JP2006239540A - 有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力保持装置及び圧力制御方法 - Google Patents

有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力保持装置及び圧力制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 処理対象液の反応に最適な圧力を、容易に制御して保持することができ、構成が簡単で安価に製作することができ、目詰まり等による故障やキャビテーション損傷を受ける恐れがなく、取扱いや保守点検等も容易で、長期間安定して使用できる圧力保持装置及び圧力制御方法を提供する。
【解決手段】 亜臨界状態で湿式酸化分解する反応炉と、触媒により無機化する触媒炉とを備えた有機廃棄物の連続湿式酸化処理システムにおいて、上記触媒炉の下流に、上流から下流に向けて各段のオリフィスの孔径が徐々に増大している多段オリフィスを接続し、その多段オリフィスの下流にバルブを設け、多段オリフィスとバルブをバイパスするバイパス路にバイパスバルブを設け、処理対象液の圧力を圧力検知器により検知した処理対象液の圧力に応じて制御手段によりバルブ、バイパスバルブの開閉を制御するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機廃棄物を低コスト、短時間で、環境に負荷を与えることなく無害に処理する連続湿式酸化処理システムにおいて、反応炉内及び触媒炉内の処理対象液の反応に最適な圧力を保持するための、処理対象液の圧力保持装置及び圧力制御方法に関するものである。
従来、一般に食品工業廃水等、動植物由来の有機物、バイオマス有機物としての固形有機物等の有機廃棄物を含む有機廃液は、農地還元(畑地散布)、濃縮・乾燥の後に家畜飼料化、メタン発酵によるエネルギ回収、海洋投棄などにより処理されることが多かった。
しかしながら、農地還元は、需給バランスがとれず、二次汚染の心配があり、家畜飼料化は、濃縮・乾燥のための設備・処理コストが高く、メタン発酵は、メタン発酵のための処理設備が大規模で、設備費用が大きく、バイオのため運転が不安定なことや、海洋投棄は、将来的には海洋投棄禁止の方向にあるなど、それぞれ問題があった。
そのため近年、有機廃棄物を低コスト、短時間で、環境に負荷を与えることなく、無害に処理するための処理システムが検討されているが、その処理システムの一つとして、有機廃棄物の連続湿式酸化処理が提案されている(例えば特許文献1)。
図2は従来提案されている有機廃棄物の連続湿式酸化処理システムの構成を示すフロー図であり、亜臨界状態により有機廃棄物の連続湿式酸化処理を行っている。
図2において、101は、高速で回転し、有機廃棄物を裁断するカッター(刃)と、攪拌機を備えた破砕機であり、104は、筒状の密閉式高圧容器からなり、外殻には、電気ヒーターを利用した加熱手段が設けられている分解炉(以下、反応炉という)である。
105は反応炉104と同様の筒状の密閉式高圧容器からなり、チタニア及びアルミナに、ルテニウム、パラジウムなどの貴金属を担持した触媒、または白金、ゼオライトのような触媒が充填されている触媒炉である。
108は、炭酸ガスを選択的に吸着するゼオライトを封入した吸着塔等から構成される炭酸ガス濃縮装置であり、109は、触媒(ルテニウム触媒)を封入した反応管、ヒーター等から構成される炭酸ガス還元装置である。
110は、金属イオン成分(陽イオン成分)と無機栄養塩類(陰イオン成分)を除去あるいはその濃度を低減するためのゼオライトが封入された吸着塔などから構成される不純物吸着装置であり、111は、ポリアミド重合膜とポリスルホンの膜からなるフィルタ(逆浸透膜)を備える高度浄水装置である。
114は、メタンガスを燃料に発電する発電装置であり、115は、水耕栽培により野菜や果樹などを生産する植物工場的な植物栽培装置等である。
なお、反応炉104、触媒炉105、炭酸ガス還元装置109はヒートポンプなどからなる廃熱回収システムに接続されており、回収された熱は熱交換器103において再利用されるようになっており、この処理システムは、この他にも高圧圧送ポンプ102や、空気添加装置106、背圧バルブ107、バルブ112、気液分離装置113などを備えている。
上記のように構成された従来の連続湿式酸化処理システムによれば、有機廃棄物及び有機廃水は破砕機101に投入され、カッターで裁断され攪拌機で混合された後スラリー状にされ、高圧圧送ポンプ102を用いてバルブ112を経由し、熱交換器103に送り込まれ、熱交換器103によって予熱された後、反応炉104に送り込まれることになる。
次に、反応炉104に送り込まれたスラリー状物質は、反応炉104で酸化効率を高めるために空気添加装置106(あるいは酸素供給装置)により所定量の空気(酸素でもよい)が添加されるとともに、高温(250〜300℃)に加熱され、含有する有機物が酸化分解されて、炭酸ガスと分解できなかった少量の有機物とを含有する水溶液とからなる中間生成物に変換されることになる。
次に、炭酸ガスと分解できなかった少量の有機物を含む水溶液は、互いに交じり合った混合溶液として、高圧圧送ポンプ102の圧力により連続的に触媒炉105に送られ、反応炉104で生じた廃熱は熱交換器103により回収されることになる。
次に、触媒炉105に流入した混合水溶液に含まれる有機物は、空気添加装置106(あるいは酸素供給装置)により添加される空気(酸素)を用い、触媒に循環接触されることによりさらに酸化分解され、混合溶液は水、炭酸ガス、窒素ガス等に分解されて完全に無機化されることになる。
こうして無機化された水溶液は、熱交換器103を経て背圧バルブ107で降圧されて気液分離器113に導入され、水溶液と炭酸ガスに分離され、それぞれ、不純物吸着装置110、炭酸ガス濃縮装置108に送り込まれ、触媒炉105で生じた廃熱は熱交換器103により回収されることになる。
なお、無機化された水溶液は、不純物吸着装置110により、陰電荷に帯電したゼオライトによって金属成分(陽イオン)が一定量除去されるとともに、陽電荷に帯電したゼオライトによって無機栄養塩類(陰イオン)が一定量取り除かれ、高度浄水装置111に送り込まれて浄水とされることになる。
また、気液分離装置113で水溶液と分離された炭酸ガスは、炭酸ガス濃縮装置108による吸着と分離によって分離濃縮され、濃縮炭酸ガスとして炭酸ガス還元装置109に送り込まれ、水素ガスを加えられたのち、還元されてメタンガスと水に転換されることになるが、転換されたメタンガスは燃料として発電装置114に送り込まれて発電されることになる。
なお、発電装置114で生じた炭酸ガスは、炭酸ガス濃縮装置108に送り込まれているが、植物工場の植物栽培装置115に送り込ませれば、光合成によって植物の成長に利用されることになる。
また、不純物吸着装置110で回収した無機栄養塩類は、肥料成分として利用するため植物栽培装置115に供給され、植物栽培装置115において生じた廃棄物廃水は、破砕機101に供給されている。
このように、従来の連続湿式酸化処理システムによれば、有機廃棄物を低コスト、短時間で、環境に負荷を与えることなく無害に処理することができるが、亜臨界状態による有機廃棄物の連続湿式酸化処理を行っているため、反応炉内、触媒炉内の処理対象液の反応に最適な圧力を保持する必要がある。
そのため、図2に示す従来の連続湿式酸化処理システムにおいては、触媒炉105の後流に背圧バルブ107を設け、その背圧バルブ107によって、反応炉104内、触媒炉105内を所定の高圧に維持し、処理対象液の反応に最適な圧力を保持するように圧力制御を行なっている。
図3は、従来の連続湿式酸化処理システムにおいて、背圧バルブを用いて圧力を制御し、圧力を保持する状況を示す説明図である。
図3において、116は背圧バルブ107の上流の処理対象液Aの圧力を検知するための圧力検知器であり、圧力検知器116により検知した圧力に応じて制御手段117により背圧バルブ107を適宜操作することにより、背圧バルブ107の上流において、処理対象液Aの処理温度が所定の範囲内で、その処理対象液Aの処理圧力が所定の範囲内に保持され、背圧バルブ107の下流が0.1MPaになるように、図中点線で示す信号伝達経路によって、圧力が制御されることになる。
しかしながら、亜臨界状態による有機廃棄物の連続湿式酸化処理においては、処理温度は300〜320℃(最適値は310℃)、処理圧力は13〜14MPa(最適値は14MPa)であるため、そのような反応炉104内、触媒炉105内の処理対象液の反応に最適な圧力を保持するには、圧力調整機能を有する背圧バルブ107としては、広い圧力範囲をカバーする必要があり、300〜320℃の処理温度で、13〜14MPaの処理圧力に対応するには、背圧バルブ107そのものが高価となるばかりか、背圧バルブ107の構造も複雑となり、圧力保持のための制御も面倒で、故障し易いという問題があった。
そのため、背圧バルブ107に代えて、安価なオリフィスを用いて圧力を保持することを検討したところ、オリフィスにより圧力を保持するには、例えば、配管内径が12.7mmで流速が1.84m/sの場合には、上流の圧力が14MPaで、下流の圧力が0.1MPaになるように単段オリフィスにより圧力を低下させるには、単段オリフィスの孔径を1.7mm程度にしなければならない。
単段オリフィスにする場合の上記孔径は、処理対象液Aの密度ρを考慮して、そのオリフィスにおける圧力損失係数ξを計算し、次にその圧力損失係数ξより絞り直径比βを計算し、その絞り直径比βから孔径を算出することができる。
ところが、通過する処理対象液A中に微小な固形物が存在すると、オリフィスの孔径が1.7mm程度の小さい孔径だと、孔径の小さいオリフィスに詰まりが発生してオリフィスが機能しなくなり、処理対象液Aの圧力が異常に上昇し、反応炉104、触媒炉105、配管等が破損する恐れがあるばかりか、キャビテーションの発生によりオリフィスが損傷を受けるため、単段オリフィスを使用することはできない。
単段オリフィスを使用した場合に、キャビテーションが発生するか否かは、処理対象液Aの飽和蒸気圧Pにおいて、上記孔径のオリフィスにおけるキャビテーション係数σを計算で求め、次に予め実験により配管サイズ毎に求めた絞り直径比と臨界キャビテーション係数との関係から、絞り直径比βにおける臨界キャビテーション係数σを求め、その臨界キャビテーション係数σと計算で求めたキャビテーション係数σとを比較して、σ>σであればキャビテーションが発生することがわかる。
上記の孔径を有する単段オリフィスを使用した場合には、σ>σとなり、キャビテーションが発生することが確認できる。
これに対し、各段のオリフィスの孔径を一定にした多段オリフィスを用いて圧力を保持する場合には、下流のオリフィスほど圧力が低くなり、特に最後段のオリフィスではキャビテーションが発生し易くなる。
圧力の高い上流のオリフィスでは、小さな孔径により大きな差圧ΔPをとってもキャビテーションを発生しないが、特に最後段のオリフィスでは差圧ΔPによってキャビテーションを発生する恐れがあるため、最後段のオリフィスの孔径は、圧力が低くてもキャビテーションを発生する恐れのない差圧ΔPがとれる孔径にする必要がある。
そのため、各段のオリフィスの孔径を一定にする場合には、上流のオリフィスでは差圧ΔPによってキャビテーションを発生する恐れがなく、キャビテーション発生に余裕があるとしても、キャビテーションを発生する恐れのない差圧ΔPがとれる孔径に設定される最後段のオリフィスの孔径に合せざるを得ないことになる。
例えば単段オリフィスを用いた場合と同じ条件で多段オリフィスを用いて圧力を保持する場合には、処理対象液Aの密度ρ、飽和蒸気圧Pを考慮して、最後段のオリフィスにおける差圧ΔP、圧力損失係数ξ、絞り直径比βより、最後段のオリフィスにおいて、σ<σとなり、キャビテーションが発生しないよう孔径を計算するが、この場合には、最後段のオリフィスの孔径は6.3mm程度となる。
しかしながら、多段オリフィスを用いる場合には、オリフィス1段当りの差圧ΔPを小さくしなければならず、各段のオリフィスの孔径を、最後段のオリフィスの孔径に合せて全て6.3mm程度とすると、単段オリフィスを用いた場合のオリフィスの孔径に比べて、オリフィスの孔径が大きく、オリフィスに詰まりが発生する恐れはないが、全体として269段ものオリフィスが必要となるため、各段のオリフィスの孔径を一定にした多段オリフィスを用いて圧力を保持することは、あまりにも実用的でないことになる。
特開2003−290738公報(第3〜5頁、図1)
本発明は上記従来の実情に鑑み、検討を重ねてなされたもので、有機廃棄物の連続湿式酸化処理システムにおいて、反応炉内及び触媒炉内の処理対象液の反応に最適な圧力を、容易に制御して保持することができ、構成が簡単で安価に製作することができると共に、目詰まり等による故障やキャビテーション損傷を受ける恐れがなく、取扱いや保守点検等も容易で、長期間安定して使用することができる圧力保持装置及び圧力制御方法を提供することを課題とするものである。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、特許請求の範囲に記載された各発明は、それぞれ以下の(1)〜(4)に述べる手段を採用したものである。
(1)第1の手段の有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力保持装置は、有機廃棄物を含む処理対象液を、供給された酸素または空気によって亜臨界状態で湿式酸化分解する反応炉と、その反応炉の下流側に直列に接続され、反応炉で処理された処理対象液を、供給された酸素または空気によって亜臨界状態で触媒により無機化する触媒炉とを備えた有機廃棄物の連続湿式酸化処理システムにおいて、上記触媒炉の下流に、上流から下流に向けて各段のオリフィスの孔径が徐々に増大している多段オリフィスを接続し、その多段オリフィスの下流に開閉用のバルブを設けたことを特徴とするものである。
(2)第2の手段は、第1の手段を採用した有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力保持装置において、上記多段オリフィスと上記バルブをバイパスするバイパス路を設け、そのバイパス路にバイパスバルブを設けると共に、上記多段オリフィスの上流に、処理対象液の圧力を検知する圧力検知器を設け、その圧力検知器により検知された圧力に応じて上記バルブ及び上記バイパスバルブの開閉を制御する制御手段を設けたことを特徴とするものである。
(3)第3の手段の有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力制御方法は、第2の手段を採用した有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力保持装置を使用し、上記圧力検知器により検知された圧力が、下限圧力まで低下したときは上記バルブを閉とし、下限圧力以上で上限圧力以下の所定圧力まで上昇したときは上記バルブを開とし、上限圧力を超えたときは上記バイパスバルブを開とし、上限圧力まで低下したときは上記バイパスバルブを閉とすることにより、上記多段オリフィスの上流の処理対象液の圧力を制御することを特徴とするものである。
(4)第4の手段は、第3の手段を採用した有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力制御方法において、上記多段オリフィスの上流の処理対象液の処理圧力が下限圧力13MPa〜上限圧力14MPaを維持し、上記バルブの下流が0.1MPaになるように圧力を制御することを特徴とするものである。
特許請求の範囲に記載の各請求項に係る発明は、それぞれ次のような効果を有する。
(1)請求項1に係る発明の有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力保持装置は、上記第1の手段を採用しているので、多段オリフィスの上流の処理対象液の処理圧力は、触媒炉の下流に接続された多段オリフィスにより各段のオリフィスで順次降圧され、その多段オリフィスの下流に設けられた開閉用のバルブの開閉により圧力制御がなされるので、有機廃棄物の連続湿式酸化処理システムにおける、反応炉内及び触媒炉内の処理対象液の反応に最適な圧力を、容易に保持することができる。
また、孔径が一番小さい最上段のオリフィスの孔径を、単段オリフィスを用いて圧力を保持する場合のオリフィスの孔径よりも大きくすることができるので、目詰まり等による故障の恐れはない。
また、各段のオリフィスの孔径を一定にした多段オリフィスを用いて圧力を保持する場合に必要とされるオリフィスの段数よりも、はるかに少ない段数の多段オリフィスとすることができるので、安価に製作することができる。
(2)請求項2に係る発明の有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力保持装置は、上記第2の手段を採用しているので、圧力検知器により検知された圧力に応じてバルブ及びバイパスバルブの開閉を制御することにより、オリフィスの上流の処理対象液の反応に最適な圧力を、容易に保持することができ、安価で、取扱いや保守点検等も容易であり、長期間安定して使用することができる。
(3)請求項3に係る発明の有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力制御方法は、上記第3の手段を採用しているので、圧力検知器により検知された圧力が、下限圧力まで低下したときはバルブを閉とし、下限圧力以上で上限圧力以下の所定圧力まで上昇したときはバルブを開とし、上限圧力を超えたときはバイパスバルブを開とし、上限圧力まで低下したときはバイパスバルブを閉とすることにより、オリフィスの上流の処理対象液の反応に最適な圧力を、容易に制御して適切に保持することができる。
(4)請求項4に係る発明の有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力制御方法は、上記第4の手段を採用しているので、上記多段オリフィスの上流の処理対象液の処理圧力が下限圧力13MPa〜上限圧力14MPaを維持し、上記バルブの下流が0.1MPaになるように圧力を制御することにより、有機廃棄物の連続湿式酸化処理を効率よく行うことができる。
本発明を実施するための最良の形態を、図1に示す実施例に基き説明する。
本発明は、有機廃棄物を含む処理対象液を、供給された酸素または空気によって亜臨界状態で湿式酸化分解する反応炉と、その反応炉の下流側に直列に接続され、反応炉で処理された処理対象液を、供給された酸素または空気によって亜臨界状態で触媒により無機化する触媒炉とを備えた有機廃棄物の連続湿式酸化処理システムにおいて、有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力を保持するための圧力保持装置及び圧力制御方法に関するものであるが、本発明が適用される上記のような有機廃棄物の連続湿式酸化処理システムは、基本的には図2に示す従来の有機廃棄物の連続湿式酸化処理システムと同じであるため、重複した説明は省力する。
ただし、本発明は、図2に示すような有機廃棄物の連続湿式酸化処理システムにおいて、触媒炉105の下流に設けられている背圧バルブ107に代えて、触媒炉105の下流に、上流から下流に向けて各段のオリフィスの孔径が徐々に増大している多段オリフィスを接続し、その多段オリフィスの下流に開閉用のバルブを設けたものである。
図1は本発明に係る有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力保持装置及び圧力制御方法の実施例を示す説明図である。
図中1は多段オリフィスを示し、多段オリフィス1は各段のオリフィス(1a、1b・・・1n)を直列に接続して構成されている。
なお、各段のオリフィス(1a、1b・・・1n)は、上流から下流に向けて各段のオリフィス(1a、1b・・・1n)の孔径が徐々に増大するように配置されており、多段オリフィス1の下流には開閉用のバルブ2が設けられている。
3は多段オリフィス1とバルブ2をバイパスするバイパス路で、そのバイパス路3にはバイパスバルブ4が設けられている。
5は多段オリフィス1の上流に設けられた圧力検知器であり、多段オリフィス1の上流における処理対象液Aの圧力を検知するようになっている。
6は制御手段であり、圧力検知器5により検知された多段オリフィス1の上流における処理対象液Aの圧力に応じて、多段オリフィス1の下流に設けられたバルブ2の開閉、及びバイパス路3に設けられたバイパスバルブ4の開閉を制御するように構成されており、図中点線で示す信号伝達経路によって制御されるようになっている。
上記のように構成された本実施例の有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力保持装置によれば、多段オリフィス1の上流における処理対象液Aの圧力が13〜14MPaのとき、その処理対象液Aの圧力を、多段オリフィス1により各段のオリフィス(1a、1b・・・1n)で順次減圧させて0.1MPaまで減圧することになる。
なお、処理対象液Aの圧力は、圧力検知器5により検知された圧力に応じて、多段オリフィス1の下流に設けられたバルブ2の開閉、及びバイパス路3に設けられたバイパスバルブ4の開閉を制御することにより、適切な圧力に保持されることになる。
次に、上記のように構成された本実施例の有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力保持装置を使用し、処理対象液の圧力を制御する圧力制御方法について説明する。
図1において、バルブ2が開、バイパスバルブ4が閉の状態にあると、処理対象液Aの圧力は、多段オリフィス1により各段のオリフィス(1a、1b・・・1n)で順次減圧されて下流に流れるが、圧力検知器5により検知された処理対象液Aの圧力が、予め設定した下限圧力まで低下したときは、その圧力信号により制御手段6はバルブ2を閉とする。
バルブ2を閉とすることにより、処理対象液Aの圧力は上昇するが、処理対象液Aの圧力が、予め設定した下限圧力以上で上限圧力以下の所定圧力まで上昇したときは、その圧力信号により制御手段6はバルブ2を開とする。
また、処理対象液Aの圧力が、予め設定した上限圧力を超えたときは、その圧力信号により制御手段6はバイパス路3に設けられたバイパスバルブ4を開とし、多段オリフィス1とバルブ2をバイパスするバイパス路3を介して処理対象液Aが下流に流れ、処理対象液Aの圧力は減圧されることになる。
バイパス路3を介して処理対象液Aが下流に流れ、処理対象液Aの圧力が減圧されて、処理対象液Aの圧力が予め設定した上限圧力まで低下したときは、その圧力信号により制御手段6はバイパス路3に設けられたバイパスバルブ4を閉とし、処理対象液Aは多段オリフィス1により各段のオリフィス(1a、1b・・・1n)で順次減圧されて下流に流れることになる。
従って、多段オリフィス1の上流の処理対象液Aの圧力は、圧力検知器5により検知された圧力に応じて、その圧力信号により制御手段6により、多段オリフィス1の下流に設けられたバルブ2の開閉、及びバイパス路3に設けられたバイパスバルブ4の開閉を制御することにより、圧力が制御され、適切な圧力に保持されることになる。
但し、亜臨界状態による有機廃棄物の連続湿式酸化処理においては、300〜320℃(最適値は310℃)の処理温度において、処理圧力は13〜14MPa(最適値は14MPa)であるため、多段オリフィス1の入口においては処理対象液Aの温度は約40℃に冷却されているが、上流側圧力は13〜14MPaに維持し、バルブ2の下流は0.1MPaになるように圧力を制御する必要がある。
そのためには、処理対象液Aの処理圧力の上限圧力を14MPa、下限圧力を13MPaに設定することにより、処理対象液Aの処理圧力が、下限圧力13MPa〜上限圧力14MPaを維持し、バルブの下流が0.1MPaになるように、制御手段6によって圧力を制御すればよい。
なお、本実施例においては、触媒炉の下流に、上流から下流に向けて各段のオリフィス(1a、1b・・・1n)の孔径が徐々に増大している多段オリフィス1を接続しているが、多段オリフィス1の段数Nや孔径は、以下のようにして決定する。
例えば、配管内径が12.7mmで流速が1.84m/sの場合には、処理対象液Aの密度ρ、飽和蒸気圧Pを考慮して、上流の圧力が14MPaで、下流の圧力が0.1MPaになるようにするための多段オリフィス1の段数Nは、予想される絞り直径比βの範囲における臨界キャビテーション係数σを仮定し、各段のオリフィス(1a、1b・・・1n)毎に、各段で減圧された後の圧力を順次計算して行き、ある段のオリフィスの下流における圧力が0.1MPa以下になった場合、最初の段からその段までの段数が多段オリフィス1の段数Nとなる。
上記のようにして各段で減圧された後の圧力を順次計算すると、この場合には、9段目におけるオリフィスの下流における圧力が0.1MPa以下となり、多段オリフィス1の段数Nは9となる。
次に、各段のオリフィス(1a、1b・・・1n)の孔径は、処理対象液Aの密度ρ、飽和蒸気圧Pを考慮して、各段のオリフィス(1a、1b・・・1n)毎に、差圧ΔP、圧力損失係数ξ、絞り直径比βより、孔径を計算して求めることができ、このようにして順次孔径を求めると、第1段目のオリフィスの内径は2.1mm程度で、上流から下流に向けて各段のオリフィスの孔径が徐々に増大し、各段において圧力が半減させられて、上流の段では差圧ΔPが大きく、下流の段に行くほど差圧ΔPが小さくなり、第1段目のオリフィスでは差圧ΔPは6.4MPa、第9段目のオリフィスでは差圧ΔPは0.05MPa程度となり、最後段のオリフィスの孔径は、6.3mm程度となる。
このようにして決定された多段オリフィス1においては、各段のオリフィス(1a、1b・・・1n)におけるキャビテーション係数σは略一定であり、臨界キャビテーション係数σよりも大きく、σ<σとなるため、どの段のオリフィスにおいても、キャビテーションは発生することはない。
従って、本実施例によれば、有機廃棄物の連続湿式酸化処理システムにおいて、反応炉内及び触媒炉内の処理対象液の反応に最適な圧力を、容易に制御して保持することができ、構成が簡単で安価に製作することができると共に、目詰まり等による故障やキャビテーション損傷を受ける恐れがなく、取扱いや保守点検等も容易で、長期間安定して使用することができ、実用上極めて有効な圧力保持装置及び圧力制御方法を提供することができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、図2に示すような有機廃棄物の連続湿式酸化処理システムへの適用に限定されるものではなく、有機廃棄物を含む処理対象液を、供給された酸素または空気によって亜臨界状態で湿式酸化分解する反応炉と、その反応炉の下流側に直列に接続され、反応炉で処理された処理対象液を、供給された酸素または空気によって亜臨界状態で触媒により無機化する触媒炉とを備えた有機廃棄物の連続湿式酸化処理システムであれば、適用可能であることは言うまでもない。
また、多段オリフィス1の下流に設けられるバルブ2やバイパス路3に設けられるバイパスバルブ4等は、流路を開閉する機能を有するものであれば、市販されている各種のものを利用することができるが、必要に応じて最適な設計を行なってもよい。
また、圧力検知器5や制御手段6等は、本発明が適用される有機廃棄物の連続湿式酸化処理システム全体の制御を考慮して設計することが望ましい。
本発明に係る有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力保持装置及び圧力制御方法の実施例を示す説明図である。 従来提案されている有機廃棄物の連続湿式酸化処理システムの構成を示すフロー図である。 従来の連続湿式酸化処理システムにおいて、背圧バルブを用いて圧力を制御し、圧力を保持する状況を示す説明図である。
符号の説明
1 多段オリフィス
1(a、b・・n) 各段のオリフィス
2 バルブ
3 バイパス路
4 バイパスバルブ
5 圧力検知器
6 制御手段
101 破砕機
102 高圧圧送ポンプ
103 熱交換器
104 分解炉(反応炉)
105 触媒炉
106 空気添加装置
107 背圧バルブ
108 炭酸ガス濃縮装置
109 炭酸ガス還元装置
110 不純物吸着装置
111 高度浄水装置
112 バルブ
113 気液分離装置
114 発電装置
115 植物栽培装置
116 圧力検出器
117 制御手段
A 処理対象液

Claims (4)

  1. 有機廃棄物を含む処理対象液を、供給された酸素または空気によって亜臨界状態で湿式酸化分解する反応炉と、その反応炉の下流側に直列に接続され、反応炉で処理された処理対象液を、供給された酸素または空気によって亜臨界状態で触媒により無機化する触媒炉とを備えた有機廃棄物の連続湿式酸化処理システムにおいて、上記触媒炉の下流に、上流から下流に向けて各段のオリフィスの孔径が徐々に増大している多段オリフィスを接続し、その多段オリフィスの下流に開閉用のバルブを設けたことを特徴とする有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力保持装置。
  2. 請求項1に記載の有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力保持装置において、上記多段オリフィスと上記バルブをバイパスするバイパス路を設け、そのバイパス路にバイパスバルブを設けると共に、上記多段オリフィスの上流に、処理対象液の圧力を検知する圧力検知器を設け、その圧力検知器により検知された圧力に応じて上記バルブ及び上記バイパスバルブの開閉を制御する制御手段を設けたことを特徴とする有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力保持装置。
  3. 請求項2に記載の有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力保持装置を使用し、上記圧力検知器により検知された圧力が、下限圧力まで低下したときは上記バルブを閉とし、下限圧力以上で上限圧力以下の所定圧力まで上昇したときは上記バルブを開とし、上限圧力を超えたときは上記バイパスバルブを開とし、上限圧力まで低下したときは上記バイパスバルブを閉とすることにより、上記多段オリフィスの上流の処理対象液の圧力を制御することを特徴とする有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力制御方法。
  4. 請求項3に記載の有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力制御方法において、上記多段オリフィスの上流の処理対象液の処理圧力が下限圧力13MPa〜上限圧力14MPaを維持し、上記バルブの下流が0.1MPaになるように圧力を制御することを特徴とする有機廃棄物の連続湿式酸化処理における処理対象液の圧力制御方法。
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