JP2006230007A - 移動体通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】基地局における干渉量の変動に応じた効率的なデータ通信を可能とする通信モード制御方法を得る。
【解決手段】移動通信端末2と、基地局4a、4b及び基地局制御装置3を含む移動体通信システムであって、端末は端末バッファを備え、端末バッファ情報を基地局に送信し、上り無線資源の指示に従い基地局にデータを送信し、基地局は受信信号に関する干渉量を測定し、測定した干渉量を基地局制御装置に通知し、無線資源に関する指示を行い、基地局制御装置は超過してはならに最大干渉量を指示するものである。
【選択図】図1

Description

この発明は、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多重通信)による移動体通信システムに係り、特に基地局と移動通信端末との間での通信状況に応じて通信モードの切り替えを制御する通信モード制御方法、移動体通信システム、基地局制御装置、基地局及び移動通信端末に関するものである。
従来のワイヤレス多重モードデータ通信方法には、自律的にデータを送受信する自律モードと、基地局側から許可された通信タイミングなどのデータ送受信に対する要求(スケジューリング)に従ってデータを送受信する、いわゆるスケジューリングモードとを、そのデータレートなどに応じて切り替えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−369261号公報
この通信方法では、例えば基地局とワイヤレス装置との間で9.6kbps程度の低データレートでパケットデータを送信する場合、自律モードに制御される。また、反対に高データレートでデータ送信する場合は、スケジューリングモードに制御される。
ここで、スケジューリングモードは、基地局からワイヤレス装置にスケジューリングを通知するシグナリングが頻繁に送信される。このため、1回の送信である程度以上のデータ量がないと、シグナリング回数に比べてデータ送信の効率が悪くなってしまう。
上述した従来のデータ通信方法では、単位時間あたりのデータ量が多い高データレートの場合にスケジューリングモードに制御することで、上記不具合を解消している。
しかしながら、上記先行技術文献は、上記従来のデータ通信方法について、主にデータ量を基準として自律モード又はスケジューリングモードに切り替える旨を開示しているが、それ以外の通信条件での切り替え処理について十分な開示がなされていない。
通信モードの切り替えにおいて基準とすべき通信条件としては、符号化信号の復調処理やリアルタイム性を要求されるデータを取り扱うことを考慮すると、例えば基地局における干渉量(以下、ノイズライズと称する)や遅延などが挙げられる。
上記先行技術文献に開示される発明では、遅延が許容できないデータ通信を行うワイヤレス装置についてはなるべく自律モードで動作させ、遅延が許容できる通信を行う装置にはスケジュールモードで動作させるような通信条件に応じた柔軟な通信モード切り替えが十分に検討されていない。
また、CDMA方式での上りパケット通信では、ワイヤレス装置からの送信信号の干渉が基地局におけるノイズライズの限界を超えてしまうと当該送信信号を復調することができなくなる。
このノイズライズは、他セルからの干渉や同一セルにおける他のワイヤレス装置からの送信などによっても変動する。このため、CDMA方式でのパケット通信では、ノイズライズの管理に十分に注意を払う必要がある。
ここで、ノイズライズ管理としてノイズライズのマージンを十分に確保すれば、送信すべきデータ量が多い場合であっても自律モードを利用することが可能である。この場合、スケジュールモードと比較してシグナリングの回数を減らすことができる上、遅延も少ないという利点がある。
このように、基地局におけるノイズライズマージンに対して、通信トラフィックの状況により変動する各種要因に起因するノイズライズについてのマージンを適切に分配することで、ノイズライズの変動に応じた効率的な通信が可能である。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、データ量以外の要素を適切に考慮して通信モードを切り替えることで、基地局と移動通信端末との間の通信負荷の変動に伴うノイズライズの変動に応じた効率的なデータ通信を可能とする通信モード制御方法を得ることを目的とする。
また、この発明は、遅延などのQoS(Quality of Service)パラメータを考慮して各端末に個別に送信モード切替スレッショルドを指定することで、QoSに応じた自律モードとスケジュールモードの配分が可能な通信モード制御方法を得ることを目的とする。
さらに、この発明は、上記方法を用いて通信負荷の変動に伴うノイズライズの変動に応じた効率的なデータ通信を行う移動体通信システム、基地局制御装置、基地局及び移動通信端末を得ることを目的とする。
この発明に係る移動体通信システムは、移動体通信用の端末、この端末と無線通信する基地局、およびこの基地局を制御する基地局制御装置を含み、端末は基地局に送信するための上りデータを格納する端末バッファと、この端末バッファの状態を示す端末バッファ状態情報を基地局に送信するバッファ状態情報送信部と、基地局による上り無線資源に関する指示に従い基地局にデータを送信するデータ送信部とを備え、基地局は受信信号に関する干渉量を測定する干渉量測定部と、測定した干渉量を基地局制御装置に通知する干渉量通知部と、端末バッファ状態情報を受信してスケジューリングを行い端末に対し上りの無線資源に関する指示を行う上り無線資源指示部とを備え、基地局制御装置は、前記スケジューリングの結果として超過してはならない最大干渉量を基地局に指示する最大干渉量指示部とを備えたものである。
これにより、基地局と移動通信端末との間の通信負荷の変動に伴うノイズライズの変動に応じた効率的なデータ通信を実現することができるという効果が得られる。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための最良の形態について、添付の図面に従ってこれを説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による移動体通信システムの構成を概略的に示す図である。移動体通信システム1は、ユーザが利用する移動通信端末2、基地局制御装置3及び基地局4a,4bから構成される。基地局制御装置3は、公衆回線網などのネットワーク側の構成と基地局4a,4bとの間に介在してこれらのパケット通信を中継する。
このように、システム1は、ネットワーク側に対して基地局制御装置3が複数の基地局4a,4bを束ねる構成となっている。これにより、システム1では、ソフトハンドオーバとよばれる1つの端末2に対して複数の基地局4a,4bの間で無線リンクを張ることが可能である。
なお、移動体通信システム1をW−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)方式で実現する場合、移動通信端末2をUE(User Equipment)、基地局制御装置3をRNC(Radio Network Controller)、基地局4a,4bをNode−Bと呼ぶことがある。
また、特に高速な上りパケット通信においては、ある端末に対して特定の基地局がデータ通信に関するスケジューリングを担当する場合がある。この場合における基地局を区別のためにサービングセルと呼ぶこともある。さらに、基地局は、自身が通信処理を行う特定の領域を含めて全体としてセルとも呼ばれる。後述する説明では、これらの用語を適宜使用する。
図2は、実施の形態1による移動体通信システムにおけるチャネルの構成を示す図であり、例としてW−CDMAシステムの基地局4a,4bと端末2との間の無線区間におけるチャネル構成を示している。
なお、本図のチャネルはあくまで一例を示したものであり、これに限定されるものではない。また、実際のチャネルの使われ方としては、複数の制御チャネルを1本のチャネルに相乗りさせることも行われる。
先ず、基地局4a,4bから端末2に対する下り方向のチャネルについて説明すると、セル内の構成部に全てのタイミングの基準を報知するCPICH(Common Pilot Channel)、これ以外の報知情報を端末2に報知する、BCH(Broadcast channel)用の物理チャネルであるP−CCPCH(Primary−Common Control Physical Channel)がある。
また、下り方向のチャネルには、上り方向のパケット通信のために利用されるものとして、制御情報の送信用にスケジューラによる割り当て位置を通知するためのDL−SACCH(Downlink Scheduling Assignment Control Channel)、基地局4a,4bの受信の成功/失敗を通知するためのDL−ACK/NACK−CCH(Downlink Ack/Nack Control Channel)が存在する。さらに、下り方向の共通チャネルとしてFACH(Forward Access Channel)がある。
次に、端末2から基地局4a,4bに対する上り方向のチャネルについて説明すると、上り方向のパケット通信に利用されるものとして、端末2の送信データの有無を通知するUL−SICCH(Uplink Scheduling Information Control Channel)、端末2が選択した変調方式や符号化レートなどを基地局4a,4bに通知するためのUL−TFRI−CCH(Uplink TFRI Control Channel)、上りパケット通信でユーザデータを転送するためのEUDTCH(Enhanced Uplink Dedicated Transport Channel)が存在する。また、上り方向の共通チャネルとしてRACH(Random Access Channel)がある。
さらに、上り下りの両方の通信に設定されるチャネルとして、特定端末との通信のために個々に設定されるDPCH(Dedicated Physical channel)があり、音声やデータなどの通信や上位レイヤのシグナリングのために利用される。DPCHは、データを転送するためのDPDCH(Dedicated Physical Data channel)と制御に関するビットを転送するためのDPCCH(Dedicated Physical Control channel)とに分けて呼ばれることもある。
図3A及び図3Bは、実施の形態1による移動体通信システムにおける端末と基地局との間のワイヤレス多重データモード通信における通信モードを説明する図である。図3Aに示すように、自律モードでのデータ送信処理では、先ず基地局(Node−B)4a,4bから端末(UE)2に対して事前に許容レートの指定が行われる。このとき、UEは、当該許容レートの範囲内で任意の時間にデータをNode−Bに送信する。UEからデータを受信すると、Node−Bは、その応答信号(ACK/NACK)をUEに送信する。
自律モードでは、事前の許容レート指定を必ずしもパケット送信ごとに行う必要はなく、基本的にデータ送信とその応答からなる一往復の通信処理で済む。
このため、自律モードは、シグナリングの無駄が少なく且つ送信したいときにUEが自由にデータ送信できるため遅延が少ないというメリットがある。
反対に、自律モードのデメリットとしては、任意の時間に送信できるようにデータ送信に際し生じるであろう干渉量に対して必要なノイズライズマージンを常に確保しておかなければならない点である。
一方、スケジューリングモードでのデータ送信処理では、図3Bに示すように、先ずUEバッファ状態等の情報をUEからNode−Bに送信する。当該情報を受信すると、Node−Bは、複数のUEと間での上りパケットのスケジューリングを行い、データ送信を認めるべきUEに対して送信許可する時間(サブフレーム)や送信レートを割り当てる。UEでは、その割り当てに従ってパケットをNode−Bに送信し、Node−Bから応答信号を受け取る。
スケジューリングモードのメリットは、スケジューラが割り当てないUEからのデータ送信がないため余計なノイズライズマージンを設定する必要がないという点である。
一方、デメリットとしては、少なくともスケジューリングに要する通信処理とデータ本体の送信処理とからなる二往復の通信処理が必要であり、不可避的に遅延が生じるという点が挙げられる。
また、事前にUEの送信データの有無をNode−Bに通知するシグナリングを必ず行わなければならないので、シグナリング回数に対して送信データの容量が少ないときは効率が悪くなる仕組みになっている。
自律モードでは、基地局からの送信タイミングの指定がなく、端末が自律的に送信タイミングを決定する。これに対して、スケジューリングモードでは、基地局が端末に送信タイミングを指定し、当該送信タイミングに従って、端末がデータを送信する。
また、スケジューリングモードでも、基地局からデータレートが指定される場合がある。例えば、自律モードでは、基地局が端末に対してデータ送信における送信データレートを指定するが、スケジューリングモードでも、基地局が送信タイミング及び送信データレートを端末に指定し、端末からのデータ送信を制御する場合がある。
図4は、実施の形態1による移動通信端末の通信モードを切り替える基準となる送信データバッファのスレッショルド(閾値)を説明する図である。ここで、移動通信端末2は、送信データバッファのスレッショルド以下の容量分だけ送信データが溜まっている状態では自律モードで動作し、上記スレッショルドを越える容量の送信データが溜まるとスケジューリングモードに移行して動作する。
このように、端末2では、送信データバッファ内の送信データの蓄積量に関するスレッショルドを基準にして自律モードとスケジューリングモードとが切り替えられる。このスレッショルドの決定については後述する。
図5は、実施の形態1による基地局への上り信号における各要因に起因した干渉量(以下、ノイズライズと呼ぶ)に対する許容マージンを示す図である。一般的に、CDMAシステムでは、受信した符号化信号についてある程度までの干渉は許されるがノイズライズの許容限界を超えると逆拡散しても信号より干渉量の方が大きい値になり上記信号を正しく復調できなくなる。
このため、理想的な干渉量が0の状態(ノイズライズの底)から受信信号の復調が可能な干渉の許容限界量までの範囲内に如何にノイズライズを制御するかが、容量(基地局による端末の収容数)を確保する上で重要な点となる。
図に示すように、基地局端におけるノイズライズのうち、スケジューリングモード及び自律モードでの送信に起因するノイズライズは、上りパケット通信でこれら送信モードを適宜切り替えることで、スケジューリングモード用マージン及び自律モード用マージン内に制御することができる。
一方、スケジューリングモード及び自律モード以外に起因するノイズライズについては、上りパケット通信でその許容マージン内に制御することができない。
このような干渉の要因としては、例えば自セル内の端末からの希望信号電力の総和で近似される自セル干渉、他の基地局のカバーエリアにいる端末からの信号が余分に届いて干渉する他セル干渉、基地局内の受信機から発生する熱雑音などがある。
従って、上りパケット通信のための無線資源を効率よく利用するには、スケジューリングモード用マージン及び自律モード用マージンを制御してノイズライズの範囲を如何に調整するかにかかっている。
図6は、セル内で上りパケット通信を複数の端末が利用している場合の自律モードとスケジューリングモードとに対する基地局のノイズライズマージン(干渉の許容量)の分配例を示す図である。図示の例では、後述する図8の場合と比較してセル内に収容される端末数が多い場合を示している。
詳細は後述するが、実施の形態1による基地局には、基地局制御装置3が遅延などのQoSパラメータを考慮して求めた一定範囲のマージンが、図5で示した制御可能なノイズライズマージンとして設定されている。このノイズライズマージンのうち、自律モードに起因するノイズライズに対する許容マージンをとる場合、セル内の端末1台あたりのノイズライズマージンを多く設定すればよい。
このとき、ノイズライズマージン全体としては一定範囲が定められているので、図6(a)に示すように、端末1台あたりのノイズライズマージンを多く設定した分だけ、スケジューリングモードに起因したノイズライズに対する許容マージン(斜線を付した部分)を削減しなければならない。
従って、図6(a)に示す場合では、セル内にスケジューリングモードで通信する端末数が多くなると、これに起因したノイズライズを許容マージン内に制御することができなくなる可能性がある。
反対に、セル内の端末1台あたりの上りパケット通信に対してのノイズライズマージンを少なく設定すると、図6(b)に示すように、基地局において、スケジューリングモードに起因したノイズライズに対する許容マージン(斜線を付した部分)を多く確保することができる。
つまり、セル内でスケジューリングモードで通信する端末数が多い場合では、自律モードに起因したノイズライズに対する端末1台あたりの許容マージンをなるべく減らす必要がある。
上りパケット通信において、1度に送信するデータ量が減れば送信レートも下がる。このとき、端末側はデータ送信に要する送信電力を下げるため、基地局の受信信号におけるノイズライズも減少する。
従って、図6(b)に示すように、自律モードに起因したノイズライズに対する端末1台あたりの許容マージンをなるべく減らすためには、自律モードに起因したノイズライズ自体を減らす、即ち低データレートとして自律モードによる通信を実行するように制御すればよい。
具体的には、セル内に収容される端末の数が多い場合、図7に示すように、各端末における送信データバッファの通信モード切替判定のスレッショルドを低く設定して、送信データ量が少ない低データレートでの範囲を越えると自律モードからスケジューリングモードに切り替わることが望ましい。
続いて、図8に示すように、セル内で上りパケット通信を利用している端末が少ない場合を考える(図6では7台であったところ、図8では2台である)。この場合、基地局において端末1台あたりのノイズライズマージンを多く設定しても、図8(a)に示すように、スケジューリングモードに起因したノイズライズに対する許容マージン(斜線を付した部分)を十分に確保することができる。
また、図8(b)のように、基地局において端末1台あたりのノイズライズマージンを少なく設定しても、スケジューリングモードに起因したノイズライズに対する許容マージンは、図8(a)の場合とそれほど差はない。
つまり、セル内に収容される端末数が少ない場合には、自律モードでも図6の場合と比較して高データレートでの通信を実行することが可能である。
具体的には、セル内に収容される端末の数が少ない場合、図9に示すように、各端末における送信データバッファの通信モード切替判定のスレッショルドを高く設定して、自律モードでも高データレートを許容し、多くのデータ量を取り扱うことができるようにしてもよい。
以上より、端末と基地局間の通信におけるトラフィック状況、例えばセル内でスケジューリングモードで動作する端末数やその稼動状態、自律モードで動作するスケジュールや稼動状態に応じて、端末内の送信データバッファの上記スレッショルドを適宜変更することが、干渉の少ない高品質な通信を実現するために望ましいことが分かる。
また、自律モードでは伝送遅延が少ないという通信特性を有することを考慮して、ノイズライズを割りあてる許容マージンに余裕がある場合、遅延の要求が厳しい端末にはなるべく自律モードで通信させることが望ましい。
図10は、図1中の基地局の内部構成を示すブロック図であり、この図を用いて基地局の基本的な動作を説明する。なお、図10では、表記の冗長化を防ぐため、後述する各構成部の名称について簡略化した名称を記載しているが、同一符号を付したものは同一構成部を指しているものとする。
先ず、一般的なCDMA変復調に共通する処理について説明する。
送信動作を説明すると、基地局4a,4b内の変調部5は、各チャネル(P−CCPCH、下りDPDCH、FACH、CPICH、DL−SACCH、DL−ACK/NACK−CCH、下りDPCCHなど)の信号に対して下りチャネライゼーションコード発生器6で発生させたチャネライゼーションコードを掛けた後、これら信号を多重化する。
次に、変調部5は、各チャネルの信号を多重化したものに下りスクランブリングコード発生器7で発生させたスクランブリングコードを掛けてスペクトラム拡散処理を行う。
変調部5にて多重化された各チャネルの信号であるベースバンド信号は、周波数変換部8に出力される。周波数変換部8は、上記ベースバンド信号を搬送波周波数まで上げて電力増幅部9に出力する。電力増幅部9では、周波数変換部8から入力した信号を内部のパワーアンプで所望の電力まで増幅する。電力増幅部9で増幅された信号は、アンテナ10を介して端末2側に送信される。
なお、パイロット信号発生部27は、タイミング管理部26より基準となるクロック信号を得ると、端末2が復調処理の基準として使用するためのパイロット信号をCPICHに設定してセル全体に送出する。
次に、受信動作を説明すると、アンテナ10より受信された微弱な信号は、低雑音増幅部11に入力される。この低雑音増幅部11は、当該信号を増幅した上で周波数変換部12に出力する。周波数変換部12では、低雑音増幅部11から入力した信号を上記ベースバンド信号の周波数まで下げる。
逆拡散器15は、周波数変換部12で周波数変換されたベースバンド信号に対して上りスクランブリングコード発生器13により発生させたスクランブリングコードを掛けて逆拡散処理を行い、各端末ごとの信号成分を取り出す。復調部30は、逆拡散器15から入力した逆拡散後の信号を上りチャネライゼーションコード発生器14で発生させたチャネライゼーションコードにより各チャネルの信号に分離する。
続いて、信号と干渉の電力を得る動作を説明する。
先ず、希望波電力測定部16は、逆拡散器15からの上りDPCCHのパイロット信号により希望波の電力を得る。一方、低雑音増幅部11は、アンテナ10を介して希望波とノイズが混在している全受信電力を得ている。
干渉波電力測定部17では、低雑音増幅部11、周波数変換部12及び逆拡散器15を介して入力した上記全受信電力から希望波電力測定部16で得た希望波の電力を差し引くことでノイズ成分である干渉波の電力を得る。
次に、希望波及び干渉波の電力は、測定部16,17から上りパケット送信管理部24にそれぞれ送られる。このようにして、上りパケット送信管理部24は、自セル内の各端末からの希望信号の電力をそれぞれ取得する。
また、上りパケット送信管理部(通信管理部)24は、当該上りパケット通信における自セル干渉、他セル干渉及び熱雑音による干渉分(ノイズライズ)を、基地局制御装置3から取得している。
ここで、自セル干渉分以外(他セル干渉及び熱雑音)の干渉は、コードが不明なためノイズと信号を分離することができない。このため、上りパケット送信管理部24は、基地局制御装置3から他セル干渉と熱雑音とによるノイズが混在した干渉成分の電力として自セル干渉分以外の干渉分を得る。上記干渉分は、他セル干渉と熱雑音が混在したものであり区別することはできないが、干渉量の制御処理において特に区別する必要はない。
続いて、上りパケット送信管理部24は、ジャミングマージンに基づく一定範囲の許容マージンから自セル干渉分と、他セル干渉及び熱雑音によるノイズが混在した干渉成分とについての許容マージンを差し引いて上りパケット通信で制御可能なノイズライズマージンを得る。
ジャミングマージンは、許容できる最大の収容能力(端末数)を示す指標であり、妨害成分電力Jに対する信号電力Sの比J/Sで定義される。セル内の収容能力(端末数)は、上記ジャミングマージンから求めることができる。
なお、上記収容能力は、ある基地局と現時点で通信対象となっている端末を除いて当該基地局のセル内にどれだけの端末数を収容することができるかを示すものである。
上記ジャミングマージンは、後述する基地局制御装置3内の無線資源管理部によって、例えば以下の関係式に沿って算出される。
先ず、基地局における受信信号電力をS(W)、通信データの伝送速度をR(bit/秒)とすると、信号1ビットあたりの電力Ebは、下記式(1)で表される。
Eb=S/R ・・・(1)
ここで、Sは基地局が受信した移動通信端末2からの信号の電力であり、CDMAのTPCコマンドに基づく高速パワー制御機能(インナーループ)によって基地局端において均等なレベルで受信されているものと仮定する。また、W−CDMAにおいて、Sはパイロット信号の強度により得ることができ、RはTFCIなどの指示により得ることができる。
次に、自セル内の他端末からの干渉分の電力Io(W)は、例えば下記式(2)で表すことができる。
Figure 2006230007
但し、N(個)は自セル内の最大端末数であり、自端末以外の端末を想定している。Siは基地局が受信した、第1番目から第(N−1)番目までの端末2からの信号の電力であり、添え字iは1から(N−1)までの正の整数である。また、Riは第1番目から第(N−1)番目までの端末2による通信データの伝送速度(bit/秒)である。
これにより、Ioは最大端末数Nから1を引いた端末数のそれぞれ信号電力の和で表される。なお、上記式(2)では、各端末2の信号電力及び伝送速度がそれぞれ等しいS及びRであるものと仮定している。
帯域の広さごとに雑音を区別して扱うのは不便であるため、他セル干渉及び熱雑音による干渉成分は、上述したように区別せずに1Hzあたりの雑音エネルギーに換算した平均雑音電力スペクトル密度No(W)として扱う。
スペクトル拡散信号のスペクトル帯域をW(Hz)とし、狭帯域妨害雑音の電力をJ(W)とすると、自セル干渉、他セル干渉及び熱雑音によるノイズライズ(干渉量)である(No+Io)は、下記式で表すことができる。
No+Io=J/W ・・・(3)
ここで、SIR(Signal-to-Interference Ratio)は、信号1ビットあたりのエネルギーEbと、熱雑音及び他セル干渉並びに自セル干渉によるノイズライズの和との比であるEb/(No+Io)から求めることができる。
SIRは、上記式(1)及び上記式(3)を用いて下記式(4)のように表すことができる。
Eb/(No+Io)=S・W/(J・R) ・・・(4)
上記式(4)を変形して、CDMAにて復調可能な限界のジャミングマージン(ジャミングマージン)J/Sを求めると、下記式(5)のようになる。
J/S=(W/R)/{Eb/(No+Io)} ・・・(5)
基地局制御装置3では、自己が管理する対象基地局以外の他セルの稼働状態や対象基地局のセルのトラフィック状況、遅延などのQoSパラメータを考慮した干渉に対するマージンを上記ジャミングマージンにさらに持たせた一定範囲の許容マージン(ジャミングマージンから他セルの稼働状態や対象基地局のセルのトラフィック状況、遅延などのQoSパラメータを考慮した干渉に対するマージンを差し引いたマージン)を求め、対象基地局に通知する。
対象基地局では、基地局制御装置3から通知された上記許容マージンの範囲内で通信モード切り替えによるノイズライズ制御を実行する。
このようにすることで、基地局が、自局以外の他セルの稼働状態によって自局の通信が影響を受け、上記制御を行っても受信信号における干渉量が復調可能な限界であるジャミングマージンを越えてしまうことを防ぐことができる。この処理の詳細は後述する。
対象基地局内の上りパケット送信管理部24は、上記一定範囲の許容マージンから熱雑音及び他セル干渉並びに自セル干渉によるノイズライズに対する許容マージン(図5で示した非制御のマージン)を差し引いた残りのマージンを、図5で示した制御可能なノイズライズマージンとして利用する。
また、妨害電力Jは、自セル内の全ての端末からの信号電力がSで一定とし、妨害電力J(W)が、対象の端末以外の他端末からの干渉に起因するものと仮定すると、下記式(6)のように表すことができる。
J=(N−1)S ・・・(6)
上記式(5)及び式(6)から下記式(7)を導くことができる。
(N−1)=(W/R)/{Eb/(No+Io)} ・・・(7)
上記式(7)において、(N−1)は対象端末以外の自セル内に収容可能な最大端末数に相当する。ここで、通信データの伝送速度Rを増加させると、上記式(5)からジャミングマージンは減ってしまい、上記式(7)から自セル内での端末の収容容量が少なくなることがわかる。
また、対象端末と基地局間におけるSIRが増加する場合、例えば所要BER(bit error rate)を確保するために、基地局がより強い送信電力を対象端末に要求した場合などでも、上記式(5)からジャミングマージンが減少してしまうことがわかる。
基地局の動作説明に戻ると、チャネル品質測定部18は、希望波電力測定部16及び干渉波電力測定部17からそれぞれ入力した希望波及び干渉波の電力、及び、基地局制御装置3から取得した自セル干渉、他セル干渉及び熱雑音による干渉分の電力を用いて、信号対干渉の電力比(SIR)を算出し、品質目標比較部19に出力する。
W−CDMA方式では、アウターループと呼ばれる目標SIR値を基に端末の送信電力制御が実行される。この目標SIR値は、品質目標比較部19に予め設定されている。
基地局内の復号化部22は、対象端末との通信でCRC(Cyclic Redundancy Check)エラーによりブロック誤り率(BLER)をカウントし、所要のBLERが満たされなくなると品質目標比較部19の目標SIR値を上げるなどの変更設定が行われる。これをアウターループ電力制御と呼ぶ。
一方、品質目標比較部19は、チャネル品質測定部18が算出した信号対干渉の電力比(SIR)と目標信号対干渉比(目標SIR値)とを比較し、その結果をTPC生成部20に通知する。
TPC生成部20では、上記比較結果から受信信号における希望信号の電力が目標信号より弱いと判断された場合、インナーループと呼ばれるTPC(Transmission Power Command)として送信電力を上げる旨の指示を下りDPCCHに設定して変調部5に出力する。
TPC生成部20からの下りDPCCHの信号は、上述のようにして、変調部5、周波数変換部8、電力増幅部9及びアンテナ10を介して端末2へ送信されることとなる。
反対に、品質目標比較部19の比較結果により希望信号の電力が目標信号より強いと判断されると、TPC生成部20は、TPCとして送信電力を下げる旨の指示を下りDPCCHに設定して変調部5に出力する。以降の処理は、同様である。このような電力制御をインナーループ電力制御と呼ぶ。
CDMAシステムにおいて、ある信号の強度を強くすることは他の信号に対して干渉を与えることにほかならない。このため、送受信する信号は、上述したような処理を実行して必要かつ十分な信号電力に収まるように制御されている。
次に、上りパケット通信に必要な構成を説明する。
先ず、自律モードの動作について説明する。
自律モードの動作において、基地局4a,4bは、事前にDL−SACCH又は同様の下りシグナリングのチャネルを使って端末2に送信許容マージンを送信する。送信許容マージンは、端末2が自律モードで上りパケット通信してきた信号を基地局にて復調するために必要な通信条件を規定する情報である。例えば、許容される最大のデータレートなどがある。
このあと、端末2からの信号を受信すると、上述した受信側の動作に従って、復調部30が、当該受信信号を各チャネルの信号に分離する。
TFRI受信部21は、復調部30が分離した各チャネルの信号のうち、端末2で選択した変調パラメータやトランスポートフォーマットが含まれているTFRI(Transport Format Resource Indicator)が設定されたUL−TFRI−CCHの信号を受信する。
TFRI受信部21は、UL−TFRI−CCHの信号からEUDTCHの復調パラメータを取り出し、復調部30及び復号化部22に設定する。復調部30は、EUDTCHの復調パラメータを用いてEUDTCHにおける端末2からのデータ本体を復調して復号化部22に出力する。復号化部22では、EUDTCHの復調パラメータを用いてEUDTCHにおける端末2からのデータ本体を復号化する。
応答信号発生部23は、復号化部22による復号結果を用いて端末2が送信したパケットデータを基地局4a,4b側で正しく受信できたか否かを判定する。
ここで、正しく受信できていた場合、応答信号発生部23は、受信成功を通知するACKを発生してDL−ACK/NACK−CCHに設定し、上述の送信動作に従って端末2へ通知される。反対に、端末2からのデータに誤りがある場合、応答信号発生部23は、受信失敗を通知するNACKを発生して、同様に端末2へ通知する。
次に、スケジューリングモードの動作について説明する。
スケジューリングモードの動作において、送信バッファ量受信部31は、復調部30からUL−SICHの信号を受信して、スケジューリングモードの端末2における送信データに関する情報を取得し、上りパケット送信管理部24に通知する。
上りパケット送信管理部24では、タイミング管理部26よりサブフレームのタイミングを得て、自セル内の各端末の送信データバッファに溜まっているデータ量及び端末の送信電力マージン等を総合的に判断してパケットの送信タイミングを決定する。
上りパケット送信管理部24が決定したパケットの送信タイミングは、送信レート/タイミング指定情報送信部25に通知される。送信レート/タイミング指定情報送信部25では、送信を許可するサブフレームや送信レートをDL−SACCHに設定し、上述した送信動作に従って上記端末2へ送信する。
このあと、上記端末2からの信号を受信すると、上述した受信側の動作に従って、復調部30が受信信号を各チャネルの信号に分離する。
TFRI受信部21は、復調部30が分離した各チャネルの信号のうち、上記端末2から送信許可を指定したサブフレームにおけるTFRIが設定されたUL−TFRI−CCHの信号を受信する。
次に、TFRI受信部21は、UL−TFRI−CCHの信号からEUDTCHの復調パラメータを取り出し、復調部30及び復号化部22に設定する。復調部30は、EUDTCHの復調パラメータを用いてEUDTCHにおける端末2からのデータ本体を復調して復号化部22に出力する。復号化部22では、EUDTCHの復調パラメータを用いてEUDTCHにおける端末2からのデータ本体を復号化する。
応答信号発生部23は、上記端末2が送信したパケットを基地局側で正しく受信できた場合、上述のようにしてACKを発生し、誤りの場合はNACKを発生して、これをDL−ACK/NACK−CCHに設定して端末2に通知する。
次に、送信データバッファの通信モード切り替えに関するスレッショルドを変更するためのシグナリングを行う構成について説明する。
先ず、自セル内の端末2に対して上記スレッショルドの変更を一斉に通知(シグナリング)する場合、その変更は基地局内の上りパケット送信管理部24が自セル内のトラフィック状況などを考慮して判断し、その旨を基地局制御装置3に通知する。
基地局制御装置3では、当該通知を発した基地局以外の他の基地局の稼働状況なども考慮して上記スレッショルドに関する情報(スレッショルドをどの値に変更するかなどの情報)を生成し、報知情報に挿入して当該基地局に送信する。
基地局内の報知情報送信部28では、基地局制御装置3側から上記スレッショルドに関する情報を挿入した報知情報の一式を受信し、当該報知情報をP−CCPCH(BCH)に設定して、上述した送信動作に従って端末2に送信する。なお、上記報知情報は、希に他のチャネルに設定されることもある。
個々の端末2に上記スレッショルドを指定する場合、その変更は当該端末2をセル内に収容する基地局内の上りパケット送信管理部24が、当該端末2との通信におけるトラフィック状況などを考慮して判断し、その旨を基地局制御装置3に通知する。
基地局制御装置3では、当該通知を発した基地局以外の他の基地局の稼働状況なども考慮して上記スレッショルドに関する情報(スレッショルドをどの値に変更するかなどの情報)を生成し、メッセージとして個別チャネルに設定して当該基地局に送信する。
基地局内の下り個別チャネル送信部29では、個別チャネルから上記スレッショルドに関するメッセージを得ると当該メッセージを下りDPDCH(DPCH)に設定して、上述した送信動作に従って上記スレッショルドを変更すべき端末2に送信する。これに対する応答メッセージがある場合は、上り個別チャネル受信部32にて受信する。
また、端末2との通信において個別チャネルが解放されている場合、上記スレッショルドに関する情報を共通チャネルに設定してもよい。
基地局制御装置3では、無線資源の管理情報から個別チャネルが解放されていると判断すると、上記スレッショルドに関する情報をメッセージとして共通チャネルに設定して基地局に送信する。
基地局内の下り共通チャネル送信部34は、共通チャネルから上記スレッショルドに関するメッセージを得ると当該メッセージをFACHに設定して、上述した送信動作に従って上記スレッショルドを変更すべき端末2に送信する。これに対する応答メッセージがある場合は、上り共通チャネル受信部33にて受信する。
なお、上記説明では、基地局側で上記スレッショルドの変更を判断する構成を説明したが、基地局側で端末2に設定する送信モード自体を決定するように構成しても良い。
この場合、上述したスレッショルド変更のためのシグナリング動作において、スレッショルドに関する情報ではなく、端末2に設定すべき送信モードを特定する情報が端末2に送信されることとなる。この処理の詳細については後述する。
図11は、図1中の移動通信端末の内部構成を示すブロック図であり、この図を用いて移動通信端末の基本的な動作を説明する。なお、図11では、表記の冗長化を防ぐため、後述する各構成部の名称について簡略化した名称を記載しているが、同一符号を付したものは同一構成部を指しているものとする。
先ず、一般的なCDMA変復調に共通する処理について説明する。
送信動作を説明すると、変調部35は、各チャネル(UL−SICCH、UL−TFRI−CCH、FACH、上りDPCHなど)の信号に対して上りチャネライゼーションコード発生器36で発生させたチャネライゼーションコードを掛けた後、これら信号を多重化する。次に、変調部35は、各チャネルの信号を多重化した信号に対して上りスクランブリングコード発生器37で発生させたスクランブリングコードを掛けてスペクトラム拡散処理を行う。
変調部5にて多重化された各チャネルの信号であるベースバンド信号は、周波数変換部38に出力される。周波数変換部38は、上記ベースバンド信号を搬送波周波数まで上げて電力増幅部39に出力する。
電力増幅部39では、周波数変換部38から入力した信号を内部のパワーアンプで所望の電力まで増幅する。電力増幅部39で増幅された信号は、アンテナ40を介して基地局4a,4b側に送信される。
次に、受信動作を説明すると、アンテナ40より受信された微弱な信号は、低雑音増幅器41に入力される。この低雑音増幅器41は、当該信号を増幅した上で周波数変換部42に出力する。周波数変換部42では、低雑音増幅器41から入力した信号を上記ベースバンド信号の周波数まで下げる。
逆拡散復調部46は、周波数変換部42で周波数変換されたベースバンド信号に下りスクランブリングコード発生器45により発生させたスクランブリングコードを掛けて逆拡散処理を行い、下りチャネライゼーションコード発生器44で発生させたチャネライゼーションコードにより各チャネルの信号に分離する。
このあと、逆拡散復調部46は、基地局から受信した信号中のTPCコマンドを電力制御部43に出力する。電力制御部43は、上記TPCコマンドに従った送信電力の上げ下げを電力増幅部39に指示し、当該指示に従った送信電力が電力増幅部39により設定される。
また、逆拡散復調部46が分離した各チャネルの信号のうちCPICHの信号は、共通パイロット信号受信部47に受信される。
共通パイロット信号受信部47では、基地局との間で復調におけるタイミングを一致させて、タイミング信号としてタイミング管理部48に供給する。タイミング管理部48では、共通パイロット信号受信部47から供給されるタイミング信号を移動通信端末2内の各処理部に分配し、基地局と同期した処理が実行される。
次に、上りパケット通信に必要な構成について説明する。
先ず、自律モードの動作を説明する。
自律モードの動作において、移動通信端末2内の送信許可情報受信部49は、事前にDL−SACCH又は同様の下りシグナリングのチャネルを使って基地局から送信許容マージンを受信する。この送信許容マージンは、送信許可情報受信部49から上りパケット送信管理部51に通知される。なお、自律モードにおいて送信タイミングは任意である。
このあと、ユーザが移動通信端末2から基地局に送信するデータを設定すると、当該送信データは、上りパケット通信用送信データバッファ58に蓄積される。
自律モードでは送信を直ぐに開始するため、上りパケット送信管理部(通信管理部)51は、上記送信許容マージンを考慮して送信データ量に見合ったTFRIを指定してTFRI送信処理部53に通知する。
TFRI送信処理部53は、UL−TFRI−CCHに当該TFRIを設定して前述した送信動作に従って基地局に送信する。これにより、当該送信動作は、基地局から指定された上記送信許容マージンの範囲内にノイズライズが抑えられるよう制御される。
また、EUDTCH送信処理部52は、上りパケット通信用送信データバッファ58に蓄積したデータを上記TFRIで特定される送信フォーマットに変換した後、EUDTCHに当該データ本体を設定して前述した送信動作に従って基地局に送信する。
基地局では、移動通信端末2からの上記パケットデータを受信すると、これに対応する応答信号をDL−ACK/NACK−CCHに設定して送信する。移動通信端末2内の応答信号受信部57は、前述した受信動作に従って受信した上記DL−ACK/NACK−CCHからACK/NACKの判断をする。
応答信号受信部57がACKと判断すると、当該判断結果は、上り送信パケット管理部51に通知される。このあと、上り送信パケット管理部51は、次のパケットのデータを基地局に送信する処理に移行する。
一方、NACKと判断された場合、上り送信パケット管理部51は、NACKと判断されたパケットのデータを再送する処理に移行する。ここで、EUDTCH送信処理部52が、上記再送時に必要によってインクリメンタルリダンダンシー等の冗長性を持つデータを再送する。
次にスケジューリングモードの動作を説明する。
スケジューリングモードの動作において、ユーザが移動通信端末2から基地局に送信するデータを設定すると、当該送信データは、上りパケット通信用送信データバッファ58に蓄積される。
このあと、上りパケット送信管理部51からの指示を受けたバッファ状態送信部55は、基地局に送信するデータのデータ量や端末2の送信電力のマージン等をUL−SICCHに設定して、前述した送信動作に従って基地局に送信する。
基地局は、UL−SICCHの信号を受信すると、自セル内に収容される各端末2の送信データバッファ58の状態を考慮して、各端末2からの信号が最も干渉しない適切な送信タイミングを決定する。これにより、基地局は、当該タイミングで各端末2に送信許可の指示をDL−SACCHに設定し、前述した送信動作に従って送信することとなる。
移動通信端末2内の送信許可情報受信部49は、DL−SACCHに設定された基地局が許可した送信レートやサブフレームタイミングなどの情報を受信する。この情報は、送信許可情報受信部49からタイミング管理部48及び上りパケット送信管理部51に渡される。
上りパケット送信管理部51では、送信データ量に見合ったTFRIを指定してTFRI送信処理部53に通知する。TFRI送信処理部53は、UL−TFRI−CCHにTFRIを設定して、前述した送信動作に従って基地局に送信する。
EUDTCH送信処理部52は、上りパケット通信用送信データバッファ58に蓄積したデータを読み出して、TFRI送信処理部53が送信した上記TFRIで特定される送信フォーマットに変換した後、EUDTCHに当該データ本体を設定して前述した送信動作に従って基地局に送信する。
基地局では、移動通信端末2からの上記パケットデータを受信すると、これに対応する応答信号をDL−ACK/NACK−CCHに設定して送信する。移動通信端末2内の応答信号受信部57は、前述した受信動作に従って受信した上記DL−ACK/NACK−CCHからACK/NACKの判断をする。
応答信号受信部57がACKと判断すると、当該判断結果は、上り送信パケット管理部51に通知される。このあと、上り送信パケット管理部51は、次のパケットのデータを基地局に送信する処理に移行する。
一方、NACKと判断された場合、上り送信パケット管理部51は、NACKと判断されたパケットのデータを再送する処理に移行する。
ここで、EUDTCH送信処理部52が、上記再送時に必要によってインクリメンタルリダンダンシー等の冗長性を持つデータを再送する。
続いて、送信モードを変更するために必要な構成について説明する。
先ず、上りパケット送信管理部51は、スレッショルド変更部50から与えられたスレッショルドと上りパケット通信用送信データバッファ58に滞留するデータ量とを比較する。
このとき、スレッショルドより滞留量が多ければ、上りパケット送信管理部51は、送信モードの切り替えが完了したことを送信モード切替部54に通知する。
送信モード切替部54による送信モードの切り替えが完了した場合、バッファ状態送信部55は、送信モードの切り替えが完了した旨の情報をUL−SICCHに設定して、前述した送信動作に従って基地局に送信する。
また、TFRI送信処理部53が、送信モードの切り替えが完了した旨の情報をUL−TFRU−CCHに設定して基地局に送信してもよい。さらに、送信モード切替部54から送信モードを切り替えた旨の情報を受けたプロトコル処理部56が、当該情報を上り個別チャネル送信部60に通知する。
これにより、上り個別チャネル送信部60が、送信モードを切り替えた旨の情報をメッセージとして上りDPCHに設定して基地局に送信するようにしてもよい。このように、移動通信端末2は、何らかのチャネルを用いて基地局に対して送信モードの切り替えを通知する。
次に、送信モードの切り替えに関するスレッショルドを変更するために必要な構成について説明する。
先ず、基地局から端末2に一斉にスレッショルドの変更を通知する場合、基地局から移動通信端末2への報知情報(BCH)中にスレッショルドに関する情報が挿入される。
移動通信端末2内の報知情報受信部61は、前述した受信動作に従って基地局側から報知情報の一式を受信してプロトコル処理部56に通知する。プロトコル処理部56では、報知情報の内容を解釈する。
このとき、プロトコル処理部56は、上記報知情報が上りパケット通信用送信データバッファ58の上記スレッショルドを変更する指示であると解釈すると、当該指示により変更されるべきスレッショルドをスレッショルド変更部50に設定する。
このあと、スレッショルド変更部50は、変更されたスレッショルドを上りパケット送信管理部51に通知する。これにより、この移動通信端末2では、変更後のスレッショルドを基準として送信モードが切り替えられることになる。
次に、レイヤ3メッセージにて上記スレッショルドを切り替る場合について説明する。
この場合、利用するチャネルとしては、個別チャネルと共通チャネルの2つが考えられる。
先ず、個別チャネルを利用したスレッショルド変更を説明する。
個別チャネルは、個々の端末ごとにスレッショルドを指定する場合などに利用される。
基地局内の下り個別チャネル送信部29から送信された上記スレッショルドに関するメッセージが設定された個別チャネル(下りDPCH)は、端末2内の下り個別チャネル受信部63に受信され、プロトコル処理部56に通知される。プロトコル処理部56は、当該個別チャネルの内容を解釈する。
このとき、プロトコル処理部56は、上記個別チャネルに設定されたメッセージが上記スレッショルドを変更する指示と解釈すると、当該メッセージにより変更されるべきスレッショルドをスレッショルド変更部50に設定する。このあと、スレッショルド変更部50は、変更されたスレッショルドを上りパケット送信管理部51に通知する。
さらに、上り個別チャネル送信部60が、送信モードを切り替えた旨の情報をメッセージとして上りDPCHに設定して基地局に送信する。
共通チャネルを利用して上記スレッショルドを切り替える場合について説明する。
共通チャネルは、個別チャネルが解放されており、個々の端末2ごとに上記スレッショルドを指定する場合などに利用される。特に、個別チャネルは低消費電力等のために一時的に解放される場合があり、このような場合に共通チャネルが利用される。
基地局からの共通チャネル(FACH)に設定されたメッセージは、前述した受信動作に従って下り共通チャネル受信部62に受信される。このあと、当該メッセージは、下り共通チャネル受信部62からプロトコル処理部56に送られる。プロトコル処理部56では、上記メッセージの内容を解釈する。
このとき、プロトコル処理部56が、上記共通チャネルに設定されたメッセージが上記スレッショルドを変更する指示と解釈すると、当該メッセージにより変更されるべきスレッショルドをスレッショルド変更部50に設定する。このあと、スレッショルド変更部50は、変更されたスレッショルドを上りパケット送信管理部51に通知する。
さらに、上り共通チャネル送信部59が、送信モードを切り替えた旨の情報をメッセージとしてRACHに設定して基地局に送信する。
続いて、物理レイヤシグナリングを利用して上記スレッショルドを切り替える場合について説明する。物理レイヤシグナリングとは、移動通信端末2と基地局との間の物理レイヤの通信条件を設定するための物理レイヤの情報におけるあるビットに上記スレッショルドに関する情報を割り当てるものである。この物理レイヤの情報は、例えばDL−SACCHに設定される。
物理レイヤシグナリングは、個々の端末2ごとに上記スレッショルドを指定する場合などに利用され、上述した場合より高速に指定することができる。
送信許可情報受信部49は、基地局からのDL−SACCH中に埋め込まれた物理レイヤに関する情報の指示を受け取り、プロトコル処理部56に通知する。プロトコル処理部56は、送信許可情報受信部49が受信した情報の内容を解釈する。
プロトコル処理部56では、上記情報が上記スレッショルドを変更する指示であると解釈した場合、上記情報により変更されるべきスレッショルドをスレッショルド変更部50に設定する。このあと、スレッショルド変更部50は、上記情報により変更されたスレッショルドを上りパケット送信管理部51に通知する。
図12は、図1中の基地局制御装置の内部構成を示すブロック図であり、この図を用いて基地局制御装置3の基本的な動作を説明する。なお、図12では、表記の冗長化を防ぐため、後述する各構成部の名称について簡略化した名称を記載しているが、同一符号を付したものは同一構成部を指しているものとする。
QoSパラメータマッピング部64は、移動通信端末2と基地局4a,4bとの通信に対して指定されたQoS(Quality of Service)(例えば、遅延の許容など)を満足するための無線資源やこれに関連するパラメータを選択する。この通信に関連するパラメータには、例えばRLC(Radio Link Control)レイヤにおけるモード、物理レイヤにおけるトランスポートブロックサイズ数、CRC(Cyclic Redundancy Check)ビット数などがある。
輻輳制御部65は、移動通信端末2と基地局との間の通信での輻輳の発生を予防したり、呼の制限などを行う。無線資源管理部66は、無線資源(例えば、チャネル、電力、コードなど)に関わる情報や測定データを管理して、移動通信端末2と基地局との通信時に必要に応じて管理情報を各基地局に通知する。上述したジャミングマージンは、この無線資源管理部66によって算出される。
また、無線資源管理部(通信資源管理部)66は、上記ジャミングマージンに対して遅延などのQoSパラメータを考慮してマージンを持たせた許容マージンを基地局に設定する。基地局では、当該許容マージン内にノイズライズが収まるように自セル内の端末2の通信モードの切り替え指示などを実行することとなる。
従来の移動体通信システムでは、ジャミングマージン内にノイズライズが収まるような基地局と端末間の通信条件を基地局制御装置によって決定されており、基地局制御装置から通知される当該通信条件に従って基地局と端末間の通信が制御されていた。
しかしながら、この構成では、基地局制御装置と基地局との間での通信遅延によって、基地局と端末間での通信品質が制限されてしまうという不可避的な問題があった。
そこで、本発明の移動体通信システムでは、基地局制御装置が、ジャミングマージンに対して対象セル以外の稼働状態や遅延などのQoSパラメータによる要求から考慮すべき干渉に対するマージンをさらに持たせた許容マージンを基地局に設定する。
つまり、上記許容マージンは、対象セル以外の稼働状態や遅延などのQoSパラメータによる要求から考慮すべき干渉分だけ、ジャミングマージンより許容できる干渉量範囲が狭い。
そして、基地局は、上記許容マージン内にノイズライズが収まるような通信条件を決定する処理の一部を実行する。例えば、基地局は、現時点での通信状況などに応じて上記許容マージンにおける各モードのノイズライズに対するマージンの分配を適宜実行する。
これによって、基地局は、基地局制御装置から通知される通信条件に完全に依存することなく、端末との間における通信のQoSに応じた通信条件を迅速に決定することができ、通信負荷の変動に伴うノイズライズの変動に応じた効率的なデータ通信が可能となる。
コアネットワークプロトコル処理部67は、ネットワーク側との通信におけるプロトコルを処理する。無線ネットワークプロトコル処理部68は、基地局側との通信におけるプロトコルを処理する。
次に実施の形態1の移動体通信システムの動作について説明する。
上述したように、移動通信端末2内の送信データバッファにおける通信モード切り替えのスレッショルドを上回る送信データが溜まるとスケジューリングモードにし、下回る場合は自律モードに切り替わる。以降では、このスレッショルドを変更するためのシグナリングを実行する3つの方法を説明する。
第1の方法は、上記スレッショルドの変更情報を報知情報に設定してセル内の端末2に対して一斉に通知し変更するものである。また、第2の方法は、上記スレッショルドの変更情報を個別チャネル若しくは共通チャネルに設定して個々の端末2に通知し変更するものである。さらに、第3の方法は、上記スレッショルドの変更情報を物理レイヤシグナリングによって各端末2に通知し変更するものである。
先ず、第1の方法について説明する。
この方法は、現在の自セル内におけるスケジューリングモードの取り扱い端末数、自律モードの取り扱い端末数、これらの稼動状況や個別チャネルの稼動状況に応じてスレッショルドを変更することで、自セル内のノイズライズの分配を適切な量に調節することができる。
図13は、第1の方法に従って実施の形態1による基地局制御装置が端末の送信モード切り替えスレッショルドを決定する際における基地局のノイズライズマージンの分配例を示す図である。図14は、図13に示すノイズライズマージンの分配に応じた送信モード切り替えスレッショルドの変更を説明する図である。これらの図を用いて第1の方法における基本的な考え方を説明する。
先ず、送信モード切り替えスレッショルドを変更する前の状態として、セル内に複数の移動通信端末2が収容されているものとする。また、基地局におけるノイズライズマージンには、自律モードとスケジューリングモードとに起因したノイズライズに対する許容マージン、及び、個別チャネルなどでの送信に起因するノイズライズに対する許容マージン(図中の個別チャネルその他の領域)が、図13(a)に示すように分配されているものとする。
ここで、基地局における上記ノイズライズマージンは、上述したジャミングマージンに対して、他セルの稼働状態やQoSに基づいて考慮すべき干渉に対するマージンをさらに持たせた許容マージンである。
また、このとき、移動通信端末2の送信データバッファの上記スレッショルドが、バッファ内の送信データに対して図14(a)に示す関係にあるものとする。
個別チャネルでのデータ送信は、一定量のデータ送信があるものと仮定する。このとき、基地局制御装置3によって、個別チャネルでの送信に起因するノイズライズに対して必要な許容マージンを確保するように管理される。
このため、端末2と基地局との間で個別チャネルによるデータ送信の頻度が増加すると、基地局制御装置3は、個別チャネルによるデータ送信に要する許容マージンを増加させるよう基地局に指示する。
また、個別チャネルによるデータ送信は、個々の端末2ごとになされるものである。このため、個別チャネルによるデータ送信の頻度が増加すると、基地局におけるノイズライズマージンのうち、個々の端末2に割り当てた許容マージンから個別チャネルによる許容マージンが確保される。
これにより、図13(b)に示すように、基地局におけるノイズライズマージンのうち、自律モードに起因したノイズライズに対して割り当てた許容マージンが、個別チャネルによる許容マージンを増加させた分だけ減少することになる。このとき、端末数が同一の場合は端末1台あたりのノイズライズマージンが減ることになる。
この場合、送信データバッファに対して、図14(a)に示すような比較的小さな値の送信モード切り替えスレッショルドが設定されていると、自律モードでの許容マージンを越えるデータ送信が実行される可能性がある。
つまり、図14(a)に示すようなスレッショルドのままでは、基地局にデータ量の多い送信を実行しようとする端末2については、当該データ送信によるノイズライズを許容できなくなる。
そこで、図13(b)に示すようなノイズライズマージンの分配構成となった場合、第図14(b)に示すように、第1の方法における報知情報にてセル内に収容された端末2の送信データバッファのスレッショルドの値を一斉に下げることで、データ量の多いデータ送信を実行しようとする端末2を自律モードからスケジューリングモードに変更させる。
このとき、データ量の少ないデータ送信を実行する端末2では、変更後のスレッショルド値を送信データ量が越えなければ、そのまま自律モードを維持することになる。
なお、あまり一度にスレッショルドを下げすぎると自律モードとスケジューリングモードの端末数のバランスを崩してしまうためスレッショルドは徐々に下げていくのが望ましい。
図15は、実施の形態1による移動体通信システムにおいて第1の方法による送信データバッファのスレッショルド変更を施す場合の変更シーケンスを示す図である。基地局は、現時点の基地局端におけるノイズライズの測定を行う(ステップST1)。具体的に説明すると、図10を用いて示したように、基地局内の希望波電力測定部16及び干渉波電力測定部17によって現時点の基地局端におけるノイズライズ(干渉量)が測定される。
このあと、基地局は、ステップST1にて測定したノイズライズを基地局制御装置3に通知する(ステップST2)。さらに、基地局は、自セル内の自律モード及びスケジューリングモードで動作している端末数をそれぞれ基地局制御装置3に通知する(ステップST3)。
次に、基地局制御装置3内の無線資源管理部66は、対象の基地局の周辺に存在する基地局(以下、周辺基地局と称する)の稼動状況(例えば、周辺基地局のセル内における収容端末数なども含む)を取得する(ステップST4)。
周辺基地局において多数の端末2が稼動している場合、ハンドオーバが実行される領域を端末2が移動してくる可能性がある。この場合、基地局制御装置3内の無線資源管理部66は、基地局に通知する許容マージンとしてジャミングマージンにハンドオーバに起因するノイズライズを考慮したマージンをさらに持たせる。
続いて、無線資源管理部66は、当該基地局における個別チャネルの稼動状況を取得する(ステップST5)。通常、個別チャネルは、ソフトハンドオーバにおいて周辺基地局から端末2にデータ送信するのに利用されるため、基地局制御装置3がその稼動状況を把握している。
無線資源管理部66は、ステップST1からステップST5までで取得した現時点におけるノイズライズに対して、基地局におけるノイズライズマージンに余裕がある場合や、反対に当該マージンが不足しているか否かを判定する(ステップST6)。この判定結果に応じて、無線資源管理部66は、自律モードとスケジューリングモードとのノイズライズ枠を変更する処理に移行する。
ここで、ノイズライズ枠とは、基地局制御装置3から基地局に指定された上記許容マージンとして分配された、個々のモードに割り当てられるノイズライズマージンの割当量のことを指している。図13では、例えばスケジューリングモード用マージンとして斜線を付した部分がスケジューリングモードについてのノイズライズ枠を表している。
無線資源管理部66は、現時点におけるノイズライズに対して基地局におけるノイズライズマージンに過不足が生じており、基地局にて割り当てられているノイズライズ枠に変更が必要であると判定すると、基地局に対して自律モード及び/又はスケジューリングモードのノイズライズ枠を変更するよう指示する(ステップST7)。
一方、無線資源管理部66は、現時点におけるノイズライズに対して基地局におけるノイズライズマージンに過不足が生じておらず、ノイズライズ枠の変更が必要でないと判定すると、上記ノイズライズ枠の変更指示を行わない。
基地局は、基地局制御装置3からノイズライズ枠の変更指示を受けると、当該指示に従ってノイズライズ枠を変更する(ステップST8)。例えば、図13を用いて説明したように個別チャネルによるデータ送信の頻度が増加した場合、基地局制御装置3は、基地局におけるノイズライズマージンのうち、個別チャネルのノイズライズ枠を増加させ、この増加分だけ自律モード用のノイズライズ枠を削減するよう指示する。
次に、無線資源管理部66は、基地局から端末2の送信モード切り替えスレッショルドを変更するべき旨の通知があると、現時点でのトラフィック状況、当該基地局におけるノイズライズ及びその許容マージンを考慮して、当該基地局と端末2との間の通信において適切な干渉量となるように上記スレッショルドをどの値に変更するべきか否かを判断する(ステップST9)。
このあと、無線資源管理部66は、上記判断結果のスレッショルド値を含む上記スレッショルドの変更に関する情報を上記基地局に報知指示する(ステップST10)。
基地局制御装置3から上記スレッショルドの変更に関する情報を受けた基地局は、上記スレッショルド値を含む情報を報知情報(BCH)に設定して、各端末2に対して一斉送信を行う(ステップST11)。
当該報知情報を受信した端末2は、図11を用いて説明した動作と同様にして、報知情報から送信モード切り替えスレッショルドの値を読み出し上記スレッショルドを変更する(ステップST12)。
図16に示すフローチャートを用いて、実施の形態1による移動体通信システムの図15中のステップST9の動作を詳細に説明する。
先ず、基地局内の上りパケット送信管理部24は、自セル内の端末2から報告される送信データバッファのデータ量と、上記端末2に設定した上記スレッショルド値とを比較して、上記スレッショルド値を変更すべきか否かを判断する。これにより、上記スレッショルド値を変更すべきと判断されると、基地局は、前述した送信動作に従って基地局制御装置3にその旨を通知する。
ステップST1aにおいて、基地局からスレッショルドを変更すべき旨の通知を受信した基地局制御装置3内の無線資源管理部66は、当該基地局における個別チャネルの稼働状況に基づいて個別チャネルでのデータ送信に起因するノイズライズを概算する。
次に、無線資源管理部66は、上記基地局以外の他の基地局の現時点における稼動状態に応じたノイズライズに対する許容マージンを概算する(ステップST2a)。例えば、周辺基地局における端末数が多い場合、ハンドオーバが実行される領域を端末2が移動してくる可能性がある。この場合、無線資源管理部66は、ハンドオーバに起因するノイズライズを考慮したマージンを概算する。
このようにして周辺基地局の稼働状態を考慮したマージン(例えば、周辺基地局における端末数が多い場合を考慮したマージンなど)を求めると、無線資源管理部66は、基地局に設定したノイズライズに対する許容マージンに対して当該マージンをさらに持たせる。
つまり、上記許容マージンから周辺基地局の稼働状態などを考慮したマージンを差し引いたマージンを、基地局に設定すべき新たな許容マージンとする。
続いて、無線資源管理部66は、上記基地局のセル内におけるスケジューリングモードのノイズライズ、及び端末数を得る(ステップST3a)。このあと、無線資源管理部66は、ステップST1aで求めた個別チャネルでのデータ送信に起因するノイズライズ、及び、ステップST3aで求めた上記基地局のセル内におけるスケジューリングモードのノイズライズのそれぞれに対する許容マージンを概算する。
ステップST4aにおいて、無線資源管理部66は、ステップST2aにて周辺基地局の稼働状態に応じたマージンを見込んだ上記基地局の許容マージン全体から、個別チャネルについてのマージン、及び、スケジューリングモードについてのマージンを差し引いて、上記基地局における自律モードでのノイズライズに対する許容マージン(ノイズライズ枠)を求める。
次に、無線資源管理部66は、ステップST4aで求めた上記基地局における自律モードのノイズライズ枠に対して、上記基地局のセル内における自律モードで動作する端末数が適切であるかどうかを判定する(ステップST5a)。
基地局は、自セル内の各端末2から送信データバッファの送信データ量が報告されている。さらに、基地局制御装置3は、基地局から上記送信データ量の通知を受ける。基地局制御装置3内の無線資源管理部66は、基地局から通知される端末2の送信データ量について所定の期間における平均値を事前に算出しておく。
また、無線資源管理部66は、端末2の送信データ量についての上記平均値に対して基地局における自律モードのノイズライズ枠がどのくらいあれば、当該基地局に対して当該ノイズライズ枠を越えて復調不可能なデータ送信を行う端末数が全端末数に対して何%発生するかなどを統計的に予め求めておく。
ここで、例えば自律モードのノイズライズ枠を越えて復調不可能なデータ送信を行う端末数が全端末数に対して所定割合を超える場合を自律モードの端末数が多すぎる状態とし、反対に所定割合以下となる場合を自律モードの端末数が少なすぎる状態とし、これら以外の場合を自律モードの端末数が適切な状態であるものと定義しておく。
ステップST5aにおいて、無線資源管理部66は、上記平均値に対して現在の基地局における自律モードのノイズライズ枠がどのくらいあるかを調べ、この結果に基づいて自律モードの端末数が適切であるか否かを判定する。
ステップST5aにおいて自律モードの端末数が多すぎると判定すると、無線資源管理部66は、現時点で端末2に設定されている切り替えスレッショルドの値を下げる(ステップST6a)。自律モードの端末2に割り当てるノイズライズマージンは、基地局における自律モードのノイズライズ枠内に端末数に応じて分配される。
従って、自律モードの端末数が多くなると、基地局における自律モードのノイズライズ枠自体は一定であるので、自律モードの各端末2に割り当てるノイズライズマージンが減ってしまう。
このため、各端末2に割り当てるノイズライズマージンが減ると、送信データ量に見合うデータレートで送信を実行すると復調可能な範囲のノイズライズを越えてしまう端末2が発生することとなる。このように復調可能な範囲の許容マージンが与えられる端末数を越える状態を、セル内での自律モードの端末数が多い状態と規定している。
ステップST6aにおいてスレッショルド値を減少させると、無線資源管理部66は、図15のステップST10の処理に移行して、当該変更後のスレッショルド値をスレッショルドの変更に関する情報として上記基地局に報知指示する。
また、ステップST5aにおいて自律モードの端末数が適切であると判定すると、無線資源管理部66は、現在の切り替えスレッショルド値を維持する(ステップST7a)。このスレッショルド値は、図15のステップST10にてスレッショルドの変更に関する情報として基地局に報知指示される。
ステップST5aにおいて自律モードの端末数が少なすぎると判定すると、無線資源管理部66は、現時点で端末2に設定されている切り替えスレッショルドの値を上げる(ステップST8a)。ここで、自律モードの端末数が少なすぎる状態とは、送信データ量に見合うデータレートで送信を実行しても、各端末2に割り当てられたノイズライズマージンに対して必要以上の余裕が生じてしまう状態である。
この場合、スレッショルド値を上げてセル内での自律モードの端末数を増加させてやれば、各端末2に割り当てたノイズライズマージンを有効に利用することができる。
このようにして、ステップST8aにおいてスレッショルド値を増加させると、無線資源管理部66は、図15のステップST10の処理に移行して、当該変更後のスレッショルド値をスレッショルドの変更に関する情報として上記基地局に報知指示する。
なお、ステップST6a及びステップST8aにおいて、一度に行うスレッショルド値の上げ下げの幅が大きすぎると、必要以上の端末2が送信モードを切り替えてしまう可能性がある。
そこで、一度に行うスレッショルド値の上げ下げの幅はセル内での自律モードの端末数などを考慮した一定値に抑えて、上記スレッショルドの値は徐々に変えていくことが望ましい。
以上のように、第1の方法では、送信モードの切り替えスレッショルドの変更をセル内に一斉に通知できる。このため、上記スレッショルド変更を通知するシグナリングの発生回数を削減することができる。
上述した報知情報を利用するシグナリングでは、端末2ごとに設定ができない点が不利である。そこで、セル内の端末2について、例えばQoSクラスに基づいたグループ分けを実行して各グループごとに上記スレッショルドを設定するように構成してもよい。
具体的なグループ分け方法について説明する。
W−CDMA方式では、4つのQoSクラス(会話型クラス、ストリーミングクラス、インタラクティブクラス、バックグランドクラス)が規定されている。例えば、これらQoSクラスについての通信遅延の許容度を基にしてセル内の端末2を以下に示す3つのグループに分けることとする。
第1のグループは、会話型クラスやストリーミングクラスが属する、遅延を最も許容しない音声や動画などのデータを扱う通信サービスを利用するグループである。
第2のグループは、インタラクティブクラスが属する、遅延をある程度許容する通信サービスを利用するグループである。例えば、WWW(World Wide Web)などで提供される静止画やテキストファイルなどが扱われる。これらのデータを送信する場合、通信遅延はある程度許容されるが、完全に許容されるわけでなくあまり遅くなるとユーザに不快感を与える。
第3のグループは、バックグランドクラスが属する、遅延が許容される通信サービスを利用するグループである。例えば、通信に関するスケジューリングが必要で遅延が許容されるFTP(File Transfer Protocol)を用いたデータ転送などが該当する。
セル内の各端末2のグループ分けは、基地局との通信におけるQoSクラスを把握している基地局制御装置3内のQoSパラメータマッピング部64によって実行される。また、当該グループ分け結果もQoSパラメータマッピング部64に保持される。
次に、上述のようにしてグループ分けされた端末2に対するスレッショルドの変更処理について説明する。
基地局からスレッショルドを変更すべき旨の通知を受信した基地局制御装置3内の無線資源管理部66は、QoSパラメータマッピング部64に保持されているグループ分け結果に基づいて上記スレッショルドを変更すべき端末2がどのグループに属するかを判定する。
無線資源管理部66は、グループ分けの判定結果に基づいてグループごとに設定するスレッショルド値の上げ下げの幅を決定する。例えば、遅延を最も許容しない第1のグループの端末2に対しては、最も大きいスレッショルド値が設定されるよう制御する。また、遅延が許容される第3のグループの端末2に対しては最も小さいスレッショルド値が設定されるよう制御する。
このようにすることで、例えば遅延を最も許容しない第1のグループにおいては、遅延が最も生じない自律モードとなるようにモード切り替えが行われることになる。
なお、第1のグループにおいて、自律モードの端末数が増えてスケジューリングモードのノイズライズ枠が不足する場合は、スレッショルドの値を徐々に下げて送信データ量が多い端末2をスケジューリングモードに切り替えるように制御しても良い。
また、遅延が許容される第2のグループ及び第3のグループについては、スケジューリングモードに切り替えが行われるように、第1のグループと比較して低いスレッショルドが設定される。
しかしながら、セル内で第1のグループに属する端末数が少なく、基地局における許容マージンに余裕がある場合は、当該許容マージンを有効に利用するためにも、第2のグループ及び第3のグループに設定するスレッショルドの値を上げるように制御してもよい。
さらに、セル内の端末2がほとんど第1のグループに属する場合は、端末2が扱うデータが遅延をどの程度許容するかを示す遅延量に基づいて、さらに細分化したグループ分けを行うようにしてもよい。
次に、第2の方法について説明する。
この方法では、送信モードの切り替えスレッショルドの変更情報を個別チャネルや共通チャネルなどのレイヤ3メッセージに設定することで、個々の端末に最も適切な送信モードに切り替えることができる。
図17は、第2の方法に従って実施の形態1による基地局制御装置が端末の送信モード切り替えスレッショルドを決定する際における基地局のノイズライズマージンの分配例を示す図である。図18は、図17に示すノイズライズマージンの分配に応じた送信モード切り替えスレッショルドの変更を説明する図である。これらの図を用いて第2の方法における基本的な考え方を説明する。
先ず、送信モード切り替えスレッショルドを変更する前の状態として、セル内に複数の移動通信端末2が収容されているものとする。また、基地局におけるノイズライズマージンには、自律モードとスケジューリングモードとに起因したノイズライズに対する許容マージン、及び、個別チャネルなどでの送信に起因するノイズライズに対する許容マージン(図中の個別チャネルその他の領域)が、図17(a)に示すように分配されているものとする。
ここで、基地局における上記ノイズライズマージンは、上述したジャミングマージンに他セルの稼働状態やQoSにより考慮すべき干渉に対するマージンをさらに持たせた許容マージンである。
このとき、移動通信端末2の送信データバッファの上記スレッショルドが、バッファ内の送信データに対して図18(a)に示す関係にあるものとする。
個別チャネルでのデータ送信は、一定量のデータ送信があるものと仮定する。このとき、基地局制御装置3によって、個別チャネルでの送信に起因するノイズライズに対して必要な許容マージンを確保するように管理される。
このため、端末2と基地局との間で個別チャネルによるデータ送信の頻度が増加すると、基地局制御装置3は、個別チャネルによるデータ送信に要する許容マージンを増加させるよう基地局に指示する。
また、個別チャネルによるデータ送信は、個々の端末2ごとになされるものである。このため、個別チャネルによるデータ送信の頻度が増加すると、基地局におけるノイズライズマージンのうち、個々の端末2に割り当てた許容マージンから個別チャネルによる許容マージンが確保される。
これにより、図17(b)に示すように、基地局におけるノイズライズマージンのうち、自律モードに起因したノイズライズに対する許容マージンが、個別チャネルによる許容マージンを増加させた分だけ減少することになる。
また、この場合、送信データバッファに対して、図18(a)に示す送信モード切り替えスレッショルド値が設定されているままでは、自律モードでの許容マージンを越えるデータ送信が実行される可能性がある。
つまり、図18(a)に示すようなスレッショルドのままでは、基地局にデータ量の多い送信を実行しようとする端末2については、当該データ送信によるノイズライズを許容できなくなる。
このため、図18(b)及び図18(c)に示すように、切り替えスレッショルド値を下げる必要がある。しかしながら、切り替えスレッショルド値を下げる際、端末2ごとの通信品質に対する要求を考慮すべきである。例えば、個々の端末2が扱うデータの性質により遅延を許容するものか否かが異なる。
W−CDMA方式での通信サービスのQoSクラス分けにおいて、音声などのデータを扱う会話型クラスや、動画などのデータを扱うストリーミングクラスでは、遅延がユーザに不自然な知覚を与えるのを防ぐためにリアルタイム性が要求される。従って、これらのQoSクラスでは遅延をなるべく減らす必要がある。
一方、Webデータなどを扱うインタラクティブクラスや、FTPなどでのデータ転送を扱うバックグラウンドクラスでは、送信データの正確性は求められるものの遅延がユーザに知覚されることは少ない。このため、これらのデータ送信はベストエフォートで扱われ、遅延があっても問題は小さい。
そこで、第2の方法を用いて個々の端末2に対してスレッショルド変更を実行することで、遅延を許容しないデータを扱う端末2に対しては、図18(b)に示すように、送信データバッファのスレッショルド値の下げ幅を小さくして上記スレッショルドがあまり下がらないようにする。
反対に、遅延を許容できるデータを扱う端末2に対しては、図18(c)に示すように、送信データバッファのスレッショルド値の下げ幅を大きくして、図18(b)の場合よりもスレッショルドを低下させる。
このようにすることで、遅延を許容しないデータを扱う端末2は、遅延が生じにくい通信特性を有する自律モードを維持し、遅延を許容できるデータを扱う端末2のみを自律モードからスケジューリングモードに誘導される。
このとき、図17(b)に示すように、基地局における自律モードの許容マージンでは、遅延を許容しないデータを扱う端末2の許容マージン(遅延非許容の端末1台分のノイズマージン)のマージン低下を小さく抑え、遅延を許容できるデータを扱う端末2の許容マージン(遅延許容の端末1台分のノイズマージン)のマージン低下を大きくする。
なお、あまり一度にスレッショルドを下げすぎると自律モードとスケジューリングモードの端末数のバランスを崩してしまうためスレッショルドは徐々に下げていくのが望ましい。
図19は、実施の形態1による移動体通信システムにおいて第2の方法による送信データバッファのスレッショルド変更を施す場合の変更シーケンスを示す図である。基地局は、現時点の基地局端におけるノイズライズの測定を行う(ステップST1b)。具体的に説明すると、図10を用いて示したように、基地局内の希望波電力測定部16及び干渉波電力測定部17によって現時点の基地局端におけるノイズライズ(干渉量)が測定される。
このあと、基地局は、ステップST1bにて測定したノイズライズを基地局制御装置3に通知する(ステップST2b)。さらに、基地局は、自セル内の自律モード及びスケジューリングモードで動作している端末数をそれぞれ基地局制御装置3に通知する(ステップST3b)。
次に、基地局制御装置3内の無線資源管理部66は、周辺基地局の稼動状況(例えば、周辺基地局のセル内における収容端末数なども含む)を取得する(ステップST4b)。
周辺基地局において多数の端末2が稼動している場合、ハンドオーバが実行される領域を端末2が移動してくる可能性がある。この場合、基地局制御装置3内の無線資源管理部66は、基地局に通知する許容マージンとしてジャミングマージンにハンドオーバに起因するノイズライズを考慮したマージンをさらに持たせる。
続いて、無線資源管理部66は、当該基地局における個別チャネルの稼動状況を取得する(ステップST5b)。通常、個別チャネルは、ソフトハンドオーバにおいて周辺基地局から端末2にデータ送信するのに利用されるため、基地局制御装置3がその稼動状況を把握している。
無線資源管理部66は、ステップST1bからステップST5bまでで取得した現時点におけるノイズライズに対して、基地局におけるノイズライズマージンに余裕がある場合や、反対に当該マージンが不足しているか否かを判定する(ステップST6b)。この判定結果に応じて、無線資源管理部66は、自律モードとスケジューリングモードとのノイズライズ枠を変更する処理に移行する。
無線資源管理部66は、現時点におけるノイズライズに対して基地局におけるノイズライズマージンに過不足が生じており、基地局にて割り当てられているノイズライズ枠に変更が必要であると判定すると、基地局に対して自律モード及び/又はスケジューリングモードのノイズライズ枠を変更するよう指示する(ステップST7b)。
一方、無線資源管理部66は、現時点におけるノイズライズに対して基地局におけるノイズライズマージンに過不足が生じておらず、ノイズライズ枠の変更が必要でないと判定すると、上記ノイズライズ枠の変更指示を行わない。
基地局は、基地局制御装置3からノイズライズ枠の変更指示を受けると、当該指示に従ってノイズライズ枠を変更する(ステップST8b)。例えば、図17を用いて説明したように個別チャネルによるデータ送信の頻度が増加した場合、基地局制御装置3は、基地局におけるノイズライズマージンのうち個別チャネルのノイズライズ枠を増加させ、この増加分だけ自律モード用のノイズライズ枠を削減するよう指示する。
次に、無線資源管理部66は、基地局から端末2の送信モード切り替えスレッショルドを変更するべき旨の通知があると、現時点でのトラフィック状況、当該基地局におけるノイズライズ及びその許容マージンを考慮して、個々の端末2ごとの切り替えスレッショルドをどの値に変更するべきか否かを判断する(ステップST9b)。
このあと、無線資源管理部66は、上記判断結果のスレッショルド値を含む上記スレッショルドの変更に関する情報をレイヤ3メッセージとして上記基地局に送信する(ステップST10b)。
基地局制御装置3から上記スレッショルドの変更に関する情報を受けた基地局は、スレッショルドの設定対象の端末2と個別チャネル(DPCH)での通信が確立している場合は個別チャネル(DPCH)を利用し、個別チャネルでの通信が確立していなければ共通チャネル(FACH)を利用して、上記情報を対象端末2に送信する(ステップST11b)。
当該情報を受信した端末2は、図11を用いて説明した動作と同様にして、個別チャネル又は共通チャネルに設定された情報から送信モード切り替えスレッショルドの値を読み出し上記スレッショルドを変更する(ステップST12b)。
このあと、当該端末2内の上り個別チャネル送信部60が、切り替えスレッショルドの値を変更した旨の情報をメッセージとして上りDPCH又はRACHに設定して基地局に送信する(ステップST13b)。当該メッセージを受けた基地局は、上記変更が完了した旨を基地局制御装置3に通知する(ステップST14b)。
図20に示すフローチャートを用いて、実施の形態1による移動体通信システムの図19中のステップST9bにおける動作を詳細に説明する。
先ず、基地局内の上りパケット送信管理部24は、自セル内の端末2から報告される送信データバッファのデータ量と、上記端末2に設定した上記スレッショルド値とを比較して、上記スレッショルド値を変更すべきか否かを判断する。これにより、上記スレッショルド値を変更すべきと判断されると、基地局は、上述した送信動作に従って基地局制御装置3にその旨を通知する。
ステップST1cにおいて、基地局からスレッショルドを変更すべき旨の通知を受信した基地局制御装置3内の無線資源管理部66は、当該基地局における個別チャネルの稼働状況に基づいて個別チャネルでのデータ送信に起因するノイズライズを概算する。
次に、無線資源管理部66は、上記基地局以外の他の基地局の現時点における稼動状態に応じたノイズライズに対する許容マージンを概算する(ステップST2c)。例えば、周辺基地局における端末数が多い場合、ハンドオーバが実行される領域を端末2が移動してくる可能性がある。この場合、無線資源管理部66は、ハンドオーバに起因するノイズライズを考慮したマージンを概算する。
このようにして周辺基地局の稼働状態を考慮したマージン(例えば、周辺基地局における端末数が多い場合を考慮したマージンなど)を求めると、無線資源管理部66は、基地局に設定したノイズライズに対する許容マージンに対して当該マージンをさらに持たせる。
つまり、上記許容マージンから周辺基地局の稼働状態などを考慮したマージンを差し引いたマージンを、基地局に設定すべき新たな許容マージンとする。
続いて、無線資源管理部66は、上記基地局のセル内におけるスケジューリングモードのノイズライズ、及び端末数を得る(ステップST3c)。このあと、無線資源管理部66は、ステップST1cで求めた個別チャネルでのデータ送信に起因するノイズライズ、及び、ステップST3cで求めた上記基地局のセル内におけるスケジューリングモードのノイズライズのそれぞれに対する許容マージンを概算する。
ステップST4cにおいて、無線資源管理部66は、ステップST2cにて周辺基地局の稼働状態に応じたマージンを見込んだ上記基地局の許容マージン全体から、個別チャネルについてのマージン、及び、スケジューリングモードについてのマージンを差し引いて、上記基地局における自律モードでのノイズライズに対する許容マージン(ノイズライズ枠)を求める。
このとき、各端末2からの送信データレートの希望を受けている場合、無線資源管理部66は、これら送信データレートの希望を考慮してスケジューリングモードについての許容マージン(許容限界)を調整する(ステップST5c)。
端末2は、基地局との間でスケジューリングモードでデータ送信する際、自己が希望する送信データレートを当該基地局に通知する。基地局内の上りパケット送信管理部24は、当該端末2から希望された送信データレートと共に、そのデータ通信のスケジュールを管理する。
また、上りパケット送信管理部24は、当該当該端末2から希望された送信データレートを基地局制御装置3内の無線資源管理部66に通知する。
無線資源管理部66では、自セル内でスケジューリングモードで動作する端末2の送信データレートに応じたノイズライズを概算すると共に、当該ノイズライズに応じた許容マージンを求めて、スケジューリングモードについての許容マージンを調整する。
このあと、無線資源管理部66は、上述のようにして調整したスケジューリングモードについての許容マージンを用いて、ステップST4cで求めた自律モードの許容マージンを調整する。
次に、無線資源管理部66は、上述のようにして求めた上記基地局における自律モードのノイズライズ枠に対して、上記基地局のセル内における自律モードで動作する端末数が適切であるかどうかを判定する(ステップST6c)。
基地局は、自セル内の各端末2から送信データバッファ内の送信データ量を報告されている。さらに、基地局制御装置3は、基地局から上記送信データ量の通知を受ける。基地局制御装置3内の無線資源管理部66は、基地局から通知される端末2の送信データ量について所定の期間における平均値を事前に算出しておく。
また、無線資源管理部66は、端末2の送信データ量についての上記平均値に対して基地局における自律モードのノイズライズ枠がどのくらいあれば、当該基地局に対して当該ノイズライズ枠を越えて復調不可能なデータ送信を行う端末数が全端末数に対して何%発生するかなどを統計的に予め求めておく。
ここで、例えば自律モードのノイズライズ枠を越えて復調不可能なデータ送信を行う端末数が全端末数に対して所定割合を超える場合を自律モードの端末数が多すぎる状態とし、反対に所定割合以下となる場合を自律モードの端末数が少なすぎる状態とし、これら以外の場合を自律モードの端末数が適切な状態であるものと定義しておく。
ステップST6cにおいて、無線資源管理部66は、上記平均値に対して現在の基地局における自律モードのノイズライズ枠がどのくらいあるかを調べ、この結果に基づいて自律モードの端末数が適切であるか否かを判定する。
ここで、無線資源管理部66によって自律モードの端末数が多すぎると判定されると、基地局制御装置3内のQoSパラメータマッピング部64は、自律モードの端末2の中で遅延を許容するものを探索する(ステップST7c)。
セル内での自律モードの端末数が多い状態とは、上述したように自律モードでのノイズライズに対して復調可能な範囲の許容マージンを与えられる端末数を越える状態を、セル内での自律モードの端末数が多い状態と規定している。
また、QoSパラメータマッピング部64は、自律モードで動作する端末2についてのQoSクラスに基づいて、これら端末2の中で遅延を許容するデータを扱っているか否かを判断する。例えば、上述したQoSの4つのクラスで遅延許容か非許容かを判断する。また、W−CDMA方式における会話型クラスやストリーミングクラスでは、遅延量(Transfer delay)をms単位で規定しているので、これを元に許容できる遅延を判定するように構成しても良い。
続いて、無線資源管理部66は、ステップST7cにおいてQoSパラメータマッピング部64によって遅延非許容であると判定された端末2に対して、現在の切り替えスレッショルドの値を維持するか、若しくは、遅延許容の場合と比較して下げ幅を小さくしたスレッショルドを設定する(ステップST10c)。
ここで、無線資源管理部66は、遅延を許容しないQoSクラスに属する端末2のうち、QoSパラメータでの遅延量が大きい(遅延許容が緩い)ものほど、その切り替えスレッショルドの下げ幅を大きくする。例えば、切り替えスレッショルドの下げ幅について自律モードの端末2のセル内における混雑の度合に応じた係数kを設ける。
遅延量が20msと80msのQoSパラメータが設定された端末2があった場合、係数k=1とすれば、切り替えスレッショルドの下げ幅は、下記のようになる。
遅延量20msの端末2の下げ幅は、k・20/(20+80)=1/5=20%となる。
遅延量80msの端末2の下げ幅は、k・80/(20+80)=4/5=80%となる。
なお、いくつかの自律モードの端末2の切り替えスレッショルドの値を下げることによって、基地局のスケジューリングモードの許容マージンのうち自律モードの許容マージンを確保するために圧迫されていた分が解消されれば、無線資源管理部66は、上記係数kを0に設定して現在のスレッショルドの値を維持する。
また、無線資源管理部66は、ステップST7cにおいてQoSパラメータマッピング部64によって遅延許容であると判定された端末2に対して、ステップST10cの場合より大きな下げ幅で切り替えスレッショルドの値を下げる設定をする(ステップST11c)。このようにして、無線資源管理部66は、過剰の自律モードからスケジューリングモードに移行するよう切り替えスレッショルドを設定する。
また、ステップST6cにおいて自律モードの端末数が適切であると判定すると、無線資源管理部66は、現在の切り替えスレッショルド値を維持する(ステップST8c)。
さらに、ステップST6cにおいて自律モードの端末数が少なすぎると判定すると、無線資源管理部66は、現時点で端末2に設定されている切り替えスレッショルドの値を上げる(ステップST9c)。
ここで、自律モードの端末数が少なすぎる状態とは、送信データ量に見合うデータレートでデータ送信を実行しても、各端末2に割り当てられたノイズライズマージンに対して必要以上の余裕が生じてしまう状態である。
この場合、スレッショルド値を上げてセル内での自律モードの端末数を増加させてやれば、各端末2に割り当てたノイズライズマージンを有効に利用することができる。
このように、無線資源管理部66は、送信データレート、自律モードの端末数、スケジューリングモードのノイズライズ枠、及び、許容すべき遅延量に基づいて、切り替えスレッショルドの変更幅を決定する。
ステップST8cからステップST11cまでのいずれかで切り替えスレッショルド値を決定すると、無線資源管理部66は、図19のステップST10bの処理に移行して、当該変更後のスレッショルド値を含むレイヤ3メッセージを生成して上記基地局に送信する。
基地局制御装置3からスレッショルドの変更メッセージを受けた基地局は、図19のステップST11bにおいて、スレッショルドの設定対象の端末2と個別チャネル(DPCH)での通信が確立している場合は個別チャネル(DPCH)を利用し、個別チャネルでの通信が確立していなければ共通チャネル(FACH)を利用して、上記情報を対象端末2に送信する。
このあと、図19のステップST12bからステップST14bまでの処理にて、移動通信端末2が、自己の送信データバッファにおける切り替えスレッショルドの値を変更する。
なお、ステップST9cにおいて、QoSパラメータマッピング部64がQoSパラメータに基づいて遅延を許容するか否かを判定し、この判定結果を基に、無線資源管理部66が、特に遅延を許容しない端末2についての切り替えスレッショルドの上げ幅を遅延許容のものより多めに設定するように構成しても良い。このようにすることで、個々の端末に最も適切な送信モードに切り替えることができる。
また、ステップST9c、ステップST10c及びステップST11cにおいて、一度に行うスレッショルド値の上げ下げの幅が大きすぎると、必要以上の端末2が送信モードを切り替えてしまう可能性がある。そこで、一度に行うスレッショルド値の上げ下げの幅はセル内での自律モードの端末数などを考慮した一定値に抑えて、上記スレッショルドの値は徐々に変えていくことが望ましい。
以上のように、第2の方法では、セル内の端末2に対して個別に切り替えスレッショルドを設定するので、端末2ごとに必要としている通信条件に応じた通信モードの設定が可能になる。特に、個々の端末2が扱うデータが遅延を許容するものであるか否かに応じて自律モードとスケジューリングモードとの切り替えることによって、個々の端末2との間でのデータ通信に設定されたQoSを保証することができる。
なお、第1の方法及び第2の方法において、基地局制御装置3内の無線資源管理部66が、通信モード切り替えスレッショルドを決定する構成を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、基地局制御装置3からQoS情報などを基地局が得て、基地局内の上りパケット通信管理部24が、通信モード切り替えスレッショルドを決定するよう構成してもよい。
また、基地局制御装置3側で決定した上記スレッショルド値を、基地局側で現時点でのトラフィック状況などに応じて変更を加えて端末2に通知しても良い。つまり、基地局及び基地局制御装置3が共同して上記スレッショルド値を決定する構成も本発明に含まれる。
この場合、基地局制御装置3から通知されたスレッショルド値を変更する基地局側の構成としては、上りパケット通信管理部24が考えられる。
次に、第3の方法について説明する。
この方法では、物理レイヤシグナリング(L1シグナリング)を用いて送信モードの切り替えスレッショルドの変更情報を個別の端末に送信することで、個々の端末に最も適切な送信モードに切り替えることができる。また、第3の方法では、第2の方法より高速な物理レイヤシグナリングを利用するため、パケットのトラフィック変動に追従した切り替えスレッショルド変更が可能である。
物理レイヤシグナリング(以降、L1シグナリングと称する)とは、移動通信端末2と基地局との間の物理レイヤの通信条件を設定するための物理レイヤのビット情報に上記スレッショルドに関する情報を割り当てるものである。
例えば、新しいチャネル及びそのスロットフォーマットを導入して物理レイヤシグナリングを実行する。ここで、スロットフォーマットとは、伝送パケットデータの1スロット当たりのビットの割り付け方を規定するものである。
つまり、物理レイヤシグナリングによる切り替えスレッショルドの変更では、スロットフォーマットにて伝送パケットデータ中における切り替えスレッショルドの変更情報の設定ビットを定義する。
具体例としては、UL−SICCHなどを物理レイヤシグナリングのための新チャネルとして定義し、そのスロットフォーマットに切り替えスレッショルド値の上げ下げを指定する2値コマンドを設定するビットを定義する。
また、この他に、パンクチャリングによる方法がある。これは、現在使用している個別チャネル(DPCH)に設定されるデータのある部分を削ってその部分に切り替えスレッショルド値を指定する情報を挿入するものである。元のデータに強力な誤り訂正機能を持たせておき、元のデータからのある程度の誤差を修正することが可能な場合に実現することができる。
なお、この方法では、元のデータについてのビット誤り率が増加してしまうため、切り替えスレッショルド値を設定するビット数をあまり多くとることができない。
図21は、第3の方法に従って実施の形態1による基地局が端末の送信モード切り替えスレッショルドを決定する際における基地局のノイズライズマージンの分配例を示す図である。この図を用いて第3の方法における基本的な考え方を説明する。
送信モード切り替えスレッショルドを変更する前の状態として、セル内に複数の移動通信端末2が収容されているものとする。また、図21(a)に示すように、基地局におけるノイズライズマージンには、自律モードとスケジューリングモードとに起因したノイズライズに対する許容マージン、及び、個別チャネルなどでの送信に起因するノイズライズに対する許容マージン(図中の個別チャネルその他の領域)が分配されているものとする。
ここで、基地局における上記ノイズライズマージンは、上述したジャミングマージンに対して他セルの稼働状態やQoSから考慮すべき干渉に対するマージンをさらに持たせた許容マージンである。
一般に、パケット通信においては間欠的な送信となりやすい。つまり、何か大きいデータをアップロードする際、通信負荷は大きくなるが、その送信が止むと上記負荷は減ることが多い。
セル内の端末数が多く、それぞれの端末2が全く異なった通信サービスを扱う場合、トラフィックの時間的変動は統計的に見てある程度は吸収される。しかしながら、セル内の多くの端末2が同じ通信サービスを扱う場合、トラフィックの時間的変動は、過負荷になったり、閑散としてしまうこともある。
例えば、スケジューリングモードの端末2のパケット通信の頻度が増える(活発になってくる)と、図21(b)に示すように、基地局の許容マージンのうち、スケジューリングモード用のマージンをより多く分配しなければならず、その分自律モード用マージンが削減される。
逆に、スケジューリングモードの端末のパケット通信の頻度が少なくなってくる(活発でなくなってくる)と、図21(c)に示すように、基地局の許容マージンのうちスケジューリングモード用のマージンを減らして、その分自律モード用マージンが増加するように制御されるのが望ましい。
上述のように、自律モードマージンを減らす場合は、一部の端末2を自律モードからスケジューリングモードに切り替えれば良く、逆に自律モードマージンを増やす場合は、一部の端末をスケジューリングモードから自律モードに切り替えればよい。
ここで、高速に変動する各送信モードのトラフィックに追従して、上記のような送信モードの切り替えを実行するには、切り替えスレッショルドをなるべく速く変化させる必要がある。そこで、第3の方法では、レイヤ3メッセージより高速な物理レイヤシグナリングを利用する。
図22は、実施の形態1による移動体通信システムにおいて第3の方法による送信データバッファのスレッショルド変更を施す場合の変更シーケンスを示す図である。基地局内の上りパケット送信管理部24は、基地局制御装置3からアップリンクエンハンスメント用のノイズライズ枠を事前に指定される(ステップST1d)。
具体的に説明すると、基地局制御装置3内の無線資源管理部66は、QoSパラメータマッピング部64が管理するQoSパラメータや、対象基地局以外の他セルの稼働状態や対象基地局のセルのトラフィック状況を考慮して、対象基地局に対する一定範囲の許容マージンを求め、対象基地局に通知する。
基地局に通知される許容マージンとは、図5で制御可能なマージンとされたスケジューリングモード用のマージンと自律モード用のマージン、及び、自セル干渉や他セル干渉などからなる図5で非制御とされたマージンが分配されたものである。
ここで、基地局制御装置3は、上記許容マージン全体を一定の範囲で決定して基地局に設定する。一方、当該許容マージンにおける各送信モードについての許容マージンの分配比率は、基地局内の上りパケット送信管理部24が決定する。
次に、基地局内の上りパケット送信管理部24は、自セル内の端末2からスケジューリングモードでのデータ送信における送信データレートの希望を受け付ける(ステップST2d)。
上りパケット送信管理部24は、自律モードでの許容データレートを決定する他、スケジューリングモードでのデータ送信を管理するスケジューラとしても機能する。上述した端末2からの送信データレートは、スケジューリングモードでのデータ送信スケジュール内容として上りパケット送信管理部24に登録される。
このあと、上りパケット送信管理部24は、基地局制御装置3から割り当てられた許容マージンに対してスケジューリングモードのトラフィックにおける負荷状況が適切が否かを判断し、この判断結果に応じて各送信モードが切り替えられるように切り替えスレッショルドを決定する(ステップST3d)。この処理については図23を用いて詳細に後述する。
ステップST3dにて切り替えスレッショルド値を決定すると、上りパケット送信管理部24は、スレッショルドの変更対象の端末2に対して、図10を用いて前述した送信動作に従ってL1シグナリングにて変更後のスレッショルド値を指示する(ステップST4d)。
なお、上述したように、L1シグナリングにおける切り替えスレッショルド変更指示を、スレッショルド値を上げる又は下げるのみを指定する2値コマンドとする場合、伝送エラーなどにより上記変更指示が端末2に正確に送信されない可能性がある。
このため、基地局は、端末2に切り替えスレッショルドの変更指示が確実に受信されるように、複数回連続してL1レイヤコマンドを送る(ステップST5d)。
以上のように、第3の方法では、切り替えスレッショルドの変更処理において基地局制御装置3が介在する処理を最小限に抑えている。このため、基地局と基地局制御装置3との間での通信を省略することができ、端末2の切り替えスレッショルドの変更を迅速に実行することができる。
図23に示すフローチャートを用いて、実施の形態1による移動体通信システムの図22中のステップST3dにおける動作を詳細に説明する。
先ず、基地局内の上りパケット送信管理部24は、自セル内でスケジューリングモードによるデータ送信がスケジュールリングされている状況を調べる(ステップST1e)。
次に、上りパケット送信管理部24は、ステップST1eで調べたスケジューリング状況に基づいて、基地局制御装置3から割り当てられた許容マージンに対してスケジューリングモードのトラフィックの負荷が適切か否かを判定する(ステップST2e)。
具体的に説明すると、上りパケット送信管理部24は、スケジューリングモードでのデータ送信を通知してきた端末数やそのデータ通信において送信されるべきデータ量から、スケジューリングモードのトラフィックの負荷が適切か否かを判定する。
上りパケット送信管理部24は、例えば自セル内でスケジューリングモードの端末数やそのデータ通信において送信されるべきデータ量が多く、当該スケジューリングモードでのデータ送信についてのQoSにより指定された通信条件(遅延要求など)を満たさなくなる場合を、スケジューリングモードのトラフィックの負荷が多すぎる状態と判断する。
反対に、自セル内でスケジューリングモードの端末数やそのデータ通信において送信されるべきデータ量が少なく、当該スケジューリングモードでのデータ送信についてのQoSにより指定された通信条件(遅延要求など)を十分に満たしているが、スケジューリングモード用の許容マージンのほとんどが利用されていない場合を、スケジューリングモードのトラフィックの負荷が少なすぎる状態と判断する。
スケジューリングモードでは、上りパケット送信管理部24に割り当てられた無線資源しか利用されず、割り当てを繰り返せば制限無くスケジューリングモードでの端末2を設定してゆくことができる。
しかしながら、スケジューリングモードでの端末2が数多く設定されると、スケジュールに沿った順番でのみデータ送信が実行されるため、不可避的に遅延が生じてしまう。
そこで、上記判定方法は、スケジューリングモードの端末2が扱うデータについてどの程度遅延が許容されるかに応じてスケジューリングモードのトラフィックの負荷が適切か否かを判定するものである。
また、上記以外の判定方法としては、自律モードに着目する処理が挙げられる。具体的に説明すると、上りパケット送信管理部24は、自セル内における自律モードの端末2が、事前に通知した許容データレート範囲の最大値でデータ送信してきた場合を仮定してそのノイズライズを概算する。
そして、このノイズライズに応じた自律モードの許容マージンを設定した場合に、現時点でスケジューリングモード用の許容マージンを削減しなければならない状態を、スケジューリングモードのトラフィックの負荷が多すぎる状態と判断する。
反対に、上記ノイズライズに応じた自律モードの許容マージンを設定しても、現時点でスケジューリングモード用の許容マージンを増加してもよい状態を、スケジューリングモードのトラフィックの負荷が少なすぎる状態と判断する。
なお、上記両判定方法において、上述したスケジューリングモードのトラフィックの負荷が多い場合及び少ない場合以外の状態をトラフィックの負荷が適切な状態と判断することとする。
ステップST2eにおいてトラフィックの負荷が適切な状態であると判定すると、上りパケット送信管理部24は、図23に示す処理を終了し、端末2への通知も行わない。
ステップST2eにおいてトラフィックの負荷が多い状態であると判定すると、上りパケット送信管理部24は、自セル内で自律モードでの送信頻度が多い端末2を探索する(ステップST3e)。例えば、自律モードでの許容データレートの事前通知を行った回数が所定値を越える端末2を自律モードでの送信頻度が多いものと判定する。
次に、上りパケット送信管理部24は、ステップST3eにて自律モードでの送信頻度が多いと判定した端末2が遅延を許容するか否かを判定する(ステップST4e)。この判定は、当該端末2が扱うデータのQoSにより指定された遅延量に基づいて実施する。このとき、遅延を許容しない端末2であると判断すると、上りパケット送信管理部24は、図23に示す処理を終了し、端末2への通知も行わない。
一方、遅延を許容する端末2であると判断すると、上りパケット送信管理部24は、当該端末2についての切り替えスレッショルド値を下げて、図22のステップST4dの処理に移行する(ステップST5e)。
このようにして、L1シグナリングにより上記変更後の切り替えスレッショルド値が通知されると、端末2は、当該スレッショルド値に応じて送信モードを切り替え、その旨を基地局に応答する。
基地局内の上りパケット送信管理部24は、上記端末2からの送信モード切り替え応答によって、当該端末2がスケジューリングモードに切り替わった否かを判定する(ステップST6e)。
このとき、スケジューリングモードに切り替わったと判定すると、上りパケット送信管理部24は、新たなスケジューリングモードに対するノイズライズを概算し、基地局制御装置3から設定された許容マージンの範囲内でスケジューリングモードのノイズライズマージン(ノイズライズ枠)を増加させる(ステップST7e)。
一方、ステップST6eにて端末2から送信モードが切り替わった旨の応答がなく、スケジューリングモードに移行していないと判断すると、上りパケット送信管理部24は、図22のステップST5dの処理に移行して、上記変更後の切り替えスレッショルド値が設定されたL1シグナリングコマンドを継続して対象端末2に送信する(ステップST8e)。このあと、端末2から送信モードが切り替わった旨の応答があれば、ステップST6eからの処理に戻る。
また、上りパケット送信管理部24は、ステップST2eにてスケジューリングモードのトラフィックの負荷が少ないと判定すると、自セル内に収容された端末2のうち、スケジューリングモードでの送信頻度が少ない端末2、若しくは、遅延を許容できないデータを扱う端末2を探索する(ステップST9e)。
ステップST9eにおいて、スケジューリングモードでの送信頻度が少ない端末2、若しくは、遅延を許容できないデータを扱う端末2が抽出された場合、上りパケット送信管理部24は、当該端末2についての切り替えスレッショルド値を上げて、図22のステップST4dの処理に移行する(ステップST10e)。
上述したように、端末2は、L1シグナリングにより上記変更後の切り替えスレッショルド値が通知されると、当該スレッショルド値に応じて送信モードを切り替え、その旨を基地局に応答する。
上りパケット送信管理部24は、上記端末2からの送信モード切り替え応答によって、当該端末2が自律モードに切り替わったか否かを判定する(ステップST11e)。
このとき、自律モードに切り替わったと判定すると、上りパケット送信管理部24は、新たな自律モードに対するノイズライズを概算し、基地局制御装置3から設定された許容マージンの範囲内で自律モードのノイズライズマージン(ノイズライズ枠)を増加させる(ステップST12e)。
一方、ステップST11eにて端末2から送信モードが切り替わった旨の応答がなく、自律モードに移行していないと判断すると、上りパケット送信管理部24は、図22のステップST5dの処理に移行して、上記変更後の切り替えスレッショルド値が設定されたL1シグナリングコマンドを継続して対象端末2に送信する(ステップST13e)。このあと、端末2から送信モードが切り替わった旨の応答があれば、ステップST11eからの処理に戻る。
以上のように、第3の方法によれば、レイヤ3メッセージによる場合より高速な物理レイヤシグナリングによって切り替えスレッショルドの変更情報を端末2に通知するので、基地局と端末2との間のパケット通信におけるトラフィックの変動に追従した切り替えスレッショルドの変更を実行することができる。また、第3の方法によれば、トラフィック変動に応じて各送信モードのノイズライズに対する許容マージンを適切に分配することもできる。
なお、上述した第3の方法では、基地局内の上りパケット送信管理部24が、通信モード切り替えスレッショルドを決定する構成を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、基地局制御装置3内の無線資源管理部66が、自己が把握するQoS情報や基地局から得た現時点のトラフィック状況に基づいて、通信モード切り替えスレッショルドを決定するよう構成してもよい。
この場合、通信モード切り替えスレッショルド値を指定する情報が、基地局制御装置3から基地局に通知され、基地局から第3の方法にて端末2に通知されることになる。
また、上記実施の形態では、基地局制御装置3を含めた基地局側の構成が、端末2の切り替えスレッショルド値を決定し、端末2は基地局側から指定されたスレッショルド値に応じて送信モードを切り替える処理を説明した。しかしながら、本発明は、上記構成に限定されるものではない。
例えば、基地局制御装置3を含めた基地局側の構成が、端末2の切り替えスレッショルド値に基づいて切り替えるべき送信モードを決定し、端末2は基地局側からの指示に従って送信モードを切り替えるようにしても良い。
以下、この構成に対して上記第1から第3の方法のそれぞれを適用した場合についての実施の形態を説明する。
先ず、図24に示すフローチャートを用いて、基地局側が切り替えるべき送信モードを決定し、端末2が基地局側からの指示に従って送信モードを切り替える構成に対して第1の方法を適用した場合における動作を詳細に説明する。
ステップST1aからステップST8aまでの処理は、図16と同様であるので説明を省略する。ステップST6aからステップST8aまでのいずれかのステップにて、基地局制御装置3内の無線資源管理部66が、切り替えスレッショルド値を決定すると、このスレッショルド値を基地局に通知する。
基地局内の上りパケット送信管理部24では、基地局制御装置3から通知された上記スレッショルド値と、自セル内の各端末2から事前に通知されている送信データ量とを比較して、当該端末2に設定すべき送信モードを決定する(ステップST9a)。
例えば、事前通知されていた送信データ量が上記スレッショルド値を越える場合、スケジューリングモードを設定すべきと決定し、逆の場合は自律モードを選択する。
ステップST9aにて送信モードを決定すると、上りパケット送信管理部24は、報知情報送信部28に指示して、報知情報を用いて各端末2に対して当該送信モードに切り替える旨のシグナリングを実行する(ステップST10a)。
具体的には、図15におけるステップST11の処理において、変更後の切り替えスレッショルド値を含む情報ではなく、基地局側で決定した送信モードを指定する情報が送信されることになる。
このように、基地局側が、切り替えスレッショルド値のみでなく、切り替えるべき送信モードを決定することで、端末2がどの送信モードに切り替わったかを知ることができる。
このため、端末2が基地局側から指定されたスレッショルド値に応じて送信モードを切り替えた際に必要であった、端末2が切り替えた送信モードを基地局に通知する応答シグナリングを省略することができる。
次に、図25に示すフローチャートを用いて、基地局側が切り替えるべき送信モードを決定し、端末2が基地局側からの指示に従って送信モードを切り替える構成に対して第2の方法を適用した場合における動作を詳細に説明する。
ステップST1cからステップST11cまでの処理は、図20と同様であるので説明を省略する。基地局制御装置3内の無線資源管理部66が、ステップST8c、ステップST9c、ステップST10c及びステップST11cまでのいずれかのステップで、切り替えスレッショルド値を決定すると、このスレッショルド値を基地局に通知する。
基地局内の上りパケット送信管理部24は、基地局制御装置3から通知された上記スレッショルド値と、送信モードの切り替え対象の端末2から事前に通知されている送信データ量とを比較して、当該端末2に設定すべき送信モードを決定する(ステップST12c)。
ステップST12cにて送信モードを決定すると、上りパケット送信管理部24は、下り個別チャネル送信部29又は下り共通チャネル送信部34に指示して、個別チャネル又は共通チャネルを用いて上記対象端末2に対して当該送信モードに切り替える旨のシグナリングを実行する(ステップST13a)。
具体的には、図19におけるステップST11bの処理において、変更後の切り替えスレッショルド値を含む情報ではなく、基地局側で決定した送信モードを指定する情報が送信されることになる。なお、この場合、図19におけるステップST13b及びステップST14bの処理は省略される。
このように、基地局側が、切り替えスレッショルド値のみでなく、切り替えるべき送信モードを決定することで、端末2がどの送信モードに切り替わったかを知ることができる。
このため、端末2が基地局側から指定されたスレッショルド値に応じて送信モードを切り替えた際に必要であった、端末2が切り替えた送信モードを基地局に通知する応答シグナリングを省略することができる。
なお、上述した説明では、基地局制御装置3内の無線資源管理部66が、通信モード切り替えスレッショルドを決定する構成を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、基地局制御装置3からQoS情報などを基地局が得て、基地局内の上りパケット通信管理部24が、通信モード切り替えスレッショルドを決定するよう構成してもよい。
このようにすることで、通信モード切り替えスレッショルドの決定処理において、基地局制御装置3が介在する処理を減らすことができ、基地局と基地局制御装置3との間のシグナリング回数の増加を抑制することができる。
また、基地局が、基地局制御装置3側で決定した上記スレッショルド値を現時点でのトラフィック状況などに応じて変更を加えて、変更後のスレッショルド値と、事前に通知されている端末2の送信データ量とを比較して送信モードを決定するよう構成しても良い。
つまり、基地局及び基地局制御装置3が共同して上記スレッショルド値を決定する構成も本発明に含まれる。この場合、基地局制御装置3から通知されたスレッショルド値を変更する基地局側の構成としては、上りパケット通信管理部24が考えられる。
続いて、図26に示すフローチャートを用いて、基地局側が切り替えるべき送信モードを決定し、端末2が基地局側からの指示に従って送信モードを切り替える構成に対して第3の方法を適用した場合における動作を詳細に説明する。
先ず、ステップST1eからステップST4eまでの処理は、図23と同様であるので説明を省略する。ステップST4eにて遅延を許容する端末2であると判断すると、上りパケット送信管理部24は、当該端末2についての切り替えスレッショルド値を下げる(ステップST5e−1)。
次に、上りパケット送信管理部24は、ステップST5e−1で決定したスレッショルド値と、ステップST4eにて探索された端末2から事前に通知されている送信データ量とを比較して、当該端末2に設定すべき送信モードを決定する(ステップST5e−2)。
続いて、上りパケット送信管理部24は、当該端末2に設定すべき送信モードを指定する情報を、前述したL1シグナリングとして図22のステップST4dの処理に移行する(ステップST5e−3)。
以降のステップST6eからステップST8eまでの処理は、図23と同様であるので説明を省略する。
また、ステップST9eにおいて、スケジューリングモードでの送信頻度が少ない端末2若しくは遅延を許容できないデータを扱う端末2が抽出された場合、上りパケット送信管理部24は、当該端末2についての切り替えスレッショルド値を上げる(ステップST10e−1)。
次に、上りパケット送信管理部24は、ステップST10e−1で決定したスレッショルド値とステップST9eにて探索された端末2から事前に通知されている送信データ量とを比較して、当該端末2に設定すべき送信モードを決定する(ステップST10e−2)。
続いて、上りパケット送信管理部24は、当該端末2に設定すべき送信モードを指定する情報を、前述したL1シグナリングとして図22のステップST4dの処理に移行する(ステップST10e−3)。
移行のステップST11eからステップST13eまでの処理は、図23と同様であるので説明を省略する。
なお、上述した第3の方法では、基地局内の上りパケット送信管理部24が、通信モード切り替えスレッショルドを決定する構成を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、基地局制御装置3内の無線資源管理部66が、自己が把握するQoS情報や基地局から得た現時点のトラフィック状況に基づいて、通信モード切り替えスレッショルドを決定するよう構成してもよい。
この場合、通信モード切り替えスレッショルド値を指定する情報が、基地局制御装置3から基地局に通知され、基地局から第3の方法にて端末2に通知されることになる。
さらに、上記説明では、基地局内の上りパケット送信管理部24が、通信モードを決定する構成を述べたが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、基地局制御装置3内の無線資源管理部66が、自己が把握するQoS情報や、基地局を介して端末2が実行しようとするデータ通信の送信データ量などを取得して、当該端末2に設定すべき送信モードを決定するよう構成してもよい。
この場合、図15におけるステップST10及びステップST11、図19におけるステップST10b及びステップST11bの処理において、変更後の切り替えスレッショルド値を含む情報ではなく、基地局側で決定した送信モードを指定する情報が送信されることになる。
また、無線資源管理部66が決定した送信モードは、基地局制御装置3から基地局に通知されたあと、基地局が上記各方法にて端末2に通知することとなる。
以上のように、この実施の形態1によれば、基地局の稼動状況に応じて端末2に適切な送信モードを設定することができると共に、基地局に設定されたノイズライズに対する許容マージンに各送信モードについての許容マージンを適切に分配することができる。
また、個々の端末2に対して切り替えスレッショルドを設定する場合、その端末2が扱うデータのQoSを考慮して各送信モードの振り分けを可能にし、個々の端末のデータ送信のニーズを反映した効率的な無線資源の利用が可能となる。
なお、上記実施の形態では、基地局に対して端末2からシグナリングすることで、基地局側の構成が、端末2の送信モード切り替えを判断するための送信バッファ情報を取得する旨を説明した。
ここで、端末2から基地局に対する送信バッファ情報のシグナリングは、端末2が扱うデータの遅延許容度に応じてその頻度を変えないと、送信モードを切り替えたとしても遅延要求を満たさなくなる可能性がある。
例えば、基地局に到着する端末2からの送信バッファ情報のシグナリング頻度が少ないと、基地局側の構成が、端末2の現時点での送信データバッファの状態を把握するのが遅れてしまう。
この場合、端末2をスケジューリングモード又は自律モードに切り替える処理が遅れ、ひいては、当該端末2のデータ通信における遅延要求を満たせなくなる可能性がある。
そこで、移動通信端末2が、自己が扱うデータ通信に設定された遅延要求に応じて、基地局に対する送信バッファ情報のシグナリング頻度を変更しても良い。
例えば、端末2から基地局に対して予め定めた周期で上記シグナリングを実行する場合、遅延要求が厳しいデータ通信を行う端末2については、短い周期で上記シグナリングを実行し、遅延要求が緩いデータ通信を扱う端末2では、長い周期でシグナリングする。このシグナリング周期の設定は、実行しようとするデータ通信の許容遅延量に従って端末個別に実行する。
上記シグナリング周期の生成処理を説明すると、P−CCPCH(BCH)には、送信タイミングの基本になるSFN(System Frame Number)というカウンタ情報が設定されている。基地局内の上りパケット送信管理部24は、基地局制御装置3から得たQoSパラメータなどに基づいて、端末2による送信バッファ情報のシグナリング周期を決定する。
このシグナリング周期を端末2に設定する方法としては、前述した切り替えスレッショルドのシグナリングと同様に、第1の方法における報知情報の利用(端末2のグループへの一括指定)、第2の方法における個別又は共通チャネルの利用(端末2への個別指定)、及び、第3の方法における物理レイヤシグナリングが考えられる。
移動通信端末2では、基地局から上記シグナリング周期に関する情報を受信すると、図11を用いて説明したように、逆拡散復調部46から各データチャネルに設定された信号を復調する。プロトコル処理部56は、逆拡散復調部46が復調した信号から上記シグナリング周期に関する情報を取得する。
次に、プロトコル処理部56は、上記シグナリング周期に関する情報から得た周期を、送信データバッファ58の状態を基地局に通知するためのUL−SICCHでの送信周期としてバッファ状態送信部55に設定する。さらに、移動通信端末2では、P−CCPCH(BCH)に設定されるSFN値によって、データを送信すべきタイミングの同期を基地局との間でとる。
上記シグナリングの周期を効率よく指定する方法として、グループ分けを利用してもよい。具体的に説明すると、例えばQoSクラスを用いて会話型クラスやストリーミングクラスに属する端末2は、当該QoSクラスで許容できる最大遅延量に合わせてグループ分けし、上記シグナリング周期を決定する。
一方、上記以外のQoSクラスに属する端末2については、例えば会話型クラスやストリーミングクラスに属する端末2より長い周期を設定する。この方法では、各グループの端末2についてQoSクラスに応じた通信モードでの干渉量の管理をすることができるという利点がある。
次に、上述したように周期的にシグナリングを実行せず、移動通信端末2の状態が予め定めた条件に達した時点で上記送信バッファ情報のシグナリングを実行する場合の応用例を説明する。
上記予め定めた条件としては、端末2の上りパケット通信用送信データバッファ58に一定量の送信データが蓄積された時点で、端末2が基地局に対して上記送信バッファ情報のシグナリングを実行することが考えられる。
この場合、送信データバッファ58に一定量の送信データが蓄積されるまで、上記送信バッファ情報のシグナリングが実行されないことになる。しかしながら、端末2が扱うデータによっては、送信データバッファ58に一定量の送信データが蓄積されるのを待つことなく、上記シグナリングを実行すべき場合がある。
例えば、端末2がインターネットなどを介して実行したアプリケーションからの応答信号は、そのデータ量は少ないが、その存在自体はなるべく早く基地局に通知されるべきである。
そこで、端末2に対して上記シグナリング周期を指定するタイマを設定し、遅延要求が厳しいデータを扱う際には送信データバッファに一定量の送信データが蓄積されるのを待つことなく、タイマが一定時間を経過すると上記シグナリングを実行するように構成しても良い。
上記タイマの指定は、基地局側の構成から明示的にシグナリングする場合と、端末2自身が設定する場合とが考えられる。
先ず、図10及び図11を用いて、基地局側の構成から明示的にシグナリングして上記タイマを指定する場合の動作を説明する。ここでは、端末2内の上りパケット送信管理部51が上記タイマとして機能するものとする。
基地局制御装置3は、タイマ設定の対象となる端末2によるデータ通信に関するQoSパラメータを用いて、当該QoSパラメータに応じた周期を指定するタイマ情報を生成する。
次に、基地局が、基地局制御装置3から上記タイマ情報を取得し、下り個別チャネル送信部29を介して個別チャネルの情報として上記端末2に送信する。
上記端末2では、下り個別チャネル受信部63が上記個別チャネルの情報を受信し、プロトコル処理部56に送信する。プロトコル処理部56では、上記個別チャネルの情報からタイマ情報を読み出し、上りパケット送信管理部51に送る。
上りパケット送信管理部51は、上記タイマ情報に従ってタイマを設定し、タイムアウトになるとバッファ状態送信部55に対して上記送信バッファ情報のシグナリングの実行を指示する。
次に、端末2側で自律的にタイマを管理する処理を説明する。
先ず、上りパケット送信管理部51は、自己が把握するQoS情報及び過去の送信の有無によりタイマ値を決定する。このタイマがタイムアウトになると、上りパケット送信管理部51が、バッファ状態送信部55に対して上記送信バッファ情報のシグナリングの実行を指示する。
上記シグナリングを効率よく実行するためのタイマの指定方法としては、例えば基地局制御装置3や上りパケット送信管理部51が会話型クラスやストリーミングクラスにおける許容遅延量に比例してタイマを設定することが考えられる。
また、インタラクティブクラスやバックグラウンドクラスでは、基地局制御装置3や上りパケット送信管理部51が、初めて通信を行った端末2より過去に通信を行った履歴のある端末2に対してはタイマの時間を短めに指定し、さらに通信間隔が空いてゆくにつれて徐々にタイマの指定時間を長くする。
このようにすることで、基地局に対する送信データバッファ情報のシグナリング回数をデータ通信のニーズに合わせて柔軟に設定することができる。例えば、トラフィックが少ないデータ通信を行っている端末2に対しては、上記シグナリングの間隔を空けるなどして効率よくシグナリング回数を制御することができる。
また、上述した周期的にシグナリングする方法と、タイマを用いる方法とを併用しても良い。例えば、遅延量が厳しく設定されているデータ通信を行う端末2は、送信データバッファ情報のシグナリングを周期的に基地局に対して実行し、遅延量が緩く設定されているデータ通信を行う端末2はタイマで指定された間隔で上記シグナリングを実行する。
より具体的に説明すると、会話型クラスやストリーミングクラスに属するデータ通信を扱う端末2では、当該QoSクラスで許容できる最大遅延量に合わせて上記シグナリング周期を設定する。また、インタラクティブクラスやバックグラウンドクラスに属するデータ通信を扱う端末2では、自己が把握するQoS情報及び過去の送信の有無により設定したタイマに従ってシグナリングを実行する。
このようにすることで、基地局側で端末2によるデータ通信の干渉量を管理しながらも、端末2からの送信データバッファ情報のシグナリングが必要以上に増加することを抑制することができる。これにより、移動体通信システム全体として、効率よくシグナリングを実行することができることとなる。
以上のように、この発明に係る通信モード制御方法は、上りパケット通信をサポートする携帯電話などの移動通信端末、基地局、及び基地局制御装置に利用することができる。
この発明の実施の形態1による移動体通信システムの構成を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態1による移動体通信システムにおけるチャネルの構成を示す図である。 この発明の実施の形態1による移動体通信システムにおける端末と基地局との間のワイヤレス多重データモード通信における通信モードを説明する図である。 この発明の実施の形態1による移動体通信システムにおける端末と基地局との間のワイヤレス多重データモード通信における通信モードを説明する図である。 この発明の実施の形態1による移動通信端末の通信モードを切り替える基準となる送信データバッファのスレッショルドを説明する図である。 この発明の実施の形態1による基地局への上り信号における各要因に起因した干渉量に対する許容マージンを示す図である。 セル内で上りパケット通信を複数の端末が利用している場合の自律モードとスケジューリングモードとに対するノイズライズマージンの分配例を示す図である。 図6に示す場合において送信データバッファの通信モード切替判定のスレッショルドを低く設定した場合を示す図である。 セル内で上りパケット通信を利用している端末が少ない場合の自律モードとスケジューリングモードとに対するノイズライズマージンの分配例を示す図である。 図8に示す場合において送信データバッファの通信モード切替判定のスレッショルドを高く設定した場合を示す図である。 図1の基地局の内部構成を示すブロック図である。 図1の移動通信端末の内部構成を示すブロック図である。 図1の基地局制御装置の内部構成を示すブロック図である。 第1の方法に従ってこの発明の実施の形態1による基地局制御装置が端末の送信モード切り替えスレッショルドを決定する際における基地局のノイズライズマージンの分配例を示す図である。 図13に示すノイズライズマージンの分配に応じた送信モード切り替えスレッショルドの変更を説明する図である。 この発明の実施の形態1による移動体通信システムにおいて第1の方法による送信データバッファのスレッショルド変更を施す場合の変更シーケンスを示す図である。 図15に示すステップST9における動作を詳細に説明するフローチャートである。 第2の方法に従って実施の形態1による基地局制御装置が端末の送信モード切り替えスレッショルドを決定する際における基地局のノイズライズマージンの分配例を示す図である。 図17に示すノイズライズマージンの分配に応じた送信モード切り替えスレッショルドの変更を説明する図である。 この発明の実施の形態1による移動体通信システムにおいて第2の方法による送信データバッファのスレッショルド変更を施す場合の変更シーケンスを示す図である。 図19に示すステップST9bにおける動作を詳細に説明するフローチャートである。 第3の方法に従って実施の形態1による基地局が端末の送信モード切り替えスレッショルドを決定する際における基地局のノイズライズマージンの分配例を示す図である。 この発明の実施の形態1による移動体通信システムにおいて第3の方法による送信データバッファのスレッショルド変更を施す場合の変更シーケンスを示す図である。 図22に示すステップST3dにおける動作を詳細に説明するフローチャートである。 移動通信端末が基地局側からの指示に従って送信モードを切り替える構成に対して第1の方法を適用した場合における動作を示すフローチャートである。 移動通信端末が基地局側からの指示に従って送信モードを切り替える構成に対して第2の方法を適用した場合における動作を示すフローチャートである。 移動通信端末が基地局側からの指示に従って送信モードを切り替える構成に対して第3の方法を適用した場合における動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 移動体通信システム、2 移動通信端末、3 基地局制御装置、 4a,4b 基地局、5 変調部、6 下りチャネライゼーションコード発生器、7 下りスクランブリングコード発生器、8 周波数変換部、9 電力増幅部、10 アンテナ、11 低雑音増幅部、12 周波数変換部、13 上りスクランブリングコード発生器、14 上りチャネライゼーションコード発生器、15 逆拡散器、16 希望波電力測定部、17 干渉波電力測定部、18 チャネル品質測定部、19 品質目標比較部、20 TPC生成部、21 TFRI受信部、22 復号化部、23 応答信号発生部、24 上りパケット送信管理部、25 送信レート/タイミング指定情報送信部、26 タイミング管理部、27 パイロット信号発生部、28 報知情報送信部、29 下り個別チャネル送信部、30 復調部、31 送信バッファ量受信部、32 上り個別チャネル受信部、33 上り共通チャネル受信部、34 下り共通チャネル送信部、35 変調部、36 上りチャネライゼーションコード発生器、37 上りスクランブリングコード発生器、38 周波数変換部、39 電力増幅部、40 アンテナ、41 低雑音増幅器、42 周波数変換部、43 電力制御部、44 下りチャネライゼーションコード発生器、45 下りスクランブリングコード発生器、46 逆拡散復調部、47 共通パイロット信号受信部、48 タイミング管理部、49 送信許可情報受信部、50 スレッショルド変更部、51 上りパケット送信管理部(通信管理部)、52 EUDTCH送信処理部、53 TFRI送信処理部、54 送信モード切替部、55 バッファ状態送信部、56 プロトコル処理部、57 応答信号受信部、58 上りパケット通信用送信データバッファ、59 上り共通チャネル送信部、60 上り個別チャネル送信部、61 報知情報受信部、62 下り共通チャネル受信部、63 下り個別チャネル受信部、64 QoSパラメータマッピング部、65 輻輳制御部、66 無線資源管理部、67 コアネットワークプロトコル処理部、68 無線ネットワークプロトコル処理部。

Claims (1)

  1. 移動体通信用の端末、この端末と無線通信する基地局、およびこの基地局を制御する基地局制御装置を含む移動体通信システムであって、
    前記端末は、前記基地局に送信するための上りデータを格納する端末バッファと、この端末バッファの状態を示す端末バッファ状態情報を前記基地局に送信するバッファ状態情報送信部と、前記基地局による上り無線資源に関する指示に従い前記基地局にデータを送信するデータ送信部とを備え、
    前記基地局は、受信信号に関する干渉量を測定する干渉量測定部と、前記干渉量測定部にて測定した前記干渉量を前記基地局制御装置に通知する干渉量通知部と、前記端末バッファ状態情報を受信してスケジューリングを行い前記端末に対し上りの無線資源に関する指示を行う上り無線資源指示部とを備え、
    前記基地局制御装置は、前記スケジューリングの結果として超過してはならない最大干渉量を前記基地局に指示する最大干渉量指示部とを備えたことを特徴とする移動体通信システム。
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