JP2006221983A - 荷電粒子発生装置と荷電粒子発生装置用エミッタ温度決定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ウエネルト電極における放電を抑制してLaB6 等のエミッタを長期にわたり安定に使用することができ、エミッタの長寿命化及び動作の安定化をはかる。
【解決手段】 荷電粒子を放出するエミッタ11と、このエミッタ11を加熱するための加熱電源15と、エミッタ11との間に加速電圧が印加され、エミッタ11から放出された荷電粒子を外部に引き出すための陽極13と、エミッタ11からの荷電粒子の放出量が一定となるように、エミッタ11との間にバイアス電圧が印加されるウエネルト電極12と、を備えた荷電粒子発生装置において、バイアス電圧の時間的変化率が所望の範囲内となるように、加熱電源を制御してエミッタ11の設定温度を調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子ビーム描画装置や走査型電子顕微鏡等に用いられる荷電粒子発生装置、更には荷電粒子発生装置におけるエミッタの温度を決定するためのエミッタ温度決定方法に関する。
荷電粒子発生装置の一形態である電子銃の構造としては、図6に示すものが知られている。図中の11はエミッタ、12はウエネルト電極、13は陽極、14はヒータ,15は加熱電源、16は加速電源、17はバイアス電源、19は電子を示している。エミッタ11は、熱電子放出型電子銃においては、LaB6 結晶などで形成されている。
このような電子銃において、エミッタ11の電位を基準にして、ウエネルト電極12にはマイナス数百から千数百Vの電圧、陽極13には数十kVの加速電圧がそれぞれ印加される。そして、加熱電源15から電力を与えてエミッタ11を加熱することによりエミッタ11から放出された電子19は、ウエネルト電極12と陽極13が作る電界によって加速され最終的に加速電圧まで達したのち、電子ビームとして所期の目的に利用される。エミッタ11から放出される電子の単位時間当たりの電荷量を、以下エミッション電流という。加熱電源15の電力を変えるとエミッタ温度を変えることができる。
図7は、図6に示すような熱電子放出型電子銃において、ウエネルト電極の印加電圧(以下バイアス電圧という)を一定にしたときの、エミッタ温度に対するエミッション電流の大きさを示す説明図である。エミッタ11から放出される電子19の数は、ある温度まではエミッタ温度の上昇と共に増大し、温度が高いほどエミッション電流も大きくなる。この温度領域を図7のAで示す温度制限領域という。ある温度を越えると、放出された電子自身が電界を弱め、温度を上げてもエミッション電流は一定となる。この温度領域を図7のBで示す空間電荷制限領域という。バイアス電圧は、負に大きいほどエミッタ11から陽極13に向かって放出される電子の数を制限する効果があり、エミッタ温度一定のままエミッション電流を調節する役割を果たしている。
荷電粒子発生装置において大きな一定のエミッション電流を安定して発生させるための重要なパラメータの一つが、エミッタ温度である。その決定方法は、図7のBの領域、即ち、エミッタ温度が変化することがあっても電流量は変化しづらく、安定した電流の得られる空間電荷制限領域の中で、エミッタ材料の蒸発速度を小さくできる低温側、即ち図7のCの部分を、エミッタ温度に決定している(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−205688号公報
しかしながら、上記した従来の方法で決めた温度で電子銃を使用すると、以下に示すような理由により、ウエネルト電極に放電が発生するという問題があった。即ち、熱電子を放出させるために、加熱電力を与えたヒータ14を介してエミッタ11を加熱すると、エミッタ材料であるLaB6 が蒸発する。蒸発したLaB6 は残留空気中の酸素と結合し絶縁体となる。蒸発物はウエネルト電極12に付着し堆積していく。絶縁付着物上に正イオンが帯電し、帯電量がある許容量を越えるとウエネルト電極12と正イオンの間で放電を引き起こす、という問題があった。
ここで、エミッタ温度を十分に高くすると、放電の発生を抑制することが可能ではあるが、この場合はエミッタとしてのLaB6の蒸発が速くなり、結果としてエミッタ寿命の低下を招くことになる。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、ウエネルト電極における放電を抑制してLaB6 等のエミッタを長期にわたり安定に使用することができ、エミッタの長寿命化及び動作の安定化をはかり得る荷電粒子発生装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、荷電粒子発生装置に用いられるエミッタの温度を最適に設定することができ、ウエネルト電極における放電の発生を防止し、且つエミッタの長寿命化に寄与し得る荷電粒子発生装置用エミッタ温度決定方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、次のような構成を採用している。
即ち、本発明の一態様は、荷電粒子発生装置において、荷電粒子を放出するエミッタと、このエミッタを加熱するための加熱電源と、前記エミッタとの間に加速電圧が印加され、該エミッタから放出された荷電粒子を外部に引き出すための陽極と、前記エミッタからの荷電粒子の放出量が一定となるように、該エミッタとの間にバイアス電圧が印加されるウエネルト電極と、前記バイアス電圧の時間的変化率が所望の範囲内となるように、前記加熱電源を制御して前記エミッタの設定温度を調整する手段と、を具備してなることを特徴とする。
また、本発明の別の一態様は、荷電粒子を放出するエミッタと、このエミッタを加熱するための加熱電源と、前記エミッタとの間に加速電圧が印加され、該エミッタから放出された荷電粒子を外部に引き出すための陽極と、前記エミッタからの荷電粒子の放出量が一定となるように、該エミッタとの間にバイアス電圧が印加されるウエネルト電極とを備えた荷電粒子発生装置において、前記エミッタの温度を決定するために、前記バイアス電圧の時間的変化率が所望の範囲内となるように、前記加熱電源を制御して前記エミッタの設定温度を調整することを特徴とする。
本発明によれば、バイアス電圧の時間的変化率が所望の範囲内となるように、加熱電源を制御してエミッタの設定温度を調整することにより、エミッタを最適温度に設定することができる。このため、ウエネルト電極における放電を抑制してLaB6 等のエミッタを長期にわたり安定に使用することができ、エミッタの長寿命化及び動作の安定化をはかることができる。
発明の実施形態を説明する前に、本発明の基本原理について説明する。
前記図6に示す熱電子放出型電子銃のような荷電粒子発生装置において、エミッタ温度を変えたときのウエネルト電極12への付着物及び帯電の様子を模式的に、図5に示す。熱電子放出型電子銃のウエネルト電極付着物を31、付着物31に帯電した正イオンを32とする。ウエネルト電極12は加熱されたエミッタ11からの放射等によって間接的に熱せられる。付着物31の電気伝導度は付着時のウエネルト電極12の温度で決まる。ウエネルト電極12の温度が低い場合、付着物31は絶縁性となる。ウエネルト電極12の温度が高い場合は導電性となる。中間の温度では付着物31は半導電性となる。この理由はウエネルト電極12の温度によりLaB6 と酸素が結合する度合いが異なるためである。
図5(a)はエミッタ温度が低い場合である。エミッタ温度が低いときはウエネルト電極12の温度も低いため付着物31は絶縁性となる。ウエネルト電極12にはマイナスの電圧が印加されているので、ウエネルト電極12付近の空間にある正イオン32はウエネルト電極12に引き寄せられ付着物31に帯電する。エミッタ11を加熱し続けると時間経過と共に絶縁性の付着物31は増加し、これに伴い正イオン32も時間の経過と共に増加する。この状態でエミッション電流を一定にするためには、バイアス電圧を時間と共にマイナス方向に増加させる必要がある。
図5(c)はエミッタ温度が高い場合である。エミッタ温度が高いときはウエネルト電極12の温度も高いため付着物31は導電性となる。ウエネルト電極12付近の空間にある正イオンはウエネルト電極12に引き寄せられるが、付着物31が導電性であるため付着物上の正イオン32は時間と共に減少する。この状態でエミッション電流を一定にするためには、バイアス電圧を時間と共にプラス方向に増加させる必要がある。
図5(b)はエミッタ温度が図5(a)と図5(c)の中間にある場合である。このとき付着物31は半導電性となり、付着物31上の正イオン32の数は時間に依存せず一定となる。この状態でエミッション電流を一定にするためには、バイアス電圧は一定にする必要がある。以上よりバイアス電圧の時間的変化率を測定することにより付着物31上の正イオン32の数の増減を知ることができる。ここで、バイアス電圧の時間的変化率は、電子の放出量を一定とした状態におけるバイアス電圧の時間的変化率である。
本発明は上記の現象を利用し、付着物31上の正イオン32の数を、放電を起こさない許容値以下にするものであり、以下にその手法を説明する。
まず、エミッタ温度を低く設定してバイアス電圧の時間的変化率を実験的に測定し、次にエミッタ温度を高く設定して同様のデータを測定する。そして、エミッタ温度とバイアス電圧の時間的変化率の比例関係を利用してバイアス電圧変化率がゼロになるときのエミッタ温度を前記2点の実験値から内挿法で求め、これをエミッタ温度設定値として決定する。この温度では、バイアス電圧値の時間的変化率がゼロになり、付着物31上の正イオン32の数が時間経過によらず一定となる。この状態では従来問題となっていた正イオン32に起因する放電は起こらない。
また、加熱機構を動作させウエネルト電極12の温度を凡そ600℃以上になるように加熱すると、加熱されたウエネルト電極12に付着するときの付着物31の電気伝導度が導電性となり、付着物31上の正イオン32は時間と共に減少するので、正イオン32に起因する放電は起こらない。このように本発明においては、上記の決定方法を採用することにより、荷電粒子発生装置を長時間使用してもウエネルト電極12に正電荷が堆積することがなく、放電を防止し装置を安定に運転し続けることができる。
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる荷電粒子発生装置を示す概略構成図である。本実施形態においては、荷電粒子発生装置などに用いる加速電圧50kVの熱電子放出型電子銃に適用した例を示している。
図1において、電子銃は、電子を放出するエミッタ(陰極)11,エミッタ11から放出される電子の量を制御するウエネルト電極(グリッド電極)12、加速エネルギーを与えるための陽極13から構成されている。エミッタ11に接してヒータ14が設けられ、このヒータ14が加熱電源15により加熱されるようになっている。エミッタ11とウエネルト電極12との間には、バイアス電源17が接続され、エミッタ11と陽極13との間には加速電源16が接続されている。
ここまでの基本構成は従来と同じであるが、本実施形態ではこれに加え、バイアス電圧を常時モニタし記録するモニタ機構21を設け、このモニタ機構21によるモニタ出力に応じて加熱電源15を制御し、エミッタ温度を最適に設定するようにしている。エミッタ温度の設定方法は、次の通りである。
まず、エミッタ加熱電力とエミッタ温度の対応表から、エミッタ製造会社の推奨する、例えば1500℃に相当する加熱電力値を調べる。次に、それよりも低い電力値(例えば、1500℃相当電力値−2W)に、低温側設定値としてエミッタ加熱電源の電力値を設定する。このときの温度を、例えばTa℃とする。また、加速電源の電圧値を−50kVに設定し、さらにエミッション電流が常に200μAを保つようにバイアス電圧が自動的に調整されるモードに設定する。そして、エミッション電流を出力した状態で長時間(例えば、1日間)、バイアス電圧をモニタし記録する。バイアス電圧は、エミッション電流を一定に保つために直線的にマイナス方向に増加していくので、記録後、単位時間あたりの電圧変化量として算出することができる。この値を、低温側設定値におけるバイアス電圧の時間的変化率とし、例えばaとする。
次に、エミッタ加熱電力値を、1500℃相当電力値よりも高い値(例えば、1500℃相当電力値+2W)に、高温側設定値としてエミッタ加熱電源の電力値を設定する。このときの温度を、例えばTb℃とする。加速電圧、エミッション電流、バイアス電圧のモードも前記と同様に設定し、エミッション電流を出力した状態で長時間、バイアス電圧をモニタし記録する。バイアス電圧は直線的にプラス方向に増加していく。これを単位時間あたりの電圧変化量として算出する。この値を、高温側設定値におけるバイアス電圧の時間的変化率とし、例えばbとする。
図2は、低温側設定値、高温側設定値で得た、バイアス電圧の時間的変化率を横軸エミッタ温度、縦軸バイアス電圧の時間的変化率とした二次元グラフ上にプロットしたものである。低温側設定値によるものが点A、高温側設定値によるものが点Bである。そして、点Aと点Bを直線で結ぶ。図2のグラフの横軸、即ちバイアス電圧の時間的変化率がゼロの線と、前記直線との交点がCである。点Cにおける温度Tcは、前記Ta,Tb,a,bを用いて
Tc=(b×Ta−a×Tb)/(b−a)℃ …(1)
となる。
バイアス電圧の時間的変化率がゼロとなる温度Tcに対応する電力にエミッタ加熱電源15を設定する。前記と同様に加速電圧、エミッション電流、バイアス電圧のモードを設定し、エミッション電流が出力された状態で長時間、バイアス電圧をモニタし記録する。得られたバイアス電圧の時間的変化率を図2の二次元グラフ上にプロットすると、点Dとなり、確かにバイアス電圧の時間的変化率はほぼゼロとなった。
このように長時間運転してもバイアス電圧値が殆ど変化しないということは、ウエネルト電極12への絶縁物の付着による帯電量の増加が殆どないことを示している。また、必要以上の高温設定によって、蒸発によるエミッタ11の寿命の短縮を招く恐れもない。従って、寿命が長く放電する恐れのない、最適なエミッタ温度として決定された。
図3は、エミッタの寿命特性を示す図である。前記図6に示した従来の熱電子放出型電子銃(図中の波線で示す)では、使用時間が長くなると放電が発生し、これがエミッタ寿命となる。これに対し本実施形態のように、バイアス電圧の時間的変化率が小さくなるようにエミッタ温度を上昇させると、先の使用時間を過ぎても放電が発生することはなく、LaB6 が蒸発するまで使用することができた。即ち、エミッタ寿命を長くすることができた。
このように本実施形態によれば、ウエネルト電極12に加わるバイアス電圧をモニタするモニタ機構21のモニタ結果に応じて加熱電源15を制御し、エミッタ11の温度を最適に調整することにより、ウエネルト電極12における放電を抑制してLaB6 エミッタ11を長期にわたり安定に使用することができる。即ち、エミッタ11の長寿命化及び動作の安定化をはかることができる。
ここで、エミッタ11の設定温度は必ずしも上記(1)式で定義される値にする必要はなく、電子銃の想定使用時間におけるバイアス電圧の上昇値が許容範囲内となるようにすればよい。これは、放電がバイアス電圧の変化量により決まるためである。
より具体的には、エミッタ11の設定温度は、バイアス電圧の時間的変化率Hが、H≦(許容バイアス電圧上昇値)/(想定使用時間)となるように制御すればよい。このためには、一般に、バイアス電圧の時間的変化率が1日あたり−5.0〜+5.0Vの範囲内となるようにエミッタの温度を決定すればよい。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係わる荷電粒子発生装置を示す概略構成図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
本実施形態が先に説明した第1の実施形態と異なる点は、ウエネルト電極12を加熱するヒータ等の加熱機構23を設けたことである。ここで、前記図5に示したように、ウエネルト電極13の温度はウエネルト電極12への付着物31及び正イオン32の量に多大な影響を与える。
本発明者らの実験によれば、ウエネルト電極12の温度を600℃以上になるように加熱すると、加熱されたウエネルト電極12に付着するときの付着物31の電気伝導度が導電性となり、付着物31上の正イオン32は時間と共に減少するので、正イオン32に起因する放電は起こらない。従って、加熱機構23はウエネルト電極12を600℃以上まで加熱できるものとした。
このような構成であれば、ウエネルト電極12は、エミッタ11からの間接的な加熱のみではなく、加熱機構23により直接的に加熱されることになる。従って、バイアス電圧の時間的変化率を小さくするためにエミッタ温度を上昇させる必要がある場合、第1の実施形態の場合よりもエミッタ温度を低い値に設定することができる。これは、エミッタ11の長寿命化により有効となる。
従って本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られるのは勿論のこと、エミッタ11の更なる長寿命化をはかることができる。
(変形例)
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。実施形態ではエミッタをヒータにより加熱したが、これに限らずエミッタ自体を抵抗加熱しても良いし、更には誘導加熱や赤外線加熱などを利用することもできる。
実施形態では、エミッタ温度の低温側設定値として1500℃相当電力値−2W、高温側設定値として1500℃相当電力値+2Wとした場合について説明したが、この温度には何ら限定されない。但し、エミッタ材料がLaB6 の場合には、最高でも1550℃を越える温度設定はエミッタを破壊する恐れがあるため、この温度を越えないように注意する必要がある。
また、実施形態においては、加速電圧−50kV、エミッション電流200μAとしたが、これらの電圧、電流値には何ら限定されない。
また、実施形態においては、特定の形状のLaB6 エミッタと特定の形状のウエネルト電極を使用した場合について説明したが、LaB6 エミッタの先端径や角度、形状の異なるウエネルト電極を使用した場合にも本発明は適用することができる。さらに、エミッタはLaB6 に限るものではなく、安定に電子を発生するものであればよい。
また、実施形態では、エミッタから電子を取り出す電子銃の例を説明したが、本発明は電子銃に限らず、エミッタ(カソード)から放出されるイオンをウエネルト電極(グリッド電極)で制御する構成のイオン銃に適用することも可能である。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
第1の実施形態に係わる荷電粒子発生装置を示す概略構成図。 エミッタ温度とバイアス電圧の時間的変化率の関係を示す図。 エミッタの寿命特性を示す図。 第2の実施形態に係わる荷電粒子発生装置を示す概略構成図。 エミッタ温度を変えたときのウエネルト電極への付着物及び帯電の様子を示す模式図。 従来の荷電粒子発生装置を示す概略構成図。 荷電粒子発生装置におけるエミッション特性、特に温度制限領域と空間電荷制限領域を説明するための図。
符号の説明
11…エミッタ
12…ウエネルト電極
13…陽極
14…ヒータ
15…加熱電源
16…加速電源
17…バイアス電源
19…エミッタから放出される電子
21…モニタ機構
23…加熱機構
31…付着物
32…正イオン

Claims (7)

  1. 荷電粒子を放出するエミッタと、
    このエミッタを加熱するための加熱電源と、
    前記エミッタとの間に加速電圧が印加され、該エミッタから放出された荷電粒子を外部に引き出すための陽極と、
    前記エミッタからの荷電粒子の放出量が一定となるように、該エミッタとの間にバイアス電圧が印加されるウエネルト電極と、
    前記バイアス電圧の時間的変化率が所望の範囲内となるように、前記加熱電源を制御して前記エミッタの設定温度を調整する手段と、
    を具備してなることを特徴とする荷電粒子発生装置。
  2. 前記エミッタの設定温度を調整する手段は、前記エミッタの温度がTaの時のバイアス電圧の時間的変化率aと、前記エミッタの温度がTb(>Ta)の時のバイアス電圧の時間的変化率bとの関係から、バイアス電圧の時間的変化率が0となるエミッタ温度を、
    Tc=(b×Ta−a×Tb)/(b−a)℃
    として求め、エミッタ温度がTc近傍となるように前記加熱電源を制御するものであることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子発生装置。
  3. 前記エミッタの設定温度を調整する手段は、前記バイアス電圧の時間的変化率Hが、H≦(許容バイアス電圧上昇値)/(想定使用時間)となるように前記エミッタの設定温度を決定するものであることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子発生装置。
  4. 前記エミッタの設定温度を調整する手段は、前記バイアス電圧の時間的変化率が1日あたり−5.0〜+5.0Vの範囲内となるように前記エミッタの温度を決定するものであることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子発生装置。
  5. 前記バイアス電圧の時間的変化率を測定するモニタ手段を設けてなることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子発生装置。
  6. 前記ウエネルト電極を600℃以上まで加熱する加熱手段を設けてなることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子発生装置。
  7. 荷電粒子を放出するエミッタと、このエミッタを加熱するための加熱電源と、前記エミッタとの間に加速電圧が印加され、該エミッタから放出された荷電粒子を外部に引き出すための陽極と、前記エミッタからの荷電粒子の放出量が一定となるように、該エミッタとの間にバイアス電圧が印加されるウエネルト電極とを備えた荷電粒子発生装置において、
    前記エミッタの温度を決定するために、前記バイアス電圧の時間的変化率が所望の範囲内となるように、前記加熱電源を制御して前記エミッタの設定温度を調整することを特徴とする荷電粒子発生装置用エミッタ温度決定方法。
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