JP2006234665A - 超音波検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 音圧往復通過率の温度補償を行い被検査物と測定水の温度変化の影響を排し、安定したかつ精度の高い欠陥反射エコーの測定を実現できる超音波検査装置を提供する。
【解決手段】 この超音波検査装置は、測定水13内に没した被検査物14に対して探触子21から超音波を与えて内在する欠陥18を検出する欠陥検出部27と、被検査物の寸法既知部分14aに対して路程計測を行い、この計測で得られた路程データを出力する路程計測部と、これらの各動作を制御する制御演算部23を備える。超音波検査装置は、さらに、欠陥反射エコー計測部と、路程データを被検査物の音速に変換する路程/音速変換部26と、水温計30と、測定水音速算出部31と、音圧往復通過率算出部32と、基準音圧往復通過率と音圧往復通過率との比較で補正値を算出する補正値算出部33と、欠陥反射エコーを補正値で補正する欠陥反射エコー補正部34とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は超音波検査装置に関し、特に、例えば、逐次搬送されてくる被検査物を自動的に連続測定する水浸式の超音波検査装置において、被検査物の温度変化と測定水の水温変化に起因して生じる音圧往復通過率の日内変動を補償し、測定精度を高めた超音波検査装置に関する。
一般的に、被検査物を水中に全没させて超音波探傷を行う水浸式超音波検査装置による探傷・検査の場合、接触媒体(探触子から出射された超音波を被検査物に伝播する媒体:例えば水)の温度や被検査物自体の温度に関して変化が生じると、探傷結果に影響が生じ、問題とされている。
上記問題は、接触媒体や被検査物の各温度が変化すると、それに伴って接触媒体や被検査物内部の超音波伝播速度(超音波の音速)が変化し、この変化が接触媒体や被検査物における超音波の伝播時間いわゆる路程(=伝播距離/音速)が変化する結果、生じるものである。
上記問題を詳述する。水浸式超音波検査装置による探傷・測定で、例えば欠陥を有する円筒形の被検査物を水槽内に全没させ、探触子で超音波探傷を試みる。この場合、表面反射波や底面反射波などの他の反射波を排除しかつ欠陥反射波のみを検出するため、予測される欠陥反射波の発生位置に検出用ゲートが設定される。検出用ゲートの設定は、一般的に、表面反射波ゲート方式が用いられる。表面反射波ゲート方式では、送信波を起点とし、予め入力された表面反射波検出ゲート測定値(単位は時間)により表面反射波検出ゲート(以下「表面検出ゲート」という)を設定する。この表面検出ゲート内で或る一定のレベルのしきい値を超えた表面反射波が検出されると、次にこの表面反射波を基点とし、同様に予め入力されている欠陥反射波検出ゲート設定値に基づき欠陥反射波検出ゲート(以下「欠陥検出ゲート」という)が自動的に設定される。この欠陥検出ゲートが設定されると、そのゲート内のデータのみが欠陥反射波として検出され、他の部分の反射波の影響が排除される。上記の表面反射波ゲート方式は、表面反射波から常に一定の位置に欠陥検出ゲートが設定されるため、常に被検査物表面から同一距離の範囲内における欠陥検出が可能である利点を有する。しかし、表面反射波ゲート方式では、接触媒体の温度や被検査物の温度が変化すると次のような問題が起きる。
接触媒体の温度が変化すると、探触子と被検査物の間の路程が変化するため、表面反射波の位置がずれ、所定の設定値で設定された表面検出ゲートで表面反射波を捉えることができなくなる。さらに基点となる表面反射波を捉えることができないので、欠陥検出ゲートを自動設定できず、必然的に欠陥反射波を検出することができなくなる。また被検査物の温度が変化すると、表面反射波と欠陥反射波の間の路程が理想状態から変化するため、所定の設定値で自動設定された欠陥検出ゲートで欠陥反射波を捉えることができなくなる。
また一般に、例えばインライン形式の装置における連続的自動検査で、被検査物が検査直前に加熱工程で熱を受け、かかる被検査物が検査工程に逐次搬送される構成によれば、接触媒体の温度は自然に上昇するように変化する。また被検査物自体の温度も、加熱工程で熱を受け、その後、自然放熱あるいは接触媒体との作用で変化する。従ってこの構成の場合には、前述の問題が顕著になる。
上記問題を解決するため出願人は先に特許文献1で超音波探傷装置を提案した。この超音波探傷装置では、超音波探傷を行う際に、超音波の伝播時間(路程)が温度に応じて変化することを利用して予め被検査物における超音波の伝播速度を測定し、その伝播速度から音速を算出し、基準温度で設定された欠陥検出に対して被検査物の温度変化に応じた補正を行うようにしている。
特開2001−116732号公報
特許文献1に開示される超音波探傷装置では、超音波により被検査物の路程データを計測し、このときの路程データから被検査物の音速を特定し、その時々の温度変化に応じて欠陥検出ゲートの設定位置を適宜に補正している。しかしながら、この超音波探傷装置では、音圧往復通過率を補正して、欠陥反射エコー強度(高さ)そのものの補正することをは行っていない。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、音圧往復通過率の温度補償を行うことにより被検査物の温度変化と測定水(接触媒体)の水温変化の影響を排し、常に安定したかつ精度の高い欠陥反射エコーの計測を実現することのできる超音波検査装置を提供することにある。
本発明に係る超音波検査装置は、上記目的を達成するために、次のように構成される。
第1の本発明に係る超音波検査装置(請求項1に対応)は、前提として、接触媒体(測定水)内に没した被検査物に対して探触子から超音波を与えて内在する欠陥を検出する欠陥検出部と、被検査物の寸法既知部分に対して路程計測を行い、この計測で得られた路程データを出力する路程計測部と、欠陥検出部と路程計測部の各動作を制御する制御演算部とを備える。超音波検査装置は、さらに、被検査物の欠陥からの欠陥反射エコーを計測する欠陥反射エコー計測部と、路程計測部により得られる路程データを被検査物の音速に変換する路程/音速変換部と、接触媒体の温度を測定する温度測定部(水温計)と、温度測定部からの検出信号で接触媒体中の音速を算出する音速算出部と、路程/音速変換部で求めた被検査物での音速と音速算出部で算出した接触媒体の音速とに基づき音圧往復通過率を算出する音圧往復通過率算出部と、理想温度状態における基準音圧往復通過率と音圧往復通過率算出部で算出した音圧往復通過率との比較に基づいて補正値を算出する補正値算出部と、上記の欠陥反射エコー計測部によって計測された欠陥反射エコーを補正値で補正する欠陥反射エコー補正部とを備えている。
上記の超音波検査装置では、通常の欠陥検出を目的とした探触子以外に被検査物の路程測定を行う探触子を設け、これにより2チャンネル方式の超音波検査装置として構成され、超音波検査の前に被検査物の路程測定を行う。路程(超音波伝播時間)と音速とは超音波の伝播距離で関係づけられるので、被検査物の既知の寸法部位の路程を計測することで、被検査物の内部の音速を算出することが可能となる。またこのとき、水槽内の測定水には外部出力機能付きの水温計を設置し、測定水の温度を同時に取り込む。各水温下における水の音速は、各種文献により明白なので、水温が判明すれば水の音速は自明となる。以上のように、被検査物の内部音速と接触媒体である測定水の音速とを情報として演算処理部に与え、その時点における音圧往復通過率を算出する。ここで、事前に理想温度状態(測定水の水温20℃、被検査物の温度20℃)における音圧往復通過率を予め基準の音圧往復通過率として登録しておき、この基準音圧往復通過率と現時点における音圧往復通過率とを比較し、そのズレ分を補正値として、欠陥反射エコーに対して補正を行うことにより、測定水の水温変化と被検査物の温度変化を排除し、常に安定した精度の高い超音波検査を実施することが可能となる。
第2の超音波検査装置(請求項2に対応)は、上記の第1の超音波検査装置において、好ましくは、欠陥検出部に接続される探触子と、路程計測部に接続される探触子とを別々に設けたことを特徴とする。
第3の超音波検査装置(請求項3に対応)は、上記の第1の超音波検査装置において、好ましくは、1つの探触子と、この探触子を被検査物の路程計測位置と欠陥反射エコー計測位置で走査させる走査機構と、路程計測のときには探触子を路程計測部に接続し、欠陥検出のときには探触子を欠陥検出部に接続する切換部とを設けたことを特徴とする。
本発明によれば次の効果を奏する。主として自動かつ連続的に超音波検査を行う中で、前工程において何らかの熱加工が被検査物に加えられる場合(例えば溶接、圧接等)においては、被検査物の温度が著しく上昇する可能性が考えられる。またこのように温度が上昇した被検査物を連続的に測定することで、測定水の温度も、徐々に上昇することが考えられる。さらに季節毎の周辺温度変化による水温の変化も考えられる。本発明による超音波検査装置によれば、被検査物や測定水の温度上昇の影響を、音圧往復通過率を補償することにより排除し、常に安定した精度の高い測定結果を得ることができる。また本発明によれば、本来は欠陥検出のために必要な超音波探傷器を、被検査物の路程計測にも兼用することで、音速計測のための特別なユニットを省略することができ、安価に製作することができる。
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
最初に、実施形態を説明する前に、本発明に係る超音波検査装置の原理を説明する。
ここで本発明に係る超音波検査装置で実施される「超音波検査方法」では、被検査品(被検査物)の中に超音波を入射し、内部の欠陥からの反射エコーを電気的なエコー信号として捉え、被検査品の内部の欠陥の有無または大小を捉える。検出対象である欠陥が大きいほど、欠陥からの反射エコー(以下「欠陥反射エコー」という)に係るエコー信号の高さ(振幅)が高くなる。反対に被検査品の内部に欠陥が存在しない場合、または当該欠陥が相対的に小さい場合には、エコー信号の高さは低くなる。従って、得られる欠陥反射エコーに係るエコー信号の高さを確認することによって、被検査品の内部欠陥の有無や大きさを検知することができる。
一般に、水浸式超音波による欠陥検出を行う基本原理は下記の式(1)〜(4)に基づいている。
T=音圧往復通過率(%)=(1−r)×100(%) …(1)
r=反射率=(Z2−Z1)/(Z1+Z2) …(2)
Z1=測定水の音響インピーダンス …(3)
Z2=被検査品の音響インピーダンス …(4)
上式において、音圧往復通過率(T)は、欠陥反射エコーに係るエコー信号の高さと比例関係にある。仮に欠陥の大きさが同一であるならば、音圧往復通過率(T)が高い場合の方が欠陥反射エコーに係るエコー信号の高さは高くなる。この関係を式で表現すると、以下にようになる。式(5)から明らかなように、水浸式の超音波検査装置による欠陥の検出では、音圧往復通過率(T)の値を一定に保つことが重要となる。
H=欠陥反射エコーに係るエコー信号の高さ=T・α …(5)
ここで、T:測定時点における音圧往復通過率
α:欠陥の大きさ
次に、図1を参照して水浸式の超音波検査装置による超音波検査の基本的原理を説明すると共に、その問題点も指摘する。水浸式の超音波検査装置は、測定水槽10内に満たした測定水1の中に被検査品2を入れ、超音波探触子(以下では「探触子」と記す)3から被検査品2に対して超音波4を送信し、被検査品2から反射した超音波を検出して測定する方法である。
より詳細に説明する。まず、測定水1の中に全没された被検査品2に対して探触子3から送信される超音波4が入射される。このとき大部分の超音波成分は測定水1と被検査品2の境界5にて反射され、探触子3へ戻る。この際の超音波の反射率が上記で示された「r(反射率)」である。境界面5で反射されずに、被検査品2の内部へ侵入した超音波成分6は、被検査品2の内部を伝播し、欠陥7の部位で反射された後に探触子3に戻る。欠陥7の実際の例としては、ボイド、内部クラック、異部材の接合剥離などがある。このときの欠陥7から反射した超音波成分が欠陥反射エコー8である。前述したように、欠陥反射エコー8は音圧往復通過率(T)と比例関係にある。
音圧往復通過率(T)を変動させるパラメータは、上記の2つの音響インピーダンスZ1,Z2である。これらの音響インピーダンスの値は、材質(測定水と被検査品)における密度と音速との積によって決まる。音響インピーダンスZ1,Z2のそれぞれは下記の式(6)と式(7)によって求められる。
Z1=測定水の音響インピーダンス=ρ1×C1 …(6)
ここで、ρ1:水の密度
C1:測定水の音速
Z2=被検査品の音響インピーダンス=ρ2×C2 …(7)
ここで、ρ2:被検査品の密度
C2:被検査品の音速
上記の式で、材質の音速は温度の影響を受けるため、温度は常に一定の状態にて超音波検査を行うことが望ましい。しかしながら、自動かつ連続的に合否判定を行う超音波検査装置では、測定水1の水温や被検査品2の温度は一定化せず、その結果、音響インピーダンスZ1,Z2の値は変動する。そのため、音圧往復通過率Tが安定しない。その結果、上記の欠陥反射エコー8に係るエコー信号の高さに影響が生じた場合、確実な欠陥判定を阻害する。そこで本発明に係る超音波検査装置では、以下の実施形態で説明される通りの構成を有している。
図2に従って本発明に係る超音波検査装置の第1の実施形態を説明する。図2は超音波検査装置の構成を概念的に示している。11は超音波探傷等の検査を行う超音波探傷器を示し、12は欠陥検査のための測定が行われる水槽を示している。
水槽12では、内部に接触媒体である水(測定水)13が十分に入れられており、この図示例では、例えば1つの被検査品(または被検査探傷物)14がテーブル15の上に配置されている。
図2に示された被検査品14の欠陥を探傷する検査工程は、加工製品としての被検査品を連続的に製造する一連の工程の一工程として位置づけられる。従って検査工程の前の段階では被検査品を製造あるいは加工する工程が設けられている。この製造工程あるいは加工工程では、被検査品14に対して熱が与えられるものとし、被検査品14は或る温度を有した状態で検査工程に搬送されてくる。被検査品14の製造工程では、多数の被検査品が連続して製造・加工され、その結果、超音波検査装置を利用した欠陥探傷の検査工程に温度を有する被検査品14が逐次に連続的に搬入される。被検査品14はそれ自体が温度を有し、かつこの温度は環境に応じて変動しやすいものとなっている。また検査工程の水槽12内に収容される水13は、予め所定の温度に設定されているものであるが、温度を有する被検査品14が繰り返し水没させられることによってその温度が変動する。また被検査物14自体の温度も変動することになる。この実施形態では、被検査品14と水13の温度変動に対して補正を行うための構成を説明する。
上記のごとき状態が生じる水槽12の内部に、超音波探傷器11に接続される2つの探触子21,22が設けられる。2つの探触子21,22を設けることで2つのチャンネルの計測ルートが形成されることになる。図示例では、探触子21は被検査品14の肉厚部分14aに対応して上側に配置され、探触子22は欠陥が存在するであろうと予想される被検査品14の下側部分に対応して下側に配置されている。上側の探触子21は、被検査品14の温度状態に対応する超音波の音速を計測しようとする路程計測用チャンネルのためのものである。下側の探触子22は被検査品14内の欠陥(ボイド等)18を正確に検出しようとする欠陥検出用チャンネルのためのものである。図示例では、2つの探触子21,22を上下に配置するようにしたが、配置の仕方は被検査品14の形状や条件に応じて任意に選択できるのは勿論である。
実際上、水槽12内で、テーブル15上に配置された被検査品14に対向するごとく設けられた2つの探触子21,22は、これらの探触子に走査動作を行わせるスキャナ機構(走査機構)によって支持されているが、図1ではスキャナ機構の図示は省略されている。また水槽12には水温計30が設けられており、その水温のデータは、以下に説明する制御演算部23に入力される。
超音波探傷器11は、2チャンネル仕様の超音波探傷器であり、路程計測と欠陥検出がそれぞれ可能である。センタ部分にメモリを内蔵した制御演算部23を備え、制御演算部23に対して入力操作部24と出力表示部25が付設されている。入力操作部24は、検査に必要な諸条件を設定したり、データの処理・表示に関する操作データを入力する手段であり、出力表示部25はディスプレイで構成され、加工されたデータに基づいて被検査品14に関する欠陥情報を表示する手段である。
制御演算部23は超音波探傷器11の主要構成部分である。制御演算部23は、路程/音速変換部26から送られてくる被検査品14の音速データと、水温計30から送られる水13の水温データとにより、現時点での音圧往復通過率を算出する。このときに算出された音圧往復通過率の値と、予め入力されている理想温度状態における音圧往復通過率の値とを比較し、そのズレ量を補正値として一時保管する。次に欠陥検出部27より送られる欠陥反射エコーに係るエコー信号の検出データに対し、この補正値を掛け合わせて補正を行う。補正後の欠陥反射エコーに係るデータにより、合否の判定を行い、その結果を出力表示部25へ送る。
制御演算部23は、その内部メモリに用意された欠陥探傷のためのプログラム(欠陥反射エコー計測手段)によって、被検査品14に関する欠陥探傷の測定を実行する。そのため、探触子21に対応するチャンネル1としての上記の路程/音速変換部26と、探触子22に対応するチャンネル2としての上記の欠陥検出部27を備えている。
路程/音速変換部26は、制御演算部23の制御の下で、探触子21を利用した測定で路程データを音速情報に変換し、制御演算部23に送出する。欠陥検出部27は、欠陥検出用超音波の送受信を行い、探触子22を利用した欠陥検出の動作を行って欠陥データを求め、当該欠陥データを制御演算部23に送出する。
図3は、制御演算部23内に設けられる機能部を示すためのブロック図を示す。制御演算部23は、機能部として、前述した欠陥反射エコー計測手段(図3中図示せず)に加えて、測定水(水13)での音速を算出する測定水音速算出部31と音圧往復通過率算出部32と補正値算出部33と欠陥反射エコー補正部34とデータ保存部35を備えている。
測定水音速算出部31は水温計30からの水温データから音速を算出する。音圧往復通過率算出部32は、被検査品14に関する音速の検出を行う路程/音速変換部26によって得られた被検査品の音速と、測定水音速算出部31によって算出された測定水の音速とから音圧往復通過率を算出する。補正値算出部33は、理想温度状態における基準音圧往復通過率と、上記音圧往復通過率算出部32によって算出された音圧往復通過率との比較に基づいて補正値を算出する。欠陥反射エコー補正部34は、欠陥反射エコーを検出する欠陥検出部27によって得られた欠陥反射エコーに対して、補正値算出部33によって算出された補正値による補正を行う。
次に、図2に示された超音波検査装置での検査動作を説明する。
この超音波検査装置では、まず探触子21から被検査品14の既知寸法(厚みL)の部分14aに対して超音波を入射し、超音波が既知寸法部分14aを通過する路程時間を計測する。ここで得られた路程時間を基に、路程/音速変換部26において下記の式(8)により音速を算出する。
路程(超音波伝播時間)=伝播距離/音速 …(8)
音速が算出されれば、前述した式(7)に基づき被検査品14の音響インピーダンスZ2が算出される。
次に、制御演算部23の測定水音速算出部31により、水温計30によって得られる水13の水温情報から水13の音速を決定する。水13の温度と音速の変化の関係は、各文献によって示されているので、ここでは超音波便覧の音速一覧からのデータを利用する。そのデータは、制御演算部23のデータ保存部35に保存されている。図4に、水温と水の音速との関係一覧表を示す。この関係一覧表は、「V.A.Del Grosso and C.W.Mader, J.Acoust. Soc.Am., 52,1442 (1972)」からの引用である。このデータ保存部35に格納されるデータを利用することにより、水温から水の音速が特定される。
次に、制御演算部23の音圧往復通過率算出部32では、前述した式(6)に基づき水13の音響インピーダンスZ1が算出される。
なお、上記の音響インピーダンスZ1,Z2の算出においては密度は一定とし、密度の変化は考慮しないものとする。
次に、音圧往復通過率算出部32は、算出された上記の音響インピーダンスZ1,Z2を用いて、かつ前述した式(1)と式(2)に基づいて、その時点における音圧往復通過率(T)を算出する。
補正値算出部33では、予め理想温度状態(測定水温20℃、被検査品温度20℃)にて算出された基準音圧往復通過率と、現時点での音圧往復通過率とを比較し、下記の式(9)によって補正値を算出する。
補正値=基準音圧往復通過率(%)/音圧往復通過率(%) …(9)
一般的には、音響インピーダンスZ1,Z2の値が上昇するに従って、音圧往復通過率も上昇する傾向がある。仮に、基準音圧往復通過率=12%であり、現時点での音圧往復通過率=13%であるとしたならば、補正値=0.923となる。
欠陥反射エコー補正部34では、上記の補正値が算出された時点にて下記の式(10)に基づいて、上記補正値を、検出で得られた欠陥反射エコー高さ(エコー信号の高さデータ)に乗じる。これにより温度の影響を除外した欠陥反射エコー高さ(補正後のエコー信号の高さデータ)を得ることができる。
補正後の欠陥反射エコー高さ=検出された欠陥反射エコー高さ×補正値…(10)
制御演算部23において、補正後の欠陥反射エコーの高さデータにより、被検査品14に対する合否判定を行った後、出力表示部25において被検査品14の合否の出力を行う。
以上のように、本実施形態に係る超音波検査装置では、被検査品14の温度と水13の水温の影響を排して欠陥反射エコーに係るエコー信号の高さデータを得ることができる。
次に図5を参照して本発明の第2実施形態を説明する。図5において、前述の第1実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態は第1実施形態を変更したものであり、特徴的構成は、1つの探触子41を設けかつ切換部42を設けることによって、1つの探触子41で路程計測と欠陥検出を行うように構成されたことである。探触子41はスキャナ機構43に支持されて水槽12内に設けられる。スキャナ機構43は、探触子41を、路程計測のときには被検査物14における肉厚寸法が既知の肉厚部分14aに移動させ、また欠陥検出のときには、欠陥が存在する予想される部分に移動させる。スキャナ機構43による探触子41を移動させる動作は、超音波探傷器11の制御演算部23によって行われる。また切換部42は、路程計測のときには探触子41と路程/音速変換部26とを接続し、欠陥検出のときには探触子41と欠陥検出部27とを接続する機能を有する。切換部42の接続関係の切換動作は、超音波探傷器11の制御演算部23によって行われる。第2実施形態によるその他の構成は、第1実施形態と同じである。第2実施形態によれば、探触子41は1つで済み、この点で構成が簡略化される。
以上のように、被検査品14の温度と水13の水温の影響を排除し、常に安定した測定結果を得ることができる。
第2実施形態によれば、本来は欠陥検出のために必要な超音波探傷用探触子を、被検査品の路程計測にも兼用することで、音速測定のための特別な探触子ユニットを省略することができる。
なお上記の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)については例示にすぎない。従って本発明は、上記に説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
本発明は、熱を有した被検査品について自動かつ連続的に超音波検査を安定してかつ正確に行うための超音波検査装置として利用される。
水浸式の超音波検査の基本的原理を説明するための図である。 本発明に係る超音波検査装置の第1実施形態での測定時の状態を示す構成図である。 第1実施形態に係る超音波検査装置の制御演算部の機能を示すためのブロック図である。 水温と音速との関係一覧表を示す図である。 本発明に係る超音波検査装置の第2実施形態での測定時の状態を示す構成図である。
符号の説明
11 超音波探傷器
12 水槽
13 水(測定水)
14 被検査品
15 テーブル
18 欠陥
21 探触子
22 探触子
23 制御演算部
24 入力操作部
25 出力表示部
26 路程/音速変換部
27 欠陥検出部
30 水温計
31 測定水音速算出部
32 音圧往復通過率算出部
33 補正値算出部
34 欠陥反射エコー補正部

Claims (3)

  1. 接触媒体内に没した被検査物に対して探触子から超音波を与えて内在する欠陥を検出する欠陥検出部と、前記被検査物の寸法既知部分に対して路程計測を行い、この計測で得られた路程データを出力する路程計測部と、前記欠陥検出部と前記路程計測部の各動作を制御する制御演算部とを備えた超音波検査装置において、
    前記被検査物の前記欠陥からの欠陥反射エコーを計測する欠陥反射エコー計測手段と、
    前記路程計測部により得られる路程データを前記被検査物の音速に変換する路程/音速変換手段と、
    前記接触媒体の温度を測定する温度測定手段と、
    前記温度測定手段からの検出信号で前記接触媒体中の音速を算出する音速算出手段と、
    前記路程/音速変換手段で求めた前記被検査物での音速と前記音速算出手段で算出した前記接触媒体の音速とに基づき音圧往復通過率を算出する音圧往復通過率算出手段と、
    理想温度状態における基準音圧往復通過率と前記音圧往復通過率算出手段で算出した前記音圧往復通過率との比較に基づいて補正値を算出する補正値算出手段と、
    前記欠陥反射エコー計測手段によって計測された欠陥反射エコーを前記補正値で補正する欠陥反射エコー補正手段と、
    を備えたことを特徴とする超音波検査装置。
  2. 前記欠陥検出部に接続される探触子と、前記路程計測部に接続される探触子とを別々に設けたことを特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置。
  3. 1つの探触子と、この探触子を前記被検査物の路程計測位置と欠陥反射エコー計測位置で走査させる走査手段と、路程計測のときには前記探触子を前記路程計測部に接続し、欠陥検出のときには前記探触子を前記欠陥検出部に接続する切換部とを設けたことを特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114098809A (zh) * 2021-11-29 2022-03-01 无锡海鹰电子医疗系统有限公司 一种超声诊断仪发射系统及其快速优化方法

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