JP2006240080A - 光造形装置 - Google Patents

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Ichiro Miyaki
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Abstract

【課題】マイクロマシンニングに好適な光造形装置を提供する。
【解決手段】樹脂の供給部60と、樹脂を平滑化する平滑化部70と、平滑化された樹脂への露光を行う対物レンズ34とを、略同一水平面内にてそれぞれ別個の位置に設け、各部の下方において造形部50を水平駆動機構54によって移動可能に構成してなる。各部における処理に際しては、造形部50を水平駆動機構54によって順次に各部の直下へと移動させて行う。これにより、樹脂の供給、平滑化、露光の各処理に際して、造形部50と処理を担う各部の間に他の処理の構成要素が介在しないので、造形部50を各部それぞれに出来るだけ近接させた状態でそれぞれの処理が行える。また、露光用光の照射源である対物レンズ34を基体1に固定した状態で露光を行う。これらにより、従来よりも優れた樹脂の積層厚み10μm、平面解像度2μmの光造形装置が実現される。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザー光などの光を所定の光硬化性樹脂に照射することによって三次元物体を造形する光造形装置、特にミクロンオーダーのサイズを有する物体の造形に好適な光造形装置に関する。
ある三次元物体を表現する立体形状データ(例えばCADデータなど)に基づき、所定間隔にてその最下端から最上端までの複数のスライス断面の形状を表現する断面形状データを生成しておき、該断面形状データに基づいて各スライス断面を表現する平板状の樹脂層を光硬化性樹脂を硬化させることによって順次に形成しつつ、該樹脂層が形成されるごとにこれを順次に積層することで、該三次元物体に相当する造形物を造形する光造形技術およびこれを実現する光造形装置が、すでに公知である(例えば、特許文献1ないし3参照。)。造形の手法に関しては、種々の方式が提案されているが、いずれにおいても、例えばレーザー光などの露光用光を、断面形状データにより定まる照射範囲でもって未硬化の光硬化性樹脂に対し照射することによる樹脂層の形成と、該樹脂層の積層とを繰り返し行うことにより造形物を得る、という点では概ね共通している。
特開2004−249508号公報 特開2002−316363号公報 特許3294833号公報
光造形技術は、設計データから比較的簡易にその具現化モデルとなる造形物を造形できることから、従来より、種々の製品試作の場面で用いられてきた技術である。近年ではその造形対象がより小型化し、いわゆるマイクロマシンニングに当該技術を適用する研究が盛んとなっている。
マイクロマシンニングの場合、造形物の全体サイズとして要求されるサイズは最大でも数百μm程度であるので、その構成部分については、少なくともさらに1オーダー程度小さいサイズでの造形が要求されることになる。その実現のためには、数十μm以下、より好適には10〜20μm程度以下の造形精度を実現することが必要となる。
光造形装置においては、主として積層される樹脂層の厚み精度と露光時の平面解像度とが造形精度を左右すると考えられる。前者についていえば、樹脂層の形成処理を高精度化することが必要であり、後者については、露光用光の照射処理を高精度化することが必要である。前者の観点からは造形面への樹脂の供給を担う機構とその平滑化を担う機構とが造形面に近接することが必要であるが、その一方で、後者の観点からすれば、露光用光の安定性等の問題から、その照射位置と造形面との距離はできるだけ小さい方が好ましい。また、後者に関しては、露光用光の安定性の観点からみて、その照射手段(照射光学系)は固定されている方が好ましいといえる。
特許文献1においては、露光用光の照射源を固定し、ステージ側を移動させる態様の光造形装置についての開示はあるが、硬化用樹脂の厚みの高精度化に関しては何らの開示もされていない。
特許文献2に開示された装置においては、照射手段を走査させることで露光が行われている。また、樹脂層の厚みの高精度化に関しては何らの開示もされていない。
特許文献3には、あらかじめ樹脂で満たされた槽において、その液面の露光とステージの降下と繰り返すことにより造形を行ういわゆる自由液面方式の装置が開示されている。係る装置においても、照射手段を走査することによって露光がなされている。また、照射手段と液面との間に樹脂を平滑化する手段が介在するように構成されていることから、照射手段と照射面である液面との間は大きく離間している。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、樹脂層の厚みの高精度化と露光時の高平面解像度とが実現されてなり、マイクロマシンニングに好適な光造形装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、複数の平板状の樹脂層を所定の樹脂を硬化させることによって順次に形成しつつ、当該樹脂層が形成されるごとにこれを順次に積層することで、所定の三次元造形物を造形する光造形装置であって、三次元造形物が造形される造形部と、前記造形部に対して樹脂を供給する供給手段と、前記供給手段によって供給された樹脂を平滑化する平滑化手段と、光源から発せられた光を変調手段によって変調したうえで前記造形部上で平滑化された樹脂に照射する照射手段と、を備え、前記供給手段と、前記平滑化手段と、前記照射手段とはいずれも、所定の位置に固設されてなるとともに、前記造形部は、前記供給手段、前記平滑化手段、および前記照射手段のそれぞれにおける処理に際して、処理を行おうとする手段と当該造形部との間に他の2つの手段が存在しない位置に配置される、ことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の光造形装置であって、前記供給手段と前記平滑化手段と前記照射手段とが略同一水平面内において独立して固設されてなるとともに、前記造形部が所定の駆動機構によって前記略同一水平面と略平行に水平移動可能に設けられ、かつ、前記供給手段、前記平滑化手段、および前記照射手段のそれぞれによる処理の度に、前記駆動機構が、処理を行おうとする手段に対向しかつ近接するように前記造形部を配置させる、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1に記載の光造形装置であって、前記供給手段と前記平滑化手段と前記照射手段とが略同一水平面内において独立して固設されてなるとともに、前記造形部が所定の駆動機構によって前記略同一水平面と略平行に水平移動可能に設けられ、かつ、前記供給手段、前記平滑化手段、および前記照射手段のそれぞれが処理を行う場合に、前記駆動機構が、その処理の順序に対応させて前記造形部を移動させ、処理を行おうとする手段に対向しかつ近接するように前記造形部を配置させる、ことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光造形装置であって、前記照射手段から照射される光を光路上にて観測可能な観測手段、をさらに備えることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4に記載の光造形装置であって、前記観測手段が所定の配置位置に対して着脱自在である、ことを特徴とする。
請求項1ないし請求項5の発明によれば、造形のための樹脂の供給、平滑化、露光の各処理に際して、造形部と処理を担う手段との間に他の処理手段が介在しないので、造形部を各手段それぞれに出来るだけ近接させた状態でそれぞれの処理が行える。また、露光用光の照射源を固定した状態で露光を行うことから露光の際の光路長が固定され、フォーカス状態が安定するとともに、光量の揺らぎや光ビームの振動が少ない安定した露光が可能となる。これらにより、造形の際の積層厚みの精度向上や平面解像度の向上が実現される。
特に、請求項2および請求項3の発明によれば、造形のための樹脂の供給、平滑化、露光の各処理に際して、駆動機構によって移動させることにより、造形部を処理を担う手段に出来るだけ近接させた状態を実現でき、係る状態によってそれぞれの処理を行えるので、造形の際の積層厚みの精度向上や平面解像度の向上が実現される。また、各手段のメンテナンスが必要になった場合には、造形部をその位置から退避させるだけで対象となる部分へと容易にアクセスすることが可能となるので、メンテナンス性の向上が実現されてなる。
また、請求項4および請求項5の発明によれば、実際に造形に使用される光を直接に観測するので、造形に用いる光の状態を正確に把握することが出来る。
特に、請求項5の発明によれば、必要な場合のみ観測手段を配置することが出来るので、不使用中の観測手段を汚染から保護することが出来る。
図1は、本実施の形態に係る光造形装置100の構成を概略的に示す断面模式図である。光造形装置100は、所定の塗布領域に一定厚みに塗布した光硬化性樹脂(以下、単に「樹脂」とも称する)に対して形状データに基づく露光を施すことを樹脂の積層と共に繰り返すことにより、三次元物体を得ることが出来る、いわゆる積層造形法によって造形を行う装置である。光造形装置100は、光源部10と、照明光学系20と、投影光学系30と、像面観察系40と、造形部50と、供給部60と、平滑化部70と、ビーム観測部80と、真空固定部90と、制御用コンピュータPCとを、主として備える。なお、図1は、あくまで各部の構成を概略的に示すに留まるものであり、各構成要素の大小関係などは必ずしも実際の状態を反映したものではない。
光源部10は、所定の光源11から、熱線カットフィルタ12を介して露光用光を発する。光源11の種類は特に限定されず、例えばレーザーやランプ、LEDなど、造形に用いる樹脂を硬化させることが出来る範囲において、適宜のものを用いることが出来る。すなわち、露光用光には、UV光や可視光、赤外光など、適宜の波長を有する光を用いることが出来る。また、複数種の光源が切り替え可能に設けられてなる態様であってもよい。光源11から発せられた露光用光は、光ファイバー13にて照明光学系20へ導かれる。
照明光学系20は、詳細な図示は省略するが、光源からの露光用光を適宜に反射等してこれを例えばDMD(デジタルミラーデバイス)などの変調手段21に照射し、その反射光を図示しない所定のレンズ群で調整しつつ投影光学系30へと入射させる。
ここで、変調手段21としてDMDを用いる場合について概説する。DMDにおいては、微小なミラーが2次元的に配列された単位ブロックが一次元的に配列されてなるとともに、各ミラーに対応した駆動用メモリーセルが備わっており、該駆動用メモリーセルへのON/OFF書き込み状態に応じて各ミラーの姿勢を変更することにより、投影光学系30への露光用光の入射のON/OFFの切り替えが各ミラー単位で可能とするされてなる。微小領域における露光用光の照射の有無を各々のミラーに対応させて設定することができるので、後述する造形部50において、それぞれのミラーからの反射光の照射範囲を露光単位とする露光を行うことが出来る。そして、各ミラーに対応する駆動用メモリーセルへの書き込みのON/OFFを、各スライス断面を表現する断面形状データの内容に応じて設定することで、露光用光の照射領域を、そのデータによって表現される断面形状に応じて定めるとすることが出来るので、断面形状に応じて定まる範囲のみを露光することが可能となる。このようなDMDを用いると、例えば、1024画素×768画素の露光サイズの領域について露光が可能となる。
なお、変調手段21は、DMDのような2次元的な制御を行うものには限定されず、液晶シャッタのような1次元の制御を行うものや、点状のビームを制御する態様のものを用いる態様であってもよい。ただし、露光効率の観点からは、DMDのような2次元的な制御を行うものが好適であることは言うまでもない。
投影光学系30は、変調手段21から入射した露光用光による露光処理を担う。投影光学系30は、露光用光を所定のレンズ群31やミラー群32で調整しつつ、対物レンズ34から造形部50の造形基材51上へとフォーカス状態で照射させる。なお、造形部50からの反射光は対物レンズ34で受光され、投影光学系30の光路上に設けられたビームスプリッタ33にて分岐されて、像面観察系40へと導かれる。
本実施の形態に係る光造形装置100においては、対物レンズ34は基体1に固定され、鉛直下方に向けて露光用光を照射するように配置されてなる。すなわち、直接の照射源を固定した状態で露光が行われることになる。この態様は、照射源を移動または走査させる方式にて露光を行う場合に比して、光路長が固定されることによりフォーカス状態が安定することや、移動等に伴う光量の揺らぎや光ビームの振動が少ないことなどの利点を有している。仮に照射源を移動または走査させる方式を採用した場合、積層厚みを20μm以下、平面解像度を5μm以下とすると、露光用光の走査ずれが造形精度に影響を与えてしまい、それ以上の精度向上が見込めない。すなわち、本実施の形態に係る投影光学系30の配置態様は、造形の際の平面解像度の向上に資する態様である。
さらに、光造形装置100は、後述するように別の場所にて造形基材51に対し樹脂が平滑に塗布されてなる造形部50を、水平駆動機構54によって対物レンズ34の直下に配置させたうえで露光を行うよう構成されている。すなわち、対物レンズ34と造形基材51との間に他の構成要素が介在しないので、対物レンズ34に対して造形基材51上の露光対象面を十分に近接させた状態での露光が実現される。好ましくは、両者の間隔は20μm以下とされる。
像面観察系40は、ビームスプリッタ33からの光、つまりは造形部50からの反射光を所定のレンズ群41で調整しつつCCDカメラ42で受像して、その受像画像をモニタ43に表示させる。これにより、露光用光にて露光を行っている際に、その反射光を受光することで、露光時の状態(造形状態)を直接に観察することが可能となる。
造形部50は、三次元物体の造形がなされる箇所である。造形部50においては、造形の際のベース部材となる造形基材51を固定可能なステージ52を内部に有する造形槽53が設けられてなる。造形基材51としては、ガラス基板その他の適宜の平板状部材を用いることが出来る。樹脂の種類や造形物の構造、サイズなどによって適宜に選択して用いられてよい。造形基材51における造形可能エリアは、変調手段21や投影光学系30の構成等によっても異なるが、1024画素×768画素の露光エリアを有するDMDを変調手段21に用いる場合であれば、例えば、15cm×15cmの領域で造形が可能である。
図2は、光造形装置100における造形の様子について例示する図である。造形に際しては、断面形状データに基づき、造形基材51上において樹脂層の塗布と露光とを繰り返し行うことで、造形槽53には露光により硬化した樹脂層の積層体である造形物Mが、非硬化部分の樹脂Pともども段階的に蓄積されていくことになる。樹脂の粘度が低い場合は、造形槽53に溜まった樹脂液の中に硬化部分が浸ったような状態となっている。いずれにせよ、全ての断面についての処理が終了した時点で造形物Mが造形基材51ごと造形槽53より引き上げられることで、造形基材51上に形成された三次元物体が得られることになる。なお、その際に、該三次元物体の周囲に非硬化の樹脂が付着することがあるが、これらは、所定の洗浄手段等によって除去される。
また、造形槽53は、水平駆動機構54にて水平方向(好ましくはXY2軸方向)に移動可能とされてなる。本実施の形態に係る光造形装置100においては、造形部50に対して樹脂の供給を担う供給部60と、供給された樹脂の平滑化を担う平滑化部70と、平滑化された樹脂への露光を担う対物レンズ34とがそれぞれ別個の位置に設けられてなり、造形部50をこの水平駆動機構54によって順次に移動させることで、それぞれの処理を行う態様となっている。従って、造形部50はこれらの各部の間を水平駆動機構54によって移動可能に構成されてなる。係る水平駆動機構54は、例えばボールネジなどの公知の駆動機構によって実現可能である。好ましくは、水平駆動機構54による駆動精度は±0.5μm以下である。また、ステージ52は垂直駆動機構(エレベータ)55にて造形槽53内を垂直方向(Z軸方向)に移動可能とされてなる。垂直駆動機構55は、駆動精度が±0.2μmの精密な位置決めが実現できることが好ましい。これは例えば、公知のリニアスケールを用いることで可能である。
造形部50においては、後述する供給部60と平滑化部70の作用によって該造形基材51上に所定厚みで塗布された光硬化性樹脂に対して、断面形状データに応じた断面形状に対応して照射範囲が定められた露光用光を対物レンズ34から照射することにより、該樹脂のうちその照射範囲のみを硬化させることで、造形対象となっている三次元物体のある部分断面を具現化した樹脂層の形成がなされる。なお、厳密に言えば、すでに樹脂層が形成されている場合には、新たな樹脂の塗布はその樹脂層の上になされることになる。しかし、本実施の形態においては表現の簡単のため、既述の場合も含めてこうした態様に対しても「造形基材51上に」あるいは「造形基材51の上に」樹脂層が形成されてなる、あるいは露光用光を照射する、などといった表現を用いることがある。
係る露光がなされると、垂直駆動機構55によってステージ52をその上に形成された樹脂の積層体ともども所定距離だけ下降させ、次の断面について同様の処理が行われる。これを三次元物体の最下部から最上端部まで所定ステップだけ繰り返すことで、三次元物体が得られることになる。
供給部60は、このような造形に際して造形部50に対し所定の量の光硬化性樹脂を供給する処理を担う。具体的には、水平駆動機構54を駆動させて造形部50をディスペンサノズル61の直下の位置に配置させた状態で、加圧タンク62に貯留された造形用の樹脂を所定量、供給管63を通じて基体1に固定されたディスペンサノズル61から造形部50の造形基材51上へ供給する。1回の供給に係る樹脂の供給量は、加圧タンク62における加圧状態とディスペンサバルブ64の開閉とをディスペンサコントローラ65によって制御制御することで調整自在とされてなる。また、加圧タンク62は好ましくは攪拌機能を有しており、所定の操作指示に応答して攪拌動作を実行可能とされてなる。これにより、加圧タンク62内の樹脂の状態をより均一に保つことが出来る。なお、樹脂の供給に際してはディスペンサノズル61と造形基材51との間に他の構成要素が介在することがないので、ディスペンサノズル61と造形基材51とを十分に近接させた状態での樹脂の供給が実現される。また、1つの断面についての造形を行うにあたっての樹脂の供給態様は、樹脂の種類や造形しようとしている断面の形状などに応じて適宜に定めることができる。それに応じて、供給量も適宜に定められることになる。
平滑化部70は、供給部60にて供給された樹脂を基体1に設けられたリコータ71によって平滑化する処理を担う。リコータ71は、スキージやナイフエッジなどとも称され、例えば、少なくとも先端部分が略平板状をなす部材である。
平滑化部70における樹脂の平滑化は、供給部60にて造形基材51上に樹脂が供給された後の造形部50を水平駆動機構54によって平滑化部70の直下の位置にまで移動させたうえ行われる。係る配置関係が実現された上で、図示しない所定の駆動手段の作用によって、進退自在に設けられてなるリコータ71を造形基材51の上方の一方端から他方端まで移動させると、造形基材51上に塗布された樹脂がリコータ71によって掻き取られるなどして均一化される。なお、掻き取られた余剰の樹脂は、図示しない排出部へと排出される。
このとき、リコータ71が移動するの際のリコータ71と造形基材51(もしくは直前に硬化された樹脂層)との距離が、塗布された樹脂が露光に供される際の厚みを規定することになるが、本実施の形態に係る光造形装置100においては、上述のように垂直駆動機構55によってステージ52(つまりは造形基材51)の精密な位置精度が可能であり、かつ平滑化に際してリコータ71と造形基材51との間に他の構成要素が介在することがないので、リコータ71と造形基材51とを十分に近接させた状態での平滑化が実現される。好ましくは両者の距離が10μm程度となる状態が実現される。そして、係る樹脂層についての露光後は、次の樹脂の塗布に先立って垂直駆動機構55が当該厚みに対応する距離だけステージ52(つまりは造形基材51)を下降させる。この樹脂の塗布、露光、ステージ52の下降の繰り返しにより、結局のところ、本実施の形態に係る光造形装置100においては、従来の光造形装置に比して非常に微細な厚みである10μm程度の厚みにて樹脂層を形成することが出来るようになる。
ここで、上述した対物レンズ34(投影光学系30)、造形部50、供給部60、および平滑化部70の配置関係の持つ意味について説明する。一般に、光造形装置における造形精度の向上の観点からは、露光用光のフォーカスを正確に樹脂表面と一致させることが必要であり、そのためには、対物レンズ34と照射位置との距離をできるだけ短くする方が好ましい。また、樹脂の塗布厚み精度の向上を実現するには、樹脂を供給する供給手段と供給された樹脂を平滑化する平滑化手段とをそれぞれ、出来るだけ造形面に近接させることが好ましい。
仮に、造形部を固定して露光用光の投影光学系が移動する機構を採用すると、樹脂の供給と平滑化に際しては、造形部と投影光学系の間にて供給手段や平滑化手段を動作させる必要が生じる。その場合、これら供給手段や平滑化手段の配置は大きく制約を受けることになってしまう。供給手段や平滑化手段の動作時に投影光学系を退避させ、露光時には逆に供給手段や平滑化手段を退避させるような機構を採用することも可能ではあるが、その場合、装置構造も複雑なものとなってしまうことはもちろんだが、投影光学系を固定する態様に比してその露光用光の照射精度が劣ってしまうことになり、造形精度向上の観点からは好ましくない。
これに対して、図1に示す光造形装置100においては、樹脂を供給するための供給部60と、供給された樹脂を平滑化する平滑化部70と、平滑化された樹脂への露光を行う対物レンズ34とが、略同一水平面内にてそれぞれ別個の位置に設けられてなり、これら各部の下方において、造形が施される造形部50が、水平駆動機構54によって移動可能に構成されてなる。そして、各部における処理に際しては、造形部50をこの水平駆動機構54によって順次に各部の直下へと移動させ、それぞれに対向配置させて行う態様となっている。これにより、光造形装置100においては、上述したように、樹脂の供給、平滑化、露光のそれぞれの処理に際して、造形部50とそれぞれの処理を担う各部の間に他の処理を担う構成要素が介在することはなく、造形部50を各部それぞれに出来るだけ近接させた状態で、それぞれの処理が行われていることになる。これは、係る光造形装置100において従来に比して高い造形精度が実現される理由の1つである。
ビーム観測部80は、対物レンズ34から照射される露光用光の状態を観察するために備わる。ビーム観測部80は、露光用光の光路上の所定の観測位置(例えば対物レンズ直下の露光結像位置)にて、図示しない所定の観測手段によって露光用光のパワーや形状、光量分布などを観測する。なお、ビーム観測部80は、図1に例示するように造形部50に付設され、水平駆動機構54を駆動させることで観測位置へと配置されるように構成されていてもよいし、独立の駆動手段によって移動可能とされる態様であってもよい。あるいは、造形部50に対して着脱自在とされ、必要なときにのみ付設され、それ以外のときは除去することが出来る態様であってもよい。この場合、不使用中の観測手段80を汚染から保護することが出来る。いずれの態様をとる場合であっても、実際に露光に使用される露光用光を露光を行う位置で直接に観測するので、造形を行うに際して、用いる露光用光の状態を正確に把握することが出来る。
真空固定部90は、ステージ52に造形基材51を吸着固定させるために備わる。図3は、係る吸着固定について説明する概念図である。本実施の形態に係る光造形装置100においては、真空ポンプ91が、途中にソレノイドバルブ92を備えた排気管93によって、ステージ52に設けられた図1においては図示を省略する複数の吸着穴94と連通してなる(図3(a))。ステージ52に造形基材51を載置した状態で真空ポンプ91を作動させソレノイドバルブ92を開状態とすると、吸着穴94における負圧によってステージ52に造形基材51が固定されることになる。
また、造形基材51の造形面51sの面積がステージ52の載置面52sの面積よりも小さく、造形基材51によってはステージ52上の全ての吸着穴をふさぐことが出来ない場合は、図3(a)のようにただ造形基材51をステージ52上に載置したのみでは係る固定が実現できない。この場合には、図3(b)に示すように、造形基材51のサイズに応じて中央部分をくり抜いた(あるいは組み合わせることで同じ状態を出来る)マスク95を用意し、造形基材51の周囲に該マスク95を載置して、造形基材51によってはカバーしきれない吸着穴94を該マスク95にて塞ぐことで、造形基材51の固定を行う。
なお、ステージ52に対する造形基材51の固定の態様としては、ステージ上に固定爪や挟み込み部材等といった固定具や固定用枠を設けて固定する態様や、磁石の磁力によって固定する態様なども考えられる。しかしながら、前者の場合は造形基材がシート上である場合などに特に中央部分における平面度が十分に出ないことや、リコータ71の動作時に固定具や固定用枠がリコータ71の動作と干渉するおそれがあることや、造形基材のサイズに応じて固定具や固定用枠を移動させる必要が生じるので操作も面倒でまた十分な位置精度が出ない、などといった問題があって好ましくない。さらに、後者の場合、造形基材が磁性体であることが必要であったり、造形に用いる光硬化性樹脂が磁性材料を含有していると、磁力の存在で該磁性材料の分散状態や配向性が偏ってしまうなどといった問題があり、コスト高にもなるので好ましくない。
これに対して、本実施の形態に係る光造形装置100においては、平坦であって造形基材51よりも薄く、かつステージ52をカバー出来るものであれば、どのような材質のマスク95であってもリコータ71との干渉を生じることなく造形基材51を確実に固定することが出来る。すなわち、造形基材51のサイズがステージ52より小さい場合であっても、簡便かつ廉価に該造形基材51を確実にステージ52に固定することが出来る。
制御用コンピュータPCは、光造形装置100の各部の動作を制御するために備わる。制御用コンピュータPCには、汎用のパーソナルコンピュータを用いることが可能である。制御用コンピュータPCは、図示しない所定の制御プログラムに従って上述した各部の動作の制御を担う制御対象要素に対し所定の動作信号を与えるとともに、当該各部からの応答信号を受け取ることにより、光造形装置100における造形処理を実現させる。例えば、当該制御用コンピュータPCあるいは図示しない他のコンピュータによってあらかじめ作成された、造形対象となる三次元物体のスライス断面を表現する断面形状データを取得し、各断面に係る当該データに基づいて変調手段21における露光用光のON/OFF状態を設定して、断面形状に応じた露光を行わせる、といった処理を初めとする種々の動作制御を、制御用コンピュータPCは担っている。
このような構成を有する光造形装置100を用いることで、図4に例示するように、積層厚み10μm、平面解像度2μmという高精度の造形を実現することが出来る。すなわち、本実施の形態に係る光造形装置は、マイクロマシンニングにおいて好適な装置である。
光造形装置100においては、また、造形部50を水平移動可能に設け、その上方において対物レンズ34(投影光学系30)と供給部60と平滑化部70とをそれぞれ独立に略同一水平面内に配置してなることから、各部のメンテナンスが必要になった場合には、造形部50をその位置から退避させるだけで対象となる部分へと容易にアクセスすることが可能となる。装置構成が単純であることを含め、本実施の形態に係る光造形装置においては、メンテナンス性の向上が実現されてなる。
<変形例>
図1においては、造形部50の水平移動領域の上方の略同一水平平面内において、左から順に平滑化部70、対物レンズ34、供給部60が配置されてなるが、本発明においてこれは必須の態様ではない。すなわち、造形部50がこれらの各部に個別に近接可能な態様であれば、各部の配置は図1の態様とは異なっていてもよい。例えば、各部の配置順序が入れ替わっていてもよいし、略同一水平面内で二次元的に配置されてなる態様であってもよい。
図4は、上述の実施の形態に係る光造形装置100を用いて作成した造形サンプルのSEM(走査電子顕微鏡)像である。造形は、光源として波長405nmのレーザー光を採用し、光硬化性樹脂としてアクリレート系樹脂(25℃で粘度が1500〜2500mPa・s)を用いて行った。係る造形サンプルは、ベタ面の上に、底面が26μm角、最上部が5μm角で、1層あたりの厚みが約10μmの樹脂層を7層積み重ねることにより、高さ約70μmに造形してなるものである。詳細な図示は省略するが、設計データからの造形誤差は、約2μm以下であった。
すなわち、本実施の形態に係る光造形装置100においては、積層厚み10μm、平面解像度2μmを実現することが出来た。
本実施の形態に係る光造形装置100の構成を概略的に示す断面模式図である。 光造形装置100における造形の様子について例示する図である。 吸着固定について説明する概念図である。 光造形装置100を用いて作成した造形サンプルのSEM像を示す図である。
符号の説明
1 基体
10 光源部
11 光源
20 照明光学系
21 変調手段
30 投影光学系
33 ビームスプリッタ
34 対物レンズ
40 像面観察系
42 CCDカメラ
43 モニタ
50 造形部
51 造形基材
52 ステージ
53 造形槽
54 水平駆動機構
55 垂直駆動機構
60 供給部
61 ディスペンサノズル
70 平滑化部
71 リコータ
80 ビーム観測部
90 真空固定部
91 真空ポンプ
94 吸着穴
95 マスク
100 光造形装置
M 造形物
P 樹脂
PC 制御用コンピュータ

Claims (5)

  1. 複数の平板状の樹脂層を所定の樹脂を硬化させることによって順次に形成しつつ、当該樹脂層が形成されるごとにこれを順次に積層することで、所定の三次元造形物を造形する光造形装置であって、
    三次元造形物が造形される造形部と、
    前記造形部に対して樹脂を供給する供給手段と、
    前記供給手段によって供給された樹脂を平滑化する平滑化手段と、
    光源から発せられた光を変調手段によって変調したうえで前記造形部上で平滑化された樹脂に照射する照射手段と、
    を備え、
    前記供給手段と、前記平滑化手段と、前記照射手段とはいずれも、所定の位置に固設されてなるとともに、
    前記造形部は、前記供給手段、前記平滑化手段、および前記照射手段のそれぞれにおける処理に際して、処理を行おうとする手段と当該造形部との間に他の2つの手段が存在しない位置に配置される、
    ことを特徴とする光造形装置。
  2. 請求項1に記載の光造形装置であって、
    前記供給手段と前記平滑化手段と前記照射手段とが略同一水平面内において独立して固設されてなるとともに、前記造形部が所定の駆動機構によって前記略同一水平面と略平行に水平移動可能に設けられ、
    かつ、
    前記供給手段、前記平滑化手段、および前記照射手段のそれぞれによる処理の度に、前記駆動機構が、処理を行おうとする手段に対向しかつ近接するように前記造形部を配置させる、
    ことを特徴とする光造形装置。
  3. 請求項1に記載の光造形装置であって、
    前記供給手段と前記平滑化手段と前記照射手段とが略同一水平面内において独立して固設されてなるとともに、前記造形部が所定の駆動機構によって前記略同一水平面と略平行に水平移動可能に設けられ、
    かつ、
    前記供給手段、前記平滑化手段、および前記照射手段のそれぞれが処理を行う場合に、前記駆動機構が、その処理の順序に対応させて前記造形部を移動させ、処理を行おうとする手段に対向しかつ近接するように前記造形部を配置させる、
    ことを特徴とする光造形装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光造形装置であって、
    前記照射手段から照射される光を光路上にて観測可能な観測手段、
    をさらに備えることを特徴とする光造形装置。
  5. 請求項4に記載の光造形装置であって、
    前記観測手段が所定の配置位置に対して着脱自在である、
    ことを特徴とする光造形装置。
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