JP5026577B2 - 移動局 - Google Patents

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Description

この発明は、パケットデータを通信する移動局、基地局、通信システム、データ量情報送信方法、送信制御情報通知方法及び無線通信方法に関するものである。
近年、高速なCDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多重通信)移動体通信方式として、第3世代と呼ばれる通信規格が、国際電気連合(ITU)においてIMT−2000として採用され、W−CDMA(FDD:Frequency Division Duplex)については2001年に日本で商用サービスが開始されている。
W−CDMA方式は、移動局当り最大2Mbps(Mega bit per sec)程度の通信速度が得られることを当初の目標性能とし、規格化団体3GPP(3rd Generation Partnership)において1999年にまとめられたリリ−ス1999版(Version名:3.x.x)として最初の仕様が決定されている。
なお、上記リリース(後続のリリースを含む)の各種規格書は、インターネットによって以下の通り公開されており、その内容が更新されている。現在では、リリース1999版の他の新たな版としてリリース4及びリリース5が規定され、リリース6が作成中である。
URL: http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/
上記規格書では、「移動局から基地局に対するデータ送信は、パケットデータのようなバースト(Burst)的な送信を行う場合でも、移動局別に個別チャネル(DCH:Delicated CHannel)として無線リソースを常時確保する。」と規定されている。このため、無線リソースの有効利用という観点からみると多くの無駄が発生することになる。
また、移動局からのデータ送信は、移動局の自律的送信制御(Autonomous Transmission)で行われるため、各移動局の送信タイミングが任意(ランダム)となる。CDMA通信方式においては、他の移動局からの送信は全て干渉源となるため、基地局がデータを受信する際の干渉ノイズ量や、その変動量を統計的にしか予想することができない。
このため、通信システムの無線リソース管理においては、変動量が大きい場合を想定してスループット(移動局の送信最大速度)を抑え、干渉マージンをとるような無線リソースの割当を行う必要がある。
W−CDMA方式の規格における移動局送信用の無線リソースの割当制御は、実際には基地局が実施するのではなく、基地局をとりまとめる基地局制御装置(RNC:Radio Network Controller)が実施する。
基地局制御装置が移動局に対して実施する無線リソースの割当制御や、その設定情報のやり取りは、比較的長い処理時間(数100msecオーダー)を必要とするため、無線伝播環境の変化や他の移動局の送信状況(他の移動局からの干渉量)を見ながらの高速な無線リソースの割当制御を実施することができない。
そこで、上記規格書の仕様に基づいて、基地局に無線リソースの割当機能を一部追加することで、移動局のデータ送信に係る無線リソースの割当制御の精度を向上させる提案がなされている。
上りリンクの性能向上/機能拡張(E−DCH:Enhancement of Dedicated CHannel)として新たに提案された資料として、R1−0300
67(「AH64:Reducing control channel overhe
ad for Enhanced Uplink」;以下、非特許文献1と称する)のig.1には、上りリンクにおけるオンデマンドのチャネル割当方式が開示されている。
なお、この資料は、インターネットによって、以下の通り掲載されている。
URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_30/Docs/Zips/R1-030067.zip >[2004年1月7日検索]
上記非特許文献のFig.1では、送信すべきパケットを持つ移動局(UE:User Equipment)が未送信パケットデータのデータ量情報(Queue size)を含む送信要求用チャネル(USICCH:Uplink Scheduling Information Control Channel)によってパケットデータの送信要求を基地局(Node−B)に送信する。
基地局は、移動局からパケットデータの送信要求を受信すると、移動局に対する送信タイミングの割当など示す無線リソースの割当結果(スケジューリング結果)を下りリンクの割当用チャネル(DSACCH:Downlink Scheduling Assignment Control Channel)で送信する。
移動局は、基地局からスケジューリング結果を受信すると、そのスケジューリング結果にしたがってデータ送信用チャネル(EUDCH:Enhanced Uplink Dedicated Transport Channel)にパケットデータを乗せて基地局に送信する。
ここで、パケットデータの送信時の変調方式等の情報は、別途、変調形式情報チャネル(UTCCH:Uplink TFRI Control Channel)によって基地局に送信される。
基地局は、移動局からパケットデータを受信すると、そのパケットデータの受信判定結果(いわゆるACK/NACK)の情報を通知用チャネル(DANCCH:Downlink Ack/Nack Control Channel)に載せて移動局に送信する。
なお、これらのチャネルは、従来の規格チャネルの拡張ないしは新規チャネルの導入を想定したものであり、その詳細については未提案である。
このように、移動局から基地局に対してデータ量情報の通知を行う技術は、特許文献1(特開2003−46482号公報)にも開示されている。
従来のW−CDMA方式の規格では、移動局から送信される未送信データ量に関する情報は、基地局で一旦受信されるが、基地局を素通りして、そのまま基地局制御装置に送信される。このため、未送信データ量に関する情報の内容については、基地局では把握できない。従って、上記非特許文献1のような基地局による無線リソースの制御は実施することができない。
仮に、基地局制御装置が取得した情報を基地局に送信する手段を設けることが可能であったとしても、移動局から基地局制御装置に対する未送信データ量情報の伝達周期が長時間周期(例えば、250ms/500ms/・・・/6000ms)であるため、基地局は高速な無線リソースの制御を実施することができない。
上記非特許文献1に開示されているオンデマンドのチャネル割当方式に関連して、未送信データのデータ量情報の通知の送信タイミングに関する提案がR1−031056(Uplink signalling of scheduling information:以下、非特許文献2と称する)に開示されている。この提案では、周期的送信方法など、各種の送信方法を提示している。なお、この資料は、インターネットによって、以下の通り掲載されている。
URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_34/Docs/Zips/R1-030056.zip >[2004年1月7日検索]
しかしながら、W−CDMA方式においては、1つの移動局が複数の通信サービスを同時に行うことが可能であるため、優先度や遅延要求(いわゆるQoS:Quality of Service)の異なるデータが移動局中に混在するが、上記の各種文献では、そのような場合を考慮していないため、単にトータルのデータ量情報が基地局に通知されるものと考えられる。
特開2003−46482号公報
R1−030067(「AH64:Reducing control channel overhead for Enhanced Uplink」 R1−031056(Uplink signalling of scheduling information
従来の通信システムは以上のように構成されているので、トータルのデータ量情報が基地局に通知されても、基地局が通信サービス別又は送信チャネル別のデータのデータ量を把握することができず、通信サービス別又は送信チャネル別のデータの送信タイミングを適切に制御することができないなどの課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、通信サービス別又は送信チャネル別のデータの送信タイミングを適切に制御することができる基地局、通信システム、送信制御情報通知方法及び無線通信方法を得ることを目的とする。
また、この発明は、基地局が通信サービス別又は送信チャネル別のデータの送信タイミングを適切に制御することを可能にする移動局及びデータ量情報送信方法を得ることを目的とする。
この発明に係る移動局は、送信するデータを論理チャネル別に格納する送信バッファと、前記送信バッファに格納することができるデータ容量の合計を能力情報として上位装置に送信する制御を行う能力情報送信制御手段と、前記送信バッファに格納された論理チャネル別のデータ量を示すデータ量情報を上位装置に送信する制御を行うデータ量情報送信制御手段とを備えるようにしたものである。
このことによって、基地局が通信サービス別又は送信チャネル別のデータの送信タイミングを適切に制御することができるようになる効果がある。
この発明の実施の形態1による通信システムを示す構成図である。 この発明の実施の形態1による移動局を示す構成図である。 移動局における上位層ブロック部、無線リンク制御部、メディアアクセス制御部及び物理層制御部と、各種チャネルとの間の多重関係を示す説明図である。 移動局の無線リソース制御部の内部を示す構成図である。 移動局の無線リンク制御部の内部を示す構成図である。 移動局のメディアアクセス制御部の内部を示す構成図である。 移動局の物理層制御部の内部を示す構成図である。 この発明の実施の形態1による基地局及び基地局制御装置を示す構成図である。 基地局及び基地局制御装置のメディアアクセス制御部の内部を示す構成図である。 基地局の物理層制御部の内部を示す構成図である。 上りリンクにおけるパケットデータ(E−DCH)の送信フローを示す送信フロー図である。 Aはサービス別のバッファ占有率と、その組み合せに対するインデックスの一例を示す説明図であり、Bは無線リンク制御部の送信バッファ別のバッファ占有率と、その組み合せに対するインデックスの一例を示す説明図である。 複数の通信サービスを実施するに際して、移動局と基地局間でやり取りされる通信サービス設定情報通知及び送信バッファのサイズ設定通知に関する処理フローを示す処理フロー図である。 基地局から基地局制御装置へ、移動局能力(UE Capability Notice)情報の1つとして、全ての無線リンク制御部の送信バッファの合計メモリサイズ情報のみを通知する場合の専用のやり取りを示す処理フロー図である。 Aは通信サービス別のバッファのデータ量情報と、その組み合せに対するインデックスの一例を示す説明図であり、Bは無線リンク制御部の送信バッファ別のデータ量情報と、その組み合せに対するインデックスの一例を示す説明図である。 「データ量/保障bitレート」(単位:sec)の形式によるデータ量通知を可能にするため、通信サービスの種類(Class)別のサービス品質(QoS:Quality of Service)を示す説明図である。 移動局のメディアアクセス制御部の内部を示す構成図である。 Aは通信サービス別のバッファのデータ量情報と、その組み合せに対するインデックスの一例を示す説明図であり、Bは無線リンク制御部の送信バッファ別のデータ量情報と、その組み合せに対するインデックスの一例を示す説明図である。 Aは通信サービス別のバッファのデータ量情報と、その組み合せに対するインデックスの一例を示す説明図であり、Bは無線リンク制御部の送信別のデータ量情報と、その組み合せに対するインデックスの一例を示す説明図である。 「データ量/ディレー」(単位:bit per sec)の形式によるデータ量通知を可能にするため、通信サービスの種類(Class)別のサービス品質(QoS:Quality of Service)を示す説明図である。 データ量情報(TRbuffer)としてのE−DCHの通信速度値と、そのインデックス(TFCI)の一例を示す説明図である。 データ量情報(TRbuffer)としてのE−DCHの通信速度値と、そのインデックス(TFRI)の一例を示す説明図である。 データ量情報(TRbuffer)としてのE−DCH送信時のDPDCHのチャネル振幅係数(β)設定と、そのインデックスの一例を示す説明図である。 移動局の多重化部におけるトランスポートチャネルと物理チャネル間の多重化の一例を示す説明図である。 データ量情報(TRbuffer)としてのE−DCH送信時の送信物理チャネル電力オフセットの設定と、そのインデックスの一例を示す説明図である。 上りリンクにおけるパケットデータ(E−DCH)の送信フローを示す送信フロー図である。 上りリンク無線リソース要求情報を送信する場合の送信周期タイミングを示す説明図である。 送信に用いられる送信パラメータを設定する際の移動局、基地局及び基地局制御装置間のやり取りを示すフロー図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による通信システムを示す構成図である。図において、通信システムは、移動局1、基地局2及び基地局制御装置3から構成されている。
基地局2は特定の通信範囲(一般的にセクタ又はセルと呼ばれる)をカバーし、複数の移動局1と無線通信を実施する。ただし、図1では説明の便宜上、移動局1は1つのみを示しているが、複数であってもよい。移動局1と基地局2の間は複数の無線リンク(ないしはチャネル)を用いて通信される。
基地局制御装置3は公衆電話網やインターネットなどの外部の通信ネットワーク4と接続され、基地局2及び通信ネットワーク4間のパケット通信を中継する。
W−CDMA規格においては、移動局1はUE(User Equipment)、基地局2はNode−B、基地局制御装置3はRNC(Radio Network Controller)と呼ばれている。
上りリンクのDPCCH(Dedicated Physical Control CHannel)は移動局1から基地局2に対する制御用物理チャネル(Physical Control Channel)であり、下りリンクのDPCCHは基地局2から移動局1に対する物理層制御用チャネルである。上記2つのDPCCHを用いて、移動局1と基地局2の送受信タイミングの同期制御等を実施し、通信中の無線リンクを維持する。
上りリンクのDPDCH(Dedicated Physical Data CHannel)は移動局1から基地局2に対する従来の規格チャネル(DCH)に対応するデータを送信するためのデータ送信用物理層チャネル(Physical Data Channel)、あるいは、本発明に関するパケットデータ対応チャネル(E−DCH)の情報データを送信するためのデータ送信用物理層チャネルである。
下りリンクのDPDCHは基地局2から移動局1に対する従来の規格チャネル(DCH)に対応するデータを送信するためのデータ送信用物理層チャネルである。
上りリンクのE−DPCCH(Enhanced−Dedicated Physical Control CHannel)は移動局1から移動局情報を基地局2に通知するための物理層制御用チャネルである。
下りリンクのE−DPCCHは基地局2における無線リソースの割当結果の通知、ないしは、基地局2におけるデータの受信判定結果を移動局1に通知するためのチャネルである。
なお、上記各種チャネルは従来規格にはないチャネルも含まれ、従来規格の仕様拡張あるいは新規チャネルの挿入により行われるが、未確定であり、新規規格として設定される場合には規格書TS25.211の新たなリリースにおいて、従来規格との整合性(いわゆるBackward Compatibility)を確保しながら、そのフォーマットが追加規定されることになる。
次に、図2から図7を参照して、移動局1の内部構造について説明する。
図2はこの発明の実施の形態1による移動局1を示す構成図であり、図において、上位層ブロック部11はUPPERと呼ばれ、アプリケーションやTCP/IP層などの上位プロトコル層における公知技術による所定の処理を実施し、基地局2に対する1以上の送信データ(Tx Data)を無線リンク制御部12に出力する一方、無線リンク制御部12から1以上の受信データ(Rx Data)を入力する。この実施の形態1では、説明の便宜上、上位層ブロック部11が2種類の通信サービスに対応する送信データ(Tx Data)を無線リンク制御部12に出力するものとする。
無線リンク制御部12はRLC(Radio Link Control)と呼ばれ、上位層ブロック部11とデータ(Tx Data、Rx Data)のやり取りを実施する一方、メディアアクセス制御部13との間に1以上の論理チャネル(LOG ch:Logical Channel)が設定され、1以上の論理チャネルによってメディアアクセス制御部13とデータのやり取りを実施する。また、無線リンク制御部12は内部の送信バッファに格納されている送信データのデータ量情報(LOGbuffer)をメディアアクセス制御部13に出力する。
メディアアクセス制御部13はMAC(Media Access Control)と呼ばれ、無線リンク制御部12とデータのやり取りを実施する一方、物理層制御部14との間に1以上のトランスポートチャネル(TR ch:Transport CHannel)が設定され、1以上のトランスポートチャネルによって物理層制御部14とデータのやり取りを実施する。また、メディアアクセス制御部13は内部の送信バッファに格納されている送信データのデータ量情報(TRbuffer)を物理層制御部14に出力する。
物理層制御部14はPHY(PHYsical)と呼ばれ、メディアアクセス制御部13とデータのやり取りを実施する一方、無線周波数信号をアンテナ15から送受信することにより基地局2と無線通信を実施する。
無線リソース制御部16はRRC(Radio Resource Control)と呼ばれ、上位層ブロック部11、無線リンク制御部12、メディアアクセス制御部13及び物理層制御部14を制御するため、各種の情報(UPcont、RLCcont、MACcont、PHYcont)をやり取りする。
なお、無線リンク制御部12及びメディアアクセス制御部13からデータ量情報決定手段が構成され、物理層制御部14から送信手段が構成されている。
図3は移動局1における上位層ブロック部11、無線リンク制御部12、メディアアクセス制御部13及び物理層制御部14と、各種チャネルとの間の多重関係を示す説明図である。
図3において、“NodeB→UE”は下りリンクであり、移動局が受信側であることを示している。“UE→NodeB”は上りリンクであり、移動局が送信側であることを示している。
この実施の形態1では、同時に2つの通信サービス(Service1、Service2)が行われるものとする。また、Service1の送受信データ(Tx Data、Rx Data)が論理チャネル1(DTCH1:Dedicated Traffic CHannel 1)に割り当てられ、Service2の送受信データ(Tx Data、Rx Data)が論理チャネル2(DTCH2:Dedicated Traffic CHannel 2)に割り当てられているものとする。
移動局1からの送信(UE→NodeB)においては、論理チャネル1(DTCH1)と論理チャネル2(DTCH2)がメディアアクセス制御部13において、トランスポートチャネルであるパケットデータ対応チャネル(E−DCH)に多重され、パケットデータ対応チャネル(E−DCH)が、物理層制御部14において上りリンクのDPDCHに割り当てられる。
無線リソース制御部16から基地局2を通して基地局制御装置3に送信される移動局情報は、無線リソース制御部16において制御用論理チャネル(DCCH:Dedicated Control CHannel)データとなり、さらにメディアアクセス制御部13において上りリンクのDCHに多重される。
また、パケットデータ対応チャネル(E−DCH)と上りリンクのDCHは、物理層制御部14において上りリンクのDPDCHに多重される。
物理層制御部14では、上りリンク制御用のチャネルであるDPCCHとE−DPCCHが生成される。
一方、基地局2からの受信(NodeB→UE)においては、下りリンクのDPDCHデータが下りリンクのDCHに割り当てられ、下りリンクのDCHには論理チャネル1(DTCH1)、論理チャネル2(DTCH2)、制御用論理チャネルDCCHが多重されている。
また、物理層制御部14では、上りリンクと同様に、下りリンクのDPCCH及びE−DPCCHが使用される。
図4は移動局1の無線リソース制御部16の内部を示す構成図であり、図において、RRC制御部21は無線リソース制御部16の全体の動作を制御するとともに、上位層ブロック部11、無線リンク制御部12、メディアアクセス制御部13及び物理層制御部14を制御するため、各種の情報(UPcont、RLCcont、MACcont、PHYcont)をやり取りする。特に、上位層ブロック部11から通信サービスに関する設定情報などを入手し、その設定情報などを無線リンク制御部12、メディアアクセス制御部13及び物理層制御部14に出力する。
サービス部22は移動局1と基地局制御装置3間の通信サービスに関する詳細設定を決定して、その設定情報を記憶する。
通信能力部23は移動局1の各種の通信能力(例えば、最大送信電力、最大伝送速度、全メモリサイズなど)の情報を格納し、各種の通信能力の情報を通信の開始時に無線リンク制御部12、メディアアクセス制御部13及び物理層制御部14を介して基地局2に通知する。
図5は移動局1の無線リンク制御部12の内部を示す構成図であり、図において、受信バッファ31a,31bはメディアアクセス制御部13から論理チャネル(DTCH1,DTCH2)のデータを入力して、通信サービスのデータ(RX DATA1,RX DATA2)として上位層ブロック部11に出力する。受信バッファ31cはメディアアクセス制御部13から論理チャネル(DCCH)のデータを入力して、制御情報としてRLC制御部33に出力する。
送信バッファ32a,32bは上位層ブロック部11から通信サービスのデータ(TX DATA1,TX DATA2)を入力して、論理チャネル(DTCH1,DTCH2)のデータとしてメディアアクセス制御部13に出力する。送信バッファ32cは上位層ブロック部11から制御情報を入力して、論理チャネル(DCCH)のデータとしてメディアアクセス制御部13に出力する。
RLC制御部33は無線リンク制御部12の全体を制御する。バッファ監視部34は送信バッファ32a,32b,32cに格納されているデータ(未送信のデータ)を監視し、その送信バッファ32a,32b,32cのデータ量情報(LOGbuffer)をメディアアクセス制御部13に出力する。
図6は移動局1のメディアアクセス制御部13の内部を示す構成図であり、図において、受信DCHバッファ41は物理層制御部14から受信DCHデータを入力して、その受信DCHデータをデータ分離部42に出力する。
データ分離部42は受信DCHデータに多重されている各論理チャネル(DTCH1,DTCH2,DCCH)のデータを公知の技術で分離して、無線リンク制御部12の受信バッファ31a,31b,31cに出力する。
データ多重部43は無線リンク制御部12の送信バッファ32a,32b,32cから出力された各論理チャネル(DTCH1,DTCH2,DCCH)のデータを公知の技術で多重(あるいは振り分け)し、DCHデータとして送信DCHバッファ44に出力し、また、E−DCHデータとして拡張送信MAC処理部45に出力する。
拡張送信MAC処理部45はデータ多重部43からE−DCHデータを入力して、そのE−DCHデータを拡張DCH送信バッファ46に出力するとともに、無線リンク制御部12のバッファ監視部34からデータ量情報(LOGbuffer)を入力し、データ量情報(LOGbuffer)としてデータ量情報計算部47に出力する。また、拡張送信MAC処理部45は物理層制御部14により受信・復調された下りリンクのE−DPCCHのデータを入力する。
データ量情報計算部47はデータ量情報(LOGbuffer)に基づいて通信サービス別(または、E−DCHに割り当てられている論理チャネルのうち、データ送信用の論理チャネル(DTCH1,DTCH2)別のデータ量を計算し、そのデータ量情報(TRbuffer)を物理層制御部14に出力する。
MAC制御部48はメディアアクセス制御部13の全体を制御するとともに、無線リソース制御部16と情報(MACcont)のやり取りを実施する。
図7は移動局1の物理層制御部14の内部を示す構成図であり、図において、受信部51はアンテナ15が基地局2から送信された無線周波数信号を受信すると、その無線周波数信号を公知の技術によってベースバンド信号に変換する。
復調部52は受信部51から出力されたベースバンド信号を公知の技術で復調し、各種の下りリンクの物理チャネル(DPDCH,DPCCH,E−DPCCH)のデータとして分離部53に出力する。
分離部53は各種の下りリンクの物理チャネル(DPDCH,DPCCH,E−DPCCH)のデータから、トランスポートチャネル(DCH)と物理制御チャネル(DPCCH,E−DPCCH)とを公知の技術で分離する。また、分離部53はDCHデータ及びE−DPCCHデータをメディアアクセス制御部13に出力するとともに、DPCCHデータをPHY制御部57に出力する。なお、この実施の形態1では、受信DPDCHに多重されているトランスポートチャネルは、1つのDCHがあるのみの構成である。
多重化部54はメディアアクセス制御部13から出力された上りリンクのトランスポートチャネル(DCH,E−DCH)のデータと、PHY制御部57から出力された上りリンクのDPCCHのデータ及び上りリンクのE−DPCCHのデータとを入力し、これらのデータを公知の技術で多重して、各種の送信物理チャネル(DPDCH,DPCCH,E−DPCCH)のデータとして変調部55に出力する。
変調部55は多重化部54から出力された各種の送信物理チャネル(DPDCH,DPCCH,E−DPCCH)のデータを公知の技術によって変調し、送信ベースバンド信号として送信部56に出力する。
ここでは、DPDCH,DPCCH,E−DPCCHを別々の拡散符号で符号多重するものとするが、その多重方法は、これに限るものではない。
送信部56は変調部55から出力された送信ベースバンド信号を公知の技術によって無線周波数信号に変換し、アンテナ15から無線周波数信号を基地局2に送信する。
PHY制御部57は物理層制御部14の全体を制御するとともに、無線リソース制御部16と情報(PHYcont)のやり取りを実施する。また、PHY制御部57はメディアアクセス制御部13のデータ量情報計算部47からデータ量情報(TRbuffer)を入力し、また、上りリンクの無線チャネルであるDPCCH及びE−DPCCHを多重化部54に出力する。
次に、図8から図10を参照して、基地局2の内部構造について説明する。
ただし、基地局2の基本的な構成は、移動局1の内部構造を示した図2から図7において、上りリンク関連構成要素と下り関連リンク関連構成要素を入れ替えたものと同様であるので、移動局1と異なる構成要素について主に説明する。
図8はこの発明の実施の形態1による基地局2及び基地局制御装置3を示す構成図である。
移動局1と異なる点は、図2で示した移動局1は全ての構成要素を内部に実装しているのに対して、構成要素が基地局制御装置3及び基地局2に分散配置されている点である。
即ち、上位層ブロック部101、無線リンク制御部102及び無線リソース制御部106は基地局制御装置3に配置され、物理層制御部104は基地局2に配置されている。また、メディアアクセス制御部103は基地局制御装置3と基地局2の両方に配置されている。
また、メディアアクセス制御部103が上りリンクのE−DCH送信用無線リソースを制御するスケジューラ116を内蔵している点が、移動局1と相違している。なお、物理層制御部104が受信手段及び通知手段を構成し、メディアアクセス制御部103が送信タイミング決定手段を構成している。
上位層ブロック部101、無線リンク制御部102及び無線リソース制御部106については移動局1と同様であるので説明を省略する。
図9は基地局2及び基地局制御装置3のメディアアクセス制御部103の内部を示す構成図であり、図において、受信DCHバッファ111は物理層制御部104から受信DCHデータを入力して、その受信DCHデータをデータ分離部113に出力する。
拡張DCH受信バッファ112は物理層制御部104からE−DCHデータを入力して、そのE−DCHデータをデータ分離部113に出力する。
データ分離部113は受信DCHデータ及びE−DCHデータに多重されている各論理チャネル(DTCH1,DTCH2,DCCH)のデータを公知の技術で分離して、無線リンク制御部102の受信バッファに出力する。
データ多重部114は無線リンク制御部102の送信バッファから出力された各論理チャネル(DTCH1,DTCH2,DCCH)のデータを公知の技術で多重(あるいは振り分け)し、DCHデータとして送信DCHバッファ115に出力する。
スケジューラ116は物理層制御部104から受信判定結果(ACK/NACK)と上りリンクのE−DPCCHのデータとを入力し、下りリンクのE−DPCCHを物理層制御部104に出力する。
MAC制御部117はメディアアクセス制御部103の全体を制御するとともに、無線リソース制御部106と情報(MACcont)のやり取りを実施する。
図10は基地局1の物理層制御部104の内部を示す構成図であり、図において、受信部121はアンテナ105が移動局1から送信された無線周波数信号を受信すると、その無線周波数信号を公知の技術によってベースバンド信号に変換する。
復調部122は受信部121から出力されたベースバンド信号を公知の技術で復調し、各種の上りリンクの物理チャネル(DPDCH,DPCCH,E−DPCCH)のデータとして分離部123に出力する。
分離部123は各種の上りリンクの物理チャネル(DPDCH,DPCCH,E−DPCCH)のデータから、トランスポートチャネル(DCH及びE−DCH)と物理制御チャネル(DPCCH,E−DPCCH)とを公知の技術で分離する。また、分離部123はDCHデータ,E−DCHデータ及びE−DPCCHデータをメディアアクセス制御部103に出力する。また、分離部123はE−DCHデータの受信判定結果(ACK/NACK)と上りリンクのE−DPCCHデータをメディアアクセス制御部103のスケジューラ116に出力するとともに、上りリンクのDPCCHデータをPHY制御部127に出力する。
多重化部124はメディアアクセス制御部103から出力された下りリンクのトランスポートチャネル(DCH)のデータと、スケジューラ116から出力された下りリンクのE−DPCCHデータと、PHY制御部127から出力された下りリンクのDPCCHデータとを入力し、これらのデータを公知の技術で多重し、各種の送信物理チャネル(DPDCH,DPCCH,E−DPCCH)のデータとして変調部125に出力する。
変調部125は多重化部124から出力された各種の送信物理チャネル(DPDCH,DPCCH,E−DPCCH)のデータを公知の技術によって変調し、送信ベースバンド信号として送信部126に出力する。
ここでは、DPDCH,DPCCH,E−DPCCHを別々の拡散符号で符号多重するものとするが、その多重方法は、これに限るものではない。
送信部126は変調部125から出力された送信ベースバンド信号を公知の技術によって無線周波数信号に変換し、アンテナ105から無線周波数信号を移動局1に送信する。
PHY制御部127は物理層制御部104の全体を制御するとともに、無線リソース制御部106と情報(PHYcont)のやり取りを実施する。
図11は上りリンクにおけるパケットデータ(E−DCH)の送信フローを示す送信フロー図である。
次に動作について説明する。
まず、移動局1は、未送信データのデータ量を測定する(ステップST1)。
即ち、移動局1の上位層ブロック部11において発生したサービス1(Service1)及びサービス2(Service2)のデータは、送信データ(TX DATA1,TX DATA2)として、無線リンク制御部12の送信バッファ32a,32bに格納され、さらに、送信バッファ32a,32bから送信用の論理チャネル(DTCH1,DTCH2)のデータとして、メディアアクセス制御部13のデータ多重部43に出力される。
また、サービス1のデータ送信に関する各種の移動局制御情報は、制御情報(RLCont)として、無線リソース制御部16のサービス部22からRLC制御部34を通じて送信バッファ32cに格納され、さらに、送信バッファ32cから制御用論理チャネル(DCCH)として、メディアアクセス制御部13のデータ多重部43に出力される。
この際、無線リンク制御部12の送信バッファ32a,32b,32cは、格納されたデータのデータサイズ情報(Data size)を定期的、あるいは、データ量が変化した時にバッファ監視部34に出力する。
無線リンク制御部12のバッファ監視部34は、送信バッファ32a,32b,32cから出力されたデータサイズ情報をデータ量情報(LOGbuffer)としてメディアアクセス制御部13のデータ量情報計算部47に出力する。
メディアアクセス制御部13のデータ量情報計算部47(データ量情報決定手段)は、バッファ監視部34からデータ量情報(LOGbuffer)を受けると、そのデータ量情報(LOGbuffer)に基づいて、通信サービス別のデータ量(サービス1及びサービス2のデータ量)を計算する。あるいは、E−DCHに割り当てられている論理チャネルのうち、データ送信用の論理チャネル別のデータ量(DTCH1及びDTCH2のデータ量)を計算する。
そして、通信サービス別、あるいは、データ送信用の論理チャネル別のデータ量情報(TRbuffer)を物理層制御部14のPHY制御部57に出力する。
次に、移動局1は、上りリンクの無線リソースの割当要求を行うため、上りリンクのE−DPCCHを基地局2に通知する(ステップST2)。
ステップST2における移動局1のE−DPCCHの具体的な送信動作は、以下の通りである。
まず、物理層制御部14のPHY制御部57は、データ量情報(TRbuffer)を上りリンクのE−DPCCHのデータとして、多重化部54に出力する。
物理層制御部14の多重化部54は、PHY制御部57から出力された上りリンクのE−DPCCHのデータを公知の技術で上りリンクのE−DPCCHに多重する。
物理層制御部14の変調部55は、多重化部54により多重された上りリンクのE−DPCCHのデータを公知の技術によって変調し、送信ベースバンド信号として送信部56に出力する。
物理層制御部14の送信部56は、変調部55から出力された送信ベースバンド信号を公知の技術によって無線周波数信号に変換し、アンテナ15から無線周波数信号を基地局2に送信する。
なお、上りリンクのE−DPCCHには、データ量情報(TRbuffer)の他に、上記非特許文献1の送信要求用チャネルUSICCHの説明で示した送信電力余裕情報(Power margin)など、他の移動局情報を含めることができる。どのような情報を含めて送信するかは、基地局2に実装されているスケジューラ116の構成によって異なり、本発明の効果とは直接関連しないが、その詳細は規格書TS25.331(RRC signalling)によって規定されることになる。
ここでは、基地局2のスケジューラ116が割当決定手段として、データ量情報(TRbuffer)と送信電力余裕情報(Power margin)を用いてスケジューリングを行うものとする。
なお、データ量情報(TRbuffer)を上りリンクのE−DPCCHに多重化するに際して、下記に示すように、データ量情報(TRbuffer)を各種の表現形式に変換して行うことが可能である。
(1)通信サービス別、あるいは、E−DCHに多重されたデータ用論理チャネル(DTCH1,DTCH2)別の送信バッファのデータ量(bit数)
(2)(1)のデータ量(bit数)の組み合せを示すインデックス(Index)
(3)無線リンク制御部12の送信バッファ32a,32b,32c別のバッファ占有率(%)
(4)(3)のバッファ占有率(%)の組み合せを示すインデックス(Index)
図12Aはサービス別のバッファ占有率と、その組み合せに対するインデックスの一例を示す説明図であり、図12Bは無線リンク制御部12の送信バッファ32a,32b別のバッファ占有率と、その組み合せに対するインデックスの一例を示す説明図である。
なお、E−DPCCHのチャネルフォーマット(Channel format)は規格書TS25.211に規定され、多重化処理は規格書TS25.212に規定され、データ量情報とインデックス(Index)との対応については規格書TS25.214に規定されることになる。
次に、ステップST2における基地局2のE−DPCCHの受信動作は以下のようになる。
物理層制御部104の受信部121は、アンテナ105が移動局1から送信された無線周波数信号を受信すると、その無線周波数信号を公知の技術によってベースバンド信号に変換する。
物理層制御部104の復調部122は、受信部121からベースバンド信号を受けると、そのベースバンド信号を公知の技術で復調し、上りリンクのE−DPCCHのデータを分離部123に出力する。
物理層制御部104の分離部123は、復調部122から上りリンクのE−DPCCHのデータを受けると、そのE−DPCCHデータをメディアアクセス制御部103のスケジューラ116に出力する。
メディアアクセス制御部103のスケジューラ116は、物理層制御部104からE−DPCCHデータを受けると、そのE−DPCCHデータに基づいて、各移動局1に対する上りリンク用の無線リソースの制御(スケジューリング)を実施する(ステップST3)。
ステップST3における基地局2のスケジューリングの具体的な動作は以下の通りである。
基地局2のスケジューラ116は、スケジューリング結果が反映された場合の各移動局1からの送信電力の増加分が送信電力余裕値以内になるようにしたうえで、各移動局1の通信サービスの種類やデータ量を比較して無線リソース配分を決定する。
無線リソースの配分方法としては、以下に示すような方法が適用可能であり、基地局2及び通信システムの設計において、例えば、セル全体のスループットが最も高くなるように設計・選定される。
(1)未送信パケット量の多い移動局1を優先させる方法
(2)送信電力マージンのある移動局1を優先させる方法
(3)送信要求を受信した順に割り当てる方法
(4)順番を決めて移動局1に順番に割り当てる方法(いわゆるRound Robinと呼ばれる方法)
(5)伝播ロスの少ない、または、干渉の少ない通信環境の良い移動局1に優先的に割り当てる方法(いわゆるMax C/Iと呼ばれる方法)
(6)Round RobinとMax C/Iの中間的な方法(いわゆるPropotional Fairと呼ばれる方法)
また、スケジューリング対象としては、(1)E−DCHだけを対象として、DCHに関しては従来の基地局制御装置3における制御を行う方法、(2)従来の基地局制御装置3における制御の制限の下に、DCHを含めて制御を行う方法など、各種多様な方法が適用可能であり、基地局2及び通信システムの設計において、例えば、セル全体のスループットが最も高くなるように設計・選定される。
この実施の形態1では、スケジューリング結果を示す情報として、最大送信電力余裕(Max Power Margin)及び移動局送信タイミング情報(MAP)とが使用されて、移動局1に通知されるものとする。
どのような情報をスケジューリング結果情報とするかは、基地局2に実装されるスケジューラ116の動作によって異なり、本発明の効果とは直接関連しないが、その詳細は規格書TS25.331(RRC signalling)によって規定されることになる。
次に、基地局2は、スケジューリングの結果情報を下りリンクのE−DPCCHによって移動局1に通知する(ステップST4)。
ステップST4における基地局2の具体的な送信動作は以下のようになる。
基地局2のスケジューラ116は、スケジューリングの結果情報である最大送信電力余裕(Max Power Margin)と移動局送信タイミング情報(MAP)とをE−DPCCHデータとして、物理層制御部104の多重化部124に出力する。
物理層制御部104の多重化部124は、スケジューラ116から出力された下りリンクのE−DPCCHデータを公知の技術で下りリンクのE−DPCCHに多重する。
物理層制御部104の変調部125は、多重化部124により多重された下りリンクのE−DPCCHのデータを公知の技術によって変調し、送信ベースバンド信号として送信部126に出力する。
物理層制御部104の送信部126は、変調部125から出力された送信ベースバンド信号を公知の技術によって無線周波数信号に変換し、アンテナ105から無線周波数信号を移動局1に送信する。
なお、スケジューリングの結果情報である最大送信電力余裕(Max Power Margin)は、E−DCHのみを対象としたものであっても、DCHを含めた全送信電力を対象としたものであってもよく、その詳細は規格書TS25.214等において規定されることになる。
ステップST4における移動局1の具体的な受信動作は以下のようになる。
物理層制御部14の受信部51は、アンテナ15が基地局2から送信された無線周波数信号を受信すると、その無線周波数信号を公知の技術によってベースバンド信号に変換する。
物理層制御部14の復調部52は、受信部51からベースバンド信号を受けると、そのベースバンド信号を公知の技術で復調し、下りリンクのE−DPCCHのデータを分離部53に出力する。
物理層制御部14の分離部53は、復調部52から下りリンクのE−DPCCHのデータを受けると、そのE−DPCCHデータをスケジューリング結果情報としてメディアアクセス制御部13の拡張送信MAC処理部45に出力する。
移動局1は、基地局2からスケジューリング結果情報を受信すると、そのスケジューリング結果情報を参照して、上りリンクのDPDCHによって未送信データを送信する(ステップST5)。
ステップST5における移動局1の具体的な送信動作は以下のようになる。
メディアアクセス制御部13の拡張送信MAC処理部45は、基地局2から通知された最大送信電力余裕(Max Power Margin)の範囲内で送信可能な送信データ量(ないしは送信速度)を決定し、未送信データをE−DCHデータとして拡張DCH送信バッファ46に出力する。
このとき、拡張送信MAC処理部45は、スケジューリング結果情報(MAP)で指定されたタイミングで、未送信データが送信されるように出力タイミングを制御する。
拡張DCH送信バッファ46に格納されたE−DCHデータは、物理層制御部14の多重化部54に出力される。
一方、制御用論理チャネル(DCCH)のデータは、DCHデータとして送信DCHバッファ44に格納され、さらに、送信DCHバッファ44から物理層制御部14の多重化部54に出力される。
物理層制御部14の多重化部54は、拡張DCH送信バッファ46から出力されたE−DCHデータと送信DCHバッファ44から出力されたDCHデータとを公知の技術で上りリンクのDPDCHに多重する。
物理層制御部14の変調部55は、多重化部54により多重された上りリンクのDPDCHのデータを公知の技術によって変調し、送信ベースバンド信号として送信部56に出力する。
物理層制御部14の送信部56は、変調部55から出力された送信ベースバンド信号を公知の技術によって無線周波数信号に変換し、アンテナ15から無線周波数信号を基地局2に送信する。
ステップST5における基地局2の具体的な受信動作は以下のようになる。
物理層制御部104の受信部121は、アンテナ105が移動局1から送信された無線周波数信号を受信すると、その無線周波数信号を公知の技術によってベースバンド信号に変換する。
物理層制御部104の復調部122は、受信部121からベースバンド信号を受けると、そのベースバンド信号を公知の技術で復調し、上りリンクのDPDCHのデータを分離部123に出力する。
物理層制御部104の分離部123は、復調部122から上りリンクのDPDCHデータを受けると、そのDPDCHデータからE−DCHデータとDCHデータを分離する。
また、分離部123は、E−DCHデータを調査して、そのE−DCHデータの受信判定を実施し、その受信判定結果がOKである場合は、ACKをスケジューラ116に出力するとともに、そのE−DCHデータを拡張DCH受信バッファ112に出力する。
拡張DCH受信バッファ112は、分離部123から出力されたE−DCHデータを無線リンク制御部102を通じて上位層ブロック部101に出力する。
分離部123は、E−DCHデータの受信判定結果がNGである場合、NACKをスケジューラ116に出力して、そのE−DCHデータを破棄する。
なお、物理層制御部104の分離部123により分離されたDCHデータは、受信DCHバッファ111、データ分離部113を経て、無線リンク制御部102に出力される。
基地局2は、E−DCHデータの受信判定結果(ACK/NACK)を下りリンクのE−DPCCHによって移動局1に通知する(ステップST6)。
ステップST6における基地局2の具体的な送信動作は以下のようになる。
物理層制御部104の分離部123は、E−DCHデータの受信判定結果(ACK/NACK)をスケジューラ116に出力する。
スケジューラ116は、分離部123からE−DCHデータの受信判定結果(ACK/NACK)を受けると、その受信判定結果(ACK/NACK)を下りリンクのE−DPCCHのデータとして物理層制御部104の多重化部124に出力する。
物理層制御部104の多重化部124は、スケジューラ116から出力された下りリンクのE−DPCCHデータを公知の技術で下りリンクのE−DPCCHに多重する。
物理層制御部104の変調部125は、多重化部124により多重された下りリンクのE−DPCCHのデータを公知の技術によって変調し、送信ベースバンド信号として送信部126に出力する。
物理層制御部104の送信部126は、変調部125から出力された送信ベースバンド信号を公知の技術によって無線周波数信号に変換し、アンテナ105から無線周波数信号を移動局1に送信する。
ステップST6における移動局1の具体的な受信動作は以下のようになる。
物理層制御部14の受信部51は、アンテナ15が基地局2から送信された無線周波数信号を受信すると、その無線周波数信号を公知の技術によってベースバンド信号に変換する。
物理層制御部14の復調部52は、受信部51からベースバンド信号を受けると、そのベースバンド信号を公知の技術で復調し、下りリンクのE−DPCCHのデータを分離部53に出力する。
物理層制御部14の分離部53は、復調部52から下りリンクのE−DPCCHのデータを受けると、そのE−DPCCHデータをメディアアクセス制御部13の拡張送信MAC処理部45に出力する。
メディアアクセス制御部13の拡張送信MAC処理部45は、分離部53からE−DCHデータの受信判定結果(ACK/NACK)であるE−DPCCHデータを受けると、その受信判定結果(ACK/NACK)を分析して、パケットデータを再送するか、新規にパケットデータを送信するかを決定し、拡張DCH送信バッファ46にデータを出力する。
拡張DCH送信バッファ46は、拡張送信MAC処理部45から出力されたデータをE−DCHデータとして物理層制御部14の多重化部54に出力される。
物理層制御部14の多重化部54は、拡張DCH送信バッファ46から出力されたE−DCHデータを公知の技術で上りリンクのDPDCHに多重する。
物理層制御部14の変調部55は、多重化部54により多重された上りリンクのDPDCHのデータを公知の技術によって変調し、送信ベースバンド信号として送信部56に出力する。
物理層制御部14の送信部56は、変調部55から出力された送信ベースバンド信号を公知の技術によって無線周波数信号に変換し、アンテナ15から無線周波数信号(Data)を基地局2に送信する。
以上のように、移動局1から基地局2に送信されるE−DCHデータのデータ量情報は、直接的に基地局2において分析・利用され、基地局2がデータ量情報をもとにして、公知の技術を用いて上りリンクにおけるパケットデータ送信ためのスケジューリングを実施する。
図13は複数の通信サービスを実施するに際して、移動局1と基地局2間でやり取りされる通信サービス設定情報通知及び送信バッファ32a,32b,32cのサイズ設定通知に関する処理フローを示す処理フロー図である。
これらの通知処理は、実際の通信サービスのデータ送信処理に先立って、あるいは、送信の途中における通信サービス設定変更時に実施され、実際のデータ送信と別途に実施される。
まず、移動局1は、移動局能力(UE Capability Notice)情報として、例えば、「全ての無線リンク制御部12における送信バッファ32a,32b,32cの合計のメモリサイズ」、「全ての無線リンク制御部12における受信バッファ31a,31b,31cの合計のメモリサイズ」、「全てのメディアアクセス制御部13における送信バッファの合計のメモリサイズ」などのメモリ情報、「最大送信電力」、「最大伝送速度」などの無線通信能力を基地局制御装置3に通知する(ステップST11)。
このとき、基地局2は、単なる無線信号の送受信と、基地局制御装置3との情報伝達の中継地点として動作する。
移動局1と基地局制御装置3との間の各種情報のやり取りは、RRCシグナリング(RRC signalling)と呼ばれ、規格書TS25.331等において規定されることになる。
また、移動局能力(UE Capability Notice)の規定は、規格書TS25.306において規定されることになる。
なお、従来技術においては、RRCシグナリングはDCCH及びDCHを利用して送受信される。
ステップST11における移動局1の具体的な送信動作は以下のようになる。
移動局能力情報は、移動局1の無線リソース制御部16の通信能力部23に記憶されているものとする。
無線リソース制御部16の通信能力部23は、「全ての無線リンク制御部12における送信バッファ32a,32b,32cの合計のメモリサイズ」情報を制御情報(RLCcont)として、無線リンク制御部12のRLC制御部33に出力する。
この制御情報(RLCcont)は、無線リンク制御部12において制御用論理チャネル(DCCH)のデータとなり、既に説明したメディアアクセス制御部13及び物理層制御部14の処理を経て、移動局1から基地局2に無線送信される。
ステップST11における基地局2及び基地局制御装置3の具体的な受信動作は以下のようになる。
移動局1から無線送信された無線信号は、基地局2のアンテナ105により受信されると、物理層制御部104の受信部121、復調部122及び分離部123において復調処理等が実施されてDCHデータとなり、メディアアクセス制御部103のデータ分離部113においてDCCHデータとなる。
データ分離部113において分離されたDCCHデータは、基地局制御装置3の無線リンク制御部102を経て、無線リソース制御部106に制御情報(RLCcont)として通知される。
次に、基地局制御装置3は、各通信サービスを実施するために必要な設定(Service Setup)情報及び各通信サービスに必要な移動局送信バッファメモリ分割(Memory partitioning)情報をRRCシグナリングによって移動局1に通知する(ステップST12)。
この通知処理は、上記移動局能力の通知処理と逆の動作により実施される。
移動局1は、上記設定情報を受信すると、その設定情報を無線リソース制御部16のサービス部22に格納するとともに、移動局内部の各部へ指示を出して、移動局の動作設定(Configration、ないしはReconfigration)を実施する。
次に、移動局1の無線リソース制御部16は、上記設定情報を移動局内部の各部に反映したことを示す完了情報(Complete)を、基地局2を経由して基地局制御装置3に通知する(ステップST13)。
その詳細な動作は、上記移動局能力の通知処理と同様であるため説明を省略する。
次に、基地局制御装置3は、各通信サービスを実施するために必要な設定情報及び各通信サービスに必要な移動局受信バッファメモリ分割情報を基地局2に通知する(ステップST14)。
ここで、基地局2と基地局制御装置3間のやり取りは、NBAPシグナリング(NBAP signalling)と呼ばれ、規格書TS25.423,TS25.433等において規定されることになる。NBAPシグナリング情報は、例えば、同軸ケーブルなどの有線通信によって伝達される。
上記情報は、基地局制御装置3の無線リソース制御部106から無線リンク制御部102及びメディアアクセス制御部103に通知される。
最後に、基地局2のメディアアクセス制御部103は、設定情報を基地局内の各部に反映したことを示す完了情報(Complete)を制御情報(MACcont)として、基地局制御装置3の無線リソース制御部106に通知する(ステップST15)。
なお、上記情報のやり取りにおいて、移動局1と基地局制御装置3間のやり取り、基地局2と基地局制御装置3間のやり取りとは、独立に実施可能である。
次に、設定情報のやり取りの変形例について説明する。
図14は基地局2から基地局制御装置3へ、移動局能力(UE Capability Notice)情報の1つとして、全ての無線リンク制御部の送信バッファの合計メモリサイズ情報のみを通知する場合の専用のやり取りを示す処理フロー図である。
まず、移動局1は、図13の場合と同様にして、移動局能力情報を基地局制御装置3に通知する(ステップST21)。
次に、基地局制御装置3は、RRCシグナリングによって受信情報(ACK)を移動局1に通知する(ステップST22)。
次に、基地局制御装置3は、NBAPシグナリングによって移動局能力情報を基地局2に通知する(ステップST23)。
次に、基地局2は、NBAPシグナリングによって受信情報(ACK)を基地局制御装置3に通知する(ステップST24)。
なお、各シグナリングにおける詳細な動作は、図13の場合と同様であるため説明を省略する。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、パケット通信サービス別、あるいは、E−DCHデータで送信されるパケット送信用論理チャネル別の未送信データのデータ量情報(ないしは、その組み合せ情報)を、基地局制御装置3へのRRCシグナリングを使用したデータ量情報の通知とは別に、基地局終端通信で移動局1から通知している。これにより、W−CDMA方式における複数同時の通信サービスに対応することができるので、基地局2における上りリンクのパケット送信制御(上りリンクの無線リソース制御)が効率化されて、セル全体のスループットが向上するという効果が得られる。
また、複数のデータ量情報を組み合せた場合のインデックス(Index)を用いることにより、送信に必要なbit数が少なくて済み、シグナリングによる速度低下(オーバーヘッド)が低減できるという効果も得られる。
さらに、移動局1から基地局制御装置3を介さず、直接、基地局2にデータ量情報を送信しているので、高速・高頻度な送信が可能となり、基地局2における移動局1の送信制御(上りリンク無線リソース制御)がより効率化されて、セル全体のスループットが向上するという効果が得られる。
なお、この実施の形態1において、基地局2からスケジューリング結果情報として最大送信電力余裕(Max power margin)と送信タイミング(MAP)を移動局1に通知しているが、無線リソースの割当要求で用いたデータ量情報と同様な表現形式を用いて、送信許可データ量制御という形で送信制御を実施するようにしてもよい。
実施の形態2.
図15Aは通信サービス別のバッファのデータ量情報と、その組み合せに対するインデックスの一例を示す説明図であり、図15Bは無線リンク制御部12の送信バッファ32a,32b別のデータ量情報と、その組み合せに対するインデックスの一例を示す説明図である。
図においては、バッファ内に格納されているデータのデータ量情報を表す表現方法として、「データ量/保障bitレート」(単位:sec)を用いている。
図16は「データ量/保障bitレート」(単位:sec)の形式によるデータ量通知を可能にするため、通信サービスの種類(Class)別のサービス品質(QoS:Quality of Service)を示す説明図である。なお、QoSの規定は規格書TS23.107において規定されることになる。規格書では、上記保障bitレートがGBR(Guaranteed Bit Rate)と記載される。
ある通信サービスを行う場合に、どのQoSクラス(class)を選択するか、あるいは、どのクラスのQoSで通信するかは、移動局1の無線リソース制御部16と基地局制御装置3の無線リソース制御部106との間で、図13を用いて説明した設定情報のやり取りの際に決定される。
QoSを満足するために必要なクラス(class)が通信サービス毎に選択された後、その設定情報は、移動局1のサービス部22に保管され、必要に応じて、無線リソース制御部16から無線リンク制御部12、メディアアクセス制御部13及び物理層制御部14に通知される。
移動局1のデータ量情報計算部47は、無線リンク制御部12から通知される各バッファのデータ量情報(bit)と、無線リソース制御部16から通知されるQoS情報の保障bitレート(bit/sec)値とから、データ送信に必要な最大時間(sec)を計算する。
この計算結果は、データ量情報(TRbuffer)として、上りリンクの無線リソース割当要求時に、上りリンクのE−DPCCHのチャネル情報の一部として載せられ、移動局1から基地局2に通知される。
基地局2のスケジューラ116は、そのデータ量情報(TRbuffer)を参照して、各移動局1に対する無線リソースの割り当てを実施する。
その他の詳細な動作については、上記実施の形態1で説明したものと同様であるので、その説明は省略する。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、パケット通信サービス別、あるいは、E−DCHデータで送信されるパケット送信用論理チャネル別の未送信データのデータ量情報(ないしは、その組み合せ情報)を、基地局制御装置3へのRRCシグナリングを使用したデータ量情報の通知とは別に、基地局終端通信で移動局1から通知している。これにより、W−CDMA方式における複数同時の通信サービスに対応することができるので、基地局2における上りリンクのパケット送信制御(上りリンクの無線リソース制御)が効率化されて、セル全体のスループットが向上するという効果が得られる。
また、複数のデータ量情報を組み合せた場合のインデックス(Index)を用いることにより、送信に必要なbit数が少なくて済み、シグナリングによる速度低下(オーバーヘッド)が低減できるという効果も得られる。
さらに、移動局1から基地局制御装置3を介さず、直接、基地局2にデータ量情報を送信しているので、高速・高頻度な送信が可能となり、基地局2における移動局1の送信制御(上りリンク無線リソース制御)がより効率化されて、セル全体のスループットが向上するという効果が得られる。
また、「ある時点における未送信データの送信に必要な最大時間(sec)」を基地局2に通知しているので、基地局2は、ある移動局1における通信サービスの最大遅延時間を直接見積もることができ、効率的なスケジューリングを実施することができる効果が得られる。
また、データ量を直接bit数で表現する場合と比べて、表現に必要な数値範囲及び段階(ステップ)数が小さくて済むので、無線送信時に必要なbit数がより少なくて済み、シグナリングによる速度低下(オーバーヘッド)がさらに低減できる効果が得られる。
また、従来のQoS規定では規定されていないが、パケットデータを扱うことの多いInteractive class及びBackground classにおいても、保障bitレート(Guaranteed bit rate)値を規定したことにより、全ての通信サービスについて統一的な扱いができ、基地局2のスケジューラ116の簡略化を図ることができる効果が得られる。
なお、この実施の形態2では、従来規格のGBR欄においてGBR値が規定されていなかったInteractive class及びBackground classに対して、GBR値を規定するようにしている。
しかし、規格書の過去の版(リリース)仕様で作成された移動局1や基地局2との共存(Backward compatibility)を考え、全classに対して新たなGBR規定を別途追加するようにすることも可能であり、この実施の形態2に限定されない。
また、この実施の形態2では、データ量情報計算部47が無線リンク制御部12の各送信バッファのデータ量情報をもとに計算し、その計算結果に基づいて基地局2に通知しているが、図17に示すように、メディアアクセス制御部13の拡張送信MAC処理部45が送信DCHバッファ44及び拡張DCH送信バッファ46のデータ量情報(Data size)を収集して、データ量情報(TRbuffer)の計算に用いることも可能である。
実施の形態3.
図18Aは通信サービス別のバッファのデータ量情報と、その組み合せに対するインデックスの一例を示す説明図であり、図18Bは無線リンク制御部12の送信バッファ32a,32b別のデータ量情報と、その組み合せに対するインデックスの一例を示す説明図である。
図においては、移動局1の送信バッファに格納されているデータのデータ量を表す情報表現方法として、「データ量/保障bitレート」(単位:sec)を、通信時間単位で用いられるTTIで割った値を用いている。ここで、TTIはメディアアクセス制御部13から物理層制御部14に対するデータ転送の単位時間であり、従来の規格書においては、2/10/20/40/80msecなどが用いられている。
ある通信サービスを実施する際に、どのTTI時間長を選択するかは、移動局1の無線リソース制御部16と基地局制御装置3の無線リソース制御部106との間で、図13を用いて説明した設定情報のやり取りの際に決定される。
使用されるTTI値が通信サービス毎に選択された後、その設定情報は、移動局1のサービス部22に保管され、必要に応じて、無線リソース制御部16から無線リンク制御部12、メディアアクセス制御部13及び物理層制御部14に通知される。
移動局1のデータ量情報計算部47は、無線リンク制御部12から通知される各バッファのデータ量情報(bit)と、無線リソース制御部16から通知されるTTI値及びQoS情報の保障bitレート(bit/sec)値とから、データ送信に必要な最大時間(TTI単位)を計算する。
この計算結果は、データ量情報(TRbuffer)として、上りリンクの無線リソース割当要求時に、上りリンクのE−DPCCHのチャネル情報の一部として載せられ、移動局1から基地局2に通知される。
基地局2のスケジューラ116は、そのデータ量情報(TRbuffer)を参照して、各移動局1に対する無線リソースの割り当てを実施する。
その他の詳細な動作については、上記実施の形態1で説明したものと同様であるので、その説明は省略する。
以上のように、処理単位時間を用いて表現することにより、表示のための数値範囲を減らせるので、表現のために必要なbit数を減らすことができる。また、TTI単位で処理される他の通信処理と統一した取り扱いができるため、基地局2のスケジューラ116の簡略化を図ることができる効果が得られる。
なお、この実施の形態3では、基地局2からスケジューリング結果情報として最大送信電力余裕(Max power margin)と送信タイミング(MAP)を移動局1に通知しているが、無線リソース割当要求で用いたデータ量情報と同様な表現形式を用いて、送信許可時間制御という形で送信制御を実施するようにしてもよい。
実施の形態4.
図19Aは通信サービス別のバッファのデータ量情報と、その組み合せに対するインデックスの一例を示す説明図であり、図19Bは無線リンク制御部12の送信バッファ32a,32b別のデータ量情報と、その組み合せに対するインデックスの一例を示す説明図である。
図においては、移動局1の送信バッファに格納されているデータのデータ量を表す情報表現方法として、「データ量/ディレー(遅延)」(単位:bps(bit per sec))を用いている。なお、このディレーの規定は規格書TS23.107においてQoS規定の一部として規定されることになる。規格書TS23.107では、このディレーは、Transfer delayと記載される。
ある通信サービスを実施する際に、どのディレー(QoSクラス(class))を選択するか、あるいは、どのクラスのQoSで通信するかは、移動局1の無線リソース制御部16と基地局制御装置3の無線リソース制御部106との間で、図13を用いて説明した設定情報のやり取りの際に決定される。
QoSを満足するために必要なクラス(class)が通信サービス毎に選択された後、その設定情報は、移動局1のサービス部22に保管され、必要に応じて、無線リソース制御部16から無線リンク制御部12、メディアアクセス制御部13及び物理層制御部14に通知される。
移動局1のデータ量情報計算部47は、無線リンク制御部12から通知される各バッファのデータ量情報(bit)と、無線リソース制御部16から通知されるディレー値とから、現在バッファに格納されているデータを送信するのに必要な最低伝送速度(bit per sec)を計算する。
この計算結果は、データ量情報(TRbuffer)として、上りリンクの無線リソース割当要求時に、上りリンクのE−DPCCHのチャネル情報の一部として載せられ、移動局1から基地局2に通知される。
基地局2のスケジューラ116は、そのデータ量情報(TRbuffer)を参照して、各移動局1に対する無線リソースの割り当てを実施する。
その他の詳細な動作については、上記実施の形態1で説明したものと同様であるので、その説明は省略する。
図20は「データ量/ディレー」(単位:bit per sec)の形式によるデータ量通知を可能にするため、通信サービスの種類(Class)別のサービス品質(QoS:Quality of Service)を示す説明図である。
従来のQoS規定においては、Conversational class、Streaming class、Interactive class及びBackground classの4種類が規定されているが、パケットデータを扱うことの多いInteractive class及びBackground classにおいて転送ディレー(Transfer delay)は規定されていない。
この実施の形態4では、Interactive class及びBackground classにおいても、転送ディレー(Transfer delay)を規定している。
以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、パケット通信サービス別、あるいは、E−DCHデータで送信されるパケット送信用論理チャネル別の未送信データのデータ量情報(ないしは、その組み合せ情報)を、基地局制御装置3へのRRCシグナリングを使用したデータ量情報の通知とは別に、基地局終端通信で移動局1から通知している。これにより、W−CDMA方式における複数同時の通信サービスに対応することができるので、基地局2における上りリンクのパケット送信制御(上りリンクの無線リソース制御)が効率化されて、セル全体のスループットが向上するという効果が得られる。
また、複数のデータ量情報を組み合せた場合のインデックス(Index)を用いることにより、送信に必要なbit数が少なくて済み、シグナリングによる速度低下(オーバーヘッド)が低減できるという効果も得られる。
さらに、移動局1から基地局制御装置3を介さず、直接、基地局2にデータ量情報を送信しているので、高速・高頻度な送信が可能となり、基地局2における移動局1の送信制御(上りリンク無線リソース制御)がより効率化されて、セル全体のスループットが向上するという効果が得られる。
また、「移動局1の送信バッファに格納されているデータを送信するのに必要な伝送速度(bit per sec)」を基地局2に通知しているので、基地局2は、ある移動局1における通信サービスの最低伝送速度を直接見積もることができ、効率的なスケジューリングを実施することができる効果が得られる。
また、データ量を直接bit数で表現する場合と比べて、表現に必要な数値範囲及び段階(ステップ)数が小さくて済むので、無線送信時に必要なbit数がより少なくて済み、シグナリングによる速度低下(オーバーヘッド)がさらに低減できる効果が得られる。
また、従来のQoS規定では規定されていないが、パケットデータを扱うことの多いInteractive class及びBackground classにおいても、最低伝送速度(bit per sec)値を規定したことにより、全ての通信サービスについて統一的な扱いができ、基地局2のスケジューラ116の簡略化を図ることができる効果が得られる。
なお、この実施の形態4では、従来規格においてQoS規定のディレー(Transfer delay)値が規定されていなかったInteractive class及びBackground classに対して、ディレーを規定するようにしている。
しかし、規格書の過去の版(リリース)仕様で作成された移動局1や基地局2との共存(Backward compatibility)を考え、全classに対して新たなディレー規定を別途追加するようにすることも可能であり、この実施の形態4に限定されない。
また、この実施の形態4では、データ量情報計算部47が無線リンク制御部12の各送信バッファのデータ量情報をもとに計算し、その計算結果に基づいて基地局2に通知しているが、図17に示すように、メディアアクセス制御部13の拡張送信MAC処理部45が送信DCHバッファ44及び拡張DCH送信バッファ46のデータ量情報(Data size)を収集して、データ量情報(TRbuffer)の計算に用いることも可能である。
なお、この実施の形態4では、基地局2からスケジューリング結果情報として最大送信電力余裕(Max power margin)と送信タイミング(MAP)を移動局1に通知しているが、無線リソース割当要求で用いたデータ量情報と同様な表現形式を用いて、送信許可データ伝送速度制御という形で送信制御を実施するようにしてもよい。
実施の形態5.
この実施の形態5の内容を説明する前に、従来規格におけるTFCI(Transport Format Combination Indicatot)について説明する。
Transport Format Combinationとは、移動局1と基地局2との通信に複数の論理チャネルが設定された場合に、各トランスポートチャネルが、どの伝送速度で物理データチャネル(DPDCH)に多重されているか(規格書では、これをTransport Formatと呼ぶ)の組み合せを通知する際に用いられるインデックス(Index)のことである。
各論理チャネルの取り得る伝送速度の組み合せは、図13を用いて説明した設定情報のやり取りの際に、移動局1の無線リソース制御部16と基地局制御装置3の無線リソース制御部106との間で決定される。
TFC情報(TFCI)は、基地局2と移動局1の両方が予め同じ情報を持つことになる。
また、従来規格では、上りリンクのトランスポートチャネルはDCHが1つのみである。
E−DCHとDCHが全く独立に送信制御される場合には、E−DCH用に独立にTFC情報と類似のものが設定され、データ送信時に通知されるが、本発明の説明には不要であるので記載していない。E−DCHもDCHと同様にTFC(ないしはTFCI)規定が規格書に追加されることになる。
以下、移動局1がTFC情報を基地局2に送信する場合について説明する。逆方向の送信の場合も同様である。
予め設定されたTFC情報は、移動局1のサービス部22に保管され、必要に応じて、無線リソース制御部16から無線リンク制御部12、メディアアクセス制御部13及び物理層制御部14に通知される。
同様に、論理チャネルにおける通信サービスの多重化設定なども上記のやり取りの際に設定され、サービス部22に保管され、必要に応じて、無線リソース制御部16から無線リンク制御部12、メディアアクセス制御部13及び物理層制御部14に通知される。
メディアアクセス制御部13は、ある送信時点において、どのTFCで規定される通信速度でデータを送信するかを選択(規格書では、TFC選択(TFC Selection)と記載されている)し、その後、そのTFC設定で規定される分のデータが基地局2に無線送信される。TFC情報は、無線送信時はTFC情報そのものではなく、インデックス(TFCI)の形で送信される。基地局2では、受信したTFC情報をもとに上りリンクのデータを復調する。
以下、この実施の形態5の内容について説明する。
図21はデータ量情報(TRbuffer)としてのE−DCHの通信速度値と、そのインデックス(TFCI)の一例を示す説明図である。
この実施の形態5では、データ量情報の表現方法として「データ量/TTI単位時間」(単位:bps(bit per TTI)を用いている。ここでは、TTIは10msとする。また、TFCI≦7の領域はDCHに用いられる通信速度値と同じ設定値を表すものとし、TFCI>7の領域は本発明で拡張した通信速度値を表すものとする。
また、通信サービス設定時に設定されるE−DCH用のTFC設定を、拡張送信MAC処理部45からの無線リソース要求時にも流用し、上りリンクのE−DPCCHに載せて基地局2に送信する。
以下、移動局1の動作について説明する。
移動局1のデータ量情報計算部47は、無線リンク制御部12から通知される各バッファのデータ量情報(bit)と、無線リソース制御部16から通知されるディレー値とから、無線リソース要求で要求する伝送速度値を計算する。
この計算結果は、データ量情報(TRbuffer)として、上りリンクの無線リソース割当要求時に、上りリンクのE−DPCCHのチャネル情報の一部として載せられ、移動局1から基地局2に通知される。
基地局2のスケジューラ116は、そのデータ量情報(TRbuffer)を参照して、各移動局1に対する無線リソースの割り当てを実施する。
その他の詳細な動作については、上記実施の形態1で説明したものと同様であるので、その説明は省略する。
以上で明らかなように、この実施の形態5によれば、パケット通信サービス別、あるいは、E−DCHデータで送信されるパケット送信用論理チャネル別の未送信データのデータ量情報(ないしは、その組み合せ情報)を、基地局制御装置3へのRRCシグナリングを使用したデータ量情報の通知とは別に、基地局終端通信で移動局1から通知している。これにより、W−CDMA方式における複数同時の通信サービスに対応することができるので、基地局2における上りリンクのパケット送信制御(上りリンクの無線リソース制御)が効率化されて、セル全体のスループットが向上するという効果が得られる。
また、複数のデータ量情報を組み合せた場合のインデックス(Index)を用いることにより、送信に必要なbit数が少なくて済み、シグナリングによる速度低下(オーバーヘッド)が低減できるという効果も得られる。
さらに、移動局1から基地局制御装置3を介さず、直接、基地局2にデータ量情報を送信しているので、高速・高頻度な送信が可能となり、基地局2における移動局1の送信制御(上りリンク無線リソース制御)がより効率化されて、セル全体のスループットが向上するという効果が得られる。
また、E−DCH用に規定されるTFC(TFCI)を上りリンクの無線リソース割当要求時のデータ情報表現として流用することにより、上りリンクの無線リソース割当要求時用に別途仕様を規定する必要がなく、移動局1の構成を簡略化できるという効果が得られる。
なお、E−DCHが複数同時に設定されることも考えられるが、その場合には、各E−DCHのTransport Formatの組み合せに用いられるTFC(ないしは、そのインデックス)を流用するようにすることが可能である。
実施の形態6.
図22はデータ量情報(TRbuffer)としてのE−DCHの通信速度値と、そのインデックス(TFRI)の一例を示す説明図である。
この実施の形態6では、移動局1のメディアアクセス制御部13と拡張送信MAC処理部45が共同して、両方のTFC選択動作を実施するものとする。
この実施の形態6では、上りリンクの無線リソース割当要求時に、DCHとE−DCHとに使用されるTransport Formatと組み合せたTFC(ないしは、TFCI)を上りリンクのE−DPCCHで基地局2に送信する。
移動局1のデータ量情報計算部47は、無線リンク制御部12から通知される各バッファのデータ量情報(bit)と、無線リソース制御部16から通知されるTFCの伝送速度設定値とから、現在バッファに格納されているE−DCHでデータを送信するのに必要な伝送速度を計算する。
この計算結果のE−DCHの伝送速度に対応するTFCIを求め、そのTFCIをデータ量情報(TRbuffer)として、上りリンクの無線リソース割当要求時に、上りリンクのE−DPCCHのチャネル情報の一部として載せて、移動局1から基地局2に通知する。
基地局2のスケジューラ116は、そのデータ量情報(TRbuffer)を参照して、各移動局1に対する無線リソースの割り当てを実施する。
その他の詳細な動作については、上記実施の形態1で説明したものと同様であるので、その説明は省略する。
以上のように、従来規格で用いられてきたトランスポートチャネルの通信速度との組み合せを流用して用いることで、上りリンクの無線リソース割当要求時用に別途仕様を規定する必要がなく、移動局1の構成を簡略化できるという効果が得られる。
なお、この実施の形態6では、基地局2からスケジューリング結果情報として最大送信電力余裕(Max power margin)と送信タイミング(MAP)を移動局1に通知しているが、無線リソース割当要求で用いたデータ量情報と同様な表現形式を用いて、送信許可データ伝送速度制御という形で送信制御を実施するようにしてもよい。
実施の形態7.
図23はデータ量情報(TRbuffer)としてのE−DCH送信時のDPDCHのチャネル振幅係数(β)設定と、そのインデックスの一例を示す説明図である。
従来規格においては、各上りリンクチャネルに対するチャネル振幅係数が規定され、その規定は規格TS25.213,TS25.214等で記載されている。E−DCHを送信する際のDPDCHのチャネル振幅係数はβeuであるとする。
チャネル振幅係数βeuを説明するため、図24には移動局1の多重化部54におけるトランスポートチャネルと物理チャネル間の多重化の一例を示している。
各トランスポートチャネルと物理チャネル間の多重化については規格書TS25.213において規定され、類似の図が記載されることになる。従来規格は、図24において、E−DCH、E−DPCCHがない場合に相当する。
図において、“βeu/d”と記載されているのは、同じDPDCHにDCHデータとEーDCHデータとを時間多重などで多重する場合にβeuあるいはβdをとることを意味する。また、“×”は乗算を、“+”及び“Σ”は加算を、“j”は虚数を、“Cc”等はチャネル分離用拡散符号を、“IないしQ”は複素平面上の軸を、“Sdpch,n”は移動局識別用符号を表している。
なお、図において、DPDCHが複数存在(DPDCH1〜DPDCH6)するのは、複数のDPDCHチャネルが送信されるのではなく、最大6つの拡散符号を用いて、1つのDCHないしはE−DCHを並列分割して送信できることを意味する。
物理層制御部14におけるトランスポートチャネルと物理チャネルの多重化の設定は、移動局1の無線リソース制御部16と基地局制御装置3の無線リソース制御部106との間で、図13を用いて説明した設定情報のやり取りの際に決定される。
多重化設定情報は、移動局1のサービス部22に保管され、必要に応じて、無線リソース制御部16から無線リンク制御部12、メディアアクセス制御部13及び物理層制御部14に通知される。
移動局1のデータ量情報計算部47は、無線リンク制御部12から通知される各バッファのデータ量情報(bit)と、無線リソース制御部16から通知される多重化設定情報とから、現在バッファに格納されているE−DCHでデータを送信するのに必要な伝送速度を計算する。この伝送速度は、上記実施の形態4に示す伝送速度であってもよい。
この計算結果の伝送速度に対応するE−DCH送信用チャネル振幅係数を求め、そのE−DCH送信用チャネル振幅係数をデータ量情報(TRbuffer)として、上りリンクの無線リソース割当要求時に、上りリンクのE−DPCCHのチャネル情報の一部として載せて、移動局1から基地局2に通知する。
基地局2のスケジューラ116は、そのデータ量情報(TRbuffer)を参照して、各移動局1に対する無線リソースの割り当てを実施する。
その他の詳細な動作については、上記実施の形態1で説明したものと同様であるので、その説明は省略する。
チャネル振幅係数を無線送信する場合、以下に示すように、各種の情報が考えられ、どの報hをどう採用するかは移動局1の実装により異なるが、その規定は規格書TS25.211,TS25.331などにおいて規定されることになる。
(1)要求する伝送速度に対応するチャネル振幅係数の実際の数値
(2)チャネル振幅係数のインデックス
(3)チャネル振幅係数の増減
(4)チャネル振幅係数の増減のインデックス
(5)チャネル振幅係数の比
(6)チャネル振幅係数の比のインデックス
W−CDMA方式においては、データ送信速度が可変であり、送信速度が速くなる場合には、送信bitの1bit当りのS/N比(いわゆるEb/No)を確保するために振幅係数βを大きくする。即ち、送信速度によって振幅係数βが規定される。
W−CDMA方式においては、全ての移動局1が同じ無線周波数を使用するので、基地局2が特定の移動局1から無線周波数信号を受信する際、他の移動局から送信される無線周波数信号の受信電力は全て干渉ノイズ電力となる。
また、基地局2としては、セル全体の干渉電力及びスループットなどを監視しながら、各移動局1からの送信をスケジューリングする必要がある。
従って、以上のように、データ量情報の代わりに、要求されるデータ送信速度で引き起こされる干渉電力(∝移動局送信電力)に直接換算できる形式で送られてくることにより、スケジューラ116の計算量が少なくて済み、スケジューラ116の構成が簡単になるという効果が得られる。
また、チャネル振幅係数βeuは、E−DCHデータがDPDCHに載った時点でDPDCHとして、どれだけの伝送速度が必要かという数値と対応しているので、使用する通信サービスが複数であっても問題なく扱え、スケジューラ116を簡略化できるという効果が得られる。
なお、この実施の形態7では、E−DCH単独で規定しているが、従来のDCHチャネルのβdとの組み合せを、上りリンクのE−DPCCH110で送信することも可能である。
また、この実施の形態7では、上りリンクの無線リソース割当要求時にのみチャネル振幅係数βeuを使用しているが、スケジューリング結果情報としてゲインファクタ設定を用いること、さらには、下りリンクのE−DPCCHで通知される最大送信電力余裕(Max Powerr Margin)情報の代わりに、最大ゲインファクタ設定として用いることなども可能である。
これにより、移動局1の多重化部54は、直接チャネル振幅係数βeuを設定することができ、移動局1の構成が簡単になるという効果が得られる。
実施の形態8.
図25はデータ量情報(TRbuffer)としてのE−DCH送信時の送信物理チャネル電力オフセットの設定と、そのインデックスの一例を示す説明図である。
移動局1のデータ量情報計算部47は、無線リンク制御部12から通知される各バッファのデータ量情報(bit)と、無線リソース制御部16から通知されるチャネル多重化設定情報とから、現在バッファに格納されているE−DCHでデータを送信するのに必要な伝送速度を計算する。この伝送速度は、上記実施の形態4に示す伝送速度であってもよい。
この計算結果の伝送速度に対応するE−DCH送信用チャネル振幅係数を求めて、そのE−DCH送信用チャネル振幅係数を電力に変換し、さらに、上りリンクのDPCCHのゲインファクタβcを電力に変換し、上りリンクのDPCCHの電力を基準とした電力オフセット値に変換する。
その電力オフセット値をデータ量情報(TRbuffer)として、上りリンクの無線リソース割当要求時に、上りリンクのE−DPCCHのチャネル情報の一部として載せて、移動局1から基地局2に通知する。
基地局2のスケジューラ116は、そのデータ量情報(TRbuffer)を参照して、各移動局1に対する無線リソースの割り当てを実施する。
その他の詳細な動作については、上記実施の形態1で説明したものと同様であるので、その説明は省略する。
以上のように、データ量情報の代わりに、データを送信するのに必要な送信速度で引き起こされる干渉電力(∝移動局送信電力)に直接換算できる形式で送られてくることにより、スケジューラ116の計算量が少なくて済み、スケジューラ116の構成が簡単になるという効果が得られる。
また、この実施の形態8においては、上りリンクの無線リソース要求時にのみパワーオフセット情報を使用しているが、スケジューリング結果情報としてパワーオフセットを用いるなどが可能である。
実施の形態9.
この実施の形態9では、基地局2のスケジューラ116が移動局1におけるデータ送信タイミングのスケジューリングを実施せず、上りリンクのデータ伝送速度をスケジューリングするものとする。移動局1、基地局2、基地局制御装置3の内部構成は、上記実施の形態1に示したものと同様である。
図26は上りリンクにおけるパケットデータ(E−DCH)の送信フローを示す送信フロー図である。
上記実施の形態1では、図11に示すように、主に以下の4つステップでパケットデータ(E−DCH)を送信する。
(1)移動局1が上りリンク無線リソース割当要求を基地局2に送信する。
(2)基地局2がスケジューリング結果情報を移動局1に送信する。
(3)移動局1がパケットデータを基地局2に送信する。
(4)基地局2が受信判定結果を移動局1に送信する。
これに対して、この実施の形態9では、図26に示すように、上記の(1)(2)と(3)(4)が、(A)無線リソース制御フローと(B)データ送信フローとに分かれた処理フローとなっている。
ここで、移動局1からの無線リソース割当要求(上記(1)の処理)として、送信時の伝送速度増減要求(図中、Rate Requestと記載)を送信し、基地局2からのスケジューリング結果通知(上記(2)の処理)として、伝送速度増減可否(図中、Rate Grantと記載)を送信するものとする。従って、移動局1からのデータ送信(上記(3)の処理)は、移動局1の判断によって送信タイミングが決定される(いわゆる自律的送信制御(Autonomous Transmission)となる)。
また、基地局2は、データを受信した場合に受信判定結果(上記(4)の処理)を移動局1に通知する。
以下、図26Aを用いて、(A)無線リソース制御フローを説明する。
まず、移動局1は、未送信データのデータ量を測定する(ステップST101)。
即ち、移動局1の上位層ブロック部11において発生したサービス1(Service1)及びサービス2(Service2)のデータは、送信データ(TX DATA1,TX DATA2)として、無線リンク制御部12の送信バッファ32a,32bに格納され、さらに、送信バッファ32a,32bから送信用の論理チャネル(DTCH1,DTCH2)のデータとして、メディアアクセス制御部13のデータ多重部43に出力される。
また、サービス1のデータ送信に関する各種の移動局制御情報は、制御情報(RLCont)として、無線リソース制御部16のサービス部22からRRC制御部21を通じて送信バッファ32cに格納され、さらに、送信バッファ32cから制御用論理チャネル(DCCH)として、メディアアクセス制御部13のデータ多重部43に出力される。
この際、無線リンク制御部12の送信バッファ32a,32b,32cは、格納されたデータのデータサイズ情報(Data size)を定期的、あるいは、データ量が変化した時にバッファ監視部34に出力する。
無線リンク制御部12のバッファ監視部34は、送信バッファ32a,32b,32cから出力されたデータサイズ情報をデータ量情報(LOGbuffer)としてメディアアクセス制御部13のデータ量情報計算部47に出力する。
次に、移動局1は、上りリンクの伝送速度の増減を要求するため、上りリンクのE−DPCCHを基地局2に通知する(ステップST102)。
ステップST102における移動局1の具体的な送信動作は以下のようになる。
メディアアクセス制御部13のデータ量情報計算部47は、バッファ監視部34からデータ量情報(LOGbuffer)を受けると、そのデータ量情報(LOGbuffer)に基づいて、通信サービス別のデータ量(サービス1及びサービス2のデータ量)を計算する。あるいは、E−DCHに割り当てられている論理チャネルのうち、データ送信用の論理チャネル別のデータ量(DTCH1及びDTCH2のデータ量)を計算する。
そして、そのデータ量の増減の変化から、スケジューラ116に要求する伝送速度を計算する。
伝送速度の計算方法としては、次のような方法がある。
(1)上記実施の形態4で求めた伝送速度を使用する方法
(2)DCHデータの伝送状況をPHY制御部57で監視し、E−DCHデータとの合計の伝送速度がある設定値を超えないようにする方法
メディアアクセス制御部13のデータ量情報計算部47は、データ量の増減から伝送速度の増減の必要性を判断し、さらに、その伝送速度に対応するE−DCH送信用チャネル振幅係数を求め、そのE−DCH送信用チャネル振幅係数をデータ量情報(TRbuffer)として、上りリンクの無線リソース割当要求時に、上りリンクのE−DPCCHのチャネル情報の一部として載せて、移動局1から基地局2に通知する。
上記無線送信に係るメディアアクセス制御部13及び物理層制御部14の詳細な動作は、上記各実施の形態で説明したものと同様であるので説明を省略する。
上記伝送速度増減要求情報として、チャネル振幅係数を無線送信する場合、以下に示すように、各種の方法が考えられ、どの方法を採用するかは移動局1の実装により異なるが、その規定は規格書TS25.211,TS25.331などにおいて規定されることになる。
(1)要求する伝送速度に対応するチャネル振幅係数の実際の数値
(2)チャネル振幅係数のインデックス
(3)チャネル振幅係数の増減(Up/Down)
(4)チャネル振幅係数の増減のインデックス
(5)チャネル振幅係数の2乗値(電力の次元に換算)
(6)チャネル振幅係数の2乗値(電力次元換算)のインデックス
(7)チャネル振幅係数の比
(8)チャネル振幅係数の比のインデックス
(9)チャネル振幅係数の2乗値(電力次元換算)の比(電力オフセット)
(10)電力オフセットのインデックス
ステップST102における基地局2の具体的な受信動作は以下のようになる。
物理層制御部104の受信部121は、アンテナ105が移動局1から送信された無線周波数信号を受信すると、その無線周波数信号を公知の技術によってベースバンド信号に変換する。
物理層制御部104の復調部122は、受信部121からベースバンド信号を受けると、そのベースバンド信号を公知の技術で復調し、上りリンクのE−DPCCHのデータを分離部123に出力する。
物理層制御部104の分離部123は、復調部122から上りリンクのE−DPCCHのデータを受けると、そのE−DPCCHデータをメディアアクセス制御部103のスケジューラ116に出力する。
メディアアクセス制御部103のスケジューラ116は、物理層制御部104からE−DPCCHデータを受けると、そのE−DPCCHデータに基づいて、各移動局1に対する上りリンク用の無線リソースの制御(スケジューリング)を実施し、移動局1からの伝送速度増減要求に対する可否を判断する(ステップST103)。
スケジューリングに用いられるアルゴリズムとしては、上記実施の形態1に示した各種多様な方法が適用可能であり、基地局2及び通信システムの設計において、例えば、セル全体のスループットが最も高くなるように設計・選定される。
次に、基地局2は、スケジューリングの結果情報を下りリンクのE−DPCCHによって移動局1に通知する(ステップST104)。
ステップST104における基地局2の具体的な送信動作は以下のようになる。
基地局2のスケジューラ116は、スケジューリングの結果情報である伝送速度増減可否(Rate Grant)情報を下りリンクのE−DPCCHデータとして、物理層制御部104の多重化部124に出力する。
物理層制御部104の多重化部124は、スケジューラ116から出力された下りリンクのE−DPCCHデータを公知の技術で下りリンクのE−DPCCHに多重する。
物理層制御部104の変調部125は、多重化部124により多重された下りリンクのE−DPCCHのデータを公知の技術によって変調し、送信ベースバンド信号として送信部126に出力する。
物理層制御部104の送信部126は、変調部125から出力された送信ベースバンド信号を公知の技術によって無線周波数信号に変換し、アンテナ105から無線周波数信号を移動局1に送信する。
上記スケジューリング結果である伝送速度増減可否(Rate Grant)情報としては、以下に示すように、各種の方法が考えられ、どの方法を採用するかは基地局1の実装により異なるが、その規定は規格書TS25.331において規定されることになる。
(1)許可する伝送速度に対応するチャネル振幅係数の実際の数値
(2)チャネル振幅係数のインデックス
(3)チャネル振幅係数の増減(Up/Down)
(4)チャネル振幅係数の増減のインデックス
(5)チャネル振幅係数の2乗値(電力の次元に換算)
(6)チャネル振幅係数の2乗値(電力次元換算)のインデックス
(7)チャネル振幅係数の比
(8)チャネル振幅係数の比のインデックス
(9)チャネル振幅係数の2乗値(電力次元換算)の比(電力オフセット)
(10)電力オフセットのインデックス
ステップST104における移動局1の具体的な受信動作は以下のようになる。
物理層制御部14の受信部51は、アンテナ15が基地局2から送信された無線周波数信号を受信すると、その無線周波数信号を公知の技術によってベースバンド信号に変換する。
物理層制御部14の復調部52は、受信部51からベースバンド信号を受けると、そのベースバンド信号を公知の技術で復調し、下りリンクのE−DPCCHのデータを分離部53に出力する。
物理層制御部14の分離部53は、復調部52から下りリンクのE−DPCCHのデータを受けると、そのE−DPCCHデータをスケジューリング結果である伝送速度増減可否情報としてメディアアクセス制御部13の拡張送信MAC処理部45に出力する。
メディアアクセス制御部13の拡張送信MAC処理部45は、分離部53から伝送速度増減可否情報を受けると、その伝送速度増減可否情報を参照して、使用可能な最大伝送速度値を更新する。
以上のようにして、拡張送信MAC処理部45における移動局1の送信バッファのデータ量の監視、伝送速度の増減要求の決定、基地局2に対する伝送速度増減要求の送信、基地局2のスケジューラ116における伝送速度決定、基地局2からのスケジューリング結果通知の処理が繰り返し実行される(ステップST101〜ST104)。
以下、図26Bを用いて、(B)データ送信フローを説明する。
まず、移動局1は、図26Aのフローによって適宜更新される使用可能な最大伝送速度の範囲内で、自律的にデータを送信する(ステップST105)。
ステップST105における移動局1の具体的な送信動作は以下のようになる。
まず、メディアアクセス制御部13の拡張送信MAC処理部45は、図26Aのフローによって更新された最新の使用可能な伝送速度の範囲内で、移動局1の最大送信可能電力(Max power)などを考慮して送信データ量(ないしは送信速度)を決定し、未送信データをE−DCHデータとして拡張DCH送信バッファ46に出力する。
このとき、拡張送信MAC処理部45は、バッファにデータが存在する限りデータを出力するが、その出力タイミングの制御は自律的に行なわれる。
例えば、(1)E−DCH用データを優先する、(2)DCHを優先する、(3)データ量の多い方を優先するなど、各種の方法が考えられ、どの方法を採用するかは移動局1の実装によって異なる。
一方、制御用論理チャネル(DCCH)のデータは、DCHデータとして送信DCHバッファ44に格納され、さらに、送信DCHバッファ44から物理層制御部14の多重化部54に出力される。
物理層制御部14の多重化部54は、拡張DCH送信バッファ46から出力されたE−DCHデータと送信DCHバッファ44から出力されたDCHデータとを公知の技術で上りリンクのDPDCHに多重する。
物理層制御部14の変調部55は、多重化部54により多重された上りリンクのDPDCHのデータを公知の技術によって変調し、送信ベースバンド信号として送信部56に出力する。
物理層制御部14の送信部56は、変調部55から出力された送信ベースバンド信号を公知の技術によって無線周波数信号に変換し、アンテナ15から無線周波数信号を基地局2に送信する。
ステップST105における基地局2の動作は、図11のステップST5と同様であるので、その説明を省略する。
次に、基地局2は、E−DCHデータの受信判定結果(ACK/NACK)を下りリンクのE−DPCCHによって移動局1に通知する(ステップST106)。
ステップST106における基地局2及び移動局1の動作は、図11のステップST6と同様であるので、その説明を省略する。
以上のようにして、拡張送信MAC処理部45における移動局1の送信バッファのデータ量の監視、送信された使用可能な伝送速度の範囲内での、移動局1から基地局2に対するデータの送信、基地局2からの受信判定結果の通知の処理が繰り返し実行される(ステップST105〜ST106)。
次に、移動局1から基地局2に対するデータ量情報の送信周期の設定について説明する。
図27は上りリンク無線リソース要求情報を送信する場合の送信周期タイミングを示す説明図であり、図28は送信に用いられる送信パラメータを設定する際の移動局1、基地局2及び基地局制御装置3間のやり取りを示すフロー図である。
図27においては、2つの通信サービスに対応するデータ量情報(D1,D2)がE−DPCCHを用いて送信されるものとする。また、送信は周期(K)で行なわれ、周期(K)はM個に分割されている。
通信サービス1と通信サービス2のうち、送信の優先順位やQoS要求が高い通信サービス、あるいは、データ量の変動が大きい通信サービスが、M個に分割された枠の多数を使用する。
以上により、データ量情報の送信頻度を上げることが可能となり、基地局2における移動局送信制御が効率的にでき、セル全体としてのスループットを向上できるという効果が得られる。
この実施の形態9のように、移動局1が基地局2に対して、無線リソース要求時に送信する情報として、データ量情報の代わりに、データを送信するのに必要な送信速度で引き起こされる干渉電力(∝移動局送信電力)に直接換算できる情報を送信することにより、基地局2のスケジューラ116の計算量が少なくて済み、スケジューラ116の構成が簡単になるという効果が得られる。
また、基地局2が移動局1に対して、スケジューリング結果通知時に送信する情報として、データ量情報の代わりに、データを送信するのに必要な送信速度で引き起こされる干渉電力(∝移動局送信電力)に直接換算できる情報を送信することにより、移動局1の拡張送信MAC処理部45の計算量が少なくて済み、移動局1の構成が簡単になるという効果が得られる。
また、この実施の形態9では、無線リソース要求サイクルとデータ送信サイクルとが分離しているので、データ送信タイミングをスケジューリングする必要がなく、スケジューラ116の構成が簡単になるという効果が得られる。
また、移動局1から基地局2へ無線リソース要求時に送信する情報として、伝送速度要求のみを送信しているが、上記実施の形態1のように、移動局1の送信電力余裕(Power margin)情報を付加して送信することも可能である。
また、図27において説明した情報送信周期の基準としては、(1)未送信データがある間は送信する、(2)未送信データのあり/なしの変化時点で送信するなど、各種方法が可能であり、この実施の形態9には限定されない。
さらに、図27において説明した情報送信周期規定及び周期設定方法は、上記実施の形態1〜8においても使用可能である。
また、上述の全てのデータ量情報又は無線リソース割当要求情報は、特定の情報を示すインデックスによって表すことができる。さらに、基地局2は、移動局1から受信したインデックスに基づいて無線リソースを割り当てることが可能である。
なお、移動局1は、特定の位置で固定的に使用される端末を含むことは言うまでもない。

Claims (5)

  1. 送信するデータを論理チャネル別に格納する送信バッファと、
    前記送信バッファに格納することができるデータ容量の合計を能力情報として上位装置に送信する制御を行う能力情報送信制御手段と、
    前記送信バッファに格納された論理チャネル別のデータ量を示すデータ量情報を上位装置に送信する制御を行うデータ量情報送信制御手段とを備えた移動局。
  2. 前記送信バッファに格納されたデータを論理チャネルを介して出力する無線リンク制御部と、
    前記無線リンク制御部から出力されたデータが論理チャネルを介して入力されるメディアアクセス制御部と、
    前記無線リンク制御部およびメディアアクセス制御部を制御する無線リソース制御部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の移動局。
  3. 前記無線リンク制御部は、前記送信バッファを含むことを特徴とする請求項2記載の移動局。
  4. 前記無線リソース制御部は、前記能力情報送信制御手段を含むことを特徴とする請求項2記載の移動局。
  5. 前記メディアアクセス制御部は、前記データ量情報送信制御手段を含むことを特徴とする請求項2記載の移動局。
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