以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図1に示すように、交流電源Vsの交流出力を整流、平滑して所望の直流出力に変換するチョッパ回路1と、チョッパ回路1の直流電圧出力を所望の矩形波電圧に変換するインバータ回路2と、インバータ回路2の矩形波電圧を供給される高圧放電灯DLを含む負荷回路3と、高圧放電灯DLの状態を検出するためのランプ状態検出回路4と、始動時に高圧放電灯DLに高圧パルスを印加するイグナイタ回路5と、チョッパ回路1の動作を制御するチョッパ制御回路6と、インバータ回路2の動作を制御するインバータ制御回路7とを主構成として備える。
チョッパ回路1は、交流電源Vsの交流出力を全波整流する整流器1aと、整流出力の正側に挿入されたインダクタL1とダイオードD1との直列回路と、整流出力間に接続したコンデンサC1と、インダクタL1を介して整流出力間に接続したMOS型FETからなるスイッチング素子Q1と抵抗R1との直列回路と、スイッチング素子Q1のゲート−ソース間に接続した抵抗R2と、スイッチング素子Q1のゲート駆動経路に挿入された抵抗R3と、一方の入力端に接続されたヒューズ1bと、ヒューズ1bを介して入力端間に接続されたバリスタ1cからなる直流電源回路で構成され、スイッチング素子Q1をオン・オフすることで、整流出力が所望の直流出力に昇圧される。
インバータ回路2は、チョッパ回路1の出力端間に接続した高圧側の電解コンデンサC2と低圧側の電解コンデンサC3との直列回路、MOS型FETからなる高圧側のスイッチング素子Q2と低圧側のスイッチング素子Q3との直列回路と、スイッチング素子Q2,Q3のオン・オフを制御する制御IC2aと、スイッチング素子Q2,Q3の接続中点に一端を接続した限流用のインダクタL2とから構成されるハーフブリッジインバータであり、電解コンデンサC2,C3の接続中点とインダクタL2の他端との間に負荷回路3を接続して、スイッチング素子Q2,Q3をオン・オフすることで、チョッパ回路1からの直流電圧を交番させて負荷回路3に矩形波電圧を供給する。
負荷回路3は、電解コンデンサC2,C3の接続中点と限流用のインダクタL2の他端との間に接続されたトランスT1の二次巻線T1b(インダクタ)と高圧放電灯DLとの直列回路と、二次巻線T1bと高圧放電灯DLとの直列回路に並列接続されたコンデンサC4とから構成され、インバータ回路2からの矩形波電圧によって高圧放電灯DLが点灯する。
ここで、電解コンデンサC3の両端間に接続した抵抗R10,R11によってコンデンサ電圧検出回路8が構成され、電解コンデンサC3の両端電圧の検出信号として、抵抗R10,R11の接続中点J1の電圧を出力する。
ランプ状態検出回路4は、電解コンデンサC3と負荷回路3との直列回路に並列接続されたコンデンサC5と抵抗R4,R5との直列回路と、抵抗R5に並列接続したダイオードD2とコンデンサC7との直列回路とで構成され、ランプ状態の検出信号として、コンデンサC7とダイオードD2の接続中点J2の電圧(コンデンサC7の両端電圧)を出力する。
イグナイタ回路5は、トランスT1の一次巻線T1aにパルス電圧を供給するパルス発生回路5aで構成され、二次巻線T1bを介して負荷回路3に高圧パルスを供給する。
チョッパ制御回路6は、整流器1aの正側出力とグランドレベル間に接続された抵抗R6,R7の直列回路と、抵抗R7に並列接続したコンデンサC6と、チョッパ回路1の正側出力とグランドレベル間に接続された抵抗R8,R9の直列回路と、インダクタL1に磁気的に結合した検出巻線N1と、制御電圧Vccを供給されてスイッチング素子Q1をオン・オフ制御する制御IC6aとから構成される。
インバータ制御回路7は、図2に示すように、ゼロクロススイッチング回路7aと、PWM回路7bと、Vdc制御回路7cと、出力制御回路7dと、目標値切換回路7eと、半波放電検出回路7fと、極性反転回路7gと、論理素子7h,7iとから構成される。そして、コンデンサ電圧検出回路8のコンデンサ電圧検出信号(J1電圧)、ランプ状態検出回路4のランプ電圧検出信号(J2電圧)、インダクタL2に磁気的に結合した検出巻線N2のランプ電流検出信号(検出巻線N2の両端J3,J4間の電圧)、ランプ状態検出回路4のランプ波形検出信号(J5電圧)に基づいて、スイッチング素子Q2,Q3の駆動信号を接続点J6,J7を介して制御IC2aに出力する。
そして、上記回路構成において、チョッパ制御回路6によってスイッチング素子Q1がオン・オフ制御されて、所望の直流電圧をインバータ回路2に出力し、インバータ回路2は、スイッチング素子Q2を高周波でオン・オフさせる(チョッピング)期間Tq2と、スイッチング素子Q3を高周波でオン・オフさせる(チョッピング)期間Tq3とを低周波で交互に繰り返すスイッチング動作によって、低周波の矩形波電圧を高圧放電灯DLに出力する。
上記高圧放電灯点灯装置において高圧放電灯DLが不点状態から点灯状態に至るまでには、(1)無負荷モード、(2)始動モード、(3)安定点灯モードの3つの過程での制御を行う。図3(a)(b)に各過程でのランプ電力PDL、ランプ電圧VDLの各波形を示す。
まず(1)無負荷モードでは、高圧放電灯DLは不点状態であり、パルス発生回路5aのパルス電圧をトランスT1で昇圧した高圧パルスVpをインバータ回路2が出力する矩形波電圧Voに重畳させたランプ電圧VDLを高圧放電灯DLの電極間に印加することで高圧放電灯DLを絶縁破壊して始動モードへ移行する。このときのランプ電力PDLはほぼ一定となり、絶縁破壊時にはパルス状に増加した後減少する。なお、図3(b)では極性反転の半周期毎に高圧パルスVpを両極性に対して1回発生させているが、図4(e)に示すように半周期毎に高圧パルスVpを正極性にのみ複数回発生させてもよく、この発生回数、極性は各高圧放電灯DLの規格に基づいて決定すればよい。
次に(2)始動モードでは、高圧放電灯DLが絶縁破壊を起こすと、グロー放電を経てアーク放電に至る。アーク放電開始直後から発光管内温度が均一化されて安定するまでの過程においては、ランプ電圧は数Vから安定電圧まで数分かけて徐々に上昇し、ランプ電力PDLもそれに合わせて徐々に上昇する。
次に(3)安定点灯モードでは、高圧放電灯DLは点灯後数分経過して発光管内温度が上昇して安定状態となり、ランプ電力PDL、ランプ電圧VDLはほぼ一定となる。
ここで、高圧放電灯DLを点灯させる上で必要な条件を下記に示す。高圧放電灯DLをグロー放電からアーク放電にスムーズに移行させるためには、イグナイタ回路5の高圧パルスによってランプ電極間の絶縁破壊が起こった後、250〜400Vの無負荷電圧が必要とされており、図23に示す従来のハーフブリッジ構成のインバータ回路でこの電圧条件を達成するには、電解コンデンサC12,C13に250Vの電圧を印加しなければならず、チョッパ回路101は500Vの直流電圧を供給しなければならなかった。
また、チョッパ回路1で交流入力を直流に変換する場合、入力電流歪を減らすためには、出力電圧を、入力電圧×√2×1.1の直流電圧にまで昇圧する必要がある。(ここで、1.1は10%の電源変動耐量を表す。)
さらに、高圧放電灯DLの点灯後は、インバータ回路2は、電解コンデンサC2,C3の各電圧Vc2,Vc3を交互に高圧放電灯DLに印加するため、コンデンサ電圧Vc2,Vc3はランプ安定点灯電圧(一般的に70〜120V)以上必要であった。
本実施形態の高圧放電灯点灯回路では、上記条件を満たすために以下のように設計される。まず、高圧放電灯DLをグロー放電からアーク放電にスムーズに移行させるために必要な電圧は、スイッチング素子Q2,Q3のうちいずれか一方のスイッチング素子をチョッピングさせたときのみ供給できればよく、コンデンサ電圧Vc2,Vc3のうちいずれか一方の電圧を絶縁破壊に必要な電圧以上とすればよい。例えば、一方のコンデンサ電圧Vc2を絶縁破壊に必要な電圧以上とするようにVc2=300Vとすれば、他方のコンデンサ電圧Vc3をランプ安定点灯電圧以上となるようにVc3=150Vとする。
以上より、チョッパ回路1は450Vの直流電圧を出力すればよいことになる。チョッパ回路1において入力電流歪を減らしながら450Vの直流電圧を出力するには、450V÷√2÷1.1=290Vより、交流電源Vsの電圧は290V以下であればよく、日本国内の商用電源100V,242V、米国の商用電源120V,277Vには対応可能である。
そこで、上記のようにコンデンサ電圧Vc2=300V、コンデンサ電圧Vc3=150Vとするには、電解コンデンサC2の容量:電解コンデンサC3の容量=1:2となるように設定すればよい。例えば、電解コンデンサC2の容量=50μF、電解コンデンサC3の容量=100μFとすれば、コンデンサ電圧Vc2=450V×100μF/(50μF+100μF)=300V、コンデンサ電圧Vc3=450V×50μF/(50μF+100μF)=150Vとなる。したがって、インバータ回路2を、耐圧450Vを満たす部品で設計することができ、部品の小型化、低コスト化が可能となる。
そして、チョッパ回路1は、上記のように450Vの直流電圧を出力する昇圧チョッパ回路で構成し、チョッパ制御回路6は、抵抗R6,R7の接続中点電圧をチョッパ回路1の入力電圧として検出し、抵抗R8,R9の接続中点電圧をチョッパ回路1の出力電圧として検出し、検出巻線N1の出力をチョッパ回路1の入力電流として検出して、各検出値に基づいて交流電源を直流電源に変換してインバータ回路2へ供給するとともに、制御IC6aは入力電流と入力電圧の位相がずれないように回路に抵抗性を持たせるような制御を行う。例えば、市販のon−semi製MC33262等を制御IC6aに用いることで実現可能である。
そして、図4(a)(b)に示すように、時間t0で電源投入されて以降、交流電源Vsの整流電圧Vc1は一定であり、コンデンサ電圧Vc2,Vc3は所定の時定数にしたがって上昇する。期間Taが経過してコンデンサ電圧Vc2,Vc3がほぼ一定になると、インバータ回路2が動作を開始して無負荷モード期間Tbになり、スイッチング素子Q2のチョッピング期間Tq2と、スイッチング素子Q3のチョッピング期間Tq3とを低周波で交互に繰り返す(以下、この動作を極性反転と呼ぶ)。
無負荷モード期間Tbでは、図4(e)に示すように、イグナイタ回路5が出力した高圧パルスVpをインバータ回路2が出力した矩形波電圧Vo(矩形波電圧Voの正電圧は負電圧の略2倍となる)に重畳させたランプ電圧VDLを高圧放電灯DLの電極間に印加することで高圧放電灯DLを絶縁破壊させる。高圧放電灯DLが絶縁破壊して始動、点灯すると、図4(b)に示すように、コンデンサ電圧Vc2,Vc3は充放電を繰り返す。なお、スイッチング素子Q2,Q3による極性反転周波数は、無負荷モード〜安定点灯モードまで同じ周波数でもよく、あるいは無負荷モードと安定点灯モードとで異なる周波数にしてもよい。
そして、上記のようにインバータ回路2の電解コンデンサC2,C3のコンデンサ電圧Vc2,Vc3を、無負荷時の印加電圧に合わせて300V,150Vにした場合、安定点灯モードにおいてもこの電圧配分を維持する必要がある。そこで、図4(c),(d)に示すように、スイッチング素子Q2のチョッピング周波数=2×スイッチング素子Q3のチョッピング周波数 となるように制御し、スイッチング素子Q2,Q3の各チョッピング期間Tq2,Tq3を同一長さにすれば、正負の振幅が等しいランプ電流IDLを流すことができる。ここで、コンデンサ電圧Vc2,Vc3の比を2:1としたため、スイッチング素子Q2,Q3のチョッピング周波数の比は1:2に設定したが、チョッピング周波数の比は、コンデンサ電圧Vc2,Vc3の比に反比例させた値に設定すればよい。
図5(a)〜(d)は始動モード〜安定点灯モード時の動作を示しており、スイッチング素子Q2のチョッピング期間Tq2においては、スイッチング素子Q2のオン期間Ton2、オフ期間Toff2を交互に繰り返し、スイッチング素子Q3のチョッピング期間Tq3においては、スイッチング素子Q3のオン期間Ton3、オフ期間Toff3を交互に繰り返す。そして、図6(a)に示すように、オン期間Ton2では、電解コンデンサC2からスイッチング素子Q2を介して負荷回路3に負荷電流IL1が供給され、オフ期間Toff2では、インダクタL1からスイッチング素子Q3の寄生ダイオードを介して負荷回路3に負荷電流IL2が供給され、また図6(b)に示すように、オン期間Ton3では、電解コンデンサC3からスイッチング素子Q3を介して負荷回路3に負荷電流IL3が供給され、オフ期間Toff3では、インダクタL2からスイッチング素子Q2の寄生ダイオードを介して負荷回路3に負荷電流IL4が供給されて、負荷電流ILは、チョッピング期間Tq2,Tq3で極性が反転し、且つチョッピング期間Tq2,Tq3では周波数比が2:1である三角波状の波形となり、高圧放電灯DLには正負の振幅が等しい矩形波状のランプ電流IDLが供給される。
次に、インバータ制御回路5によるインバータ回路2のスイッチング制御について説明する。安定点灯モードでは、コンデンサ電圧Vc2,Vc3の電圧配分300:150を維持しつつ、図7のランプ電力制御カーブY1に応じた所望の電力を高圧放電灯DLへ供給するために、インバータ制御回路7は、スイッチング素子Q2のチョッピング期間Tq2、スイッチング素子Q3のチョッピング期間Tq3毎に下記制御を繰り返す。
まず、ゼロクロススイッチング回路7aは、ランプ電流検出信号(J3−J4電圧)のゼロクロス毎に出力が反転する。
また、PWM回路7bは、コンデンサ70bを負荷とするカレントミラー回路71b、ゼロクロススイッチング回路7aの出力によってコンデンサ70bの充放電を切り換えるスイッチング素子72b、コンデンサ70bの充放電電圧と目標値切換回路7eからの目標値Vref0とを比較するコンパレータ73bで構成され、コンパレータ73bは、電圧信号で入力された目標値Vref0に応じてオン期間、オフ期間を設定したスイッチング信号(PWM信号)Vswを出力する。
そして、出力制御回路7dは、ランプ状態検出回路4からフィードバックされたランプ電圧検出信号(J2電圧)から高圧放電灯DLの状態を検出し、所望の電力を出力するためのPWM出力目標値Vref1を出力する。このPWM出力目標値Vref1は、図8に示すようにランプ電圧VDLが60V付近まではランプ電圧VDLの増加に伴って徐々に上昇し、略60V以上では略一定値に設定されており、チョッピング期間Tq2では目標値切換回路7eを介してPWM回路7bに目標値Vref0として入力される。
PWM回路7bは、チョッピング期間Tq2において、目標値Vref0(=Vref1)に応じてオン期間Ton2、オフ期間Toff2を設定したスイッチング信号Vswを出力する。
そして、極性反転回路7gはランプ状態検出回路4からのランプ電圧波形信号(J5電圧)に基づいて極性反転周期の半周期毎に出力を反転させており、PWM回路7bと極性反転回路7gの各出力を入力とする論理素子7hは、極性反転回路7gからHレベルの信号を入力されたときにスイッチング信号Vswを制御IC2aへ出力し、制御IC2aは設定されたオン期間Ton2、オフ期間Toff2でスイッチング素子Q2を駆動する。
上記ランプ状態検出回路4からフィードバックされたランプ電圧検出信号(J2電圧)は、負荷回路3とインダクタL2との接続中点の電圧V40からランプ電圧VDLを把握可能な電圧V43を検出したものであり、高圧放電灯DLが正常時の各部の波形を図9(a)〜(d)に示す。なお、下記に示す電圧値は一例であり、この値に限定されるものではない。負荷回路3とインダクタL2との接続中点の電圧V40は、V40a(=150V)を中心として正負にV40b(=90V)の振幅を有するリプル成分を含む矩形波となる。コンデンサC5と抵抗R4との接続中点の電圧V41は、コンデンサC5でDC成分をカットされて0Vを中心として正負にV41a(=90V)の振幅を有する矩形波となり、抵抗R4,R5の接続中点の電圧V42は電圧V41を抵抗分圧したもので、0Vを中心として正負にV42a(=4.8V)の振幅を有する矩形波となり、ランプ電圧波形信号(J5電圧)として出力される。そして、電圧V42をダイオードD2で半波整流してコンデンサC7で平滑した電圧V43は、V43a(=2.4V)の振幅を有する直流電圧となり、ランプ電圧検出信号として出力される。
一方、Vdc制御回路7cは、誤差アンプを用いた構成からなり、コンデンサ電圧検出回路8からフィードバックされたコンデンサ電圧検出信号(J1電圧)に基づいて、コンデンサ電圧Vc3の150Vに対する誤差を表す誤差信号Veを出力する。そして、チョッピング期間Tq3では、目標値切換回路7eがこの誤差信号Veに応じて、コンデンサ電圧Vc3が150Vを維持する目標値Vref2をPWM回路7bに出力する。
PWM回路7bは、チョッピング期間Tq3において、目標値Vref0(=Vref2)に応じてオン期間Ton3、オフ期間Toff3を設定したスイッチング信号Vswを出力する。そして、PWM回路7b,極性反転回路7gの各出力を入力とする論理素子7iは、極性反転回路7gからLレベルの信号を入力されたときにスイッチング信号Vswを制御IC2aへ出力し、制御IC2aは設定されたオン期間Ton3、オフ期間Toff3でスイッチング素子Q3を駆動する。
目標値切換回路7eは、一方の入力端子にVdc制御回路7cからの誤差信号Veを入力され、他方の入力端子は極性反転回路7gの出力でオン・オフするスイッチング素子70eによってH,Lレベルを切り換えられるAND論理素子71eと、AND論理素子71eの出力とPWM回路7bとの間に挿入されたダイオード72eと、出力制御回路7dの出力とPWM回路7bとの間に挿入されたダイオード73eとから構成される。そして、極性反転回路7gの出力がHレベルのときは、スイッチング素子70eがオンして、出力制御回路7dが出力するPWM出力目標値Vref1がPWM回路7bに目標値Vref0として入力される。また、極性反転回路7gの出力がLレベルのときは、スイッチング素子70eがオフして、AND論理素子71eが出力するPWM出力目標値Vref2がPWM回路7bに目標値Vref0として入力される。
ここで、極性反転回路7gは、極性反転周期の半周期毎に出力が反転しており、目標値切換回路7eによるPWM出力目標値の切り換えも極性反転周期の半周期毎に行なわれる。
このように、PWM出力目標値を切り換えることによって、チョッピング期間Tq2とチョッピング期間Tq3とでチョッピング周波数を切り換えることができ、図7のランプ電力制御カーブY1に応じた所望の電力を出力することができる。なお、図7のY2はランプ電流制御カーブを示す。
次に、高圧放電灯DLが寿命末期の半波放電状態になった場合の動作について説明する。半波放電状態になった高圧放電灯DLは、IEC598−1 annexによると、図10(a)(b)に示す等価回路で表される。この等価回路は、抵抗Raと、抵抗Raに並列接続された抵抗Rbと正方向に接続したダイオードDbとの直列回路とから構成される図10(a)の回路と、ダイオードDbを負方向に接続した図10(b)の回路とで表され、ダイオードDbの各接続方向(正方向、負方向)毎に2モード(Aモード,Bモード)を有しており、各半波等価モードでの抵抗Ra,Rbの値は図11のように設定されて、インバータ回路2側からみると、ランプ電流ILの方向によってランプインピーダンスが異なる動作となる。なお、この等価回路は35Wの半波放電モデルである。
上記等価回路で表される半波放電状態の高圧放電灯DLが図1の高圧放電灯点灯回路に接続している場合のランプ状態検出回路4の各部の波形を図12(a)〜(d)に示す。なお、図10(a)の回路に示す正方向のダイオードDbの導通方向はチョッピング期間Tq2に負荷電流ILが流れる方向であり、図10(b)の回路に示す負方向のダイオードDbの導通方向はチョッピング期間Tq3に負荷電流ILが流れる方向である。
まず、図10(a)で高圧放電灯DLの等価回路が表される場合、ダイオードDbが導通する方向にランプ電流IDLが流れる期間は短絡状態に近くなり、図12(a)に示すように負荷回路3とインダクタL2との接続中点の電圧V40は、V40c(=110V)を中心として正側にV40d(=40V)の振幅を有し、負側にV40e(=50V)の振幅を有する矩形波となる。すなわち、図9(a)〜(d)に示す正常時の電圧V40に比べて、矩形波のピークトウピークの振幅が小さくなっている。
次に、図10(b)で高圧放電灯DLの等価回路が表される場合、ダイオードDbが導通する方向にランプ電流IDLが流れる期間は短絡状態に近くなり、図12(b)に示すように負荷回路3とインダクタL2との接続中点の電圧V40は、V40f(=190V)を中心として正側にV40g(=50V)の振幅を有し、負側にV40h(=40V)の振幅を有する矩形波となる。すなわち、図9(a)〜(d)に示す正常時の電圧V40に比べて、矩形波のピークトウピークの振幅が小さくなっている。
したがって、コンデンサC5と抵抗R4との接続中点の電圧V41、抵抗R4,R5の接続中点の電圧V42も、図12(c)(d)に示すように,正常時に比べて矩形波のピークトウピークの振幅が小さくなり、図12(e)に示すコンデンサC7の両端電圧V43は正常時に比べて低くなって、正常時に比べて低いランプ電圧検出信号が出力される。そのため、スイッチング素子Q2のチョッピング動作は、正常時よりも低いランプ電圧VDLとしてオン期間Ton2を設定するため、オン期間Ton2は正常時よりも短くなる。
上記半波放電時の動作は、等価回路のダイオードDbの方向(半波放電極性)によって異なり、図10(b)のようにダイオードDbの向きが負方向である場合、ランプ状態検出回路4からみた負極性のランプ電圧が短絡状態に近くなる。したがって、スイッチング素子Q2のチョッピング期間Tq2におけるオン期間Ton2の目標値は、低ランプ電圧領域であると認識して正常時よりも短くなる。次に、スイッチング素子Q3のチョッピング期間Tq3では、チョッピング期間Tq2内に電解コンデンサC2から電解コンデンサC3へ移動した電荷量と同量の電荷量を電解コンデンサC3から流すことで、コンデンサ電圧Vc3を一定値(150V)に補正する方向に制御する。
一方、図10(a)のようにダイオードDbの向きが正方向である場合、ランプ状態検出回路4からみた正極性のランプ電圧が短絡状態に近くなる。したがって、スイッチング素子Q2のチョッピング期間Tq2におけるオン期間Ton2の目標値は、低ランプ電圧領域であると認識して正常時よりも短くなる。次に、スイッチング素子Q3のチョッピング期間Tq3では、チョッピング期間Tq2内に電解コンデンサC2から電解コンデンサC3へ移動した電荷量と同量の電荷量を電解コンデンサC3から流すことで、コンデンサ電圧Vc3を一定値(150V)に補正する方向に制御する。しかし、電解コンデンサC2(コンデンサ電圧Vc2=300V)を電源として半波放電モードの低インピーダンス負荷へ流れる電荷量と、電解コンデンサC3(コンデンサ電圧Vc3=150V)を電源として定常ランプ電圧となる高インピーダンス負荷へ流れる電荷量との差が大きいため、チョッピング期間Tq3では目標とする電荷量を流すことができず、その結果、コンデンサ電圧Vc3は上昇する。
そして、半波放電検出回路7fは、ランプ状態検出回路4によるランプ電圧検出信号およびコンデンサ電圧検出回路8によるコンデンサ電圧検出信号に基づいて、高圧放電灯DLの半波放電状態を検出する。半波放電検出回路7fは、半波放電状態を一定時間継続して検出すると、極性反転回路7gへストップ信号を出力し、極性反転回路7gからの極性反転信号が停止して、インバータ回路2のスイッチング動作が停止する。ここで、正常な高圧放電灯DLを誤検出することを防止することは必須条件となる。
図13(a)は、ランプ電圧VDLに対するランプ状態検出回路4の検出電圧V43(ランプ電圧検出信号)を示し、図13(b)は、ランプ電圧VDLに対するコンデンサ電圧Vc2,Vc3を示している。以下、半波放電検出回路7fの動作について説明する。
まず、正常な高圧放電灯は、通常、始動後のランプ電圧VDLは60V以下であり、始動してから3〜4分後にランプ電圧が70V〜110V程度に達する。
対して、半波放電状態において、半波等価モードが半波A負状態(図10(b)、図11参照)の場合、ランプ電圧VDL1=約45Vにまでしか達せず、半波等価モードが半波B負状態(図10(b)、図11参照)の場合、ランプ電圧VDL2=約50Vにまでしか達せず、半波等価モードが半波A正状態(図10(a)、図11参照)の場合、ランプ電圧VDL3=約58Vにまでしか達しない。そこで、半波放電検出回路7fは、ランプ状態検出回路4のランプ電圧検出信号に基づいて、高圧放電灯DLが始動後、安定点灯電圧へ至るのに必要な時間(例えば10分)を超えてもランプ電圧VDLが60V以下である場合、極性反転回路7gへストップ信号を出力し、極性反転回路7gはインバータ回路2のスイッチング動作を停止させる。この検出動作を用いれば、半波放電状態以外に、ランプ寿命末期現象の一つであるスローリークランプの検出も可能となる。
次に、半波等価モードが半波B正状態(図10(a)、図11参照)であれば、ランプ電圧VDL4=約63Vにまで達しており、上記のようにランプ状態検出回路4のランプ電圧検出信号のみに基づく半波放電検出は難しい。しかし、このときのコンデンサ電圧Vc3は正常時の300Vに対して、上述の充放電電荷のアンバランスによってVc34=209Vにまで達している。そこで、始動後一定時間後にランプ電圧VDLが60V以上に達したとしても、コンデンサ電圧Vc3が正常電圧範囲以上(例えば200V以上)であれば、図10(a)の正方向のダイオードDbを備える等価回路で表される高圧放電灯DLが接続されていると判断して、極性反転回路7gへストップ信号を出力する。さらに、このコンデンサ電圧Vc3による半波放電検出によって立ち上がりの遅い正常ランプ等との誤判別も防止している。なお、半波等価モードが半波A正状態(図10(a)、図11参照)のコンデンサ電圧Vc33は、183Vにまで達し、半波等価モードが半波A負状態(図10(b)、図11参照)、半波B負状態(図10(b)、図11参照)の場合のコンデンサ電圧Vc31,Vc32は、ほぼ正常時と同一電圧となる。また、図13(a)(b)の各電圧は、例えばPhilips社製のCDM35等のランプ点灯用に作られた回路を用いた場合の値である。
このように、高圧放電灯DLがランプ寿命末期である半波放電状態になっても、半波モードの極性に関わらず、確実に半波放電状態を検出することができる。
図14は、半波放電検出回路7fの半波放電検出機能をアナログ回路で構成した回路図を示し、ランプ状態検出回路4のランプ電圧検出信号(J2電圧)を反転入力端子に接続し、しきい値電圧Vaを非反転入力端子に接続したコンパレータ70fと、コンデンサ電圧検出回路8のコンデンサ電圧検出信号(J1電圧)を非反転入力端子に接続し、しきい値電圧Vbを反転入力端子に接続したコンパレータ71fと、コンパレータ70f,71fの各出力を入力に接続したOR論理素子72fと、OR論理素子72fの出力をトリガー信号とした10分タイマー73fと、10分タイマー73fの出力をトリガー信号としたカウンター74fと、OR論理素子72fの出力と10分タイマー73fの出力とを入力に接続したAND論理素子75fと、カウンター74fの出力とAND論理素子75fの出力とを入力に接続したAND論理素子76fと、AND論理素子75fの出力をベース端子に接続し、エミッタをグランドレベルに接続したトランジスタ77fと、トランジスタ77fのコレクタ−制御電圧Vcc間に接続した抵抗78fとを備え、トランジスタ77fのコレクタと抵抗78fとの接続中点は、10分タイマー73f、カウンター74fのリセット端子に接続される。
そして、しきい値電圧Vaはランプ電圧VDL=60V時のランプ電圧検出信号に等しく、コンパレータ70fではランプ電圧VDLが60Vを超えているか否かを判別し、ランプ電圧VDLが60V以上に達する正常時には出力がLレベル、半波放電、スローリークによって60V以下になる異常時には出力がHレベルになる。
しきい値電圧Vbはコンデンサ電圧Vc3=200V時のコンデンサ電圧検出信号に等しく、コンパレータ71fではコンデンサ電圧Vc3が200Vを超えているか否かを判別し、コンデンサ電圧Vc3が200V以下になる正常時には出力がLレベル、半波放電によって200Vを超える異常時には出力がHレベルになる。
したがって、コンパレータ70f、71fの各出力のOR演算を行なうOR論理素子72fは、正常時には出力SaがLレベル、半波放電、スローリークの異常時には出力SaがHレベルになる。
そして正常時には、AND論理素子75f,76fの各出力がLレベルとなり、ストップ信号は出力されない
以下、異常時の動作について説明する。異常時において、タイマー73fは、OR論理素子72fの出力Saの立ち上がりタイミングから時間Td=10分間、出力SbをHレベルに維持し、カウンター74fは、OR論理素子72fの出力Saの立ち上がりタイミングからパルス信号Spをカウントすることで時間Td=10分間を計時し、10分間経過した時点で出力ScをHレベルに切り換える。
このように異常時には、OR論理素子72fの出力Sa、タイマー73fの出力SbともにHレベルであるのでAND論理素子75fの出力もHレベルとなる。さらに、トランジスタ77fのベースもHレベルであるので、トランジスタ77fがオンしてタイマー73f、カウンター74fのリセット信号はLレベルとなり、タイマー73f、カウンター74fは時間Tdの計時動作を継続して、半波放電、スローリークの異常状態が10分以上継続してカウンター74fの出力がHレベルに切り換わった時点で、AND素子76fの出力がHレベルに切り換わってストップ信号が出力される。
上記タイマー73f、カウンター74fによる時間Tdの計時中に、ランプ電圧VDLが60Vを超え、且つコンデンサ電圧Vc3が200V以下になった場合、OR論理素子72fの出力SaはLレベルになり、AND論理素子75fはLレベルを出力して、トランジスタ77fがオフして、タイマー73f、カウンター74fのリセット信号はHレベルとなり、タイマー73f、カウンター74fは時間Tdの計時動作をリセットする。
したがって、半波放電、スローリークの異常状態が時間Td=10分間継続した場合に、Hレベルのストップ信号が出力されるのである。
また、図14に示すアナログ回路の機能をマイコンを用いて実現してもよい。
このように、本実施形態では、半波放電専用の検出回路を接続することなく、通常の動作に必要な検出回路(ランプ電圧検出、コンデンサ電圧検出)のみを用いているので、安価、小型に構成されている。
(実施形態2)
図16は本実施形態の高圧放電灯点灯装置のランプ状態検出回路4の構成を示し、図17は本実施形態のインバータ制御回路7の構成を示し、他の構成は実施形態1と同様に図1に示される。
まず、ランプ状態検出回路4は電解コンデンサC3と負荷回路3との直列回路に並列接続されたコンデンサC5と抵抗R4,R5との直列回路で構成され、ランプ電圧波形信号(J5電圧)をランプ電圧検出信号として出力する。
次にインバータ制御回路7は、実施形態1の図2と略同様の構成を備えるが、出力制御回路7dと半波放電検出回路7fの各入力部の構成が異なり、ランプ状態検出回路4のランプ電圧波形信号(J5電圧)を抵抗7jを介して非反転入力端子に接続したオペアンプ7k、および抵抗7mを介して反転入力端子に接続したオペアンプ7nを備え、オペアンプ7kは反転入力端子と出力端子とを接続してボルテージフォロワを構成し、オペアンプ7nは反転入力端子−出力端子間に抵抗7pを接続し、非反転入力端子をグランドレベルに接続して反転増幅器を構成している。オペアンプ7k,7nの各出力はダイオード7l,7qを各々介してコンデンサ7rで平滑され、コンデンサ7rの両端電圧が出力制御回路7d、半波放電検出回路7fに入力される。実施形態1では、ランプ電圧の検出信号としてランプ電圧波形信号(J5電圧)を半波整流していたが、本実施形態では、ランプ電圧波形信号(J5電圧)を全波整流したものがランプ電圧の検出信号としてコンデンサ7rで平滑される。なお、図16のランプ状態検出回路4内の各電圧V40,V41,V42、図17中のインバータ制御回路7内の電圧V43の各波形は、実施形態1と同様に図9に示される。
また、本実施形態では、電解コンデンサC2,C3は同一容量であり、コンデンサ電圧Vc2,Vc3は同一電圧となる。さらに、図18(c)(d)に示すように、スイッチング素子Q2のチョッピング周波数とスイッチング素子Q3のチョッピング周波数とは同一周波数となるように制御される。
そして、図18(a)(b)に示すように、時間t0で電源投入されて以降、交流電源Vsの整流電圧Vc1は一定であり、コンデンサ電圧Vc2,Vc3は所定の時定数にしたがって上昇する。期間Taが経過してコンデンサ電圧Vc2,Vc3がほぼ一定になると、インバータ回路2が動作を開始して無負荷モード期間Tbになり、スイッチング素子Q2のチョッピング期間Tq2と、スイッチング素子Q3のチョッピング期間Tq3とを低周波で交互に繰り返す極性反転を開始する。
無負荷モード期間Tbでは、図18(e)に示すように、イグナイタ回路5が出力した高圧パルスVpをインバータ回路2が出力した矩形波電圧Vo(矩形波電圧Voの正電圧と負電圧とは同一電圧となる)に重畳させたランプ電圧VDLを高圧放電灯DLの電極間に印加することで高圧放電灯DLを絶縁破壊させる。高圧放電灯DLが絶縁破壊して始動、点灯すると、図18(b)に示すように、コンデンサ電圧Vc2,Vc3は充放電を繰り返す。なお、スイッチング素子Q2,Q3による極性反転周波数は、無負荷モード〜安定点灯モードまで同じ周波数でもよく、あるいは無負荷モードと安定点灯モードとで異なる周波数にしてもよい。
図19(a)〜(d)は始動モード〜安定点灯モード時の動作を示しており、スイッチング素子Q2のチョッピング期間Tq2においては、スイッチング素子Q2のオン期間Ton2、オフ期間Toff2を交互に繰り返し、スイッチング素子Q3のチョッピング期間Tq3においては、スイッチング素子Q3のオン期間Ton3、オフ期間Toff3を交互に繰り返す。そして負荷電流ILは、チョッピング期間Tq2,Tq3で極性が反転し、且つチョッピング期間Tq2,Tq3で周波数が同一の三角波状の波形となり、高圧放電灯DLには正負の振幅が等しい矩形波状のランプ電流IDLが供給される。
また、スイッチング素子Q2のチョッピング期間Tq2のオン期間Ton2に負荷回路3を流れる電流IL1、オフ期間Toff2に負荷回路3を流れる電流IL2と、スイッチング素子Q3のチョッピング期間Tq3のオン期間Ton3に負荷回路3を流れる電流IL3、オフ期間Toff3に負荷回路3を流れる電流IL4は、チョッピング期間Tq2,Tq3における各ランプ電圧の振幅をVc20,Vc30とすると、各々以下のように表される。
IL1=(Vc2−Vc20)×Ton2/L2
IL2=(Vc2+Vc20)×Toff2/L2
IL3=(Vc3−Vc30)×Ton3/L2
IL4=(Vc3+Vc30)×Toff3/L2
そして、正常点灯時は、IL1+IL2=IL3+IL4の関係が成立することで、電解コンデンサC2,C3間の電荷の移動量が、チョッピング期間Tq2,Tq3で同じになり、コンデンサ電圧Vc2=コンデンサ電圧Vc3の関係を維持する。
しかし、高圧放電灯DLが半波放電状態になった場合、半波放電状態の条件によってはVc20≫Vc30、あるいはVc20≪Vc30の関係になることもあり得る。また、スイッチング素子Q2,Q3の制御次第では必要なオン幅に制御できないために、ランプ電圧Vc20≠Vc30となることがあり、場合によっては電解コンデンサC2,C3の耐圧を超えることもある。
そこで、本実施形態のインバータ制御回路7では、全波整流したランプ電圧検出信号を用いて、実施形態1と同様の制御を行う。すなわち、正常ランプ電圧が70V〜110V程度であるので、半波放電検出回路7fは、高圧放電灯DLが始動後、安定点灯電圧へ至るのに必要な時間を超えてもランプ電圧VDLが60V以下の場合、極性反転回路7gへストップ信号を出力し、極性反転回路7gはインバータ回路2のスイッチング動作を停止させる。この検出動作を用いれば、半波放電状態以外に、ランプ寿命末期現象の一つであるスローリークランプの検出も可能となる。
また、始動後一定時間後にランプ電圧VDLが60V以上であっても、コンデンサ電圧Vc3が正常電圧範囲以上または以下であれば、半波放電状態であると判断して、極性反転回路7gへストップ信号を出力する。
このように、本実施形態の高圧放電灯点灯装置では、高圧放電灯DLがランプ寿命末期である半波放電状態になっても、半波モードの極性に関わらず、確実に半波放電状態を検出することができる。さらに、本実施形態では、半波放電専用の検出回路を接続することなく、通常の動作に必要な検出回路のみを用いているので、安価、小型に構成されている。
(実施形態3)
図20〜図22は、実施形態1または2の高圧放電灯点灯装置を、ハウジング10内に収納し、灯具11内のソケット(図示なし)に装着された高圧放電灯DLを点灯させる照明器具の外観を示す。これらの照明器具は、実施形態1または2の高圧放電灯点灯装置を用いるので、安価、小型に構成され、設計の自由度が従来に比べて広いものとなる。
さらに、これらの照明器具を用いて、各照明器具の点灯制御を行う照明システムを構築すれば、システムとしても小型化、低コスト化を図ることができる。