JP2006224348A - 圧電アクチュエータの製造方法、圧電アクチュエータ、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

圧電アクチュエータの製造方法、圧電アクチュエータ、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 優れた圧電特性を有し、且つ圧電体層と上電極との密着性が向上した圧電アクチュエータの製造方法及び圧電アクチュエータを提供する。
【解決手段】 基板10上に弾性膜25を形成する工程と、弾性膜25上に下電極13を形成する工程と、下電極13上に圧電体膜14を形成する工程と、圧電体膜14の一部にイオンを打ち込み、上電極形成用膜15を形成する工程と、圧電体膜14及び上電極形成用膜15をパターニングし、圧電体層16及び上電極17を形成する工程と、を含んでなる圧電アクチュエータの製造方法である。
【選択図】 図5

Description

本発明は、圧電体膜の圧電効果を利用した圧電アクチュエータの製造方法、圧電アクチュエータ、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関する。
従来から、液体噴射ヘッドの一例として、例えば、インクジェット式記録ヘッドがある。このインクジェット式記録ヘッドでは、プリンタのインク吐出の駆動源として、圧電体膜の圧電効果を利用した圧電アクチュエータを用いている。この圧電アクチュエータは、一般に、液滴(インク滴)を吐出するノズル開口(吐出口)と連通する圧力発生室の一部を構成する振動板と、この振動板上に形成され、かつ下部電極、圧電体層及び上部電極を有する圧電体素子と、を備えて構成されている。このようなインクジェット式記録ヘッドでは、安定した液滴吐出特性が得られ、信頼性を向上することを目的とした様々な改善がなされている。
このようなインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、ノズル開口に連通すると共に複数の隔壁によって画成される圧力発生室の列を少なくとも2列備えた流路形成基板の圧電体膜側に接合され、圧電体層を駆動させる駆動回路が実装される接合基板を有すると共に、この接合基板の前記圧力発生室の列間に対応する部分に当該接合基板を厚さ方向に貫通する貫通孔が設けられ、各圧電体層の各々から引き出される引き出し配線が、前記貫通孔に対応する部分まで延設されると共に、当該引き出し配線と前記駆動回路を、前記貫通孔を介して延設される導電性ワイヤによって電気的に接続することで、貫通孔の面積を小さく抑え、小型化を達成したものがある。(特許文献1参照)。
前述した従来のインクジェット式記録ヘッドを製造する際は、通常、以下の方法が採用されている。すなわち、流路形成基板となるシリコン単結晶基板のウェハを約1100℃の拡散炉で熱酸化して二酸化シリコンからなる弾性膜を形成する。次に、この弾性膜の全面にスパッタリング法により下電極形成用膜を形成した後、この下電極形成用膜をパターニングして下電極を形成する。次いで、下電極が形成された弾性膜上に圧電体膜をゾル−ゲル法で成膜した後、この圧電体膜を大気雰囲気下または酸素雰囲気下で600〜1000℃程度の温度で焼成して結晶化させる。次に、Pt、Ir等をスパッタリング法により成膜して上電極形成用膜を形成し、この上電極形成用膜及び圧電体膜をパターニングして、上電極及び圧電体層を形成する等、所望の工程を行ないインクジェット式記録ヘッドが製造される。
特開2003−246065号公報
しかしながら、前述した従来のインクジェット式記録ヘッドでは、圧電体層と上電極との密着性が十分でなく、上電極が剥がれ易い等の不具合が生じる虞があり、歩留まりや信頼性が低下する可能性があった。そこで、上電極として、圧電体層との密着性が良好なTi、Al等の金属を使用すると圧電体層との間に誘電層が形成され、十分な圧電特性を得ることが困難となる。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、優れた圧電特性を有し、且つ圧電体層と上電極との密着性が向上した圧電アクチュエータの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、優れた圧電特性を有し、且つ圧電体層と上電極との密着性が向上した圧電アクチュエータを提供することを目的とする。
この目的を達成するため本発明は、絶縁膜及び当該絶縁膜上に形成された下電極を含む振動板と、当該振動板上に形成された圧電体層と、当該圧電体層上に形成された上電極と、を備えた圧電アクチュエータの製造方法であって、基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に下電極を形成する工程と、前記下電極上に圧電体膜を形成する工程と、前記圧電体膜の一部にイオンを打ち込み、上電極形成用膜を形成する工程と、前記圧電体膜及び上電極形成用膜をパターニングし、圧電体層及び上電極を形成する工程と、を含んでなる圧電アクチュエータの製造方法を提供するものである。
これらの工程を含む圧電アクチュエータの製造方法によれば、圧電体膜の一部にイオンを打ち込むことで、前記圧電体層上に上電極が形成されるため、当該上電極が圧電体層から剥がれることがない。また、圧電体層と上電極との界面に、当該圧電体層の圧電特性を低下させる原因の一つとなる誘電層が形成されることもない。したがって、優れた圧電特性を提供することができる。
また、本発明にかかる圧電アクチュエータの製造方法では、前記上電極形成用膜の表面部が、その下面部よりも高濃度となるように、前記イオンの打ち込みを制御することができる。このようにすることで、前記利点に加え、圧電体層と上電極との界面を一層良好な状態に維持することができる。
そしてまた、本発明は、本発明にかかる圧電アクチュエータの製造方法により製造されてなる圧電アクチュエータを提供するものである。この圧電アクチュエータは、圧電体層と上電極との優れた密着性と、優れた圧電特性の両方を兼ね備えることができる。
また、本発明は、本発明にかかる圧電アクチュエータと、前記圧電アクチュエータの機械的変位によって内容積が変化する圧力発生室と、前記圧力発生室に連通して液滴を吐出する吐出口と、を備えた液体噴射ヘッドを提供するものである。
さらにまた、本発明は、本発明にかかる液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドを駆動する駆動装置と、を備えた液体噴射装置を提供するものである。
本発明にかかる圧電アクチュエータの製造方法によれば、圧電体膜の一部にイオンを打ち込むことで、前記圧電体層上に上電極が形成されるため、当該上電極が圧電体層から剥がれることがなく、両者は十分な密着性を維持することができる。また、圧電体層と上電極との界面に誘電層が形成されることもなく、優れた圧電特性を維持することができる。この結果、歩留まりを向上することができ、且つ優れた信頼性を備えた圧電アクチュエータを製造することができる。
次に、本発明の好適な実施の形態にかかる圧電アクチュエータ及びその製造方法について図面を参照して説明する。なお、以下に記載される実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施の形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
図1は、本発明の好適な実施の形態にかかる圧電アクチュエータを備えた液体噴射ヘッドの分解斜視図、図2は、図1に示す液体噴射ヘッドの圧電アクチュエータ付近の一部を示す平面図、図3〜図8は、図1に示す液体噴射ヘッドの製造工程の一部を示す断面図、図9は、図1に示す液体噴射ヘッドが搭載されたインクジェット式記録装置の概略を示す斜視図である。
図1〜図8に示すように、本実施の形態にかかる液体噴射ヘッドは、複数の圧力発生室30が形成された流路形成基板10の圧力発生室30に対応する領域に、圧電アクチュエータ100が配設されている。本実施の形態では、流路形成基板10として、面方位(110)のシリコン単結晶基板を使用した。この流路形成基板10の一方の面には、SiO2膜11及びZrO2膜12からなる、厚さ1〜2μmの弾性膜(絶縁膜)25が形成されている。また、流路形成基板10の他方の面は、開口面となる。
流路形成基板10の前記開口面には、シリコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより形成された複数の圧力発生室30が形成され、その長手方向外側には、後述する接合板21のリザーバ部51に連通して各圧力発生室30の共通のインク室となるリザーバの一部を構成する連通部52にインク供給路53を介して連通されている。なお、流路形成基板10の前記開口面には、圧力発生室30内に収容されるインクに対する耐性を有した保護膜としての機能を備えたSiO2膜33(図8参照)が形成されている。
さらに、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室30のインク供給路53とは反対側で連通するノズル開口35が穿設されたノズルプレート36が接合剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。このノズルプレート36は、一方の面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果たす。また、ノズルプレート36は、流路形成基板10と熱膨張係数が略同一の材料で形成するようにしてもよい。この場合には、流路形成基板10とノズルプレート36との熱による変形が略同一となるため、熱硬化性の接合剤等を用いて容易に接合することができる。
ここで、インク滴吐出圧力をインクに与える圧力発生室30の大きさと、インク滴を吐出するノズル開口35の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノズル開口35は数十μmの直径で精度よく形成する必要がある。
一方、流路形成基板10の前記開口面とは反対側の面に形成された弾性膜25上であって、圧力発生室30が形成されている領域上には、図8に示すように、下電極13と、圧電体層16と、上電極17が形成されている。下電極13は、弾性膜25と共に振動板を構成し、この弾性膜25と下電極13からなる振動板、圧電体層16及び上電極17を含む部分によって圧電アクチュエータ100が構成されている。(図1及び図2参照)。
上電極17上には、外部からの水分によって圧電体層16を劣化させないようにするための保護膜18が形成されており、上電極17は、保護膜18に形成されたコンタクトホール19を介して配線20と電気的に接続されている。(図7及び図8参照)。
なお、本実施の形態では、下電極13を圧電アクチュエータ100の共通電極とし、上電極17を圧電アクチュエータ100の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、圧力発生室30毎に圧電アクチュエータ100が形成されていることになる。
また、流路形成基板10のノズルプレート36が配設された面とは反対側の面(図1でいう上面)には、接合板21が配設されている。この接合板21には、リザーバの一部を構成するリザーバ部51が形成されている。このリザーバ部51は、本実施の形態では、接合板21を厚さ方向に貫通して圧力発生室30の幅方向に亘って形成されており、流路形成基板10の連通部52と連通されて各圧力発生室30の共通のインク室となるリザーバを構成している。
また、接合板21の圧電アクチュエータ100に対向する領域には、圧電アクチュエータ100の運動を阻害しない程度の空間を確保した圧電アクチュエータ保持部54が、圧力発生室30に対応してそれぞれ設けられている。なお、この空間は密封されていても密封されていなくともよい。
なお、本実施の形態では、圧電アクチュエータ保持部54が圧電アクチュエータ100の列毎に設けられているが、この圧電アクチュエータ保持部54は、圧電アクチュエータ100毎に独立して設けるようにしてもよい。このような接合板21は、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施の形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
さらに、接合板21の略中央部、すなわち、圧力発生室30の列間に対向する領域には、接合板21を厚さ方向に貫通する貫通孔55が設けられている。また、接合板21の貫通孔55の両側、すなわち、圧力発生室30の各列に対応する部分には、各圧電アクチュエータ100を駆動するための、例えば、回路基板、あるいは半導体集積回路(IC)等の駆動回路110がそれぞれ実装されている。例えば、本実施の形態では、貫通孔55の両側に実装された各駆動回路110は、それぞれの駆動回路110に対向する領域に設けられた圧電アクチュエータ100を駆動するためのものである。
本実施の形態にかかる液体噴射ヘッドは、図示しない外部のインク供給手段と接続したインク導入口からインクを取り込み、リザーバからノズル開口35に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路110からの記録信号に従い、圧力発生室30に対応するそれぞれの下電極13と上電極17との間に電圧を印加し、圧電体層16の圧電効果により生じる機械的変位によって、下電極13及び弾性膜25からなる振動板をたわみ変形させることにより、圧力発生室30の内容積を変化させ、各圧力発生室30内の圧力を高めてノズル開口35からインク滴が吐出する。
この液体噴射ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。
具体的には、図9に示すように、液体噴射ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。これらの記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラ等により給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
次に、本実施の形態にかかる圧電アクチュエータを備えた液体噴射ヘッドの製造工程について図面を参照して説明する。
先ず、図3に示す工程のように、流路形成基板10となるシリコン単結晶基板上に、例えば、熱酸化によりSiO2膜11を形成する。次に、このSiO2膜11上に、ZrO2膜12を形成する。なお、本実施の形態では、SiO2膜11及びZrO2膜12が弾性膜(絶縁膜)25となる。次いで、弾性膜25上に下電極形成用膜をスパッタリング法によって形成し、これを所望の形状にパターニングして下電極13を形成する。なお、下電極13を構成する材料としては、例えば、Ti、Ir、Pt等、所望の導電性材料を用いることができる。
次に、図4に示す工程では、下電極13が形成された流路形成基板10上に、ゾル−ゲル法により、圧電体前駆体膜を所定の厚さで成膜する。次いで、この圧電体前駆体膜が形成された流路形成基板10を、大気雰囲気下又は酸素雰囲気下で、約600℃以上の温度で焼成して結晶化させる。
ここで、圧電体膜14は結晶が配向していることが好ましい。このため、本実施の形態では、例えば、金属有機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、結晶性を有しない圧電体前駆体膜を形成し、さらに圧電体前駆体膜を高温で焼成することで金属酸化物からなり、結晶性を有する圧電体膜14を得る。この圧電体膜14の材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛系の材料等が好適に使用できる。なお、この圧電体膜14の成膜方法は、特に限定されず、例えば、スパッタリング法で形成してもよい。さらに、ゾル−ゲル法又はスパッタリング法等によりチタン酸ジルコン酸鉛の圧電体前駆体膜を形成後、アルカリ水溶液中での高圧処理法にて低温で結晶成長させる方法を用いてもよい。
このように成膜された圧電体膜14は、バルクの圧電体とは異なり結晶が優先配向しており、且つ本実施の形態では、圧電体膜14は、結晶が柱状に形成されている。なお、優先配向とは、結晶の配向方向が無秩序ではなく、特定の結晶面がほぼ一定の方向に向いている状態をいう。また、結晶が柱状の薄膜とは、略円柱体の結晶が中心軸を厚さ方向に略一致させた状態で面方向に亘って集合して薄膜を形成している状態をいう。勿論、優先配向した粒状の結晶で形成された薄膜であってもよい。なお、本実施の形態では、圧電体膜14の厚さを0.2〜5μmとした。
次に、図5に示す工程では、図4に示す工程で得た圧電体膜14の上層部にイオンを打ち込む。なお、本実施の形態では、Alイオン、300KeV、1×1022個/cm2の条件でイオン注入を行った。また、打ち込むイオン種としては、例えば、Ir、Pt、W、Ta、Mo等が挙げられる。このイオンが打ち込まれた領域が、上電極形成用膜15となる。次いで、イオンが打ち込まれた流路形成基板10を、例えば、300〜400℃程度の温度で、20分程度の熱処理を行い、上電極形成用膜15を安定化させる。このように、圧電体膜14にイオンを打ち込む(注入する)ことにより、上電極形成用膜15を形成するため、上電極形成用膜15が圧電体膜14から剥がれることがなく、この結果、後に形成される圧電体層16と上電極17との密着性を向上することができる。
次に、図6に示す工程では、圧電体膜14及び上電極形成用膜15をフォトリソ法によりパターニングし、圧電体層16及び上電極17を形成する。このようにして、弾性膜25及び下電極13からなる振動板と、圧電体層16と、上電極17からなる圧電アクチュエータ100を形成した。
次に、図7に示す工程では、圧電アクチュエータ100が形成された流路形成基板10上に、Al23膜からなる保護膜18を形成する。次いで、保護膜18の上電極17との接合部にコンタクトホール19を開口し、この保護膜18上に、配線形成用膜を成膜した後、この配線形成用膜をパターニングし、コンタクトホール19を介して上電極17と電気的に接続する配線20を形成する。なお、配線20を構成する材料としては、例えば、Al/TiW、Au/NiCr等を好適に使用することができる。
次に、図8に示す工程では、図7に示す工程で得た流路形成基板10上に接合板21を接合する。次いで、流路形成基板10の接合板21が接合された側の面とは反対側の面を選択的にエッチング除去し、圧力発生室30を形成する。次に、流路形成基板10の圧力発生室30が形成された側の面に、プラズマCVD法により、圧力発生室30などに収容されるインクに対する耐性を有するSiO2膜33を、約0.1μmの膜厚で形成する。その後、流路形成基板10の接合板21が接合された側の面とは反対側の面に、ノズル開口35が穿設されたノズルプレート36を接合する等、所望の工程を行い、図1に示す液体噴射ヘッドを完成させる。
なお、本実施の形態では、SiO2膜11及びZrO2膜12の二層構造を備えた弾性膜(絶縁膜)25を形成する場合について説明したが、これに限らず、弾性膜25は、絶縁機能を有し、圧電アクチュエータの機能を損なわなければ、形成材料は特に限定されず、また一層構造、三層構造以上等、任意に決定することができる。
また、本実施の形態では、上電極形成用膜15を形成するためにイオンを打ち込んだが、このイオンは、前述したように、例えば、Ir、Pt、W、Ta、Mo等の一種のイオンを打ち込む他、Mo/Si、W/Si、Ti/N、Ti/W等の二種のイオンを打ち込んでもよい。そしてまた、上電極形成用膜15の下層部分に、第1のイオンを所望の濃度で打ち込み、その上層(表面側)に第2のイオンを第1のイオンよりも高濃度で打ち込んでもよい。この場合、第1のイオンと第2のイオンは、異なったイオンでもよく、同一のイオンでもよい。また、イオン打ち込み(注入)条件は、前述した条件に限定されるものではなく、所望により決定することができる。
また、本実施の形態では、圧力発生室30内に収容されるインクに対する耐性を有した保護膜としてSiO2膜33を形成した場合について説明したが、これに限らず、この保護膜は、例えば、SiNX膜、TaOX膜等、その形成材料は、任意に選択することができる。また、異なった材料膜からなる多層構造とすることもできる。
本実施の形態では、このような液体噴射ヘッド(インクジェット式記録ヘッド)に液体吐出手段として搭載されるアクチュエータだけでなく、あらゆる装置に搭載されるアクチュエータ装置に適用することができる。例えば、アクチュエータ装置は、上述したヘッドの他に、センサー等にも適用することができる。また、本実施の形態では、液体噴射ヘッドとしてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドを一例として説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド及び液体噴射装置全般を対象としたものである。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を挙げることができる。
本発明の好適な実施の形態にかかる圧電アクチュエータを備えた液体噴射ヘッドの分解斜視図である。 図1に示す液体噴射ヘッドの圧電アクチュエータ付近の一部を示す平面図である。 図1に示す液体噴射ヘッドの製造工程の一部を示す断面図である。 図1に示す液体噴射ヘッドの製造工程の一部を示す断面図である。 図1に示す液体噴射ヘッドの製造工程の一部を示す断面図である。 図1に示す液体噴射ヘッドの製造工程の一部を示す断面図である。 図1に示す液体噴射ヘッドの製造工程の一部を示す断面図である。 図1に示す液体噴射ヘッドの製造工程の一部を示す断面図である。 図1に示す液体噴射ヘッドが搭載されたインクジェット式記録装置の概略を示す斜視図である。
符号の説明
10 流路形成基板、 11 SiO2膜、 12 ZrO2膜、 13 下電極、 14 圧電体膜、 15 上電極形成用膜、 16 圧電体層、 17 上電極、 25 弾性膜、 30 圧力発生室、 100 圧電アクチュエータ

Claims (5)

  1. 絶縁膜及び当該絶縁膜上に形成された下電極を含む振動板と、当該振動板上に形成された圧電体層と、当該圧電体層上に形成された上電極と、を備えた圧電アクチュエータの製造方法であって、
    基板上に絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜上に下電極を形成する工程と、
    前記下電極上に圧電体膜を形成する工程と、
    前記圧電体膜の一部にイオンを打ち込み、上電極形成用膜を形成する工程と、
    前記圧電体膜及び上電極形成用膜をパターニングし、圧電体層及び上電極を形成する工程と、
    を含んでなる圧電アクチュエータの製造方法。
  2. 前記上電極形成用膜の表面部が、その下面部よりも高濃度となるように、前記イオンの打ち込みを行う請求項1記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2記載の圧電アクチュエータの製造方法により製造されてなる圧電アクチュエータ。
  4. 請求項3に記載の圧電アクチュエータと、
    前記圧電アクチュエータの機械的変位によって内容積が変化する圧力発生室と、
    前記圧力発生室に連通して液滴を吐出する吐出口と、
    を備えた液体噴射ヘッド。
  5. 請求項4記載の液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドを駆動する駆動装置と、
    を備えた液体噴射装置。

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