JP2006231334A - 有機廃棄物処理方法及び有機性廃棄物処理装置 - Google Patents

有機廃棄物処理方法及び有機性廃棄物処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、有機性廃棄物の分解率を向上させることができる、有機性廃棄物を処理する方法及び装置を提供することである。
【解決手段】以下の工程(a)及び(b)を含有する有機性廃棄物の処理方法:(a)60℃以上の温度条件下で、有機性廃棄物に含まれる有機物をメタン発酵汚泥により分解する工程、及び(b)工程(a)で得られた分解物を嫌気性雰囲気下でメタン発酵する工程。並びに、有機性廃棄物に含まれる有機物をメタン発酵汚泥により分解するメタン発酵汚泥処理槽、及び該処理槽により分解された分解物をメタン発酵処理するメタン発酵槽を含む、有機性廃棄物処理装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機性廃棄物を処理するための方法及び装置に関する。
地球環境保全の重要性や省エネルギーの観点から、食品工場などから排出される有機性廃棄物、ホテル、飲食店、一般家庭などから排出される有機性廃棄物(生ゴミ)、畜産廃棄物、下水汚泥などの有機性廃棄物を、メタン発酵によりメタンガスとして回収する技術開発が進められており、有機物からできるだけ多くのメタンを回収し、最終廃棄物の量を削減するため、有機物分解率を向上させる方法が開発されている。
有機性廃棄物に対して効率的にメタン発酵を行う方法として、メタン発酵に先だって、有機性廃棄物を各種の前処理に供する方法が提案されている。例えば、メタン発酵の前処理として、有機性廃棄物を加熱処理する方法(特許文献1参照)や有機性廃棄物を超高熱嫌気性菌により分解する方法(特許文献2参照)が知られている。
今日、天然エネルギーの枯渇や廃棄物処理能力の限界が懸念されており、益々、エネルギーの有効利用や廃棄物の軽減化の技術を実用化することが強く望まれている。そのため、より一層効率的に、有機性廃棄物からエネルギーを回収し、廃棄物量を軽減する技術を開発することが重要になっている。
特開昭58−41916号公報 特開2003−326237号公報
本発明は、有機性廃棄物の分解率を向上させることができる、有機性廃棄物を処理する方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、有機性廃棄物をメタン発酵処理に供する前に、60℃以上の温度条件下で、有機性廃棄物に含まれる有機物をメタン発酵汚泥により分解することにより、有機性廃棄物の分解率を向上させることができることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることによって完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる有機廃棄物処理方法である:
項1. (a)60℃以上の温度条件下で、有機性廃棄物に含まれる有機物をメタン発酵汚
泥により分解する工程、及び
(b)工程(a)で得られた分解物を嫌気性雰囲気下でメタン発酵する工程、
を含む、有機性廃棄物の処理方法。
項2. (a)工程が、有機性廃棄物とメタン発酵汚泥とを混合槽に供給して予め混合し、得られた有機性廃棄物・汚泥混合物をメタン発酵汚泥処理槽に供給して60℃以上の温度条件下で有機性廃棄物を分解する工程である、項1に記載の処理方法。
項3. 工程(a)において、メタン発酵汚泥として、工程(b)で得られたメタン発酵処理物を使用する、項1又は2に記載の処理方法。
項4. 工程(a)が下記工程を含む、項1乃至3のいずれかに記載の処理方法:
(a-1)有機性廃棄物を、混合槽に供給する工程
(a-2)メタン発酵汚泥を混合槽に供給する工程、
(a-3)混合槽において、有機性廃棄物とメタン発酵汚泥とを混合する工程、
(a-4)工程(a-3)で得られた有機性廃棄物・汚泥混合物をメタン発酵汚泥処理槽に供給する工程、及び
(a-5)メタン発酵汚泥処理槽において、60℃以上の温度条件下で、有機性廃棄物に含まれる有機物を分解する工程。
項5. 工程(b)が下記工程を含む、項1乃至4のいずれかに記載の処理方法:
(b-1)工程(a)で得られた分解物を60℃以下に冷却した後に、メタン発酵槽に供給する工程、及び
(b-2)メタン発酵槽において、嫌気性雰囲気下でメタン発酵する工程。
項6.更に、(c)工程(b)で得られたメタン発酵処理物の少なくとも一部をメタン発酵汚泥処理槽又はそれより上流側に返送する工程を有する、項2乃至5のいずれかに記載の処理方法。
項7. 下記工程を含む、項1乃至6のいずれかに記載の処理方法:
(a-1)有機性廃棄物を、混合槽に供給する工程
(a-2)下記工程(b-2)で得られたメタン発酵処理物をメタン発酵汚泥として混合槽に供給する工程、
(a-3)混合槽において、有機性廃棄物とメタン発酵汚泥とを混合する工程、
(a-4)工程(a-3)で得られた有機性廃棄物・汚泥混合物をメタン発酵汚泥処理槽に供給する工程、
(a-5)メタン発酵汚泥処理槽において、60℃以上の温度条件下で、有機性廃棄物に含ま
れる有機物を分解する工程、
(b-1)工程(a)で得られた分解物を60℃以下に冷却した後に、メタン発酵槽に供給する工程、
(b-2)メタン発酵槽において、嫌気性雰囲気下でメタン発酵する工程、及び
(c)工程(b)で得られたメタン発酵処理物の少なくとも一部をメタン発酵汚泥処理槽又はそれより上流側に返送する工程。
また、本発明は、下記に掲げる有機性廃棄物処理装置である:
項8. 有機性廃棄物に含まれる有機物をメタン発酵汚泥により分解するメタン発酵汚泥処理槽、及び該処理槽により分解された分解物をメタン発酵処理するメタン発酵槽を含む、有機性廃棄物処理装置。
項9. 更に、有機性廃棄物とメタン発酵汚泥とを混合する混合槽を含み、該混合槽で得られる有機性廃棄物・汚泥混合物がメタン発酵汚泥処理槽に供給されるように構成されている、項8に記載の装置。
項10. 更に、メタン発酵槽から得られるメタン発酵処理物の少なくとも一部をメタン発酵汚泥処理槽又はそれより上流側に返送するメタン発酵汚泥返送手段を含む、項8又は9に記載の装置。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)有機廃棄物処理方法
有機性廃棄物
本発明の方法で処理される有機性廃棄物は、有機物を含むものであれば特に制限されないが、例えば、動物又は植物由来のものが挙げられる。具体的には、固形の有機性廃棄物、半固形の有機性廃棄物、不溶性固形分として有機物を含む有機性廃棄物、スラリー状の有機性廃棄物[以下、これらを“固形有機性廃棄物”という場合がある。]などが例示される。更に具体的には、厨芥,生ゴミ,生ゴミの乾燥物、食品工場廃棄物,下水汚泥,畜産廃棄物(家畜のし尿と、わら、おがくず等との混合物)などが例示される。また、本発明の方法で処理される有機性廃棄物は、濃厚廃液(糖廃蜜、焼酎の廃液等)、下水や有機排水(ビール工場の排水等)など、有機物を可溶性成分として含む液状のもの、有機物濃度の濃厚な廃液又は希薄な廃液であってもよい。
これら有機性廃棄物のpHは、種類によって異なるものであり、特に限定されないが、通常、生ゴミの場合は、pHは5程度である。
本発明の方法では、アンモニアを除去しやすいので、窒素含有量が多い有機性廃棄物(例えば、厨芥や生ゴミなど、たんぱく質を多く含む有機性廃棄物、好ましくは窒素含有量が0.5重量%以上程度の有機性廃棄物)を処理する場合に有利である。
有機性廃棄物には、異物が混入している場合がある。例えば、厨芥には、分別収集した場合であっても、ビニール袋、割り箸、アルミホイル、瀬戸物、スプーン,フォークなどの金属、骨等が混入している場合がある。異物が混入している場合、本発明の方法では、工程(a)に供する前に、異物除去手段を設けることにより有機性廃棄物から異物を除去するのが望ましい。異物を除去する手段としては、例えばスクリーン等の分別処理装置で有機性廃棄物と分離し、除去する方法が挙げられる。
有機性廃棄物は、そのまま本発明の処理方法に供してもよいが、大きな固形物を含む固形有機性廃棄物である場合、破砕して微細化した後、供給するのが好ましい。破砕は、例えば、破砕機、ミキサー等で行うことができる。有機性廃棄物に大きな固形物が含まれる場合、破砕してから供給すると、分解率が向上するので好ましい。
また、有機性廃棄物が生ゴミの場合、一般に、プレス機等で押しつぶしておいてから分解設備等に供給するが、その際、ビニール等がプレス機に残り、ごみ(有機性廃棄物)だけがプレス機から排出されるので、それにより異物を除去することができる。また、本発明の方法では、固形の有機性廃棄物は、工程(a)により可溶化されるので、ゴミとビニールなどの異物を選別せず、一緒に裁断(例えば5mm角程度)したものを工程(a)に供した後、工程(a)で得られた分解物からビニールなどの異物をメッシュ等で取り除くことも可能である。
異物の除去と破砕は、有機性廃棄物の種類に応じて、いずれを行ってもよく、通常、異物を除去した後破砕するが、破砕した後異物を除去してもよい。
本発明の方法では、これらを湿式酸化処理やオートクレーブ処理などの前処理を行った後、工程(a)に供してもよい。
有機性廃棄物の有機物濃度としては、異物を除去した後の有機性廃棄物全重量を100重量%とした場合の、有機物の割合が、0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、特に好ましくは10重量%以上となるような濃度である。
異物を除去した後の有機性廃棄物の固形分濃度は、通常、10〜25重量%程度である。本発明で使用する有機性廃棄物は、水等で希釈されて上記固形分濃度が10重量%以下であるものでもよい。
有機物が順調に分解されているかどうかは、各工程におけるのVTS(Volatile Total Solids;強熱減量)量及びVSS(Volatile Suspended Solid; 浮遊物質の強熱減量)量の変化(VSSの減少速度)を指標として判断することができる。
工程(a)
工程(a)では、60℃以上の温度条件下で、有機性廃棄物に含まれる有機物をメタン発酵汚泥により分解する。
本工程により、有機性廃棄物に含まれる有機物が分解されて可溶化、液状化される。メタン発酵汚泥に含まれるメタン細菌は、60℃以上では生育不能であるが、該メタン発酵汚泥にはメタン細菌以外に、60以上で生育可能な細菌も存在している。本工程では、メタン発酵汚泥に含まれる60℃以上で生育可能な細菌の内の高分子有機物を低分子化できる細菌(以下、可溶化菌と表記することもある)の働きか、メタン発酵汚泥に含まれる酵素の作用により、高温条件下で溶解度が上昇した有機物(炭水化物、蛋白質、脂質)が、低分子量化(例えば、糖、アミノ酸、ペプチドなどまで)され、更にその一部又は大部分は酸分解を受けてプロピオン酸、酪酸等の有機酸まで分解されていると思われるが、詳細は完全には解明されていない。
本工程(a)でいう「分解」とは、有機性廃棄物の全てが可溶化している程度に低分子化されていることに限らず、有機性廃棄物に含まれる不溶化有機物が、好ましくは20重量%以上程度、より好ましくは25重量%以上程度の不溶化有機物が水に溶ける程度まで低分子化されることを意味する。
本工程において使用するメタン発酵汚泥とは、有機物をメタン発酵することにより得られる発酵物、又は該発酵物の固形分のことである。当該メタン発酵汚泥として、例えば、有機性廃棄物をメタン発酵処理することにより得られたメタン発酵処理物を使用することができる。好ましくは、本発明における工程(b)で得られるメタン発酵処理物である。また、メタン発酵汚泥として、有機物をメタン発酵することにより得られる発酵物そのものを使用する場合、固形分が0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上含まれているものが望ましい。なお、ここでいう固形分には、メタン発酵により得られる発酵物中の不溶化残渣と、メタン細菌菌や可溶化菌等の細菌が含まれる。
本工程のメタン発酵汚泥による分解において、温度条件は60℃以上であれば、特に制限されないが、好ましくは60〜90℃程度、更に好ましくは65〜80℃程度、特に好ましくは70〜80℃程度である。本工程において、60℃以上の所定温度に保つためには重油、都市ガス、電力等を利用することもできる。しかし、該温度の維持には相当量の熱量が必要となるので、電力源として重油等を単独で利用するよりも、後述する工程(b)で発生するメタンガスを利用して熱と電力を得るコジェネレーション手段(ガスエンジン、燃料電池等)を利用し、発生する排熱を有効利用することが望ましい。
メタン発酵汚泥による有機性廃棄物に含まれる有機物の分解は、上記温度条件を調節・保持できる槽(以下、メタン発酵汚泥処理槽という)内で、有機性廃棄物とメタン発酵汚泥とを共存させ上記条件下で保持することにより行うことができる。
有機性廃棄物とメタン発酵汚泥とをメタン発酵汚泥処理槽内で共存させるには、例えば、以下の方法が例示される:(1)有機性廃棄物をメタン発酵汚泥処理槽に供給し、また別にメタン発酵汚泥をメタン発酵汚泥処理槽に供給して、メタン発酵汚泥処理槽内で有機性廃棄物とメタン発酵汚泥とを混合する方法、及び(2)有機性廃棄物を混合手段を備えた混合槽に供給し、またメタン発酵汚泥を該混合槽に供給し、該混合槽内で両者を予め混合し、得られた有機性廃棄物・汚泥混合物をメタン発酵汚泥処理槽に供給する方法。後者の(2)の方法の場合、有機性廃棄物・汚泥混合物の固形分濃度を10重量%以下にすることによって、小型で安価なポンプにより該混合物をメタン発酵汚泥処理槽に供給することが可能になる。また、後者の(2)の方法の場合、具体的には、本工程(a)には、以下態様の工程が含まれる:
(a-1)有機性廃棄物を、混合槽に供給する工程
(a-2)メタン発酵汚泥を混合槽に供給する工程、
(a-3)混合槽において、有機性廃棄物とメタン発酵汚泥とを混合する工程、
(a-4)工程(a-3)で得られた有機性廃棄物・汚泥混合物をメタン発酵汚泥処理槽に供給する工程、及び
(a-5)メタン発酵汚泥処理槽において、60℃以上の温度下で、有機性廃棄物に含まれる
有機物を分解する工程。
メタン発酵汚泥処理槽内のpHは、特に限定されるものではなく、アルカリ性、中性及び酸性のいずれであってもよい。アルカリ性である場合は、pHは9以下程度が好ましく、7.4〜8程度であることが好ましい。酸性の場合のpHは、5以上であることが好ましく、6程度〜7未満であることが好ましい。pHの値は、有機性廃棄物の種類や供給量、有機性廃棄物の分解の程度により変わり得るものであり、例えば、有機性廃棄物の分解処理後に測定したpHが上記範囲であることが好ましい。また、有機性廃棄物の分解処理中又は分解処理開始時においても、pHが上記範囲であるので好ましいが、例えば有機性廃棄物を供給した後のpHが上記範囲外となってもよい。メタン発酵汚泥処理槽内のpHがアルカリ性の場合には、アンモニアを回収し易くなる点において利点がある。
本工程のメタン発酵汚泥による分解は、有機性廃棄物とメタン発酵汚泥とを共存させ、上記条件下で静置することによって行うことができ、また有機性廃棄物とメタン発酵汚泥とを上記条件下で撹拌しながら行うこともできる。
本工程のメタン発酵汚泥による分解において、使用するメタン発酵汚泥と本工程に供する有機性廃棄物との割合については、使用するメタン発酵汚泥や有機性廃棄物の種類、分解条件等に応じて適宜設定することができる。これらの混合割合の一例として、有機性廃棄物に含まれる固形分1重量部に対して、メタン発酵汚泥(固形分換算)を0.1〜10重量部となる割合が例示される。
メタン発酵汚泥による分解時間は、使用するメタン発酵汚泥の種類や量、処理対象の有機性廃棄物の種類や量によって異なり一律に規定することはできないが、通常1〜10日、好ましくは1〜5日、更に好ましくは1〜2日が例示される。
本工程(a)のメタン発酵汚泥による分解は、嫌気性雰囲気、好気性雰囲気の何れの雰囲気で行ってもよい。
本工程(a)を嫌気性雰囲気下で行う場合であれば、有機性廃棄物に含まれる有機物の分解(可溶化)に伴ってガスが発生し、これによってメタン発酵汚泥処理槽内の酸素がパージされてその雰囲気が嫌気性に保たれるので、嫌気性雰囲気を作り、これを維持するための特段の操作は必ずしも必要ではない。もちろん、二酸化炭素、窒素、アルゴン、水素、天然ガス、メタン、都市ガス等を用いて嫌気性雰囲気を作成・維持してもよく、また、硫化ナトリウム等の酸素除去剤用いて嫌気性雰囲気を作成・維持してもよい。
また、本工程(a)において、有機性廃棄物に含まれているアンモニア及びメタン発酵汚泥による分解で生じたアンモニアを回収してもよい。本工程(a)では、60℃以上の温度条件が採用されるため、有機性廃棄物に含まれているアンモニア及びメタン発酵汚泥による分解で生じたアンモニアが格段に揮発され易くなっている(Journal of Hazardous Materials 37 (1994)191-206)。そのため、工程(a)において、メタン発酵汚泥処理槽内に気体を吹き込み、アンモニアストリッピング法によりアンモニアを揮発させて回収することが可能である。このように、アンモニアを回収することにより、最終処理物にアンモニアが含まれるという問題を回避することが可能になる。但し、投入する有機性廃棄物中の窒素含量が少なくアンモニア発生量が少ない場合、また発生アンモニアを河川放流しても問題のない場合、或いは後述する工程(b)の後に硝化脱窒処理等の脱アンモニア処理を行う方が安価である場合などは、本工程(a)においてアンモニア回収は必ずしも必要ではない。
本工程(a)は、回分形式で実施してもよく、また有機性廃棄物とメタン発酵汚泥(以下、これらを原料ということもある)の供給とメタン発酵汚泥により分解された分解物の抜き取りを連続的又は断続的に行うことにより実施してもよい。原料の供給と分解物の抜き取りを連続的に又は断続的に行う場合、その原料供給速度及び分解物抜き取り速度は、該原料のメタン発酵汚泥処理槽内平均滞留時間が上記分解時間となるように適宜設定すればよい。
本工程(a)によって、有機性廃棄物に含まれる有機物が低分子化されるので、得られた分解物をメタン発酵処理に供すると、その処理効率が向上する。
本工程(a)に供された固形有機性廃棄物は、固形有機性廃棄物に含まれる有機物が分解されて可溶化し、液状になるので、本工程(a)で得られた分解物をそのままメタン発酵処理に供することが可能になる。これによって、固形有機性廃棄物をメタン発酵処理に直接供する場合に、メタン発酵により有機物が十分に処理されないという問題が解消される。
本工程(a)により得られた分解物は、そのまま後述の工程(b)に供してもよく、また該分解物を固液分離をした後に、その液体分を後述の工程(b)に供してもよい。
本工程(a)により得られた分解物に対して固液分離を行う場合、その固液分離方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、分解物中の固形分が沈降しやすい場合は、沈殿分離により固液分離を行うことができる。他の方法としては、膜分離、遠心分離等が挙げられる。膜分離により固液分離を行う場合には、メタン発酵汚泥処理槽内に膜を浸漬してもよく、メタン発酵汚泥処理槽内の分解物を外部に取り出して外置きの固液分離装置により処理してもよい。外置きの装置は、洗浄、点検、交換が容易である。固液分離は、本工程(a)で得られた分解物の全てについて行ってもよく、一部について行い、残部は直接後述の工程(b)に供してもよい。この場合には、固液分離手段のメンテナンスの際にシステム全体を止める必要がない。
本工程(a)により得られた分解物を固液分離する場合、得られた固形分含有画分(汚泥)は、一部又は全部を、メタン発酵汚泥処理槽に返送してもよく(返送される汚泥を「返送汚泥」という場合がある)、一部を廃棄してもよい(廃棄される汚泥を「余剰汚泥」という場合がある)。工程(a)で得られた分解物の固液分離を行う場合、得られた汚泥を如何なる割合で返送汚泥と余剰汚泥に分けるかについては、工程(a)の処理能力等を考慮して、適宜設定すればよい。
メタン発酵汚泥処理槽には、分解の進行に従って固形分が蓄積していくので、該固形分を汚泥として適宜引き抜いておくことが好ましい。引き抜いた汚泥は、余剰汚泥として種々の方法で処理される。例えば、そのまま、液肥として農地還元する、脱水後コンポスト化して農地還元をする、脱水して廃棄する、脱水後焼却する、脱水+乾燥後廃棄する、脱水+乾燥後焼却する等の処理が行われる。また、乾燥には低温廃熱を有効利用することができ、メタンガスをガスエンジンやマイクロガスタービン、ボイラー等で利用する場合、その廃熱を利用して乾燥することが可能である。なお、脱水ろ液はその水質と排水基準によりそのまま放流できる場合もあり、そうでない場合は水処理に供すればよい。また工程(b)の後に活性汚泥処理等の水処理を行う場合は、該処理に供給してもよい。有機物の分解は嫌気性雰囲気で行われるので、水処理が活性汚泥処理などの好気性雰囲気で行われる処理である場合、工程(a)で分解できなかった有機物であっても、水処理で分解できる場合がある。この場合、廃棄すべき余剰汚泥の量が減少するので好ましい。
工程(b)
工程(b)では、工程(a)で得られた分解物を嫌気性雰囲気下でメタン発酵する。本工程において、工程(a)で得られた分解物がメタンと二酸化炭素に分解される。本工程におけるメタン発酵は、従来公知のメタン発酵菌及びメタン発酵槽を用いて行うことができる。
本工程(b)において、嫌気性雰囲気の調製・維持は、二酸化炭素、窒素、アルゴン、水素、天然ガス、メタン、都市ガスなどを用いて行うことができる。また、必要に応じて、硫化ナトリウムなどの酸素除去剤を使用してもよい。
本工程(b)のメタン発酵時の温度条件は、用いるメタン発酵菌の種類に応じて広い温度範囲から適宜設定することができ、特に限定されるものではないが、一般には20〜60℃程度、例えば、35℃程度のいわゆる中温でも、55℃程度のいわゆる高温でもよい。前記工程(a)に供した有機性廃棄物に含まれる窒素含量が少なく、該工程(a)においてアンモニア除去を行わない場合は、メタン発酵がアンモニア阻害を受けにくい35℃程度の中温の方が好ましい。一方、前記工程(a)においてアンモニア除去を行う場合であれば、メタン発酵速度が高まるという点から、55℃程度の高温の方が好ましい。
工程(a)で得られた分解物が80℃以上の高温を保持している場合には、当該分解物をメタン発酵に著しく悪影響を及ぼすことがない程度(例えば、60℃以下)に冷却した後に、メタン発酵槽に供給し本工程(b)を実施することが望ましい。
本工程(b)におけるメタン発酵処理時間としては、供する分解物の種類や量、使用するメタン発酵菌の種類、発酵温度、発酵形態等によって異なり、一律に規定することはできないが、通常10〜30日、好ましくは10〜20日、更に好ましくは10〜14日を挙げることができる。
本工程(b)のメタン発酵において発生する汚泥(余剰汚泥)は、有機性廃棄物を直接メタン発酵する従来の方法では廃棄されていたが、本発明の方法では、定期的に工程(a)に返送することが可能であり、これによって再度分解せしめ、全体としての有機物分解率を向上させることができる。
本工程(b)のメタン発酵の形式は特に制限されず、回分式、固定床式、UASB(Upflow Anaerobic Sludge Bed、上向流嫌気性汚泥床)式等のメタン発酵において利用されている公知のいずれの形式であってもよい。
本工程(b)において、メタン発酵は、回分形式で実施してもよく、また工程(a)で得られた分解物の供給とメタン発酵槽内のメタン発酵処理物の抜き取りを連続的に又は断続的に行うことにより実施してもよい。上記分解物の供給と上記メタン発酵処理物の抜き取りを連続的又は断続的に行う場合、その分解物供給速度及びメタン発酵処理物抜き取り速度は、該分解物のメタン発酵槽内平均滞留時間が上記発酵処理時間となるように適宜設定すればよい。
本工程(b)で得られたメタン発酵処理物は、そのまま、或いは固液分離をした後の液体分を、活性汚泥処理などの水処理に供してもよい。固液分離の方法は、特に限定されるものではなく、例えば沈殿分離、膜分離、遠心分離などの公知の方法を採用することができる。固液分離は、本工程(b)の後に行う処理に供する全てのメタン発酵処理物について行ってもよく、一部について行い、残部は直接後段の処理に供してもよい。
また、メタン発酵処理物を固液分離した固形分含有画分(汚泥)は、一部又は全部を、メタン発酵槽に返送し、再度本工程(b)に供することもできる。この操作により、固形分が更に徹底的に分解されるので、廃棄固形分量が更に低減でき、メタンガス発生量も増大するというメリットが得られると共に、メタン細菌が系内に返送されるので、メタン発酵の安定度が向上するというメリットも得られる。但し、返送比を大とすると、メタン発酵槽内の固形分濃度が上昇するため、メタン発酵槽内の攪拌やポンプ輸送の面では不利となる面もあるので、これらを総合的に判断した上で、返送量を決めるとよい。
本工程(b)において、メタン発酵槽には、メタン発酵処理の進行に従って固形分が蓄積するので、通常、該固形分は汚泥として適宜引き抜かれる。引き抜かれた汚泥は、種々の方法で処理される。例えば、そのまま、液肥として農地還元する、脱水後コンポスト化して農地還元をする、脱水して廃棄する、脱水後焼却する、脱水+乾燥後廃棄する、脱水+乾燥後焼却する等の処理が行われる。また、乾燥には低温廃熱を有効利用することができ、メタンガスをガスエンジンやマイクロガスタービン、ボイラー等で利用する場合、その廃熱を利用して乾燥することが可能である。なお、脱水ろ液はその水質と排水基準によりそのまま放流できる場合もあり、そうでない場合は再度水処理に供すればよい。また、脱水ろ液は、工程(b)の後に活性汚泥処理などの水処理を行う場合は、該処理に供してもよい。メタン発酵処理は嫌気性雰囲気で行われるので、水処理が活性汚泥処理などの好気性雰囲気で行われる処理である場合、メタン発酵で分解されなかった有機物であっても、活性汚泥処理などの水処理で分解できる場合がある。この場合、廃棄すべき汚泥の量が減少するので好ましい。
工程(c)
前記工程(a)においてメタン発酵汚泥として、工程(b)で得られたメタン発酵処理物を使用する場合、本発明の方法は工程(b)で得られたメタン発酵処理物の少なくとも一部をメタン発酵汚泥処理槽又はそれより上流側に返送する工程((c)工程)を含有する。このように、工程(b)で得られたメタン発酵処理物を工程(a)で再利用することにより、最終廃棄物量を減量化でき、更には本発明の方法における有機物の分解率を高めることが可能になる。
なお、本工程(c)において返送するメタン発酵処理物は、上記工程(b)で得られたメタン発酵処理物を固液分離して得られた固形分であってもよいが、固液分離を行っていないメタン発酵処理物そのままであってもよい。メタン発酵処理物は、有機性廃棄物が高い割合で分解されてメタン発酵処理物の固形分濃度は低くなっている(例えば、固形分濃度2重量%程度)。
本工程(c)において、メタン発酵処理物は、工程(a)を実施するメタン発酵汚泥処理槽に直接返送してもよく、またメタン発酵汚泥処理槽の上流に混合槽を設ける場合には該混合槽に返送してもよい。
本工程(c)において、返送するメタン発酵処理物の量及び割合は、工程(a)及び(b)の処理条件、返送するメタン発酵処理物の固液分離の有無等を考慮して、適宜設定すればよい。
本工程(c)により、メタン発酵処理物の一部を混合槽に返送する場合、その返送量は、有機性廃棄物の種類、各主成分濃度(特に固形分濃度、窒素成分濃度とCOD成分濃度)、分解性により異なるが、例えば、以下のA)〜C)の条件を満たすように決められる。なお、以下記す「希釈率」とは、混合層に供給される有機性廃棄物の容量を1とする場合に、返送されるメタン発酵処理物の容量の割合であり、「循環比」とはメタン発酵槽から排出されたメタン発酵処理物の容量を1とする場合に、混合槽に返送されるメタン発酵処理物の容量の割合である。
A)機械的に問題が起きない、希釈率及び循環比であること
ポンプ類や攪拌機等は固形分濃度が低い(=希釈率が高い、循環比が大きい)程、機械的問題が少ないが、循環比が大きい程、各設備の容量や消費エネルギーも大となるので、これらを考慮した上で適当な値を決める。
B)系内のアンモニア濃度が高くなって生物阻害を起こすことがない、希釈率及び循環比であること
この場合の希釈率及び循環比は、アンモニア除去装置の除去効率や水処理設備の窒素除去効率等に依存する。但し、有機性廃棄物中の窒素成分濃度(アンモニアやタンパク質等)が低い場合には、上述のA)と下記C)の観点から希釈率及び循環率を決めればよい。
C)要求される残渣削減率及びメタンガス発生量を達成する、希釈率及び循環比であること 循環比が高いほど固形残渣発生量は減少し、ガス発生量は増大する方向に向かう。これは、メタン発酵処理物中の固形残査が再度分解設備に投入されるからである。但し、循環比を高くとることのデメリットとして、ポンプ類の容量や消費エネルギーが大となることがあるので、これらも考慮した上で希釈率及び循環比を決定する。
本工程(c)により、メタン発酵処理物の一部を混合槽に返送する場合、メタン発酵処理物の返送量は、例えば、希釈率が1〜10であり、循環比が0.1〜0.9となるように調節することができる。
本工程(c)により、メタン発酵処理物を混合槽に返送する場合、例えば、固形物濃度18重量%程度の生ゴミ(有機性廃棄物)1重量部と固形物濃度2重量%程度の返送メタン発酵処理物1重量部とを混合層中で混合することにより、該混合槽中で固形分濃度10重量%程度の有機性廃棄物・メタン発酵処理物混合物が得られ、熱交換器を通過しやすい固形分濃度の混合物が調製される。
本発明の方法において、工程(a)及び(b)の処理時間(即ち、メタン発酵汚泥処理槽及びメタン発酵槽内の滞留時間)を短くした方が有利である場合には、最終排水中に水処理で分解可能な程度に有機物を残留させてもよい。この場合、この最終排水を活性汚泥設備やリン酸処理設備などの水処理設備により処理してもよい。
本発明の方法によれば、工程(a)により有機性廃棄物の固形分の分解率(可溶化率)が向上するため、工程(b)において残渣となる固形物の発生量は低減される。
本発明の方法によれば、有機性廃棄物に含まれる有機物の分解率が、例えば、60%以上、特に80%以上になる。
本発明の方法の実施態様の一例を図1に示す。また、メタン発酵により有機性廃棄物を処理する従来の方法の例を図2に示す。図2から理解されるように、従来法においては、原料の一日投入量(容積)をQとした場合、原料を2倍希釈するためには、固形物自体の容積を無視すると、水処理系からQ量の処理水を原料側へ返送する必要がある。従って、従来法において固液分離処理及び水処理への水量負荷はいずれも2Qとなる。
この従来法に対して、図1に示す態様の本発明の方法では、メタン発酵後にその処理物を固液分離せずにメタン発酵汚泥処理槽より上流側に返送させている。従って、原料の一日投入量(容積)をQとした場合、原料を2倍希釈するためには、固形物自体の容積を無視すると、メタン発酵設備より稀釈液としてQ量のメタン発酵処理物を返送することが必要である。よって、図1に示されるように、メタン発酵槽から固液分離処理を経ずにメタン発酵処理物をメタン発酵汚泥処理槽より上流側に返送するので、固液分離処理及び水処理への水量負荷容積はいずれもQとなり、従って従来法での負荷容積2Qの半分となる点で、本発明の方法は有利である。当然ながら、2倍稀釈は単なる例に過ぎず、1.5倍稀釈等ケース毎に最適化される。
また、本発明の方法において、工程(a)でストリッピング処理を行うことにより水処理系への窒素負荷も低減可能であるので、本発明の方法で排出される液体の水処理は小型の設備を使用でき、窒素除去のための運転費(吹き込み空気量、攪拌動力、還元剤投入量)も従来法と比較して有利である。また、固液分離処理(一般的には、脱水処理)も小型の設備を使用でき、脱水のための運転費(凝集剤投入量、動力)も従来法と比べて有利である。
(2)有機性廃棄物処理装置
本発明の有機性廃棄物処理装置は、上記有機性廃棄物の処理方法を好適に実施できる装置である。本発明の装置は、有機性廃棄物に含まれる有機物をメタン発酵汚泥により分解するメタン発酵汚泥処理槽、及び該処理槽により分解された分解物をメタン発酵処理するメタン発酵槽を含むものである。
上記メタン発酵汚泥処理槽は、工程(a)を実施できるように、温度制御手段を備えるものである。また、必要に応じて、当該メタン発酵汚泥処理槽は、槽内を攪拌するための攪拌手段を有していてもよい。
また、当該メタン発酵汚泥処理槽は、槽内に有機性廃棄物やメタン発酵汚泥を供給できるように、有機性廃棄物供給手段及びメタン発酵汚泥供給手段を備えるものである。なお、メタン発酵汚泥処理槽の前段として、有機性廃棄物とメタン発酵汚泥を混合する混合槽を設ける場合、当該有機性廃棄物供給手段及びメタン発酵汚泥供給手段に代えて、又は組み合わせて、該混合槽から有機性廃棄物・汚泥混合物をメタン発酵汚泥処理槽内に供給するための有機性廃棄物・汚泥混合物供給手段を備えている。これら有機性廃棄物供給手段、メタン発酵汚泥供給手段及び有機性廃棄物・汚泥混合物供給手段としては、従来公知のポンプ(有機性廃棄物供給ポンプ、メタン発酵汚泥供給ポンプ及び有機性廃棄物・汚泥混合物供給ポンプ)を利用するものが挙げられる。これらのポンプを使用する場合、供給される供給物(有機性廃棄物、メタン発酵汚泥又は有機性廃棄物・汚泥混合物)は、固形分濃度が10重量%程度以下となるように希釈されていることが望ましい。10重量%程度以下であると、小型で安価なポンプが使用可能となるためである。
また、当該メタン発酵汚泥処理槽は、槽内で分解された分解物を槽外に排出するための分解物排出手段を有する。
また、工程(a)における有機物の分解と共にアンモニアを除去できるように、当該メタン発酵汚泥処理槽は、アンモニア回収手段を備えていてもよい。当該アンモニア回収手段は、例えば、メタン発酵汚泥処理槽の上部に設けられていればよい。当該アンモニア回収手段は、アンモニアストリッピング法を利用したものであってもよく、また、揮発したアンモニアを触媒燃焼して窒素とした後に回収する方法を利用したものでもよい。
また、当該メタン発酵汚泥処理槽でアンモニアとともに発生する二酸化炭素や硫化水素を回収した方が好ましい場合は、アンモニア回収手段の後段に、アルカリ槽を配してこれらを吸収することもできる。これによって、工程(b)で得られるメタンが高濃度化される。また、硫化水素などの腐食性ガスを除去することにより、装置が腐食しにくくなる。
上記メタン発酵槽は、上記メタン発酵汚泥処理槽により分解された分解物をメタン発酵処理するための槽であり、工程(b)が実施できるように、温度制御手段を備え、嫌気性雰囲気を保持できるものである。また、必要に応じて、当該メタン発酵槽は、槽内を攪拌するための攪拌手段を有していてもよい。
当該メタン発酵槽は、上記メタン発酵汚泥処理槽から排出手段により排出された分解物を内部に供給するための分解物供給手段を備えている。当該メタン発酵汚泥供給手段は、従来公知のポンプを利用するものであってもよく、その他の手段によるものであってもよい。
また、該メタン発酵槽は、槽内で生成したメタン発酵処理物を槽外に排出するためのメタン発酵処理物排出手段を有する。また、当該メタン発酵槽は、槽内で生成したメタンを回収するためのメタン回収手段を有する。
当該メタン発酵槽は、メタン発酵に通常使用されている発酵槽を使用することができる。
また、当該メタン発酵槽には、有機性廃棄物を供給する有機性廃棄物供給手段を設けてもよい。例えば、既存のメタン発酵槽にメタン発酵汚泥処理槽を後付けする場合は、メタン発酵槽に既に設けられている原料供給手段があるので、それを有機性廃棄物供給手段として利用すればよい。その場合、メタン発酵槽の引き抜き汚泥(メタン発酵処理物)をメタン発酵汚泥処理槽に供給するメタン発酵処理物返送手段により、メタン発酵汚泥処理槽に有機性廃棄物を供給することになる。
また、本発明の装置は、上記メタン発酵槽からメタン発酵処理物排出手段により排出されたメタン発酵処理物の少なくとも一部を上記メタン発酵汚泥処理槽又はそれより上流側(上記混合槽)に返送するために、メタン発酵汚泥返送手段を備えていてもよい。当該メタン発酵汚泥返送手段を有することによって、上記メタン発酵槽から排出されたメタン発酵処理物を、工程(a)においてメタン発酵汚泥として再利用することが可能になる。当該メタン発酵汚泥返送手段は、従来公知のポンプを利用するものであってもよく、その他の手段によるものであってもよい。
本発明の装置において、上記メタン発酵汚泥処理槽及びメタン発酵槽の温度制御手段は、エネルギーの有効利用の観点から、メタン発酵槽から回収されたメタンを利用して熱と電力を得るコジェネレーション手段を利用していることが望ましい。
また、本発明の装置において、有機性廃棄物、メタン発酵汚泥、又は有機性廃棄物・メタン発酵汚泥混合物が加熱された後に、該メタン発酵汚泥処理槽に供給されるように、熱交換器を設けておいてもよい。
更に、本発明の装置において、メタン発酵汚泥処理槽から排出された分解物が冷却された後に、メタン発酵槽に供給されるように、熱交換器を設けておいてもよい。
本発明の装置は、更に、上記メタン発酵槽から排出手段により排出されたメタン発酵処理物の全て又は一部を固液分離するための固液分離手段を有していてもよい。当該固液分離手段としては、前述のものを採用できる。
更に、本発明の装置は、上記メタン発酵槽から排出手段により排出されたメタン発酵処理物、或いはメタン発酵処理物を固液分離して得られた液体を水処理できるように、水処理手段を有していてもよい。当該水処理手段としては、水処理設備としては、活性汚泥処理法、回転円板法、生物膜濾過法、接触酸化法、担体法等の生物的処理を実施可能な水処理方法を利用したもの;並びに、オゾン酸化、フェントン法、触媒酸化法などの物理化学的を実施可能な水処理方法を利用したものなどが挙げられる。本発明で利用する水処理手段は、公知の水処理手段であればよく、既存の水処理設備に、メタン発酵汚泥処理槽やメタン発酵槽の内容物を供給できるように設定することもできる。水処理手段として活性汚泥処理を利用する場合には余剰汚泥が発生する。この余剰汚泥は、適宜引き抜くのが好ましく、引き抜き汚泥は焼却等の処理をしてもよいし、またメタン発酵汚泥処理槽及びメタン発酵槽のいずれか一方、又は両方に返送してもよい。余剰汚泥を返送し、再利用することによって、本装置による有機物分解率を向上させることができる。
水処理手段により処理されて得られた処理水は、沈殿分離して上清を下水放流、河川放流、海域放流などにより処分することができる。
本発明によれば、有機性廃棄物の分解率を向上させることができ、また、メタン発酵装置の導入、運転において、コストおよび環境負荷を低減することができる。
以下、実施例及び試験例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
下記条件・方法に従って、人工生ゴミを作成し、該生ゴミの処理実験を行った。
<人工生ゴミの作製>
以下の材料をそれぞれ5mm角に切り、各材料をよく攪拌する。1回の粉砕操作に指定の割合で全種類が含まれるように秤量し、フードカッターを用いて砕き混ぜる(10000rpm, 5min.)。含水率を測定しTS(固形物重量)を求める(保存する場合はディープフリーザへ)。
・果実類(30%) リンゴ 2.5%
オレンジ(皮) 7.5%
バナナ(皮) 10%
・野菜類(36%) キャベツ 10%
ジャガイモ 10%
ニンジン 10%
大根 10%
白菜 10%
・肉(14%) 挽肉 2.5%
・魚介類 魚 3.5%
骨 1.5%
・卵類 卵 2.5%
・残飯類(20%) 米飯 10%
パン 2.5%
麺類 7.5%
上記の単位「%」は、いずれも「重量%」である。
<運転方法>
発酵温度が55℃で運転されているメタン発酵施設の発酵槽内から採取された汚泥(固形分1重量%以上)200mLを実効容積200mLの密閉容器(以下、メタン発酵汚泥処理槽という)に入れ80℃に保温した。また、上記メタン発酵施設の発酵槽内から採取された汚泥2Lを実効容積2Lの密閉容器(以下、メタン発酵槽という)に入れ55℃に保温した。
1日1回、55℃に保温したメタン発酵槽から内容物(メタン発酵処理物)93mLを抜き取り、抜き取ったメタン発酵処理物の内60mLを人工生ゴミ40mL(40g相当)と混合した後、80℃に保温したメタン発酵汚泥処理槽に投入した。抜き取ったメタン発酵処理物の残り33mLは最終廃棄物とした。更に80℃に保温したメタン発酵汚泥処理槽から100mlを引き抜き、これを55℃に保温したメタン発酵槽へ投入した。本操作を1ヵ月間毎日行った。なお、試験開始2週間後から17日間毎日継続して、抜き取ったメタン発酵処理物(最終廃棄物)についてはメタン発酵処理物中の有機物量(VTS:Volatile total solids)及びCODを測定し、更に遠心分離により固液分離した後、メタン発酵処理物の固体画分中の有機物量(VSS)を測定した。これらの測定値から、1日当たり産出される最終廃棄物中のVTS量(廃棄VTS量:mg/日)、COD量(廃棄COD量:mg/日)及びVSS量(破棄VSS量:mg/日)を算出した。
比較例1
発酵温度が55℃で運転されているメタン発酵施設の発酵槽内から採取された汚泥(固形分1重量%以上)2Lを、実効容積2Lの密閉容器(以下、メタン発酵槽という)に入れ、55℃で保温した。1日1回、メタン発酵槽から内容物(メタン発酵処理物)200mlを抜き取った。メタン発酵処理物を抜き取ったメタン発酵槽には、蒸留水100ml(100g相当)と人工生ゴミ100mlを混合した後、これを投入した。本操作を1ヵ月間毎日行った。なお、試験開始2週間後から17日間毎日継続して、抜き取ったメタン発酵処理物(最終廃棄物)についてはメタン発酵処理物中の有機物量(VTS:Volatile total solids)及びCODを測定し、更に遠心分離により固液分離した後、メタン発酵処理物の固体画分中の有機物量(VSS)を測定した。これらの測定値から、1日当たり産出される最終廃棄物中のVTS量(廃棄VTS量:mg/日)、COD量(廃棄COD量:mg/日)及びVSS量(破棄VSS量:mg/日)を算出した。
結果
測定結果を図3(廃棄VTS量)、4(廃棄COD量)及び5(破棄VSS量)に示す。この結果、実施例1においてメタン発酵処理物中のVSS及びCODが比較例1に比して低減しており、本発明によって有機物の分解率を高められることが確認された。55℃でメタン発酵させて得られたメタン発酵汚泥を80℃における分解処理に使用することにより、有機性廃棄物の分解率が上昇するメカニズムは明らかではないが、高温で有機物分解酵素の活性が向上したこと、若しくは高温では固形分の溶解度が上がるため、分解酵素の基質濃度が高くなり、酵素活性が同じであっても分解率が向上したことが予想される。
実施例2
下記条件・方法に従って、ドッグフードを有機性廃棄物のモデルとして用い、ドッグフードの処理実験を行った。
<ドックフードの前処理及び組成>
市販品のドックフード(商品名「ペディグリーミキサー」、マスターフーズ社製)を、平均粒径0.5mmに粉砕した。得られた粉末状ドッグフードを所定量の水に添加して、下表1に示す成分組成のドッグフード含有水溶液を調製し、これを以下に示す処理実験に使用した。
Figure 2006231334
<運転方法>
発酵温度が55℃で運転されているメタン発酵施設の発酵槽内から採取された汚泥(固形分2.1重量%)300mLを実効容積300mLの密閉容器(以下、メタン発酵汚泥処理槽という)に入れ80℃に保温した。また、上記メタン発酵施設の発酵槽内から採取された汚泥2Lを実効容積2Lの密閉容器(以下、メタン発酵槽という)に入れ55℃に保温した。
1日4回(6時間毎に)、55℃に保温したメタン発酵槽から内容物(メタン発酵処理物)22.5mLを抜き取り、これをドッグフード含有水溶液15mLと混合した後、80℃に保温したメタン発酵汚泥処理槽に投入した。同時にメタン発酵汚泥処理槽から37.5mlを抜き取り、これを55℃に保温したメタン発酵槽に投入した。この作業の直前に、55℃に保温したメタン発酵槽から別途7.5mlを抜きとり、これを処理後廃棄物とした。本操作を2ヵ月間毎日行った。3〜4日に1回、メタン発酵槽における発生気体量、メタン発酵槽の発生気体中のメタン及び二酸化炭素濃度を測定した。また、抜き取ったメタン発酵処理物(最終廃棄物)については遠心分離により固液分離した後、メタン発酵処理物の固体画分中の固形物(SS)量を測定した。これらの測定値から、1日当たり、投入VTS量(投入したドッグフード含有水溶液に含まれるVTS量)に対して産出されるメタン、二酸化炭素、及び廃棄有機物(SS)量を算出した。
比較例2
発酵温度が55℃で運転されているメタン発酵施設の発酵槽内から採取された汚泥(固形分2.1重量%)2Lを、実効容積2Lの密閉容器(以下、メタン発酵槽という)に入れ、55℃で保温した。
1日4回(6時間毎に)、55℃に保温したメタン発酵槽から内容物(メタン発酵処理物)30mlを抜き取った。メタン発酵処理物を抜き取ったメタン発酵槽には、ドッグフード含有水溶液15mLと蒸留水15mlの混合液を投入した。本操作を2ヵ月間毎日行った。3〜4日に1回、メタン発酵槽における発生気体量、メタン発酵槽の発生気体中のメタン及び二酸化炭素濃度を測定した。また、抜き取ったメタン発酵処理物(最終廃棄物)については遠心分離により固液分離した後、メタン発酵処理物の固体画分中の固形物(SS)量を測定した。これらの測定値から、1日当たり、投入VTS量(投入したドッグフード含有水溶液に含まれるVTS量)に対して産出されるメタン、二酸化炭素、及び廃棄有機物(SS)量を算出した。
結果
1日当たりの投入VTS量(投入したドッグフード含有水溶液に含まれるVTS量)に対して産出されるメタン、二酸化炭素、及び廃棄有機物量について、それぞれ図6−8に示す。この結果から、実施例2は比較例1に比べて、破棄された有機物(SS)の割合の点で2倍以上高い値を示しており、またメタン発生量の点でも約1.27倍の値であることが確認された。55℃でメタン発酵させて得られたメタン発酵汚泥を80℃における分解処理に使用することにより、有機性廃棄物の分解率が上昇するメカニズムは明らかではないが、高温で有機物分解酵素の活性が向上したこと、若しくは高温では固形分の溶解度が上がるため、分解酵素の基質濃度が高くなり、酵素活性が同じであっても分解率が向上したことが予想される。
試験例1 メタン発酵汚泥による有機性廃棄物の分解(可溶化)試験
80℃におけるメタン発酵汚泥の有機性廃棄物の分解(可溶化)特性を検証するために、以下の試験を行った。まず、実施例1において作成した人工生ゴミを風乾した後に更に粉砕機で破砕し、1mmのふるいをかけて粒系1mm以下にした破砕乾燥生ごみを調製した。この粉砕乾燥生ごみを80℃の湯で洗浄し、80℃で容易に溶解する成分を除去した(洗浄生ごみ)。この洗浄生ごみの濃度が90g(乾燥重量)/lとなるように、洗浄生ごみに水を添加して、洗浄生ごみ溶液を調製した。100ml容の瓶に、表2に示す試験サンプル10mlと洗浄生ごみ溶液10mlを入れて、混合し、密栓し、さらに内部気体を窒素で置換して嫌気状態とした。これを80℃に保温し、混合直後(0日後)、1日後、3日後、6日後に、瓶中の水溶性画分のCOD量(可溶化COD)を測定した。なお、試験開始前に瓶中の沈殿画分(固形分)のCODを測定しておいた(初期固形COD)。試験サンプル毎に、可溶化COD/初期固形CODを算出し、各々の可溶化率(%)[{(1、3又は6日後の可溶化COD/初期固形COD)−(0日後の可溶化COD/初期固形COD)}×100]を求めた。
Figure 2006231334
得られた結果を図9に示す。本結果から、一旦80℃で洗浄した生ごみであっても、80℃で加熱することで固形分が10〜15%程度可溶化(分解)するが、これにメタン発酵汚泥、特に沈殿画分を加えることによって、可溶化率が20〜25%程度まで上昇することが確認された。
試験例2
試験例1で使用した洗浄生ごみ溶液及び発酵温度が55℃で運転されているメタン発酵施設の発酵槽内から採取された汚泥(含水率約90重量%)を用いて、可溶化能力の評価試験を行った。具体的には、表3に示す条件に従って、洗浄生ごみ溶液及び汚泥(含水率約90重量%)を100ml容の瓶に入れて、混合し、密栓し、さらに内部気体を窒素で置換して嫌気状態とした。これを表3に示す条件下で保温し、1日後に、瓶中の水溶性画分のCOD量(可溶化COD)を測定した。上記試験例1と同様の方法で、各条件下での可溶化処理における可溶化率(%)を測定した。
Figure 2006231334
得られた結果を図10に示す。この結果から、いわゆる乾式と呼ばれる、水分含量が約90重量%の汚泥を使用しても、80℃で保温することにより、可溶化率を向上できることが確認された。
試験例3
実施例2の有機物処理において、処理操作開始60日後に、可溶化槽内及びメタン発酵処理槽内の液体画分の分子量分布をGPCにより測定し、各ピークについてNMRにより組成を推測した。また、比較例2の有機物処理においても、処理操作開始60日後に、メタン発酵槽内の液体画分を同様に測定し、その組成を推測を行った。
得られた結果を図11に示す。この結果から、55℃で運転されているメタン発酵槽による処理だけでは、糖類、多糖類がほとんど未溶解のまま廃液として排出されているのに対し、可溶化槽内ではこれらの高分子が低分子化されることにより可溶化し、更にこの可溶化高分子がメタン発酵槽内で分解されていることが明らかとなった。
図1は、本発明の有機性廃棄物処理方法の概略図である。 図2は、従来の有機性廃棄物処理方法の概略図である。 図3は、実施例1及び比較例1において測定したVTSの結果を示す。 図4は、実施例1及び比較例1において測定したCODの結果を示す。 図5は、実施例1及び比較例1において測定したVSSの結果を示す。 図6は、実施例2及び比較例2における、投入VTS量(投入したドッグフード含有水溶液に含まれるVTS量)に対して産出されるメタン量の割合の経時変化を示す図である。 図7は、実施例2及び比較例2における、投入VTS量(投入したドッグフード含有水溶液に含まれるVTS量)に対して産出される二酸化炭素量の割合の経時変化を示す図である。 図8は、実施例2及び比較例2における、投入VTS量(投入したドッグフード含有水溶液に含まれるVTS量)に対して産出される廃棄有機物(SS)量の割合の経時変化を示す図である。 図9は、試験例1において測定した、試験サンプル1(メタン発酵汚泥)、2(メタン発酵汚泥の固形分画分)、3(メタン発酵汚泥の液体画分)、及び4(水)による有機性廃棄物の可溶化率の結果を示す。 図10は、試験例2において測定した、表3に示す条件1−8で可溶化処理をした場合の可溶化率の結果を示す。 図11は、試験例3の測定結果、即ち、実施例2の可溶化槽内及びメタン発酵処理槽内の液体画分の組成、並びに比較例2のメタン発酵槽内の液体画分の組成について示す。

Claims (3)

  1. 有機性廃棄物に含まれる有機物をメタン発酵汚泥により、60℃以上の温度、嫌気性雰囲気、及びアルカリ性条件下で分解する(但し、別途、嫌気性雰囲気で60℃で有機性廃棄物に含まれる有機物を加水分解できる微生物を添加して分解することを除く)メタン発酵汚泥処理槽、及び該処理槽により分解された分解物をメタン発酵処理するメタン発酵槽を含み、
    メタン発酵槽から得られるメタン発酵物の少なくとも一部を固液分離することなく、メタン発酵汚泥処理槽又はそれより上流側に返送するメタン発酵汚泥返送手段を備えていることを特徴とする、有機性廃棄物処理装置。
  2. 更に、有機性廃棄物とメタン発酵汚泥とを混合する混合槽を含み、該混合槽で得られる有機性廃棄物・汚泥混合物がメタン発酵汚泥処理槽に供給されるように構成されている、請求項1に記載の装置。
  3. 更に、メタン発酵汚泥処理槽がアンモニア回収手段を備えている、請求項1又は2に記載の装置。
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