JP2006241220A - 剥離性被膜形成用シリコーン組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】低速および高速の剥離時において剥離が軽く、しかも残留接着性の低下が少ない優れた剥離性被膜を与える剥離性被膜形成用シリコーン組成物を提供する。
【解決手段】本発明の剥離性被膜形成用シリコーン組成物は、(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン100重量部と、(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に直接結合した水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン(水素原子が前記(A)ポリオルガノシロキサン中のアルケニル基の1〜5モル倍量)と、(C)蒸留範囲の下限値が200℃以上で融点あるいは流動点が30℃以下のパラフィン30〜100重量部、および(D)触媒量の白金系触媒をそれぞれ含有する。(E)付加反応抑制剤および/または(F)有機溶剤をさらに含有することができる。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の剥離性被膜形成用シリコーン組成物は、(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン100重量部と、(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に直接結合した水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン(水素原子が前記(A)ポリオルガノシロキサン中のアルケニル基の1〜5モル倍量)と、(C)蒸留範囲の下限値が200℃以上で融点あるいは流動点が30℃以下のパラフィン30〜100重量部、および(D)触媒量の白金系触媒をそれぞれ含有する。(E)付加反応抑制剤および/または(F)有機溶剤をさらに含有することができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、剥離性被膜形成用シリコーン組成物に係り、特に、移行性や残留接着率の低下が少なく、低速および高速剥離時において軽い剥離が得られる剥離性被膜を形成するためのシリコーン組成物に関する。
従来から、紙、加工紙、プラスチックフィルムなどの基材と粘着性物質との接着あるいは固着を防止するために、基材表面にシリコーン(ポリオルガノシロキサン)組成物の剥離性被膜を形成することが行われている。
このような剥離性被膜形成用のシリコーン組成物としては、その硬化反応機構によって分類される、縮合反応型のものと付加反応型のものとが知られている。縮合反応型のものは、末端にシラノール基を有するポリジオルガノシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリメチルハイドロジェンシロキサンを配合し、有機すず化合物などの触媒の存在下で縮合反応するタイプのシリコーン組成物であり、付加反応型のものは、脂肪族不飽和炭化水素基(アルケニル基)を含有するポリオルガノシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリメチルハイドロジェンシロキサンを配合し、白金系触媒の存在下で反応・硬化させるタイプのシリコーン組成物である。
これらの組成物は、いずれも加熱によって硬化被膜を形成する加熱硬化型のものであり、性状によって、トルエンなどの有機溶剤に溶解させた溶剤タイプ、水に分散させたエマルジョンタイプ、および無溶剤タイプに分類され、種々のタイプの剥離性被膜形成用シリコーン組成物が提案されている。
さらに、このような剥離性被膜形成用シリコーン組成物においては、粘着テープ製造の際の巻き戻し工程、粘着ラベル製造の際のかす取り工程およびラベル貼付工程などの作業性を向上させるために、フェニル基を含有する非官能性ポリオルガノシロキサンを添加することにより、高速剥離時の軽剥離化を図ることが提案されている。(例えば、特許文献1参照)
しかし、特許文献1に記載されたシリコーン組成物においては、フェニル基含有の非官能性ポリオルガノシロキサンの添加により剥離力は低減されるものの、非反応成分のマイグレーションによって残留接着率も大幅に低下してしまうという問題点があった。そのため、前記した作業性を向上させることが難しいのが現状であった。
特公平3−52498号公報
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、低速および高速剥離時の剥離力が小さく、しかも残留接着率の低下が少ない優れた剥離性被膜を与えるシリコーン組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、付加反応型のシリコーン組成物に、揮発性が極めて低い液状の炭化水素を添加・配合することにより、低速および高速剥離時における軽剥離を実現することが可能となり、しかも残留接着率の低下が少ない剥離性被膜が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の剥離性被膜形成用シリコーン組成物は、(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン100重量部と、(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に直接結合した水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンを、前記ケイ素原子に結合した水素原子が前記(A)成分であるポリオルガノシロキサン中のアルケニル基に対して1〜5モル倍に相当する重量部と、(C)蒸留範囲の下限値が200℃以上であり、かつ融点あるいは流動点が30℃以下のパラフィン30〜100重量部と、(D)触媒量の白金系触媒をそれぞれ含有することを特徴とする。
本発明の剥離性被膜形成用シリコーン組成物は、特定の蒸留範囲を有し、揮発性が極めて低く、自由度 流動性が高いパラフィン成分が配合されているので、粘着性物質 ラベルを剥離する際の被膜変形により生じる応力を緩和され、優れた剥離特性が得られ、低速および高速剥離時に軽い剥離力での剥離が実現される。そして、粘着性物質の残留接着性率の低下が少なく、移行性が抑制された剥離被膜を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施形態の剥離性被膜形成用シリコーン組成物は、(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン100重量部と、(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に直接結合した水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンを、ケイ素原子に結合した水素原子が前記(A)成分であるポリオルガノシロキサン中のアルケニル基の1〜5モル倍に相当する重量部と、(C)蒸留範囲の下限値が200℃以上で融点あるいは流動点が30℃以下のパラフィン30〜100重量部、および(D)触媒量の白金系触媒をそれぞれ必須成分として含有する。この剥離性被膜形成用シリコーン組成物は、(E)付加反応抑制剤0.01〜10重量部と、(F)有機溶剤100〜10000重量部のうちの少なくとも一方を、さらに含有することができる。
(A)成分のポリオルガノシロキサンは、付加反応型シリコーン組成物のベースをなすポリマーであり、ケイ素原子に直接結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有する。2個以上のアルケニル基は、それぞれが異なるケイ素原子に結合していることが好ましい。シロキサン鎖の末端ケイ素原子、中間ケイ素原子のいずれに結合していてもよいが、少量のアルケニル基の存在で硬化により機械的強度の優れた被膜を得るためには、少なくともシロキサン鎖の末端ケイ素原子にアルケニル基が結合していることがより好ましい。
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、ドデセニル基などが例示されるが、経済性の点からビニル基が最も好ましい。本発明の実施形態においては、このようなアルケニル基を、ケイ素原子に結合した全有機基に対して0.05〜30モル%、特に0.2〜10モル%の割合で含有することが好ましい。アルケニル基の含有割合が0.05モル%未満では、十分な硬化速度が得られない場合があり、反対に50モル%を超えると、合成が困難になるうえに、剥離力も大きくなり好ましくない。
また、アルケニル基以外のケイ素原子に結合する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;あるいはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子、シアノ基などで置換した基、のような同種または異種の置換もしくは非置換の1価の炭化水素基などが挙げられる。なお、このようなアルケニル基以外の有機基は、全有機基に対して50モル%以上がメチル基であることが好ましい。
このポリオルガノシロキサンの分子構造は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよい。また、分子末端のケイ素原子に結合する有機基は、特に限定されるものではなく、アルケニル基、アルキル基、水酸基、アルコキシ基などのいずれの基であってもよいが、分子末端にアルケニル基を1個以上有することが好ましい。
(A)成分のポリオルガノシロキサンの具体例としては、両末端ジメチルビニルシリル基封鎖ポリジメチルシロキサン、両末端ジメチルビニルシリル基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシリル基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシリル基封鎖ポリメチルビニルシロキサンなどが挙げられる。
(B)成分であるポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するものであり、(A)成分のポリオルガノシロキサンの架橋成分として作用する。ケイ素原子に結合する水素原子以外の有機基は特に限定されないが、有機基全体の90モル%以上がメチル基であることが望ましい。このようなポリオルガノハイドロジェンシロキサンの具体例としては、(CH3)HSiO単位、HSiO3/2単位、(CH3)2SiO単位、(CH3)3SiO1/2単位からなるホモポリマ−またはコポリマーなどが挙げられる。このポリオルガノハイドロジェンシロキサンの分子構造は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。
(B)成分のポリオルガノハイドロジェンシロキサンの配合量は、(A)成分のポリオルガノシロキサンのアルケニル基含有量に応じて決められ、(B)ポリオルガノハイドロジェンシロキサンのケイ素原子に結合した水素原子のモル数が、(A)ポリオルガノシロキサン中のアルケニル基のモル数の1〜5倍となるような配合量とする。一般に、(A)成分のポリオルガノシロキサン100重量部に対して、(B)成分のポリオルガノハイドロジェンシロキサンを0.1〜30重量部の範囲とする。0.1重量部未満では硬化被膜の形成が不十分となり、反対に30重量部を超えると、剥離が重くなるなど剥離性が低下する。
(C)成分のパラフィンは石油由来の精製物であり、本発明の特徴をなす成分である。被膜構成成分として硬化被膜内に留まることが必要であるため、揮発性が極めて少ないことが要求され、また融点が高いものでは良好な塗工性や剥離特性を得ることが難しい。そのため、本発明においては、蒸留範囲の下限値が200℃以上であり、かつ融点あるいは流動点が30℃以下のパラフィン類、例えば、流動パラフィンやイソパラフィンなどが使用される。
このようなパラフィンの配合により、粘着層などを剥離する際の被膜変形により生じる応力が緩和されるので、優れた剥離特性が得られる。したがって、例えば粘着テープ製造における巻き戻し工程および粘着ラベル製造におけるかす取り工程、ラベル貼付工程などの高速化が可能となり、作業性を向上させることができる。
(C)成分である前記パラフィンの配合量は、(A)成分100重量部に対して30〜100重量部とする。配合量が30重量部より少ないと残留接着率の十分な改善が得られず、また100重量部より多いと有効な剥離特性が得られない。
(D)成分の白金系触媒は、前記(A)成分と(B)成分との付加反応を促進し、本発明の組成物を硬化させるための触媒成分である。このような白金系触媒としては、公知のものを使用することができる。例えば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液やアルデヒド溶液、塩化白金酸と各種オレフィン、ビニルシロキサンとの錯体などが挙げられる。
このような(D)白金系触媒の配合量は触媒量とすればよいが、良好な硬化被膜の形成と経済的な見地から、(A)成分100重量部に対して白金量換算で1〜1000ppmの範囲とすることが好ましい。
(E)成分の付加反応抑制剤は、(D)成分の白金系触媒の保存中における触媒活性を低下させることなく、かつ(A)成分のアルケニル基と(B)成分のケイ素原子に結合した水素原子との付加反応を抑制し、組成物の保存安定性を高める働きをする。付加反応抑制剤としては、公知のものを使用することができる。例えば、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−へキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、フェニルブチノ−ルなどのアセチレン系アルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−1−へキシン−3−インなどのアセチレン系化合物;これらのアセチレン系化合物とアルコキシシラン、アルコキシシロキサン、ハイドロジェンシランまたはハイドロジェンシロキサンとの反応物;テトラメチルビニルシロキサン環状体などのビニルシロキサン;ベンゾトリアゾールなどの有機窒素化合物およびその他の有機リン化合物;オキシム化合物、有機クロム化合物などが挙げられる。
(E)成分の付加反応抑制剤の配合量は、処理浴の安定性が得られる量であれば特に限定されないが、(A)成分100重量部に対して0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜1重量部の割合で配合される。
(F)成分の有機溶剤は、処理浴の保存安定性と各種基材に対する組成物の塗工性の向上、塗工量および処理浴粘度の調整などを目的として配合することができる。有機溶剤としては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサンなどが例示される。本発明のシリコーン組成物を均一に溶解させることが可能であり、かつ架橋成分や(E)成分の付加反応抑制剤と反応しない有機溶剤を使用することが望ましい。その配合量は、前記目的が達成される量であれば特に限定されない。(A)成分100重量部に対して100〜10000重量部配合することができる。
本発明のシリコーン組成物には、以上の成分の他にさらに必要に応じて、シリカなどの無機充填剤や顔料を本発明の効果を阻害しない範囲で配合することができる。
本発明のシリコーン組成物は、前記した(A)〜(E)の各成分を(F)成分である有機溶剤中で均一に混合することによって製造することができる。混合に際しては、まず、(A)成分のアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンを(F)有機溶剤に均一に溶解させた後、(B)成分であるポリオルガノハイドロジェンシロキサン、(C)成分であるパラフィンおよび(E)成分である付加反応抑制剤を添加・混合するのが好ましい。また、十分な可使時間を確保するために、(D)成分である白金系触媒は剥離性被膜を形成する直前に添加することが好ましい。
本発明のシリコーン組成物を用いて剥離性被膜を形成するには、前記(A)〜(D)成分を含有する組成物を直接または適当な有機溶剤により希釈した後、バーコーター、ロールコーター、リバースコーター、グラビアコーター、エアナイフコーターにより、さらに薄膜の塗工には、高精度のオフセットコーター、多段ロールコーターなどの公知の塗布方法により、紙、プラスチックフィルム、金属箔などの各種基材上に塗布する。
本発明のシリコーン組成物の基材への塗布量は、塗布すべき基材の種類によっても異なるが、剥離性能とコストとのバランスの点から、固形分量として0.1〜2.0g/m2の塗布量が好ましい。こうして本発明の組成物が塗布された基材を、80〜130℃の温度で5〜30秒間加熱することにより、基材の表面に剥離性の硬化被膜を形成することができる。
こうして得られる剥離性被膜は、低速および高速剥離時の剥離力が小さい(軽い)うえに、移行性および粘着性物質の残留接着率の低下が少なく、剥離性に優れている。したがって、剥離紙や剥離性フィルムなどの用途に有用であり、特にテープの背面処理剤やラベルの剥離ライナーとして利用可能である。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、「部」とあるのはいずれも「重量部」を表す。また、粘度は25℃における測定値である。
実施例1
撹拌装置を備えた内容積3リットルのフラスコに、(F)成分としてトルエン2500部を仕込み、これに(A)成分として、分子鎖末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、ビニル基含有量が2モル%のゴム状のポリオルガノシロキサン100部を加え、20〜40℃で均一な溶液になるまで撹拌し溶解させた。
撹拌装置を備えた内容積3リットルのフラスコに、(F)成分としてトルエン2500部を仕込み、これに(A)成分として、分子鎖末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、ビニル基含有量が2モル%のゴム状のポリオルガノシロキサン100部を加え、20〜40℃で均一な溶液になるまで撹拌し溶解させた。
次いでこれに、(B)成分として、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたポリメチルハイドロジェンシロキサン(粘度30mPa・s)1.6部と、(C)成分である流動パラフィン(和光純薬工業(株)製、和光特級規格、沸点300℃以上)30部、および(E)付加反応抑制剤である3−メチル−1−ブチン−3−オール3.7部をそれぞれ添加し、20〜40℃で1時間、撹拌・混合した。なお、(B)成分であるポリメチルハイドロジェンシロキサンの配合量は、そのMeHSiO2/2で表される構造単位のモル数が(A)成分が含有するビニル基のモル数に対して1.5倍になる量となっている。
次いで、基材に塗工する直前に、(D)成分である白金とビニルシロキサンとの錯塩3.2部(白金換算で(A)成分に対して50ppmの割合に相当する。)を添加し、シリコーン組成物を調製した。
実施例2
撹拌装置を備えた内容積5リットルのフラスコに、(F)成分としてトルエン3250部を仕込み、これに(A)成分として、実施例1と同様の、分子鎖末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されビニル基含有量が2モル%のゴム状のポリオルガノシロキサン100部を加え、20〜40℃で均一な溶液になるまで撹拌し溶解させた。
撹拌装置を備えた内容積5リットルのフラスコに、(F)成分としてトルエン3250部を仕込み、これに(A)成分として、実施例1と同様の、分子鎖末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されビニル基含有量が2モル%のゴム状のポリオルガノシロキサン100部を加え、20〜40℃で均一な溶液になるまで撹拌し溶解させた。
次いでこれに、(B)成分として、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたポリメチルハイドロジェンシロキサン(粘度30mPa・s)1.6重量部と、(C)成分である流動パラフィン(和光純薬工業(株)製、和光特級規格、沸点300℃以上)70部、および(E)付加反応抑制剤である3−メチル−1−ブチン−3−オール3.7部をそれぞれ添加し、20〜40℃で1時間、撹拌・混合した。
次いで、基材に塗工する直前に、(D)成分である白金とビニルシロキサンとの錯塩3.2部(白金換算で(A)成分に対して50ppmの割合に相当する。)を添加し、シリコーン組成物の調製を終了した。
実施例3
(F)成分であるトルエンの配合量を3830部とするとともに、(C)成分である流動パラフィン(和光純薬工業(株)製、和光特級規格)の配合量を100部をした以外は実施例2と同様にして、シリコーン組成物を調製した。
(F)成分であるトルエンの配合量を3830部とするとともに、(C)成分である流動パラフィン(和光純薬工業(株)製、和光特級規格)の配合量を100部をした以外は実施例2と同様にして、シリコーン組成物を調製した。
実施例4
(C)成分としてイソパラフィン(新日本石油化学(株)製、日石アイソゾール400、蒸留範囲213〜262℃、流動点−60℃以下)100重量部を配合した以外は実施例3と同様にして、シリコーン組成物を調製した。
(C)成分としてイソパラフィン(新日本石油化学(株)製、日石アイソゾール400、蒸留範囲213〜262℃、流動点−60℃以下)100重量部を配合した以外は実施例3と同様にして、シリコーン組成物を調製した。
比較例1
撹拌装置を備えた内容積3リットルのフラスコに、(F)成分としてトルエン1923.8部を仕込み、これに(A)成分として、分子鎖末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されたビニル基含有量が2モル%のゴム状のポリオルガノシロキサン100部を加え、20〜40℃で均一な溶液になるまで撹拌し溶解させた。
撹拌装置を備えた内容積3リットルのフラスコに、(F)成分としてトルエン1923.8部を仕込み、これに(A)成分として、分子鎖末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されたビニル基含有量が2モル%のゴム状のポリオルガノシロキサン100部を加え、20〜40℃で均一な溶液になるまで撹拌し溶解させた。
次いでこれに、(B)成分として、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたポリメチルハイドロジェンシロキサン(粘度30mPa・s)1.6部と、(E)付加反応抑制剤である3−メチル−1−ブチン−3−オール3.7部をそれぞれ添加した。そして、(C)成分であるパラフィン類は全く添加せずに、20〜40℃で1時間撹拌・混合した。
次いで、基材に塗工する直前に、(D)成分である白金とビニルシロキサンとの錯塩2.2部(白金換算で(A)成分に対して50ppmの割合に相当する。)を添加し、シリコーン組成物を調製了した。
比較例2
(C)成分として、流動パラフィン(和光純薬工業(株)製、和光特級規格、沸点300℃以上)100部の代わりに、イソパラフィン(新日本石油化学(株)製、日石アイソゾール300、蒸留範囲106〜202℃)100部を配合した以外は実施例3と同様にして、シリコーン組成物を調製した。
(C)成分として、流動パラフィン(和光純薬工業(株)製、和光特級規格、沸点300℃以上)100部の代わりに、イソパラフィン(新日本石油化学(株)製、日石アイソゾール300、蒸留範囲106〜202℃)100部を配合した以外は実施例3と同様にして、シリコーン組成物を調製した。
比較例3
撹拌装置を備えた内容積5リットルのフラスコを使用し、(C)成分として、流動パラフィン(和光純薬工業(株)製、和光特級規格、沸点300℃以上)30部の代わりにパラフィンワックス(和光純薬工業(株)製、商品名パラフィンmp42〜44℃、融点42〜44℃)30部を配合した以外は実施例1と同様にして、シリコーン組成物を調製した。
撹拌装置を備えた内容積5リットルのフラスコを使用し、(C)成分として、流動パラフィン(和光純薬工業(株)製、和光特級規格、沸点300℃以上)30部の代わりにパラフィンワックス(和光純薬工業(株)製、商品名パラフィンmp42〜44℃、融点42〜44℃)30部を配合した以外は実施例1と同様にして、シリコーン組成物を調製した。
比較例4
撹拌装置を備えた内容積5リットルのフラスコを使用し、(C)成分として、流動パラフィン(和光純薬工業(株)製、和光特級規格、沸点300℃以上)30部の代わりにパラフィンワックス(和光純薬工業(株)製、商品名パラフィンmp68〜70℃、融点68〜70℃)30部を配合した以外は実施例1と同様にして、シリコーン組成物を調製した。
撹拌装置を備えた内容積5リットルのフラスコを使用し、(C)成分として、流動パラフィン(和光純薬工業(株)製、和光特級規格、沸点300℃以上)30部の代わりにパラフィンワックス(和光純薬工業(株)製、商品名パラフィンmp68〜70℃、融点68〜70℃)30部を配合した以外は実施例1と同様にして、シリコーン組成物を調製した。
次に、実施例1〜4および比較例1〜4でそれぞれ得られたシリコーン組成物について、以下に示す方法で、硬化被膜の剥離力、残留接着率および移行性をそれぞれ測定した。これらの結果を、配合成分の組成とともに表1に示す。
[剥離力]
調製直後のシリコーン組成物を、密度75g/m2のポリエチレンラミネート紙の上に、乾燥後の塗布量が0.8g/m2になるように塗布し、所定温度の熱風式乾燥機中で所定時間加熱して硬化被膜を形成した後、紙製容器中に密封し、25℃、50%RHで24時間エイジングした。
調製直後のシリコーン組成物を、密度75g/m2のポリエチレンラミネート紙の上に、乾燥後の塗布量が0.8g/m2になるように塗布し、所定温度の熱風式乾燥機中で所定時間加熱して硬化被膜を形成した後、紙製容器中に密封し、25℃、50%RHで24時間エイジングした。
次いで、硬化被膜の表面に、アクリル系粘着剤「オリバインBPS−8170」(東洋インキ製造(株)製)を塗布し、100℃で3分間加熱処理した後、この処理面に密度64g/m2の上質紙を貼り合わせ、全体を幅5cmの短冊型に切断し試験片を作製した。この試験片を、20g/cm2の荷重下に25℃、50%RHの条件で1日エイジングした後、引張り試験機を用いて180°の角度で剥離速度0.3m/min.(低速)または60m/min.(高速)で貼り合わせた紙を引き剥がし、剥離に要した力(N)を測定した。
[残留接着率]
前記と同様にポリエチレンラミネート紙の上に形成された硬化被膜の表面に、幅2.5cmのニットー31B粘着テープ(日東電工(株)製)を貼り付けた。これを20g/cm2の荷重下に70℃で20時間エイジングした後、粘着テープを硬化被膜の表面より剥がし、硬化被膜に接触していた面をステンレス板(JISC2107)に貼り付け、2kgローラーで圧着した。
前記と同様にポリエチレンラミネート紙の上に形成された硬化被膜の表面に、幅2.5cmのニットー31B粘着テープ(日東電工(株)製)を貼り付けた。これを20g/cm2の荷重下に70℃で20時間エイジングした後、粘着テープを硬化被膜の表面より剥がし、硬化被膜に接触していた面をステンレス板(JISC2107)に貼り付け、2kgローラーで圧着した。
次いで、これを25℃で3時間エイジングした後、引張試験機によって180°の方向に引張り、粘着テープの剥離力(f)を測定した。一方、同種の粘着テープをポリテトラフルオロエチレンフィルムに貼り付け、同様の操作によりこのテープの基準剥離力(f0)を測定し、これらの比をとって百分率を算出した。
残留接着率(%)
=(処理テープの剥離に要する力(f)/標準テープの
剥離に要する力(f0))×100
そして、残留接着率が95%以上を○、95%未満で90%以上を△、90%未満を×として表1に示した。
=(処理テープの剥離に要する力(f)/標準テープの
剥離に要する力(f0))×100
そして、残留接着率が95%以上を○、95%未満で90%以上を△、90%未満を×として表1に示した。
[移行性]
前述のようにして硬化被膜が形成されたポリエチレンラミネート紙を、幅5cmの短冊型に切断し試験片を作製した。この試験片の硬化被膜の表面に、厚さ25μmのPETフィルムを貼り合わせ、100g/cm2の荷重をかけ、25℃で20時間圧着した。次いで、PETフィルムを引き剥がし、硬化被膜と接していた側の面にマジックインク(ハイマッキー:ゼブラ(株)の商品名)で線を描き、インクのはじき具合を目視で観察した。はじき具合が極めて少ないものを○、ややはじきが目立つものを△、はじきが多いものを×として表1に示した。
前述のようにして硬化被膜が形成されたポリエチレンラミネート紙を、幅5cmの短冊型に切断し試験片を作製した。この試験片の硬化被膜の表面に、厚さ25μmのPETフィルムを貼り合わせ、100g/cm2の荷重をかけ、25℃で20時間圧着した。次いで、PETフィルムを引き剥がし、硬化被膜と接していた側の面にマジックインク(ハイマッキー:ゼブラ(株)の商品名)で線を描き、インクのはじき具合を目視で観察した。はじき具合が極めて少ないものを○、ややはじきが目立つものを△、はじきが多いものを×として表1に示した。
表1から明らかなように、実施例1〜4で得られた剥離性シリコーン組成物は、硬化被膜の低速および高速剥離時の剥離力が小さく、剥離性に優れているうえに、粘着性物質の残留接着率が高く、かつ移行性が低く抑えられている。
本発明の剥離性被膜形成用シリコーン組成物によれば、残留接着率の低下が少ないうえに移行性が抑制され、かつ低速および高速剥離時の剥離力が小さい剥離性硬化被膜を得ることができる。したがって、剥離紙や剥離性フィルムなどの用途に有用であり、特にテープの背面処理剤やラベルの剥離ライナーとして利用可能である。
Claims (3)
- (A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン100重量部と、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に直接結合した水素原子を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンを、前記ケイ素原子に結合した水素原子が前記(A)成分であるポリオルガノシロキサン中のアルケニル基に対して1〜5モル倍に相当する重量部と、
(C)蒸留範囲の下限値が200℃以上であり、かつ融点あるいは流動点が30℃以下のパラフィン30〜100重量部と、
(D)触媒量の白金系触媒
をそれぞれ含有することを特徴とする剥離性被膜形成用シリコーン組成物。 - (E)付加反応抑制剤0.01〜10重量部をさらに含有することを特徴とする請求項1記載の剥離性被膜形成用シリコーン組成物。
- (F)有機溶剤100〜10000重量部をさらに含有することを特徴とする請求項1または2記載の剥離性被膜形成用シリコーン組成物。
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- 2005-03-01 JP JP2005055696A patent/JP2006241220A/ja active Pending
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