JP2006242184A - 抽気マニホルドおよびコンプレッサー・ケースアセンブリ - Google Patents

Abstract

【課題】コンプレッサー抽気マニホルドをエンジンケーシング荷重経路から機械的に隔離することにより、ケースの剛性及び熱応答管理を最適化したコンプレッサー間隙を提供する。
【解決手段】コンプレッサー半径方向抽気マニホルド及びコンプレッサー・ケースアセンブリは、１つ以上の抽気流出口流路（４４）を内部に有するコンプレッサー・ケース（３８）と；コンプレッサー・ケースに装着され、マニホルドプレナムと装着ボスにある１つ以上の出口流路（４４）との間に半径方向に延出する１つ以上の入口流路（４６）を有し、コンプレッサー空気をマニホルドプレナム（４８）の中へ放出する別個の抽気マニホルド（３８）とを含む。
【選択図】図２

Description

本発明は、回転機械技術に関し、特に、関連するコンプレッサー・ケースに装着可能な別個のコンプレッサー抽気（bleed）マニホルドに関する。

軸流工業用ガスタービンにおいて、回転するコンプレッサー・ブレードとコンプレッサー・ケースとの間の半径方向間隙を縮小することは、性能を改善する上で不可欠である。現在の工業用ガスタービンのコンプレッサー抽気マニホルドは、基礎を成すコンプレッサー・ケース構造と一体である。言い換えれば、現在の工業用ガスタービンケースの設計原理は、抽気マニホルドをコンプレッサー・ケースと一体化する。しかし、この構造は、コンプレッサー間隙の縮小にはつながらない。それは、エンジン荷重を支持し且つ狭い円形の間隙流路を維持するために、単一のシェル又はケースが要求されるからである。通常、そのようなマニホルドは、軸方向に延出し、互いに対向して配置された垂直フランジに沿って、複数の横向きボルトにより接合された互いに対向するマニホルド部分を含む。それらのボルトは、特に、半径方向内側のマニホルド入口において、必然的に流路から半径方向に遠く離れた位置に配置される。現在のコンプレッサー抽気マニホルド構造は、本来は滑らかである荷重経路を破断すること；いわゆる「飛び込み台」(diving board)効果を生み出す支持無しケース壁部分を形成すること；抽気パイプの配置場所を限定し、その結果、ケースに対する荷重を制限すること；及び回転子とケースとの間に熱応答の不一致を発生させることにより、適切なケース構造の設計という問題を更に困難にしている。

本出願と共通の出願人により所有される２００４年８月１８日出願、名称「Compressor Bleed Air Manifold for Blade Clearance Control」の米国特許出願第１０／９２０，１６６号（特許文献１）は、周囲方向に延出する垂直フランジにより、分割形抽気マニホルドに関わる同様の問題に対応している。
米国特許出願第１０／９２０，１６６号公報 米国特許第６，０２７，３０４号公報 米国特許第６，４３８，９４１号公報 米国特許第６，５８５，４８２号公報 米国特許第６，７８３，３２４号公報

本発明は、コンプレッサー抽気マニホルドをエンジンケーシング荷重経路から機械的に隔離することにより、ケースの剛性及び熱応答管理を最適化した改善されたコンプレッサー間隙を提供する。これは、荷重を支持する単壁コンプレッサー・ケースの外面に装着するために別個のボルト結合半径方向抽気マニホルドを提供することにより実現される。本発明の実施形態に従ったボルト結合半径方向抽気マニホルド構成は、マニホルド入口の両側に設けられた環状水平フランジを貫通して、ケースから隆起した環状ボスの内部へ延出する複数のボルトにより、ケースに固着される。ボルトは、周囲に沿って、あるパターンに従って配置される。製造工程に応じて、ボルト結合マニホルドは、半径方向外側の環状垂直フランジを必要とする場合もある。いずれの場合も、コンプレッサー抽気流は、ケースにある半径方向に向きを定められた溝穴又は穴を経て、ボルト結合半径方向抽気マニホルドに流入する。それらの溝穴又は穴は、抽気流に対して最適の空気力学的条件を提供するように適応されてもよい。

ボルト結合半径方向抽気マニホルド構成は、上述の「飛び込み台」効果を排除し、それにより、回転子ブレード先端部と外径流路壁との間の間隙制御を更に確実に実行できる。本発明のマニホルド抽気アセンブリは、ケースの剛性及び熱応答速度を適応するための新たな設計上の選択肢を更に提供する。剛性適応という特徴があるため、ケースの真円度を低減することにより、間隙を更に狭めることができ、回転子に対する重力たるみ整合を改善でき、更に、高温再始動の場合の回転子に対する熱応答整合を改善できる。

また、本発明によるマニホルドは、抽気配管の場所を最も適切に支持し、それにより、ケース構造内部に対する配管荷重を減少するように構成できる。半径方向抽気マニホルドは、ケースの水平分割線を終端部としてもよく、その場合、２つの１８０°マニホルド部分が形成されることになる。完全な輪形のマニホルドが要求される場合には、水平分割線フランジを「またぐ」ように、ボルト結合半径方向抽気マニホルドを構成できる。あるいは、複数の周囲部分、周囲セグメント、弓形部分又は弓形セグメントを含むように、マニホルドを適応させてもよい。それらのセグメントは、抽気パイプの必要性、並びにケースの剛性及び熱応答の要求条件に適合するように規定される。

ボルト結合半径方向抽気マニホルドは、マニホルドの横断面形状、マニホルドの半径方向高さ、内側及び外側のフランジの半径方向高さ及び厚さ、抽気ポートの向きなどに関して、特定の最終用途に応じて変形されてもよい。

従って、１つの面においては、本発明は、コンプレッサー半径方向抽気マニホルド及びコンプレッサー・ケースアセンブリであって、１つ以上の抽気流出口流路を内部に有するコンプレッサー・ケースと；コンプレッサー・ケースに装着され、マニホルドプレナムと装着ボスにある１つ以上の出口流路との間に半径方向に延出する１つ以上の入口流路を有し、コンプレッサー空気をマニホルドプレナムの中へ放出する別個の抽気マニホルドとを具備するアセンブリに関する。

別の面においては、本発明は、コンプレッサー半径方向抽気マニホルド及びコンプレッサー・ケースアセンブリであって、１つ以上の抽気流出口流路を内部に有する周囲方向に延出するボスを具備するコンプレッサー・ケースと；ボスに固着され、マニホルドプレナムと装着ボスの１つ以上の出口流路との間に半径方向に延出する１つ以上の入口流路を有し、コンプレッサー空気をマニホルドプレナムの中へ放出する別個の抽気マニホルドとを具備し、マニホルドは、マニホルドの半径方向外側の部分に互いに対向して配置された周囲方向に延出する垂直フランジに沿って接合された１対の分割半体部を具備するアセンブリに関する。

更に別の面においては、本発明は、コンプレッサー半径方向抽気マニホルド及びコンプレッサー・ケースアセンブリであって、１つ以上の抽気流出口流路を内部に有する弓形ボスを具備するコンプレッサー・ケースと；弓形ボスに固着され、マニホルドプレナムと装着ボスにある１つ以上の出口流路との間に半径方向に延出する１つ以上の入口流路を有し、コンプレッサー空気をマニホルドプレナムの中へ放出する別個の抽気マニホルドとを具備し、マニホルドにおいて、１つ以上の入り口流路の半径方向内側の端部には弓形ボスと係合する水平フランジが形成され、１つ以上の入口流路はフランジを貫通し；１対のボルト円が入口流路の両側のフランジに規定されるアセンブリに関する。

次に、添付の図面に関連して、本発明を詳細に説明する。

図１は、コンプレッサー１２の従来の抽気溝穴及びマニホルド構成１０を示す。コンプレッサー・ケース１４は、２つの半体により形成される。２つの半体は、ボルト１８などにより、分割垂直フランジ１６に沿って接合される。マニホルド２０は、ケース壁と一体であり、プレナム２２と、プレナム２２をコンプレッサー１２の内部流路と接続する連続した環状入口溝穴２４とを含む。尚、溝穴２４の両側に、ケース１４の支持無し縁部分２６、２８がある。それらの支持無しケース部分は、内側及び／又は外側へ撓むことがあり、その結果、一般に「飛び込み台」効果と呼ばれる現象が起こる。この「飛び込み台」効果は、コンプレッサー・ブレード（図示せず）とケース壁との間のごく狭い流路間隙を制御する能力に悪影響を及ぼす。また、プレナム２２に隣接するボルト１８のボルト穴パターンは、プレナム及び入口溝穴２４から半径方向外側へ離間して配置されており、これが、特に縁部分２６、２８の領域において、ケースの剛性に悪影響を及ぼす。

本発明の一実施形態が図２に示される。図２においては、関連するコンプレッサー３２に対して、新たな抽気マニホルド構成３０が提供される。コンプレッサー３２は、水平分割線（図示せず）により分離された上方部分及び下方部分を有するケース３４を含む。周囲方向に延出するボス３６は、マニホルド３８を支持する。マニホルド３８は、装着フランジ４０を具備する。装着フランジ４０は、ボス３６と係合することにより、ボルト４２又は他の適切な固着部材を介してマニホルド３８をケース３４に固着できる。ボス３６は、ケースの上方部分に関して約１８０°にわたり延出し、ケースの下方部分にも同様のボスが設けられることは理解されるであろう。

ケース又はケース壁３４にある複数の穴又は溝穴４４は、ボス３６を貫通し、マニホルド３８にある同様の大きさ及び形状を有する入口流路４６に至る。入口流路４６は、ほぼ楕円形の一次マニホルド流路、すなわち、プレナム４８に通じる。マニホルド３８の製造方法に応じて、マニホルド自体が縁部５４、５６（想像線で示される）に沿って分割されている場合には、マニホルドの半径方向外側の部分に沿って、互いに対向する上部垂直フランジ５０、５２が形成（又は追加）されてもよい。例えば、このような構造は、入口穴又は溝穴４４がマニホルドセグメント全体にわたり延出する場合に必要になるであろう。分割マニホルドの互いに対向する上部の自由端部５４、５６を固着するために、ボルト５８又は他の適切な固着部材が採用されるであろう。ケースが分割構造である場合、通常、マニホルドも同様に分割されると考えられるので、マニホルドの弓形の広がりはボス３６に適合される。言い換えれば、図２に示されるようなボルト結合マニホルドは、ケースの水平分割線を終端とし、それにより、２つの１８０°のマニホルド部分が形成されてもよい。完全な輪形のマニホルドが要求される場合には、ケースの上方部分及び下方部分において、ボルト結合半径方向抽気マニホルドが水平方向分割線フランジを「またぐ」ように構成できる。

以上説明された抽気マニホルド構成は、荷重を支持する、すなわち、バックボーンである単壁コンプレッサー・ケース構造から抽気マニホルドを有効に隔離する。抽気溝穴及びマニホルド構成の設計変数は、
（ａ）マニホルド横断面；
（ｂ）マニホルド半径方向高さ；
（ｃ）内側及び外側のフランジの半径方向高さ及び厚さ；及び
（ｄ）抽気ポートの向き
項目（ａ）、（ｂ）及び（ｃ）は、全て、周囲方向場所の関数であってもよい。

現時点で最も実用的で好ましい実施形態であると考えられるものに関連して本発明を説明したが、本発明は、開示された実施形態に限定されることなく、添付の特許請求の範囲の趣旨の範囲内に含まれる様々な変形及び等価の構成を含むことが意図されることを理解すべきである。

従来の抽気溝穴及びマニホルド構成の簡略化された部分横断面図である。 本発明の一実施形態に従った半径方向抽気マニホルド構成の簡略化された横断面図である。

符号の説明

３０…抽気マニホルド構成、３２…コンプレッサー、３４…ケース、３６…ボス、３８…マニホルド、４０…装着フランジ、４２…ボルト、４４…穴（溝穴）、４６…入口流路、４８…プレナム、５０、５２…上部垂直フランジ、５８…ボルト

Claims (9)

1. 抽気マニホルド付きコンプレッサー・ケースアセンブリにおいて、
   １つ以上の抽気流出口流路（４４）を内部に有するコンプレッサー・ケース（３４）と；
   前記コンプレッサー・ケースに装着された抽気マニホルド（３８）であって、マニホルドプレナム（４８）と前記１つ以上の出口流路（４４）との間に半径方向に延出する１つ以上の入口流路（４６）を有し且つコンプレッサー空気を前記マニホルドプレナム（４８）の中へ放出する別個の抽気マニホルド（３８）、
   とを具備するコンプレッサー・ケースアセンブリ。
2. 前記マニホルド（３８）は、前記１つ以上の入口流路（４６）の半径方向内側の端部には前記コンプレッサー・ケースの周囲に沿って延出するボス（３６）と係合する周囲方向に延出する水平フランジ（４０）と共に形成され、前記１つ以上の入口流路（４６）は前記フランジ（４０）を貫通することを特徴とする請求項１記載のアセンブリ。
3. 前記抽気マニホルド（３８）は、前記抽気マニホルドの半径方向外側の部分に互いに対向して配置された垂直フランジ（５０、５２）に沿って接合された１対の分割半体部を具備することを特徴とする請求項１記載のアセンブリ。
4. 前記抽気マニホルドは、前記抽気マニホルドの半径方向外側の部分に互いに対向して配置された垂直フランジ（５０、５２）に沿って接合された１対の分割半体部を具備することを特徴とする請求項２記載のアセンブリ。
5. 前記抽気マニホルドは、各々がほぼ１８０°の角度に及ぶ１対の弓形セグメントに分割されることを特徴とする請求項１記載のアセンブリ。
6. 前記プレナム（４８）は、横断面がほぼ楕円形であることを特徴とする請求項１記載のアセンブリ。
7. 前記１つ以上の出口流路（４４）は、複数の周囲方向に互いに離間して配置された穴を具備することを特徴とする請求項１記載のアセンブリ。
8. 前記１つ以上の出口流路（４４）は、複数の周囲方向に互いに離間して配置された弓形溝穴を具備することを特徴とする請求項１記載のアセンブリ。
9. １対のボルト円（４３）が前記入口流路の両側の前記フランジに規定されることを特徴とする請求項２記載のアセンブリ。

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