JP2006231783A - 液滴吐出ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】 ノズル板に形成した撥液膜に損傷を与えることなく放電加工によりノズル板にノズル孔を形成し得る構造の液滴吐出ヘッドを提供すること。
【解決手段】 液滴を吐出する複数のノズル孔51が形成されているノズル板70は、金属からなる基材700の一方の面に導電性の撥液膜71が形成されてなり、撥液膜71は、基材700に近い部分の導電率がその反対側の吐出面に近い部分の導電率よりも大きくなるように撥液膜71の厚さ方向に導電率を異ならせて形成されている。撥液膜71は、例えば、多数の導電性微粒子の密度又は大きさを撥液膜71の厚さ方向に異ならせて分布させてなる。ノズル孔51は、ノズル板70の撥液膜71が形成されている側とは反対側から放電加工により形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は液滴吐出ヘッドに係り、特に撥液処理されたノズル板を有する液滴吐出ヘッドに関する。
多数のノズル(孔)を配列させたインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)と被記録媒体を相対的に移動させながら、ノズルから被記録媒体に向けてインク滴を吐出することにより、被記録媒体上に画像を記録するインクジェットプリンタ(画像形成装置)が知られている。
このようなインクジェットプリンタに搭載するインクジェットヘッドとしては、その一部が振動板により構成された圧力室にインクを供給し、画像データに応じた電気信号をピエゾ等の圧電素子に付与して圧電素子を駆動することにより振動板を変形させて、圧力室の容積を減少させ、圧力室内のインクをノズルからインク滴として吐出するようにした、いわゆるピエゾ方式のインクジェットヘッドが知られている。
一方で、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすようにした、いわゆるサーマルジェット方式のインクジェットヘッドも知られている。
近年、インクジェットプリンタにおいても写真プリント並みの高画質な画像を形成することが望まれている。これに対して、ノズルの径を小さくしてノズルから吐出されるインク液滴を小さくするとともに、ノズルを高密度に配列して単位面積あたりの画素数を多くすることによって、高画質を実現することが考えられている。
一方で、ノズルが配列されたノズル板の表面が撥液処理されていないと、このノズル板の表面に付着した液滴によりいわゆる飛翔まがり等の吐出異常が生じるという問題がある。このような吐出異常が生じると、高画質の画像を形成することができなくなる。
一般に、ノズル孔の形成と撥液膜の形成とが施されたノズル板には、第1に、ノズル孔を形成してから撥液膜を形成したものがあり、第2に、撥液膜を形成してからノズル孔を形成したものがある。
また、後者の場合に、放電加工によって孔を形成したものが知られている。例えば、特許文献1には、ノズル板(SUS)の表面にフルオロアルキル鎖を含む撥液膜を10nm〜1000nm形成し、放電加工によりノズル孔を形成したものが記載されている。また、特許文献2には、ノズル板に撥液膜を塗布し、ノズル孔と流路の孔とを放電加工により一括して形成するようにしたものが記載されている。
なお、液滴吐出ヘッドに関連する分野ではなく、各種の部品を成形するための型(成形型)の分野ではあるが、後加工を放電加工により行い得るようにした樹脂の成形型もある(特許文献3)。具体的には、A成分としてアルミニウム合金粉末を25〜60重量%、B成分として比電気抵抗値100μΩcm以下の金属(例えば銅粉末)を15〜60重量%、C成分として合成樹脂(例えば熱硬化エポキシ樹脂)15〜25%重量からなる原料を、常法に従って成形することにより得られる導電性の樹脂成形型が記載されている。すなわち、前記A、BおよびC成分を所定の割合でブレンダーなどにより均一に混合し、加熱下に圧縮する。次いで、放電加工を含む機械加工を行って、所定の成形型を得る。
特開2000−280481号公報 特開2004−122422号公報 特開平5−255517号公報
ノズル板にノズル孔を形成してから撥液膜を形成する場合には、ノズル孔の内面に撥液剤が入り込むとインク滴の吐出に影響が及ぶため、ノズル孔に樹脂などからなる充填材を一旦充填した後に撥液膜を形成し、その後に充填材を除去する等の工程を追加する必要がある。したがって、製造プロセスが煩雑になり、また、充填材の除去にともなってノズル孔の近傍において撥液膜にバリや欠けが発生してしまうという問題がある。
一方で、ノズル板に撥液膜を形成してからノズル孔を形成する場合には、撥液膜は一般に光硬化性又は熱硬化性の樹脂からなり、このような樹脂は絶縁性を有するので、撥液膜の部分では放電が発生しないか、あるいは、強制的に放電を発生させてもいわゆる放電破壊によりノズル孔の近傍で撥液膜に欠けが発生してしまうという問題がある。
また、放電加工によりノズル孔を開ける場合には、いわゆるテーパ状の孔(具体的には内周面の形状が略円錐状又は角錐状の孔)を直接形成することができるという長所がある。このようなテーパ状の孔を形成した場合、円筒形状の孔と比較して、インク滴を孔の軸線方向に真っ直ぐに安定して飛翔させることができるという効果が得られることになる。
そこで、ノズル板に撥液膜を形成してから放電加工によりノズル孔を形成する際に、撥液膜に損傷を与えることなくノズル孔を形成し得る構造の液滴吐出ヘッドが求められている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ノズル板に形成した撥液膜に損傷を与えることなく放電加工によりノズル板にノズル孔を形成し得る構造の液滴吐出ヘッドを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、液滴を吐出する複数のノズル孔が形成されているノズル板を備える液滴吐出ヘッドにおいて、前記ノズル板は、金属からなる基板の一方の面に導電性の撥液膜が形成されてなり、前記撥液膜は、前記基板に近い部分の導電率がその反対側の吐出面に近い部分の導電率よりも大きくなるように厚さ方向に導電率を変化させて形成されている構成になっている。
この構成によって、撥液膜が導電性を有するとともに、この撥液膜が、金属からなる基板に近い部分の導電率がその反対側の吐出面に近い部分の導電率よりも大きくなるように厚さ方向に導電率を異ならせて形成されているので、撥液膜を形成した後にノズルを形成する際、ノズル板に形成した撥液膜に損傷を与えることなく、放電加工によりノズル板にノズル孔を形成し得ることになる。しかも、吐出面における撥液性には影響を与えないようにすることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ノズル孔は、前記撥液膜が形成されている側とは反対側から放電加工により形成されている構成になっている。
この構成により、内面形状がいわゆるテーパ状のノズル孔を形成することが容易になる。このようなテーパ状の孔を形成した場合、円筒形状の孔と比較して、液滴をノズル孔の軸線方向に真っ直ぐに安定して飛翔させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記撥液膜は、多数の導電性微粒子を有し、これらの導電性微粒子の密度又は大きさを厚さ方向に変化させて分布させた構成になっている。
この構成によって、導電性微粒子の密度又は大きさを厚さ方向で調整することにより、撥液膜の基板に近い部分の導電率が吐出面に近い部分の導電率よりも大きくなるように容易に製造できることになる。しかも、吐出面に近い部分は基板に近い部分よりも導電性微粒子の密度又は大きさが小さいので、吐出面における撥液性には影響を与えないようにすることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記撥液膜は、前記導電性微粒子の密度又は大きさが異なる複数の層からなる構成になっている。
この構成によって、撥液膜の基板の側の導電率が吐出面側の導電率よりも大きくなるように、かつ、撥液膜の基板に近い部分と吐出面に近い部分とでそれぞれ所望の導電率を得るように、容易に製造できることになる。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、前記導電性微粒子は、略球形状である構成になっている。
この構成によって、撥液膜の表面に繊維状の突起を形成しないようにすることができ、また、万が一、撥液膜の表面に導電性微粒子の一部が露出するようなことがあっても、表面の摩擦力を最小限に抑えることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記導電性微粒子の直径が前記撥液膜の厚さの80%以下である構成になっている。
この構成によって、撥液膜の表面に導電性微粒子が突き出ないように容易に製造でき、また、万が一、放電加工において導電性微粒子が脱落するようなことがあっても、液滴の吐出に影響を及ぼさないようにできる。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、前記撥液膜の体積抵抗率が10Ωm以下(導電率が0.1S/m以上)である構成になっている。
この構成によって、確実に放電加工が可能になる。
本発明によれば、ノズル板に形成した撥液膜に損傷を与えることなく放電加工によりノズル板にノズル孔を形成し得ることになる。しかも、吐出面における撥液性には影響を与えないようにすることができる。
以下、添付図面に従って、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る一実施形態の液滴吐出ヘッド50の構造を示す平面透視図である。
図1において、液滴吐出ヘッド50は、最大サイズの記録紙の少なくとも一辺を超える長さにわたって複数のノズル孔51が配列されている。
具体的には、液滴吐出ヘッド50は、インク滴が吐出されるノズル孔51、ノズル孔51を介してインク滴を吐出する際にインクに圧力を付与する圧力室52、及び、図1では図示を省略した共通流路から圧力室52に対してインクを供給するインク供給口54を含んで構成される複数の圧力室ユニット53が、2次元マトリクス状に配列されて構成されている。
図1に示す例においては、各圧力室52を上方から見た場合に、圧力室ユニット53は、その対角線の一方の端にノズル孔51が形成され、他方の端にインク供給口54が設けられている。
図1の2−2線に沿った断面図を図2に示す。
図2において、液滴吐出ヘッド50は、インク滴を吐出する際にインクに圧力を付与する圧力室52の一方の面に振動板56が配置され、振動板56を挟んで圧力室52と反対側には圧力を発生する圧力発生手段としてピエゾ等からなる圧電素子58が配置されている。振動板56は、圧電素子58によって発生された圧力を圧力室52に伝達する。
振動板56は、各圧力室52に共通のものとし1枚のプレートで形成されている。そして、振動板56の各圧力室52に対応する部分に、圧電素子58が圧力室52とは1対1で配置されている。圧電素子58に電圧を印加して駆動するための電極(共通電極と個別電極)が圧電素子58を挟むようにその上下面に形成されている。振動板56は、圧電素子58を挟む一方の電極(共通電極)を構成しており、個別電極57は、振動板56に対応する他方の電極を構成する。
なお、図2には、ノズル孔51、圧力室52、インク供給口54、個別電極57、圧電素子58、及び、個別吐出流路69を、それぞれひとつずつしか図示していないが、実際には、液滴吐出ヘッド50に複数形成されている。
このような液滴吐出ヘッド50は、下から、ノズル板70、共通流路板63、供給口板62、圧力室板61、及び、振動板56を積層した構造になっている。ノズル板70には、複数のノズル孔51が形成されており、共通流路板63には、共通流路55と、複数の圧力室52のそれぞれを複数のノズル孔51のいずれかに連通させる複数の個別吐出流路69とが形成されており、供給口板62には、共通流路55を複数の圧力室52のそれぞれに連通させる複数のインク供給口54と、個別吐出流路69とが形成されており、圧力室板61には、複数の圧力室52が形成されている。
ノズル板70は、金属からなる板状部材700(基板)に、撥液性を有するとともに導電性を有する撥液膜71が形成されてなる。
また、撥液膜71は、基板700に近い部分の導電率がその反対側の吐出面に近い部分の導電率よりも大きくなるように撥液膜71の厚さ方向に導電率を変化させて形成されている。
導電率を厚さ方向に変化させた撥液膜71を有するノズル板70の態様には各種あり、代表的な例を図3乃至図6にそれぞれ示す。
図3は、導電性を有する粒子である導電性微粒子72の密度を撥液膜71aの厚さ方向において異ならせたノズル板70aを示す断面図である。
図3において、撥液膜71aの基板700に近い部分は、撥液膜71aの吐出面701に近い部分よりも、導電性微粒子72の密度が高い。すなわち、基板700に近い部分の導電率がその反対側の吐出面701に近い部分の導電率よりも大きくなるように、導電性微粒子72を撥液膜71aの厚さ方向に偏在させて撥液膜71aを形成してある。
このようにして導電性微粒子72を偏在させるには、例えば、重力や磁力などを導電性微粒子72に対して作用させる。より詳細には、まず、フッ素等を含む紫外線(UV)硬化性の樹脂を撥液剤として、この樹脂を溶媒に溶かし、導電性微粒子72を混合して基板700に塗布する。次に、導電性微粒子72に対して重力や磁力などを作用させることにより、導電性微粒子72を基板700の厚さ方向(すなわち撥液膜71aの厚さ方向)に偏在させる。そして、紫外線を照射することにより樹脂を硬化させる。そうすると、図3に示すように、導電性微粒子72が撥液膜71aの厚さ方向に偏在したノズル板70aが形成される。
紫外線(UV)硬化性の樹脂の代わりに、熱硬化性の樹脂を撥液剤として、この樹脂の溶液に導電性微粒子72を混合して基板700に塗布するようにしてもよい。この場合には、導電性微粒子72を偏在させた後に、加熱により樹脂を硬化させる。
撥液膜71aを形成した後に、放電電極83を用いて、ノズル板70の撥液膜71aが形成されている側とは反対側から放電加工によりノズル孔51を形成すると、図3に示すノズル板70aが形成される。
図4は、導電性微粒子71(721、722)の径を撥液膜71bの厚さ方向において異ならせたノズル板70bを示す断面図である。
図4において、撥液膜71bの基板700に近い部分に分布させた第1の導電性微粒子721は、撥液膜71bの吐出面701に近い部分に分布させた第2の導電性微粒子722よりも、径を大きくしてある。すなわち、撥液膜71bの基板700に近い部分の導電率がその反対側の吐出面701に近い部分の導電率よりも大きくなるように、導電性微粒子721、722の大きさを撥液膜71bの厚さ方向において異ならせて撥液膜71bを形成してある。
撥液膜71bを形成した後に、放電電極83を用いて、ノズル板70の撥液膜71bが形成されている側とは反対側から放電加工によりノズル孔51を形成すると、図4に示すノズル板70bが形成される。
図5は、導電性微粒子72の密度が異なる複数の樹脂層711、712cを基板700に形成したノズル板70cを示す断面図である。
図5において、基板700に接する樹脂層711(第1の樹脂層)は、吐出面701を構成する樹脂層712c(第2の樹脂層)よりも、導電性微粒子72の密度が高い。すなわち、基板700に近い部分の導電率がその反対側の吐出面701に近い部分の導電率よりも大きくなるように、複数の樹脂層711、712cを基板700に形成してある。
例えば、まず、フッ素等を含む紫外線(UV)硬化性の樹脂を撥液剤として、この樹脂を溶媒に溶かし、所定の直径を有する導電性微粒子72を所定の第1の割合(重量%)で混合した樹脂溶液を基板700に塗布する。次に、紫外線を照射することにより樹脂を硬化させると、第1の樹脂層711が基板700上に形成される。次に、導電性微粒子72を第1の割合よりも少ない第2の割合(重量%)で混合した樹脂溶液を第1に樹脂層711上に塗布する。そして、紫外線を照射することにより樹脂を硬化させると、第2の樹脂層712cが第1の樹脂層711上に形成される。
撥液膜71cを形成した後に、放電電極83を用いて、ノズル板70の撥液膜71cが形成されている側とは反対側から放電加工によりノズル孔51を形成すると、図5に示すノズル板70cが形成される。
図6は、導電性微粒子72(721、722)の径が異なる複数の樹脂層711、712dを基板700に形成したノズル板70dを示す断面図である。
図6において、基板70に接する樹脂層711(第1の樹脂層)の導電性微粒子721は、吐出面701を構成する樹脂層712d(第2の樹脂層)の導電性微粒子722よりも径が大きい。すなわち、基板700に近い部分の導電率がその反対側の吐出面701に近い部分の導電率よりも大きくなるように、複数の樹脂層711、712dを基板700に形成してある。
例えば、まず、フッ素等を含む紫外線(UV)硬化性の樹脂を撥液剤として、この樹脂を溶媒に溶かし、所定の第1の直径を有する第1の導電性微粒子721を混合した樹脂溶液を基板700に塗布する。次に、紫外線を照射することにより樹脂を硬化させると、第1の樹脂層711が基板700上に形成される。次に、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する第2の導電性微粒子722を混合した樹脂溶液を基板700に塗布する。そして、紫外線を照射することにより樹脂を硬化させると、第2の樹脂層712dが第1の樹脂層711上に形成される。
撥液膜71dを形成した後に、放電電極83を用いて、ノズル板70の撥液膜71dが形成されている側とは反対側から放電加工によりノズル孔51を形成すると、図6に示すノズル板70dが形成される。
なお、金属の基板700としては、例えば、SUS、Ni(ニッケル)、Ni合金等を用いる。
導電性微粒子72としては、例えば、Cu(銅)、Cu合金、Ag(銀)、Ag合金、Ni、低融点合金(例えばハンダ)等の金属からなる微粒子(金属微粒子)、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化膜の被膜を有した微粒子(金属酸化膜微粒子)、金属を被膜したポリマー微粒子等を用いる。
導電性微粒子72の外形形状は、球形状が好ましい。球形状の場合には、撥液膜71の表面に突起を形成しないようにすることができ、また、万が一、撥液膜71の表面に導電性微粒子72の一部が露出するようなことがあっても、表面の摩擦力を最小限に抑えることができる。一方で、繊維のような形状の場合には、撥液膜71の表面に突起を形成してしまうことになる。
撥液膜71は、体積抵抗率を10Ωm以下(導電率が0.1S/m以上)とする。より好ましくは、10―3Ωm以下とする。
球形状の導電性微粒子72の直径の最大値は、撥液膜71の厚さの80%以下とする。より好ましくは、50%以下とする。
ノズル板70及び撥液膜71の厚さについては、各種あるが、一例を挙げると、ノズル板70の厚さが20μm、撥液膜71の厚さが2〜3μmである。撥液膜71の厚さが2μmの場合、導電性微粒子72の直径は、好ましくは、1μm以下とする。
導電性微粒子72をこのような直径にすると、撥液膜71の表面に導電性微粒子72が突き出ないように容易に製造でき、また、万が一、放電加工において導電性微粒子が脱落するようなことがあっても、液滴の吐出に影響を及ぼさないようにできる。
撥液膜71が形成されているノズル板70に対してノズル孔51を放電加工により形成する製造プロセスの詳細例について、以下、説明する。
図7において、撥液膜71が形成されているノズル板70(被加工物である)を、加工液81が入った加工槽82に配置させ、2次元マトリクス状の複数の放電電極83とノズル板70との間に所定の電圧を印加し、放電電極83とノズル板70との間に放電を発生させる。このような放電により、ノズル板70に2次元マトリクス状のノズル孔51が形成される。
図8は、テーパ状のノズル孔51を形成する際の放電加工の様子を示す断面図である。
図8に示すように、ノズル孔51の内周面がテーパ状となるように、すなわち、ノズル板70の吐出面701からその反対側(基板700の側)の面に向けて略円錐状に広がるように、ノズル孔51を形成する。
放電電極83としては、先の部分が徐々に細くなったものを用いる。このような放電電極83を、回転させながら、ノズル板70の厚さ方向において徐々に移動させる。具体的には、放電電極83は、ノズル板70の吐出面701と反対の側(基板700の側)から吐出面701(撥液膜71の側である)に向けて移動し、放電電極83とノズル板70との間の放電により、放電電極83の先端部の形状に対応したノズル孔51が形成される。このとき、放電電極83とノズル板70との間で放電が発生するだけでなく、放電電極83と撥液膜71との間にも弱い放電が発生する。
以上のように、撥液膜71は、基板700に近い部分の導電率がその反対側の吐出面701に近い部分の導電率よりも大きくなるように、厚さ方向に導電性微粒子72の密度又は大きさを変化させているので、撥液膜71の基板700に近い部分は確実に放電加工されるとともに、吐出面701において導電性微粒子72の脱落はほとんど発生することがなく、インク滴の吐出に影響を与えないようにすることができる。
しかも、内面形状がテーパ状のノズル孔51を形成することができる。このように内面形状がテーパ状のノズル孔51を形成した場合、ノズル孔51からインク滴を吐出させる際に、インク滴の飛翔方向をノズル孔51の軸線に揃えることが可能になり、吐出性能が向上することになる。
なお、放電電極83に印加する電圧は、放電電極83の先端が撥液膜71に達する前と達した後とで変化させるようにしてもよい。すなわち、放電電極83の印加電圧をノズル板70の厚さ方向において変化させる。
図9は、略同一径の導電性微粒子72を基板700と接する平面上に配列させて撥液膜71eを基板700上に形成したノズル板70eを示す断面図である。図9において、ノズル板70の断面を見ると導電性微粒子72は基板700と接するように一列に並んで配置されている。導電性微粒子72の直径は、撥液膜71eの厚さの50%乃至80%の間の特定の値にしてある。このようにノズル板70の断面上で基板700と接するように一列になるように導電性微粒子72を配置した場合、放電加工により開口されるノズル孔51の近傍で略均等に放電を発生させることができ、また、吐出面701には導電性微粒子72が露出させないようにすることができる。
以上、球形状の導電性微粒子72を用いた場合を例に説明したが、本発明は導電性微粒子72が球形状の場合に特に限定されるものではない。例えば、図10に示すように非球形状の導電性微粒子723を有する撥液膜71fを基板700上に形成したノズル板70fにノズル孔51を形成するようにしてもよい。
また、内面形状がテーパ状のノズル孔51を形成する場合を好ましい例として説明したが、内面形状が円筒状のノズル孔を形成する場合にも本発明を適用できる。
また、撥液膜71が形成されている側とは反対側から放電加工を施す場合を好ましい例として説明したが、撥液膜71が形成されている側から放電加工を施す場合にも本発明を適用できる。
また、ピエゾ方式の液滴吐出ヘッド50を例に説明したが、本発明は、ピエゾ方式に限定されるものではなく、サーマルジェット方式の液滴吐出ヘッドにも適用できることは言うまでもない。
その他、本発明は、実施形態において説明した例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の設計変更や改良を行ってもよいのはもちろんである。
本発明に係る一実施形態の液滴吐出ヘッドの平面透視図である。 図1の2−2断面に沿った断面図である。 導電性微粒子の密度を厚さ方向において異ならせた撥液膜を有するノズル板の例を示す断面図である。 導電性微粒子の径を厚さ方向において異ならせた撥液膜を有するノズル板の例を示す断面図である。 導電性微粒子の密度が異なる複数の層からなる撥液膜を有するノズル板の例を示す断面図である。 導電性微粒子の径が異なる複数の層からなる撥液膜を有するノズル板の例を示す断面図である。 ノズル板にノズルを形成する際に行う放電加工の説明に用いる説明図である。 内面形状がテーパ状のノズルを形成する場合の放電加工の説明に用いる説明図である。 導電性微粒子を基板上に一列に並べた撥液膜の例を示す断面図である。 導電性微粒子の形状が非球形状である撥液膜の例を示す断面図である。
符号の説明
50…液滴吐出ヘッド、51…ノズル孔、52…圧力室、53…圧力室ユニット、54…インク供給口、55…共通流路、56…振動板、57…個別電極、58…圧電素子、70…ノズル板、71…ノズル板の撥液膜、72、721、722、723…導電性微粒子、700…ノズル板の基板、701…ノズル板の吐出面、711…第1の樹脂層、712…第2の樹脂層

Claims (7)

  1. 液滴を吐出する複数のノズル孔が形成されているノズル板を備える液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記ノズル板は、金属からなる基板の一方の面に導電性の撥液膜が形成されてなり、
    前記撥液膜は、前記基板に近い部分の導電率がその反対側の吐出面に近い部分の導電率よりも大きくなるように厚さ方向に導電率を変化させて形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記ノズル孔は、前記撥液膜が形成されている側とは反対側から放電加工により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 前記撥液膜は、多数の導電性微粒子を有し、これらの導電性微粒子の密度又は大きさを厚さ方向に変化させて分布させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッド。
  4. 前記撥液膜は、前記導電性微粒子の密度又は大きさが異なる複数の層からなることを特徴とする請求項3に記載の液滴吐出ヘッド。
  5. 前記導電性微粒子は、略球形状であることを特徴とする請求項3又は4に記載の液滴吐出ヘッド。
  6. 前記導電性微粒子の直径が前記撥液膜の厚さの80%以下であることを特徴とする請求項5に記載の液滴吐出ヘッド。
  7. 前記撥液膜の体積抵抗率が10Ωm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
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