JP2006243600A - 熱現像感光材料及びその画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 印刷製版用のスキャナー、イメージセッター用として、超硬調で写真性能及び画像保存性が良好で且つ環境的にも負荷が小さく作業環境に悪影響を及ぼさない熱現像感光材料及びその画像形成方法を提供する。
【解決手段】 支持体上に非感光性有機銀塩、還元剤、感光性ハロゲン化銀、硬調化剤およびバインダーを含有する画像形成層と該画像形成層を保護する非感光性層を各々少なくとも1層以上有する熱現像感光材料において、前記バインダーがモノマー単位としてスチレンを含有しないバインダーであり、かつ該熱現像感光材料から発生するにおい強度が120℃で−3以上1以下であることを特徴とする熱現像感光材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱現像感光材料及びその画像形成方法に関し、特に印刷製版用に適した熱現像感光材料及び画像形成方法に関するものである。更に詳しくは、超硬調で且つ環境負荷が小さく、作業環境に悪影響を及ぼさない熱現像感光材料及びその画像形成方法にに関する。
近年医療分野において環境保全、省スペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー・イメージセッターまたはレーザー・イメージャーにより効率的に露光させることができ、高解像度および鮮明さを有する鮮明な黒色画像を形成することができる医療診断用および写真技術用途の熱現像感光材料に関する技術が必要とされている。これらの熱現像感光材料では、溶液系の現像処理化学薬品の使用をなくし、より簡単で環境を損なわない熱現像処理システムを顧客に対して供給することができる。
しかしながら、これら熱現像感光材料の現像は現像時と保管時の温度差によってのみ開始されるものであるため、保管時においても僅かながら現像が進む傾向にある。このことは現像後の感光材料の保管における被り濃度増加という問題、いわゆる画像保存性の悪化を生じさせる。この画像保存性の改善方法として熱カブリ防止剤の使用が有効であるが、熱カブリ防止剤を用いると画像保存性の改良は見られるものの、現像前の保存での感度低下の問題を生じさせるという問題があり、両者を満足する解決手法が求められていた。
また、これらの熱現像感光材料の作製方法としては、有機溶剤などの溶剤を含む塗布液を塗布乾燥する方法が一般的に行われているが、作製した熱現像感光材料に残存している溶剤の量及び使用するバインダー種類によっては、感度やカブリなどの写真性能や画像保存性に問題が生じるばかりでなく、熱現像感光材料よりにおいが発生するため作業環境上好ましいとは言えなかった。
その解決方法として、塗布液の溶剤量を規定した方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)が、充分とはいえない。
特開2003−156817号公報 (特許請求の範囲、実施例)
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、特に印刷製版用のスキャナー、イメージセッター用として、超硬調で写真性能及び画像保存性が良好で且つ環境的にも負荷が小さく作業環境に悪影響を及ぼさない熱現像感光材料及びその画像形成方法を提供することを課題とした。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
(請求項1)
支持体上に非感光性有機銀塩、還元剤、感光性ハロゲン化銀、硬調化剤およびバインダーを含有する画像形成層と該画像形成層を保護する非感光性層を各々少なくとも1層以上有する熱現像感光材料において、前記バインダーがモノマー単位としてスチレンを含有しないバインダーであり、かつ該熱現像感光材料から発生するにおい強度が120℃で−3以上1以下であることを特徴とする熱現像感光材料。
(請求項2)
熱現像自動現像機の熱現像部の前にプレヒート部を有し、該プレヒート部の温度が80〜120℃である熱現像機を用いて、請求項1に記載の熱現像感光材料を処理することを特徴とする画像形成方法。
本発明により、印刷製版用のスキャナー、イメージセッター用として、超硬調で写真性能及び画像保存性が良好で且つ環境的にも負荷が小さく作業環境に悪影響を及ぼさない熱現像感光材料及びその画像形成方法を提供することができた。
本発明を更に詳しく説明する。なお、本明細書で数値範囲に関して「〜」と表記する場合には、その前後に記載される数値を下限値又は上限値として含む意味で使用される。
本発明の熱現像感光材料は、支持体上に非感光性有機銀塩、該有機銀の還元剤、感光性ハロゲン化銀、硬調化剤およびバインダーを含有する画像形成層と該画像形成層を保護する非感光性層を各々少なくとも1層以上有する熱現像感光材料であり、前記バインダーがモノマー単位としてスチレンを含有しないバインダーであり、かつ該熱現像感光材料から発生するにおい強度が120℃で−3以上1以下であることを特徴とするものである。このような熱現像感光材料は、作業環境に悪影響を及ぼさない点で優れており、かつ、写真性能及び画像保存性も良好であるという特徴を有する。
120℃におけるにおい強度は、好ましくは−3〜1.0、より好ましくは−2.5〜0.5、更に好ましくは−2.5〜0である。
本発明において、熱現像感光材料から発生する「におい強度」とは、以下の方法によって測定した値である。
試料の調製
熱現像感光材料を密閉包装している包材から室温(25℃)で取り出して直ちに4cm×4cmの大きさに裁断し、サンプルバッグ(ポリエチレンテレフタレート製:容量2リットル)に封入後窒素ガスを充填する。120℃の測定では窒素ガスを充填したサンプルバッグをホットプレートにて120℃で4分間加熱を行なう。
におい強度の測定
におい識別装置FF−1((株)島津製作所製:カーボン系捕集管による昇温熱脱離濃縮方式、酸化物半導体センサ、6センサ)でサンプルバッグ内の臭気を捕集し、におい強度SC1(SC1軸の数値)を測定する。測定条件を次に示す。
恒温槽温度:60℃
定常持ガス流量:40ml/min
サンプリング流量:165ml/min
サンプリング時間:18s (捕集管温度 40℃)
ドライパージ流量:500ml/min
ドライパージ時間:90s (捕集管温度 40℃)
デソープション流量:20ml/min
デソープション時間:120s (捕集管温度 220℃)
クリーニング流量:150ml/min
クリーニング時間:60s (捕集管温度 250℃)
におい強度の校正
上記測定条件で得られるにおい強度SC1について、下記の方法により校正する。これにより、常に同じものさしで比較することができる。標準データは、5ppmのトルエンを用い、サンプリング時間を3秒、12秒、48秒と濃縮度を変えて3点測定する。これらのSC1値をそれぞれ−1.0、0.0、1.8とし、FF−1の校正を行なう。5ppmのトルエンは市販のものが使用できる。フィルム試料を測定するたびに、上記の方法で校正することにより、センサの経時劣化を補正した、再現性の良いデータが得られる。この測定は、FF−1の校正シーケンスという自動測定のモードを選択し、FF−1に組み込まれている、ソフトを立ち上げることにより、自動的に計算させることができる。
次に、本発明の熱現像感光材料に使用されるバインダーについて説明する。本発明の熱現像感光材料に使用されるバインダーはモノマー単位としてスチレンを含有しないことを特徴とする。スチレンモノマーは芳香臭を有するため、モノマー単位としてスチレンを含有するバインダーを使用すると臭気が強くなるという欠点を有する。
本発明の好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。
親水性でも疎水性でもよいが、本発明においては、熱現像後のカブリを低減させるために、疎水性透明バインダーを使用することが好ましい。好ましいバインダーとしては、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタンなどがあげられる。その中でもポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステルは特に好ましく用いられる。
またもう一つの好ましいバインダーとしては、以下に述べるポリマーラテックスである。ポリマーラテックスは、画像形成層に含有することが好ましい。ポリマーラテックスは全バインダーの50質量%以上含有することが好ましい。本発明において「ポリマーラテックス」とは水不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよい。
なお本発明におけるポリマーラテックスについては「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」などに記載されている。分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度の範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。本発明におけるポリマーラテックスとしては通常の均一構造のポリマーラテックス以外、いわゆるコア/シェル型のラテックスでもよい。この場合コアとシェルはガラス転移温度を変えると好ましい場合がある。
本発明のポリマーラテックスの最低造膜温度(MFT)は−30℃〜90℃、より好ましくは0℃〜70℃程度が好ましい。最低造膜温度をコントロールするために造膜助剤を添加してもよい。造膜助剤は可塑剤ともよばれポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化合物(通常有機溶剤)で、例えば前述の「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」に記載されている。
本発明におけるポリマーラテックスに用いられるポリマー種としてはアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂、またはこれらの共重合体などがある。ポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでも、また架橋されたポリマーでも良い。またポリマーとしては単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでも良いし、2種以上のモノマーが重合したコポリマーでも良い。コポリマーの場合はランダムコポリマーでもブロックコポリマーでも良い。ポリマーの分子量は数平均分子量で5000〜1000000、好ましくは10000〜100000程度か好ましい。分子量が小さすぎるものは画像形成層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは製膜性が悪く好ましくない。
本発明に用いられるポリマーラテックスのポリマーは25℃60%RHでの平衡含水率が0.01質量%以上2質量%以下のものが好ましく、0.01質量%以上1質量%以下のものであることがより好ましい。平衡含水率の定義と測定法については、例えば「高分子工学講座14、高分子材料試験法(高分子学会編、地人書館)」などを参考にすることができる。
本発明の熱現像感光材料の画像形成層のバインダーとして用いられるポリマーラテックスの具体例としては、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート/2エチルヘキシルアクリレート/アクリル酸コポリマーのラテックス、スチレン/ブタジエン/アクリル酸コポリマーのラテックス、スチレン/ブタジエン/ジビニルベンゼン/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート/塩化ビニル/アクリル酸コポリマーのラテックス、塩化ビニリデン/エチルアクリレート/アクリロニトリル/メタクリル酸コポリマーのラテックスなどが挙げられる。
また、このようなポリマーは市販もされていて、以下のようなポリマーが利用できる。例えばアクリル樹脂の例として、セビアンA−4635,46583、4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、820、857(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリエステル樹脂としては、FINETEX ES650、611、675、850(以上大日本インキ化学(株)製)、WD−size、WMS(以上イーストマンケミカル製)など、ポリウレタン樹脂としてはHYDRAN AP10、20、30、40(以上大日本インキ化学(株)製)など、ゴム系樹脂としてはLACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以上大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416、410、438C、2507、(以上日本ゼオン(株)製)など、塩化ビニル樹脂としてはG351、G576(以上日本ゼオン(株)製)など、塩化ビニリデン樹脂としてはL502、L513(以上旭化成工業(株)製)など、オレフィン樹脂としてはケミパールS120、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙げることができる。これらのポリマーは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドして用いても良い。
ポリマーラテックスのポリマー種としては、アクリレートまたはメタクリレート成分のごときカルボン酸成分を0.1〜10質量%程度含有するものが好ましい。ポリマーラテックスを画像形成層に用いるときには、画像形成層は全バインダーの50質量%以上が上記ポリマーラテックスであることが好ましく、70質量%以上が上記ポリマーラテックスであることがより好ましい。その場合、画像形成層には必要に応じて全バインダーの50質量%以下の範囲でゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加しても良い。これらの親水性ポリマーの添加量は画像形成層の全バインダーの30質量%以下が好ましい。
画像形成層にポリマーラテックスを用いる場合は、画像形成層は水系の塗布液を塗布後乾燥して調製することが好ましい。ただし、ここで言う「水系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の50質量%以上が水であることをいい、好ましくは溶媒の65質量%以上が水である。塗布液の水以外の成分はメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなどの水混和性の有機溶媒を用いることができる。具体的な溶媒組成の例としては以下のようなものがある。水/メタノール=90/10、水/メタノール=70/30、水/エタノール=90/10、水/イソプロパノール=90/10、水/ジメチルホルムアミド=95/5、水/メタノール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メタノール/ジメチルホルムアミド=90/5/5。(ただし数字は質量%を表す。)
画像形成層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。画像形成層にポリマーラテックスを含有する場合、熱画像形成層塗布液は、いわゆるチキソトロピー流体であることが好ましい。チキソトロピー性とは剪断速度の増加に伴い、粘度が低下する性質を言う。本発明の粘度測定にはいかなる装置を使用してもよいが、レオメトリックスファーイースト株式会社製RFS フルードスペクトロメーターが好ましく用いられ25℃で測定される。
本発明における有機銀塩含有体もしくは熱画像形成層塗布液は剪断速度0.1s-1における粘度は400mPa・s以上100,000mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは500mPa・s以上20,000mPa・s以下である。また、剪断速度1000s-1においては1mPa・s以上200mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは5mPa・s以上80mPa・s以下である。
チキソトロピー性を発現する系は各種知られており高分子刊行会編「講座・レオロジー」、室井、森野共著「高分子ラテックス」(高分子刊行会発行)などに記載されている。流体がチキソトロピー性を発現させるには固体微粒子を多く含有することが必要である。また、チキソトロピー性を強くするには増粘線形高分子を含有させること、含有する固体微粒子の異方形でアスペクト比が大きくすること、アルカリ増粘、界面活性剤の使用などが有効である。
画像形成層の全バインダー量は0.2〜30g/m2、より好ましくは1〜15g/m2の範囲が好ましい。
また熱現像感光材料の表面を保護したり擦り傷を防止するために、感光層の外側に非感光層を有することができる。これらの非感光層に用いられるバインダーは感光層に用いられるバインダーと同じ種類でも異なった種類でもよい。
本発明においては、熱現像の速度を速めるために感光層のバインダー量が0.5〜30g/m2であることが好ましい。さらに好ましくは1〜15g/m2である。0.5g/m2未満では未露光部の濃度が大幅に上昇し、使用に耐えない場合がある。
本発明においては、感光層側にマット剤を含有することが好ましく、熱現像後の画像の傷つき防止のためには、熱現像感光材料の表面にマット剤を配することが好ましく、そのマット剤を感光層側の全バインダーに対し、質量比で0.5〜30%含有することが好ましい。また、支持体をはさみ感光層の反対側に非感光層を設ける場合は、非感光層側の少なくとも1層中にマット剤を含有することが好ましく、熱現像感光材料のすべり性や指紋付着防止のためにも表面にマット剤を配することが好ましく、そのマット剤を感光層側の反対側の層の全バインダーに対し、質量比で0.5〜40%含有することが好ましい。マット剤の形状は、定形、不定形どちらでも良いが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられる。
本発明の熱現像感光材料は支持体上に感光層のみを形成しても良いが、感光層の上に少なくとも1層の非感光層を形成することが好ましい。感光層に通過する光の量又は波長分布を制御するために感光層と同じ側にフィルター染料層および/又は反対側にアンチハレーション染料層、いわゆるバッキング層を形成しても良いし、感光性層に染料又は顔料を含ませても良い。
本発明の熱現像感光材料は有機銀塩を含む。本発明に用いることのできる有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された光触媒(感光性ハロゲン化銀の潜像など)及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀画像を形成する銀塩である。有機銀塩は銀イオンを還元できる源を含む任意の有機物質であってよい。有機酸の銀塩、特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜28の)長鎖脂肪カルボン酸の銀塩が好ましい。配位子が4.0〜10.0の範囲の錯安定定数を有する有機または無機銀塩の錯体も好ましい。このような非感光性の有機銀塩については、特開平10−62899号の段落番号0048〜0049、欧州特許公開第0803764A1号の第18ページ第24行〜第19ページ第37行、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号等に記載されている。好ましい有機銀塩はカルボキシル基を有する有機化合物の銀塩を含む。これらの例は、脂肪族カルボン酸の銀塩および芳香族カルボン酸の銀塩を含むがこれらに限定されることはない。脂肪族カルボン酸の銀塩の好ましい例としては、ベヘン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、リノール酸銀、酪酸銀及び樟脳酸銀、これらの混合物などを含む。銀供給物質としての有機銀塩は、好ましくは画像形成層の約5〜30質量%を構成することができる。
本発明に用いることができる有機銀塩の形状としては特に制限はないが、短軸と長軸を有する針状結晶が好ましい。ハロゲン化銀写真感光材料分野で銀塩結晶粒子のサイズとその被覆力の間にある反比例の関係はよく知られている。この関係は本発明における熱現像感光材料においても成立し、熱現像感光材料の画像形成部である有機銀塩粒子が大きいと被覆力が小さく、画像濃度が低くなることを意味する。従って、有機銀塩のサイズを小さくすることが好ましい。本発明においては短軸0.01μm以上0.20μm以下、長軸0.10μm以上5.0μm以下が好ましく、短軸0.01μm以上0.15μm以下、長軸0.10μm以上4.0μm以下がより好ましい。有機銀塩の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。単分散とは短軸、長軸それぞれの長さの標準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の100分率が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下であることである。有機銀塩の形状の測定方法としては有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像より求めることができる。単分散性を測定する別の方法として、有機銀塩の体積荷重平均直径の標準偏差から求める方法があり、その場合、単分散とは、標準偏差を体積荷重平均直径で割った値の100分率(変動係数)が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下であることである。測定方法としては例えば液中に分散した有機銀塩にレーザー光を照射し、その散乱光のゆらぎの時間変化にたいする自己相関関数を求めることにより得られた粒子サイズ(体積荷重平均直径)から求めることができる。
有機銀塩は所望の量で使用できるが、銀塗布量として0.1〜5g/m2が好ましく、さらに好ましくは1〜3g/m2である。
本発明の熱現像感光材料は感光性ハロゲン化銀を含む。本発明で用いる感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、および米国特許第3,700,458号明細書に記載されている方法を用いることができる。本発明で用いることのできる具体的な方法としては、調製された有機銀塩中にハロゲン含有化合物を添加することにより有機銀塩の銀の一部を感光性ハロゲン化銀に変換する方法、ゼラチンあるいは他のポリマー溶液の中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀粒子を調製し有機銀塩と混合する方法を用いることができる。本発明において好ましくは後者の方法を用いることができる。感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、画像形成後の白濁を低く抑える目的のために小さいことが好ましく具体的には0.01μm以上0.15μm以下、更に好ましくは0.02μm以上0.10μm以下がよい。ハロゲン化銀粒子サイズが小さすぎると感度が不足し、大きすぎると感光材料のヘイズが増す問題を生じる場合がある。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体あるいは八面体のいわゆる正常晶である場合にはハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。また、ハロゲン化銀粒子が平板状粒子である場合には主表面の投影面積と同面積の円像に換算したときの直径をいう。その他正常晶でない場合、たとえば球状粒子、棒状粒子等の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。
ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特に立方体状粒子、平板状粒子が好ましい。平板状ハロゲン化銀粒子を用いる場合の平均アスペクト比は好ましくは100:1〜2:1、より好ましくは50:1〜3:1がよい。更に、ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。感光性ハロゲン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)については特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場合の分光増感効率が高い[100]面の占める割合が高いことが好ましい。その割合としては50%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。ミラー指数[100]面の比率は増感色素の吸着における[111]面と[100]面との吸着依存性を利用したT.Tani;J.Imaging Sci.,29、165(1985年)に記載の方法により求めることができる。感光性ハロゲン化銀のハロゲン組成としては特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀、ヨウ化銀のいずれであってもよいが、本発明においては臭化銀、あるいはヨウ臭化銀を好ましく用いることができる。特に好ましくはヨウ臭化銀であり、ヨウ化銀含有率は0.1モル%以上40モル%以下が好ましく、0.1モル%以上20モル%以下がより好ましい。粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよいが、好ましい例として粒子内部のヨウ化銀含有率の高いヨウ臭化銀粒子を使用することができる。また、好ましくはコア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を用いることができる。構造としては好ましくは2〜5重構造、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。
本発明で用いる感光性ハロゲン化銀粒子は、ロジウム、レニウム、ルテニウム、オスニウム、イリジウム、コバルト、水銀または鉄から選ばれる金属の錯体を少なくとも一種含有することが好ましい。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を二種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀1モルに対し1ナノモル(nmol)から10ミリモル(mmol)の範囲が好ましく、10ナノモル(nmol)から100マイクロモル(μmol)の範囲がより好ましい。具体的な金属錯体の構造としては特開平7−225449号公報等に記載された構造の金属錯体を用いることができる。コバルト、鉄の化合物については六シアノ金属錯体を好ましく用いることができる。具体例としては、フェリシアン酸イオン、フェロシアン酸イオン、ヘキサシアノコバルト酸イオンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ハロゲン化銀中の金属錯体の含有相は均一でも、コア部に高濃度に含有させてもよく、あるいはシェル部に高濃度に含有させてもよく特に制限はない。
感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フロキュレーション法等、当業界で知られている方法の水洗により脱塩することができるが本発明においては脱塩してもしなくてもよい。
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は化学増感されていることが好ましい。好ましい化学増感法としては当業界でよく知られているように硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法を用いることができる。また金化合物や白金、パラジウム、イリジウム化合物等の貴金属増感法や還元増感法を用いることができる。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法に好ましく用いられる化合物としては公知の化合物を用いることができるが、特開平7−128768号公報等に記載の化合物を使用することができる。
本発明における感光性ハロゲン化銀の使用量としては有機銀塩1モルに対して感光性ハロゲン化銀0.01モル以上0.5モル以下が好ましく、0.02モル以上0.3モル以下がより好ましく、0.03モル以上0.25モル以下が特に好ましい。別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合方法及び混合条件については、それぞれ調製終了したハロゲン化銀粒子と有機銀塩を高速撹拌機やボールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等があるが、本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。
本発明で用いるハロゲン化銀の調製法としては、有機銀塩の一部の銀を有機または無機のハロゲン化物でハロゲン化するいわゆるハライデーション法も好ましく用いられる。ここで用いる有機ハロゲン化物としては有機銀塩と反応し、ハロゲン化銀を生成する化合物で有ればいかなるものでもよいが、N−ハロゲノイミド(N−ブロモスクシンイミドなど)、ハロゲン化4級窒素化合物(臭化テトラブチルアンモニウムなど)、ハロゲン化4級窒素塩とハロゲン分子の会合体(過臭化臭化ピリジニウム)などが挙げられる。無機ハロゲン化合物としては有機銀塩と反応しハロゲン化銀を生成する化合物で有ればいかなるものでもよいが、ハロゲン化アルカリ金属またはアンモニウム(塩化ナトリウム、臭化リチウム、ヨウ化カリウム、臭化アンモニウムなど)、ハロゲン化アルカリ土類金属(臭化カルシウム、塩化マグネシウムなど)、ハロゲン化遷移金属(塩化第2鉄、臭化第2銅など)、ハロゲン配位子を有する金属錯体(臭化イリジウム酸ナトリウム、塩化ロジウム酸アンモニウムなど)、ハロゲン分子(臭素、塩素、ヨウ素)などがある。また、所望の有機無機ハロゲン化物を併用しても良い。ハライデーションする際のハロゲン化物の添加量としては有機銀塩1モル当たりハロゲン原子として1ミリモル〜500ミリモルが好ましく、10ミリモル〜250ミリモルがさらに好ましい。
本発明に適用できる増感色素としてはハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので、露光光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。増感色素及び添加法については、特開平11−65021号の段落番号0103〜0109、特開平10−186572号般式(II)で表される化合物、特開平11−119374号の一般式(I)で表される色素及び段落番号0106、米国特許第5,510,236号、同第5,541,054号、同第3,871,887号実施例5に記載の色素、特開平2−96131号、特開昭59−48753号に開示されている色素、欧州特許公開第0803764A1号の第19ページ第38行〜第20ページ第35行、特開272747号、特開2001−290238号等に記載されている。これらの増感色素は単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。本発明における増感色素の添加量は、感度やカブリの性能に合わせて所望の量にすることができるが、感光性層のハロゲン化銀1モル当たり10-6〜1モルが好ましく、さらに好ましくは10-4〜10-1モルである。増感色素の組合せは特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色素、強色増感を示す色素の組合せ及び強色増感を示す物質はResearch Disclosure 176巻17643(1978年12月発行)第23頁IVのJ項、あるいは特公昭49−25500号公報、同43−4933号公報、特開昭59−19032号公報、同59−192242号公報等に記載されている。
本発明の熱現像感光材料は、有機銀塩のための還元剤を含む。有機銀塩のための還元剤は、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質、好ましくは有機物質であってよい。フェニドン、ハイドロキノンおよびカテコールなどの従来の写真現像剤は有用であるが、o−ビスフェノール還元剤が好ましい。o−ビスフェノール還元剤としては、例えば、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,4−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチルフェノール)、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−エチルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンが挙げられる。還元剤は、画像形成層を有する面の銀1モルに対して5〜50モル%含まれることが好ましく、10〜40モル%で含まれることがさらに好ましい。還元剤の添加層は画像形成層を有する面のいかなる層でも良いが、画像形成層に用いるのが好ましい。
本発明の熱現像感光材料では色調剤の添加が好ましく、色調剤については、特開平10−62899号の段落番号0054〜0055、欧州特許公開第0803764A1号の第21ページ第23〜48行、特開2000−35631号に記載されており、特に、フタラジノン類(フタラジノン、フタラジノン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノンおよび2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノン類とフタル酸類(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸およびテトラクロロ無水フタル酸)との組合せ;フタラジン類(フタラジン、フタラジン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジン、6−イソプロピルフタラジン、6−t−ブチルフラタジン、6−クロロフタラジン、5,7−ジメトキシフタラジンおよび2,3−ジヒドロフタラジン);フタラジン類とフタル酸類との組合せが好ましく、特にフタラジン類とフタル酸類の組合せが好ましい。色調剤は画像形成層を有する面に銀1モルあたりの0.1〜50%モルの量含まれることが好ましく、0.5〜20%モル含まれることがさらに好ましい。
本発明の熱現像感光材料は、その構成層のいずれか1層に、米国特許第3,017,280号明細書、特開平9−5916号公報に記載されたようなアジリジン化合物、米国特許第3,017,280号明細書、特開平9−5916号公報に記載されたようなエポキシ化合物及び米国特許第3,100,704号明細書に記載されたようなカルボジイミド化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することが好ましい。これらの化合物は、硬膜剤として作用し、熱現像感光材料の膜強度を高める効果がある。
まず、本発明において用いることができるアジリジン基を有する化合物について説明する。本発明には、アジリジン基を有する硬膜作用を示す化合物であれば任意に使用できるが、本発明の実施においては、下記具体的化合物を好ましく用いることができる。
Figure 2006243600
次に本発明に用いることができるエポキシ基を有する化合物について述べる。本発明においては、エポキシ基を有し、かつ硬膜作用を示す化合物であれば任意に使用できるが、エポキシ化合物としてはヒドロキシ基又はエーテル縮合を含有するのが好ましい。以下にその具体的化合物例を挙げる。
Figure 2006243600
Figure 2006243600
Figure 2006243600
Figure 2006243600
上記化合物は、ほとんど市販されており、容易に入手することができる。上記エポキシ基を有する化合物の添加方法は、該化合物をアルコール、アセトン、トルエンなどの有機溶媒や水に溶かしてそのまま添加してもよいし、ドデシルベンゼンスルホン酸塩や、ノニルフェノキシアルキレンオキシドのような界面活性剤を用いて分散してから添加してもよい。
本発明には上記のものの他、カルボジイミド化合物も用いる事ができ、好ましいカルボジイミド化合物は下記一般式にて表されるものである。
Figure 2006243600
上記の一般式中、Aは脂肪族基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アリル基、クロチル基、β−ヒドロキシエチル基、メトキシメチル−β−ブロモアリル基)、芳香族基(例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基)、脂環式基(例えば、シクロヘキシル基、ボルニル基、メンチル基)、またはヘテロ環基(例えば、ピリジル基、キノリル基)を表す。R1、R2は低級アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基のような基を表し、BそしてB1(これらは同じものでも異なっていてもよいが)はアルキレン基、アリレン基、或いはアラルキレン基、例えば、プロピレン基、フェニレン基、トリレン基、プロピルフェニレン基等の基を表す。
これらのジ−置換カルボジイミド類は、少なくとも1つの三級アミノ基を有するN,N′−ジ置換対称或いは非対称のチオウレアをBcrichte,Vol.71,1512〜21頁、同、Vol.73,467〜477頁、1114〜1123頁、同、Vol.75,100〜5頁、Annalen,Vol.560,222〜231頁、Journal of Organic Chemistry,Vol.1024〜6頁等に記載された様に、鉛或いは水銀の様な重金属の酸化物のような脱硫黄化剤にて処理することで得られる。以下に、代表的な化合物を挙げる。
N−イソプロピル−N′−(4−ジメチルアミノフェニル)カルボジイミド
N−フェニル−N′−(4−ジメチルアミノフェニル)カルボジイミド
N,N′−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)カルボジイミド
N,N′−ジ(4−ジプロピルアミノトリル)カルボジイミド
N−ボルニル−N′−(4−ジメチルアミノフェニル)カルボジイミド
N−メンチル−N′−(4−ジメチルアミノフェニル)カルボジイミド
N−(β−ブロモアリル)−N′−(γ−ジメチルアミノフェニル)カルボジイミド
N−(t−ブチル)−N′−(γ−ジメチルアミノフェニル)カルボジイミド
N−シクロヘキシル−N′−(4−ジメチルアミノフェニル)カルボジイミド
N−イソプロピル−N′−(γ−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
N−メトキシメチル−N−(γ−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
N,N′−ジ(γ−ピリジル)カルボジイミド
これらの三級アミンをもったN,N′−ジ置換カルボジイミド類は、これらを直接、或いは酢酸エチル、クロロフォルム、ベンゼン或いはトルエンやこれらの混合溶媒の存在下において、適当な4級化剤、例えば、臭化メチル、臭化エチル、沃化メチル、沃化エチル、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、p−トルエンスルフォン酸メチル、p−トルエンスルフォン酸エチル等と反応させることにより4級アンモニウム塩にする事もでき、これにより溶解性をコントロールすることが出来る。4級塩の形で添加してもよい。以下に4級化したN,N′−ジ置換カルボジイミドをあげる。
N−イソプロピル−N′−(4−ジメチルアミノフェニル)カルボジイミド−エチル−p−トルエンスルフォネート
N−フェニル−N′−(4−ジメチルアミノフェニル)カルボジイミド−エチル−p−トルエンスルフォネート
N,N′−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)カルボジイミド−モノエトブロミド
N,N′−ジ(4−ジプロピルアミノトリル)カルボジイミド−エチル−p−トルエンスルフォネート
N−ボルニル−N′−(4−ジメチルアミノフェニル)カルボジイミド−メトサルフェート
N−メンチル−N′−(4−ジメチルアミノフェニル)カルボジイミド−エトサルフェート
N−(β−ブロモアリル)−N′−(γ−ジメチルアミノフェニル)カルボジイミドエトサルフェート
N−(t−ブチル)−N′−(γ−ジメチルアミノフェニル)カルボジイミドエチル−p−トルエンスルフォネート
N−シクロヘキシル−N′−(4−ジメチルアミノフェニル)カルボジイミドエチル−p−トルエンスルフォネート
N−イソプロピル−N′−(γ−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドエトブロミド
N−メトキシメチル−N−(γ−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドエチル−p−トルエンスルフォネート
N,N′−ジ(γ−ピリジル)カルボジイミド−モノメトサルフェート
一般にアジリジン化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物等本発明に係るこれらの硬化剤は銀1モルに対して0.002モル以上の量で用いられる。通常は銀1モルに対して0.002〜2モルの上記化合物、好ましくは銀1モルに対して0.003〜0.3モルの上記化合物の範囲で用いられる。
本発明で用いるハロゲン化銀乳剤または/および有機銀塩は、カブリ防止剤、安定剤および安定剤前駆体によって、付加的なかぶりの生成に対して更に保護され、在庫貯蔵中における感度の低下に対して安定化することができる。単独または組合せて使用することができる適当なカブリ防止剤、安定剤および安定剤前駆体は、米国特許第2,131,038号明細書および同第2,694,716号明細書に記載のチアゾニウム塩、米国特許第2,886,437号明細書および同第2,444,605号明細書に記載のアザインデン、特開平9−329865号および米国特許第6,083,681号明細書に記載の化合物、米国特許第2,728,663号明細書に記載の水銀塩、米国特許第3,287,135号明細書に記載のウラゾール、米国特許第3,235,652号明細書に記載のスルホカテコール、英国特許第623,448号明細書に記載のオキシム、ニトロン、ニトロインダゾール、米国特許第2,839,405号明細書に記載の多価金属塩、米国特許第3,220,839号明細書に記載のチウロニウム塩、米国特許第2,566,263号明細書および同第2,597,915号明細書に記載のパラジウム、白金および金塩、米国特許第4,108,665号明細書および同第4,442,202号明細書に記載のハロゲン置換有機化合物、米国特許第4,128,557号明細書、同第4,137,079号明細書、第4,138,365号明細書および同第4,459,350号明細書に記載のトリアジンならびに米国特許第4,411,985号明細書に記載のリン化合物などがある。
本発明に好ましく用いられるカブリ防止剤は有機ハロゲン化物であり、中でもポリハロメチル化合物、特にトリアロメチルスルホン化合物が好ましい。有機ハロゲン化物は例えば、特開昭50−119624号公報、同50−120328号公報、同51−121332号公報、同54−58022号公報、同56−70543号公報、同56−99335号公報、同59−90842号公報、同61−129642号公報、同62−129845号公報、特開平6−208191号公報、同7−5621号公報、同7−2781号公報、同8−15809号公報、同9−160167号公報、同9−244177号公報、同9−244178号公報、同9−258367号公報、同9−265150号公報、同9−319022号公報、同10−171063号公報、同11−212211号公報、同11−231460号公報、同11−242304号公報、米国特許第5340712号明細書、同第5369000号明細書、同第5464737号明細書に開示されているような化合物が挙げられ、具体的には、2−(トリブロモメチルスルホン)キノリン、2−(トリブロモメチルスルホン)ピリジン、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリブロモメチルナフチルスルホンなどが挙げられる。
本発明を実施するために必要ではないが、感光性層にカブリ防止剤として水銀(II)塩を加えることが有利なことがある。この目的に好ましい水銀(II)塩は、酢酸水銀および臭化水銀である。本発明に使用する水銀の添加量としては、塗布された銀1モル当たり好ましくは1ナノモル(nmol)〜1ミリモル(mmol)、さらに好ましくは10ナノモル(nmol)〜100マイクロモル(μmol)の範囲である。
本発明の熱現像感光材料は高感度化やカブリ防止を目的として安息香酸類を含有してもよい。本発明で用いる安息香酸類はいかなる安息香酸誘導体でもよいが、好ましい構造の例としては、米国特許第4,784,939号明細書、同第4,152,160号明細書、特開平9−281637号公報、同9−329864号公報、同9−329865号公報などに記載の化合物が挙げられる。本発明で用いる安息香酸類は感光材料のいかなる部位に添加してもよいが、添加層としては感光性層を有する面の層に添加することが好ましく、有機銀塩含有層に添加することがさらに好ましい。安息香酸類の添加時期としては塗布液調製のいかなる工程で行ってもよく、有機銀塩含有層に添加する場合は有機銀塩調製時から塗布液調製時のいかなる工程でもよいが有機銀塩調製後から塗布直前が好ましい。安息香酸類の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいかなる方法で行ってもよい。また、増感色素、還元剤、色調剤など他の添加物と混合した溶液として添加してもよい。安息香酸類の添加量としてはいかなる量でも良いが、銀1モル当たり1マイクロモル(μmol)以上2モル(mol)以下が好ましく、1ミリモル(mmol)以上0.5モル(mol)以下がさらに好ましい。
本発明には現像を抑制あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができる。本発明にメルカプト化合物を使用する場合、いかなる構造のものでもよいが、Ar−SM、Ar−S−S−Arで表されるものが好ましい。式中、Mは水素原子またはアルカリ金属原子であり、Arは1個以上の窒素、イオウ、酸素、セレニウムまたはテルリウム原子を有する芳香環または縮合芳香環である。好ましくは、複素芳香環はベンズイミダゾール、ナフスイミダゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンズオキサゾール、ナフスオキサゾール、ベンゾセレナゾール、ベンゾテルラゾール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、トリアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、プリン、キノリンまたはキナゾリノンである。この複素芳香環は、例えば、ハロゲン(例えば、BrおよびCl)、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、アルキル(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)およびアルコキシ(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)からなる置換基群から選択されるものを有してもよい。メルカプト置換複素芳香族化合物をとしては、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾール、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2,2’−ジチオビス−ベンゾチアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4,5−ジフェニル−2−イミダゾールチオール、2−メルカプトイミダゾール、1−エチル−2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトキノリン、8−メルカプトプリン、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリノン、7−トリフルオロメチル−4−キノリンチオール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−ピリジンチオール、4−アミノ−6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジンモノヒドレート、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4−ヒドキロシ−2−メルカプトピリミジン、2−メルカプトピリミジン、4,6−ジアミノ−2−メルカプトピリミジン、2−メルカプト−4−メチルピリミジンヒドロクロリド、3−メルカプト−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−4−フェニルオキサゾールなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。これらのメルカプト化合物の添加量としては感光性層中に銀1モル当たり0.001〜1.0モルの範囲が好ましく、さらに好ましくは、銀の1モル当たり0.01〜0.3モルの量である。
本発明の感光性層に用いることのできる可塑剤および潤滑剤については特開平11−65021号段落番号0117、超硬調画像形成のための超硬調化剤やその添加方法や量については、同号段落番号0118、特開平11−223898号段落番号0136〜0193、特開2000−284399号の式(H)、式(1)〜(3)、式(A)、(B)の化合物、硬調化促進剤については特開平11−65021号段落番号0102、特開平11−223898号段落番号0194〜0195に記載されている。
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子を含有する感光性層は露光波長での吸収(吸光度)が0.1以上0.6以下であることが好ましく、0.2以上0.5以下であることがさらに好ましい。吸収が大きいとDminが上昇し画像が判別しにくくなり、吸収が少ないと鮮鋭性が損なわれる。本発明における感光性層に吸収を持たせるにはいかなる方法でもよいが染料を用いることが好ましい。染料としては先述の吸収条件を満たすものであればいかなるものでもよく、例えばピラゾロアゾール染料、アントラキノン染料、アゾ染料、アゾメチン染料、オキソノール染料、カルボシアニン染料、スチリル染料、トリフェニルメタン染料、インドアニリン染料、インドフェノール染料、スクアリリウム染料などが挙げられる。本発明に用いられる好ましい染料としてはアントラキノン染料(例えば特開平5−341441号公報記載の化合物1〜9、特開平5−165147号公報記載の化合物3−6〜18および3−23〜38など)、アゾメチン染料(特開平5−341441号公報記載の化合物17〜47など)、インドアニリン染料(例えば特開平5−289227号公報記載の化合物11〜19、特開平5−341441号公報記載の化合物47、特開平5−165147号公報記載の化合物2−10〜11など)、アゾ染料(特開平5−341441号公報記載の化合物10〜16)およびスクアリリウム染料(特開平10−104779号公報記載の化合物1〜20、米国特許5,380,635号明細書記載の化合物1a〜3d)である。これらの染料の添加法としては、溶液、乳化物、固体微粒子分散物、高分子媒染剤に媒染された状態などいかなる方法でも良い。これらの化合物の使用量は目的の吸収量によって決められるが、一般的に1m2当たり1μg以上1g以下の範囲で用いることが好ましい。
本発明では、感光性ハロゲン化銀粒子を含有する感光性層以外のいずれかの構成層の露光波長での吸収(吸光度)が0.1以上3.0以下であることが好ましく、0.3以上2.0以下であることがハレーション防止の点においてさらに好ましい。該露光波長で上記範囲の吸光度を有する部分としては感光性層の支持体を挟んで反対の面の層(バック層、バック面下塗りもしくは下引き層、バック層の保護層)あるいは感光性ハロゲン化銀粒子を含有する感光性層と支持体の間(下塗りもしくは下引き層)が好ましい。感光性ハロゲン化銀粒子が赤外領域に分光増感されている場合には、感光性層以外の部分に吸収を持たせるにはいかなる方法でもよいが、可視領域での吸収極大が0.3以下となるようにすることが好ましい。吸収を持たせるのに使用する染料としては、感光性層に吸収を持たせるのに使用できる染料と同様のものを使用でき、該感光性ハロゲン化銀層に用いた染料とは同一でも異なってもよい。
感光性ハロゲン化銀粒子が可視領域に分光増感されている場合には、感光性層以外の部分に吸収を持たせるにはいかなる方法でもよいが、加熱処理で消色する染料、もしくは加熱処理で染料を消色させる化合物および消色される染料の組合せを用いることが好ましい。消色する染料および染料を消色させる化合物の例としては以下の文献に記載のものが挙げられるが、本発明はこれに限られるものではない。特開昭52−139136号公報、同53−132334号公報、同56−501480号公報、同57−16060号公報、同57−68831号公報、同57−101835号公報、同59−182436号公報、特開平7−36145号公報、同7−199409号公報、特公昭48−33692号公報、同50−16648号公報、特公平2−41734号公報、米国特許第4,088,497号明細書、同第4,283,487号明細書、同第4,548,896号明細書、同第5,187,049号明細書に開示されている。これらの化合物の使用量は目的の吸収量によって決められるが、一般的に1m2当たり1μg以上1g以下の範囲で用いることが好ましい。
本発明における熱現像感光材料は感光性層(画像形成層)の付着防止などの目的で表面保護層を設けることができる。表面保護層のバインダーとしては、いかなるポリマーを使用してもよい。該バインダーの例としては、ポリエステル、ゼラチン、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体などがあるが、セルロース誘導体が好ましい。該セルロース誘導体の例を以下に挙げるがこれらに限られるわけではない。例えば、酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどやこれらの混合物がある。本発明における表面保護層の厚さとしては0.1〜10μmが好ましく、1〜5μmが特に好ましい。
表面保護層としては、いかなる付着防止材料を使用してもよい。付着防止材料の例としては、ワックス、流動パラフィン、シリカ粒子、スチレン含有エラストマー性ブロックコポリマー(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン)、酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネートやこれらの混合物などがある。
本発明における感光性層もしくは感光性層の保護層には、米国特許第3,253,921号明細書、同第2,274,782号明細書、同第2,527,583号明細書および同第2,956,879号明細書に記載されているような光吸収物質およびフィルター染料を含む写真要素において使用することができる。また、例えば米国特許第3,282,699号明細書に記載のように染料を媒染することができる。フィルター染料の使用量としては露光波長での吸光度として0.1〜3が好ましく、0.2〜1.5が特に好ましい。本発明における感光性層もしくは感光性層の保護層には、艶消剤、例えばデンプン、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、米国特許第2,992,101号明細書および同第2,701,245号明細書に記載された種類のビーズを含むポリマービーズなどを含有することができる。また、乳剤面のマット度は、画像部に小さな白抜けが生じ、光漏れが発生するいわゆる星屑故障が生じなければいかようでもよいが、ベック平滑度として200秒以上10000秒以下が好ましく、特に300秒以上10000秒以下が好ましい。
本発明の熱現像感光材料において感光性層は、支持体上に一またはそれ以上の層で構成される。一層の構成は有機銀塩、ハロゲン化銀、還元剤およびバインダー、ならびに色調剤、被覆助剤および他の補助剤などの所望による追加の材料を含まなければならない。二層の構成は、第1感光性層(通常は基材に隣接した層)中に有機銀塩およびハロゲン化銀を含み、第2層または両層中にいくつかの他の成分を含まなければならない。全ての成分を含む単一感光性層および保護トップコートを含んでなる二層の構成も考えられる。多色感光性熱現像写真材料の構成は、各色についてこれらの二層の組合せを含んでよく、また、米国特許第4,708,928号明細書に記載されているように単一層内に全ての成分を含んでいてもよい。多染料多色感光性熱現像写真材料の場合、各感光性層は、一般に、米国特許第4,460,681号明細書に記載されているように、各感光性層の間に官能性もしくは非官能性のバリアー層を使用することにより、互いに区別されて保持される。
本発明における熱現像感光性材料は、支持体の一方の側に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤を含む感光性層を有し、他方の側にバック層を有する、いわゆる片面感光材料が好ましい。
本発明の熱現像感光材料は、搬送性改良のために、マット剤を添加してもよい。マット剤は、一般に水に不溶性の有機または無機化合物の微粒子である。マット剤としては任意のものを使用でき、例えば米国特許第1,939,213号明細書、同2,701,245号明細書、同2,322,037号明細書、同3,262,782号明細書、同3,539,344号明細書、同3,767,448号明細書等の各明細書に記載の有機マット剤、同1,260,772号明細書、同2,192,241号明細書、同3,257,206号明細書、同3,370,951号明細書、同3,523,022号明細書、同3,769,020号明細書等の各明細書に記載の無機マット剤など当業界で良く知られたものを用いることができる。例えば具体的にはマット剤として用いることのできる有機化合物の例としては、水分散性ビニル重合体の例としてポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−α−メチルスチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリビニルアセテート、ポリエチレンカーボネート、ポリテトラフルオロエチレンなど、セルロース誘導体の例としてはメチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなど、澱粉誘導体の例としてカルボキシ澱粉、カルボキシニトロフェニル澱粉、尿素−ホルムアルデヒド−澱粉反応物など、公知の硬化剤で硬化したゼラチンおよびコアセルベート硬化して微少カプセル中空粒体とした硬化ゼラチンなど好ましく用いることができる。無機化合物の例としては二酸化珪素、二酸化チタン、二酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、公知の方法で減感した塩化銀、同じく臭化銀、ガラス、珪藻土などを好ましく用いることができる。上記のマット剤は必要に応じて異なる種類の物質を混合して用いることができる。マット剤の形状に特に限定はなく、任意の形状のものを用いることができる。本発明の実施に際しては平均粒径1μm〜30μm、より好ましくは3μm〜10μmの粒径のものを用いるのが好ましい。また、マット剤の粒径分布は変動係数を50%以下とするのが好ましい。一方、マット剤は感光材料のヘイズ、表面光沢に大きく影響することから、マット剤作製時あるいは複数のマット剤の混合により、粒径、形状および粒径分布を必要に応じた状態にすることが好ましい。
本発明において、マット剤を含有しうる層としては、感光性層面及びバック面の最外層(感光性層、バック層であることあり)もしくは保護層、下塗り層などが挙げられ、最外表面層もしくは最外表面層として機能する層、あるいは外表面に近い層に含有されるのが好ましく、またいわゆる保護層として作用する層に含有されることが好ましい。本発明においてバック面のマット度はベック平滑度として250秒以下10秒以上が好ましく、さらに好ましくは180秒以下50秒以上である。
本発明における感光性層、保護層、バック層などの各層には、前述したように硬膜剤を用いてもよい。硬膜剤の例としては、前述した以外に、米国特許第4,281,060号明細書、特開平6−208193号公報などに記載されているポリイソシアネート類、米国特許第4,791,042号明細書などに記載されているエポキシ化合物、特開昭62−89048号公報などに記載されているビニルスルホン系化合物などがあげられる。
本発明には塗布性、帯電改良などを目的として界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤の例としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、フッ素系などいかなるものも適宜用いられる。具体的には、特開昭62−170950号公報、米国特許第5,380,644号明細書などに記載のフッ素系高分子界面活性剤、特開昭60−244945号公報、特開昭63−188135号公報などに記載のフッ素系界面活性剤、米国特許第3,885,965号明細書などに記載のポリシロキサン系界面活性剤、特開平6−301140号公報などに記載のポリアルキレンオキサイドやアニオン系界面活性剤などが挙げられる。これらのなかでも好ましい界面活性剤としては、フッ素系アニオン性界面活性剤である。本発明では、熱現像感光材料の構成層のいずれか1層にフッ素系イオン性界面活性剤、特にアニオン性のものを含有させることが好ましい。
本発明の熱現像感光材料において、各層の塗布液に用いられる溶剤の例としては新版溶剤ポケットブック(オーム社、1994年刊)などに挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本発明で使用する溶剤の沸点としては40℃以上180℃以下のものが好ましい。本発明で用いる溶剤の例としてはヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、1,1,1−トリクロロエタン、テトラヒドロフラン、トリエチルアミン、チオフェン、トリフルオロエタノール、パーフルオロペンタン、キシレン、n−ブタノール、フェノール、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、炭酸ジエチル、クロロベンゼン、ジブチルエーテル、アニソール、エチレングリコールジエチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、モルホリン、プロパンスルトン、パーフルオロトリブチルアミンなどが挙げられる。本発明の熱現像感光材料は、支持体上に感光性層をはじめ必要となる層を塗布乾燥することで作製されるが、熱現像感光材料に残存している溶剤の量は、1m2あたり5〜1000mgとし、好ましくは、5〜500mg、さらに好ましくは7〜200mgである。
本発明における感光性層は、種々の支持体上に被覆させることができる。典型的な支持体は、ポリエステルフィルム、下塗りポリエステルフィルム、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、硝酸セルロースフィルム、セルロースエステルフィルム、ポリ(ビニルアセタール)フィルム、ポリカーボネートフィルムおよび関連するまたは樹脂状の材料、ならびにガラス、紙、金属などを含む。可撓性基材、特に、部分的にアセチル化された、もしくはバライタおよび/またはα−オレフィンポリマー、特にポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ブテンコポリマーなどの炭素数2〜10のα−オレフィン・ポリマーによりコートされた紙支持体が、典型的に用いられる。該支持体は透明であっても不透明であってもよいが、透明であることが好ましい。
本発明の熱現像感光材料は、帯電防止または導電性層、例えば、可溶性塩(例えば塩化物、硝酸塩など)、蒸着金属層、米国特許第2,861,056号明細書および同第3,206,312号明細書に記載のようなイオン性ポリマーまたは米国特許第3,428,451号明細書に記載のような不溶性無機塩などを含む層などを有してもよい。
本発明の熱現像感光材料を用いてカラー画像を得る方法としては特開平7−13295号公報第10頁左欄43行目から11左欄40行目に記載の方法がある。また、カラー染料画像の安定剤としては英国特許第1,326,889号明細書、米国特許第3,432,300号明細書、同第3,698,909号明細書、同第3,574,627号明細書、同第3,573,050号明細書、同第3,764,337号明細書および同第4,042,394号明細書に例示されているものを使用できる。
本発明の熱現像感光材料の塗布方法としては、浸漬コーティング、エアナイフコーティング、フローコーティングまたは、米国特許第2,681,294号明細書に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを含む種々のコーティング操作をあげることができる。所望により、米国特許第2,761,791号明細書および英国特許第837,095号明細書に記載の方法により2層またはそれ以上の層を同時に被覆することができる。
本発明における熱現像感光材料の中に追加の層、例えば移動染料画像を受容するための染料受容層、反射印刷が望まれる場合の不透明化層、保護トップコート層および光熱写真技術において既知のプライマー層などを含むことができる。本発明の感光材料はその感光材料一枚のみで画像形成できることが好ましく、受像層等の画像形成に必要な機能性層が別の感光材料とならないことが好ましい。
本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で現像されてもよいが、通常イメージワイズに露光した感光材料を昇温して現像される。好ましい現像温度としては80〜250℃であり、さらに好ましくは100〜140℃である。現像時間としては1〜180秒が好ましく、10〜90秒がさらに好ましい。
本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で露光されてもよいが、露光光源としてレーザー光を用い、感光材料の感光性層を有する側からレーザー光を走査して露光するのが好ましい。本発明で用いることができる走査レーザー光としては、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなどが好ましい。また、半導体レーザーやYAGレーザーと第2高調波発生素子などを用いることもできる。本発明においては、走査レーザー光は縦マルチであることが好ましい。縦マルチとは、露光波長が単一でないことを意味し、通常、露光波長の分布が5nm以上、好ましくは10nm以上になるとよい。露光波長の分布の上限には特に制限はないが、通常60nm程度である。縦マルチ化するには、合波による、戻り光を利用する、高周波重畳をかける、などの方法がよい。縦単一モードの走査レーザー光に比べて干渉縞様のムラの発生等の画質劣化が減少する。また、感光材料の露光面に対する走査レーザー光の入射角度は通常、垂直であるが、本発明においては、実質的に垂直にならないことが好ましい。ここで、「実質的に」とは、レーザー走査中に最も垂直に近い角度として、好ましくは55度以上88度以下、より好ましくは60度以上86度以下、更に好ましくは65度以上84度以下、最も好ましくは70度以上82度以下であることをいう。このような角度でレーザー光を入射させ露光することにより、得られる画像は、干渉ムラに起因する画質劣化が少なく、鮮鋭性、コントラストが良好となる。
以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
実施例1
(下引済みPET支持体の作製)
市販の2軸延伸熱固定済みの厚さ100μmのPETフィルムの両面に8w/m2・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液a−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設、乾燥させて下引層A−1とし、反対側の面には下記帯電防止加工用の下引塗布液b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設、乾燥させて帯電防止加工下引層B−1とした。
《下引塗布液a−1》
ブチルアクリレート(30質量%)、t−ブチルアクリレート(20質量%)
、スチレン(25質量%)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量
%)の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g
(C−1) 0.6g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
ポリスチレン微粒子(平均粒径3μm) 0.05g
コロイダルシリカ(平均粒径90μm) 0.1g
水で1リットルに仕上げる。
《下引塗布液b−1》
SnO2/Sb(質量比9/1、平均粒径0.18μm)
200mg/m2になる量
ブチルアクリレート(30質量%)、スチレン(20質量%)、グリシジルアクリレート(40質量%)、の共重合体ラテックス液(固形分30%)
270g
(C−1) 0.6g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1リットルに仕上げる。
引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の上表面に、8w/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上には、下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.1μmになる様に塗設して下引上層A−2として、下引層B−1の上には下記下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.8μmになる様に帯電防止機能をもつ下引上層B−2として塗設した。
《下引上層塗布液a−2》
ゼラチン 0.4g/m2になる質量
(C−1) 0.2g
(C−2) 0.2g
(C−3) 0.1g
シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g
水で1リットルに仕上げる。
《下引上層塗布液b−2》
(C−4) 60g
(C−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g
硫酸アンモニウム 0.5g
(C−6) 12g
ポリエチレングリコール(重さ平均分子量600) 6g
水で1リットルに仕上げる。
Figure 2006243600
Figure 2006243600
(支持体の熱処理)
上記下引済み支持体の下引乾燥工程において、支持体を140℃で加熱し、その後徐々に冷却した。
(ハロゲン化銀乳剤Aの調製)
水900ml中にイナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(60/38/2)のモル比の塩化ナトリウムと臭化カリウムと沃化カリウム及び〔Ir(NO)Cl5〕塩を銀1モル当たり1×10-6モル、塩化ロジウム塩を銀1モル当たり1×10-6モルとを含む水溶液370mlを、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で添加した。その後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを添加し、NaOHでpHを8、pAg6.5に調整することで還元増感を行い、平均粒子サイズ0.06μm、単分散度10%の投影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の立方体ハロゲン化銀粒子を得た。このハロゲン化乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させて脱塩処理を行いハロゲン化銀乳剤Aを得た。
(ベヘン酸Na溶液の調製)
945mlの純水にベヘン酸32.4g、アラキジン酸9.9g、ステアリン酸5.6gを90℃で溶解した。次いで、高速で攪拌しながら1.5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液98mlを添加した。次に濃硝酸0.93mlを加えた後、55℃に冷却して30分攪拌させてベヘン酸Na溶液を得た。
(ベヘン酸銀とハロゲン化銀乳剤Aのプレフォーム乳剤の調製)
上記ベヘン酸Na溶液に前記ハロゲン化銀乳剤Aを15.1g添加し、水酸化ナトリウム溶液でpH8.1に調整した後に1モル/Lの硝酸銀溶液147mlを7分間かけて加え、さらに20分攪拌し限外濾過により水溶性塩類を除去した。以上のようにして作製したベヘン酸銀は、平均粒子サイズ0.8μm、単分散度8%の粒子であった。上記分散物のフロックを形成後、水を取り除き、更に6回の水洗と水の除去を行った後乾燥させ、ベヘン酸銀とハロゲン化銀乳剤Aのプレフォーム乳剤を調製した。
(感光性乳剤の調製)
できあがったプレフォーム乳剤を2分割し、その1部にポリビニルブチラール(平均分子量3000)のメチルエチルケトン溶液(17質量%)544gとトルエン107gを徐々に添加、混合した後に、0.5mmサイズZrO2のビーズミルを用いたメディア分散機で27.5MPaで30℃、10分間の分散を行い、感光性乳剤を調製した。
前記下引き済み支持体上に以下の各層を両面同時塗布し、熱現像感光材料である試料1−1を作製した。尚、乾燥は60℃、15分間で行った。
(バック面側塗布)
バック面層1:支持体のB−2層の上に以下の組成の液を塗布した。
セルロースアセテートブチレート(10%メチルエチルケトン溶液)
15ml/m2
染料A 37mg/m2
マット剤:単分散度15%平均粒子サイズ8μm単分散シリカ
90mg/m2
817(CH2CH2O)12817 50mg/m2
919−C64−SO3Na 10mg/m2
(感光層面側塗布)
感光層1:支持体のA−2層の上に以下の組成の液を塗布銀量が2.4g/m2になる様に塗布した。
感光性乳剤 240g
増感色素A(0.1%メタノール溶液) 1.7ml
ピリジニウムプロミドペルブロミド(6%メタノール溶液) 3ml
臭化カルシウム(0.1%メタノール溶液) 1.7ml
カブリ防止剤1(10%メタノール溶液) 1.2ml
2−(4−クロロベンゾイル)安息香酸(12%メタノール溶液)
9.2ml
2−メルカプトベンズイミダゾール(1%メタノール溶液) 11ml
化合物1 0.3g
化合物H 0.1g
フタラジン 0.6g
4−メチルフタル酸 0.25g
テトラクロロフタル酸 0.2g
平均粒径3μmの炭酸カルシウム 0.1g
1,1−(2−ヒドロキシ−3,−5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロ
パン(20%メタノール溶液) 20.5ml
イソシアネート化合物(モーベイ社製、Desmodur N3300)
0.5g
表面保護層1:以下の組成の液を前記感光層1の上に同時塗布した。
アセトン 5ml/m2
メチルエチルケトン 21ml/m2
セルロースアセテートブチレート 2.3g/m2
メタノール 7ml/m2
フタラジン 250mg/m2
1,1−(2−ヒドロキシ−3,−5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン
(20%メタノール溶液) 10ml/m2
マット剤:単分散度10%平均粒子サイズ4μm単分散シリカ
5mg/m2
CH2=CHSO2CH2CH2OCH2CH2SO2CH=CH2
35mg/m2
1225(CH2CH2O)101225 10mg/m2
817−C64−SO3Na 10mg/m2
Figure 2006243600
以上の様にして得られた試料1−1〜1−15について、以下に示す熱現像処理及び各性能評価を行った。
(露光及び熱現像処理)
各試料を780nmの半導体レーザーを搭載したイメージセッター機であるサイテックス社製Dolev 2 dryを用いて300線の網点を用い、5%刻みで露光量を変化させるように網点露光し、120℃で25秒の熱現像処理を行った。その際、露光及び現像はすべて23℃、50%RHに調温調湿した部屋で行った。
(写真性能の評価)
得られた熱現像済み試料の濃度を光学濃度計(コニカミノルタフォトイメージング社製:PDA−65)で測定し、濃度D−露光量LogEの特性曲線を作製した。特性曲線より、最大濃度(Dmax)及び感度(Dminより1.5高い濃度を与える露光量の逆数)を求めた。なお、感度は、試料1−1のそれを100としたときの相対感度で表した。また、特性曲線で濃度0.3と3.0の点を結ぶ直線の傾き(tanθ)を階調γとして測定した。
(黒ポツの評価)
未露光の各試料について、上記と同様の熱現像処理を行った後、各熱現像済み試料を100倍のルーペを用いて目視評価を行い、下記の5段階にランク分けした。
5:黒ポツの発生全くなし
4:黒ポツの発生が僅かにあるが実用上問題なし
3:実用上の下限レベル
2:実用上不可
1:視野中全体に黒ポツが発生し使用不可のレベル
なお、3〜5ランクを実用上使用可能レベルと判定した。
(画像保存性の評価)
感度測定の目的で熱現像された試料を、30℃、相対湿度70%の環境において1000Luxの蛍光灯下で24時間保存した後の画像の濃度評価を行なった。Dmin部の濃度増加量で評価した。
(におい強度の評価)
におい識別装置FF−1((株)島津製作所製:カーボン系捕集管による昇温熱脱離濃縮方式、酸化物半導体センサ、6センサ)を用い、120℃におけるサンプルバッグ内の臭気を捕集し、におい強度SC1(SC1軸の数値)を測定した。このSC1軸の値は、前述した方法で校正された値である。SC1軸の値で評価した。
Figure 2006243600
表1の結果から明らかなように、本発明の試料No.1−5〜1−15は感度、Dmax、階調、黒ポツ、画像保存性、共に良好であり、優れた性能を有することが判る。
実施例2
実施例1で作製した試料No.1−1〜1−15を熱現像部の前にプレヒート部を有する熱現像自動現像機を用いて、プレヒート部の設定温度を100℃にして熱現像処理する以外は実施例1と同様の評価を行った。その結果、実施例1の結果同様に、本発明試料No.1−5〜1−15は良好な結果を得た。

Claims (2)

  1. 支持体上に非感光性有機銀塩、還元剤、感光性ハロゲン化銀、硬調化剤およびバインダーを含有する画像形成層と該画像形成層を保護する非感光性層を各々少なくとも1層以上有する熱現像感光材料において、前記バインダーがモノマー単位としてスチレンを含有しないバインダーであり、かつ該熱現像感光材料から発生するにおい強度が120℃で−3以上1以下であることを特徴とする熱現像感光材料。
  2. 熱現像自動現像機の熱現像部の前にプレヒート部を有し、該プレヒート部の温度が80〜120℃である熱現像機を用いて、請求項1に記載の熱現像感光材料を処理することを特徴とする画像形成方法。
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