JP2006230007A - 移動体通信システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】移動通信端末2と、基地局4a、4b及び基地局制御装置3を含む移動体通信システムであって、端末は端末バッファを備え、端末バッファ情報を基地局に送信し、上り無線資源の指示に従い基地局にデータを送信し、基地局は受信信号に関する干渉量を測定し、測定した干渉量を基地局制御装置に通知し、無線資源に関する指示を行い、基地局制御装置は超過してはならに最大干渉量を指示するものである。
【選択図】図1
Description
ここで、スケジューリングモードは、基地局からワイヤレス装置にスケジューリングを通知するシグナリングが頻繁に送信される。このため、1回の送信である程度以上のデータ量がないと、シグナリング回数に比べてデータ送信の効率が悪くなってしまう。
しかしながら、上記先行技術文献は、上記従来のデータ通信方法について、主にデータ量を基準として自律モード又はスケジューリングモードに切り替える旨を開示しているが、それ以外の通信条件での切り替え処理について十分な開示がなされていない。
また、CDMA方式での上りパケット通信では、ワイヤレス装置からの送信信号の干渉が基地局におけるノイズライズの限界を超えてしまうと当該送信信号を復調することができなくなる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による移動体通信システムの構成を概略的に示す図である。移動体通信システム1は、ユーザが利用する移動通信端末2、基地局制御装置3及び基地局4a,4bから構成される。基地局制御装置3は、公衆回線網などのネットワーク側の構成と基地局4a,4bとの間に介在してこれらのパケット通信を中継する。
なお、移動体通信システム1をW−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)方式で実現する場合、移動通信端末2をUE(User Equipment)、基地局制御装置3をRNC(Radio Network Controller)、基地局4a,4bをNode−Bと呼ぶことがある。
なお、本図のチャネルはあくまで一例を示したものであり、これに限定されるものではない。また、実際のチャネルの使われ方としては、複数の制御チャネルを1本のチャネルに相乗りさせることも行われる。
また、下り方向のチャネルには、上り方向のパケット通信のために利用されるものとして、制御情報の送信用にスケジューラによる割り当て位置を通知するためのDL−SACCH(Downlink Scheduling Assignment Control Channel)、基地局4a,4bの受信の成功/失敗を通知するためのDL−ACK/NACK−CCH(Downlink Ack/Nack Control Channel)が存在する。さらに、下り方向の共通チャネルとしてFACH(Forward Access Channel)がある。
さらに、上り下りの両方の通信に設定されるチャネルとして、特定端末との通信のために個々に設定されるDPCH(Dedicated Physical channel)があり、音声やデータなどの通信や上位レイヤのシグナリングのために利用される。DPCHは、データを転送するためのDPDCH(Dedicated Physical Data channel)と制御に関するビットを転送するためのDPCCH(Dedicated Physical Control channel)とに分けて呼ばれることもある。
このため、自律モードは、シグナリングの無駄が少なく且つ送信したいときにUEが自由にデータ送信できるため遅延が少ないというメリットがある。
反対に、自律モードのデメリットとしては、任意の時間に送信できるようにデータ送信に際し生じるであろう干渉量に対して必要なノイズライズマージンを常に確保しておかなければならない点である。
一方、デメリットとしては、少なくともスケジューリングに要する通信処理とデータ本体の送信処理とからなる二往復の通信処理が必要であり、不可避的に遅延が生じるという点が挙げられる。
また、事前にUEの送信データの有無をNode−Bに通知するシグナリングを必ず行わなければならないので、シグナリング回数に対して送信データの容量が少ないときは効率が悪くなる仕組みになっている。
また、スケジューリングモードでも、基地局からデータレートが指定される場合がある。例えば、自律モードでは、基地局が端末に対してデータ送信における送信データレートを指定するが、スケジューリングモードでも、基地局が送信タイミング及び送信データレートを端末に指定し、端末からのデータ送信を制御する場合がある。
このように、端末2では、送信データバッファ内の送信データの蓄積量に関するスレッショルドを基準にして自律モードとスケジューリングモードとが切り替えられる。このスレッショルドの決定については後述する。
このため、理想的な干渉量が0の状態(ノイズライズの底)から受信信号の復調が可能な干渉の許容限界量までの範囲内に如何にノイズライズを制御するかが、容量(基地局による端末の収容数)を確保する上で重要な点となる。
このような干渉の要因としては、例えば自セル内の端末からの希望信号電力の総和で近似される自セル干渉、他の基地局のカバーエリアにいる端末からの信号が余分に届いて干渉する他セル干渉、基地局内の受信機から発生する熱雑音などがある。
従って、上りパケット通信のための無線資源を効率よく利用するには、スケジューリングモード用マージン及び自律モード用マージンを制御してノイズライズの範囲を如何に調整するかにかかっている。
詳細は後述するが、実施の形態1による基地局には、基地局制御装置3が遅延などのQoSパラメータを考慮して求めた一定範囲のマージンが、図5で示した制御可能なノイズライズマージンとして設定されている。このノイズライズマージンのうち、自律モードに起因するノイズライズに対する許容マージンをとる場合、セル内の端末1台あたりのノイズライズマージンを多く設定すればよい。
従って、図6(a)に示す場合では、セル内にスケジューリングモードで通信する端末数が多くなると、これに起因したノイズライズを許容マージン内に制御することができなくなる可能性がある。
つまり、セル内でスケジューリングモードで通信する端末数が多い場合では、自律モードに起因したノイズライズに対する端末1台あたりの許容マージンをなるべく減らす必要がある。
従って、図6(b)に示すように、自律モードに起因したノイズライズに対する端末1台あたりの許容マージンをなるべく減らすためには、自律モードに起因したノイズライズ自体を減らす、即ち低データレートとして自律モードによる通信を実行するように制御すればよい。
つまり、セル内に収容される端末数が少ない場合には、自律モードでも図6の場合と比較して高データレートでの通信を実行することが可能である。
また、自律モードでは伝送遅延が少ないという通信特性を有することを考慮して、ノイズライズを割りあてる許容マージンに余裕がある場合、遅延の要求が厳しい端末にはなるべく自律モードで通信させることが望ましい。
送信動作を説明すると、基地局4a,4b内の変調部5は、各チャネル(P−CCPCH、下りDPDCH、FACH、CPICH、DL−SACCH、DL−ACK/NACK−CCH、下りDPCCHなど)の信号に対して下りチャネライゼーションコード発生器6で発生させたチャネライゼーションコードを掛けた後、これら信号を多重化する。
変調部5にて多重化された各チャネルの信号であるベースバンド信号は、周波数変換部8に出力される。周波数変換部8は、上記ベースバンド信号を搬送波周波数まで上げて電力増幅部9に出力する。電力増幅部9では、周波数変換部8から入力した信号を内部のパワーアンプで所望の電力まで増幅する。電力増幅部9で増幅された信号は、アンテナ10を介して端末2側に送信される。
なお、パイロット信号発生部27は、タイミング管理部26より基準となるクロック信号を得ると、端末2が復調処理の基準として使用するためのパイロット信号をCPICHに設定してセル全体に送出する。
逆拡散器15は、周波数変換部12で周波数変換されたベースバンド信号に対して上りスクランブリングコード発生器13により発生させたスクランブリングコードを掛けて逆拡散処理を行い、各端末ごとの信号成分を取り出す。復調部30は、逆拡散器15から入力した逆拡散後の信号を上りチャネライゼーションコード発生器14で発生させたチャネライゼーションコードにより各チャネルの信号に分離する。
先ず、希望波電力測定部16は、逆拡散器15からの上りDPCCHのパイロット信号により希望波の電力を得る。一方、低雑音増幅部11は、アンテナ10を介して希望波とノイズが混在している全受信電力を得ている。
干渉波電力測定部17では、低雑音増幅部11、周波数変換部12及び逆拡散器15を介して入力した上記全受信電力から希望波電力測定部16で得た希望波の電力を差し引くことでノイズ成分である干渉波の電力を得る。
また、上りパケット送信管理部(通信管理部)24は、当該上りパケット通信における自セル干渉、他セル干渉及び熱雑音による干渉分(ノイズライズ)を、基地局制御装置3から取得している。
ジャミングマージンは、許容できる最大の収容能力(端末数)を示す指標であり、妨害成分電力Jに対する信号電力Sの比J/Sで定義される。セル内の収容能力(端末数)は、上記ジャミングマージンから求めることができる。
なお、上記収容能力は、ある基地局と現時点で通信対象となっている端末を除いて当該基地局のセル内にどれだけの端末数を収容することができるかを示すものである。
Eb=S/R ・・・(1)
ここで、Sは基地局が受信した移動通信端末2からの信号の電力であり、CDMAのTPCコマンドに基づく高速パワー制御機能(インナーループ)によって基地局端において均等なレベルで受信されているものと仮定する。また、W−CDMAにおいて、Sはパイロット信号の強度により得ることができ、RはTFCIなどの指示により得ることができる。
但し、N(個)は自セル内の最大端末数であり、自端末以外の端末を想定している。Siは基地局が受信した、第1番目から第(N−1)番目までの端末2からの信号の電力であり、添え字iは1から(N−1)までの正の整数である。また、Riは第1番目から第(N−1)番目までの端末2による通信データの伝送速度(bit/秒)である。
スペクトル拡散信号のスペクトル帯域をW(Hz)とし、狭帯域妨害雑音の電力をJ(W)とすると、自セル干渉、他セル干渉及び熱雑音によるノイズライズ(干渉量)である(No+Io)は、下記式で表すことができる。
No+Io=J/W ・・・(3)
SIRは、上記式(1)及び上記式(3)を用いて下記式(4)のように表すことができる。
Eb/(No+Io)=S・W/(J・R) ・・・(4)
J/S=(W/R)/{Eb/(No+Io)} ・・・(5)
対象基地局では、基地局制御装置3から通知された上記許容マージンの範囲内で通信モード切り替えによるノイズライズ制御を実行する。
このようにすることで、基地局が、自局以外の他セルの稼働状態によって自局の通信が影響を受け、上記制御を行っても受信信号における干渉量が復調可能な限界であるジャミングマージンを越えてしまうことを防ぐことができる。この処理の詳細は後述する。
J=(N−1)S ・・・(6)
(N−1)=(W/R)/{Eb/(No+Io)} ・・・(7)
また、対象端末と基地局間におけるSIRが増加する場合、例えば所要BER(bit error rate)を確保するために、基地局がより強い送信電力を対象端末に要求した場合などでも、上記式(5)からジャミングマージンが減少してしまうことがわかる。
基地局内の復号化部22は、対象端末との通信でCRC(Cyclic Redundancy Check)エラーによりブロック誤り率(BLER)をカウントし、所要のBLERが満たされなくなると品質目標比較部19の目標SIR値を上げるなどの変更設定が行われる。これをアウターループ電力制御と呼ぶ。
TPC生成部20では、上記比較結果から受信信号における希望信号の電力が目標信号より弱いと判断された場合、インナーループと呼ばれるTPC(Transmission Power Command)として送信電力を上げる旨の指示を下りDPCCHに設定して変調部5に出力する。
TPC生成部20からの下りDPCCHの信号は、上述のようにして、変調部5、周波数変換部8、電力増幅部9及びアンテナ10を介して端末2へ送信されることとなる。
先ず、自律モードの動作について説明する。
自律モードの動作において、基地局4a,4bは、事前にDL−SACCH又は同様の下りシグナリングのチャネルを使って端末2に送信許容マージンを送信する。送信許容マージンは、端末2が自律モードで上りパケット通信してきた信号を基地局にて復調するために必要な通信条件を規定する情報である。例えば、許容される最大のデータレートなどがある。
このあと、端末2からの信号を受信すると、上述した受信側の動作に従って、復調部30が、当該受信信号を各チャネルの信号に分離する。
TFRI受信部21は、UL−TFRI−CCHの信号からEUDTCHの復調パラメータを取り出し、復調部30及び復号化部22に設定する。復調部30は、EUDTCHの復調パラメータを用いてEUDTCHにおける端末2からのデータ本体を復調して復号化部22に出力する。復号化部22では、EUDTCHの復調パラメータを用いてEUDTCHにおける端末2からのデータ本体を復号化する。
ここで、正しく受信できていた場合、応答信号発生部23は、受信成功を通知するACKを発生してDL−ACK/NACK−CCHに設定し、上述の送信動作に従って端末2へ通知される。反対に、端末2からのデータに誤りがある場合、応答信号発生部23は、受信失敗を通知するNACKを発生して、同様に端末2へ通知する。
スケジューリングモードの動作において、送信バッファ量受信部31は、復調部30からUL−SICHの信号を受信して、スケジューリングモードの端末2における送信データに関する情報を取得し、上りパケット送信管理部24に通知する。
上りパケット送信管理部24が決定したパケットの送信タイミングは、送信レート/タイミング指定情報送信部25に通知される。送信レート/タイミング指定情報送信部25では、送信を許可するサブフレームや送信レートをDL−SACCHに設定し、上述した送信動作に従って上記端末2へ送信する。
このあと、上記端末2からの信号を受信すると、上述した受信側の動作に従って、復調部30が受信信号を各チャネルの信号に分離する。
次に、TFRI受信部21は、UL−TFRI−CCHの信号からEUDTCHの復調パラメータを取り出し、復調部30及び復号化部22に設定する。復調部30は、EUDTCHの復調パラメータを用いてEUDTCHにおける端末2からのデータ本体を復調して復号化部22に出力する。復号化部22では、EUDTCHの復調パラメータを用いてEUDTCHにおける端末2からのデータ本体を復号化する。
先ず、自セル内の端末2に対して上記スレッショルドの変更を一斉に通知(シグナリング)する場合、その変更は基地局内の上りパケット送信管理部24が自セル内のトラフィック状況などを考慮して判断し、その旨を基地局制御装置3に通知する。
基地局内の報知情報送信部28では、基地局制御装置3側から上記スレッショルドに関する情報を挿入した報知情報の一式を受信し、当該報知情報をP−CCPCH(BCH)に設定して、上述した送信動作に従って端末2に送信する。なお、上記報知情報は、希に他のチャネルに設定されることもある。
基地局制御装置3では、当該通知を発した基地局以外の他の基地局の稼働状況なども考慮して上記スレッショルドに関する情報(スレッショルドをどの値に変更するかなどの情報)を生成し、メッセージとして個別チャネルに設定して当該基地局に送信する。
また、端末2との通信において個別チャネルが解放されている場合、上記スレッショルドに関する情報を共通チャネルに設定してもよい。
基地局内の下り共通チャネル送信部34は、共通チャネルから上記スレッショルドに関するメッセージを得ると当該メッセージをFACHに設定して、上述した送信動作に従って上記スレッショルドを変更すべき端末2に送信する。これに対する応答メッセージがある場合は、上り共通チャネル受信部33にて受信する。
この場合、上述したスレッショルド変更のためのシグナリング動作において、スレッショルドに関する情報ではなく、端末2に設定すべき送信モードを特定する情報が端末2に送信されることとなる。この処理の詳細については後述する。
送信動作を説明すると、変調部35は、各チャネル(UL−SICCH、UL−TFRI−CCH、FACH、上りDPCHなど)の信号に対して上りチャネライゼーションコード発生器36で発生させたチャネライゼーションコードを掛けた後、これら信号を多重化する。次に、変調部35は、各チャネルの信号を多重化した信号に対して上りスクランブリングコード発生器37で発生させたスクランブリングコードを掛けてスペクトラム拡散処理を行う。
電力増幅部39では、周波数変換部38から入力した信号を内部のパワーアンプで所望の電力まで増幅する。電力増幅部39で増幅された信号は、アンテナ40を介して基地局4a,4b側に送信される。
逆拡散復調部46は、周波数変換部42で周波数変換されたベースバンド信号に下りスクランブリングコード発生器45により発生させたスクランブリングコードを掛けて逆拡散処理を行い、下りチャネライゼーションコード発生器44で発生させたチャネライゼーションコードにより各チャネルの信号に分離する。
また、逆拡散復調部46が分離した各チャネルの信号のうちCPICHの信号は、共通パイロット信号受信部47に受信される。
先ず、自律モードの動作を説明する。
自律モードの動作において、移動通信端末2内の送信許可情報受信部49は、事前にDL−SACCH又は同様の下りシグナリングのチャネルを使って基地局から送信許容マージンを受信する。この送信許容マージンは、送信許可情報受信部49から上りパケット送信管理部51に通知される。なお、自律モードにおいて送信タイミングは任意である。
このあと、ユーザが移動通信端末2から基地局に送信するデータを設定すると、当該送信データは、上りパケット通信用送信データバッファ58に蓄積される。
TFRI送信処理部53は、UL−TFRI−CCHに当該TFRIを設定して前述した送信動作に従って基地局に送信する。これにより、当該送信動作は、基地局から指定された上記送信許容マージンの範囲内にノイズライズが抑えられるよう制御される。
基地局では、移動通信端末2からの上記パケットデータを受信すると、これに対応する応答信号をDL−ACK/NACK−CCHに設定して送信する。移動通信端末2内の応答信号受信部57は、前述した受信動作に従って受信した上記DL−ACK/NACK−CCHからACK/NACKの判断をする。
スケジューリングモードの動作において、ユーザが移動通信端末2から基地局に送信するデータを設定すると、当該送信データは、上りパケット通信用送信データバッファ58に蓄積される。
このあと、上りパケット送信管理部51からの指示を受けたバッファ状態送信部55は、基地局に送信するデータのデータ量や端末2の送信電力のマージン等をUL−SICCHに設定して、前述した送信動作に従って基地局に送信する。
上りパケット送信管理部51では、送信データ量に見合ったTFRIを指定してTFRI送信処理部53に通知する。TFRI送信処理部53は、UL−TFRI−CCHにTFRIを設定して、前述した送信動作に従って基地局に送信する。
基地局では、移動通信端末2からの上記パケットデータを受信すると、これに対応する応答信号をDL−ACK/NACK−CCHに設定して送信する。移動通信端末2内の応答信号受信部57は、前述した受信動作に従って受信した上記DL−ACK/NACK−CCHからACK/NACKの判断をする。
一方、NACKと判断された場合、上り送信パケット管理部51は、NACKと判断されたパケットのデータを再送する処理に移行する。
ここで、EUDTCH送信処理部52が、上記再送時に必要によってインクリメンタルリダンダンシー等の冗長性を持つデータを再送する。
先ず、上りパケット送信管理部51は、スレッショルド変更部50から与えられたスレッショルドと上りパケット通信用送信データバッファ58に滞留するデータ量とを比較する。
送信モード切替部54による送信モードの切り替えが完了した場合、バッファ状態送信部55は、送信モードの切り替えが完了した旨の情報をUL−SICCHに設定して、前述した送信動作に従って基地局に送信する。
これにより、上り個別チャネル送信部60が、送信モードを切り替えた旨の情報をメッセージとして上りDPCHに設定して基地局に送信するようにしてもよい。このように、移動通信端末2は、何らかのチャネルを用いて基地局に対して送信モードの切り替えを通知する。
先ず、基地局から端末2に一斉にスレッショルドの変更を通知する場合、基地局から移動通信端末2への報知情報(BCH)中にスレッショルドに関する情報が挿入される。
このとき、プロトコル処理部56は、上記報知情報が上りパケット通信用送信データバッファ58の上記スレッショルドを変更する指示であると解釈すると、当該指示により変更されるべきスレッショルドをスレッショルド変更部50に設定する。
このあと、スレッショルド変更部50は、変更されたスレッショルドを上りパケット送信管理部51に通知する。これにより、この移動通信端末2では、変更後のスレッショルドを基準として送信モードが切り替えられることになる。
この場合、利用するチャネルとしては、個別チャネルと共通チャネルの2つが考えられる。
先ず、個別チャネルを利用したスレッショルド変更を説明する。
基地局内の下り個別チャネル送信部29から送信された上記スレッショルドに関するメッセージが設定された個別チャネル(下りDPCH)は、端末2内の下り個別チャネル受信部63に受信され、プロトコル処理部56に通知される。プロトコル処理部56は、当該個別チャネルの内容を解釈する。
さらに、上り個別チャネル送信部60が、送信モードを切り替えた旨の情報をメッセージとして上りDPCHに設定して基地局に送信する。
共通チャネルは、個別チャネルが解放されており、個々の端末2ごとに上記スレッショルドを指定する場合などに利用される。特に、個別チャネルは低消費電力等のために一時的に解放される場合があり、このような場合に共通チャネルが利用される。
このとき、プロトコル処理部56が、上記共通チャネルに設定されたメッセージが上記スレッショルドを変更する指示と解釈すると、当該メッセージにより変更されるべきスレッショルドをスレッショルド変更部50に設定する。このあと、スレッショルド変更部50は、変更されたスレッショルドを上りパケット送信管理部51に通知する。
さらに、上り共通チャネル送信部59が、送信モードを切り替えた旨の情報をメッセージとしてRACHに設定して基地局に送信する。
物理レイヤシグナリングは、個々の端末2ごとに上記スレッショルドを指定する場合などに利用され、上述した場合より高速に指定することができる。
プロトコル処理部56では、上記情報が上記スレッショルドを変更する指示であると解釈した場合、上記情報により変更されるべきスレッショルドをスレッショルド変更部50に設定する。このあと、スレッショルド変更部50は、上記情報により変更されたスレッショルドを上りパケット送信管理部51に通知する。
しかしながら、この構成では、基地局制御装置と基地局との間での通信遅延によって、基地局と端末間での通信品質が制限されてしまうという不可避的な問題があった。
つまり、上記許容マージンは、対象セル以外の稼働状態や遅延などのQoSパラメータによる要求から考慮すべき干渉分だけ、ジャミングマージンより許容できる干渉量範囲が狭い。
これによって、基地局は、基地局制御装置から通知される通信条件に完全に依存することなく、端末との間における通信のQoSに応じた通信条件を迅速に決定することができ、通信負荷の変動に伴うノイズライズの変動に応じた効率的なデータ通信が可能となる。
上述したように、移動通信端末2内の送信データバッファにおける通信モード切り替えのスレッショルドを上回る送信データが溜まるとスケジューリングモードにし、下回る場合は自律モードに切り替わる。以降では、このスレッショルドを変更するためのシグナリングを実行する3つの方法を説明する。
この方法は、現在の自セル内におけるスケジューリングモードの取り扱い端末数、自律モードの取り扱い端末数、これらの稼動状況や個別チャネルの稼動状況に応じてスレッショルドを変更することで、自セル内のノイズライズの分配を適切な量に調節することができる。
また、このとき、移動通信端末2の送信データバッファの上記スレッショルドが、バッファ内の送信データに対して図14(a)に示す関係にあるものとする。
このため、端末2と基地局との間で個別チャネルによるデータ送信の頻度が増加すると、基地局制御装置3は、個別チャネルによるデータ送信に要する許容マージンを増加させるよう基地局に指示する。
この場合、送信データバッファに対して、図14(a)に示すような比較的小さな値の送信モード切り替えスレッショルドが設定されていると、自律モードでの許容マージンを越えるデータ送信が実行される可能性がある。
そこで、図13(b)に示すようなノイズライズマージンの分配構成となった場合、第図14(b)に示すように、第1の方法における報知情報にてセル内に収容された端末2の送信データバッファのスレッショルドの値を一斉に下げることで、データ量の多いデータ送信を実行しようとする端末2を自律モードからスケジューリングモードに変更させる。
なお、あまり一度にスレッショルドを下げすぎると自律モードとスケジューリングモードの端末数のバランスを崩してしまうためスレッショルドは徐々に下げていくのが望ましい。
このあと、無線資源管理部66は、上記判断結果のスレッショルド値を含む上記スレッショルドの変更に関する情報を上記基地局に報知指示する(ステップST10)。
当該報知情報を受信した端末2は、図11を用いて説明した動作と同様にして、報知情報から送信モード切り替えスレッショルドの値を読み出し上記スレッショルドを変更する(ステップST12)。
次に、無線資源管理部66は、上記基地局以外の他の基地局の現時点における稼動状態に応じたノイズライズに対する許容マージンを概算する(ステップST2a)。例えば、周辺基地局における端末数が多い場合、ハンドオーバが実行される領域を端末2が移動してくる可能性がある。この場合、無線資源管理部66は、ハンドオーバに起因するノイズライズを考慮したマージンを概算する。
つまり、上記許容マージンから周辺基地局の稼働状態などを考慮したマージンを差し引いたマージンを、基地局に設定すべき新たな許容マージンとする。
基地局は、自セル内の各端末2から送信データバッファの送信データ量が報告されている。さらに、基地局制御装置3は、基地局から上記送信データ量の通知を受ける。基地局制御装置3内の無線資源管理部66は、基地局から通知される端末2の送信データ量について所定の期間における平均値を事前に算出しておく。
ステップST5aにおいて自律モードの端末数が多すぎると判定すると、無線資源管理部66は、現時点で端末2に設定されている切り替えスレッショルドの値を下げる(ステップST6a)。自律モードの端末2に割り当てるノイズライズマージンは、基地局における自律モードのノイズライズ枠内に端末数に応じて分配される。
このため、各端末2に割り当てるノイズライズマージンが減ると、送信データ量に見合うデータレートで送信を実行すると復調可能な範囲のノイズライズを越えてしまう端末2が発生することとなる。このように復調可能な範囲の許容マージンが与えられる端末数を越える状態を、セル内での自律モードの端末数が多い状態と規定している。
この場合、スレッショルド値を上げてセル内での自律モードの端末数を増加させてやれば、各端末2に割り当てたノイズライズマージンを有効に利用することができる。
なお、ステップST6a及びステップST8aにおいて、一度に行うスレッショルド値の上げ下げの幅が大きすぎると、必要以上の端末2が送信モードを切り替えてしまう可能性がある。
そこで、一度に行うスレッショルド値の上げ下げの幅はセル内での自律モードの端末数などを考慮した一定値に抑えて、上記スレッショルドの値は徐々に変えていくことが望ましい。
W−CDMA方式では、4つのQoSクラス(会話型クラス、ストリーミングクラス、インタラクティブクラス、バックグランドクラス)が規定されている。例えば、これらQoSクラスについての通信遅延の許容度を基にしてセル内の端末2を以下に示す3つのグループに分けることとする。
基地局からスレッショルドを変更すべき旨の通知を受信した基地局制御装置3内の無線資源管理部66は、QoSパラメータマッピング部64に保持されているグループ分け結果に基づいて上記スレッショルドを変更すべき端末2がどのグループに属するかを判定する。
このようにすることで、例えば遅延を最も許容しない第1のグループにおいては、遅延が最も生じない自律モードとなるようにモード切り替えが行われることになる。
また、遅延が許容される第2のグループ及び第3のグループについては、スケジューリングモードに切り替えが行われるように、第1のグループと比較して低いスレッショルドが設定される。
さらに、セル内の端末2がほとんど第1のグループに属する場合は、端末2が扱うデータが遅延をどの程度許容するかを示す遅延量に基づいて、さらに細分化したグループ分けを行うようにしてもよい。
この方法では、送信モードの切り替えスレッショルドの変更情報を個別チャネルや共通チャネルなどのレイヤ3メッセージに設定することで、個々の端末に最も適切な送信モードに切り替えることができる。
このとき、移動通信端末2の送信データバッファの上記スレッショルドが、バッファ内の送信データに対して図18(a)に示す関係にあるものとする。
このため、端末2と基地局との間で個別チャネルによるデータ送信の頻度が増加すると、基地局制御装置3は、個別チャネルによるデータ送信に要する許容マージンを増加させるよう基地局に指示する。
これにより、図17(b)に示すように、基地局におけるノイズライズマージンのうち、自律モードに起因したノイズライズに対する許容マージンが、個別チャネルによる許容マージンを増加させた分だけ減少することになる。
つまり、図18(a)に示すようなスレッショルドのままでは、基地局にデータ量の多い送信を実行しようとする端末2については、当該データ送信によるノイズライズを許容できなくなる。
反対に、遅延を許容できるデータを扱う端末2に対しては、図18(c)に示すように、送信データバッファのスレッショルド値の下げ幅を大きくして、図18(b)の場合よりもスレッショルドを低下させる。
このようにすることで、遅延を許容しないデータを扱う端末2は、遅延が生じにくい通信特性を有する自律モードを維持し、遅延を許容できるデータを扱う端末2のみを自律モードからスケジューリングモードに誘導される。
なお、あまり一度にスレッショルドを下げすぎると自律モードとスケジューリングモードの端末数のバランスを崩してしまうためスレッショルドは徐々に下げていくのが望ましい。
次に、基地局制御装置3内の無線資源管理部66は、周辺基地局の稼動状況(例えば、周辺基地局のセル内における収容端末数なども含む)を取得する(ステップST4b)。
このあと、無線資源管理部66は、上記判断結果のスレッショルド値を含む上記スレッショルドの変更に関する情報をレイヤ3メッセージとして上記基地局に送信する(ステップST10b)。
このあと、当該端末2内の上り個別チャネル送信部60が、切り替えスレッショルドの値を変更した旨の情報をメッセージとして上りDPCH又はRACHに設定して基地局に送信する(ステップST13b)。当該メッセージを受けた基地局は、上記変更が完了した旨を基地局制御装置3に通知する(ステップST14b)。
先ず、基地局内の上りパケット送信管理部24は、自セル内の端末2から報告される送信データバッファのデータ量と、上記端末2に設定した上記スレッショルド値とを比較して、上記スレッショルド値を変更すべきか否かを判断する。これにより、上記スレッショルド値を変更すべきと判断されると、基地局は、上述した送信動作に従って基地局制御装置3にその旨を通知する。
次に、無線資源管理部66は、上記基地局以外の他の基地局の現時点における稼動状態に応じたノイズライズに対する許容マージンを概算する(ステップST2c)。例えば、周辺基地局における端末数が多い場合、ハンドオーバが実行される領域を端末2が移動してくる可能性がある。この場合、無線資源管理部66は、ハンドオーバに起因するノイズライズを考慮したマージンを概算する。
つまり、上記許容マージンから周辺基地局の稼働状態などを考慮したマージンを差し引いたマージンを、基地局に設定すべき新たな許容マージンとする。
端末2は、基地局との間でスケジューリングモードでデータ送信する際、自己が希望する送信データレートを当該基地局に通知する。基地局内の上りパケット送信管理部24は、当該端末2から希望された送信データレートと共に、そのデータ通信のスケジュールを管理する。
無線資源管理部66では、自セル内でスケジューリングモードで動作する端末2の送信データレートに応じたノイズライズを概算すると共に、当該ノイズライズに応じた許容マージンを求めて、スケジューリングモードについての許容マージンを調整する。
このあと、無線資源管理部66は、上述のようにして調整したスケジューリングモードについての許容マージンを用いて、ステップST4cで求めた自律モードの許容マージンを調整する。
基地局は、自セル内の各端末2から送信データバッファ内の送信データ量を報告されている。さらに、基地局制御装置3は、基地局から上記送信データ量の通知を受ける。基地局制御装置3内の無線資源管理部66は、基地局から通知される端末2の送信データ量について所定の期間における平均値を事前に算出しておく。
ここで、例えば自律モードのノイズライズ枠を越えて復調不可能なデータ送信を行う端末数が全端末数に対して所定割合を超える場合を自律モードの端末数が多すぎる状態とし、反対に所定割合以下となる場合を自律モードの端末数が少なすぎる状態とし、これら以外の場合を自律モードの端末数が適切な状態であるものと定義しておく。
ここで、無線資源管理部66によって自律モードの端末数が多すぎると判定されると、基地局制御装置3内のQoSパラメータマッピング部64は、自律モードの端末2の中で遅延を許容するものを探索する(ステップST7c)。
セル内での自律モードの端末数が多い状態とは、上述したように自律モードでのノイズライズに対して復調可能な範囲の許容マージンを与えられる端末数を越える状態を、セル内での自律モードの端末数が多い状態と規定している。
ここで、無線資源管理部66は、遅延を許容しないQoSクラスに属する端末2のうち、QoSパラメータでの遅延量が大きい(遅延許容が緩い)ものほど、その切り替えスレッショルドの下げ幅を大きくする。例えば、切り替えスレッショルドの下げ幅について自律モードの端末2のセル内における混雑の度合に応じた係数kを設ける。
遅延量20msの端末2の下げ幅は、k・20/(20+80)=1/5=20%となる。
遅延量80msの端末2の下げ幅は、k・80/(20+80)=4/5=80%となる。
また、ステップST6cにおいて自律モードの端末数が適切であると判定すると、無線資源管理部66は、現在の切り替えスレッショルド値を維持する(ステップST8c)。
ここで、自律モードの端末数が少なすぎる状態とは、送信データ量に見合うデータレートでデータ送信を実行しても、各端末2に割り当てられたノイズライズマージンに対して必要以上の余裕が生じてしまう状態である。
この場合、スレッショルド値を上げてセル内での自律モードの端末数を増加させてやれば、各端末2に割り当てたノイズライズマージンを有効に利用することができる。
このように、無線資源管理部66は、送信データレート、自律モードの端末数、スケジューリングモードのノイズライズ枠、及び、許容すべき遅延量に基づいて、切り替えスレッショルドの変更幅を決定する。
このあと、図19のステップST12bからステップST14bまでの処理にて、移動通信端末2が、自己の送信データバッファにおける切り替えスレッショルドの値を変更する。
なお、第1の方法及び第2の方法において、基地局制御装置3内の無線資源管理部66が、通信モード切り替えスレッショルドを決定する構成を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、基地局制御装置3からQoS情報などを基地局が得て、基地局内の上りパケット通信管理部24が、通信モード切り替えスレッショルドを決定するよう構成してもよい。
この場合、基地局制御装置3から通知されたスレッショルド値を変更する基地局側の構成としては、上りパケット通信管理部24が考えられる。
この方法では、物理レイヤシグナリング(L1シグナリング)を用いて送信モードの切り替えスレッショルドの変更情報を個別の端末に送信することで、個々の端末に最も適切な送信モードに切り替えることができる。また、第3の方法では、第2の方法より高速な物理レイヤシグナリングを利用するため、パケットのトラフィック変動に追従した切り替えスレッショルド変更が可能である。
例えば、新しいチャネル及びそのスロットフォーマットを導入して物理レイヤシグナリングを実行する。ここで、スロットフォーマットとは、伝送パケットデータの1スロット当たりのビットの割り付け方を規定するものである。
つまり、物理レイヤシグナリングによる切り替えスレッショルドの変更では、スロットフォーマットにて伝送パケットデータ中における切り替えスレッショルドの変更情報の設定ビットを定義する。
また、この他に、パンクチャリングによる方法がある。これは、現在使用している個別チャネル(DPCH)に設定されるデータのある部分を削ってその部分に切り替えスレッショルド値を指定する情報を挿入するものである。元のデータに強力な誤り訂正機能を持たせておき、元のデータからのある程度の誤差を修正することが可能な場合に実現することができる。
なお、この方法では、元のデータについてのビット誤り率が増加してしまうため、切り替えスレッショルド値を設定するビット数をあまり多くとることができない。
ここで、基地局における上記ノイズライズマージンは、上述したジャミングマージンに対して他セルの稼働状態やQoSから考慮すべき干渉に対するマージンをさらに持たせた許容マージンである。
一般に、パケット通信においては間欠的な送信となりやすい。つまり、何か大きいデータをアップロードする際、通信負荷は大きくなるが、その送信が止むと上記負荷は減ることが多い。
例えば、スケジューリングモードの端末2のパケット通信の頻度が増える(活発になってくる)と、図21(b)に示すように、基地局の許容マージンのうち、スケジューリングモード用のマージンをより多く分配しなければならず、その分自律モード用マージンが削減される。
ここで、高速に変動する各送信モードのトラフィックに追従して、上記のような送信モードの切り替えを実行するには、切り替えスレッショルドをなるべく速く変化させる必要がある。そこで、第3の方法では、レイヤ3メッセージより高速な物理レイヤシグナリングを利用する。
基地局に通知される許容マージンとは、図5で制御可能なマージンとされたスケジューリングモード用のマージンと自律モード用のマージン、及び、自セル干渉や他セル干渉などからなる図5で非制御とされたマージンが分配されたものである。
次に、基地局内の上りパケット送信管理部24は、自セル内の端末2からスケジューリングモードでのデータ送信における送信データレートの希望を受け付ける(ステップST2d)。
このあと、上りパケット送信管理部24は、基地局制御装置3から割り当てられた許容マージンに対してスケジューリングモードのトラフィックにおける負荷状況が適切が否かを判断し、この判断結果に応じて各送信モードが切り替えられるように切り替えスレッショルドを決定する(ステップST3d)。この処理については図23を用いて詳細に後述する。
このため、基地局は、端末2に切り替えスレッショルドの変更指示が確実に受信されるように、複数回連続してL1レイヤコマンドを送る(ステップST5d)。
先ず、基地局内の上りパケット送信管理部24は、自セル内でスケジューリングモードによるデータ送信がスケジュールリングされている状況を調べる(ステップST1e)。
次に、上りパケット送信管理部24は、ステップST1eで調べたスケジューリング状況に基づいて、基地局制御装置3から割り当てられた許容マージンに対してスケジューリングモードのトラフィックの負荷が適切か否かを判定する(ステップST2e)。
上りパケット送信管理部24は、例えば自セル内でスケジューリングモードの端末数やそのデータ通信において送信されるべきデータ量が多く、当該スケジューリングモードでのデータ送信についてのQoSにより指定された通信条件(遅延要求など)を満たさなくなる場合を、スケジューリングモードのトラフィックの負荷が多すぎる状態と判断する。
スケジューリングモードでは、上りパケット送信管理部24に割り当てられた無線資源しか利用されず、割り当てを繰り返せば制限無くスケジューリングモードでの端末2を設定してゆくことができる。
そこで、上記判定方法は、スケジューリングモードの端末2が扱うデータについてどの程度遅延が許容されるかに応じてスケジューリングモードのトラフィックの負荷が適切か否かを判定するものである。
そして、このノイズライズに応じた自律モードの許容マージンを設定した場合に、現時点でスケジューリングモード用の許容マージンを削減しなければならない状態を、スケジューリングモードのトラフィックの負荷が多すぎる状態と判断する。
なお、上記両判定方法において、上述したスケジューリングモードのトラフィックの負荷が多い場合及び少ない場合以外の状態をトラフィックの負荷が適切な状態と判断することとする。
ステップST2eにおいてトラフィックの負荷が多い状態であると判定すると、上りパケット送信管理部24は、自セル内で自律モードでの送信頻度が多い端末2を探索する(ステップST3e)。例えば、自律モードでの許容データレートの事前通知を行った回数が所定値を越える端末2を自律モードでの送信頻度が多いものと判定する。
基地局内の上りパケット送信管理部24は、上記端末2からの送信モード切り替え応答によって、当該端末2がスケジューリングモードに切り替わった否かを判定する(ステップST6e)。
このとき、スケジューリングモードに切り替わったと判定すると、上りパケット送信管理部24は、新たなスケジューリングモードに対するノイズライズを概算し、基地局制御装置3から設定された許容マージンの範囲内でスケジューリングモードのノイズライズマージン(ノイズライズ枠)を増加させる(ステップST7e)。
ステップST9eにおいて、スケジューリングモードでの送信頻度が少ない端末2、若しくは、遅延を許容できないデータを扱う端末2が抽出された場合、上りパケット送信管理部24は、当該端末2についての切り替えスレッショルド値を上げて、図22のステップST4dの処理に移行する(ステップST10e)。
上りパケット送信管理部24は、上記端末2からの送信モード切り替え応答によって、当該端末2が自律モードに切り替わったか否かを判定する(ステップST11e)。
このとき、自律モードに切り替わったと判定すると、上りパケット送信管理部24は、新たな自律モードに対するノイズライズを概算し、基地局制御装置3から設定された許容マージンの範囲内で自律モードのノイズライズマージン(ノイズライズ枠)を増加させる(ステップST12e)。
なお、上述した第3の方法では、基地局内の上りパケット送信管理部24が、通信モード切り替えスレッショルドを決定する構成を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
この場合、通信モード切り替えスレッショルド値を指定する情報が、基地局制御装置3から基地局に通知され、基地局から第3の方法にて端末2に通知されることになる。
例えば、基地局制御装置3を含めた基地局側の構成が、端末2の切り替えスレッショルド値に基づいて切り替えるべき送信モードを決定し、端末2は基地局側からの指示に従って送信モードを切り替えるようにしても良い。
先ず、図24に示すフローチャートを用いて、基地局側が切り替えるべき送信モードを決定し、端末2が基地局側からの指示に従って送信モードを切り替える構成に対して第1の方法を適用した場合における動作を詳細に説明する。
基地局内の上りパケット送信管理部24では、基地局制御装置3から通知された上記スレッショルド値と、自セル内の各端末2から事前に通知されている送信データ量とを比較して、当該端末2に設定すべき送信モードを決定する(ステップST9a)。
ステップST9aにて送信モードを決定すると、上りパケット送信管理部24は、報知情報送信部28に指示して、報知情報を用いて各端末2に対して当該送信モードに切り替える旨のシグナリングを実行する(ステップST10a)。
具体的には、図15におけるステップST11の処理において、変更後の切り替えスレッショルド値を含む情報ではなく、基地局側で決定した送信モードを指定する情報が送信されることになる。
このため、端末2が基地局側から指定されたスレッショルド値に応じて送信モードを切り替えた際に必要であった、端末2が切り替えた送信モードを基地局に通知する応答シグナリングを省略することができる。
基地局内の上りパケット送信管理部24は、基地局制御装置3から通知された上記スレッショルド値と、送信モードの切り替え対象の端末2から事前に通知されている送信データ量とを比較して、当該端末2に設定すべき送信モードを決定する(ステップST12c)。
ステップST12cにて送信モードを決定すると、上りパケット送信管理部24は、下り個別チャネル送信部29又は下り共通チャネル送信部34に指示して、個別チャネル又は共通チャネルを用いて上記対象端末2に対して当該送信モードに切り替える旨のシグナリングを実行する(ステップST13a)。
このため、端末2が基地局側から指定されたスレッショルド値に応じて送信モードを切り替えた際に必要であった、端末2が切り替えた送信モードを基地局に通知する応答シグナリングを省略することができる。
例えば、基地局制御装置3からQoS情報などを基地局が得て、基地局内の上りパケット通信管理部24が、通信モード切り替えスレッショルドを決定するよう構成してもよい。
このようにすることで、通信モード切り替えスレッショルドの決定処理において、基地局制御装置3が介在する処理を減らすことができ、基地局と基地局制御装置3との間のシグナリング回数の増加を抑制することができる。
つまり、基地局及び基地局制御装置3が共同して上記スレッショルド値を決定する構成も本発明に含まれる。この場合、基地局制御装置3から通知されたスレッショルド値を変更する基地局側の構成としては、上りパケット通信管理部24が考えられる。
次に、上りパケット送信管理部24は、ステップST5e−1で決定したスレッショルド値と、ステップST4eにて探索された端末2から事前に通知されている送信データ量とを比較して、当該端末2に設定すべき送信モードを決定する(ステップST5e−2)。
以降のステップST6eからステップST8eまでの処理は、図23と同様であるので説明を省略する。
また、ステップST9eにおいて、スケジューリングモードでの送信頻度が少ない端末2若しくは遅延を許容できないデータを扱う端末2が抽出された場合、上りパケット送信管理部24は、当該端末2についての切り替えスレッショルド値を上げる(ステップST10e−1)。
続いて、上りパケット送信管理部24は、当該端末2に設定すべき送信モードを指定する情報を、前述したL1シグナリングとして図22のステップST4dの処理に移行する(ステップST10e−3)。
移行のステップST11eからステップST13eまでの処理は、図23と同様であるので説明を省略する。
例えば、基地局制御装置3内の無線資源管理部66が、自己が把握するQoS情報や基地局から得た現時点のトラフィック状況に基づいて、通信モード切り替えスレッショルドを決定するよう構成してもよい。
この場合、通信モード切り替えスレッショルド値を指定する情報が、基地局制御装置3から基地局に通知され、基地局から第3の方法にて端末2に通知されることになる。
例えば、基地局制御装置3内の無線資源管理部66が、自己が把握するQoS情報や、基地局を介して端末2が実行しようとするデータ通信の送信データ量などを取得して、当該端末2に設定すべき送信モードを決定するよう構成してもよい。
この場合、図15におけるステップST10及びステップST11、図19におけるステップST10b及びステップST11bの処理において、変更後の切り替えスレッショルド値を含む情報ではなく、基地局側で決定した送信モードを指定する情報が送信されることになる。
また、無線資源管理部66が決定した送信モードは、基地局制御装置3から基地局に通知されたあと、基地局が上記各方法にて端末2に通知することとなる。
また、個々の端末2に対して切り替えスレッショルドを設定する場合、その端末2が扱うデータのQoSを考慮して各送信モードの振り分けを可能にし、個々の端末のデータ送信のニーズを反映した効率的な無線資源の利用が可能となる。
ここで、端末2から基地局に対する送信バッファ情報のシグナリングは、端末2が扱うデータの遅延許容度に応じてその頻度を変えないと、送信モードを切り替えたとしても遅延要求を満たさなくなる可能性がある。
例えば、基地局に到着する端末2からの送信バッファ情報のシグナリング頻度が少ないと、基地局側の構成が、端末2の現時点での送信データバッファの状態を把握するのが遅れてしまう。
この場合、端末2をスケジューリングモード又は自律モードに切り替える処理が遅れ、ひいては、当該端末2のデータ通信における遅延要求を満たせなくなる可能性がある。
例えば、端末2から基地局に対して予め定めた周期で上記シグナリングを実行する場合、遅延要求が厳しいデータ通信を行う端末2については、短い周期で上記シグナリングを実行し、遅延要求が緩いデータ通信を扱う端末2では、長い周期でシグナリングする。このシグナリング周期の設定は、実行しようとするデータ通信の許容遅延量に従って端末個別に実行する。
このシグナリング周期を端末2に設定する方法としては、前述した切り替えスレッショルドのシグナリングと同様に、第1の方法における報知情報の利用(端末2のグループへの一括指定)、第2の方法における個別又は共通チャネルの利用(端末2への個別指定)、及び、第3の方法における物理レイヤシグナリングが考えられる。
移動通信端末2では、基地局から上記シグナリング周期に関する情報を受信すると、図11を用いて説明したように、逆拡散復調部46から各データチャネルに設定された信号を復調する。プロトコル処理部56は、逆拡散復調部46が復調した信号から上記シグナリング周期に関する情報を取得する。
上記シグナリングの周期を効率よく指定する方法として、グループ分けを利用してもよい。具体的に説明すると、例えばQoSクラスを用いて会話型クラスやストリーミングクラスに属する端末2は、当該QoSクラスで許容できる最大遅延量に合わせてグループ分けし、上記シグナリング周期を決定する。
この場合、送信データバッファ58に一定量の送信データが蓄積されるまで、上記送信バッファ情報のシグナリングが実行されないことになる。しかしながら、端末2が扱うデータによっては、送信データバッファ58に一定量の送信データが蓄積されるのを待つことなく、上記シグナリングを実行すべき場合がある。
例えば、端末2がインターネットなどを介して実行したアプリケーションからの応答信号は、そのデータ量は少ないが、その存在自体はなるべく早く基地局に通知されるべきである。
上記タイマの指定は、基地局側の構成から明示的にシグナリングする場合と、端末2自身が設定する場合とが考えられる。
基地局制御装置3は、タイマ設定の対象となる端末2によるデータ通信に関するQoSパラメータを用いて、当該QoSパラメータに応じた周期を指定するタイマ情報を生成する。
上記端末2では、下り個別チャネル受信部63が上記個別チャネルの情報を受信し、プロトコル処理部56に送信する。プロトコル処理部56では、上記個別チャネルの情報からタイマ情報を読み出し、上りパケット送信管理部51に送る。
上りパケット送信管理部51は、上記タイマ情報に従ってタイマを設定し、タイムアウトになるとバッファ状態送信部55に対して上記送信バッファ情報のシグナリングの実行を指示する。
先ず、上りパケット送信管理部51は、自己が把握するQoS情報及び過去の送信の有無によりタイマ値を決定する。このタイマがタイムアウトになると、上りパケット送信管理部51が、バッファ状態送信部55に対して上記送信バッファ情報のシグナリングの実行を指示する。
上記シグナリングを効率よく実行するためのタイマの指定方法としては、例えば基地局制御装置3や上りパケット送信管理部51が会話型クラスやストリーミングクラスにおける許容遅延量に比例してタイマを設定することが考えられる。
このようにすることで、基地局に対する送信データバッファ情報のシグナリング回数をデータ通信のニーズに合わせて柔軟に設定することができる。例えば、トラフィックが少ないデータ通信を行っている端末2に対しては、上記シグナリングの間隔を空けるなどして効率よくシグナリング回数を制御することができる。
Claims (1)
- 移動体通信用の端末、この端末と無線通信する基地局、およびこの基地局を制御する基地局制御装置を含む移動体通信システムであって、
前記端末は、前記基地局に送信するための上りデータを格納する端末バッファと、この端末バッファの状態を示す端末バッファ状態情報を前記基地局に送信するバッファ状態情報送信部と、前記基地局による上り無線資源に関する指示に従い前記基地局にデータを送信するデータ送信部とを備え、
前記基地局は、受信信号に関する干渉量を測定する干渉量測定部と、前記干渉量測定部にて測定した前記干渉量を前記基地局制御装置に通知する干渉量通知部と、前記端末バッファ状態情報を受信してスケジューリングを行い前記端末に対し上りの無線資源に関する指示を行う上り無線資源指示部とを備え、
前記基地局制御装置は、前記スケジューリングの結果として超過してはならない最大干渉量を前記基地局に指示する最大干渉量指示部とを備えたことを特徴とする移動体通信システム。
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