JP2006239985A - 微小液滴吐出装置およびこれを用いるインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】微小な液滴を高速、かつ安定して吐出することができ、かつ安価な微小液滴吐出装置を提供すること。
【解決手段】溶液に静電力を作用させて、吐出口から微小液滴を連続して吐出させる吐出手段と、吐出手段から吐出された微小液滴を制御信号に基づいて偏向させる偏向手段と、吐出手段から吐出され直進する微小液滴、および、偏向手段により飛翔方向が偏向された微小液滴のいずれか一方を回収する回収手段とを含み、前記吐出手段は、前記偏向手段が偏向させる方向とは異なる方向に前記微小液滴を偏向させる解像力増加手段を有すること。
【選択図】図1

Description

本発明は、微小液滴を吐出させる微小液滴吐出装置の分野に属し、詳しくは、少なくとも微粒子を含む溶液に静電力を作用させて微小液滴を吐出させる微小液滴吐出装置およびこれを用いるインクジェット記録装置に関するものである。
従来、微小液滴を吐出させる装置としては、例えば、帯電した微粒子を有するインクに静電力を作用させて吐出させる静電式のインクジェット記録装置がある。このような静電式インクジェット記録装置としては、特許文献1に開示のインクジェット記録装置が知られている。
図11に、特許文献1に開示されるインクジェット記録装置のインクジェットヘッドの概念図を示す。
図11は、特許文献1に開示の静電式インクジェット記録装置のインクジェットヘッドの一例の構成概略図である。同図に示すインクジェットヘッド100は、特許文献1に開示のインクジェットヘッドの1つの吐出部のみを概念的に表したものであり、ヘッド基板102と、インクガイド104と、絶縁性基板106と、制御電極108と、対向電極110と、DCバイアス電圧源112と、パルス電圧源114とを備えている。
ここで、インクガイド104はヘッド基板102の上に配置されており、絶縁性基板106には、インクガイド104の配置に対応する位置に貫通孔(吐出口)116が開孔されている。インクガイド104は、この貫通孔116を通過し、その凸状の先端部分104aが絶縁性基板106の記録媒体P側の表面よりも上部に突出している。また、ヘッド基板102と絶縁性基板106とは所定の間隔を離して配置されており、両者の間にはインクQの流路118が形成されている。
制御電極108は、各々の吐出部毎に、絶縁性基板106の記録媒体P側の面の表面に、貫通孔116の周囲を取り囲むようにリング状に設けられている。また、制御電極108は、画像デ−タに応じてパルス電圧を発生するパルス電圧源114に接続され、このパルス電圧源114は、DCバイアス電圧源112を介して接地されている。
また、対向電極110は、インクガイド104の先端部分104aに対向する位置に配置され、接地されている。記録媒体Pは、対向電極110のインクガイド104側の面の表面に配置されている。すなわち、対向電極110は、記録媒体Pを支持するプラテンとして機能する。
記録時には、図示していないインクの循環機構により、制御電極108に印加される電圧と同極性に帯電した微粒子(色材粒子)を含むインクQが、インク流路118内を図中右側から左側へ向かって循環される。また、DCバイアス電圧源112によって、例えば1.5kVの高電圧が制御電極108に常時印加される。この時、インク流路118内のインクQの一部は、毛細管現象などによって絶縁性基板106の貫通孔116を通り、インクガイド104の先端部分104aに濃縮される。
バイアス電圧源112によって1.5kVにバイアスされた制御電極108に対し、パルス電圧源114から、例えば0Vのパルス電圧が印加されると、制御電極108には両電圧が重畳された1.5kVが印加される。この状態では、インクガイド104の先端部分104a近傍の電界強度は比較的低く、インクガイド104の先端部分104aに濃縮された色材粒子を含むインクQはインクガイド104の先端部分104aからは飛び出さない。
一方、1.5kVにバイアスされた制御電極108に対し、信号電圧源114から、例えば500Vのパルス電圧が印加されると、制御電極108には両電圧が重畳された2kVが印加される。その結果、インクガイド104の先端部分104aに濃縮された色材粒子を含むインクQは、静電力によってその先端部分104aからインク液滴Rとして飛び出し、接地された対向電極110に引っ張られて記録媒体P上に付着し、色材粒子のドットが形成される。
こうして、インクジェットヘッド100と対向電極110上に支持された記録媒体Pとを相対的に移動させながら色材粒子のドットによって記録を行うことにより、記録媒体Pに、画像データに対応する画像が記録される。
このような静電式インクジェットは、微小液滴の形成が可能であり、高解像力描画が可能であるという特徴を有する。特に、静電式インクジェットの中でも、インクとして帯電した色材粒子を分散した絶縁性インクを用いた静電式インクジェット方式では、記録媒体上でのドットの滲みを生じにくく、種々の記録媒体の画像記録に使用可能である。
特開平10−138493号公報
しかしながら、特許文献1に開示のインクジェット記録方式は、上記のような優れた特性を有する反面、駆動電圧印加から液滴吐出までの応答性が低いため、記録周波数の向上に限界があり、また、吐出部のインク液滴の吐出履歴により駆動電圧に対する吐出応答性が変化しやすくインク液滴の吐出が不安定になる可能性がある。さらに、インク液滴の吐出/非吐出の制御を高い駆動電圧で行うため高価なドライバが必要であり、制御も煩雑であるという問題がある。
本発明の第1の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、微小な液滴を高速、かつ安定して吐出することができ、かつ安価な微小液滴吐出装置を提供することにある。
また、本発明の第2の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、高速描画が可能で、かつ吐出安定性が高く、安価なインクジェット記録装置を提供することにある。
上記第1の課題を解決するために、本発明の第1の態様は、少なくとも微粒子と溶媒とを含み荷電を有する溶液に、静電力を作用させて微小液滴を吐出させる微小液滴吐出装置であって、前記溶液に静電力を作用させて、吐出口から微小液滴を連続して吐出させる吐出手段と、前記吐出手段から吐出された微小液滴を制御信号に基づいて偏向させる偏向手段と、前記吐出手段から吐出され直進する微小液滴、および、前記偏向手段により飛翔方向が偏向された微小液滴のいずれか一方を回収する回収手段とを含み、前記吐出手段は、前記偏向手段が偏向させる方向とは異なる方向に前記微小液滴を偏向させる解像力増加手段を有する微小液滴吐出装置を提供する。
ここで、前記解像力増加手段は、前記溶液および前記微小液滴の少なくとも一方に静電力を作用させて、前記微小液滴を偏向させる手段であることが好ましい。
また、前記解像力増加手段は、前記微小液滴を周期的に複数方向に偏向させる手段であることが好ましい。
また、前記解像力増加手段は、前記吐出口周りに平行に配置された第1制御電極および第2制御電極と、前記第1制御電極および前記第2制御電極に印加する電圧を制御する制御部とを有することが好ましい。
さらに、前記吐出手段は、複数の吐出口を有することが好ましい。
また、前記微粒子が、電荷を有する帯電微粒子であることが好ましい。
また、前記微粒子が、電荷および色材を含むことがさらに好ましい。
また、上記第2の課題を解決するために、本発明の第2の態様は、上記のいずれかに記載の微小液滴吐出装置を用い、前記溶液がインクであり、前記偏向手段が、画像信号に基づいて、前記吐出手段からされた微小液滴を偏向させ、直進する微小液滴、および、前記偏向手段により飛翔方向が偏向された微小液滴のいずれか一方を記録媒体に着弾させ、前記回収手段が、前記記録媒体に着弾させない微小液滴を回収することで、前記記録媒体に画像を形成することを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
また、前記吐出手段は、前記吐出口を有する吐出部と、前記吐出部より前記偏向手段側に配置され、前記吐出部との間に所定電界を形成する対向電極とを有することが好ましい。
また、前記対向電極は、前記微小液滴の飛翔経路上に開口部を有することが好ましい。
さらに、前記吐出ヘッドと前記偏向手段を介して対向する位置に配置され、前記吐出ヘッドとの間に所定電界を形成する背面電極を有することが好ましい。
また、前記偏向手段は、飛翔している前記微小液滴を偏向させる電界または磁界の印加手段であることが好ましい。
前記偏向手段は、飛翔している前記微小液滴を偏向させるための空気流の発生手段であることが好ましい。
さらに、前記インクを前記吐出手段に供給し、前記吐出手段で吐出されないインクを回収する循環手段を有することが好ましい。
さらに、インク濃度を調整するインク濃度調整手段を有することが好ましい。
本発明の第1の態様によれば、微小な液滴径の液滴を高速、かつ安定して吐出させることができる。また、制御信号に応じた液滴の制御を低電圧が行うことができ、コストを低くすることができる。
さらに、偏向手段が偏向させる方向とは異なる方向に微小液滴を偏向させることで、吐出手段から複数方向に微小液滴を飛翔(吐出)させることができ、吐出口の配置密度より高い密度で微小液滴を吐出させることができる。また、吐出口を複数配置する場合も、隣接する吐出口を近接して配置させることなく、高密度な微小液滴の吐出が可能となる。
本発明の第2の態様によれば、微小な液滴径の液滴を高速、かつ安定して吐出させることができ、高解像度、かつ高画質で描画安定性の高い画像を高速で描画することができる。
また、画像信号に応じた微小液滴の制御を低電圧で行うことができ、コストを低くすることができる。さらに、偏向手段が偏向させる方向とは異なる方向に微小液滴を偏向させることで、吐出手段から複数方向に微小液滴を飛翔(吐出)させることができ、吐出口の配置密度より、高い解像度での画像記録が可能となる。これにより、吐出口の配置密度を低くした場合も、高い解像度の画像を記録することができる。
また、荷電および色材を含む微粒子を有するインクを用いることで、色材を含有する微粒子が濃縮されたインク液滴を吐出させることができ、画像の滲みが少なく、高画質な画像を形成することができる。
また、吐出手段に対向電極を設け、吐出部と対向電極との間に所定電界を形成することで、吐出部に作用する静電力がより安定し、より安定して微小液滴を吐出させることができ、より高画質で描画安定性の高い画像を高速で描画することができる。
さらに、背面電極を設け、吐出ヘッドと背面電極との間に電界が形成することで、微小液滴の飛翔経路をより正確に制御することができる。
以下、本発明の微小液滴吐出装置およびインクジェット記録装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の態様である微小液滴吐出装置を用いる本発明の第2の態様のインクジェット記録装置の一例を示す概略構成図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置10は、微小液滴を吐出させる吐出口を有する吐出ヘッド(インクジェットヘッド)20および吐出ヘッド20との間に所定電界を形成する対向電極22で構成される吐出手段19と、記録媒体Pを保持する背面電極24と、吐出ヘッド20から吐出されて微小液滴を偏向させる偏向手段26と、吐出ヘッド20にインクを供給するインクタンク28およびインク供給流路30と、偏向手段26により偏向された微小液滴をインクタンク28に回収するガター32および第2インク回収流路34とを有する。
ここで、第1偏向電極40および第2偏向電極42は、吐出ヘッド20に設けられた吐出部に対応して複数配置されているが、構成をわかりやすく示すため、図1では、複数の第1偏向電極40および第2偏向電極42の1つの第1偏向電極40、第2偏向電極42およびガター32だけを示している。
次に、吐出手段19について、詳細に説明する。
ここで、図2(A)は、吐出手段19の概略構成を示す模式的断面図であり、図2(B)は、図2(A)のB−B線断面図である。図3は、図2(A)のIII−III線断面図であり、図4は、図2(B)のIV−IV線断面図である。
吐出手段19は、吐出ヘッド20と、吐出ヘッド20のインク吐出側の面に対面する位置に配置された対向電極22とで構成される。
吐出ヘッド20は、対向電極22との間に所定強度の電界を形成し、微小液滴径のインク液滴を連続的に吐出させるものであり、ヘッド基板52と、インクガイド54と、解像力増加手段60が配置され、かつ吐出口62が形成された吐出口基板56とを有する。吐出口基板56には、吐出口62を囲むように吐出電極58が配置されている。
また、ヘッド基板52と吐出口基板56は、互いに対面した状態で所定間隔離間して配置される。ヘッド基板52と吐出口基板56の間に形成される空間によって各吐出口62にインクを供給するインク流路64が形成される。
吐出ヘッド20は、画像記録を高速に行うために、複数の吐出口62(ノズル)が単列に複数配置された単列ライン構造を有する。図4に、吐出ヘッド20の吐出口基板56に複数の吐出口62が単列に配列されている様子を模式的に示した。なお、図2(A)、図2(B)および図3においては、インクジェットヘッドの構成を分かりやすく示すために、複数の吐出口のうちの1つの吐出口だけを示している。なお、図4に示すように、本実施形態の吐出口62は、記録媒体Pの搬送方向に対して所定角度(本実施形態では角度φ)傾斜して配置されている。この点については、後ほど詳細に説明する。
本発明の吐出ヘッド20において、吐出口62の個数や、その物理的な配置位置等は自由に選択することができる。例えば、図4に示すような単列ライン構造のみならず、多列ライン構造を有するものであってもよい。また、ノズル列の方向と直交する方向に走査されるいわゆるシリアルヘッド(シャトルタイプ)であってもよい。
また、本発明のインクジェットヘッドは、モノクロおよびカラーのどちらの記録装置にも適用可能である。
このような吐出ヘッド20においては、例えば、顔料等の色材を含む微粒子(以下、色材粒子とする)を絶縁性の液体(キャリア液)に分散してなるインクQを用いることができる。そして、吐出口基板56に設けられた吐出電極58にバイアス電圧(駆動電圧)を印加して吐出口62に電界を発生させ、吐出口62のインクを静電力により吐出させる。
以下、図2(A)および図2(B)に示した本発明の吐出ヘッド20の構造についてより詳細に説明する。
図2(A)および図2(B)に示すように、吐出ヘッド20の吐出口基板56は、絶縁基板66と、解像力増加手段60の第1制御電極76および第2制御電極78と、吐出電極58と、絶縁層68とを有する。絶縁基板66の図2(B)中上側の面(ヘッド基板52に対面する側と反対の面)に、解像力増加手段60の第1制御電極76および第2制御電極78と絶縁層68とが順に積層されている。また、絶縁基板66の図2(A)中下側の面(ヘッド基板52に対面する側の面)には、吐出電極58が形成されている。
また、吐出口基板56には、インク液滴Rを吐出するための吐出口62が絶縁基板66を貫通して形成されている。吐出口62は、図3に示すように、長方形の両方の短辺側を半円形にした、インク流方向に細長い繭形の開口(スリット)であり、インク流方向の長さLとインク流れに直交する方向の長さDとのアスペクト比(L/D)が1以上となる形状を有する。
本実施形態では、このように、吐出口62をインク流方向の長さLとインク流れに直交する方向の長さDとのアスペクト比(L/D)が1以上の開口(インク流方向を長辺とする形状異方性を有する形状、インク流方向を長辺とする長穴形状)とすることで、吐出口62にインクが流れやすくなる。つまり吐出口62へのインクの供給性を高めることができ、周波数応答性を向上させ、さらに目詰まりも防止することができる。
本実施形態では、吐出口62を細長い繭形の開口として形成したが、これに限らず、吐出口62からインクを吐出することができれば、略円形、楕円形、長方形、ひし形、平行四辺形など任意の形状にすることができる。例えば、インク流方向を長辺とする矩形状、又は、インク流方向を長軸とする楕円形若しくはひし形にすることができる。また、インク流の上流側を上底、下流側を下底とし、インク流方向の高さが下底よりも長い台形状にしてもよい。この場合、上流側の辺を長くしても下流側の辺を長くしてもよい。また、インク流方向を長辺とする長方形の両方の短辺側に、直径がその長方形の短辺よりも大きな円が接続されたような形状にしてもよい。また、吐出口62は、その中心に対して、上流側と下流側で対称な形状であっても非対称な形状であっても良い。例えば、矩形状の吐出口の上流側と下流側の少なくとも一方の端部を半円状にして吐出口を形成してもよい。
吐出ヘッド20のインクガイド54は、所定の厚みを有するセラミック製平板あるいはポリイミド等の樹脂製平板からなり、各吐出口62(吐出部)に対応してヘッド基板52の上に配置されている。インクガイド54は、繭形の吐出口62の長辺方向の長さに応じて幅広に形成されている。上述したように、インクガイド54は、吐出口62を通過し、その先端部分54aが吐出口基板56の記録媒体P側の表面(絶縁層68の表面)よりも上方に突出している。
インクガイド54の先端部分54aは、対向電極22側へ向かうに従って次第に細く略三角形(ないしは台形)に成形されている。インクガイド54は、先端部分54aの傾斜面がインク流方向と交差するように配置される。これにより、吐出口62に流入するインクがインクガイド54の先端部分54aの傾斜面に沿って先端部分54aの頂点に到達するので、吐出口62にインクのメニスカスが安定して形成される。
また、インクガイド54を吐出口62の長辺方向に幅広に形成することで、インク流れに直交する方向の幅を短くすることができ、インクの流れに及ぼす影響を少なくすることができ、かつ後述するメニスカスを安定して形成させることができる。
なお、インクガイド54の形状は、特に、制限的ではなく、例えば、先端部分54aが対向電極22側に向かうに従って細くなるような形状でなくても良く、適宜変更することができる。例えば、インクガイド54の中央部分に、図中上下方向に毛細管現象によってインクQを先端部分54aに集めるインク案内溝となる切り欠きが形成されていても良い。
また、インクガイド54の最先端部に、金属が蒸着されていることが好ましい。インクガイド54の最先端部に金属を蒸着させることにより、インクガイド54の先端部分54aの誘電率が実質的に大きくなる。これにより、強電界を生じさせ易くなり、インクの吐出性を向上することができる。
図3に示すように、絶縁基板66の下面(ヘッド基板52と対向する面)には、吐出電極58が形成されている。吐出電極58は、細長い繭形の吐出口62の周囲を囲むように、吐出口62の周縁に沿って、インク流上流側の一辺が切り欠いたコの字状に配置されている。吐出電極58を、インク流方向の上流側が一部欠けている形状とすることで、後述する帯電した色材粒子を含むインクを使用する場合は、インク流方向の上流側から吐出口への色材粒子の流入を妨げる電界が形成されず、効率よく色材粒子を吐出口へ供給させることができる。また、インク下流側に吐出電極58を配置することで、吐出口へ流入した色材粒子を吐出口に留める方向の電界が形成される。以上より、吐出電極をインク流方向の上流側が一部欠けている形状とすることで、吐出口への粒子供給性をより向上させることができる。
また、本実施形態では、上記効果を得ることができる点から、吐出電極58はコの字状で形成されているが、インクガイドに臨むように配置される電極であれば、どのような形状でもよく、例えば、リング状の円形電極、楕円形電極、分割円形電極、平行電極、略平行電極等、吐出口62の形状に応じて種々の形状に変更することができる。
前述のように、吐出ヘッド20は、吐出口62を複数配置した構造を有するので、図4に模式的に示すように、吐出電極58は、各吐出口62に対応して配置されている。
また、吐出電極58は、インク流路64に露出し、インク流路64を流れるインクQと接触している。これにより、インク液滴の吐出性を大幅に向上させることができる。しかしながら、吐出電極58は、必ずしもインク流路64に露出してインクと接触している必要はない。すなわち、吐出電極58は吐出口基板56の内部に形成されていてもよいし、吐出電極58の露出面が薄い絶縁層などにより被覆されていてもよい。
吐出電極58は、図2(a)に示すように、制御部74に接続されている。制御部74は、インク液滴吐出時及び非吐出時に吐出電極58に印加する電圧を制御することができる。
解像力増加手段60は、第1制御電極76と、第2制御電極78と、制御部79とを有する。第1制御電極76および第2制御電極78は、絶縁基板66の表面上に形成されており、第1制御電極76および第2制御電極78の表面は絶縁層68によって覆われている。図5に、第1制御電極76および第2制御電極78の平面構造を模式的に示す。図5は、図2(B)のV−V線矢視図であり、単列ライン構造のインクジェットヘッドの場合の第1制御電極76および第2制御電極78の平面構造を模式的に示している。ここで、図5では、図中下から上方向が、記録媒体Pの相対的な搬送方向となる。
図5に示すように、第1制御電極76および第2制御電極78は、長辺が吐出口62の長辺方向よりも長い細長い矩形形状を有する。第1制御電極76は、吐出口62よりも記録媒体Pの搬送方向の下流側、第2制御電極78は、吐出口62よりも記録媒体Pの搬送方向の上流側に、吐出口62の長辺の両側に沿って平行に配置されている
第1制御電極76は、制御部79に接続され、第2制御電極78は、電気的に接地されている。
制御部79は、インク液滴の吐出タイミングに同期して、第1制御電極76に所定電圧を印加し、第1制御電極76と第2制御電極78との間に所定電界を形成する。つまり、吐出口62の短辺方向(図2(B)中矢印方向)に所定電界を形成し、吐出口62から吐出されるインク液滴の吐出方向(飛翔方向)を制御し、図2(B)に示すように、インク液滴を複数方向に偏向させる。制御方法については、後ほど説明する。
ここで、第1制御電極76および第2制御電極78を矩形形状としたが、吐出口62の短辺方向に所定電界を形成できればよく、その形状は、特に限定されず、半円形状、楕円形状等の各種形状としてもよい。また、第1制御電極76と第2制御電極とは、吐出口の中心を通り吐出口の長手方向に平行な線を対称軸として、対称形状であることが好ましいが、これに限定されず、例えば、第1制御電極が矩形形状であり、第2制御電極が半円形状である等の非対称な形状としてもよい。
また、本実施形態の吐出ヘッド20は、好ましい形態として、ヘッド基板52に吐出口62にインクを誘導するインク誘導堰72が設けられている。以下、インク誘導堰72について説明する。
図6(A)は、図2の吐出ヘッド20における吐出部近傍の構成を示す部分断面斜視図である。同図では、インク誘導堰72の構造を明示するために、吐出口基板56をインクガイド54の略中央の位置でインク流方向に沿って切断して示している。
インク誘導堰72は、ヘッド基板52のインク流路64側の面、すなわちインク流路64の底面において、吐出口62に対応する位置に配置されたインクガイド54のインク流方向の上流側および下流側に備えられており、インク流方向に対して、吐出口62に対応する位置の近傍から吐出口62の中心に対応する位置に向かって、吐出口基板56に漸次近接するように傾斜した面を有している。すなわち、インク誘導堰72は、インク流方向に沿って、吐出口62に向かって傾斜する形状を有している。
また、インク誘導堰72は、インク流に直交する方向には、吐出口62と略同一の幅を有し、底面から垂設する壁面を有する形状とされている。また、インク誘導堰72は、吐出口62を塞ぐことなく、インクQの流路を確保するように、吐出口基板56のインク流路64側の面、すなわちインク流路64の上面から所定の間隔を置いて設けられている。このようなインク誘導堰72は、各々の吐出部にそれぞれ設けられている。
このように、インク流路64の底面に、インク流方向に沿って、吐出口62に向かって傾斜するインク誘導堰72を設けることによって、吐出口62へ向かうインク流が形成され、インクQが吐出口62のインク流路64側の開口部に誘導される。そのため、インクQを吐出口62内部へ好適に流入させることができ、インクの供給性をより向上させることができる。さらに目詰まりもより確実に防止することができる。
インク誘導堰72のインク流方向の長さlは、隣接する吐出部と干渉しない範囲で、インクQを吐出口62へ好適に誘導できるように適宜設定されればよいが、図6(B)に示すように、インク誘導堰72の最高部の高さhに対し、0.5倍以上(l/h≧0.5)とするのが好ましく、1倍以上(l/h≧1)とするのがより好ましい。
インク誘導堰72のインク流と直交する方向の幅は、吐出口62と同等か、若干広いのが好ましい。また、インク誘導堰72の幅は、図示例のように均一なものには限定されず、幅が漸減するものや漸増するもの等であってもよい。また、その壁面も、垂直面には限定されず、傾斜面等であってもよい。
インク誘導堰72の傾斜面(インク誘導面)は、インクQを吐出口62に誘導するのに好適な形状とすればよく、一定の傾斜角を有する斜面であってもよいし、傾斜角が変化する面や、湾曲面であってもよい。また、その表面は、平滑面には限定されず、インク流方向に、あるいは吐出口62の中心部に向かって放射状に、1条以上の畝や溝等が形成されていてもよい。
また、インク誘導堰72の上部のインクガイド54との接部近傍は、図示例のように段差を有することなく、滑らかにつながる形状としてもよい。
図示例では、インク誘導堰72がインクガイド54の上流側および下流側に配置された形態としているが、吐出口62の上流側および下流側に斜面を有する台形状のインク誘導堰72を設け、その上部にインクガイド54を立設する形態としてもよいし、インクガイド54およびインク誘導堰72を一体的に形成してもよい。このように、インク誘導堰72は、インクガイド54と別々に、または、一体的に形成されて、ヘッド基板52に取り付けられてもよいし、あるいは、従来公知の掘削手段によりヘッド基板52を削り出して形成されてもよい。
なお、インク誘導堰72は、吐出口62の上流側に設けられていれば良いが、図示例のように、吐出口62の下流側にも、インク液滴Rの吐出方向の高さが吐出口62から遠ざかるにつれて低くなるように設けられているのが好ましい。これにより、上流側のインク誘導堰72によって吐出口62に向かって誘導されたインクQが滑らかに下流側へ流れるので、インクQが乱流になることなく、インク流の安定を保つことができ、吐出安定性を保つことができる。
また、図6の例では、インク誘導堰72は、ヘッド基板52の上側の面上に配置されているが、これに限定されず、ヘッド基板52にインク流溝を設け、インク流溝の内部にインク誘導堰を設けてもよい。
例えば、インク流方向に沿って、吐出口62に対応する位置を通過する所定深さのインク流溝を設け、吐出口に対応する位置にインク流方向に沿って吐出口62に向かって傾斜する面を有するインク誘導堰を設ける。このように、インク流溝を設けることによって、インク流路64を流れるインクQの多くを選択的にインク流溝に流すことができ、インク流路堰を設けることで、インクQを吐出口62の内部へ好適に流入させることができ、インクガイド先端部分54aへのインクの供給性を向上させることができる。
図2(A)に示すように、吐出ヘッド20のインク液滴の吐出面と対向するように、対向電極22が配置される。
対向電極22は、インクガイド54の先端部分54aに対向する位置に配置され、所定電圧が印加されている。対向電極22は、インク液滴の飛翔経路上に開口部、本実施形態ではインクガイドの先端部分54aから対向電極22に垂線を下ろした接点を中心に所定径の開口部が形成されている。
前述のような帯電した色材粒子を含有するインクQを用いる本実施形態の静電式のインクジェットにおいては、従来のインクジェット方式のように、インク全体に力を作用させて、インクを記録媒体に向けて飛翔させるのではなく、主に、キャリア液に分散させた固形成分である色材粒子に力を作用させて、インクを飛翔させる。以下、吐出ヘッド20におけるインク液滴Rの吐出作用を説明する。
図2(A)に示すように、吐出ヘッド20では、後述するインク供給流路30(図1参照)から、インク液滴吐出時に吐出電極58に印加される電圧と同極性、例えば、正(+)に帯電した色材粒子を含むインクQが、インク流路64の内部を矢印方向(図中左から右方向)に循環している。
他方、対向電極22には、記録に際して、上述のしたように、電圧源から色材粒子と同極性すなわち正の所定電圧(一例として、+500V)の電圧が印加されている。
インク液滴吐出時は、さらに、制御部74により吐出電極58に所定電圧(一例として、+3kV(以下、バイアス電圧という))が印加されるように制御する。
このバイアス電圧が印加された直後は、インクQには、バイアス電圧とインクQの色材粒子の荷電とのクーロン引力、色材粒子間のクーロン反発力、キャリア液の粘性、表面張力、誘電分極力等が作用し、これらが練成して、色材粒子やキャリア液が移動し、図7(A)に概念的に示すように、吐出口62から若干盛り上がったメニスカス形状となる。
また、このクーロン引力等によって、色材粒子は、いわゆる電気泳動でバイアス電圧が帯電された記録媒体Pに向かって移動する。すなわち、吐出口62のメニスカスにおいては、インクQが濃縮された状態となる。
バイアス電圧の印加開始後、さらに有限な時間が経過すると、色材粒子の移動等により、電界強度の高いメニスカスの先端部分で、主に色材粒子に作用する力(クーロン力等)とキャリア液の表面張力とのバランスが崩れ、メニスカスが急激に伸びて、図7(B)に概念的に示すように、曳糸と呼ばれる直径数μm〜数十μm程度の細長いインク液柱が形成される。
さらに有限な時間が経過すると曳糸が成長し、この曳糸の成長、レイリー/ウエーバー不安定性によって発生する振動、メニスカス内における色材粒子の分布不均一、メニスカスにかかる静電界の分布不均一等の相互作用によって曳糸が分断される。そして、図7(C)に示すように、分断された曳糸が、インク液滴Rとなって吐出され、対向電極に向かって飛翔し、対向電極に形成された開口部を通過する。なお、曳糸の成長および分断は、さらにはメニスカス(曳糸)への色材粒子の移動は、バイアス電圧の印加中は連続して発生する。
ここで、バイアス印加直後(曳糸の分断開始直後)に吐出されたインク液滴Rは、色材粒子濃度、液滴径、分断周波数が不安定な状態で吐出されるため、不均一な液滴となる。その後、バイアス電圧印加後から所定時間経過すると、吐出口に供給されるインクと、分断し吐出されるインクの量が平衡状態となり、バイアス電圧の印加中は、色材粒子濃度が一定で、微小かつ均一な液滴径のインク液滴Rが一定の分断周波数で吐出される。
このように、静電式のインクジェットヘッドは、吐出口に静電力を作用させ、吐出口の開口径よりも小さい径のインク液滴を安定して吐出させる。これにより、吐出口の開口径よりも大きい径のインク液滴が吐出されるピエゾ方式やサーマル方式のインクジェットヘッドに比べて、静電式のインクジェットヘッドは、液滴径が非常に小さいインク液滴を吐出させることができる。
また、本実施形態では、バイアス電圧として直流電圧印加の例を示したが、バイアス電圧として直流電圧にパルス状電圧を重畳したものを使用してもよく、交流電圧を使用してもよい。また、曳糸の分断を安定化させるように超音波、静電力、熱等により摂動を与えてもよい。
ここで、制御部79は、インク液滴が吐出されている間、インク液滴の吐出タイミングに同期して、第1制御電極76に印加する電圧を周期的に切り替え、吐出口62の短辺方向に、周期的に向きが切り替わる電界を形成させる。この周期的に向きが変化する電界により、インク液滴の飛翔方向は、吐出口62の短辺方向、つまり第1制御電極および第2制御電極の長手方向と直交する方向に偏向され、周期的に複数方向に吐出される。
次に、インク液滴Rの飛翔方向(吐出方向)の制御方法を具体例とともに説明する。
図8に、第1制御電極76に印加する電圧の電圧波形とインク液滴の吐出タイミングを示す。図8は、縦軸を第1制御電極76に印加する電圧、横軸を時間とし、吐出ヘッド20からインク液滴が吐出されるタイミングを矢印で示す。
ここで、本実施形態では、第2制御電極78には、吐出電極58に印加される電圧よりも低い所定電圧、つまり、吐出電極58に印加される電圧と対向電圧に印加される電圧との間の所定電圧、本実施形態では2.7kVが印加されている。
また、図8に示すように、第1制御電極76には、第2制御電極78に印加される電圧よりも高い所定電圧(本実施例では+3.0kV)、第2制御電極78に印加される電圧と同じ所定電圧(本実施例では+2.7kV),第2制御電極78に印加される電圧よりも低い所定電圧(本実施形態では、+2.4kV)の三種類の電圧が、インク液滴の吐出タイミングに同期して、第2制御電極78に印加される電圧よりも高い所定電圧、第2制御電極78に印加される電圧と同じ所定電圧、第2制御電極78に印加される電圧よりも低い所定電圧の順で繰り返し、印加される。つまり、インク液滴が1滴吐出される毎に第1制御電極76に印加される電圧が切り替えられる。
まず、第2制御電極78に印加される電圧よりも高い所定電圧が、第1制御電極76に印加されると、第1制御電極76と第2制御電極78との間に所定電界が形成される。この電界が形成された状態の時に吐出されたインク液滴(本実施形態では正に帯電)には、第1制御電極76から第2制御電極78に向かう方向の力が作用する。これにより、インク液滴は、吐出口の開口面に対して垂直な方向から第2制御電極78側に所定角度傾斜した方向に吐出される。
次に、第2制御電極78に印加される電圧と同じ所定電圧が、第1制御電極76に印加されると、第1制御電極76と第2制御電極78とは、同電位となる。この状態の時に吐出されたインク液滴は、吐出口の開口面に対して垂直な方向に吐出される。
また、第2制御電極78に印加される電圧よりも低い所定電圧が、第1制御電極78に印加されると、第1制御電極76と第2制御電極78との間に所定電界が形成される。この電界が形成された状態の時に吐出されたインク液滴には、第2制御電極78から第1制御電極76に向かう方向の力が作用する。これにより、インク液滴は、吐出口の開口面に対して垂直な方向から第1制御電極76側に所定角度傾斜した方向に吐出される。
このようにインク液滴の吐出タイミングに同期して、第2制御電極78に印加される電圧よりも高い所定電圧、第2制御電極78に印加される電圧と同じ所定電圧、第2制御電極78に印加される電圧よりも低い所定電圧を一定周期で第1制御電極76に電圧を印加する。これにより、図1(B)に示すように、インク液滴は、吐出部から吐出口の開口面に対して垂直な方向から第2制御電極78側に所定角度傾斜した方向、吐出口の開口面に対して垂直な方向、吐出口の開口面に対して垂直な方向から第1制御電極76側に所定角度傾斜した方向の3方向に周期的に偏向されて吐出される。偏向されて吐出されたインク液滴は、対向電極22の開口部を通過し、背面電極24向かって飛翔する。
図1に戻って、インクジェット記録装置10の説明を続ける。
背面電極24は、対向電極22を介して吐出ヘッド20と対向する位置に対向電極22と平行に配置され、電気的に接地される。
記録媒体Pは、背面電極24の図中左側の表面、つまり背面電極24の吐出ヘッド20側の表面に保持されており、背面電極24は記録媒体Pのプラテンとして機能する。また、背面電極24は、本実施形態では、図示しない搬送手段を有し、記録媒体Pを所定方向に搬送する。
ここで、背面電極24は接地され、対向電極22はバイアス電圧(+500V)が印加されることで、対向電極22と背面電極24との間に所定の電界が形成される。吐出ヘッド20から吐出され、対向電極22の開口部を通過したインク液滴Rは、対向電極22と背面電極24との間に形成される電界により、背面電極24側すなわち記録媒体P側に引っ張られ、背面電極24に向かってまっすぐに飛翔する。
偏向手段26は、対向電極22と背面電極24との間にインク液滴Rの飛翔経路を介して配置された第1偏向電極40と、第2偏向電極42と、制御部44とを有する。
ここで、第1偏向電極40および第2偏向電極42は、第1制御電極76および第2制御電極78の長手方向に対して略直角に、つまり、吐出手段19から3方向に吐出されるインク液滴の飛翔経路を通過する平面に対して略平行に配置されている。また、第1偏向電極40は、制御部44と接続され、第2偏向電極42は、電気的に接地されている。
制御部44は、画像信号に応じて第1偏向電極40に印加する電圧を制御し、第1偏向電極40と第2偏向電極42との間に電界を形成する。ここで、第1偏向電極40には、画像信号に応じて制御部44からインク液滴Rと同極性の電圧が印加される。
吐出ヘッド20から3方向に偏向されて吐出されたインク液滴Rは、対向電極22のインク液滴の飛翔経路上に形成された開口部(図2参照)を通過後、背面電極24に向かってまっすぐに飛翔し、第1偏向電極40と第2偏向電極42との間を通過する。ここで、制御部44から電圧が印加されているときに第1偏向電極40と第2偏向電極42との間を通過したインク液滴Rは、第1偏向電極40と第2偏向電極42との間に形成された電界により、インク液滴Rに第1偏向電極40から第2偏向電極42方向への力が働き、飛翔経路が第2偏向電極42側に所定角度偏向される。つまり、偏向手段26は、解像力増加手段60により偏向される方向とは異なる方向にインク液滴を偏向させる。
また、電圧が印加されていないときに第1偏向電極40と第2偏向電極42との間を通過したインク液滴Rは、飛翔経路が偏向されることなく背面電極24側に直進し、記録媒体Pに着弾する。
ガター32は、偏向手段26により飛翔経路が偏向されたインク液滴を回収するものであり、偏向手段26と背面電極24との間でかつ偏向手段26により飛翔経路を偏向されなかった、つまり背面電極24に向かってまっすぐに飛翔するインク液滴の飛翔経路から第2偏向電極42側に所定距離ずれた位置に配置される。
偏向手段26により飛翔経路が偏向されたインク液滴は、ガター32に着弾し、ガター32から第2インク回収流路34を介してインクタンク28に回収される。
インクタンク28は、インクが貯槽されており、インク供給流路30および第1インク回収流路31を介して吐出ヘッド20と接続され、第2インク回収流路34を介してガター32と接続される。
インクタンク28は、インク供給流路30を介して図示しないポンプにより、一定量のインクを吐出ヘッド20に供給し、第1インク回収流路31を介して吐出ヘッド20で吐出に使用されなかったインクを回収する。このようにして、吐出ヘッド20とインクタンク28との間には一定量のインクが循環される。また、ガター32に着弾したインク液滴は、第2インク回収流路34を介してインクタンク28に回収される。
ここで、インクタンク28は、インク濃度を調整するインク濃度調整機構を備え、吐出ヘッド20とインクタンク28との間を循環しているインク、インクタンク28に貯槽されているインクの濃度を必要に応じて調節し、常に一定濃度のインクを吐出ヘッド20に供給することが好ましい。
さらに、インクタンク28内部、インク供給流路30、第1インク回収流路31および第2インク回収流路32の少なくとも一ヶ所に、不純物および固化して大きくなったインクを除去するためのフィルタを設けることが好ましい。
ここで、複数の方向に偏向して吐出されるインク液滴の飛翔経路についてより詳細に説明する。
図9は、吐出ヘッド20から記録媒体Pまたはガター32までのインク液滴の飛翔経路を模式的に示した図である。図9では、インク液滴の飛翔経路を明確に示すために、第1制御電極76、第2制御電極78を簡略的に示し、その他の吐出手段19の表示は省略し、また、第1偏向電極40、第2偏向電極42は点線で示す。また、記録媒体Pの搬送方向と第1制御電極76および第2制御電極78の長手方向とが平行に配置した場合の第1制御電極76および第2制御電極78を仮想線で示す。また、インク液滴Rの飛翔経路も点線で示す。
上述したように、吐出手段19の吐出部の吐出口、第1制御電極および第2制御電極の長手方向が記録媒体の進行方向に対して所定角度(本実施形態では角度φ)傾斜して配置されている。これにより、図9に示すように、吐出手段19から吐出されるインク液滴は、記録媒体Pの搬送方向と直交する方向から所定角度(本実施形態では角度φ)傾斜した平面上の複数方向に偏向して吐出される。
これにより、第2制御電極78側に所定角度傾斜した方向に偏向されたインク液滴は、記録媒体Pの搬送方向において、吐出部から垂直に吐出されたインク液滴が着弾する位置(図9中A2)よりも所定距離上流側(図9中A1)に着弾する。また、第1制御電極76側に所定角度傾斜した方向に偏向されたインク液滴は、記録媒体Pの搬送方向において、吐出部から垂直に吐出されたインク液滴が着弾する位置(図9中A2)よりも所定距離下流側(図9中A3)に着弾する。
これにより、第2制御電極側に所定角度傾斜した方向、吐出部から垂直方向、第1制御電極側に所定角度傾斜した方向の順に連続して吐出されたインク液滴が記録媒体P上に着弾する場合は、記録媒体Pの搬送方向の上流から下流に着弾位置が移動し、記録媒体Pも所定速度で図9中矢印方向に搬送されることで、インク液滴は、記録媒体P上の搬送方向と直交した方向に1列に着弾する。
このように、インク液滴の吐出間隔、飛翔速度、記録媒体Pの搬送速度等に応じて、記録媒体の進行方向に対する吐出部の吐出口、第1制御電極および第2制御電極の長手方向の傾斜させる角度を調整することで、1つの吐出部から周期的に複数方向に吐出されるインク液滴を記録媒体の搬送方向に対して直交する方向に1列に着弾させることができる。これにより、文字等の線画を高画質に形成することができる。
以上のように、本発明のインクジェット記録装置は、吐出ヘッド20に静電力を作用させてインク液滴を連続的に吐出させ、画像信号に応じて偏向手段よりインク液滴を選択的に偏向させ、記録媒体に着弾するインク液滴を制御することで画像を形成するコンティニュアス方式のインクジェット記録装置である。
このように、静電式かつコンティニュアス方式のインクジェット記録装置とすることで、吐出ヘッドから常にインク液滴を吐出させた状態で記録を行うことができ、画像信号に対する応答性が向上し、記録周波数を高くすることができる。
また、曳糸の分断は非常に高い周波数で発生するので、インク液滴の吐出周波数が高周波数となり、高速描画を行うことができる。一例として、本実施形態のインクジェットヘッドにおいては、少なくとも吐出周波数約200kHzでインク液滴を吐出させることができる。
また、吐出口に静電力を作用させてインク液滴を吐出させることで、吐出口よりも形の小さい径のインク液滴を吐出でき、高解像度な画像を形成することができる。一例として、本実施形態のインクジェットヘッドにおいては、液滴径約0.05pl〜2plのインク液滴を吐出させることができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置は、偏向電極に低電圧の印加で、インク液滴を偏向することができる。これにより、吐出電極に印加する電圧によりインク液滴の吐出/非吐出を制御し画像記録を行うオンデマンド方式のインクジェット記録装置に比べて、低電圧で画像信号に応じた制御が可能となり、制御装置をより安価にすることができ、また、消費電力も少なくすることができる。
また、解像力増加手段によりインク液滴を偏向させて吐出させる、つまり1つの吐出口から複数方向にインク液滴を吐出させることで、吐出口の配置密度よりも高い解像度での画像記録が可能となる。これにより、吐出口(吐出部)の配置密度を低くした場合も、高い解像度の画像を記録することができる。さらに、高い解像度での画像記録を行う場合も、隣接する吐出口を所定距離離間して配置することができる。その結果、インク中の色材粒子を濃縮して吐出する際に、吐出されるインク液滴の荷電量が多いことにより、隣接する吐出口から吐出されたインク液滴間で荷電反発等が発生し、インク液滴の着弾位置がずれることも防止できる。これにより、インク液滴を正確に記録媒体上に着弾させることができ、より高解像度の画像を高精度で形成することができ、装置構成をより簡単にすることができる。
さらに、吐出されるインク液滴は荷電を有しているので、帯電手段によりインク液滴を帯電させる必要がなく、偏向手段でインク液滴を偏向することができ、装置構成を簡単にすることができる。
また、画像記録中は画像信号に関係なく、インク液滴を常に吐出させているので、インク液滴が長時間吐出されないことで発生する吐出口でのインクの凝集、および吐出口のつまりを防止することができる。これにより、吐出ヘッドの故障を防ぐことができ、メンテナンスも簡単になる。
さらに、画像記録時に、曳糸分断開始直後の色材粒子濃度、液滴径、分断周波数が不安定な状態で吐出されるインク液滴を用いることなく、色材粒子濃度、液滴径、分断周波数が定常な状態で吐出されるインク液滴を用いて画像を形成することで、画像信号に対する応答性が一定になり、より安定性の高い画像を形成することができる。
また、第1偏向電極40および第2偏向電極42を第1制御電極76および第2制御電極78に対して直角に配置することにより、1つの吐出部から複数方向に飛翔されるインク液滴を、一組の第1偏向電極40および第2偏向電極42で偏向させることができる。これにより、装置構成を簡単にすることができ、また、インク液滴と第1偏向電極40および第2偏向電極42との距離が一定となり、インク液滴の飛翔経路をより正確に制御することができる。
ここで、本発明のインクジェット記録装置は、インク液滴を常に吐出させ、偏向手段により画像信号に応じた制御を行うので、インク液滴吐出時は、基本的に吐出ヘッドの全吐出部から同様にインク液滴が吐出させる。このため、本実施形態では、吐出電極を各吐出部毎に別々に形成したが、本発明はこれに限定されず、吐出電極を複数の吐出部間で共通のシート状の電極としてもよい。
また、吐出電極に印加するバイアス電圧は、直流電圧に限定されず、パルス電圧も用いることができる。
本実施形態では、解像力増加手段60によりインク液滴を3方向に偏向させて吐出させたが、インク液滴を偏向させる方向は、3方向に限定されず、第1制御電極76および第2制御電極78に印加する電圧を制御し、形成する電界を調整することで、2方向、5方向等、任意の数の方向にインク液滴を偏向させて吐出させることができる。
また、本実施形態では、インク液滴が1滴吐出される毎に吐出方向を偏向させたが、所定数の液滴が吐出される毎に吐出方向を偏向させてもよい。
また、解像力増加手段の第1制御電極および第2制御電極は、本実施形態に示すように、設置が容易である等の点から、吐出口基板に設けることが好ましいが、本発明はこれに限定されず、吐出口基板から対向電極との間であれば、どの位置に設けてもよい。
また、本実施形態では、第1制御電極に印加する電圧を制御し、第2制御電極に所定の一定電圧を印加したが、これに限定されず、第1制御電極に所定の一定電圧を印加し、第2制御電極に印加する電圧を制御してもよく、また、第1制御電極および第2制御電極の双方の電極に印加する電圧を制御するようにしてもよい。
また、第1偏向電極40および第2偏向電極42に印加する電圧も、特に限定されず、例えば、第1偏向電極40を接地させ、第2偏向電極42にインク液滴と異なる極性の電圧を印加して、電界を形成して、インク液滴を偏向させてもよい。
図10に、本発明のインクジェット記録装置の他の一例を示す。
本実施形態では、偏向手段82を除いて、図1に示すインクジェット記録装置10と同じ構成のものである。従って、両者で同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省力し、以下に、インクジェット記録装置80に特有の点を重点的に説明する。
インクジェット記録装置80の偏向手段82は、空気流発生部84と制御部44とを有する。空気流発生部84は、制御部44に接続されている。
空気流発生部84は、インク液滴Rに対して空気流を噴出しインク液滴Rを偏向させる。また、制御部44は、画像信号に応じて空気流発生部84から噴出する空気流を制御する。
空気流発生部84から噴出される空気流により偏向されたインク液滴Rはガター32に回収され、偏向されなかったインク液滴Rは直進し、記録媒体Pに着弾して画像を形成する。
このように偏向手段は、偏向電極に電圧を印加し、所定電界を形成してインク液滴を偏向させる手段に限定されず、空気流によりインク液滴を偏向させ、画像信号に応じてインク液滴の挙動を制御することができる。
また、偏向手段は、上述した電界を形成することまたは空気流を発生させることにより液滴を偏向させる手段に限定されず、例えば磁界を形成し、液滴を偏向させる偏向手段等、種々の偏向手段を用いることができる。
ここで、本実施形態のインクジェット記録装置に好適に用いることができるインクの例について説明する。
インクQは、荷電を有する微粒子をキャリア液に分散することにより得られる。キャリア液は、高い電気抵抗率を有する誘電性液体であるのが好ましい。キャリア液の電気抵抗率は、109Ω・cm以上1016Ω・cm以下であるのが好ましく、1010Ω・cm以上1015Ω・cm以下であるのがより好ましい。キャリア液の電気抵抗率を上記範囲とすることで、荷電を有する微粒子の濃縮が起こりやすく滲みの少ない濃いドットが形成でき、かつ吐出の際の電圧が高くなりすぎることを防止できる。
また、キャリア液として用いられる誘電性液体の比誘電率は、1.9以上5.0以下がであるのが好ましく、2以上4以下であるのがより好ましい。キャリア液の比誘電率が上記範囲とすることで、荷電を有する微粒子の濃縮が起こりやすく、滲みの少ない濃いドットを形成でき、かつ吐出する際の電圧が高くなりすぎることを防止できる。
キャリア液として用いられる誘電性液体としては、好ましくは直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、または芳香族炭化水素、および、これらの炭化水素のハロゲン置換体がある。例えば、へキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM(アイソパー:エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール:シェルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ:スピリッツ社の商品名)、シリコーンオイル(例えば、信越シリコーン社製KF−96L)等を単独あるいは混合して用いることができる。
このようなキャリア液に分散される荷電を有する微粒子には、色材を含ませることができる。この荷電および色材を含む粒子(色材粒子)としては、色材自身を色材粒子としてキャリア液中に分散させてもよいが、好ましくは、定着性を向上させるための分散樹脂粒子を含有させる。分散樹脂粒子を含有させる場合、顔料などは分散樹脂粒子の樹脂材料で被覆して樹脂被覆粒子とする方法などが一般的であり、染料などは分散樹脂粒子を着色して着色粒子とする方法などが一般的である。
色材としては、従来からインクジェットインク組成物、印刷用(油性)インキ組成物、あるいは静電写真用液体現像剤に用いられている顔料および染料であればどれでも使用可能である。
色材として用いる顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用することができる。具体的には、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等の従来公知の顔料を特に限定なく用いることができる。
色材として用いる染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染料が好ましく例示される。
さらに、分散樹脂粒子としては、例えば、ロジン類、ロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニールアルコールのアセタール変性物、ポリカーボネート等を挙げられる。
これらのうち、粒子形成の容易さの観点から、重量平均分子量が2,000〜1000,000の範囲内であり、かつ多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.0〜5.0の範囲内であるポリマーが好ましい。さらに、前記定着の容易さの観点から、軟化点、ガラス転移点または、融点のいずれか1つが40℃〜120℃の範囲内にあるポリマーが好ましい。
インクQにおいて、色材粒子の含有量(色材粒子あるいはさらに分散樹脂粒子の合計含有量)は、インク全体に対して0.5〜30重量%の範囲で含有されることが好ましく、より好ましくは1.5〜25重量%、さらに好ましくは3〜20重量%の範囲で含有されることが望ましい。色材粒子の含有量が少なくなると、印刷画像濃度が不足したり、インクQと記録媒体P表面との親和性が得られ難くなって強固な画像が得られなくなったりするなどの問題が生じ易くなり、一方、含有量が多くなると均一な分散液が得られにくくなったり、インクジェットヘッド等でのインクQの目詰まりが生じやすく、安定なインク吐出が得られにくいなどの問題が生じるからである。
また、キャリア液に分散された色材粒子の平均粒径は、0.1〜5μmが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5μmであり、更に好ましくは0.4〜1.0μmである。この粒径はCAPA−500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたものである。
色材粒子をキャリア液に分散させた後(必要に応じて、分散剤を使用しても可)、荷電制御剤をキャリア液に添加することにより色材粒子を荷電して、荷電した色材粒子をキャリア液に分散してなるインクQとする。なお、色材粒子の分散時には、必要に応じて、分散媒を添加してもよい。
荷電制御剤は、一例として、電子写真液体現像剤に用いられている各種のものが利用可能である。また、「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子写真」16(No.2)、44頁(1977年)等に記載の各種の荷電制御剤も利用可能である。
なお、色材粒子は、吐出電極に印加されるバイアス電圧と同極性であれば、正電荷および負電荷のいずれに荷電したものであってもよい。
また、色材粒子の荷電量は、好ましくは5〜200μC/g、より好ましくは10〜150μC/g、さらに好ましくは15〜100μC/gの範囲である。
インクQの電気伝導度は、100〜3000pS/cmが好ましく、より好ましくは150〜2500pS/cm、さらに好ましくは200〜2000pS/cmである。以上のような電気伝導度の範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、隣接する吐出電極間での電気的導通を生じさせる懸念もない。
また、インクQの表面張力は、15〜50mN/mの範囲が好ましく、より好ましくは15.5〜45mN/m、さらに好ましくは16〜40mN/mの範囲である。表面張力をこの範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、ヘッド周りにインクが漏れ広がり汚染することがない。
さらに、インクQの粘度は0.5〜5mPa・secが好ましく、より好ましくは0.6〜3.0mPa・sec、さらに好ましくは0.7〜2.0mPa・secである。
また、荷電制御剤の添加によって誘電性溶媒の電気抵抗が変化することもあるため、溶媒を所定の電気抵抗率を安定させるために、下記に定義する分配率Pを、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上とする。
P=100×(σ1−σ2)/σ1
ここで、σ1は、インクQの電気伝導度、σ2は、インクQを遠心分離器にかけた上澄みの電気伝導度である。電気伝導度は、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)および液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定を行った値である。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23℃の条件で30分間行った。
以上のようなインクQを用いることによって、色材粒子の泳動が起こりやすくなり、濃縮しやすくなる。
このようなインクQは、一例として、色材粒子をキャリア液に分散して粒子化し、かつ荷電制御剤を分散媒に添加して、色材粒子に荷電を生じさせることで、調製できる。具体的な方法としては、以下の方法が例示される。
(1)色材あるいはさらに分散樹脂粒子をあらかじめ混合(混練)した後、必要に応じて分散剤を用いてキャリア液に分散し、荷電制御剤を加える方法。
(2)色材、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、キャリア液に同時に添加して、分散し、荷電制御剤を加える方法。
(3)色材および荷電制御剤、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、同時にキャリア液に添加して、分散する方法。
以下、インクジェット記録装置10における画像記録について詳細に説明する。
まず、図示しないポンプによりインクタンク28からインク供給流路30、吐出ヘッド20、第1インク回収流路31の順にインクが循環され吐出ヘッド20に常に一定量のインクが供給される。
対向電極22、吐出ヘッド20の吐出電極58に電圧が印加される。これにより、吐出電極58と対向電極22との間に所要の電位差が設定され、吐出ヘッド20にインクを吐出することが可能な電界が形成され、上述のようにテーラーコーン〜曳糸の形成〜曳糸の分断が生じ、分断された曳糸は、吐出口62からインク液滴として吐出される。また、吐出ヘッド20にインクを吐出することが可能な電界が形成されている間は曳糸の分断が連続して発生し、インク液滴が形成される。また、インク液滴は、解像力増加手段60により偏向され、複数方向に吐出される。
複数方向に吐出されたインク液滴は、対向電極22の吐出口62に対向する位置に形成された開口部を通過する。
対向電極22を通過したインク液滴は、所定電圧が印加されている対向電極22と接地されている背面電極24との間に形成される電界により、背面電極24側に引っ張られ、背面電極24側にまっすぐに進み、偏向手段26の第1偏向電極40と第2偏向電極42との間を通過する。
第1偏向電極40と第2偏向電極42との間を通過するインク液滴は、画像信号に応じて制御部44から第1偏向電極40に印加される電圧によって形成される第1偏向電極40と第2偏向電極42との間の電界により、その挙動(飛翔経路)が制御される。つまり、画像記録に使用するインク液滴Rは、偏向されず直進して記録媒体Pに着弾し、画像記録に使用しないインク液滴Rは、偏向されガター32に着弾する。
このように、画像信号に応じてインク液滴Rの挙動を制御し、記録媒体P上にインク液滴Rを着弾させることで、記録媒体P上に画像が形成される。また、ガター32に着弾したインクは第2インク回収流路34を介してインクタンク28に回収され再利用される。
以上より、インクに静電力を作用させ、インク液滴を連続的に吐出させ、画像信号に応じて偏向手段によりインク液滴の挙動を制御することで記録媒体に画像記録を行うことで、常に高い吐出周波数で吐出ヘッドからインク液滴を吐出させた状態で画像記録を行うことができ、画像信号に対する応答性が向上し、記録周波数を高くすることができる。
さらに、インクに静電力を作用させて、インク液滴を吐出させることで、微小液滴径の液滴を安定して高い吐出周波数で、吐出させることができ、高画質な画像を安定して高速に形成できる。
ここで、上記実施形態では、吐出ヘッド20と対向電極22との間に所定電界を形成し、インク液滴を吐出させたが、本発明はこれに限定されず、対向電極を設置しない構成とし、吐出ヘッドと背面電極との間で所定電界を形成し、インク液滴を吐出させてもよい。
また、上記形態のインクジェット記録装置は、背面電極は、上述したように、搬送手段として、例えば搬送ベルト等を設けることが好ましいが、本発明はこれに限定されず、搬送手段を設けない構成としてもよい。また、搬送手段により、記録媒体Pを単列ライン構造に配置された吐出口の吐出口の配列方向と直交する方向に搬送させつつ、画像記録を行ってもよい。
また、上記実施形態では、ガターに回収されるインク液滴を偏向させたが、本発明はこれに限定されず、例えば、ガターを偏向させずに直進させた時のインク液滴の搬送経路上に配置し、ガターに回収されるインク液滴を直進させ、記録媒体に着弾させるインク液滴を偏向させてもよい。
また、上記実施形態では、色材を濃縮して吐出でき、より滲みの少ない画像が形成できる点から荷電を有する粒子を電気抵抗率の高い溶媒に分散させたインクを用いることが好ましいが、本発明はこれに限定されず、インク全体として荷電を有する、つまり、少なくとも微粒子および溶媒を含み荷電を有するインクであれば、種々のインクを用いることができる。例えば、インクとして帯電しにくい色材粒子を有する溶媒を用い、荷電制御剤または導電化剤等により適度な導電性を有するインクとし、インク溶媒に静電力を作用させ、色材粒子を濃縮させずに微小液滴として吐出させてもよい。
より具体的には、低い電気抵抗率(109Ω・cm以下)の溶媒、例えば、水または極性有機溶媒(アルコール、ケトン、エステル、エーテル、アミド)に帯電しにくい色材粒子を分散させたインクも用いることができる。この場合は、電気抵抗率の低い溶媒が荷電を有した状態となり、静電力を作用させることにより荷電を有する溶媒を色材粒子とともに液滴として吐出させることができる。
また、低い電気抵抗率の溶媒に荷電を有する色材粒子を分散させたインクを用いることもできる。この場合は、溶媒および色材粒子が荷電を有した状態となり、静電力を作用させることにより荷電を有する溶媒および色材粒子を液滴として吐出させることができる。
また、上述した高い電気抵抗率(109Ω・cm以上)の溶媒に導電化剤を添加し、帯電しにくい色材粒子を分散させたインクも用いることができる。このように、高い電気抵抗率の溶媒を用いる場合も、導電化剤を溶媒に添加することで、荷電を有した状態となり、静電力を作用させることにより荷電を有する溶媒を色材粒子とともに液滴として吐出させることができる。
また、高い電気抵抗率の溶媒に導電化剤を添加し、荷電を有する色材粒子を分散させたインクも用いることができる。この場合は、溶媒中の導電化剤および荷電を有する色材粒子が荷電を有した状態となり、静電力を作用させることにより荷電を有する溶媒および色材粒子を液滴として吐出させることができる。
さらに、本実施形態では微粒子として色材粒子を有するインクとしたが、これに限定されず、無色樹脂粒子等の各種微粒子を有する溶液を用いることができる。
ここで、無色樹脂粒子等の各種微粒子を有する溶液には、上述のキャリア液、分散樹脂粒子、荷電制御剤等を用いることができ、、上述のキャリア液、分散樹脂粒子、荷電制御剤および/またはその他種々の材料を必要に応じて、選択、混合することで製造することができる。
また、上記実施形態では、インクジェット記録装置を用いて説明したが、本発明の微小液滴吐出装置はこれに限定されず、例えば、微量化学反応装置、微量薬物解析装置、塗布装置等に用いることができる。
以上、本発明の微小液滴吐出装置およびインクジェット記録装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。
例えば、本発明では、吐出ヘッドの吐出口を複数配置したが、吐出口を1つとしてもよい。また、吐出ヘッドの吐出口を複数配置する場合に、対向電極の開口は複数吐出口で共通となるように1つのスリット状にしてもよい。
本発明の微小液滴吐出装置の一態様であるインクジェット記録装置の一例を示す概略構成図である。 (A)は、吐出ヘッドおよび対向電極周辺部の拡大図であり、(B)は、(A)のB−B線断面図である。 図2(A)のIII−III線断面図である。 吐出ヘッド20の吐出口基板56に複数の吐出口62が配列されている様子を模式的に示した図である。 単列ライン構造のインクジェットヘッドの第1制御電極および第2制御電極の平面構造を模式的に示した図である。 (A)は、図2の吐出ヘッドにおける吐出部近傍の構成を示す部分断面斜視図であり、(B)は、インク誘導堰の形状寸法を説明する図である。 (A)〜(C)は、図1に示したインクジェット記録装置のインク液滴吐出方法を説明するための概念図である。 第1制御電極76に印加する電圧の電圧波形とインク液滴の吐出タイミングを示す図である。 インク液滴の吐出ヘッドから記録媒体またはガターの飛翔経路を模式的に示した図である。 本発明のインクジェット記録装置の他の一例を示す概略構成図である。 従来のインクジェット記録装置のインクジェットヘッドの一例を示す模式図である。
符号の説明
10、80 インクジェット記録装置
20 吐出ヘッド
22 対向電極
24 背面電極
26、80 偏向手段
28 インクタンク
30 インク供給流路
32 ガター
34 インク回収流路
40 第1偏向電極
42 第2偏向電極
44、79 制御部
52 ヘッド基板
54 インクガイド
56 吐出口基板
58 吐出電極
60 解像力増加手段
62 吐出口
64 インク流路
66 絶縁基板
68 絶縁層
72 誘導堰
74 制御部
76 第1制御電極
78 第2制御電極
84 空気流発生部

Claims (16)

  1. 少なくとも微粒子と溶媒とを含み荷電を有する溶液に、静電力を作用させて微小液滴を吐出させる微小液滴吐出装置であって、
    前記溶液に静電力を作用させて、吐出口から微小液滴を連続して吐出させる吐出手段と、
    前記吐出手段から吐出された微小液滴を制御信号に基づいて偏向させる偏向手段と、
    前記吐出手段から吐出され直進する微小液滴、および、前記偏向手段により飛翔方向が偏向された微小液滴のいずれか一方を回収する回収手段とを含み、
    前記吐出手段は、前記偏向手段が偏向させる方向とは異なる方向に前記微小液滴を偏向させる解像力増加手段を有する微小液滴吐出装置。
  2. 前記解像力増加手段は、前記溶液および前記微小液滴の少なくとも一方に静電力を作用させて、前記微小液滴を偏向させる手段である請求項1に記載の微小液滴吐出装置。
  3. 前記解像力増加手段は、前記微小液滴を周期的に複数方向に偏向させる手段である請求項1または2に記載の微小液滴吐出装置。
  4. 前記解像力増加手段は、前記吐出口周りに平行に配置された第1制御電極および第2制御電極と、前記第1制御電極および前記第2制御電極に印加する電圧を制御する制御部とを有する請求項1〜3のいずれかに記載の微小液滴吐出装置。
  5. 前記吐出手段は、複数の吐出口を有する請求項1〜4のいずれかに記載の微小液滴吐出装置。
  6. 前記微粒子が、電荷を有する帯電微粒子である請求項1〜5のいずれかに記載の微小液滴吐出装置。
  7. 前記微粒子が、電荷および色材を含む請求項1〜6のいずれかに記載の微小液滴吐出装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の微小液滴吐出装置を用い、
    前記溶液がインクであり、
    前記偏向手段が、画像信号に基づいて、前記吐出手段から吐出された微小液滴を偏向させ、直進する微小液滴、および、前記偏向手段により飛翔方向が偏向された微小液滴のいずれか一方を記録媒体に着弾させ、
    前記回収手段が、前記記録媒体に着弾させない微小液滴を回収することで、前記記録媒体に画像を形成することを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 前記吐出手段は、前記吐出口を有する吐出部と、前記吐出部より前記偏向手段側に配置され、前記吐出部との間に所定電界を形成する対向電極とを有する請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記対向電極は、前記微小液滴の飛翔経路上に開口部を有する請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記吐出手段と前記偏向手段を介して対向する位置に配置され、前記吐出手段との間に所定電界を形成する背面電極を有する請求項7〜10のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記偏向手段は、飛翔している前記微小液滴を偏向させる電界または磁界の印加手段である請求項7〜11のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記偏向手段は、飛翔している前記微小液滴を偏向させるための空気流の発生手段である請求項7〜12のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  14. さらに、前記インクを前記吐出手段に供給し、前記吐出手段で吐出されないインクを回収する循環手段を有する請求項7〜13のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  15. さらに、前記回収手段により回収されたインクを前記循環手段に供給する回収インク供給手段を有する請求項14に記載のインクジェット記録装置。
  16. さらに、インク濃度を調整するインク濃度調整手段を有する請求項7〜15のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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