JP2006230234A - ハム製品の自動包装装置 - Google Patents

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一義 河合
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Abstract

【課題】原料肉塊を圧縮整形する過程で発生する空孔を除去して、スライスハム商品の歩留まりの向上を図り、その製造コストを削減できるハム製品の自動包装装置を提供する。
【解決手段】原料肉塊Mを所定形状に圧縮整形する整形部1と、整形部1から送出された柱状の1次肉塊M1に含まれる空孔を除去する脱気シリンダー2と、整形された肉塊をケーシングCに充填する包装部4とを備えている。脱気シリンダー2には、テーパー筒状の脱気筒22を設ける。脱気筒22の出口側の直径寸法は、1次肉塊M1の直径寸法より小さく設定する。以て、脱気シリンダー2を通過する1次肉塊M1を脱気筒22で絞って、1次肉塊M1に含まれる空孔を押し潰し、同時に空孔内にあった空気を強制的に押し出す。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハムの原料肉塊を円柱状に整形したのちケーシングに充填して包装するハム製品の自動包装装置に関する。
この種の装置は、例えば本出願人の提案に係る特許文献1に公知である。そこでは、原料肉塊を軟化し、軟化した肉塊を円柱状に整形してケーシング内に充填する。原料肉塊を軟化する過程では、ホッパー内に投入の原料肉塊を複数個のハンマーで叩いて軟化させる。軟化された原料肉塊は、断面U字状の保形枠へ移し、保形枠に向かって押し付けられる押さえブロックと保形枠とで円柱状に圧縮整形し、その状態でケーシング内に押し込み充填して、クリップで封止する。
本発明では、圧縮整形された原料肉塊のケーシングに対する充填作業をさらに能率よく行うために、一軸回りに旋回変位できる複数個の計量シリンダーを配置しておき、各計量シリンダーに原料肉塊を次々に充填しながら、並行して計量済み肉塊をケーシングに押し込み充填するが、この種の充填装置は特許文献2に公知である。
本発明の自動包装装置においては、原料肉塊をコンベアーで圧縮整形用の保形枠に自動供給するが、このような原料肉塊の供給形態は特許文献3に公知である。本発明の自動包装装置においては、ケーシングの両端にハム原木を受け止めるエンドプレートを装填するが、この種の包装形態を採る自動包装装置も、特許文献4に公知である。
特開平6−335366号公報(段落番号0023、図1) 特公平1−38455号公報(3頁第5欄7〜44行、第2図) 特許第2876038号公報(2頁第4欄33行以下、第1図) 特開平6−276922号公報(段落番号0014、図1)
上記のように軟化処理された肉塊は、保形枠と押さえブロックとで円柱状に圧縮整形したのち、ケーシング内に充填するか(特許文献1)、あるいは保形枠と押さえブロックとで円柱状に圧縮整形した定量の肉塊をシリンダー内に押し込み充填したのち、シリンダーを充填位置まで変位させてケーシング内に充填する(特許文献2)。いずれの場合にも、保形枠に投入の肉塊を押さえブロックで一気に押さえ込んで円柱状に圧縮整形する。そのため、圧縮された肉塊は円柱の軸心方向にはみ出る以外になく、肉塊の内部で軸心方向のずり変形を生じやすい。また、整形前の肉塊の表面はでこぼこであるため、その一部が押さえブロックでむしり取られることもある。多くの場合、ずり変形した肉部分や、むしられた肉片は、押さえブロックで肉塊に押し付けられて密着するが、稀に空気を噛み込んで肉片の周辺に空孔を生じることがある。
上記のような空孔部分は、ケーシングで包装されたハム原木をスライスして、パック詰めされたスライスハム製品を製造する際に問題となる。空孔部分を含むスライスハムの不良率は3〜5%前後であるが、一日あたり大量のスライスハム製品を製造する状況下では、数%の不良率であっても、そのコストは無視できない額になる。
特許文献1の自動包装装置に、特許文献3のようなコンベアーを付加すると、原料肉塊を保形枠に自動供給して省力化できる。しかし、自動包装装置これ全体の処理能力を高めることにはならない。この種の自動包装装置においては、圧縮整形された肉塊を往復動シリンダーで包装装置に装填するが、圧縮整形処理部分のサイクルタイムが、以後の包装処理部分のサイクルタイムに比べて長くかかり、そのため後段の包装処理部分は常に前段の圧縮整形処理を待つ状態にあるのがその理由である。
特許文献2の充填装置によれば、ケーシングに充填される原料肉塊の量を一定にして、ハム原木の大きさを揃えることができる。しかし、直径寸法が異なるハム原木を製造する場合には、旋回機構と計量シリンダーとを交換装着する必要があり、そのための段取り変えに多くの時間と手間とを要する。
本発明の目的は、原料肉塊を圧縮整形する過程で発生する空孔を除去して、スライスハム商品の歩留まりの向上を図り、製造コストを削減して生産性を向上できるハム製品の自動包装装置を提供することにある。本発明の目的は、自動包装装置これ全体の処理能力を高めて、ケーシング内に充填し包装されるハム原木を能率よく製造でき、その分だけハム原木を低コストで提供できるハム製品の自動包装装置を提供することにある。本発明の目的は、直径寸法が大小に異なるハム原木を能率よくケーシング内に充填して包装できるハム製品の自動包装装置を提供することにある。
本発明の自動包装装置は、図3に示すごとく、原料肉塊Mを所定形状に圧縮整形する整形部1と、整形された肉塊をケーシングCに充填する包装部4とを備えている。整形部1と包装部4との間には、整形部1から送出される柱状の1次肉塊M1に含まれる空孔を除去するための脱気シリンダー2が設けられている。脱気シリンダー2の一部には、図1に示すごとく包装部4の側へ向かって先すぼまり状に形成される脱気筒22を設ける。かくして、脱気筒22の出口側の断面積が、1次肉塊M1の断面積より小さく設定されていることを特徴とする。
更に具体的には、脱気シリンダー2と包装部4との間に、脱気シリンダー2から送出された2次肉塊M2を計量するための計量部3が設けられている。この計量部3は、一軸回りに間欠駆動される旋回機構27と、旋回機構27に設けられて2次肉塊M2を受け入れる複数個の計量シリンダー28a・29aと、脱気シリンダー2に隣接する計量シリンダー28a・29aの入口に配置されて2次肉塊M2を切断する切断機構30と、計量シリンダー28a・29a内の3次肉塊M3をノズル31を介してケーシングC内へ送出する第2送出機構32とを含む。以て、脱気シリンダー2から計量シリンダー28a・29aへの2次肉塊M2の送り込みと、計量シリンダー28a・29aから包装部4への3次肉塊M3の送出とが並行して行えるようになっている。
前記旋回機構27には、図5に示すごとく3個の計量シリンダー28aを一組とする大径のシリンダー対28と、3個の計量シリンダー29aを一組とする小径のシリンダー対29とが設けられており、大小2種の計量シリンダー対28・29を択一的に使用することにより、包装部4へ送出される3次肉塊M3の直径寸法を大小に変更することができる。
整形部1は、図4に示すごとく断面U字状の第1整形溝11aを備えた第1整形型11と、断面凹弧状の第2整形溝12aを備えていて、第1整形型11に向かって接離操作される第2整形型12と、第1整形型11に原料肉塊Mを供給するコンベアー13と、整形部1で圧縮整形された1次肉塊M1を脱気シリンダー2へ送出する第1送出機構14とを含み、第1・第2の両整形型11・12の左右長さが、原料肉塊Mの左右長さの2倍以上に設定されており、前記コンベアー13で、2個の原料肉塊Mを第1整形型11に並列供給して、長尺の1次肉塊M1を形成することができる。
本発明においては、原料肉塊Mを所定形状に圧縮整形する整形部1と、整形された肉塊をケーシングCに充填する包装部4との間に脱気シリンダー2を配置し、脱気シリンダー2の一部に先すぼまり状の脱気筒22を設け、脱気筒22の出口側の断面積を1次肉塊M1の断面積より小さく寸法設定して、脱気シリンダー2で脱気処理した後の肉塊を包装部4へ送り込むようにした。
したがって、整形部1から押し出された1次肉塊M1は、脱気筒22を通過する間に縮径状に徐々に絞られ、1次肉塊M1に含まれる空孔が押し潰される。このとき、空孔内の空気は、空孔が押し潰されるのに伴って圧縮され、空孔を囲む周囲壁の微小隙間を伝って脱気筒22の大径端側へ押し出される。その結果、脱気筒22を通過した肉塊に含まれる空孔は完全に圧潰除去され、空孔内に入り込んでいた空気も肉塊の外へ排出される。したがって、本発明の自動包装装置によれば、空孔のないハム原木Hが得られ、これによりハム原木Hを加工して得られるスライスハム商品の歩留まりが向上し、スライスハム商品の製造コストを削減して生産性の向上を図ることができる。
脱気シリンダー2と包装部4との間に、脱気シリンダー2から送出の2次肉塊M2を計量するための計量部3を設け、計量部3に設けた複数個の計量シリンダー28a・29aで2次肉塊M2を計量する自動包装装置によれば、脱気シリンダー2から計量シリンダー28a・29aへの2次肉塊M2の送り込み動作と、計量シリンダー28a・29aから包装部4への3次肉塊M3の送り出し動作とを並行して行えるので、従来装置に比べて、処理能力を格段に高めてハム原木Hを能率よく製造でき、その分だけスライスハムの製造コストを削減化できる。計量部3で正確に計量された3次肉塊M3を包装部4においてケーシングC内に装填することにより、ハム原木Hの大きさを常に一定に揃えて、スライス工程におけるハム原木Hの自動供給を実現できる。
旋回機構27に大小2種のシリンダー対28・29を設け、これらシリンダー対28・29を択一的に使用して、包装部4へ送出される3次肉塊M3の直径寸法を大小に変更できるようにした自動包装装置によれば、旋回機構27を旋回操作して使用すべきシリンダー対28・29を選択するだけで、直径寸法が大小に異なるハム原木Hが得られるので、段取り変えに要するに手間と時間を著しく省いて、サイズが異なるハム原木Hを能率よく製造でき、その分だけハム原木Hの製造コストを削減化できる。
第1整形型11、第2整形型12、原料肉塊Mを供給するコンベアー13、および第1送出機構14などで整形部1を構成し、第1・第2の両整形型11・12の左右長さを、原料肉塊Mの左右長さの2倍以上に設定したうえで、2個の原料肉塊Mをコンベアー13で第1整形型11に並列供給できるようにした自動包装装置によれば、1個の原料肉塊Mを整形部1に断続的に供給していた従来の装置に比べて、概ね2倍の長さの1次肉塊M1を形成できる。これにより、整形部1におけるサイクルタイムと、包装部4におけるサイクルタイムとを同等化でき、包装部4の待ち時間を大幅に削減してハム原木Hをさらに能率よく製造できる。
図1ないし図7は本発明に係るハム製品の自動包装装置の実施例を示す。図2および図3において、自動包装装置は原料肉塊Mを所定形状に圧縮整形する整形部1と、整形部1に連続して設けられる脱気シリンダー2と、脱気シリンダー2に連続して設けられる計量部3と、計量部3に連続して設けられる包装部4とを含む。これらの機構1〜4は、基台5に沿って記載順に配置してある。
整形部1は、図2に示すごとく、基台1上に固定される第1整形型11と、第1整形型11に向かって上方から接離操作される第2整形型12と、第1整形型11に原料肉塊Mを供給するコンベアー13と、両整形型11・12で圧縮整形された1次肉塊M1を脱気シリンダー2へ送出する第1送出機構14を備えている。図4において第1整形型11には、上向きに開口する断面U字状の第1整形溝11aを形成してあり、第2整形型12の下面には、断面が部分円弧(凹弧状)の第2整形溝12aを形成してある。
第1整形溝11aに投入された原料肉塊Mは、第2整形型12で第1整形型11に押し付けることにより、原料肉塊Mを円柱状に圧縮整形して1次肉塊M1を形成する。第2整形型12は、基台1の上方に配置した2個のエアーシリンダー15で昇降操作される。第1送出機構14は、図3に示すごとくロッドレスシリンダー16と押し出しピストン17とを含み、先の両整形型11・12で圧縮整形された1次肉塊M1を押し出しピストン17で脱気シリンダー2へ送出する。
一般的な原料肉塊Mの左右長さは60cm前後である。これに対して、ケーシングC内に包装されるハム原木Hの長さは90〜120cm前後であって、原料肉塊Mに比べて長い。しかも、包装部4において3次肉塊M3(ハム原木H)をケーシングC内に装填包装する時間は、整形部1において1個の原料肉塊Mを圧縮整形したのち、脱気シリンダー2へ送り出し終わるのに要する時間に比べて充分に短い。そのため、整形部1を連続稼動したとしても、包装部4は断続的に休止せざるを得ず、包装装置これ全体の処理能力を高めるうえで、整形部1の処理能力の低さが解決課題となる。
このような、整形部1と包装部4との処理時間差を解消して、包装装置これ全体の処理能力を高めるために、第1・第2の両整形型11・12の左右長さを原料肉塊Mの左右長さの2倍以上に設定して、2個の原料肉塊Mを第1整形溝11aに同時供給し、長尺(130cm前後)の1次肉塊M1を圧縮整形できるようにしている。また、2個の原料肉塊Mを同時に搬送するために、コンベアー13の搬送幅を大きく寸法設定した(図3参照)。
具体的には、従来のコンベアーの搬送幅が90cm前後であったのに対し、本実施例のコンベアー13の搬送幅は130cmとし、左右長さが60cm前後の2個の原料肉塊Mを、同時に第1整形溝11aに投入できるようにした。図4において符号19は、コンベアー13で搬送されてきた原料肉塊Mを受け止めて、原料肉塊Mの投入タイミングを規定するゲート体である。ゲート体19はエアーシリンダーで、原料肉塊Mの投入を許す状態と、原料肉塊Mを一時的に受け止める状態とに開閉操作できる。
第1・第2の両整形型11・12で圧縮整形した1次肉塊M1には、ときどき空孔を含むことがある。この空孔を完全に除去してスライスハムの良品率を高めるために、第1・第2の両整形型11・12の出口に脱気シリンダー2が配置されている。
図1において脱気シリンダー2は、整形部1に接続される大径筒21と、計量部3に接続される小径筒23と、両筒21・23間に設けられて、大径筒21側から小径筒23へ向かって先すぼまりテーパー状に形成された脱気筒22とで形成されている。大径筒21の直径寸法は1次肉塊M1の直径寸法と同じに設定し、小径筒23の直径寸法は1次肉塊M1の直径寸法より小さく設定する。当然、脱気筒22の出口側の断面積は1次肉塊M1の断面積より小さくなる。
第1送出機構14で整形部1から送出されて来た1次肉塊M1は、大径筒21を介して脱気筒22へと押し込まれる。このとき、1次肉塊M1は先すぼまりテーパー状の脱気筒22で縮径状に徐々に絞られ、同時に1次肉塊M1に含まれる空孔も同様に押し潰される。多くの場合、空孔内には空気が入り込んでいるが、空孔が押し潰されるのに伴って空孔内の空気も圧縮される。
空孔を囲む肉壁に作用する圧縮圧力は、1次肉塊M1の押し込み方向の前側と後側とで差がある。そのため、空孔内で圧縮された空気は、より圧力が低い側を圧迫し、肉壁の微小隙間を伝って脱気筒22の大径端側へ押し出される。その結果、脱気筒22から小径筒23へ達した1次肉塊M1に含まれる空孔は完全に圧潰除去され、空孔内に入り込んでいた空気も1次肉塊M1の外へ排出される。このように、脱気シリンダー2からは、空孔が排除された、無孔状態の2次肉塊M2が次の計量部3へと送出されて行く。
因みに脱気筒22の長さは、1次肉塊M1の押し込み速度に応じて好適化する必要がある。例えば、1次肉塊M1の押し込み速度を一定とするとき、脱気筒22の長さが一定以下であると、脱気処理が充分に行われていない1次肉塊M1が、小径筒23内へ無理やり押し込まれるおそれがある。脱気筒22の長さが不必要に長いと、その分だけ包装装置が大形化する。このような事態を避けるために、この実施例では、脱気筒22の大径端の直径寸法を102mm、小径筒23の直径寸法を92mmとするとき、脱気筒21の軸方向長さは100mmとして、脱気筒21のテーパー角度を1次肉塊M1の押し込み速度に応じて好適化した。このときの1次肉塊M1の押し込み速度は0.5m/秒である。なお、脱気シリンダー2の軸方向長さは480mmとした。
包装部4においては、一定量の肉塊をケーシングCに充填して、ハム原木Hの大きさを一定に揃える。そのために、脱気シリンダー2と包装部4との間には、2次肉塊M2を計量するための計量部3を設けている。
図5および図6において計量部3は、一軸回りに間欠駆動される旋回機構27と、旋回機構27に設けられて一定量の2次肉塊M2を受け入れる2組のシリンダー対28・29と、脱気シリンダー2に隣接する計量シリンダー28a・29aに充填された2次肉塊M2を切断する切断機構30と、計量シリンダー28a・29aで計量された3次肉塊M3をノズル31を介してケーシングC内へ送出する第2送出機構32(図3参照)などで構成する。
旋回機構27は、基台5上に対向配置される一対の端壁35と、各端壁35に固定した一対の支軸36で回転自在に軸支される一対の旋回枠37と、旋回枠37・37間に固定される2組のシリンダー対28・29と、旋回枠37およびシリンダー対28・29を間欠駆動するギヤードモーター38と、ギヤードモーター38の回転動力を伝えるチェーン機構39とを含む。脱気シリンダー2と隣接する端壁35には、2次肉塊M2の通過を許す入口41と、第2送出機構32の押し出しピストン51用の進入口42とを通設してある。進入口42と対向する他方の端壁35には、3次肉塊M3の出口43を通設してある。この出口43の延長上にノズル31を配置し、端壁35に固定している。入口41は、図4に示すように時計の文字盤における3時の位置に開口しており、進入口42と出口43とは時計の文字盤における7時の位置に開口している。
ケーシングC内に充填包装されるハム原木Hには、呼び直径寸法が90mmと80mmとの2種がある。これらに対応して計量部3から送出される3次肉塊M3の直径寸法を変更するために、旋回機構27には2組のシリンダー対28・29が設けられている。各シリンダー対28・29は、それぞれ3個ずつの計量シリンダー28a・29aで構成してあり、図5に示すように直径寸法が大きな計量シリンダー28aと、直径寸法が小さな計量シリンダー29aとを交互に均等間隔おきに配置し、その両端を先の旋回枠37に固定している。3個の計量シリンダー28aは、時計の文字盤における3時と、11時と、7時の位置にあって、図5に向かって半時計回転方向へ120度ずつ旋回して各位置が入れ換わる。なお、使用する計量シリンダー28a・29aを切り換える際には、脱気シリンダー2、ノズル31、および後述するカッター45も同時に交換する。
図1において切断機構30は、入口41に臨むよう設けられる板状のカッター45と、カッター45を昇降操作するエアーシリンダー46とを含み、カッター45に通設した通口47が入口41に臨む状態においてのみ、2次肉塊M2を計量シリンダー28a(または29a)に押し込み装填できる。この押し込み状態において、カッター45をエアーシリンダー46で下降操作することにより2次肉塊M2を切断して、所定量の3次肉塊M3のみを計量シリンダー28a(または29a)内に収容できる。この状態では、計量シリンダー28a(または29a)の入口側の開口面が、カッター45の板面で塞がれるので、旋回枠37を問題なく回転変位できる。
第2送出機構32は、整形部1と平行に配置したロッドレスシリンダー50と押し出しピストン51などで構成してあり、図6に示すように、計量シリンダー28a(または29a)内の3次肉塊M3を、押し出しピストン51でノズル31を介してケーシングC内へ送出する。整形部1から計量部3に至る一連の作業を能率よく行うために、第2送出機構32による3次肉塊M3の押し出し操作と、第1送出機構14による2次肉塊M2の計量シリンダー28a(または29a)への装填操作とを同時に行って、一連の作業におけるロスタイムの発生を解消している。
計量部3から送出される3次肉塊M3の前後端には、ハム原木Hの端部を平坦状に保形するためのエンドプレート53を配置する。このエンドプレート53は、計量部3の両端に配置したセッター54(図3参照)で1枚ずつ自動的に供給され、図6に示すように、進入口42、および出口43に臨む状態で待機保持されている。進入口42に臨むエンドプレート53は、第2送出機構32の押し出しピストン51で受け止め保持してある。
上記の状態で、旋回機構27を反時計回転方向へ旋回操作して、3次肉塊M3の詰まった計量シリンダー28a(または29a)が7時の位置まで変位すると、3次肉塊M3の前後がエンドプレート53で挟まれる。この状態のままで、3次肉塊M3とエンドプレート53とをケーシングCに押し込み装填することにより、図7に示すような端面が平坦なハム原木Hを形成できる。このように、エンドプレート53を同時に包装したハム原木Hによれば、端部が丸められた従来のハム原木に比べて、ハム原木Hから製造できるスライスハムの量が増加し、その分だけスライスハム商品の歩留まりが向上し、製造コストを削減化できる。なお、包装部4は公知構造であるのでその説明を省略する。
次に、自動包装装置の動作の概略を説明する。原料肉塊Mは2個ずつ第1整形型11に投入されて、第1・第2の両整形型11・12で円柱状に整形される。得られた1次肉塊M1を第1送出機構14で脱気シリンダー2へ充填し、そこで脱気処理を行う。このとき脱気シリンダー2の小径筒23内に収容されていた2次肉塊M2は、入口41を介して3時の位置に待機する計量シリンダー28a(または29a)内に充填される。計量シリンダー28aの側で2次肉塊M2の充填圧を検知することにより、第1送出機構14の送り込み動作を停止し、この状態で切断機構30を作動させ、カッター45によって2次肉塊M2を切断する。
第1整形型11内の1次肉塊M1が、脱気シリンダー2側へ送出されるのを待ってゲート体19を開放し、コンベアー13を一定量だけ送り操作することにより、2個の原料肉塊を第1整形型11内に投入し、第2整形型12を操作して再び円柱状の1次肉塊M1を形成する。このとき、第1送出機構14の押し出しピストン17は、待機位置まで後退している。
入口41がカッター45の板面で塞がれるのと同時に、旋回機構27を作動させて計量シリンダー28a(または29a)の位置を入れ換え、上記と同様にして空の計量シリンダー28a(または29a)に2次肉塊M2を充填する。旋回機構27を旋回操作することにより、11時の位置にあった計量シリンダー28a(または29a)が7時の位置へ入れ換わる。
上記の状態の3次肉塊M3は、第2送出機構32でエンドプレート53とともにケーシングC内へ装填する。この後、図7に示すようにエンドプレート53の外面側においてケーシングCをクリップ56で収束して封止することにより、ハム原木Hを完成する。なお、ケーシングCは、第2送出機構32の押し込み動作に先行して、図外の装着装置でノズル31に外嵌装着される。先に説明したように、第2送出機構32の押し込み動作は、第1送出機構14の押し込み動作に連動して行われ、両送出機構14・32の押し出しピストン17・51が待機位置へ後退した状態で旋回機構27が旋回操作される。空になった計量シリンダー28a(または29a)は、旋回機構27が旋回することによって7時の位置から3時の位置へ変位して、2次肉塊M2の充填に備える。
上記の実施例以外に、脱気シリンダー2や計量シリンダー28a・29aなどは断面円形である必要はなく、たとえば隅部分が丸められた四角形状であってもよい。脱気シリンダー2は、その一部に脱気筒22を備えていればよく、例えば大径筒21を省略した形態を採ることができる。本発明は、計量部3が省略された自動包装装置にも適用でき、その場合には脱気シリンダー2と包装部4との間に切断機構30を設けて、ハム原木Hの長さを一定に揃えるとよい。
常に一定の大きさのハム原木Hを製造する場合には、計量部3に1種類のシリンダー対のみを設けることができる。シリンダー対は、少なくとも2個の計量シリンダー28a(または29a)で構成してあればよいが、必要に応じて3個以上計量シリンダー28a(または29a)で構成してもよい。
脱気シリンダーの縦断正面図である。 自動包装装置の正面図である。 自動包装装置の平面図である。 図2におけるA−A線断面図である。 図2におけるB−B線断面図である。 図5におけるD−D線断面図である。 ハム原木の正面図である。
符号の説明
1 整形部
2 脱気シリンダー
3 計量部
4 包装部
11 第1整形型
11a 第1整形溝
12 第2整形型
12a 第2整形溝
13 コンベアー
14 第1送出機構
22 脱気筒
27 旋回機構
28a・28b 計量シリンダー
30 切断機構
31 ノズル
32 第2送出機構
C ケーシング
M 原料肉塊
M1 1次肉塊
M2 2次肉塊
M3 3次肉塊

Claims (4)

  1. 原料肉塊(M)を所定形状に圧縮整形する整形部(1)と、整形された肉塊をケーシング(C)に充填する包装部(4)とを備えており、
    整形部(1)と包装部(4)との間に、整形部(1)から送出された柱状の1次肉塊(M1)に含まれる空孔を除去するための脱気シリンダー(2)が設けられており、
    脱気シリンダー(2)の一部に、包装部(4)の側へ向かって先すぼまり状に形成される脱気筒(22)が設けられており、
    脱気筒(22)の出口側の断面積が、1次肉塊(M1)の断面積より小さく設定されていることを特徴とするハム製品の自動包装装置。
  2. 脱気シリンダー(2)と包装部(4)との間に、脱気シリンダー(2)から送出された2次肉塊(M2)を計量する計量部(3)が設けられており、
    計量部(3)が、一軸回りに間欠駆動される旋回機構(27)と、旋回機構(27)に設けられて2次肉塊(M2)を受け入れる複数個の計量シリンダー(28a・29a)と、脱気シリンダー(2)に隣接する計量シリンダー(28a・29a)の入口に配置されて2次肉塊(M2)を切断する切断機構(30)と、計量シリンダー(28a・29a)内の3次肉塊(M3)をノズル(31)を介してケーシング(C)内へ送出する第2送出機構(32)とを含み、
    脱気シリンダー(2)から計量シリンダー(28a・29a)への2次肉塊(M2)の送り込みと、計量シリンダー(28a・29a)から包装部(4)への3次肉塊(M3)の送出とを並行して行うことを特徴とする請求項1記載のハム製品の自動包装装置。
  3. 旋回機構(27)に、3個の計量シリンダー(28a)を一組とする大径のシリンダー対(28)と、3個の計量シリンダー(29a)を一組とする小径のシリンダー対(29)とが設けられており、
    大小2種のシリンダー対(28・29)を択一的に使用して、包装部(4)へ送出される3次肉塊(M3)の直径寸法を大小に変更できるようにした請求項2記載のハム製品の自動包装装置。
  4. 整形部(1)が、断面U字状の第1整形溝(11a)を備えた第1整形型(11)と、断面凹弧状の第2整形溝(12a)を備えていて、第1整形型(11)に向かって接離操作される第2整形型(12)と、第1整形型(11)に原料肉塊Mを供給するコンベアー(13)と、整形部(1)で圧縮整形された1次肉塊(M1)を脱気シリンダー(2)へ送出する第1送出機構(14)とを含み、
    第1・第2の両整形型(11・12)の左右長さが、原料肉塊(M)の左右長さの2倍以上に設定されており、
    前記コンベアー(13)で、2個の原料肉塊Mを第1整形型(11)に並列供給して、長尺の1次肉塊(M1)を形成できる請求項1または2または3記載のハム製品の自動包装装置。
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