JP2006228605A - アルミニウム固体電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 負極アルミニウムとアルミニウム固体電解質と正極に空気極を用いたアルミニウム空気固体電池において、正極と固体電解質界面に放電阻害物質が形成され、安定して起電力を得られないという課題があった。高エネルギー密度のアルミニウム固体電池を実現するためには、正極で放電阻害物質が生成しない構成をとることが課題となる。
【解決手段】 本発明のアルミニウム固体電池において、正極がAlXWO3(0<x<0.14)で示されるタングステン酸化物を用いることにより、電池性能の劣化の小さいアルミニウム固体電池を提供することができる。
さらに、本発明のアルミニウム固体電池は、正極が0<x≦0.03の範囲でAlXWO3を使用すれば、充放電が可能となりアルミニウム固体2次電池として利用可能である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、酸化反応によりアルミニウムイオンと電子を生成する負極と、生成した電子を受け取る正極と、正極と負極との間に配置されるアルミニウムイオン導電性固体電解質とで構成されるアルミニウム固体電池に関する。
一般に、溶媒や易揮発性の物質を含まず、かつ高いイオン導電性を示す固体の電解質を用いることで安定な特性を与える固体電池が期待できる。固体電解質のうち、原子価の高いイオンの固体電解質を用いると高エネルギーの電池が期待できることから、多価イオン固体電解質が検討されている。特許文献1には、タングステン酸アルミニウムをベースとするアルミニウムイオン導電性の固体電解質に関する技術が開示されている。特許文献2には、3価の金属イオンであるアルミニウムイオン、ガリウムイオン、インジウムイオン伝導性の固体電解質を用いた濃淡電池に関する技術が開示されている。
一方、3価の金属イオンを可動イオンとする高エネルギー密度電池として、液体電解質を用いたアルミニウム−空気電池が検討されている。この電池の電解質としては水酸化カリウムを溶解したアルカリ水溶液や、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属のハロゲン化物を溶解した中性水溶液などの液体電解質が主に用いられている。液体電解質ではないものとして、例えば特許文献3にはイオン交換樹脂を用いるアルミニウム空気電池の技術が開示されている。
特許文献1、2に開示されているようなアルミニウムイオン伝導性の固体電解質を用いると、安定に動作可能で信頼性が高く、かつ高エネルギー密度のアルミニウム固体電池の実現が期待できる。しかしながらこのような構成の電池の報告は従来技術として見られない。
さらに、AlXWO3で示されるAlとWO3よりなるタングステン酸化物は、Al:WO3=x:1において、0<x<0.135の範囲で結晶系は変化するが、安定な酸化物となることが開示されている。(非特許文献1、非特許文献2)
特許第2923769号公報 特許第3054684号公報 特開2002−184472号公報 特開2001−076532号公報 Mat.Res.Bull.vol.2,pp809-817(1967) C.R.Acad.Sc.Paris,t.266 serieC,pp1066-1068(1968)
負極をアルミニウム金属、正極を空気極とし、これらの負極と空気極(正極)との間にアルミニウム固体電解質を挟んだ構成とすれば、アルミニウム金属からアルミニウムイオンが解離する起電力1.6V、またはそれを超える起電力を示すアルミニウム空気固体電池が得られることが類推できる。
本発明者らが実際にアルミニウム空気固体電池について検討を加えたところ、熱力学データから予想される1.6Vの起電力がほとんどの場合に得られず、また、1.6Vに近い起電力を得られた場合においても起電力は経時的に不安定で電池電圧はすぐに0V近くに低下しほとんど電池として機能しないことがわかった。本発明者らは、アルミニウム空気固体電池ついての従来技術が見あたらないのはこのためであると考えている。
続いて、電極で起こる反応を検討した結果、アルミニウム空気固体電池が機能しない理由は、空気極(正極)の酸素と、負極側から正極側へ移動してきたアルミニウムイオンとが反応し、空気極(正極)と固体電解質界面に放電阻害物質が形成されるためであることを見出した。
なお、空気極と固体電解質の界面では、数1の反応が起こると考えられるので、放電阻害物質は酸化アルミニウムが主成分であると考えられる。
(数1) 3/202 +Al3+ +3e- → Al23
したがって、アルミニウムイオンの固体電解質を用いたアルミニウム固体電池において、安定した起電力を得るためには、正極で放電阻害物質が生成しない正極を用いることが課題となる。
以上の課題を解決する本発明は、負極と正極と負極と正極との間に配置された固体電解質からなり、負極が金属アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、固体電解質が少なくともAl2(WO43を含み、正極が少なくともAlXWO3(0<x<0.14)で示されるタングステン酸化物を含むことを特徴とするアルミニウム固体電池である。これにより、電池性能の劣化の小さいアルミニウム固体電池を実現できる。
さらに我々は、本発明の正極が0<x≦0.03の範囲において、実質的にアルミニウム固体電解質が利用可能な温度範囲(アルミニウムイオン伝導が発現し、かつアルミニウムイオン固体電解質の融点を超えない)において、アルミニウムの含有量による結晶系の変化が可逆であることを見出した。すなわち、0<x≦0.03の範囲であれば充放電が可能であり、アルミニウム固体2次電池を提供することができる。
本発明のアルミニウム固体電池は、理論電圧に近い起電力を電圧低下の小さい状態で安定に出力しつづけることができる。
0<x≦0.03の範囲であれば、また本発明のアルミニウム固体電池は、2次電池として利用可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のアルミニウム固体電池の構成を図1に示す。負極1、アルミニウム固体電解質2、正極3からなり、正極3は後述するタングステン酸化物からなり、導電性を補うため正極集電体4を設置している。
本発明のアルミニウム固体電池の負極1は、酸化反応によりアルミニウムイオンと電子を生成する物質であれば何れも用いることできる。具体的には、金属アルミニウムの他、Al−Li、Al−Mg、Al−Sn、Al−Znなどのアルミニウム合金があげられる。
本発明のアルミニウム固体電池のアルミニウムイオン固体電解質2としては、特許文献1に述べられているA2(WO43(Aは少なくともAlを含む3価の金属元素の混合系)が好ましい。加えて、アルミニウムイオン固体電解質が、化学式((R4+2+1-y3+ 2y)(WO43ただし、RはZr、Hfまたはこれらの混合系で示される4価の金属元素、MはMg,Ca,Sr,Ba,Raまたはこれらの混合系で示される2価の金属元素、Aは、Alまたは少なくともAlを含む3価の金属元素の混合系、0<y≦1)で示されるタングステン酸複合酸化物を用いることができる。
本発明のアルミニウム固体電池の正極3としては、AlXWO3(0<x<0.15)で示されるタングステン酸化物を用いる。このタングステン酸化物は、負極1で生成した後にアルミニウム固体電解質2中を移動してきたアルミニウムイオンをイオンのまま結晶構造中に取り込むので、正極3に放電阻害物質が生成できない、または生成を抑制することができる。
AlXWO3(0<x<0.15)は、Al含有量であるxの変化によって結晶系は変化するが、0<x<0.15の範囲でAlXWO3自体は安定であり、アルミニウムイオンと酸素が正極で反応し放電阻害物質を生成することはない。このため、電池性能の劣化の小さいアルミニウム固体電池を実現することができる。
さらに、AlXWO3は0<x≦0.03の範囲において、アルミニウムの含有量により単一化合物の状態で格子定数を変えながら、単斜晶系から斜方晶系、斜方晶系から擬似正方晶系と結晶系が変化する。
この結晶系の変化は、AlとAlXWO3の固相反応が起きる400℃以上、AlXWO3の融点付近の1200℃までの温度範囲で実質的に観察することができる。
また、0.03<x<0.15の範囲で、斜方晶系と擬似正方晶系の混合物となる。これら0<x<0.15の範囲でAlXWO3は安定な酸化物または酸化物の混合物として得ることができる。x≧0.15の範囲でAlXWO3は、斜方晶系、擬似正方晶系以外の酸化物ピークが観察され、AlXWO3以外の酸化物を含む複雑な混合物となる。このため、本発明の正極としては、0<x<0.15の範囲でAlXWO3を用いることが好ましい。
前記のようにAlXWO3は、0<x≦0.03の範囲で単一化合物であり、400℃以上1150℃以下の温度範囲においてその結晶系が単斜晶系・斜方晶系・擬似正方晶系の間で可逆的に変化する。このため、本発明のアルミニウム固体電池は、正極のAlXWO3が0<x≦0.03の範囲でアルミニウムイオンの充放電が可能となり2次電池として使用できるので、特に好ましい。
アルミニウム固体電解質および正極は、通常の固相反応法により得ることができる。混合粉砕、粗粉砕の方法としては、ライカイキや湿式ボールミルを用いることができるが、遊星ミル、媒体ミル(例えばアトライター、振動ミル)などの方法を用いても同様の効果が得られる。
アルミニウム固体電解質の焼成温度は、900℃〜1100℃が好ましい。これより温度が低いと固相反応が十分に進まない。また、これ以上の温度になると原料の酸化タングステンが昇華してしまうので、所望の組成物を得ることができない。ただし昇華分を見積もって、酸化タングステンを原料に加えておくなどの方法であればこの限りではない。
正極3の焼成は還元雰囲気中で500℃〜1000℃が好ましい。温度が低いと固相反応が十分に進まない。また、酸化雰囲気中で焼成するとAl2(WO43に代表される不純物が生成してしまう。さらに、高温での焼成は原料の酸化タングステンの昇華が進んでしまうので、所望の組成物を得ることができない。
以下に、本発明のより具体的な実施例を示す。
(実施例1)
図1に示すアルミニウム固体電池の試験電池Aを組み立てた。試験電池Aは直径10mm、厚さ約3mmの大きさである。試験電池Aの構成は以下の通りである。
試験電池Aの構成
負極1: 金属アルミニウム
固体電解質2: Al2(WO43
正極3: AlXWO3 (0<x<=0.30)+カーボンブラック
正極集電体4: ニッケルメッシュ
負極リード5: アルミニウムワイヤー
正極リード6: ニッケルワイヤー
固体電解質2は、出発原料として、Al23とWO3(高純度化学製、純度4N)をモル比1:3で秤量し、純水を溶媒とした湿式ボールミルにより144hの混合粉砕を行った。一昼夜乾燥して水分を除いたのち、得られた原料紛を1000〜1100℃で焼成を行い作製した。焼成した材料はX線回折により結晶系の確認を行い、Al2(WO43が出来ていることを確認した。
正極3のAlXWO3は金属AlとWO3(高純度化学製、純度4N)をモル比0.1:1で秤量し、らいかいきで60分混合粉砕した後、密封したガラス管にいれ800℃で焼成を行って作製した。
x≧0.10のAlXWO3は、以下に示す数2の1段階反応で作製した。0<x<0.10のAlXWO3は、Al0.10WO3を作製した後、数3のとおりWO3と再度秤量し、密封したガラス管にいれ再度800℃で焼成を行い所望のAlXWO3を作製した。
(数2) 0.10Al+WO3 → Al0.10WO3
(数3) 10x・Al0.10WO3+(1−10x)・WO3 → AlXWO3
正極用のAlXWO3として、x=0.01、0.02、0.03、0.05、0.10、0.15、0.20、0.30の8種類(試料1〜8)を準備した。作製したAlXWO3の結晶系をX線回折により確認した。結果を表1に示す。
Figure 2006228605
試料1〜6では、表1に示すように非特許文献1、非特許文献2に開示されていると同様の結晶系が得られ、正しくAlXWO3ができていることがわかった。試料7、8は、試料6と同様の斜方晶系と擬似正方晶系の回折ピークの他に不明なピークが多く観察され、AlXWO3以外の不明な酸化物ができていることがわかった。この結果、試験電池Aは試料1〜6のAlXWO3を用いて作製した。
正極3は、試料1〜6のそれぞれのAlXWO3とカーボンブラックとPTFEを重量比6:2:2で秤量し、エタノールを溶媒として十分に混合した後、テフロン(登録商標)樹脂製のシートに集電体となるニッケルメッシュとともに塗布し、120℃20hで乾燥し、直径10mmに切って作製した。厚みは約500μmであった。
アルミニウム固体電解質2となるAl2(WO43は、出発原料としてAl2(OH)3とWO3をモル比1:3で秤量し、湿式ボールミル、乾燥を行ったのち、1000℃4hで焼成を行い、ライカイキによる粗粉砕を行った。Al2(WO43の試料粉末はX線回折により構造の確認を行って、試料とした。得られたAl2(WO43を、PVB(ポリビニルブチラール)、DBP(ジブチルフタル酸)、酢酸ブチルとともに混合し、ドクターブレード法により500μmのグリーンシートを作製した。得られたグリーンシートを焼成後直径10mmになるように打ち抜いた後、1100℃4hの焼成を行った。焼成後の膜厚は約350μmであった。
負極1は、市販の厚さ0.05mmのアルミニウムテープ(幅20mm)を直径10mmに加工して用いた。
これら正極3、固体電解質2、負極1を積層してリング状の冶具で上下からはさんで固定し正極3に正極リード6、負極1に負極リード5をワイヤーボンディングで接着し、放電特性測定用の試験電池A(試料1〜6)とした。
(比較例)
比較例として作製したアルミニウム空気固体電池(試験電池B)の構成を図2に示す。正極は通常利用される空気極と同じものを用いた。この場合、正極33で酸素とアルミニウム固体電解質2中を移動(伝導)してきたアルミニウムイオンにより起電力を発生する。
試作電池Bの構成
負極1: 金属アルミニウム板
アルミニウム固体電解質2: Al2(WO43
正極33: 酸化マンガン+カーボンブラック
正極集電体4: ニッケルメッシュ
負極リード5: アルミニウムワイヤー
正極リード6: ニッケルワイヤー
空気極となる正極33は、市販の酸化マンガンとカーボンブラックとPTFEを重量比4:2:2で秤量し、エタノールを溶媒として十分に混合した後、テフロン(登録商標)樹脂製のシートに集電体となるニッケルメッシュとともに塗布し、120℃20hで乾燥し、直径10mmに切って作製した。
正極33以外の負極1、アルミニウム固体電解質2、正極集電体4、負極リード5、正極リード6は実施例1と同様のものを用い、試験電池Bを作製した。
(電池特性評価)
実施例1および比較例で組み立てたアルミニウム固体電池 Aの試料1〜6、試験電池Bについて、500℃において60分に渡り起電力を1時間間隔で10時間まで測定した。それぞれの電池の起電力ならびに放電中の電池電圧の時間変化を表2に示す。
Figure 2006228605
表2に示すように、比較例の試験電池Bは起電力が急激に低下し電池としてほとんど利用できないことがわかる。
一方、試験電池Aは試料6を除き安定した起電力が得られた。試料6は、1時間程度で起電力が急激に低下した。これは試料6の正極がAlXWO3(x=0.15)からなり、アルミニウムイオンをこれ以上結晶構造中に取り込むことができない、または結晶構造中に取り込むことによりAlXWO3の構造が維持できなくなるものと考えられる。
このように、AlXWO3(0<x<0.15)の範囲で安定な起電力を示すアルミニウム固体電池を得ることができた。
(実施例2)
引き続き以下に構成を示すアルミニウム固体電池の試験電池C,D,Eを組み立てた。試験電池C、D,Eは正極をAl0.05WO3 に固定し、アルミニウム固体電解質をそれぞれAlSc(WO43、Al1.30.7(WO43、[Al1.0(MgHf)0.5](WO4)とした。
試験電池C,D,Eの構成は以下の通りである。
負極1: 金属アルミニウム
アルミニウム固体電解質2:
試験電池C AlSc(WO43
試験電池D Al1.30.7(WO43
試験電池E [Al1.0(MgHf)0.5](WO43
正極3: AlXWO3 (x=0.05)+カーボンブラック
正極集電体4: ニッケルメッシュ
負極リード5: アルミニウムワイヤー
正極リード6: ニッケルワイヤー
アルミニウム固体電解質2は、出発原料として、Al23とWO3、Sc23,Y23,MgO,HfO2をそれぞれ所望のとおり秤量し、純水を溶媒とした湿式ボールミルにより144hの混合粉砕を行った後、一昼夜乾燥して1000〜1100℃で焼成を行い作製した。
正極3のAl0.5WO3は実施例1で作製した試料4を用いた。
電池の作製方法、評価方法は実施例1と同様である。結果を表3に示す。
Figure 2006228605
アルミニウム固体電解質の内部抵抗により多少の起電力の違いが見られているが、いずれのアルミニウム固体電池も10時間まで安定した起電力が得られた。これより、アルミニウム固体電解質(すなわち、アルミニウムイオンを伝導し得る固体電解質)であればいずれの場合においても本発明の効果が得られることがわかった。
(実施例3)
実施例1で測定した後(すなわち、放電した後)の試験電池A(試料1〜5)に、500℃で逆電圧1.6V10時間を印加し、電池の充電について試験した。
さらに、実施例1の試験電池A(試料1〜5)と同じ試験電池F(試料1〜5)、G(試料1〜5)を作製した。試験電池Fは500℃で5時間の電池評価(放電)を行った。試験電池Gは同じく500℃で3時間の電池評価(放電)を行った。
その後、試験電池Fについても、逆電圧2.0V5時間を印加し電池の充電を試みた。試験電池Gについても、その後、逆電圧2.0V3時間を印加し電池の充電を試みた。
試験電池A,、試験電池F、試験電池Gそれぞれの充電中の充電電流と充電後の電池起電力を表4に示す。
Figure 2006228605
試験電池A、試験電池F、試験電池Gとも、試料3〜5は充電電流がほとんど流れず、逆電圧を印加しても、正極のAlXWO3から負極のアルミニウムへの導電性はなかった。これは正極のAlXWO3が不可逆な変化をしたためと考えられる。
一方、試験電池A,F,Gの試料1(x=0.01)は、十分な充電電流が観測でき、正極のAlXWO3から負極のアルミニウムへの導電性が認められた。
試料2(x=0.02)では、試験電池Aに見られるように10時間放電後の充電電流は流れなかったが、試験電池Fや試験電池Gに見られるように5時間放電後や3時間放電後では充電電流が観測できた。
試料3(x=0.03)では、試験電池Aや試験電池Gに見られるように10時間放電後や5時間放電後の充電電流は流れなかったが、試験電池Gに見られるように3時間放電後では充電電流が観測できた。
この結果から、AlXWO3(0<x≦0.03)の正極を用いたアルミニウム固体電池は、充電か可能な2次電池だと考えられた。また、AlXWO3(x>0.03)の結晶系である擬似正方晶系が不可逆な変化の要因ではないかと推測している。
また、すべての試験電池において放電終了後と同等の起電力が得られている。これは正極のAlXWO3に含有されるxが0.15まで達していないためと考えていて、充放電特性が劣化した後でも一定時間に限って放電が可能な電池であると考えられる。
さらに、試験電池Gの試料1、試料2について、500℃3時間の充放電を繰り返して、充電後の起電力を測定した。試料2は、30回程度の充電が可能で、30回を超えると充電電流がほとんど観測されなくなった。一方、試料1は100回まで充放電を繰り返しても充電電流に大きな変化なく、また充電後の起電力も安定であり2次電池として利用可能であることがわかった。
本発明によれば、安定した起電力を長時間得ることが可能なアルミニウム固体電池を提供することができる。
本発明のアルミニウム固体電池の構成を示す図 アルミニウム空気固体電池の構成を示す図
符号の説明
1: 負極
2: アルミニウム固体電解質
3: 正極
4: 正極集電体
5: 負極リード
6: 正極リード
33:正極

Claims (2)

  1. 負極と、正極と、前記正極および前記負極の間に配置された固体電解質とからなる電池であって、負極が金属アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、固体電解質が少なくともAl2(WO43を含み、正極が少なくともAlXWO3(0<x<0.15)で示されるタングステン酸化物を含むアルミニウム固体電池。
  2. 0<x≦0.03である、請求項1に記載のアルミニウム固体電池。

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