画像ライブラリ中から選んだ、約400例の画像ペアを前記指紋照合率の計算に用いている。
図4は、本実施例の照合アルゴリズムのメインフローを示す図である。
前述した指紋画像データを各ケース2枚づつ読み込み、一方を登録画像、他方を比較画像とする(S(ステップ)1)。
登録画像の方は、前記2次元デカルト座標の輝度階調行列(128*128要素)を前記画像から求める。そして上記実施の形態で述べた方法により、前記画像中心を中心とした半径64の極座標表現に変換し、特徴ベクトルV1(r*Ir)を計算する(S2)。
比較画像の方はそのまま計算を行わず、前記登録画像とのx,yの2方向について、位置合わせを行う(S3)。
比較画像の方はそのまま計算を行わず、前記登録画像とのx,yの2方向について、位置合わせを行う(S3)。
その方法とは、前記指紋画像に存在する位置ズレ量(±15画素、3シグマ値)を充分に考慮して、前記登録画像と比較を行うべき領域を前記比較画像から切り出す。つまり、前記比較画像の中心を中心とする(±15,±15)の領域(矩形)内の各点を中心として、半径48の比較すべき領域(円形)を切り出す。この切り出しは、30*30=計900回行われる。
その各々の切り出し画像(計900枚)について、登録画像と同様な方法で特徴ベクトルV2(r*Ir)を計算する(S4)。
次いでそれら任意の2つの特徴ベクトルV1,V2間で、以下のような空間距離Sを計算する(S5)。
S=Σ{V2(ni)−V1(ni)}2…………(14)
総和Σは、特徴ベクトルの要素の番号を表す添字iについてとられる。ここでV(ni)は、前記特徴ベクトルの各要素である。この空間距離Sは、2つのベクトルV1,V2の各成分の差分二乗和に相当している。
S=Σ{V2(ni)−V1(ni)}2…………(14)
総和Σは、特徴ベクトルの要素の番号を表す添字iについてとられる。ここでV(ni)は、前記特徴ベクトルの各要素である。この空間距離Sは、2つのベクトルV1,V2の各成分の差分二乗和に相当している。
この900個の空間距離の中で最小の値を示すものを、その2枚の指紋画像の値、特徴ベクトル空間距離と定義する(S6)。
図5は、これらの特徴ベクトル空間距離の統計分布を、前述した約400例の指紋画像ペアについてとった結果を示す図である。
左方に現れる分布は、本人同士の指紋画像を比較した結果である。2項分布のような形状を示し、空間距離が比較的小さな領域に配置している。それに対して右方に現れる分布は、他人同士の指紋画像を比較した結果である。かなりブロードで、空間距離が比較的大きな領域に配置している。両者の分布の分離は、比較的良好である。また、これらの分布から閾値を適当に選ぶことで、本人拒否率と他人受入率を計算することができる。ここで、閾値とは、横軸(空間距離)の値であり、本人拒否率とは本人間のグラフが示す曲線の、前記閾値より右方(値の大きい方)に存在する部分の面積である。具体的にそれを求めるには、それらの部分の度数を全て足して全体の数で割る。それに対して他人受入率とは、他人間のグラフが示す曲線の、前記閾値より左方(値の小さい方)に存在する部分の面積である。
例えば、閾値を6に選べば、本人拒否率17.9%、他人受入率17.8%が得られる。これらの値は、同様なケースでのパターンマッチング法で得られた値、本人拒否率38.9%、他人受入率16.5%と比べても、良好な値である。
またこの値は、指紋比較領域が半径2.9mmととても小さいこと、最も単純な比較方法で有ることを考慮すれば、かなり良い値である。
本実施例に用いる画像の種類、領域、大きさ、階調は任意である。またカラー画像で有っても良い。また輝度ではなく任意の色の成分を比較しても良い。また登録画像の読み込みは必ずしも必要ではなく、前記予め計算された比較量(回転不変量)のみを読み込んでも良い。
本実施例では、また、比較を行う領域の大きさも任意である。また本実施例に用いる比較の方法、特徴量の計算方法は、何も空間距離、差分二乗和のそれに限ることは無く、差の絶対値(マンハッタン距離)の和等、その他公知の比較手法で良い。更に、指紋、静脈等、他の指のバイオメトリクス量を含む画像の比較にも、容易に拡張することができる。
〔第二実施例〕
本発明の第二実施例として、前記極座標表現行列値Bxyを計算する際に、(9)式の代わりに以下の式を用いた例を示す。
Bxy=C1+(y−v)*(C2−C1)…………………(15)
C1=Auv+(x−u)*(A(u+1)v−Auv)………(16)
C2=Au(v+1)+(x−u)*(A(u+1)(v+1)−Au(v+1))…(17)
u=floor(x)…………………(18)
v=floor(y)…………………(19)
本実施例によれば、行列値Bxyの抽出精度が更に良くなるので、更に照合率が向上する。
本発明の第二実施例として、前記極座標表現行列値Bxyを計算する際に、(9)式の代わりに以下の式を用いた例を示す。
Bxy=C1+(y−v)*(C2−C1)…………………(15)
C1=Auv+(x−u)*(A(u+1)v−Auv)………(16)
C2=Au(v+1)+(x−u)*(A(u+1)(v+1)−Au(v+1))…(17)
u=floor(x)…………………(18)
v=floor(y)…………………(19)
本実施例によれば、行列値Bxyの抽出精度が更に良くなるので、更に照合率が向上する。
〔第三実施例〕
本発明の第三実施例である、指紋照合方法を以下に説明する。本実施例では、(13)式で示されるLPC係数を回転不変量としている。ここで、p=14にとっている。N/2*p=48*14=672個の要素から成る特徴ベクトルV(N/2,p)同士の最小空間距離を求めて、比較量としている。
本発明の第三実施例である、指紋照合方法を以下に説明する。本実施例では、(13)式で示されるLPC係数を回転不変量としている。ここで、p=14にとっている。N/2*p=48*14=672個の要素から成る特徴ベクトルV(N/2,p)同士の最小空間距離を求めて、比較量としている。
本実施例によれば、前記比較すべき特徴量が先の第一、第二実施例のN/2=48個から672個と大幅に増加しているので、それだけ高精度な比較が可能となる。その結果、前記第一、第二実施例の単純な係数の差分二乗和を評価する方法と比べて、照合率の改善、向上を見込むことが出来る。
先のP=14という次数は任意であり、照合システムに最適になるよう選定して無論構わない。
また、比較量は、特に前記LPC係数そのものである必要はなく、先に説明したように適宜重み付けをしてもよい。またそれらの線形結合、関数であっても、むろん構わない。
〔第四実施例〕
本発明の第四実施例として、虹彩照合方法を以下に示す。
本発明の第四実施例として、虹彩照合方法を以下に示す。
図6は、本実施例の虹彩画像を示す図である。
図7は、本実施例の虹彩照合のメインフローを示す図である。
まず最初に、指紋画像と同様に虹彩の登録画像と比較画像とを読み込む(S1)。
次いで図6に示すように、登録画像の方の眼(41)の瞳中心(42)を公知の方法で検出する(S2)。
前記瞳中心52に対して前記画像行列の極座標変換を行い、(13)式から同様にして回転不変量であるLPC係数を求める。前記LPC係数から前記特徴ベクトルを作成する。その際用いる前記LPC係数にはr値の制限を設け、虹彩(43)の領域に含まれる係数のみとする(S3)。
次いで比較画像の瞳中心を、同様にして求める(S4)。
次いで比較画像の特徴ベクトルを、同様にして作成する(S5)。
このように、本実施例では特に位置ズレの補正は行っていない。虹彩照合においては、指紋照合等とは異なり、図形の中心の検出が容易だからである。
次いで前記登録画像と比較画像の特徴ベクトルから、空間距離を計算する。それを照合判定に用いる(S6)。
前記照合には一般的に、1:1照合(認証)と1:N照合(識別)とが存在する。1:1照合の場合には、前記求めた空間距離が予め決められている閾値よりも小さい場合には同一人物と判定する。また、1:N照合の場合には、前記空間距離が最も小さい人物を、その識別対象と判断する。
本実施例によれば、前記虹彩照合だけでなく、網膜照合等、任意の各種バイオメトリクス照合等に本発明を応用することができる。
また、本発明では図4や7の照合アルゴリズム、フローを採用したが、これに限定されることはなく、公知の他の照合フローであっても、むろん構わない。
11,21,31…行列
12,22,32…要素
51…眼
52…瞳中心
53…虹彩
12,22,32…要素
51…眼
52…瞳中心
53…虹彩
Claims (10)
- 画像を用いてバイオメトリクス照合を行う照合方法において、前記照合を行う比較量は前記画像の階調を表す値から算術計算で求めた回転不変量であることを特徴とするバイオメトリクス照合方法。
- 前記回転不変量は、デカルト座標の輝度階調行列から求めた回転不変量であることを特徴とする請求項1に記載のバイオメトリクス照合方法。
- 前記回転不変量は、回転群を考慮して求めることを特徴とする請求項2に記載のバイオメトリクス照合方法。
- 前記回転不変量は、前記輝度階調行列を極座標変換して求めた行列から計算することを特徴とする請求項2に記載のバイオメトリクス照合方法。
- 前記回転不変量は、前記極座標変換して求めた行列の偏角方向の和であることを特徴とする請求項4に記載のバイオメトリクス照合方法。
- 前記回転不変量は、前記極座標変換して求めた行列の偏角方向の値から線形予測を行って求めた線形予測係数又はその関数であることを特徴とする請求項4に記載のバイオメトリクス照合方法。
- 前記回転不変量は、前記極座標変換して求めた行列の値を動径方向に適当な重み付けをして加えた値であることを特徴とする請求項4に記載のバイオメトリクス照合方法。
- 登録画像と比較画像について求めた前記回転不変量から特徴ベクトルを作成し、両特徴ベクトルの空間距離を算出して比較することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のバイオメトリクス照合方法。
- 前記照合を行うバイオメトリクス量とは、指紋又は虹彩であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のバイオメトリクス照合方法。
- 前記照合を行うバイオメトリクス量は、虹彩であって、登録画像と比較画像の中心を検出して照合することを特徴とする請求項9に記載のバイオメトリクス照合方法。
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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