JP2006225205A - 導電性ジルコニア焼結体及びその製造方法 - Google Patents

導電性ジルコニア焼結体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、より少量の導電性材料の添加により、優れた力学的性質(破壊強度、破壊靱性など)を保持し、所望の安定した導電性が付与されてなるジルコニア焼結体、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ZrO2を主成分とし安定化剤を含むジルコニア焼結体であって、安定化剤とZrO2のモル比が1.5/98.5〜3.5/96.5の範囲であり、ZrO2の結晶相が主として正方晶からなり、該ジルコニア焼結体中にカーボンナノチューブを0.1〜3.0重量%程度含有し、該ジルコニア焼結体の体積抵抗率が10-2〜109Ω・cm程度であるジルコニア焼結体、並びにその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は機械的特性、耐熱性、耐食性等に優れた導電性ジルコニア焼結体及びその製造方法に関する。
セラミックス材料は、耐摩耗性などの優れた機械的特性に加え、耐食性、耐熱性を有している。そのため、半導体・液晶デバイスの製造設備における搬送用トレイやプラズマエッチング用部材などやハードディスク軸受部品などへの利用が拡大している。
一般的に耐磨耗部品等に利用されているジルコニアセラミックスは、高強度、高靱性といった優れた特性を有している。しかし、ジルコニアセラミックスは通常高い電気絶縁性を有しており、例えば、半導体製造装置用部材等に利用する場合には、絶縁性が高すぎて帯電が生じてしまうため不都合であり、適度な導電性が望まれている。
また、セラミックスは一般的に難加工性のため、その加工コストが高く、セラミックス材料の用途拡大のネックとなっている。この難加工性を改善するために、材料そのものに適度な導電性を付与し、金属部材などで利用されている放電加工が可能になれば好都合である。
通常、絶縁性のセラミックス材料を導電体化するためには、概ね15から40体積%の導電性材料をセラミックスに分散複合化することで達成されている(例えば、特許文献1〜5)。
しかし、第2相として添加される導電性材料が多量なため、セラミックス本来の優れた特性(破壊強度、硬度、破壊靱性値、耐摩耗性、耐化学的性質、耐熱性、耐クリープ特性など)が損なわれる場合があった。また、導電性材料の分散複合化技術が十分でないため、特性にバラツキが生じやすくなるという問題もあった。そのため、バラツキのない導電性を付与するために、導電性材料の添加量を増やさざるを得なかった。
この様な問題を解決すべく、本発明者らは、先に、炭素を0.2〜3重量%含有する導電性ジルコニア焼結体が、機械的特性等を犠牲にすることなく導電性を発現できることを報告している(特許文献6)。
特開平10−297968号公報 特開2001−294479号公報 特開2001−294483号公報 特開2001−199764号公報 特開平9−221352号公報 特開2004−189509号公報
しかしながら、特許文献6の導電性ジルコニア焼結体よりも、導電性材料の添加量をさらに低減し、その優れた力学的特性を損なうことなく所望の導電性を付与することができれば好都合である。また、特許文献6の導電性ジルコニア焼結体であっても、力学的性質は満足できるものではなく、特に焼結体が放電加工可能な体積抵抗率(約5.0×10-1Ω・cm以下)を有する場合においては、依然としてその力学的特性は低下傾向にあり、大いに改善の余地があった。
本発明は、上記の問題点に鑑み、より少量の導電性材料の添加により、優れた力学的特性(破壊強度、破壊靱性など)を保持し、所望の安定した導電性が付与されてなるジルコニア焼結体、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するため鋭意研究を行った結果、ZrO2を主成分とし安定化剤としてY23を含むジルコニア焼結体であって、Y23とZrO2のモル比が1.5/98.5〜3.5/96.5の範囲であり、ZrO2の結晶相が主として正方晶からなり、該ジルコニア焼結体中にカーボンナノチューブ(以下、「CNT」とも表記する)を0.1〜3.0重量%程度含有し、該ジルコニア焼結体の体積抵抗率が10-2〜109Ω・cm程度であるジルコニア焼結体が、上記の課題を解決できることを見出した。本発明者は、かかる知見に基づきさらに研究を重ねて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下のジルコニア焼結体及びその製造方法を提供する。
項1.ZrO2を主成分とし安定化剤を含むジルコニア焼結体であって、安定化剤とZrO2のモル比が1.5/98.5〜3.5/96.5の範囲であり、ZrO2の結晶相が主として正方晶からなり、該ジルコニア焼結体中にカーボンナノチューブを0.1〜3.0重量%程度含有し、該ジルコニア焼結体の体積抵抗率が10-2〜109Ω・cm程度であるジルコニア焼結体。
項2.カーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、及び金属又は炭素構造体を内包する前記単層又は多層カーボンナノチューブからなる群より選ばれる少なくとも1種である項1に記載のジルコニア焼結体。
項3.前記ジルコニア焼結体中にカーボンナノチューブを1.0〜3.0重量%含有し、該ジルコニア焼結体の体積抵抗率が1.0×10-2〜5.0×10-1Ω・cm程度である項1又は2に記載のジルコニア焼結体。
項4.前記ジルコニア焼結体中に、平均粒子径が300nm以下の等軸状粒子を0.05〜15重量%(0.1〜20体積%)含有している項1〜3のいずれかに記載のジルコニア焼結体。
項5.下記の工程を含むジルコニア焼結体の製造方法:
(1)カーボンナノチューブ及び界面活性剤を媒体中に加え、超音波処理してカーボンナノチューブ分散液を得る工程、
(2)安定化剤とZrO2のモル比が1.5/98.5〜3.5/96.5の範囲でありZrO2の結晶相が主として正方晶からなるジルコニア粉体を、上記(1)で得られたカーボンナノチューブ分散液に添加し、超音波処理して混合分散液を得る工程、
(3)上記(2)で得られた混合分散液から媒体を留去し、乾燥して混合粉末を得る工程、及び
(4)上記(3)で得られた混合粉末を焼結処理してジルコニア焼結体を得る工程。
項6.下記の工程を含むジルコニア焼結体の製造方法:
(1)カーボンナノチューブ及び界面活性剤を媒体中に加え、超音波処理してカーボンナノチューブ分散液を得る工程、
(2)安定化剤とZrO2のモル比が1.5/98.5〜3.5/96.5の範囲でありZrO2の結晶相が主として正方晶からなるジルコニア粉体及び平均粒子径が300nm以下の等軸状粒子を、上記(1)で得られたカーボンナノチューブ分散液に添加し、超音波処理して混合分散液を得る工程、
(3)上記(2)で得られた混合分散液から媒体を留去し、乾燥して混合粉末を得る工程、及び
(4)上記(3)で得られた混合粉末を焼結処理してジルコニア焼結体を得る工程。
項7.前記焼結処理が、常圧焼結、常圧焼結及びHIP処理、HIP焼結、並びにSPS焼結からなる群より選ばれる1種である項5又は6に記載の製造方法。
以下、本発明を詳述する。
I.ジルコニア焼結体
本発明のジルコニア焼結体は、ジルコニア(ZrO2)を主成分とし安定化剤を含むジルコニア焼結体であって、安定化剤とZrO2のモル比が1.5/98.5〜3.5/96.5の範囲であり、ZrO2の結晶相が主として正方晶からなり、該ジルコニア焼結体中にカーボンナノチューブを0.1〜3.0重量%程度含有し、該ジルコニア焼結体の体積抵抗率が10-2〜109Ω・cm程度である。
このジルコニア焼結体は、より少量の導電性材料であるカーボンナノチューブの添加により、優れた力学的特性(破壊強度、破壊靱性など)を保持し、所望の安定した導電性が付与される。
本発明のジルコニア焼結体は、ZrO2を主成分とし安定化剤を含んでいる。安定化剤とZrO2のモル比(安定化剤/ZrO2)は、1.5/98.5〜3.5/96.5の範囲であり、好ましくは2/98〜3/97の範囲である。
安定化剤/ZrO2のモル比が1.5/98.5未満の場合には、結晶相が変化しやすくなり、焼結体中の単斜晶ジルコニアの量が増加する傾向にある。また、焼結体内部にクラックが発生して、焼結体に負荷を加えたり長時間使用するとそのクラックが進展し割れや欠けが発生して、結果的に耐久性の低下をきたしてしまうので好ましくない。
一方、安定化剤/ZrO2のモル比が3.5/96.5を越えると正方晶系ジルコニア量が低下し、機械的特性が低下するので好ましくない。
本発明のジルコニア焼結体に含まれる安定化剤としては、例えば、Y23、Sc23、MgO、CaO、CeO2、Nd23、Yb23、Dy23、La23等の金属酸化物が挙げられる。安定化剤は、上記のいずれか1種又は2種以上の混合物であってもよく、中でもY23を主成分とするもの、特にY23が好ましい。
本発明のジルコニア焼結体は、ZrO2の結晶相が主として正方晶からなる。具体的には、ZrO2の結晶相における正方晶の体積分率が90体積%以上、好ましくは、95体積%以上、特に97体積%以上が推奨される。
ZrO2の結晶状態には、正方晶、立方晶及び単斜晶の3つの状態があり、特に正方晶ジルコニアは、外部応力に対し応力誘起相変態を受けて単斜晶ジルコニアに相変態し、このときに生じる体積膨張によってジルコニアの周囲に微細なマイクロクラックを形成して、あるいは圧縮応力を発生させて、外部応力により生じるき裂の進行を阻止できる。そのため、正方晶ジルコニアを主とするジルコニア焼結体では、靭性および強度が高くなる。
一方、ジルコニア焼結体に単斜晶ジルコニアが大量に含有しているとその結晶周辺に微細なクラックが生じ、応力が負荷されるとこの微細なクラックを起点として微小破壊が起こり、摩擦、衝撃、圧壊等に対する抵抗性が低下するので好ましくない。そのため、ZrO2の結晶相における単斜晶ジルコニアは、5体積%以下、好ましくは3体積%以下である。
また、立方晶ジルコニアを大量に含有していると結晶粒径が大きくなり、機械的特性の低下が起こり、耐摩耗性等の低下が起こるため好ましくない。そのため、ZrO2の結晶相における立方晶ジルコニアは、10体積%以下、好ましくは5体積%以下である。
本発明では、ジルコニアの結晶相における単斜晶ジルコニア(M)、正方晶ジルコニア(T)及び立方晶ジルコニア(C)の含有量(体積%)は、X線回折を用いて以下の方法で算出される。
ジルコニア焼結体及び加工した焼結体製品の表面は、応力誘起相変態により正方晶ジルコニアから単斜晶ジルコニアに相変態しており、真の結晶相を同定することができないので、焼結体表面を鏡面にまで研磨してから、X線回折により回折角27〜34度の範囲で測定する。測定値を下記式にあてはめて、単斜晶ジルコニアの有無及び含有量を求める。
Figure 2006225205
また、正方晶ジルコニア及び立方晶ジルコニアの有無及び含有量は、単斜晶ジルコニアの方法と同様にして、X線回折により回折角70〜77度の範囲で測定し、次式にあてはめて求める。
Figure 2006225205
本発明のジルコニア焼結体は、焼結体中にSiO2を含有していても良く、例えば、0.1〜3重量%程度含有していてもよい。
本発明において、ZrO2の平均結晶粒径は0.1〜0.8μm、好ましくは0.2〜0.5μmである。平均結晶粒径が0.8μmを越える場合には耐摩耗性、耐衝撃性等の機械的特性が低下するので好ましくない。一方、平均結晶粒径が0.1μm未満の場合は、正方晶ジルコニアから単斜晶ジルコニアへの相変態が少なくなり、機械的特性が低下するので好ましくない。
なお、平均結晶粒径は、次のようにして求められる。つまり、焼結体表面を鏡面まで研磨し、次いで熱エッチングもしくは化学エッチングを施した後、走査電子顕微鏡で観察してインターセプト法により10点測定し、その平均値を平均結晶粒径とする。算出式は下記の通りである。
D=1.5×n/L
D:平均結晶粒径(μm)
n:長さL当たりの結晶粒子数
L:測定長さ(μm)
本発明のジルコニア焼結体の相対密度は90%以上あればよい。相対密度が90%以上あれば、導電性が低下することなく、機械的特性が保持される。優れた導電性と機械的特性を保持するための相対密度は、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上である。
なお、焼結体の相対密度は、焼結体の理論密度ρthに対する、焼結体において実測されたかさ密度ρの割合として表現できる。焼結体の理論密度は、それを構成する物質の理論密度d(g/cm3)とその体積分率V(%)から導出される。
焼結体の理論密度ρth(g/cm3
=dZ×VZ/100+dCNT×VCNT/100
=dZ×(100−VCNT)/100+dCNT×VCNT/100
焼結体の相対密度(%)=ρ/ρth×100
ここで、dCNT及びdZは、それぞれカーボンナノチューブ及びジルコニアの理論密度、VCNT及びVZは、それぞれカーボンナノチューブ及びジルコニアの体積分率であり、VZ+VCNT=100(%)の関係にある。
本発明のジルコニア焼結体は、導電性材料としてカーボンナノチューブ(CNT)を含有している点に特徴を有している。CNTとは、グラフィン(graphene)と呼ばれる炭素六角網目がナノメートルオーダーの直径の円筒に丸まった中空の管(チューブ)であり、この管を構成するグラフィンが1枚の単層ナノチューブ(SWCNT)、及び円筒が入れ子状に2以上の層が重なった多層ナノチューブ(MWCNT)が挙げられる。また、これらのCNTの円筒内に、金属や炭素構造体(例えば、フラーレン等)等の他の成分を内包したものであってもよい。
CNTの直径は、0.5〜50nm程度であればよい。例えば、SWCNTの場合、その直径は0.5〜4nm程度であり、MWCNTの場合、その直径(外径)は5〜50nm程度である。また、CNTのアスペクト比は、効果的な導電性付与の観点から、10以上、さらに50以上、特に100以上のものが好適である。また、CNTの電気抵抗率は、10-3〜10-6Ωcm程度(室温)であればよい。
本発明のジルコニア焼結体は、CNTを0.1〜3.0重量%(又は、0.3〜9.0体積%)の範囲で含有する。CNTの含有量が0.1重量%未満の場合は、有意に導電性を発現させることができず、3.0重量%を越える場合には導電性は高くなるが、焼結性が低下し結晶粒界にCNT量が多くなりすぎて大幅な機械的特性の低下をきたすので好ましくない。本発明では、上記のCNTの添加量に応じて、ジルコニア焼結体の体積抵抗率を10-2〜109Ω・cm程度の範囲で任意に調整することができる。
本発明では、導電性材料として高アスペクト比の異方形態を有するCNTを採用することにより、従来の導電性材料に比してより少ない添加量で、ジルコニア焼結体に高い導電性を付与することができる。
例えば、本発明のCNT含有ジルコニア焼結体を、背景技術の項で記載した特許文献6の炭素含有ジルコニア焼結体と比較した場合、同等の体積抵抗率を有するジルコニア焼結体を得るにあたり、導電性材料としてCNTを用いた場合は、炭素を用いた場合よりも添加量(重量)を1/10〜1/1000程度に低減することができる。具体例として実施例1〜5と比較例2とを対比すれば容易に理解できる。
また、本発明のCNT含有ジルコニア焼結体では、実効媒質理論式(GEM式)により計算した導電性発現の臨界体積(Critical Volume Fraction)が、0.8体積%以下、特に0.7〜0.75体積%程度(0.23〜0.25重量%)と低い値を有している。このことからも、本発明のジルコニア焼結体は、従来に比してより少ない導電性材料の添加体積で導電性が付与されることが分かる。例えば、実施例3の図4を見れば容易に理解できる。
なお、実効媒質理論式(GEM式)とは、パーコレーション理論を表現する一つの理論式であり、非導電性母相中に導電性物質を添加したときに、それぞれの抵抗率や大きさ等に依存して、複合材料の抵抗率が添加した導電性物質の体積分率に従ってどの様に変化するのかを表現する理論式であり、これにより計算される導電性発現の臨界体積とは、その値の導電性物質を添加した場合に、その前後で最も急激に抵抗率(導電率)が変化する特性値であり、導電性が発現する添加量を与えるしきい値を意味する。
さらに、本発明のジルコニア焼結体では、焼結体中におけるCNTの含有量を1.0重量%以上にすれば、良好に放電加工が可能な体積抵抗率(5.0×10-1Ωcm以下)にすることができる。この結果、通常の放電加工装置を用いて焼結体の放電加工が可能となる。
本発明のジルコニア焼結体は、CNTの含有量に応じて体積抵抗率を10-2〜109Ω・cm程度の範囲で調節することができる。具体的には、本発明のジルコニア焼結体を帯電防止用の部材(体積抵抗率:106〜109Ω・cm程度)とする場合は、ジルコニア焼結体中にCNTを0.1〜0.3重量%(又は0.3〜0.9体積%)の範囲で含有させればよい。特に、MWCNTを用いた場合には、ジルコニア焼結体中にMWCNTを0.1〜0.2重量%(又は0.3〜0.6体積%)含有させればよい。
また、ジルコニア焼結体を放電加工できる部材(体積抵抗率:10-2〜5.0×10-1Ω・cm程度)として用いる場合は、ジルコニア焼結体中にCNTを1.0〜3.0重量%(又は3.0〜5.8体積%)の範囲で含有させればよい。
なお、ジルコニア焼結体中のCNTの重量分率(重量%)及び体積分率(体積%)は、実施例1に記載の方法により求めることができる。
また、本発明のCNT含有ジルコニア焼結体は、破壊靱性に優れており、CNT無添加のジルコニア焼結体そのものやCNT以外の導電性材料を含むジルコニア焼結体よりも高い破壊靱性を有している。
以上の様に、本発明のジルコニア焼結体において高い導電性及び破壊靱性が発揮されるのは、高アスペクト比と異方形態を有するCNTがジルコニア結晶粒子内に或いは結晶粒子界面に、その形態を保持したまま均一に分散されており、焼結体中にCNTの三次元の導電ネットワーク(経路)が均一かつ効果的に形成されているためであると考えられる。具体例として、実施例3で得られる焼結体の電子顕微鏡写真図5を見れば、CNTがジルコニア母相粒子の結晶粒内或いは結晶粒界部分において、その形態を保持して均一に分散されていることが理解できる。
さらに、高いアスペクト比を持つCNTが分散することで、これが焼結体中を伝播するき裂の開口部分をつなぎ止める架橋効果を生じることや、CNTとジルコニアとの界面における化学反応が効果的に抑制されることでもたらされるき裂開口部分において生じるCNTの引き抜き効果など、き裂生成並びに伝播を効果的に抑制する高靭化機構が働くことで、高い破壊靭性が達成されていることは、図5に示した電子顕微鏡写真からも容易に理解できる。
本発明のジルコニア焼結体は、例えば、図3のように模式図で表すことができる。図3より、ジルコニア中にCNTが三次元的に導電経路を形成して均一に分散しているため、異方構造の導電相が形成されている。そのために、微量のCNTの添加で高い導電性が付与されるともに、ジルコニア本来の特性が維持され、伝導性が均一となる。
これに対し、背景技術の項で挙げた特許文献1〜5における結晶性無機化合物を添加した従来の導電性セラミックは、例えば、図1のように模式的に表すことができる。この導電性セラミックは、導電物質が結晶粒子であり導電性を発現するためには結晶粒子が隣接する必要がある。そのため導電物質を多量に添加する必要があり、セラミック自体の力学的特性が低下してしまう。
また、特許文献6の炭素を添加した導電性セラミックは、例えば、図2のように模式的に表すことができる。この場合、炭素は導電性を有するものの細線形状をしていないため導電性を発現するために必要な導電経路形成には面状に連結する必要がある。そのため、導電性発現のために本発明に比べて多くの導電物質添加が必要となり、結果として破壊強度が低くなる。
一般に、ジルコニア焼結体に導電性物質を加えるとその破壊強度は低下し、本発明のCNTを添加する場合も例外ではない。しかし、CNTに加えて、ナノサイズの等軸状粒子を添加することにより、ジルコニア焼結体の破壊強度を飛躍的に向上させることができる。ここで等軸状粒子とは、球形又は球形に近い多面体形状を有しアスペクト比が1〜1.5程度である粒子を意味し、具体的には、炭化ケイ素(SiC)、炭化ホウ素(B4C)、窒化ホウ素(BN)、窒化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)、アルミナ(Al23)、モナザイト(LaPO4)、ジルコン(ZrSiO4)等のセラミック粒子や、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、チタニウム(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等の金属、それらの金属間化合物あるいはそれらの合金が挙げられる。これらの添加する等軸状粒子のうち、硬質であること、ジルコニアと反応せずに安定であること、半導性を有するといった点から、SiCが好ましい。なお、SiCのSi/Cの化学組成比は1に限定されるものではない。
添加する等軸状粒子は、結晶性又は非晶質のいずれでもよく、また、CNTにより形成された導電経路を分断して導電性を損なわない限りは、良導性、半導性、絶縁性の何れでもよい。添加する等軸状粒子の平均粒子径は、300nm以下、更に200nm以下、特に150〜30nm程度が好ましい。平均粒子径は、円心沈降式の粒度分布測定装置を用いて測定する。また、添加する等軸状粒子の添加量は、ジルコニア焼結体中0.05〜15重量%(又は0.1〜20体積%)程度、特に1.0〜6.0重量%(又は2〜10体積%)程度になるように設定するのが好ましい。具体例として、実施例4を見れば容易に理解できる。
II.ジルコニア焼結体の製造方法
本発明の導電性ジルコニア焼結体の製造方法について説明する。
本発明の導電性ジルコニア焼結体は、下記の(1)〜(4)の工程を用いて製造することができる。
(1)カーボンナノチューブ及び界面活性剤を媒体中に加え、超音波処理してカーボンナノチューブ分散液を得る工程、(2)安定化剤とZrO2のモル比が1.5/98.5〜3.5/96.5の範囲でありZrO2の結晶相が主として正方晶からなるジルコニア粉体を、上記(1)で得られたカーボンナノチューブ分散液に添加し、超音波処理して混合分散液を得る工程、(3)上記(2)で得られた混合分散液から媒体を留去し、乾燥して混合粉末を得る工程、及び(4)上記(3)で得られた混合粉末を焼結処理してジルコニア焼結体を得る工程。
本発明では、原料のジルコニア粉体は、市販されているか、或いは公知の方法により製造したものを用いることができる。特に、液相法により精製したジルコニア粉体を使用することが好ましい。具体的には、例えば安定化剤がY23の場合、Y23とZrO2の含有量が1.5/98.5〜3.5/96.5(モル比)の範囲となるように、ジルコニウム化合物(例えば、オキシ塩化ジルコニウム)の水溶液とイットリウム化合物(例えば、塩化イットリウム)の水溶液を均一に混合し、加水分解して水和物を得て、脱水、乾燥させた後、500〜1000℃で仮焼してジルコニア粉体を得る。ここで、ジルコニア粉体は平均粒子径0.05〜0.2μm程度に粉砕しておくことが好ましい。平均粒子径は、円心沈降式の粒度分布測定装置を用いて測定する。
以上のようにして、安定化剤(例えばY23)とZrO2のモル比が1.5/98.5〜3.5/96.5の範囲であり、ZrO2の結晶相が主として正方晶からなるジルコニア粉体を得る。
市販のジルコニアマトリックスとしては、例えば、東ソー株式会社製のTZ-3YE等が例示される。
別途、CNTを水、アルコール(例えば、エタノール)等の(液状)媒体に加え、これに界面活性剤を添加して、超音波ホモジナイザーを用いて超音波照射する。これにより、CNTを媒体に均一に分散させたCNT分散液を得る。媒体100重量部に対し、CNTを0.01〜0.3重量部程度、界面活性剤を界面活性剤成分として0.004〜0.12重量部程度用いればよい。界面活性剤は、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性のいずれの界面活性剤でよく、好適にはポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のノニオン性界面活性剤、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤等のアニオン性界面活性剤が挙げられる。
このCNT分散液に、ジルコニア焼結体に対しCNTを0.1〜3.0重量%の範囲で含有するように、上記で得られたジルコニア粉末を添加し、さらに超音波分散処理を行って混合分散液(スラリー)を得る。ここで、前記等軸状粒子(例えば、SiC)を添加する場合、ジルコニア焼結体の全量に対して0.05〜15重量%となるように秤量したSiCを、ジルコニア粉末と共に添加して超音波分散処理にて分散混合すればよい。
この様に、界面活性剤と超音波法を併用することで、CNTがZrO2中に凝集することなく均一に分散可能となり、焼結後においてZrO2中に均一なCNTの3次元ネットワーク(導電経路)が形成される。結果として少ないCNT添加量において抵抗率の低い焼結体を得るこことが可能となる。
ついで、十分に混合分散して得た混合分散液(スラリー)から媒体を除去して混合粉末を得る。媒体の除去は、ロータリーエバポレーター等を用いて媒体を蒸発させた後、更に加熱乾燥機(45〜55℃)中で乾燥すればよい。なお、媒体として水を用いた場合は、凍結乾燥に付してもよい。この混合粉末を、乾式ボールミル等を用いて混合して、混合粉末を得る。
得られた混合粉末を、常圧焼結法、常圧焼結法及び熱間静水圧プレス(HIP)処理、熱間静水圧プレス(HIP)焼結法、スパークプラズマ焼結(SPS)法などを用いて焼結させる。
常圧焼結法は、上記の混合粉末を金型に入れて成形し、取り出した成形体を常圧で加熱焼結処理する。加熱焼結処理は、例えば、雰囲気制御電気炉を用いて不活性ガス(Arガス等)雰囲気下で20℃/分程度で1400〜1600℃程度まで昇温し、同温で3〜5時間程度行えばよい。常圧焼結法で得られた焼結体を、さらに熱間静水圧プレス(HIP)処理してもよい。HIP処理は、不活性ガス(Arガス等)雰囲気下、180〜200MPa程度の圧力ガス中1300〜1500℃程度で1〜3時間程度行えばよい。これにより、焼結体の相対密度の向上が達成され、結果として、摩擦、衝撃、圧壊等に対する抵抗性を高くすることができ、機械的性質の向上、さらには耐久性の向上ができる。
熱間静水圧プレス(HIP)焼結法は、上記のHIP処理の条件を用いて、混合粉末を直接加熱焼結する。
スパークプラズマ焼結(SPS)法は、放電プラズマ焼結装置を用いて、混合粉末を直接加熱焼結する。具体的には、混合粉末を黒鉛ダイスに充填し、これに一軸加圧圧力25〜35MPa程度で不活性ガス(Arガス等)雰囲気下、昇温速度100℃/分で1300〜1550℃まで加熱し、同温で3〜10分程度加熱する。
上記の焼結法により得られたジルコニア焼結体は、必要に応じその表面をダイヤモンド砥石等で研削加工してもよい。
本発明のジルコニア焼結体の製造方法では、導電性材料としてCNTを用いているため、焼結工程で力学的に弱い単斜晶ジルコニアの生成や炭素とジルコニアの反応による不要なZrCの生成を抑制することができる。特に、急速加熱が可能な加圧焼結法(SPS法)を採用することで、単時間に焼結体の相対密度を向上させることが可能であり、CNTとジルコニアの化学反応によるZrCの生成を抑制し、単斜晶ジルコニアの生成も抑制することが可能である。
例えば、比較例1において、カーボン粉末を含むジルコニア焼結体の場合では、常圧焼結工程において力学的に弱い単斜晶ジルコニアやZrCの生成が多くなるのに対し(図7)、本発明の実施例3のSPS法で焼結したCNT含有ジルコニア焼結体では、ZrCは生成せず、単斜晶ジルコニアはほとんど生成しない(図6)。
かくして得られる本発明のジルコニア焼結体は、ジルコニア本来の優れた力学的性質(破壊強度、破壊靱性など)を保持し、しかも安定した導電性を有している。
本発明では、導電性材料としてCNTを使用することにより、少ないCNT添加量で、力学的特性を保持しつつ低い体積抵抗率(高い電気伝導率)を有するジルコニア焼結体を実現できる。
CNTの添加量1.0重量%以上(又は3体積%以上)で、放電加工が可能な体積抵抗率である5.0×10-1Ω・cm以下となる。この結果、通常の装置を用いて焼結体の放電加工が可能となる。
また、CNTの添加により、焼結体の破壊靱性値が向上し、さらに、炭化ケイ素ナノ粒子の添加により破壊強度が向上する
次に、本発明について実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
A.原料
実施例及び比較例で用いた原料を以下に示す。
・ジルコニア:3mol%の酸化イットリウム(Y2O3)で安定化した正方晶ジルコニア(3Y-TZP)粉末(東ソー株式会社、TZ-3YE)
・多層カーボンナノチューブ(MWCNT):直径20〜30nm、長さ1μm以上の多層カーボンナノチューブ(シグマアルドリッチジャパン株式会社製)
・単層カーボンナノチューブ(SWCNT):直径0.6〜2nm、長さ0.5μm以上の単層カーボンナノチューブ(Carbon Nanotechnologies Inc.製)
・カーボン粒子:中空シェル状のカーボン粉末(ライオン株式会社製、EC600JD:一次粒子径34nm、比表面積1270 m2/g、凝集粒子サイズ230nm)
・炭化ケイ素:β-SiC粉末(三井東圧化学株式会社製、一次粒径:150nm)
・界面活性剤:カルボン酸系界面活性剤(油性)(花王株式会社製、ホモゲノールL-18、40wt%濃度)
B.物性評価
後記の実施例1〜7及び比較例1で得られたジルコニア焼結体について、下記の物性評価を行った。
(1)抵抗測定
作製した焼結体の抵抗測定は、Van der Pauw法により室温にて行った(東陽テクニカ株式会社製、Resitest8308型)。試料を約1mm程度の厚さまで研削し、研磨を行った。試料の形状は常圧焼結、HIP処理では円形(直径13mm)で測定し、SPS法による焼結体では正方形(10mm角)に加工して測定に用いた。
Van der Pauw法で測定する試料の形状はシート状であれば任意の形状でよく、サンプル周辺に4ヶ所の小さなオーミック抵抗を持たせる。シートの抵抗Rsが分かれば抵抗率ρ(Ω・cm)を知ることができる。そこで、4つの端子間で抵抗を計算し、これを用いてシート抵抗Rsを求め、さらに厚さtを用いて体積抵抗率:
ρ=Rs×tを計算した。なお、導電率S(S/cm)は体積抵抗率ρの逆数をとって算出した。
(2)破壊強度
焼結体の室温における破壊強度σfの測定は、3点曲げ試験法により測定した。測定には島津社製AG-C型万能試験機(オートグラフ)を用いて、スパン長さ20mm、クロスヘッドスピードは0.5mm/minの条件で3点曲げ試験を行った。破壊強度は次式により算出した。
σf=3P・L/(2b・d2
σf:破壊強度(Pa)
P:試験片が破壊した時の最大荷重(N)
L:下部支点間距離(m)
b:試験片幅(m)
d:試験片厚さ(m)
(3)破壊靱性
破壊靱性の測定は、明石社製AVK-M型ビッカース硬度計を用いて、研磨した試料表面に保持時間15秒、荷重98Nの条件でビッカース圧子を打ち込み、それによって生じたメジアンクラックの長さと生じた圧痕の対角線の長さを測定し、下記の式を用いて破壊靱性を算出した。
K1c=0.203・(c/a)-3/2・HV・a1/2
KIC:破壊靱性(Pa・m1/2)
HV:ビッカース硬度(Pa)
a:圧痕の対角線の長さの1/2(m)
c:クラック半径の平均(m)
(4)相対密度
作製した焼結体のかさ密度ρは、トルエン中でアルキメデス法により測定した。密度の算出には次に示す計算式を用いた。
ρ(g/cm3)=ρ1×W1/(W1−W2)
W1:乾燥質量(g)
W2:トルエン中の質量(g)
温度T(℃)におけるトルエンの密度ρ1(g/cm3):ρ1=0.88412−0.00092248×T
複合材料について、報告されているジルコニアの理論密度(3Y-ZrO2=6.05g/cm3)と各カーボンの密度(カーボンナノチューブ2.0 g/cm3、カーボン粉末EC600JD=2.27g/cm3)を用いて、前述の式を用いて添加量から理論密度を算出し、この理論密度に対する焼結体のかさ密度の割合として相対密度(%)を算出した。
(5)焼結体の微細組織の観察
焼結体の微細組織の観察は、透過型電子顕微鏡(TEM、日立製作所製、H-8100型、加速電圧200kV)を用いて行った。焼結体を厚さ約200μmまで薄く研削し、次に約100μmになるまでダイヤモンドスラリーで研磨を行ったのち、超音波加工機で直径3mmの円形に打ち抜き、更に中心の厚さが約20μmになるまで削った。その後、Arイオンによるイオンシニングを行ってTEMサンプルとした。また、破断面観察は、走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S-5000型)を用いて行った。
(6)X線回折測定
焼結体構成相の同定は、X線回折法(理学電機株式会社製、 RU-200B型)により行った。対陰極にはCuKα線(λ=1.5418Å)を用い、印加電圧50kV、印加電流150mA、走査回折角範囲2θ=20〜80°、走査速度4°/minの条件で行った。
(1)混合粉末の作製
最終的なジルコニア焼結体の重量(100g)に対して0から2重量%となるように秤量したMWCNTを、約800mlのエチルアルコール(純度99.5%以上)に添加し、さらに界面活性剤をMWCNTと同重量(界面活性剤成分としてMWCNTの2/5重量)となるように添加した。混合物を超音波ホモジナイザー(BRANSON社製、ソニファイアーS-450D型)を用いて、出力100Wで1〜3時間超音波照射して分散処理してCNT分散液を得た。
ついで、ジルコニア粉末100〜98gをこのCNT分散液に添加し、さらに超音波分散処理を1時間行った。十分に混合分散して得た混合スラリーを、ロータリーエバポレーターを用いてエチルアルコールを蒸発させて乾燥させた後、更に50℃乾燥機中で24時間保持して完全に溶媒成分を除去した。この混合粉末を、混合メディアとしての直径5mmのジルコニアボール(嵩容量約200ml)を用いて、ポリエチレンポット中にて乾式ボールミル混合を12時間行い、最終的な混合粉末を得た。
(2)焼結工程
上記(1)で得られた混合粉末を、電気的性質の評価用サンプルとして金型で直径15mm、厚さ約5mmのペレット状に、または破壊強度等の機械的特性試験用サンプルとして幅5mm、厚さ5mm、長さ50mmの角柱状になるように圧力4MPaで成型した。その後、冷間静水圧プレス(CIP)装置を用いて、圧力200MPaで再び成型処理した。これを黒鉛粉末に埋めた後、雰囲気制御電気炉(丸祥電気株式会社製、SuperMini型)を用いて、Arガス雰囲気下で昇温速度20℃/分で1500℃まで加熱し、4時間焼結を行って焼結体試料を得た。
(3)試料加工
上記(2)で得られた焼結体試料の表面を、粒度#100、#400及び#800のダイヤモンド砥石で順次研削加工した後、9μm、2μm及び0.5μmのダイヤモンドスラリーを用いて鏡面研磨し、各種評価用の試料を得た。最終的な試料形状及びサイズは、直径13mm、厚さ1mmの円盤状サンプル(電気的性質評価用)、または幅4mm、厚さ3mm、長さ40mmの角柱状試験片(機械的特性評価用)とした。
得られたジルコニア焼結体試料の物性評価結果を表1に示す。
Figure 2006225205
なお、ジルコニア焼結体中におけるジルコニアとCNTの体積分率(vol%)と重量分率(wt%)の変換式は下記の通りである。以下同じ。
ジルコニア CNT(又は添加物)
密度 dZ(6.02 g/cm3) dCNT(2.0 g/cm3
重量分率(wt%) WZ=100−WCNTCNT
体積分率(vol%) VZ=100−VCNTCNT
CNT=100×(WCNT/dCNT)/{(WCNT/dCNT)+(WZ/dZ)}
=100×(WCNT/dCNT)/{(WCNT/dCNT)+((100-WCNT)/dZ)}
CNT=100×(VCNT×dCNT)/{(VCNT×dCNT)+(VZ×dZ)}
=100×(VCNT×dCNT)/{(VCNT×dCNT)+((100-VCNT)×dZ)}
(1)混合粉末の作製
実施例1(1)と同様にして混合粉末を得た。
(2)焼結工程
実施例1(2)で得られた焼結体試料を、Ar雰囲気下1450℃にて2時間熱間静水圧プレス(HIP)処理(神戸製鋼株式会社製、DrHIP型装置)を行った以外は、実施例1と同様にして行った。
(3)試料加工
上記(2)で得られた焼結体試料を、実施例1(3)と同様にして試料を得た。
得られたジルコニア焼結体試料の物性評価結果を表2に示す。
Figure 2006225205
HIP処理する実施例2の焼結体は、実施例1の常圧焼結のみで得られる焼結体に比べて、破壊強度及び相対密度が向上することが分かった。
(1)混合粉末の作製
最終的なジルコニア焼結体の重量に対してMWCNTの添加量を0から3重量%の種々の組成とした以外は、実施例1(1)と同様にして混合粉末を得た。
(2)焼結工程
上記(1)で得られた混合粉末を、放電プラズマ焼結法(SPS法)を用いて焼結体試料を製造した。混合粉末を直径15mmまたは30mmの黒鉛ダイスに充填し、放電プラズマ焼結装置(住友石炭工業株式会社製、SPS2080型)にセットした後、一軸加圧圧力30MPaとし、Ar雰囲気下、昇温速度100℃/分で1300から1550℃まで加熱した後、5分間焼結を行ってSPS焼結体試料を得た。
(3)試料加工
続いて、上記(2)で得られたSPS焼結体試料の表面を、粒度#100、#400および#800のダイヤモンド砥石で順次研削加工した後、9μm、2μm及び0.5μmのダイヤモンドスラリーを用いて鏡面研磨し、各種評価用の試料を得た。最終的な試料形状及びサイズは、直径15mm、厚さ1mmの円盤状サンプルを得ると共に、直径30mmの円盤状試験片をダイヤモンド切断機で角柱状に切断加工・研磨することで、幅4mm、厚さ3mm、長さ25mmの角柱状試験片として破壊強度試験に供した。
得られたジルコニア焼結体試料の物性評価結果を表3に示す。
Figure 2006225205
添加量1.35wt%及び2.0wt%の場合、得られる焼結体はいずれも放電加工が好適に適用可能な体積抵抗率(10-2オーダー)を示している。また、SPS焼結する実施例2の焼結体は、実施例1の常圧焼結のみで得られる焼結体に比べて、破壊強度及び相対密度が飛躍的に向上することが分かった。
実施例3で得られたジルコニア焼結体について、van der Pauw法により、CNTの含有量(vol%)に対する体積抵抗率(Ωcm)を測定した。その結果を図4に示す。これによれば、導電性発現の臨界体積は、0.73vol%と極めて低い値であることが分かった。これは、CNTを用いることでより少ない導電性物質の添加量で、ジルコニア焼結体に導電性が付与されることを意味している。なお、図4で用いたGEM理論式及びパラメーターを以下に示す。
Figure 2006225205
また、実施例3で得られたジルコニア焼結体の透過型電子顕微鏡(TEM)ならびに破断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図5に示す。これによれば、添加したMWCNTがジルコニア母相中において、ジルコニア結晶粒子界面(粒界)および粒子内部に均一に分布しており、CNT同士も接触することで、3次元的な導電経路を形成して分散していることが分かる。
また、実施例3で得られたジルコニア焼結体のX線回折の測定結果を図7に示す。これによれば、導電性材料としてCNTを用いかつ短時間焼結法(SPS焼結法)を採用したために、ZrCや単斜晶ジルコニアの生成もほとんどなく、破壊強度及び破壊靱性に優れた焼結体が得られたことが分かる。
(1)混合粉末の作製
最終的なジルコニア焼結体の重量(100g)に対して1重量%となるように秤量したMWCNTを、約800mlのエチルアルコール(純度99.5%以上)に添加し、さらに界面活性剤をMWCNTと同重量(界面活性剤成分としてMWCNTの2/5重量)となるように添加した。混合物を超音波ホモジナイザー(BRANSON社製、ソニファイアーS-450D型)を用いて、出力100Wで1〜3時間超音波照射してCNT分散液を得た。
ついで、最終的な焼結体重量(100g)に対して炭化ケイ素(SiC)が2.7重量%又は11.5重量%となるようにSiCを秤量し、これとジルコニア粉末(約96.3g又は87.5g)を、このCNT分散液に同時に添加し、さらに超音波分散処理を1時間行った。十分に混合分散して得た混合スラリーを、ロータリーエバポレーターを用いてエチルアルコールを蒸発させて乾燥させた後、更に50℃乾燥機中で24時間保持して完全に溶媒成分を除去した。この混合粉末を、混合メディアとしての直径5mmのジルコニアボール(嵩容量約200ml)を用いて、ポリエチレンポット中にて乾式ボールミル混合を12時間行い、最終的な混合粉末を得た。
(2)焼結工程
上記(1)で得られた混合粉末を、放電プラズマ焼結法(SPS法)を用いて焼結体試料を製造した。
得られた混合粉末を直径15mmまたは30mmの黒鉛ダイスに充填し、放電プラズマ焼結装置(住友石炭工業株式会社製、SPS2080型)にセットした後、一軸加圧圧力30MPaとし、Ar雰囲気下、昇温速度100℃/分で1300から1550℃まで加熱した後、5分間焼結を行ってSPS焼結体試料を得た。
(3)試料加工
上記(2)で得られたSPS焼結体試料を、実施例3(3)と同様にして試験片を得た。
得られたジルコニア焼結体試料の物性評価結果を表4に示す。
Figure 2006225205
実施例4を実施例3と対比すると、実施例4の破壊強度は、実施例3のそれより飛躍的に向上している(CNTの添加量が1.0wt%の場合)。これは、炭化ケイ素(SiC)の添加により、焼結体の破壊強度が向上することが分かる。
また、実施例4で得られたジルコニア焼結体の破断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図6に示す。これにより、添加した等軸状粒子はCNTにより形成された導電経路を分断、破壊することなく望ましい形で分散していることが分かる。
(1)混合粉末の作製
実施例1(1)において、MWCNTに代えてSWCNTを用いること以外は、実施例1(1)と同様にして混合粉末を得た。
(2)焼結工程
上記(1)で得られた混合粉末を、実施例3(2)と同様にしてSPS焼結体試料を得た。
(3)試料加工
上記(2)で得られたSPS焼結体試料を、実施例3(3)と同様にして試験片を得た。
得られたジルコニア焼結体試料の物性評価結果を表5に示す。
Figure 2006225205
これにより、多層、単層と構造の違いに関わらずCNTを分散することで任意の導電性を付与出来ることがわかる。
比較例1
(1)混合粉末の作製
実施例1(1)において、MWCNTに代えてカーボン粒子を用いること以外は、実施例1(1)と同様にして混合粉末を得た。
(2)焼結工程
上記(1)で得られた混合粉末を、実施例1(2)と同様にして焼結体試料を得た。
(3)試料加工
上記(2)で得られた焼結体試料を、実施例1(3)と同様にして試料を得た。
得られたジルコニア焼結体試料の物性評価結果を表6に示す。
Figure 2006225205
導電性材料の添加量が同じ場合における実施例1〜5と比較例1の体積抵抗率を比較すると、比較例1の体積抵抗率が10〜100倍程度大きいことが分かる。また、比較例1では相対密度が大きく低下していることが分かる。
また、比較例1で得られたジルコニア焼結体のX線回折の測定結果を図8に示す。これによれば、力学的に弱いZrCや単斜晶ジルコニアが多く生成していることが分かる。
比較例2
特開平2004-189509の実施例1には、フェノール樹脂に由来する炭素を含有するジルコニア焼結体を教示する。本発明との対比のために、この特開平2004-189509の実施例1に記載の表1から、ジルコニア焼結体中の炭素含有量(wt%)と体積抵抗(Ωcm)を抜粋したものを、表7に示す。
Figure 2006225205
導電性物質の添加量が同等の場合における特開平2004-189509と本発明の実施例における体積抵抗率を対比すると、次の表8のようになる。
Figure 2006225205
この様に、導電性材料の添加量が同等の場合において、特開2004-189509の実施例1の体積抵抗率は、本発明の実施例のそれに対し3〜700倍程度大きいことが分かる。
試験例1
実施例3(添加量2.0wt%)で得られたジルコニア焼結体を、ワイヤ放電加工機(株式会社 ソディック製、AP200L型)を用いて放電加工した。その放電加工例を図9に示す。図9より良好な放電加工ができることが分かった。
放電加工の条件を以下に示す。
ワイヤ:亜鉛コーティング黄銅ワイヤ、直径0.2mm
加工液:放電加工油
ワイヤ張力:15N
ワイヤ送りスピード:5mm/min
加工時間:60分
従来の導電性セラミックの模式図を示す。 従来の炭素を含む導電性ジルコニア焼結体の模式図を示す。 本発明のCNTを含む導電性ジルコニア焼結体の模式図を示す。 実施例3で得られた導電性ジルコニア焼結体におけるCNTの含有量と体積抵抗率の関係を示すグラフである。 実施例3で得られた導電性ジルコニア焼結体の透過型電子顕微鏡(TEM)写真(a,b)及び走査型電子顕微鏡(SEM)写真(c)である。 実施例4で得られたジルコニア焼結体の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。 実施例3で得られた導電性ジルコニア焼結体のCNT含有量毎のX線回折結果を示すグラフである。 比較例1で得られた導電性ジルコニア焼結体のカーボン粒子含有量毎のX線回折結果を示すグラフである。 実施例3で得られた導電性ジルコニア焼結体の放電加工例を示す図である。

Claims (7)

  1. ZrO2を主成分とし安定化剤を含むジルコニア焼結体であって、安定化剤とZrO2のモル比が1.5/98.5〜3.5/96.5の範囲であり、ZrO2の結晶相が主として正方晶からなり、該ジルコニア焼結体中にカーボンナノチューブを0.1〜3.0重量%程度含有し、該ジルコニア焼結体の体積抵抗率が10-2〜109Ω・cm程度であるジルコニア焼結体。
  2. カーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、及び金属又は炭素構造体を内包する前記単層又は多層カーボンナノチューブからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のジルコニア焼結体。
  3. 前記ジルコニア焼結体中にカーボンナノチューブを1.0〜3.0重量%含有し、該ジルコニア焼結体の体積抵抗率が1.0×10-2〜5.0×10-1Ω・cm程度である請求項1又は2に記載のジルコニア焼結体。
  4. 前記ジルコニア焼結体中に、平均粒子径が300nm以下の等軸状粒子を0.05〜15重量%(0.1〜20体積%)含有している請求項1〜3のいずれかに記載のジルコニア焼結体。
  5. 下記の工程を含むジルコニア焼結体の製造方法:
    (1)カーボンナノチューブ及び界面活性剤を媒体中に加え、超音波処理してカーボンナノチューブ分散液を得る工程、
    (2)安定化剤とZrO2のモル比が1.5/98.5〜3.5/96.5の範囲でありZrO2の結晶相が主として正方晶からなるジルコニア粉体を、上記(1)で得られたカーボンナノチューブ分散液に添加し、超音波処理して混合分散液を得る工程、
    (3)上記(2)で得られた混合分散液から媒体を留去し、乾燥して混合粉末を得る工程、及び
    (4)上記(3)で得られた混合粉末を焼結処理してジルコニア焼結体を得る工程。
  6. 下記の工程を含むジルコニア焼結体の製造方法:
    (1)カーボンナノチューブ及び界面活性剤を媒体中に加え、超音波処理してカーボンナノチューブ分散液を得る工程、
    (2)安定化剤とZrO2のモル比が1.5/98.5〜3.5/96.5の範囲でありZrO2の結晶相が主として正方晶からなるジルコニア粉体及び平均粒子径が300nm以下の等軸状粒子を、上記(1)で得られたカーボンナノチューブ分散液に添加し、超音波処理して混合分散液を得る工程、
    (3)上記(2)で得られた混合分散液から媒体を留去し、乾燥して混合粉末を得る工程、及び
    (4)上記(3)で得られた混合粉末を焼結処理してジルコニア焼結体を得る工程。
  7. 前記焼結処理が、常圧焼結、常圧焼結及びHIP処理、HIP焼結、並びにSPS焼結からなる群より選ばれる1種である請求項5又は6に記載の製造方法。

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