JP2006242155A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 アンモニア化合物の還元剤を効率的にアンモニアに変換し、NOx浄化効率を高めることが可能な内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】 本発明の内燃機関の浄化装置は、内燃機関の排気ガスに含まれるNOxを浄化するものであり、排気ガスを導く排気通路に前記排気ガス中のNOxを還元反応により浄化するNOx還元触媒を有し、その上流側にアンモニア化合物を還元剤として噴射する還元剤噴射手段と、前記還元剤噴射手段より噴射された前記還元剤を加熱する還元剤加熱手段を備える。前記還元剤噴射手段から噴射される還元剤の単位時間当たりの噴射量は、噴射前に調量される。還元剤は、噴射流量が調量された後に加熱されるので、調量精度を良くすることができる。さらに、還元剤を噴射後に加熱するので、比較的、低圧噴射による噴霧でも、均等にアンモニアを拡散することができる。このように、本発明の内燃機関の排気浄化装置は、還元剤を効率よく活性化し、NOx還元反応を効率良くおこさせることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の排気通路に配置され、NOxを浄化する内燃機関の排気浄化装置に関する。
ディーゼルエンジンなどの内燃機関より排出される排気ガスには、有害な窒素酸化物(NOx)が含まれていることが知られている。そのため、この有害物質であるNOxを還元して浄化を行うNOx還元触媒を内燃機関の排気通路に取り付けることが必要となる。このNOx還元触媒の還元時におけるNOx浄化効率を高めるために、その上流側の排気通路に、アンモニア水などの還元剤を注入する構成が特許文献1に記載されている。
このようなNOx浄化装置では、排気ガスの温度が低温の場合におけるNOx浄化率を高める必要がある。NOx浄化率は、NOx還元触媒の活性によって影響されるだけでなく、還元剤から変換されるアンモニアの量や排気ガス中におけるアンモニアの拡散性にも影響される。特許文献2及び3に示すNOx浄化装置では、還元剤としてアンモニア水を用いて、このアンモニア水を加熱して活性を高めた後、排気ガスに添加している。
しかしながら、特許文献1に示すNOx浄化装置では、アンモニア水を気化直前の温度まで加熱するため、必要以上に加熱してしまう可能性があり、熱効率が悪かった。
特開平3−206314号公報 特開平2−227512号公報 特開2002−332827号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、アンモニア化合物の還元剤を効率的にアンモニアに変換し、NOx浄化効率を高めることが可能な内燃機関の排気浄化装置を提供する。
本発明の1つの観点では、内燃機関の排気浄化装置は、内燃機関の排気通路に設けられ、排気ガス中のNOxを還元反応により浄化するNOx還元浄化手段と、前記NOx還元浄化手段の上流側に設けられ、単位時間当たりの噴射量を調量した上でアンモニア化合物を還元剤として噴射する還元剤噴射手段と、前記還元剤噴射手段より噴射された前記還元剤を加熱する還元剤加熱手段と、を備える。
上記の内燃機関の排気浄化装置は、内燃機関の排気ガスに含まれるNOxを浄化するものであり、内燃機関の排気通路に設けられ、排気ガス中のNOxを還元反応により浄化するNOx還元浄化手段と、前記NOx還元浄化手段の上流側に設けられ、単位時間当たりの噴射量を調量した上でアンモニア化合物を還元剤として噴射する還元剤噴射手段と、前記還元剤噴射手段より噴射された前記還元剤を加熱する還元剤加熱手段と、を備える。還元剤は、その噴射流量が調量された後に加熱されるので、予め、還元剤を加熱することによりアンモニアに変換した後に、排気通路へ噴射したときよりも、その調量精度を向上させることができる。さらに、還元剤を噴射後に加熱するので、比較的、低圧噴射による噴霧でも、均等にアンモニアを拡散することができる。このように、上記の内燃機関の排気浄化装置は、このように、還元剤を噴射後に加熱することで、還元剤の活性を効率良く高め、NOx還元反応を効率良く起こさせることができる。
上記の内燃機関の排気浄化装置の一態様では、前記還元剤加熱手段は発熱体より構成され、噴射された前記還元剤は前記発熱体に衝突することにより加熱される。よって、還元剤は、還元剤加熱手段に対する噴霧衝突によっても活性化され、その噴霧衝突による分、加熱の必要がなく効率的に活性化させることが可能となる。
上記の内燃機関の排気浄化装置の他の一態様では、前記還元剤加熱手段は前記排気通路内に放電を発生させる放電発生装置であり、噴射された前記還元剤は放電による熱によって加熱される。これによっても、還元剤を噴射後に加熱するので、還元剤を効率的に活性化させることができる。また、排気ガス中のNOからNOを生成することができるので、生成されたNOにより、排気ガスの温度が低温の場合における浮遊粒子物質の酸化を促進することができ、浮遊粒子物質の低減を行うことができる。
上記の内燃機関の排気浄化装置の他の一態様では、内燃機関の機関運転状態を検出する機関運転状態検出手段と、検出された前記機関運転状態を基に、前記還元剤噴射手段による単位時間当たりの前記還元剤の噴射量を制御する還元剤噴射量制御手段と、前記排気ガスの温度を検出する排気ガス温度検出手段と、を備え、前記還元剤加熱手段は、検出された前記排気ガスの温度が所定温度以下である場合に前記還元剤を加熱する。これにより、還元剤から効率よくアンモニアを生成することができ、NOx還元反応を効率良く起こさせることができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係る排気浄化装置について説明する。図1は、本発明の排気浄化装置20を内燃機関に適用した第1実施形態の概略構成を示している。内燃機関1は、4つの気筒2が一列に並べられた直列4気筒型のディーゼルエンジンで、吸気通路3、排気通路4、及び内燃機関1に対して過給を行うターボ過給機5をそれぞれ備えている。吸気通路3には、エアーフィルタ18と、吸気流量を計測するエアフロメータ19と、ターボ過給機5のコンプレッサ5aと、コンプレッサ5aにて圧縮された吸気を冷却するインタークーラ7と、が設けられている。排気通路4には、ターボ過給機5のタービン5bと、排気ガス中の有害物質を削減するための排気浄化装置20と、が設けられている。吸気通路3と排気通路4とはEGR通路6にて接続されて排気ガスの一部が排気通路4から吸気通路3へ還流される。EGR通路6には、吸気通路3に還流させるべき排気ガスを冷却するEGRクーラ17と、排気ガスの還流量を調整するためのEGRバルブ8と、がそれぞれ設けられている。内燃機関1には、各気筒2に対応させて4つのインジェクタ9が設けられている。4つのインジェクタ9はコモンレール10に接続される。
図2は、第1実施形態に係る排気浄化装置20の拡大図を示している。排気浄化装置20は、NOxを還元する機能を有するNOx触媒11を備え、NOx触媒11の上流側に、NOxを還元するための還元剤を添加する還元剤噴射弁21と、加熱器22とを備えている。
還元剤噴射弁21は、還元剤を、排気通路4に噴射することで排気ガスに添加する役目を有している。還元剤噴射弁21は、サプライポンプ14を介して還元剤貯蔵タンク13と接続されており、還元剤貯蔵タンク13から、サプライポンプ14を介して、還元剤が還元剤噴射弁21に供給される。還元剤噴射弁21では、ECU25からの制御信号S3によって、単位時間当たりの還元剤の噴射流量が調量される。還元剤噴射弁21による還元剤の排気ガスへの添加量は、NOxを還元する必要に応じ、ECU25にて制御される。よって、この還元剤噴射弁21は、本発明における還元剤噴射手段として機能する。
加熱器22は、グロープラグやヒーターなどの発熱体であり、還元剤噴射弁21の噴射口の後方に備え付けられている。従って、還元剤噴射弁21は、加熱器22に向けて、還元剤を噴射することとなる。還元剤噴射弁21より噴射された還元剤は、加熱器22に衝突することで、加熱される。還元剤たるアンモニア化合物は、加熱器22で加熱されることにより、活性化され、アンモニアに変換される。加熱器22の発熱量は、ECU25からの制御信号S4によって、調節される。よって、加熱器22は、本発明における還元剤加熱手段として機能する。
NOx触媒11は、NOx還元触媒であり、セラミックのコーディライトや鉄(Fe)−クロム(Cr)−アルミニウム(Al)系の耐熱鋼からなるハニカム形状の横断面を有するモノリスタイプの触媒担体に、例えば、ゼオライト系の活性成分が担持された構成をなす。触媒担体に担持された活性成分は、添加剤として尿素((NHCO)等の供給を受けて活性化し、還元剤より変換されたアンモニア(NH)を用いて、酸化雰囲気中で排気ガス中のNOxを窒素(N)と水(HO)に還元するNOx還元を行う。よって、このNOx触媒11は、本発明におけるNOx還元浄化手段として機能する。
NOx触媒11の下流側には、アンモニア酸化触媒12が設けられる。アンモニア酸化触媒12は、NOx還元反応に使われなかったアンモニアを、窒素と水に変換する。これにより、アンモニア酸化触媒12は、アンモニアがそのまま外部へ排出されるのを抑える役目を有する。
還元剤噴射弁21の上流側、またはアンモニア酸化触媒12の下流側には、浮遊粒子物質(PM)を削減するために、図示しないディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)が設置される。
また、排気浄化装置20は、NOx浄化処理の制御を行うために、内燃機関1の機関運転状態、排気温度などを検出する種々のセンサが設置されている。これらのセンサは、エンジンコントロールユニット(ECU)25と電気的に接続されており、検出信号をECU25に出力する。排気通路4のNOx触媒11の下流側には、排気ガスの温度を検出し、検出信号S2を出力する排気温度センサ23と、排気ガスのNOx濃度を検出し、検出信号S1を出力するNOxセンサ24とが設置されている。また、内燃機関1には、吸気流量を検出し、検出信号S5を出力する吸気流量センサ31、機関回転速度を検出し、検出信号S6を出力する回転速度センサ32などが配置される。なお、排気温度センサ23は、破線でしめす排気温度センサ23aの位置、即ち、NOx触媒11の上流側に備えることとしてもよい。排気温度センサ23は、本発明における排気ガス温度検出手段として機能する。NOxセンサ24、吸気流量センサ31、回転速度センサ32は、本発明における機関運転状態検出手段として機能する。
ECU25は、図示しないCPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インタフェイスなどを含んで構成される。ECU25は、NOxセンサ24、吸気流量センサ31、回転速度センサ32より供給される検出信号S1、S5、S6、及び、を基に、還元剤噴射弁21に内燃機関1の運転状態に応じて算出される機関負荷などに基づいて還元剤の単位時間当たりの噴射流量を決定し、排気温度センサ23からの検出信号S2を基に、加熱器22の発熱量を決定する。ECU25におけるNOx浄化制御処理の詳細は、後に詳しく述べる。ECU25は、本発明における還元剤噴射量制御手段および加熱量制御手段として機能する。
(NOx浄化処理)
次に、本発明におけるNOx浄化処理について詳しく述べる。還元剤としてアンモニア化合物を用いる場合、NOx触媒11で行われるNOx還元の反応式は、4NO+4NH+O→4N+6HOで表すことができる。即ち、還元剤としてアンモニア化合物を用いる場合、NOx触媒11では、NOxとアンモニア(NH)を反応させることにより、窒素(N)に還元する。そのため、NOx還元処理を行う前に、還元剤として用いられるアンモニア化合物からアンモニアを発生させる必要がある。そこで、還元剤として還元剤噴射弁21より噴射されるアンモニア化合物は、NOx還元反応が行われる前に、排気ガスの熱や加熱器22によって加熱されることにより活性化され、アンモニア(NH)に変換される。還元剤として用いられるアンモニア化合物としては、尿素水、アンモニア水、アルバミン酸アンモニウムを用いることができるが、この中でも尿素水が好適である。
図3は、NOxに対し、NOx還元の反応式に従って、アンモニアをモル当量与えたときの排気ガスの温度とNOx浄化率の関係を示すグラフである。図3が示すように、NOx浄化率のグラフは、排気ガスの温度がある所定の温度T℃となるときに、NOx浄化率が最大となる値Rmax%をとるグラフとなる。即ち、排気ガスが温度T℃となるときに、NOx還元反応は最も効率良く行われている。一般的には、このNOx浄化率が最大となるときの温度Tは、300℃程度である。
排気ガスの温度がT℃よりも低い状態では、NOx浄化率が急激に低下している。この理由は、排気ガスの温度がT℃よりも低い状態では、アンモニア化合物からアンモニアへの変換効率が低下するからである。即ち、排気ガスの温度が高い場合には、排気通路に噴射されたアンモニア化合物が高温の排気ガスにより加熱され、効率よくアンモニアに変換されるが、排気ガスの温度が低い場合には排気ガスによりアンモニア化合物が十分に加熱されず、アンモニアの生成効率が低下するからである。なお、排気ガスの温度がT℃よりも低いとき、排気ガスの温度は低温であるといわれる。
このように、排気ガスの温度が低温の場合、具体的には排気ガスの温度がNOx浄化率の最大値Rmax%となる温度(以下、単に「NOx浄化最適温度」と呼ぶ)T℃以下の場合はアンモニアの変換効率が低く、NOxの浄化が不十分となる。そこで、排気ガスの温度が低温の場合、第1実施形態に係る排気浄化装置では、還元剤としてのアンモニア化合物を加熱器22によって加熱することとする。このようにすることで、排気ガスの温度が低温の場合であってもアンモニア化合物から効率よくアンモニアが得られるので、NOx還元反応を効率良く起こさせることができる。
第1実施形態に係る排気浄化装置20では、還元剤は、還元剤噴射弁21において単位時間当たりの噴射流量を調量して噴射された後、加熱器22によって加熱される構成としている。よって、予め、還元剤を加熱することによりアンモニアに変換した後に、排気通路4へ噴射したときよりも、その調量精度を向上させることができる。さらに、還元剤を噴射後に加熱することにより、比較的、低圧噴射による噴霧でも、均等にアンモニアを生成し、拡散することができる。よって、還元剤を噴射後に加熱することで、還元剤の活性化を効率良く促すことができる。このように、還元剤を噴射後に加熱することにより、アンモニアへの変換率を向上させることができるので、NOx還元反応も効率良く起こさせることができる。また、還元剤を低圧噴射によって噴霧することができるので、安価な噴射弁を用いることができ、高価な高圧ポンプも不要となるので、低コスト化を図ることができる。
また、第1実施形態に係る排気浄化装置20では、噴射された還元剤は、加熱器22に衝突して、加熱される構成となる。よって、還元剤は、噴霧衝突によっても活性化され、その噴霧衝突による分、加熱の必要がなく効率的に活性化させることが可能となる
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る排気浄化装置について説明する。図4は、本発明の排気浄化装置20aを内燃機関に適用した第2実施形態の概略構成を示している。図5は、第2実施形態に係る排気浄化装置20aの拡大図である。排気浄化装置20aでは、還元剤噴射弁21より噴射された還元剤を加熱するために、加熱器22aを用いる。加熱器22aは、放電発生装置であり、正極22apと負極22amよりなる電極で構成され、還元剤噴射弁21が備えられている排気通路4の下流側に設置される。このとき、排気通路4を通る排気ガスは、加熱器22aが設置された位置において、加熱器22aの正極22apと負極22amの間を通過する構成となる。加熱器22aは、正極22apと負極22amの間に、数百ボルトの直流または高周波電圧をかけることにより、排気通路4の加熱器22aが設置されている位置にグロー放電やアーク放電、コロナ放電といった放電を発生させる。還元剤噴射弁21から排気通路4に噴射された還元剤は、加熱器22aが設置されている位置を通るときに、この発生した放電の熱によって加熱される。このような第2実施形態に係る排気浄化装置20aは、第1実施形態に係る排気浄化装置20と同様に、還元剤を噴射後に加熱する構成となる。よって、第2実施形態に係る排気浄化装置20aにおいても、還元剤を効率良く活性化することができ、アンモニアへの変換率を向上させる効果を得ることができる。なお、加熱器22aの放電の発熱量も、後に述べるECU25からの制御信号S4によって、調節される。
さらに、第2実施形態に係る排気浄化装置20aは、加熱器22aが設置されている排気通路4内に放電を発生させることにより、排気ガス中にプラズマ状態を形成させる。これにより、オゾン(O)、Oラジカル、Nラジカルが生成され、この場所を通過する排気ガス中のNOは、NO+O→NO、NO+O→NO+Oなどの反応により、二酸化窒素(NO)に変換される。一般的に、DPFは、排気ガスの温度が低温の場合には、オゾン等が生成するのでPM(粒子状物質)を酸化しづらい。しかし、NOは、排気ガスの温度が低温の場合においても、PMの酸化剤として高い効果を有する。よって、第2実施形態に係る排気浄化装置20では、NOの生成が加熱部22aで行われるので、排気ガスの温度が低温の場合であっても、DPFにおけるPMの酸化を促進することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る排気浄化装置について説明する。図6は、本発明の排気浄化装置20bを内燃機関に適用した第3実施形態の概略構成を示している。図7は、第3実施形態に係る排気浄化装置20bの拡大図である。第1実施形態および第2実施形態に係る排気浄化装置20、20aでは、還元剤噴射弁21は、その還元剤の噴射する方向を排気ガスの流れる方向に向けるために、排気通路4の曲管部に設置されている。
第3実施形態に係る排気浄化装置20bでは、排気通路4における還元剤の噴射位置を、排気通路4の形状に依らずに決めることができる。具体的には、片方の先端がノズル状に細く形成された湾曲した湾曲管15を用い、その湾曲管15のノズル状に形成された先端15aを排気通路4に差し込み、湾曲管15の他方の先端を還元剤貯蔵タンク13に接続する。湾曲管15のノズル状に形成された先端15aは、排気ガスの流れる方向に向けられ、その方向の先に加熱器22が備え付けられる。還元剤貯蔵タンク13には、空気が送られる空気ポンプ16が備え付けられている。この空気ポンプ16から送られる空気の空気圧によって、還元剤貯蔵タンク13に蓄えられている還元剤は、湾曲管15に押し出され、湾曲管15のノズル状に形成された先端15aより排気通路4に噴射される。空気ポンプ16には、還元剤貯蔵タンク13に送られる空気の空気圧を調節する制御弁17が付いている。制御弁17は、第1実施形態および第2実施形態に係る排気浄化装置20、20aの還元剤噴射弁21と同様の機能を有する。即ち、還元剤貯蔵タンク13に送られる空気の量は、ECU25からの制御信号S4により調節され、単位時間当たりの還元剤の噴射流量が調節される。これにより、還元剤の噴射位置を、排気通路4の曲管部に限定することなく、加熱部22の上流側の任意の場所に設置することができ、かつ、排気ガスの流れる方向に還元剤を噴射することが可能となる。
[NOx浄化制御処理]
次に、ECU25が実行するNOx浄化制御処理について詳しく述べる。図8は、NOx還元時にECU25が実行するNOx浄化制御処理を示すフローチャートである。ここでは、第1実施形態に係る排気浄化装置20を例として説明する。
NOx還元時に、まず、ECU25は、NOxセンサ24、吸気流量センサ31、回転速度センサ32からの検出信号S1、S5、S6及び機関負荷などにより内燃機関1の機関運転状態を求め、その機関運転状態を基に還元剤噴射弁21からの単位時間当たりの還元剤の噴射流量を決定する(ステップS11)。ECU25は、決定された単位時間当たりの還元剤の噴射流量を制御信号S3として還元剤噴射弁21に供給する。
次に、ECU25は、排気温度センサ23からの信号S2より、検出された排気ガスの温度を求め(ステップS12)、その検出された排気ガスの温度と、先に述べたNOx浄化最適温度Tを比較する(ステップS13)。このNOx浄化最適温度Tの情報は、予めECU25のRAMなどのメモリに記憶されている。
検出された排気ガスの温度が、NOx浄化最適温度Tよりも高い場合(ステップS13:No)、加熱器22を発熱する必要はないので、還元剤を還元剤噴射弁21より排気通路4を流れる排気ガスに噴射する(ステップS16)。一方、検出された排気ガスの温度が、NOx浄化最適温度Tよりも低い場合(ステップS13:Yes)、検出された排気ガスの温度とNOx浄化最適温度Tとの温度差を基に、加熱器22の必要な発熱量を決定する(ステップS14)。ECU25は、決定した発熱量を制御信号S2として、加熱器22に供給する。
なお、加熱器22の必要な発熱量を決定するときには、先に述べた検出された排気ガスの温度とNOx浄化最適温度Tとの温度差だけでなく、回転速度センサ32より検出された機関回転速度も決定要素として加えることとしてもよい。機関回転速度が大きくなれば、排気ガスの流速も、それにつれて速くなる。この排気ガスの流速が大きければ、還元剤は、加熱器22で十分に加熱される前に、排気ガスにさらわれる可能性が高くなる。よって、機関回転速度が大きい場合には、還元剤を、短い時間で十分に加熱するために、高めの温度で加熱する必要がある。この場合、ECU25は、排気ガスの温度を基に決定された加熱器22の発熱量を、回転速度センサ32より検出された機関回転速度の大きさを基に、さらに調節する。
加熱器22は、供給された制御信号S2の発熱量の情報を基に発熱する(ステップS15)。加熱器22が発熱したら、ECU25は、還元剤噴射弁21を制御し、還元剤を、還元剤噴射弁21より噴射させる(ステップS16)。噴射された還元剤は、還元剤噴射弁21の後方に備え付けられている加熱器22で加熱される。これにより、還元剤から効率よくアンモニアを生成することができNOx触媒11において、NOx還元反応を効率良く起こさせることができる。
本発明の排気浄化装置を内燃機関に適用した第1実施形態を示した図である。 第1実施形態に係る排気浄化装置の拡大図である。 NOx浄化率と排気ガスの温度を示す図表である。 本発明の排気浄化装置を内燃機関に適用した第2実施形態を示した図である。 第2実施形態に係る排気浄化装置の拡大図である。 本発明の排気浄化装置を内燃機関に適用した第3実施形態を示した図である。 第3実施形態に係る排気浄化装置の拡大図である。 NOx浄化制御処理のフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
4 排気通路
11 NOx触媒
20 排気浄化装置
21 還元剤噴射弁
22 加熱器
23 排気温度センサ
24 NOxセンサ
25 エンジンコントロールユニット(ECU)
31 吸気流量センサ
32 回転速度センサ

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、排気ガス中のNOxを還元反応により浄化するNOx還元浄化手段と、
    前記NOx還元浄化手段の上流側に設けられ、単位時間当たりの噴射量を調量した上でアンモニア化合物を還元剤として噴射する還元剤噴射手段と、
    前記還元剤噴射手段より噴射された前記還元剤を加熱する還元剤加熱手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記還元剤加熱手段は発熱体より構成され、
    噴射された前記還元剤は前記発熱体に衝突することにより加熱されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記還元剤加熱手段は前記排気通路内に放電を発生させる放電発生装置であり、
    噴射された前記還元剤は放電による熱によって加熱されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 内燃機関の機関運転状態を検出する機関運転状態検出手段と、
    検出された前記機関運転状態を基に、前記還元剤噴射手段による単位時間当たりの前記還元剤の噴射量を制御する還元剤噴射量制御手段と、
    前記排気ガスの温度を検出する排気ガス温度検出手段と、を備え、
    前記還元剤加熱手段は、検出された前記排気ガスの温度が所定温度以下である場合に前記還元剤を加熱することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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