JP2006236397A - 磁気ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁気ディスクの回転数が低く抑えられた場合でも、磁気ヘッドの浮上追従特性を良好な状態に維持できる磁気ディスク装置を提供する。
【解決手段】 筐体を構成するベース11の開口部を覆うトップカバー12の内側に、集風板40を形成し、この集風板40により、磁気ディスク14の回転に伴って発生する空気流を集めて、この集めた空気流を磁気ディスク14の表面と磁気ヘッド15との間に流れ込ませる。これにより、磁気ディスク14の表面と磁気ヘッド15との間に流れ込ませる空気流の周速度を高めることができ、磁気ヘッドの浮上追従特性を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気ヘッドを磁気ディスクのトラックに位置決めして情報を読み書きする磁気ディスク装置に関するものである。
従来のコンピュータのデータ記録手段として一般的なHard Disk Drive(以下、HDDと称す)は、単数または複数の磁気ディスクを同軸上に配置し、それをスピンドルモータで回転駆動する構造を持っている。データ(情報)の読み出し・書き込みは前記磁気ディスクに対向して設けた磁気ヘッドにより行われ、この磁気ヘッドはアクチュエータ、一般にはボイスコイルモータ(以下、VCMと称す)により駆動される。前記磁気ディスク、磁気ヘッドおよびアクチュエータは、ベースと呼ばれる筐体内に収納され、ベースの開口部はトップカバーにより覆われて封止されている。
HDDにおける主要な技術課題の一つとして、磁気ディスクに記録されているデータの読み出し、書き込みの正確さが挙げられる。磁気ヘッドの磁気ディスクに対する浮上追従特性が低下すると、磁気ヘッドの位置決め制御に対する追従特性が低下して位置決め制御が不安定になるほか、浮上量の変動によりデータの読み出し・書き込み動作が不安定になるなど、全体的に動作が不安定になり、エラーを発生しやすい状態となる。また、気流の乱れが生じると、磁気ディスクのフラッタ(振動)を引き起こすことは広く知られている。このような気流の乱れを低減させるものとして、磁気ディスクの外周側箇所から磁気ディスク間の空間に入り込んで空気を整流する空気整流翼を設けたり(例えば、特許文献1等)、磁気ディスクを囲む環状のシュラウド壁を設けて、このシュラウド壁に整流溝を形成したり(例えば、特許文献2等)する構造がすでに提案されている。
特開2001−23347号公報 特開2000−348465号公報
ところで、HDDはコンピュータ用途だけでなく、民生機器として使われるようになってきており、民生機器用などとして0.85インチや1インチの小型のHDDが普及しつつある。このような0.85インチや1インチのHDDでは、磁気ディスクの小型化に加えて、消費電力の低減が求められる場合があるが、この消費電力の低減対策として回転数を低く抑える方法がある。このように回転数を低く抑える方法を採用すると、磁気ヘッドの磁気ディスク上に位置するときの周速が大きく低下するので、従来の3.5インチ、3インチ、2.5インチHDDに見られたようなフラッタを大幅に低減できる利点がある。しかしながら、この磁気ヘッドの磁気ディスクに対する相対速度の低周速化で、逆に磁気ヘッドの浮上特性に悪影響を及ぼし、近年の一層あたりの記録密度の増大、すなわちトラックピッチの狭小化の傾向が強まる中で、磁気ヘッドの磁気ディスクに対する浮上追従特性が低下することが、より大きな問題となってきた。
本発明は前記従来の磁気ディスク装置の技術を鑑みなされたもので、0.85インチおよび1インチなどの小径の磁気ディスクを搭載したHDDなどの磁気ディスク装置において、磁気ディスクの回転数が低く抑えられた場合でも、磁気ヘッドの浮上追従特性を良好な状態に維持できる磁気ディスク装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために本発明は、情報を記録した1枚もしくは複数の円盤状の磁気ディスクと、前記磁気ディスクを回転させるスピンドルモータと、磁気ディスクの情報を読み書きする磁気ヘッドとを備えた磁気ディスク装置であって、磁気ディスクの回転に伴って発生する空気流を集めて、この集めた空気流を磁気ディスク表面と磁気ヘッドとの間に流れ込ませる集風板が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、集風板が設けられていないものと比較して、集風板が設けられているものでは、多くの空気が集められて磁気ディスク表面と磁気ヘッドとの間に流れ込ませられる。これにより、磁気ディスクの回転数が低く抑えられた場合でも、磁気ディスク表面と磁気ヘッドとの間に多くの空気流が送り込まれるとともに、この空気流の周速度も高められ、磁気ヘッドの浮上追従特性が良好となる。
また、本発明は、集風板における空気流流入側の端面が、前記空気流の流れを磁気ディスクの表面方向に集めるように、前記磁気ディスクの回転方向に対して鋭角となるように傾斜されていることを特徴とし、これにより、磁気ディスクの回転に伴って発生する空気流を磁気ディスクの表面に沿わせるように集めて、この集めた空気流を磁気ディスク表面と磁気ヘッドとの間に良好に流れ込ませることができる。
また、本発明は、集風板が、筐体を構成するベースの開口部を覆うトップカバーの内側に、プレス加工などにより一体的に形成されていることを特徴とし、これによれば、比較的簡単な構成で、安価に集風板を製造することができる。
また、本発明の集風板は、磁気ディスクの表面に隙間をおいて対向して配置され、前記磁気ディスクのディスク面に対して、その隙間の狭い部分をなすディスク半径方向の辺が略平行となるように形成されていることを特徴とし、これによれば、集風板を設けない場合には磁気ディスクの回転に伴って発生する空気流の周速度が遅くなる磁気ディスクの内周側の箇所に、集風板により多くの空気流を強い圧力で速い速度で送り込むことができ、この結果、空気流の周速度が遅くなりやすい磁気ディスクの内周側の空気流の周速度をより効果的に高めることができる。
また、本発明においては、集風板と磁気ディスクの表面との間の隙間の狭い部分は、0.5mm以下となるように構成されていることを特徴とし、これにより、集風板によって、磁気ディスク表面と磁気ヘッドとの間に空気流を効果的に流れ込ませることができる。
以上のように本発明によれば、集風板により、磁気ディスクの回転に伴って発生する空気流を集めて、この集めた空気流を磁気ディスク表面と磁気ヘッドとの間に流れ込ませることにより、磁気ディスクの回転数が低く抑えられた場合でも、磁気ヘッドの浮上追従特性が良好となる。この結果、0.85インチや1インチなどの小型のHDDなどの磁気ディスク装置において、消費電力の低減対策として回転数を低く抑える場合でも、磁気ヘッドの浮上追従特性が良好となって、磁気ヘッドの位置決め精度が向上し、高密度な記録再生が可能となる。
以下に、本発明の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る磁気ディスク装置の一例としてのHard Disk Drive(以下、HDDと称す)の主要部の構成を示す平面図(一部の領域を除きトップカバーを取り外した状態を示している)であり、図2は図1のA−A線で切断した縦断面図である。
図1、図2に示すように、HDDのケース10は、ステンレス板がプレス加工されてなる底浅箱形筐体のベース11と、このベース11に複数のネジでネジ止めされてベース11の上端開口部を封止するトップカバー12とで構成されている。HDDの型としては0.85インチの磁気ディスク14を備えたタイプであり、消費電力を少なめに抑えることができるように、この磁気ディスク14を回転させるスピンドルモータ13の回転数として、3600rpmという低い回転数のものが用いられている。
ケース10内には、ベース11の底面に取り付けられたスピンドルモータ13と、このスピンドルモータ13によって支持および回転される1枚の磁気ディスク14とが配設されており、磁気ディスク14はディスククランパ16によって固定されている。また、ケース10内には、磁気ディスク14に対して情報の記録、再生を行う磁気ヘッド15、これら磁気ヘッド15を支持するサスペンション17、磁気ヘッド15を駆動させるアクチュエータ18なども設けられている。サスペンション17はアーム23を介して、ピボット軸受19により磁気ディスク14の半径方向に対して、回転自在に支持されている。アクチュエータ18は、アーム23とコイルアーム20とボイスコイルモータ(以下、VCMと称する)とを有しており、前記VCMにより回転されるとともに位置決めされ、これにより、磁気ヘッド15を所定の半径方向に移動、または、位置決めするように構成されている。磁気ディスク14の外側には、アクチュエータ18の待避位置にランプブロック21が設置され、磁気ディスク装置の動作停止の際には、このランプブロック21は、サスペンション17の先端部に設けられたタブ22と協働して、アクチュエータ18を待避位置に保持するようになっており、これらにより、いわゆるロード・アンロード機構が構成されている。
アクチュエータ18のアーム23は、磁気ディスク14の表面に対して略平行に、かつ所定の間隔を有するように配置されている。また、アクチュエータ18は、弾性変形可能な細長いサスペンション17を備えている。サスペンション17は、板バネにより構成され、その基端がスポット溶接あるいは接着によりアーム23の先端部に固定され、アーム23から延出する姿勢で配設されている。なお、サスペンション17とアーム23とは一体に形成されていてもよい。
サスペンション17の延出端には磁気ヘッド15が取り付けられている。磁気ヘッド15の浮上原理を図3において簡略的に示す。磁気ヘッド15は、箱型のスライダ24と、このスライダ24に形成された記録再生用の磁気抵抗素子25およびインダクティブ素子26とを有し、サスペンション17の先端部に形成されたジンバル部に固定されている。スライダ24には、磁気ディスク14と対向する面にABS(Air Bearing Surface:空気ベアリングによる浮上面)27が設けられており、このABS27が、磁気ディスク14が回転により発生する空気流を受けて、磁気ディスク14のディスク面から離そうとする正圧と、ディスク面に引きつけようとする負圧とのバランスを取りながら、わずかな浮上量で安定して浮動するように構成されている。
スライダ24は、アルミナ・チタン・カーバイトのセラミックスを加工したもので、ABS27の加工には周知の技術が使われ、イオンミリングなどによって異なる深さの段差面が形成されている。
図1に示すように、アクチュエータ18のコイルアーム20は、ピボット軸受19からアーム23と反対方向に延出されており、このコイルアーム20によりVCMの一部を構成するボイスコイル28が支持されている。コイルアーム20は合成樹脂によりボイスコイル28の外周に一体的に形成されている。ボイスコイル28は、ベース11上に固定された一対のヨーク29間に位置し、これらのヨーク29に固定された図示しない磁石とともにVCMを構成している。そしてボイスコイル28に通電することにより、ピボット軸受19を中心にアクチュエータ18が回転し、磁気ヘッド15は磁気ディスク14の位置決めされた半径位置のトラック上に移動されるよう構成されている。
磁気ディスク14は、データを記録する円盤状の記録媒体である。データの記録はガラス基板またはアルミニウム基板上に形成された磁性膜(図示せず)に対して行われる。
ここで磁気ディスク14の構成について説明する。磁気ディスク14は直径が約20mm(0.85インチ)で、厚さが約0.38mmの基板で構成されている。前記基板はその製造工程においてダイヤモンド砥粒などにより両面より力を加えて平面に研磨される。その後、テクスチャー工程、洗浄工程などの前準備の後に磁性膜を製膜する。この磁性膜の形成方法としては従来公知の方法を用いることができ、例えばスパッタリングや、無電解メッキにより形成する方法が挙げられる。スパッタリング法での膜厚は0.01〜0.10μm程度、無電解メッキ法での膜厚は約0.05〜0.1μm程度である。
磁気ディスク14の磁性膜に用いる磁性材料としては、特に限定はなく従来公知のものが使用できるが、高い保持力を得るために結晶異方性の高いCoを基本とし、残留磁束密度を調整する目的でNiやCo系合金などが好適である。具体的には、Coを主成分とするCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、CoCrTa、CoPtPr、CoNiPtやCoNiCrPt、CoNiCrTa、CoCrPtTa、CoCrPtB、CoCrPtSiOなどが挙げられる。磁性膜は、非磁性層(例えば、Cr、CrMo、CrV、Ruなど)で分割し、ノイズの低減を図った多層構成としてもよい。また、磁性膜は、上記の磁性材料の他、グラニュラー構造を持つものであってもよい。また、磁性膜は内面型および垂直型のいずれの記録形式であってもよい。
さらに必要により、磁性膜に対して下地層や保護膜を設けてもよい。下地層は磁性膜に応じて選択される。下地層の材料としてはCr、Mo、Ta、W、Niなどの非磁性金属から少なくとも一種類以上挙げられる。磁性膜の摩耗や腐食を防止する保護膜としてはカーボン層、水素化カーボン層などがあり、これらはDLC(Diamond like Carbon)と呼ばれ、磁性層などとともにスパッタ装置で連続して製膜される。
さらにその上には、磁気ヘッド15の滑りを良くするために磁性膜の表面に潤滑剤を薄くコーティングしてもよい。潤滑剤としては、例えば液体潤滑剤であるパーフロロポリエーテル(PFPE)のようなフッ素系潤滑剤等が挙げられる。
磁気ディスク14は、ハブ30に鍔状に形成されたフランジ部31に載置され(磁気ディスク14が複数枚ある場合には積層される)、ハブ30に一本または複数のネジ止めされたディスククランパ16によって固定されている。ハブ30は、スピンドルモータ13の一部を構成するものであり、このスピンドルモータ13の動作により回転される。ディスククランパ16はバネ性を有しており、ハブ30にネジ止めされた際に、ディスククランパ16により磁気ディスク14をハブ30のフランジ部31に押しつける方向の力を発生する。この力により、磁気ディスク14がスピンドルモータ13に固定保持される。
このようにして構成された磁気ディスク装置ではスピンドルモータ13の駆動力により磁気ディスク14を一定速度で回転させ、磁気ヘッド15をアクチュエータ18を介して磁気ディスク14の半径方向にシークさせてデータの読み出し・書き込みを行う。この場合、データの読み出し・書き込み動作の性能を左右する磁気ヘッド15の位置決め制御方式としては、磁気ディスク14の少なくとも一面にデータ面にサーボ信号を書き込んだデータ面サーボ方式を使用している。
上述したように、ロード・アンロード機構(ランプロード機構)は、ベース11の底面に設けられているとともに磁気ディスク14の外側に配置されたランプブロック21と、サスペンション17の先端部に配置されたタブ22とを、協働して用い、磁気ディスク装置の動作停止の際に、アクチュエータ18を待避位置に保持する。またアクチュエータ18が移動できる範囲は、図1に示すIDクラッシュストップ33およびODクラッシュストップ34によって決められ、ディスククランパ16への接触や、ランプブロック21から飛び出しを防ぐよう設けられている。
トップカバー12はベース11にシール部材を介してビス止めされており、HDDのケース10内は気密化されている。この磁気ディスク装置では、特にトップカバー12に集風板40を備えている。集風板40はステンレス板をプレス加工により一体的に形成することによって、トップカバー12の一部が集風板40として機能するようになっている。集風板40はアクチュエータ18が磁気ディスク14の内周側に移動した際のピボット軸受19の中心から磁気ヘッド15の中心を結んだ直線とほぼ平行に並ぶように設けられている(図1参照)。そして集風板40は、磁気ディスク14上を移動する磁気ヘッド15およびアクチュエータ18と干渉しない範囲で、最小の大きさで設定されている。また、集風板40は、磁気ディスク14と所定の隙間をおいて対向している。その隙間は、磁気ディスク14から最も狭い部分では0.5mm以下にすることが望ましい。図4に本実施の形態としての側面断面図である図2の一部拡大図を示す(クランパ16は図示せず)。集風板40の空気流入側の形状としてくさび状の形状をもち、磁気ディスク14と垂直な端面40aは、空気流の流れを磁気ディスク14の表面に沿わせるように集める、すなわち、磁気ディスク14の表面に沿って空気を集めて風を生じる(いわゆる集風する)ように、回転方向に対して直角よりも鋭角に傾けて設けている。このようにトップカバー12に一体的に形成された集風板40の端面は入射角度θ1としては例えば、約20度に設定されている。
次に、HDD内で発生する空気流について説明する。スピンドルモータ13が回転駆動する際、ハブ30、ディスククランパ16によって同軸上に配置された磁気ディスク14が一体に回転駆動され、それによって磁気ディスク14の表面に、周速に比例した空気流が発生する。磁気ヘッド15がロードされて磁気ディスク14上の何れかの位置にあるとき、磁気ヘッド15は、スライダ24のABS27が空気流を受けて浮上力が発生し浮動している。その浮上力は、磁気ディスク14の周速と、周速ベクトルとスライダ24の長手方向角度に依存し、磁気ディスク14の内周部と中央部と外周部とでは周速ベクトルが大きく変化しており、内周部と外周部との速度差は2倍であり、内周部の速度よりも外周部の速度の方が大きい。さらに従来の2.5インチ型のHDDの空気流と比べて、1/10しか発生していない。図7において、0.85インチ型のHDDの空気流の大きさをベクトルで示す。従来では磁気ディスク14の表面の空気流のみしか浮上力には影響を及ぼさないが、本発明においては、集風板40によって、磁気ディスク14の表面の空気流だけでなく、磁気ディスク14とトップカバー12との間に介在し、かつ、磁気ディスク14上でトップカバー12の間を通過する空気流を磁気ヘッド15のABS27(図3、図8参照)に集風することが可能となり、図7に示すように、内周側の空気流の周速ベクトルを増加することができる。
図8に示すように、磁気ディスク14の回転方向に発生する空気流を集風板40により集め、集風板40に沿って確実に磁気ヘッド15のABS27と磁気ディスク14の表面との間に流れ込ませており、これにより、磁気ヘッド15に浮上力を与える点で有効であることが分かる。従来、空気流は、磁気ディスク14の表面にできていると解されるが、この空気流が十分で無い場合、磁気ヘッド15の浮上が不安定になる。しかし、本発明では、集風板40によって、空気流が安定して磁気ヘッド15に供給されること、及び、磁気ディスク14上でトップカバー12間の通過する空気流を集風することが可能となり、磁気ヘッド15の浮上の安定化が図られている。
本実施の形態によるHDDによれば、磁気ディスク14の回転駆動に伴って発生する空気流が、集風板40によって磁気ヘッド15のABS27と磁気ディスク14の表面との間に集中して送り込まれる。この際、特に、磁気ディスク14の内周側では、外周側よりも集風板40で集められた空気流が短い距離であるので分散され難く、これにより、内周側ほど強い圧力で速い周速度の空気流が磁気ヘッド15のABS27側に供給される。一方で、磁気ヘッド15が、図5に示すように、磁気ディスク14の半径方向中央側に位置するときは、集風板40によっても集められた空気流が若干送られるが、ある程度、この場所では周速度が速いため、この磁気ディスク14の表面の空気流によって浮上力を発生し浮動する。また、図6に示すように、磁気ヘッド15が、磁気ディスク14の外周側に位置するときは、この場所では空気流の周速度が速いため、この磁気ディスク14の表面の空気流によって浮上力を発生し浮動する。
本実施の形態に係るトップカバー12を用いた場合の、HDDにおける集風板40の具体的な効果を図9、図10そして図11によって説明する。図9(a)および(b)は集風板40の平面図および側面断面図、図9(c)は図9(a)におけるB−B線に沿って切断した縦断面図である。なお、これらの図においては、アクチュエータ18およびランプブロック21は図示していない。図9(b)に示すように、集風板40により集められた空気流が、磁気ディスク14の周方向に対して入射角度θ1を有し、また、図9(c)に示すように、磁気ディスク14の半径方向(外周側から内周側)への傾斜角度θ2を有するような形状に、集風板40を形成している。HDDの回転数として3600rpm、0.85インチの磁気ディスク14を備えたドライブを使用した。測定位置としては磁気ヘッド15の浮上位置が磁気ディスク14の内周側である半径5.5mmの位置で行った。また、集風板40から磁気ディスク14の表面までの距離は0.5mmになるように設けた。図10に、その効果を示す。縦軸の空気流入量比率は集風板のない従来の場合を100%として、集風板40による効果を流入量比率で表す。横軸が集風板40の入射角度θ1で、この入射角度θ1が、20度、50度、70度、90度の場合と、従来品(集風板なし)の場合とを示している。なお、制御項目として前記傾斜角度θ2として磁気ディスク14と平行(傾斜角度θ2=0)なもので効果を確認した。図10に示すように入射角度θ1が鋭角な角度を持つことによって、より効果的であることが分かる。このように集風板40による効果は、磁気ディスク14の回転によって生じる空気流を回転方向に対して鋭角に傾けることで特に良好に得られ、入射角度θ1を20度にすることで集風効果を大きく、そして確実にすることができる。
また、集風板40における磁気ディスク14の外周側から内周側への傾斜角度θ2による流入量比率の効果を図11に示す。前記と同じくHDDの回転数として3600rpm、0.85インチの磁気ディスク14を備えたドライブを使用し、測定位置としては磁気ヘッド15の浮上位置が磁気ディスク14の外周側である半径9.5mmの位置で行い、前記入射角度θ1は20度として確認を行った。その結果、図11に示すように、最良の集風板効果があったものは、集風板40の外周側から内周側への傾斜角度θ2が0度で、磁気ディスク14の表面と平行になるように設けたものであり、かつ空気流を受ける集風板40の端面と磁気ディスク14の表面との角度を鋭角に設けたものであった。
さらに前記入射角度θ1を20度よりもさらに徐々に小さくしていった場合も試したところ、この場合においても、集風板40の外周側から内周側への傾斜角度θ2は0度である場合が最良であった。また、空気流を受ける集風板40の端面の形状や集風板40の端面に空気流の流れを規制する溝、板等を配置したり、あるいは、集風板の外周側から内周側への方向に角度や曲線を形成することを付加してもよく、このような場合でもいろいろな効果が期待できる。このような本発明の他の実施の形態を図12(a)の平面図や、図12(b)の断面図、図13の斜視図に示す。これらの図12(a)、(b)、図13に示すように、この磁気ディスク装置の集風板40においても、上記実施の形態と同様に、空気流を受ける集風板40の端面の断面形状は、磁気ディスク14の周方向に対して入射角度θが鋭角となるように構成されているが、この構成に加えて、この端面が、平面視して湾曲した複数の円弧形状部を半径方向に並べてなる形状に構成している。この構成によれば、磁気ディスク14の表面に伴って流れる空気流が、円弧形状部により、外部に拡散されることなく、より良好に受け止めて集められ、この結果、集風効果が高められる利点がある。また、この円弧形状部を半径方向に対して1つだけ設けて、比較的大きな弓型にすることで、集風エリアが増えて流入量が増加するとともに、1箇所にまとめて、局所流入させることができる利点がある。
また、上記実施の形態においては、集風板40が、磁気ディスク14の内周部を含めた、半径方向中央部分にも延設された場合を図示したが、これに限るものではなく、集風板40を、磁気ディスク14の内周部にのみ対応する箇所だけに設けても効果を有することはもちろんである。
上記のように、本発明において設けた集風板40により、磁気ディスク14の回転に伴って発生する空気流を集めて、磁気ヘッド15のABS27と磁気ディスク14の表面との間に空気を集中して送り込ませることができ、これにより、磁気ヘッド15のABS27と磁気ディスク14の表面との間に流入する空気量を増加させることができる。このような空気流入量の増加は、ひいては周速ベクトルの増加である。したがって、磁気ヘッド15のABS27に当たる空気の周速ベクトルの増加はその浮上特性において安定性、磁気ヘッドの位置決め精度を向上し、高密度な記録再生を可能にする。
既に背景技術の項目などにおいて上述したが、0.85インチ型および1インチ型などの小径の磁気ディスクを備えた小型のHDDにおいては、消費電力の向上のために、低回転数のものを選択する場合が多い。また、磁気ディスクの小径化によって、空気流の周速はますます低下することになる。磁気ヘッドのABSが受ける空気流が少ないと磁気ヘッドの浮上安定性が低下し、磁気ヘッドの位置決め制御に対する追従特性が低下して位置決め制御が不安定になるほか、磁気ヘッドの磁気ディスクに対する浮上追従特性も低下し、浮上量の変動によりデータの読み出し・書き込み動作が不安定になるなど、全体的に動作が不安定になり、エラーを発生しやすい状態となる。さらに、近年の一層あたりの記録密度の増大、すなわちトラックピッチの狭小化の傾向が強まる中で、磁気ヘッドの磁気ディスクに対する浮上追従特性が低下することが、より大きな問題となってきている。
これに対処すべく、本発明によれば、磁気ディスク14の回転に伴って発生する旋回流体である空気流を集風し、この集めた空気流を磁気ディスク14の表面と磁気ヘッド15との間に流れ込ませて、磁気ヘッド15のABS27に当たる空気の周速ベクトルを増加させることにより、小型で低回転数の磁気ディスク装置においても、磁気ヘッド15の浮上特性安定および、磁気ヘッド15の位置決め精度を向上できて、高密度な記録再生が可能となり、磁気ディスク装置としての信頼性の向上や、記憶能力の向上を図ることができる。
また、上記のように、トップカバー12をプレス加工などにより一体的に形成することで集風板40を、工程数の増加や部品点数の増加を招くことなく、比較的簡単な構成で、安価に製造できる利点がある。しかしながら、これに限るものではなく、集風板40を予め製造し、この集風板40をトップカバー12に固着してもよく、この場合には、工程数の増加や部品点数の増加を招くものの、集風板40を精密に製造できる利点がある。
また、上記実施の形態では、集風板40をトップカバー12に設けた場合を述べたが、同様な形状の集風板をベースなどに設けて、磁気ディスクの下面側に対向する磁気ヘッドと磁気ディスクの下面側との間に流入する空気流の流速を増加させて、この箇所の磁気ヘッドの浮上特性安定を向上させるように構成してもよく、さらに、磁気ディスクが複数枚設けられている場合には、磁気ディスク間に集風板を配設してもよい。
また、本発明の集風板40は、磁気ディスク14のディスク面に対して、その隙間の狭い部分をなすディスク半径方向に沿う端辺が略平行となるように形成されているので、磁気ディスク14の外周側より内周側に向かうに従って徐々にその隙間が小さくなる形状に形成されている場合などと比較して、ディスク半径方向に対して空気流が安定した状態で集められ、これにより、集風板40を設けない場合には磁気ディスク14の回転に伴って発生する空気流の周速度が遅くなる磁気ディスク14の内周側の箇所にも、集風板40により多くの空気流を強い圧力で速い速度で送り込むことができ、この結果、空気流の周速度が遅くなりやすい磁気ディスク14の内周側の空気流の周速度をより効果的に高めることができる利点がある。
本発明に係る磁気ディスク装置は、回転に伴って発生する旋回流体の空気流を集風し、磁気ヘッドの浮上特性安定および、磁気ヘッドの位置決め精度を向上し、高密度な記録再生を可能にする磁気ディスク装置を提供できる。したがって、フロッピー(登録商標)ディスク装置、光磁気ディスク装置等、磁気記録媒体を回転させる装置であれば全てに有効である。
本発明の実施の形態に係る磁気ディスク装置の平面図(一部の領域を除きトップカバーを取り外した状態を示している) 同磁気ディスク装置の図1のA−A線で切断した縦断面図 磁気ヘッドの浮上原理を簡略的に示す図 本発明の実施の形態に係る磁気ディスク装置の要部拡大図 同磁気ディスク装置の平面図(磁気ヘッドが半径方向中央部に位置している状態を示す) 同磁気ディスク装置の平面図(磁気ヘッドが外周部に位置している状態を示す) 同磁気ディスク装置の磁気ヘッドに加わる空気流のベクトルを示す図 同磁気ディスク装置の集風板による集風効果と空気流を示す図 (a)および(b)は同磁気ディスク装置の集風板の平面図および側面断面図、(c)は図9(a)におけるB−B線に沿って切断した縦断面図 同磁気ディスク装置における集風板の空気の入射角度の形状による流入量比率の特性を示した図 同磁気ディスク装置における集風板の半径方向に対する傾斜角度の形状による流入量比率の特性を示した図 (a)および(b)は本発明の他の実施の形態に係る磁気ディスク装置の平面図(一部の領域を除きトップカバーを取り外した状態を示している)および縦断面図 同他の実施の形態に係る磁気ディスク装置の斜視図(一部の領域を除きトップカバーを取り外した状態を示している)
符号の説明
10 ケース
11 ベース
12 トップカバー
13 スピンドルモータ
14 磁気ディスク
15 磁気ヘッド
16 ディスククランパ
17 サスペンション
18 アクチュエータ
19 ピボット軸受
20 コイルアーム
24 スライダ
27 ABS
28 ボイスコイル
29 ヨーク
30 ハブ
40 集風板

Claims (5)

  1. 情報を記録した1枚もしくは複数の円盤状の磁気ディスクと、前記磁気ディスクを回転させるスピンドルモータと、磁気ディスクの情報を読み書きする磁気ヘッドとを備えた磁気ディスク装置であって、
    磁気ディスクの回転に伴って発生する空気流を集めて、この集めた空気流を磁気ディスク表面と磁気ヘッドとの間に流れ込ませる集風板が設けられていることを特徴とする磁気ディスク装置。
  2. 集風板における空気流流入側の端面が、前記空気流を磁気ディスクの表面方向に集めるように、前記磁気ディスクの回転方向に対して鋭角となるように傾斜されていることを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク装置。
  3. 集風板が、筐体を構成するベースの開口部を覆うトップカバーの内側に一体的に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ディスク装置。
  4. 集風板は、磁気ディスクの表面に隙間をおいて対向して配置され、前記磁気ディスクのディスク面に対して、その隙間の狭い部分をなすディスク半径方向の辺が略平行となるように形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の磁気ディスク装置。
  5. 集風板と磁気ディスクの表面との間の隙間の狭い部分は、0.5mm以下となるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の磁気ディスク装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007122862A (ja) * 2005-10-29 2007-05-17 Samsung Electronics Co Ltd 回転翼及び回転翼を備えたハードディスクドライブ

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