JP2006242899A - 多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法および多重蛍光からの蛍光強度の推定方法 - Google Patents

多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法および多重蛍光からの蛍光強度の推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多重蛍光から各蛍光色素の蛍光色素濃度を精度よく推定することを可能にして、従来の技術では分離が困難な多重蛍光の分離を可能とした多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法を提供する。
【解決手段】測定した多重蛍光から蛍光色素濃度を推定する多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法において、蛍光色素濃度が既知の蛍光色素の分光スペクトルに対して独立成分分析を行って独立成分の強度を導出し、上記導出した独立成分の強度を変数として回帰分析を行って上記蛍光色素濃度が既知の蛍光色素の蛍光色素濃度関数を推定し、上記推定した蛍光色素濃度関数に基づいて測定した多重蛍光から蛍光色素の濃度を推定する。
【選択図】 図14

Description

本発明は、多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法および多重蛍光からの蛍光強度の推定方法に関し、さらに詳細には、多重蛍光イメージングなどに用いて好適な多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法および多重蛍光からの蛍光強度の推定方法に関し、特に、多重蛍光イメージングなどにおいて重なり合った蛍光たる多重蛍光を分離する際に用いて好適な多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法および多重蛍光からの蛍光強度の推定方法に関する。
従来より、蛍光色素に光を照射すると、当該蛍光色素に照射された光(励起光)の波長とは異なる波長の蛍光が観察されることが知られている。
即ち、蛍光色素は、光子を吸収して励起されるが、分子内緩和によりエネルギーが失われ、吸収した光子よりエネルギーが低い光子を発する。これを蛍光と称しており、上記したように蛍光は、励起光よりエネルギーが低い光、即ち、波長が長い光として観測されるものである。
より詳細に説明すると、蛍光色素は、それぞれ固有の吸光スペクトルε(λ)と発光スペクトルf(λ)とをもっており、吸光スペクトルε(λ)のピークを励起波長と称し、発光スペクトルf(λ)のピークを蛍光波長と称している。
従って、蛍光色素のこのような性質から、蛍光色素を含有する試料に対して励起波長を含むが蛍光波長は含まない光を照射して、蛍光波長のみを観察することにより、試料における蛍光色素の分布のみを観察することができることになる。
このように、蛍光は、励起光の波長とは異なる波長で観察されるので、散乱光や透過光による影響を受けることなく、試料内におけるその有無を容易に判別することが可能なものである。

上記したような背景から、タンパク質の同定や生体組織の観察のために、タンパク質や生体組織を蛍光色素で染色して可視化する手法たる蛍光イメージングが、分子生物学の分野などにおいて広く行われている。
即ち、上記したように蛍光色素は励起光とは異なる波長で蛍光を発するので、例えば、波長フィルタを適切に組み合わせることにより蛍光のみを取り出して、蛍光色素で染色した組織のみの分布や形状を観察することができるようになる。このため、生体形状を観察するに際しては、対象組織を蛍光色素でマーキングする蛍光イメージングが有効であると認識されており、タンパク質の同定や生体組織の観察のために分子生物学の分野などで広く実施されているものである。
また、上記した蛍光イメージングのなかで、複数の蛍光色素を用いて多重蛍光染色を行って可視化する手法は、多重蛍光イメージングと称されている。今日における蛍光色素合成やマーキング技術の研究の成果により、試料の組織をそれぞれ別の蛍光色素で染色する多重蛍光染色が可能となってきており、現在では、上記した多重蛍光イメージングが観察の主流となっている。

ところで、多重蛍光イメージングにおける多重蛍光染色試料の観察には、重なり合った蛍光の分離が必要となる。
こうした多重蛍光染色における蛍光の分離を簡単にするためには、蛍光色素同士の励起波長や蛍光波長が重ならないように、各種の蛍光色素を組み合わせることが必要となってくる。
ここで、蛍光色素iの吸光スペクトルをε(λ)とし、蛍光色素iの発光スペクトルをf(λ)とすると、蛍光色素iの吸光スペクトルと蛍光色素jの発光スペクトルとの相互の影響r(i,j)は、次のように計算することができる。
染色に用いた蛍光色素の数をNとすると、蛍光色素同士の相互の影響は、
と表される。
このとき、式(2)のRができる限り小さくなるような蛍光色素の組み合わせが、多重蛍光イメージングにおける蛍光の分離には最適となる。
しかしながら、実際には、吸光スペクトルや発光スペクトルにはある程度の広がりがあるため、相互の影響を0、即ち、相互の影響が全く無い蛍光色素同士の組み合わせを得ることは極めて困難であり、相互の影響が無視できるほど十分に小さくなるような蛍光色素の組み合わせも極めて限られている。
このため、多重蛍光イメージングにおける重なり合った蛍光の分離の手法として、蛍光色素同士の相互の影響を考慮した多重蛍光の分離の手法が、従来より種々提案されている。
こうした従来の多重蛍光の分離の手法としては、例えば、波長フィルタによる特定波長の強度測定の手法や、リニア・アンミキシング(Linear Unmixing)による分光スペクトルからの蛍光強度推定の手法などが知られている。

ここで、以下の説明の理解を容易にするために、蛍光観察の定式化について検討するが、まず、蛍光観察を定式化するために、励起光および観察光をそれぞれ分光できる観察系を考える。
この観察系での試料の観察によって得られる分光スペクトルXを、励起波長λおよび観察波長λの関数として次のように表す。
なお、式(3)において、Eは観察系の光源や光学系あるいは検出器などによって決まる装置関数であり、Sは試料の特性によって決まる試料関数である。
試料関数Sを試料が散乱させた成分のみを表すSと蛍光に由来する成分を表すSとの
和として、次の式(4)に示すように表す。
なお、式(4)において、Srは蛍光を観察する上では不要な成分であり、むしろノイズとされる。しかしながら、励起光の波長以外で散乱光が観察されることはないので、
となる。従って、式(3)、式(4)および式(5)より、
が得られる。
即ち、蛍光を観察するには励起波長と観察波長とが等しくならない場合を考えればよく、これは蛍光観察の本質であって、上記した波長フィルタによる波長選択の手法やリニア・アンミキシングによる手法は、いずれもこの考え方に基づいている。

次に、従来の波長フィルタによる波長選択の手法について説明するが、この波長フィルタによる波長選択を用いた蛍光の分離は、単一蛍光色素による染色や、多重蛍光染色でも蛍光色素同士の励起波長や蛍光波長が十分に大きく異なる場合においては、信頼性のある簡便な手法であることが知られている。
ここで、励起光側の波長フィルタの分光透過率をFとし、観察光側の波長フィルタの分光透過率をFとすると、観測値Xは、以下の式(7)により表すことができる。
ただし、式(6)の条件を満たすために、波長フィルタの組み合わせは、FとFとが直交するように、即ち、
となるように選択すべきである。
多重蛍光染色の場合には、さらに蛍光色素同士の相互影響が少なくなるように、波長フィルタを選択しなければならない。
ここで、F、Fを通して測定される蛍光色素iの蛍光を表す量Yを、
とすれば、各蛍光色素iについて
を計算し、Rができる限り小さくなるように波長フィルタの組み合わせを選択すれば良いと考えられる。
このように、上記した従来の波長フィルタによる波長選択の手法においては、吸光スペクトルや発光スペクトルのピークが重ならないように波長フィルタを選択する必要があるが、常に都合の良いフィルタの組み合わせが得られると限らず、むしろそのような組み合わせは極めて限定されるという問題点があった。
換言すれば、従来の波長フィルタによる波長選択の手法においては、吸光スペクトルや発光スペクトルのピークが近い蛍光色素を同時に用いた場合などには、多重蛍光を分離して判別することができないという問題点があった。
さらに、従来の波長フィルタによる波長選択の手法においては、同時に使用できる蛍光色素の数も2〜3種類程度が限界であるという問題点があった。

一方、リニア・アンミキシングによる分光スペクトルの分離は、吸光スペクトルや発光スペクトルのピーク波長が近い蛍光の分離に有効であることが知られている(非特許文献1参照)。
即ち、リニア・アンミキシングは、分光分析により分光スペクトルから多重蛍光の分離を行う手法であり、励起光の励起波長あるいは観察光の観察波長のいずれか一方を固定し、波長を固定しない他方の励起光または観察光の波長を走査してスペクトルを観察するというものである。ここで、励起光あるいは観察光の波長を固定するということは、励起光あるいは観察光の分光スペクトルを変化させないということであり、それが単一波長の光であるか、白色光であるか、種々の波長の光を混合したものであるかは問わない。
なお、以下の説明において式を簡略に記述するために、走査した方の光(励起光または観察光)の波長を単にλとする。このλは離散波長であり、L個の値をとるものとする。そして、各波長の信号強度を並べたL次元列ベクトルをxと表す。
さらに、染色に用いた蛍光色素の数をNとし、リファレンスとして、蛍光色素i(i=1,・・・,N)のみが蛍光しているスペクトルがL次元列ベクトルaとして得られているものとする。
ここで、混合された蛍光色素の蛍光スペクトルが、リファレンスaの線形結合で表されると仮定すれば、観測スペクトルxのリファレンスaに対する相対強度yは、xのaへの射影
と計算できる。上記式(10)において、は転置を表す。
なお、リニア・アンミキシングによる信号分離のためには、リファレンスaは必ずしも直交している必要はなく、独立であればよい。勿論、吸光スペクトルや発光スペクトルのピーク波長が重なっていても構わない。
つまり、リニア・アンミキシングは、分光スペクトルの線形結合モデルを仮定し、線形代数の理論に基づいて色素に固有のスペクトル(この色素に固有のスペクトルは、「フィンガープリント」と称される。)に対する観測スペクトルの射影を得て分離を行うというものであり、この手法によれば、蛍光のピークが重なっていてもスペクトルの形さえ異なっていれば多重蛍光を分離することができる。
しかしながら、このリニア・アンミキシングは、観測の対象が蛍光の場合には、蛍光色素同士の相互影響により、この手法が前提としている分光スペクトルの線形結合モデルが成り立たず、この手法が適用できるのは蛍光色素同士の相互影響を無視できる場合のみであり、またそのような状況は極めて稀であるという問題点があった。
換言すれば、多重蛍光の分離においては、ある蛍光色素の蛍光が別の蛍光色素に吸収されて励起するなどの要因により、線形結合モデルが成り立たないことが多いものであるが、上記したようにリニア・アンミキシングは、蛍光の分光スペクトルを観察し、蛍光色素の蛍光スペクトルへの線形写像から各蛍光色素の蛍光強度を得ようとするものであり、スペクトルの線形結合モデルに基づいている手法であるため、その適用範囲が極めて限られるという問題点があった。
即ち、スペクトルの線形結合モデルに基づいているリニア・アンミキシングは、蛍光色素同士の励起波長と蛍光波長とが重なっているときには、スペクトルの線形性が保たれないので適用できないという問題点があった。
また、リニア・アンミキシングは、蛍光色素同士の相互作用はないものと見なしているため、式(2)で得られるRが十分に小さくなければこの手法による多重蛍光の分離結果は意味がないものとなるものであるが、多重蛍光染色において使用する蛍光色素の数が増えるほど式(2)で得られるRが大きくなる傾向があるため、この手法により正しく分離できる蛍光色素数は、経験的には高々3程度であるという問題点があった。

以上において説明したように、従来の波長フィルタによる波長選択の手法やリニア・アンミキシングの手法は、蛍光色素の相互作用を考慮に入れていないため、限定された場合のみにしか適用することができず、いずれも蛍光色素同士の励起波長や蛍光波長が重なり合って相互作用がある場合には適用できないという問題点があり、また、多重蛍光染色において同時に使用することができる蛍光色素の数も極めて少ないという問題点があった。
鶴井博理、「画像分光による超多色蛍光イメージング法」、サイトメトリー・リサーチ(Cytometry Research)、9(2)、pp.1−7、1999
本発明は、従来の技術の有する上記したような種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、多重蛍光から各蛍光色素の蛍光色素濃度を精度よく推定することを可能にして、従来の技術では分離が困難な多重蛍光の分離を可能とした多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法を提供しようとするものである。
また、本発明の目的とするところは、多重蛍光から各蛍光色素の蛍光色素濃度を精度よく推定することを可能にして、多重蛍光染色において同時に使用することができる蛍光色素の数を従来の技術に比べて飛躍的に向上させた多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法を提供しようとするものである。
また、本発明の目的とするところは、多重蛍光から各蛍光色素の蛍光強度を精度よく推定することを可能にして、従来の技術では分離が困難な多重蛍光の分離を可能とした多重蛍光からの蛍光強度の推定方法を提供しようとするものである。
また、本発明の目的とするところは、多重蛍光から各蛍光色素の蛍光強度を精度よく推定することを可能にして、多重蛍光染色において同時に使用することができる蛍光色素の数を従来の技術に比べて飛躍的に向上させた多重蛍光からの蛍光強度の推定方法を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、蛍光色素の相互作用による影響が少ない手法として、多重蛍光における分光スペクトルからの回帰分析により蛍光色素濃度関数あるいは蛍光強度関数を推定し、この推定に基づいて各蛍光色素の濃度あるいは蛍光強度を推定するようにしたものであり、これにより多重蛍光を分離することが可能となる。
より詳細には、本発明は、多重蛍光染色に使用する蛍光色素同士の混合比、即ち、濃度が既知である蛍光色素の分光スペクトルあるいは蛍光強度が既知である蛍光色素の分光スペクトルをもとに回帰分析を行うことにより、分光スペクトルに対して蛍光色素それぞれの濃度関数たる蛍光色素濃度関数あるいは蛍光強度関数を推定し、この推定した蛍光色素濃度関数あるいは蛍光強度関数に基づいて各蛍光色素の濃度あるいは蛍光強度を推定するようにしたものであって、これにより多重蛍光を分離することを可能とした。
ここで、本発明においては、分光スペクトルが共線性が高くそのままでは回帰分析を適用することが困難であるので、分光スペクトルに独立成分分析を施して、独立成分分析(ICA:Independent Component Analisys)によりこれを取り除くようにしている。
また、本発明における回帰分析に用いる回帰モデルとしては、線形回帰モデルや非線形回帰モデルであるロジスティック回帰モデルなどを適用することができるものであり、線形回帰モデルを用いた場合には、精度が低くなるが計算コストは小さくなり、一方、非線形回帰モデルであるロジスティック回帰モデルなどを用いた場合には、精度が高くなるが計算コストは大きくなる。
即ち、本発明によれば、非線形モデルに基づく判別手法として、独立成分分析とロジスティック回帰分析などの回帰分析とを用いて、多重蛍光からの蛍光色素濃度関数あるいは蛍光強度関数を求めて蛍光色素濃度あるいは蛍光強度を推定し、この推定に従って多重蛍光を分離するようにしたものであるため、蛍光色素濃度あるいは蛍光強度に基づく定量的な蛍光の分離と、蛍光色素の数に制限のない蛍光の分離を実現することができる。

要するに、本発明は、予め蛍光色素濃度あるいは蛍光強度が既知のサンプルを用意し、その分光スペクトルから各蛍光色素毎の濃度を得る関数たる蛍光色素濃度関数あるいは各蛍光色素毎の蛍光強度を得る関数たる蛍光強度関数を回帰分析により求めるようにしたものである。ここで、回帰分析では説明変数同士の無相関性が要件として挙げられるが、分光スペクトルは多重共線性が高くこの要件を満たさないので、事前に多変量解析の一手法である独立成分分析を用いて変数を縮約する。そして、縮約した変数を説明変数、蛍光色素の濃度あるいは蛍光強度を被説明変数として、線形あるいは非線形の回帰分析を施して色素毎に蛍光色素濃度関数あるいは蛍光強度関数を得るものである。そして、回帰分析に用いる回帰モデルとしては、線形回帰モデルは計算コストが小さいが当てはまりが良くないので、高い精度を要求される場合には、計算コストは大きいが精度の高い非線形回帰モデルの一つであるロジスティック回帰モデルを適用することが好ましいものである。

即ち、本発明のうち請求項1に記載の発明は、測定した多重蛍光から各蛍光色素の蛍光色素濃度を推定する多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法において、蛍光色素濃度が既知の蛍光色素の分光スペクトルに対して独立成分分析を行って独立成分の強度を導出し、上記導出した独立成分の強度を変数として回帰分析を行って上記蛍光色素濃度が既知の蛍光色素の蛍光色素濃度関数を推定し、上記推定した蛍光色素濃度関数に基づいて、測定した多重蛍光から各蛍光色素の蛍光色素濃度を推定するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、本発明のうち請求項1に記載の発明において、上記回帰分析は、線形回帰モデルによる回帰分析であるようにしたものである。
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、本発明のうち請求項1に記載の発明において、上記回帰分析は、非線形回帰モデルによる回帰分析であるようにしたものである。
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、本発明のうち請求項3に記載の発明において、上記非線形回帰モデルは、ロジスティック回帰モデル、多項式回帰モデル、フーリエ級数、ウェーブレットまたはn次スプラインであるようにしたものである。
また、本発明のうち請求項5に記載の発明は、測定した多重蛍光から各蛍光色素の蛍光強度を推定する多重蛍光からの蛍光強度の推定方法において、蛍光強度が既知の蛍光色素の分光スペクトルに対して独立成分分析を行って独立成分の強度を導出し、上記導出した独立成分の強度を変数として回帰分析を行って上記蛍光強度が既知の蛍光色素の蛍光強度関数を推定し、上記推定した蛍光強度関数に基づいて、測定した多重蛍光から各蛍光色素の蛍光強度を推定するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項6に記載の発明は、本発明のうち請求項5に記載の発明において、上記回帰分析は、線形回帰モデルによる回帰分析であるようにしたものである。
また、本発明のうち請求項7に記載の発明は、本発明のうち請求項5に記載の発明において、上記回帰分析は、非線形回帰モデルによる回帰分析であるようにしたものである。
また、本発明のうち請求項8に記載の発明は、本発明のうち請求項7に記載の発明において、上記非線形回帰モデルは、ロジスティック回帰モデル、多項式回帰モデル、フーリエ級数、ウェーブレットまたはn次スプラインであるようにしたものである。
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような優れた効果を奏する。
即ち、本発明によれば、多重蛍光から各蛍光色素の蛍光色素濃度あるいは蛍光強度を精度よく推定することが可能になり、従来の技術では分離が困難な多重蛍光の分離をすることができるようになるという優れた効果が奏される。
また、本発明によれば、多重蛍光から各蛍光色素の蛍光色素濃度あるいは蛍光強度を精度よく推定することが可能になり、多重蛍光染色において同時に使用することができる蛍光色素の数を従来の技術に比べて飛躍的に向上させることができるようになるという優れた効果が奏される。
以下、添付の図面に基づいて、本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法および多重蛍光からの蛍光強度の推定方法の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
なお、蛍光色素濃度と蛍光強度とは対応関係にあることが知られており、蛍光色素濃度の推定と蛍光強度の推定とはほぼ同値の問題と認識されている。従って、以下の説明においては、本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法を中心に説明することとし、本発明による多重蛍光からの蛍光強度の推定方法については補足的に説明する。

本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法を説明するに際して、はじめに、独立成分分析による次元圧縮について説明するが、この独立成分分析(ICA: Independent Component Analysis)とは、ブラインド・ソース・セパレーション(Blind Source Separation)を行う手法の一つである。
独立なN個の信号源S=(s,・・・,s)から発信された信号が、混合行列Aによって線形に混合され、M(≧N)個の観測値X=(x,・・・,x)が観測されるとすると、このモデルは
と書き表せる。
独立成分分析は、信号源Sと混合行列Aとが未知であるとき、信号源の独立性を利用して観測値XからS、Aを推定するものである。
本来、この独立成分分析が仮定するモデルは、蛍光の分光スペクトルには適合しない。その理由は、単一蛍光色素の分光スペクトルを信号源と見なすことはできるが、これらは線形に混合されないからである。
しかしながら、モデルに適合しない観測値に独立成分分析を施せば、それを信号源と見なすことはできないまでも、観測値に含まれる独立な成分が抽出されるという結果に変わりはない。
本発明は、独立成分分析のこの性質に着目し、回帰分析のための説明変数同士の相関性を除くために独立成分分析を適用するものである。

次に、上記した独立成分分析の分光スペクトルへの適用について説明するが、この実施の形態においては、説明を簡略化して本発明の理解を容易にするために、リニア・アンミキシングの手法と同様に、励起光の励起波長あるいは観察光の観察波長のいずれか一方を固定し、波長を固定しない他方の励起光または観察光の波長を走査して観察した分光スペクトルを対象として独立成分分析を適用する。ここで、励起光あるいは観察光の波長を固定するということは、励起光あるいは観察光の分光スペクトルを変化させないということであり、それが単一波長の光であるか、白色光であるか、種々の波長の光を混合したものであるかは問わない。
走査した方の光(励起光または観察光)の波長を単にλ(λは、離散波長である。)とし、離散波長でL個の値を取るものとする。また、混合した蛍光色素の数をNとする。
いま、N種の蛍光色素を混合し、M個の観測点で分光スペクトルx(λ)(j=1,・・・,M)が得られたとする。
各波長の信号強度を並べたL次元列ベクトルをxとし、観測された全分光スペクトル(以下、「観測スペクトル」と適宜に称する。)をX=(x,・・・,x)と表す。
観測スペクトルXに独立成分分析を施し、観測スペクトルXをN個の独立成分ベクトルに分解して、N個の独立成分ベクトルを抽出したものをs(i=1,・・・,N)とする。全独立成分をS=(s,・・・s)とし、混合行列をAとすると、行列Xは式(11)のように表される。これを満たすようなS、Aは、独立成分分析により求められる。
従って、分光スペクトルxが持つ独立成分の強度c(x)は、この独立成分Sから
と計算できる。

次に、回帰分析を適用して、回帰分析による蛍光色素濃度関数の推定の手法について説明するが、いま、蛍光色素の混合比率として既知のm個の観測値があるものとする。
その分光スペクトルをυ(λ)(k=1,・・・,m)とし、L次元列ベクトルυで表し、独立成分の強度をγ=c(υ)と計算する。さらに、各観測値における蛍光色素iの濃度を[0,1]に正規化したものをδikと表す。
そして、各蛍光色素iの濃度を決定する蛍光色素濃度関数を回帰分析により求めることになるが、まず、回帰モデルを次のように定義する。なお、各回帰モデルの差異による作用効果の差異ついては後述する。
・線形回帰モデルの場合
p=b+bχ+・・・+bχ
・ロジスティック回帰モデルの場合
p=1/[1+exp{−(b+bχ+・・・+bχ)}]
そして、各蛍光色素iについて、回帰モデルの係数(b,・・・,b)を最尤法により決定する。なお、(χ,・・・,χ)=γ,p=δikとする。
得られた係数をそれぞれ(bi0,・・・,biN)とし、関数p(c)を次のように決定する。
・線形回帰モデルの場合
(c)=bi0+bi1+・・・+biN
・ロジスティック回帰モデルの場合
(c)=1/[1+exp{−(bi0+bi1+・・・+biN)}]
ここで、c=(c,・・・,c)である。
蛍光色素濃度関数d(x)は、p(c)を用いて、d(x)=p(c(x))と求められる。
以上の処理で得られたd(x)を用いて、分光スペクトルxを持つ試料における蛍光色素iの濃度を得ることができる。

次に、上記した回帰分析のなかで、非線形回帰モデルであるロジスティック回帰モデルについて説明する。
まず、ロジスティック回帰とは、ノンパラメトリックなデータに適用される回帰分析手法の一つである。
即ち、ある事象が発生する確率をpとしたとき、そのオッズ比p/(1−p)の対数をとったlog{p/(1−p)}をロジットと呼ぶ。このロジットをN個の独立変数χの線形結合で表したものがロジスティックモデルであり、
と書き表される。
上記の式(13)を変形すると、ロジスティック関数
が得られる。ここで、パラメータb(i=0,・・・,N)は、最尤法により求めることができる。
ロジスティック回帰モデルの本来の意義からpは確率としたが、0から1の値を取り、式(14)に適合する値であれば、pが何を意味する値であっても本質的には構わない。
この実施の形態においては、pを0から1の値を取る蛍光色素の濃度値とし、各蛍光色素の濃度値を表す関数についてロジスティック回帰モデルへの当てはめを行う。

ここで、ロジスティック回帰分析による蛍光色素濃度関数の推定の手法についてより詳細に説明する。
即ち、各蛍光色素iの濃度を決定する蛍光色素濃度関数をロジスティック回帰により求めるには、まず、各蛍光色素iについて、式(14)のロジスティック関数の係数b,・・・,bを最尤法により決定する。なお、(χ,・・・,χ)=γ,p=δikとする。
得られた係数をそれぞれbi0,・・・,biNとし、ロジスティック関数p(c)を式(15)と決定する。
ここで、c=(c,・・・,c)=c(x)である。
蛍光色素濃度関数d(x)は、p(c)を用いて
とする。
以上の処理で得られた蛍光色素濃度関数d(x)を用いて、分光スペクトルxを持つ試料における蛍光色素iの濃度を得ることができる。
つまり、濃度関数d(x)を用いて判別を行うには、観測スペクトルxについてc(x)を得る。そして、各蛍光色素iについてd(c(x))を計算し、これを蛍光色素iの濃度、即ち、蛍光の強度とする。

次に、上記のようにして求められる蛍光色素iの濃度の精度評価のために行った実験結果について説明する。
まず、この実験における精度評価の手法について説明すると、この実験においては、クロスバリデーション(相互検証法)の一種であるジャックナイフ法を用いて精度評価を行った。これは、データのサンプル数が少ないときに、推定用のサンプルと評価用のサンプルとを相互に使い分けて評価を行うものである。
サンプル点がn個あるとき、n−1個のサンプルを回帰分析に用いる。誤差の評価は、回帰分析に用いなかったデータにより行う。これをn回繰り返して誤差の自乗和を取ったものを予測残差(PRESS)と呼ぶ。
ここで、
は、k番目のデータを除いてパラメータの推定を行い、その結果からδikを予測した値を表す。
さらに、サンプルの分散を用いてPRESSを正規化して1との差を取ったものをQ と呼び、これを予測性能の指標とする。
ここで、
は、δikの平均値を表す。
予測値と実測値とが完全に一致しているとき、PRESSは0になるので、Qは1になる。この値を比較することで、本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法を定量的に評価することができる。

以下に、実験の詳細について説明するが、本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法の有用性を検証するために、2種の蛍光色素の混合溶液を測定した分光スペクトルから各蛍光色素の濃度を推定する実験を行った。

(ア)実験条件
2種の蛍光色素(FITC,RITC)の濃度を変えた混合溶液を作成し、それを試料としてその蛍光の分光スペクトルを測定した。なお、本実験にかかる説明ならびに図面においては、記載の簡略化のために、FITCを「A」または「色素A」と適宜に表記し、RITCを「B」または「色素B」と適宜に表記する。
図1には、実験装置の概略構成説明図が示されており、実験装置は、光源10と、キュベットホルダ12と、内部に分光器を備えたディテクタ14と、データ取得用パーソナル・コンピュータ16と、光源10とキュベットホルダ12との間で光を導く光ファイバ18と、キュベットホルダ12とディテクタ14との間で光を導く光ファイバ20と、ディテクタ14から出力されたデータをデータ取得用パーソナル・コンピュータ16へ伝送するためのケーブル22とを有して構成されている。
また、図2には、キュベットホルダ12を中心にして示した図1の部分拡大説明図が示されており、キュベットホルダ12には、試料30を収容する試料セル24が設けられている。
また、キュベットホルダ12と光ファイバ18の端部18aとの間には集光レンズ26が設けられており、同様に、キュベットホルダ12と光ファイバ20の端部20aとの間には集光レンズ28が設けられている。この集光レンズ26、28によって、励起光および観察光はともに試料セル24の中央部で集光される。
なお、上記した実験装置を構成する各モジュールのうちで光源10、光ファイバ18、20、試料セル24およびディテクタ14の主な仕様は、図3として添付する図表に示す通りである。
この実験装置においては、光源10からの光は、光ファイバ18によりキュベットホルダ12に導かれ、キュベットホルダ12の試料セル24に満たされた試料30に照射される。蛍光のみを観察するため、観察光は、励起光の光軸に対し直角の方向に配置された光ファイバ20によりディテクタ14に導かれる。観察光はディテクタ14内部の分光器により分光され、各波長の強度が測定される。測定値は、ディテクタ14よりケーブル22を介してデータ取得用パーソナル・コンピュータ16へ伝送され、データ取得用パーソナル・コンピュータ16に蓄積される。

ここで、図4乃至図10には、それぞれ35種類の濃度比率(希釈倍率と濃度比率とは逆数の関係にある。)で色素Aと色素Bとを混合した試料に対して、上記した実験装置によってスペクトルを測定した結果が図表として示されている。なお、色素Aと色素Bとの濃度は、色素Aと色素BとをそれぞれDMSOで溶解させたものの1000倍の水溶液の濃度を1とし、相対濃度をとったものである。
また、スペクトルの測定にあたっては、346.7〜1001.8nmの間を等間隔に2048点計測した。従って、この実験においては、上記各式における各パラメータの数値は、N=2、L=2048、M=35、m=35となる。

なお、この実験装置においては、励起光が分光されないので観察光には励起光が必ず含まれることになり、厳密にはこの観察系は蛍光の分離に必要な式(6)の条件を満たさない。しかしながら、蒸留水のみを観察したスペクトル(図4におけるNo.1)を見ると、散乱光として観察されるはずである光源10のスペクトルが確認できない。これは、色素Aや色素Bの蛍光やディテクタ14のノイズと比して、溶媒の散乱光は微弱であることを示している。また、色素Aや色素Bの散乱光についても、それを示す特徴的なスペクトルは確認されなかった。従って、本実験においては、観察波長が励起波長を含むことによる散乱光の影響は無視できるものと考えられる。

次に、分光スペクトルの次元圧縮について説明するが、まず、図11は、図4乃至図10に示す図表のスペクトルに独立成分分析を施して2本の独立成分を抽出し、x,y軸にそれぞれ独立成分の強度c、cをとって平面上にプロットしたものである。なお、色素Aの等濃度線を実線で示し、色素Bの等濃度線を破線で示している。
この図11から、色素Aの等濃度線は横に延びる傾向が見られた。これは、cが等しいときは色素Aの濃度がほぼ等しいということであり、強度cが色素Aの濃度を大まかに表す量になっていると考えることができる。一方、色素Bの等濃度線は縦に延びる傾向が見られ、同様に強度cが色素Bの濃度を大まかに表す量になっていると考えられる。
しかしながら、独立成分の強度と色素濃度の関係が明らかではないので、独立成分の強度を変数として回帰分析による色素濃度関数の推定を行う必要がある。

次に、回帰分析による蛍光色素濃度関数推定について説明すると、図12には本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法により得られた色素Aのd(x)の回帰曲面と測定値のプロットが示されており、また、図13には本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法により得られた色素Bのd(x)の回帰曲面と測定値のプロットが示されている。なお、図12ならびに図13においては、x軸、y軸にそれぞれc、cをとり、z軸にp(c)をとった。
図12ならびに図13に示されているように、測定値は回帰曲面によく一致しており、ロジスティック回帰モデルは、多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定に適合するモデルである。
なお、これら図12ならびに図13は、裸眼立体視を可能にするために視差に合わせて投影角を変えたグラフを左右に並べて図示しており、交差法によるステレオ視により立体像が浮かび上がる。
ここで、交差法とは、右目で左の画像を、左目で右の画像を見ることでステレオ視を行うものである。具体的には、30cmほど離して図を眺めながら自分の鼻を見るつもりで「寄り目」にしていき、左右の図が重なりあって見えるようにする。このとき、3つの図が横に並んでいるように見えるので、中央の図に注目すると立体像として紙面から浮かび上がって見えるはずである。

次に、予測精度の算出および疑似画像による可視化について説明すると、本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法の定量的な評価を行うために、本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法と従来の手法とのそれぞれの予測性能の指標Qを算出した。その結果を図14に図表として示す。なお、図14ならびに図15(後述する。)において、「ピーク検出」ならびに「Linear Unmixing」(リニア・アンミキシング)が従来の手法であり、「ICA+線形回帰」、即ち、独立成分分析と線形回帰分析とを用いた手法ならびに「ICA+ロジスティック回帰」、即ち、独立成分分析とロジスティック回帰分析とを用いた手法が本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法である。
さらに、擬似的に生成した二重蛍光の分光スペクトル画像(原画像)を、本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法により得られた色素濃度関数と従来の手法とを用いてそれぞれ分離した結果を図15に示す。図15において、上図が色素Aの推定色素濃度を表す画像であり、下図が色素Bの推定色素濃度を表す画像である。なお、実際には、図15に示すように色素濃度を表す濃淡画像が得られるが、見やすさのためにカラー化してもよい。
図14ならびに図15において、Qは正規化された自乗誤差を1から引いたものであり、1を越えない量である。1に近いほど推定精度が高いことを示す。なお、色素濃度関数が回帰分析により求められるとき(図14ならびに図15における「ICA+線形回帰」および「ICA+ロジスティック回帰」)の誤差評価には、クロスバリデーションを採用している。
なお、図15に示す擬似的な蛍光画像の生成手順は、以下の手順1〜5に示す通りである。
手順1.色素Aと色素Bとの濃度を示すものとしてそれぞれ独立な画像を生成する
手順2.それらを重ね合わせて一画素毎に濃度比を持つ画像を生成する
手順3.図4乃至図10を元に画素毎に対応するスペクトルを決定する。
4.それを未知のものと見なして各手法を用いて画素毎に濃度推定を行う
5.推定された濃度を元に各色素の濃度画像を再構成する
その推定結果から作成した画像は、実際には色素濃度を表す濃淡画像であるが、見やすさのためにカラー化してもよい。

以上において説明したように、ピーク検出は、蛍光波長の強度を蛍光の強さと見なすもので波長フィルタによる波長選択に相当する。色素Aの結果は全体に暗く、これは色素Aの蛍光が色素Bに吸収されてしまっているからであると考えられる。また、色素Bの結果を見ると色素Aの蛍光と分離がなされていないことが分かる。
また、リニア・アンミキシングでは、ピーク検出よりも低いQ値になってしまった。これは、本実験での色素の組み合わせはスペクトルの線形結合モデルには合わないものであったことを示している。このような場合にリニア・アンミキシングを適用しても、その結果は全く信頼できない。
一方、独立成分分析した結果に線形回帰を施した場合には、色素Bでは比較的高い判別性能が得られた。これは上記した分光スペクトルの次元圧縮において説明したように、独立成分の一つが色素Bの濃度を示す指標となったことが理由としてあげられる。
独立成分分析した結果にロジスティック回帰を施した結果が、一番良い予測性能を達成している。これは、独立成分分析で得られた説明変数と濃度の関係にロジスティック回帰モデルが適合することを示していることを示している。

上記したように、本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法により蛍光色素の濃度を推定することによって、多重蛍光を分離することが可能となり、従来の手法の問題点を解決することができた。特に、分光スペクトルを分析することから、波長フィルタによる波長選択よりも有用とされているリニア・アンミキシングは、色素の相互作用により適用できる色素の組み合わせが限られるものであるが、本発明は独立成分分析とロジスティック回帰分析などの回帰分析とを用いて濃度関数を推定するという手法を用いるものであるため、蛍光色素の相互作用に依存しない。

以上においては、本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法について説明したが、次に本発明による多重蛍光からの蛍光強度の推定方法について説明することとする。
ここで、上記したように、蛍光色素濃度と蛍光強度とは対応関係にあることが知られており、蛍光色素濃度の推定と蛍光強度の推定とはほぼ同値の問題と認識されている。
従って、上記した本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法の手法は、そっくりそのまま蛍光強度の推定に用いることができるものである。端的に言えば、本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法における「蛍光色素濃度」を「蛍光強度」と読み替えることにより、多重蛍光から各蛍光の蛍光強度を推定することができる手法が得られることになる。

なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(4)に示すように変形することができるものである。
(1)上記した実施の形態においては、色素Aと色素Bとの2種類の蛍光色素を同時に用いて多重蛍光染色を行った場合について説明したが、多重蛍光染色に使用可能な蛍光色素の数は2に限られるものではなく、3以上の任意の数の蛍光色素を多重蛍光染色に使用してもよいことは勿論であり、そうした場合でも各蛍光色素の濃度を精度よく推定することができる。
(2)上記した実施の形態においては、回帰分析に用いる回帰モデルとしてロジスティック回帰モデルを中心に説明したが、回帰分析に用いる回帰モデルはロジスティック回帰モデルに限られるものではないことは勿論であり、上記したように線形回帰モデルなども使用することができる。
ここで、本発明において回帰分析に用いる回帰モデルは、以下に挙げるような特徴を考慮し、条件に応じて使い分けるようにすればよい。
〔線形回帰モデルの特徴〕
・ロジスティック回帰モデルに比して推定精度が悪い
・計算コストが小さい
・被説明変数のとる値の範囲に制限がない
〔ロジスティック回帰モデルの特徴〕
・推定精度が良い
・線形回帰モデルに比して計算コストがやや大きい
・被説明変数の取る値の範囲は[0,1]に制限される
上記したように、ロジスティック回帰モデルは、計算コストはやや高いが推定精度が良いため、一般にはロジスティック回帰モデルを適用すべきである。一方、推定精度よりも計算コストの小ささを優先する場合には、線形回帰モデルを適用することが好ましい。
なお、ロジスティック回帰モデルでは、被説明変数(濃度を示す値)の範囲が制限される。例えば、回帰分析に用いたサンプルよりも非常に高い濃度を持つもののスペクトルに対し、線形回帰モデルではそれに比例する値を得ることができるが、ロジスティック回帰モデルでは上限が1であるため、比例する値を得ることはできない。
従って、濃度のダイナミックレンジの予想が全く付かないときは、線形回帰モデルの方が精度良く推定できる場合がある。
(3)上記した実施の形態においては、非線形回帰モデルとしてロジスティック回帰モデルについて説明したが、非線形回帰モデルはロジスティック回帰モデルに限定されるものではないことは勿論であり、例えば、多項式回帰モデル、フーリエ級数、ウェーブレットあるいはn次スプラインなどを適宜に用いることができる。
(4)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(3)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
本発明は、分子生物学の分野などにおいて、タンパク質の同定や生体組織の観察などを行う際に利用することができる。
図1は、本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法の有用性を検証する実験に用いた実験装置の概略構成説明図である。 図2は、キュベットホルダを中心にして示した図1の部分拡大説明図である。 図3は、図1ならびに図2に示す実験装置を構成する各モジュールのうちで、光源、光ファイバ、試料セルおよびディテクタの主な仕様を示す図表である。 図4は、異なる濃度比率(希釈倍率と濃度比率とは逆数の関係にある。)で色素Aと色素Bとを混合した試料に対して、実験装置によってスペクトルを測定した結果を示す図表である。 図5は、異なる濃度比率(希釈倍率と濃度比率とは逆数の関係にある。)で色素Aと色素Bとを混合した試料に対して、実験装置によってスペクトルを測定した結果を示す図表である。 図6は、異なる濃度比率(希釈倍率と濃度比率とは逆数の関係にある。)で色素Aと色素Bとを混合した試料に対して、実験装置によってスペクトルを測定した結果を示す図表である。 図7は、異なる濃度比率(希釈倍率と濃度比率とは逆数の関係にある。)で色素Aと色素Bとを混合した試料に対して、実験装置によってスペクトルを測定した結果を示す図表である。 図8は、異なる濃度比率(希釈倍率と濃度比率とは逆数の関係にある。)で色素Aと色素Bとを混合した試料に対して、実験装置によってスペクトルを測定した結果を示す図表である。 図9は、異なる濃度比率(希釈倍率と濃度比率とは逆数の関係にある。)で色素Aと色素Bとを混合した試料に対して、実験装置によってスペクトルを測定した結果を示す図表である。 図10は、異なる濃度比率(希釈倍率と濃度比率とは逆数の関係にある。)で色素Aと色素Bとを混合した試料に対して、実験装置によってスペクトルを測定した結果を示す図表である。 図11は、図4乃至図10に示す図表のスペクトルに独立成分分析を施して2本の独立成分を抽出し、x,y軸にそれぞれ独立成分の強度c、cをとって平面上にプロットしたグラフであり、色素Aの等濃度線を実線で示し、色素Bの等濃度線を破線で示している。 図12は、本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法により得られた色素Aのd(x)の回帰曲面と測定値のプロットを示し、x軸、y軸にそれぞれc、cをとり、z軸にp(c)をとった。図12においては、裸眼立体視を可能にするために視差に合わせて投影角を変えたグラフを左右に並べて図示しており、交差法によるステレオ視により立体像が浮かび上がる。 図13は、本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法により得られた色素Bのd(x)の回帰曲面と測定値のプロットを示し、x軸、y軸にそれぞれc、cをとり、z軸にp(c)をとった。図13においては、裸眼立体視を可能にするために視差に合わせて投影角を変えたグラフを左右に並べて図示しており、交差法によるステレオ視により立体像が浮かび上がる。 図14は、本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法と従来の手法とのそれぞれの予測性能の指標Qを算出した結果を示す図表である。 図15は、擬似的に生成した二重蛍光の分光スペクトル画像(原画像)を、本発明による多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法により得られた色素濃度関数と従来の手法とを用いてそれぞれ分離した結果を示す図表である。
符号の説明
10 光源
12 キュベットホルダ
14 分光器(ディテクタ)
16 データ取得用パーソナル・コンピュータ
18 光ファイバ
18a 端部
20 光ファイバ
20a 端部
22 ケーブル
24 試料セル
26 集光レンズ
28 集光レンズ
30 試料

Claims (8)

  1. 測定した多重蛍光から各蛍光色素の蛍光色素濃度を推定する多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法において、
    蛍光色素濃度が既知の蛍光色素の分光スペクトルに対して独立成分分析を行って独立成分の強度を導出し、
    前記導出した独立成分の強度を変数として回帰分析を行って前記蛍光色素濃度が既知の蛍光色素の蛍光色素濃度関数を推定し、
    前記推定した蛍光色素濃度関数に基づいて、測定した多重蛍光から各蛍光色素の蛍光色素濃度を推定する
    ことを特徴とする多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法。
  2. 請求項1に記載の多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法において、
    前記回帰分析は、線形回帰モデルによる回帰分析である
    ことを特徴とする多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法。
  3. 請求項1に記載の多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法において、
    前記回帰分析は、非線形回帰モデルによる回帰分析である
    ことを特徴とする多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法。
  4. 請求項3に記載の多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法において、
    前記非線形回帰モデルは、ロジスティック回帰モデル、多項式回帰モデル、フーリエ級数、ウェーブレットまたはn次スプラインである
    ことを特徴とする多重蛍光からの蛍光色素濃度の推定方法。
  5. 測定した多重蛍光から各蛍光色素の蛍光強度を推定する多重蛍光からの蛍光強度の推定方法において、
    蛍光強度が既知の蛍光色素の分光スペクトルに対して独立成分分析を行って独立成分の強度を導出し、
    前記導出した独立成分の強度を変数として回帰分析を行って前記蛍光強度が既知の蛍光色素の蛍光強度関数を推定し、
    前記推定した蛍光強度関数に基づいて、測定した多重蛍光から各蛍光色素の蛍光強度を推定する
    ことを特徴とする多重蛍光からの蛍光強度の推定方法。
  6. 請求項5に記載の多重蛍光からの蛍光強度の推定方法において、
    前記回帰分析は、線形回帰モデルによる回帰分析である
    ことを特徴とする多重蛍光からの蛍光強度の推定方法。
  7. 請求項5に記載の多重蛍光からの蛍光強度の推定方法において、
    前記回帰分析は、非線形回帰モデルによる回帰分析である
    ことを特徴とする多重蛍光からの蛍光強度の推定方法。
  8. 請求項7に記載の多重蛍光からの蛍光強度の推定方法において、
    前記非線形回帰モデルは、ロジスティック回帰モデル、多項式回帰モデル、フーリエ級数、ウェーブレットまたはn次スプラインである
    ことを特徴とする多重蛍光からの蛍光強度の推定方法。
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