JP2006220705A - 赤外線ハイブリッドレンズ及び赤外線ハイブリッドレンズの製造方法 - Google Patents

赤外線ハイブリッドレンズ及び赤外線ハイブリッドレンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
赤外線レンズには、ゲルマニウム(Ge)が広く利用されている。Geは、屈折率が高く、屈折率の波長分散が少ないので、レンズ材料として、適している。しかし、希少資源のために材料そのものが高価であり、赤外線レンズのコスト低減に妨げになっている。
【解決手段】
ZnSやSiをレンズ基材として、その表面に回折面・非球面を賦与した赤外線透過ガラスであるカルコゲナイドガラスを薄肉レンズ層として一体化させた安価な赤外線ハイブリッドレンズを提供する。予め機械加工等で加工されたレンズ基材にモールドプレス成形によりカルコゲナイドガラスを融着一体化させて製造する。同時にカルコゲナイドガラスの表面に回折面又は非球面をレンズ型の転写により形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、赤外線カメラ、赤外線検出器の光学系に用いられる赤外線レンズに関する。
赤外線は、温度計測や火災検知、人体検知、サーモグラフィー等広く利用されている。その赤外線検出器は、焦電型の単素子センサを初めとして、複数の画素を配列させたイメージセンサ等様々な形態で製造されている。近年、半導体技術を利用したSiボロメータやサーモパイル素子等、大量生産によるコストダウンが見込めるイメージセンサが開発されており、自動車、家電、ホームセキュリティ分野への本格的な製品展開が検討されている。
自動車分野では、夜間走行支援、歩行者検知、死角の幼児等人体検知、車室内の人体検知(人体大きさ、皮膚温度等)等のアプリケーションが検討されている。家電においては、多画素化により、エアコンのより高度な制御や電子レンジ内の精密な温度分布制御が可能となる。
本発明は、人体又はそれに準ずる温度の被写体から放射される8〜12μm波長帯の赤外線を検知する赤外センサシステムの赤外線レンズに関するものである。
波長8〜12μmの赤外光を透過する光学材料として、ゲルマニウム(Ge)、硫化亜鉛(ZnS)、シリコン(Si)、ZnSe等が知られている。
上記赤外光学材料を特性別に比較する。第一に各材料の屈折率は、波長10μmにおいて、Geが4.003、ZnSが2.200、Siが3.422、ZnSe2.41である。同じレンズパワーを持たせる場合、屈折率の大きい方がレンズの曲率半径を大きくすることができるため、レンズ性能を低下させる3次収差(球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲)の発生を抑制できる。屈折率の面から、Geが有利である。
第2に屈折率の波長依存性について、比較する。屈折率の波長依存性が大きいと波長毎に焦点が変化するために色収差が発生する。波長依存性を表す指標として、アッベ数がある。元々可視光で定義された光学定数でνd=(nd−1)/(nF−nC)で表される。因みに添え字はd線(588nm)、F線(486nm)、C線(656nm)を表し、nd,nF,nCはその波長(ν)での屈折率を示す。
赤外線分野では、波長10μm帯に拡張されたアッベ数を次式で定義する。
ν8-12=(n10−1)/(n8−n12)
各材料のν8-12は、Geが1000,ZnSが23、ZnSeが58である。Siは、正確なν8-12は得られないが、11μm以上の吸収が大きく、Geに及ばない。色収差の面でも、Geが有利である。
Geは優れた赤外光学材料であって、球面レンズの組合せで、色収差、3次収差を実用レベルまで補正することができる。このような理由から、従来の赤外線撮像レンズはGeが使われることがほとんどである。
その他の材料パラメータに屈折率の温度依存性がある。通常、dn/dTで表記される。波長10μm、20℃のdn/dTは、Geが396ppm、ZnSが41ppm,Siが150ppm(但し波長4μmの値)、ZnSeが61ppmである。dn/dTが大きいと温度の変化により、解像力等レンズ性能が低下するので、温度変化に対する装置上の考慮が必要である。温度変化に対しては、ZnS又はZnSeが有利である。
次に材料コストが上げられる。Geは、希少資源であるから、高価である。又、年間採掘量も限られており、将来的に原料の枯渇が懸念されている。ZnS、Siは、豊富な資源があり、入手も容易である。赤外レンズの大量生産、幅広い製品普及を考えると、ZnS又はシリコンが有利である。
又、製造時の加工コストに効く因子として、材料の加工性がある。レンズの加工方法は、球面レンズは、ダイヤモンド砥石による球面研削とダイヤモンド等の遊離砥粒を用いた球面研磨で作製される。非球面及び回折レンズの製作には、高価な超精密加工機を用いて、特殊な高精度単結晶ダイヤモンドバイトによる超精密切削等で製作される。このような加工に対する加工性を簡易に示すパラメータとして、材料の硬度が上げられる。各々のビッカース硬度は、Geが850,ZnSが230,Siが1150,ZnSeが105である。Si、Geは、加工しにくく、ZnS,ZnSeは加工性が良い。
その他の赤外光学材料として、ゲルマン酸塩ガラス、フッ化物ガラス、カルシウムアルミネートガラス等が赤外線透過ガラスとして利用されている。その中でもカルコゲナイドガラスを中心とした赤外線透過ガラスがある。カルコゲナイドガラスは、S,Se,Teを主体としたガラスでその他Ge,As,Sb、P、Si、Tl,Pb,Br,I等が構成要素となる。
8〜12μm波長帯を透過するカルコゲナイドガラスは、As−S系、Ge−Sb−Se系、Ge−As−Se系、Ge−Se系等が実用化されている。特にGeを含有するものは、8〜12μm波長帯の光学特性が良い。
カルコゲナイドガラスの光学材料の特徴は、光学特性及び機械的特性も同じカルコゲナイド化合物であるZnS,ZnSeに近い。一つの大きな特徴は、カルコゲナイドガラスはガラス軟化点が低いことであり、温度400℃以下で塑性変形させることが可能である。そのような性質を利用して、型によるプレス成形が試みられている。
特開2001−141993号
特許文献1は、ゲルマニウムを素材とした2枚組の赤外フレネルレンズの発明であって、構成する2つのレンズのパワー配分を限定することにより、十分なバックフォーカスと非点収差、像面彎曲を抑制するレンズ間隔の条件を見出している。ゲルマニウムの使用量を少なくするためにフレネルレンズとして、薄肉化を図り、材料を節減している。この節減により、レンズコストを安価に抑えるとしている。このレンズは、精密旋盤加工、エッチング、プレス成形等で作製できるとしている。本発明においては、実施例として具体的な手段は開示されていない。又、波長分散の少ないGeを使用しているので、色収差を補正する工夫はなされていない。
特開2003−295052号
特許文献2は、Geより安価な硫化亜鉛(ZnS)を材料とした2枚組の赤外レンズを提案している。2枚レンズの表面に回折面を形成し、非球面も用いている。回折現象特有の負の波長分散効果を利用し、ZnSに顕著に現れる色収差を補正できることが示されている。加工は超精密旋盤による切削加工により行い、回折環での透過損失を低減する形状の工夫がされている。コスト低減に対する言及はされていない。
Comparison of performances between GASIR moulded optics and existing IR optics ; Proc. SPIE Vol.5406,p114-120 Yann M. Guimond et al.
非特許文献3は、カルコゲナイドガラスを用いた赤外回折レンズの事例が示されている。本文献でのカルコゲナイドガラスは、GeAsSe系及びGeSbSe系である。このレンズは、モールド成形で作製されている。レンズ表面は、色収差を補正するために回折面となっている。
赤外線カメラのレンズ材質としては、ゲルマニウムが最も優れている。8〜12μmの赤外光を良く透過し、屈折率が大きいので3次収差(球面収差、コマ、非点収差、像面湾曲、)を低く抑えやすい。又、波長分散が小さく、色収差も元々低く抑えられる。従って、産業用、軍事用問わず、赤外線カメラシステムにGeが広く採用されている。Geは、そのような利点を多々有するが、希少資源であり、埋蔵量も限られている。従って、材料そのものも高価であり、今後普及が期待される自動車分野、家電分野への適用は課題が多い。
前述の特許文献1では、フレネルレンズを使用することにより、Ge使用量の削減を図っている。しかし、厚みはレンズ単体の剛性を考えると薄肉化に限界があり、材料費の低減も大きくない。一方、加工について、一手法であるエッチング加工は、Geウエハに適用しやすいが、現有設備技術では加工コストは必ずしも安価でない。モールド成形による加工は、コスト低減できる可能性が高いが、現在行われているモールド成形ガラスよりも軟化点が高いため、型の材質・耐久性に課題を残している。超精密旋盤による加工は、Geの硬度が高いため、長い加工時間を要し、コスト削減は望めない。従って、大量生産品への適用に関して、課題が多い。
特許文献2は材料コストを下げるためにZnSを素材とした赤外レンズを提案している。ZnSは良質な赤外透過材料で安価であるが、屈折率の波長分散が大きく、球面レンズでは色収差が大きい。波長分散は、材料固有の問題であるから、ZnSの球面/非球面レンズのみの組合せで色収差を補正することは難しい。近年実用化されている回折面は、光の回折現象が、長波長ほど回折角が大きいため、回折面を透過した光は負の波長分散を有するように作用する。この回折面の適用によって、色収差を補正している。このレンズは超精密旋盤による切削加工で製作されるとされている。超精密旋盤加工は加工時間を必要とする手法であるが、ZnSは結晶材料の中でも軟質なので、非球面であればダイヤモンドツールの工夫により相応の時間短縮が望める。しかし、回折面の加工は、先端の尖った破損しやすい繊細な特殊なツールを使用するので、加工時間の短縮は難しく、大量量産に向いていない。エッチング加工も、平面でなく球面上への加工をするとなると、技術はできていない。
非特許文献3では、Geを含有するカルコゲナイドガラスでモールド成形により赤外回折レンズが紹介されている。モールド成形で作製されることから、回折面/非球面を形成することにより、3次収差及び色収差を補正されたと報告されている。該当するカルコゲナイドガラスは、Geを20%以上含有するため、原料コストが安価でなく、結果として、コスト低減に十分でない。
これから普及が期待される自動車分野、家電分野に適用するために、安価で実用的なレンズ性能を有し、大量生産に適した赤外線レンズが求められている。
前記課題を解決するためには、原料コストの安価な材料を用いて、安価で大量生産に適した製造プロセスで作製することが必要である。
この課題を解決するために、本発明は、赤外線を透過するレンズ基材と、その少なくとも片面に赤外線透過ガラスからなる薄肉レンズ層が一体化されていることを特徴とする。安価なZnS又はSiをレンズ基材とし、その表面に赤外線透過ガラスである、カルコゲナイドガラスを用いた薄肉レンズ層を設けた構造のハイブリッドレンズとするのが好ましい。レンズ基材の表面は、加工が容易な球面或いは非球面とし、薄肉レンズ層は回折面又は非球面を持ち、全体として色収差、3次収差を低減させた赤外線レンズとなる。機能の異なる2つの要素が一体化し、初めてコストを低減することができる。
本発明において、赤外線を透過するレンズ基材は、ZnS又はSiである。いずれも資源が豊富で入手が容易な材料である。光学用途のZnSは、CVD法(化学気相法)、粉末焼結法等で製造される。Siは高純度原料を溶融固化して製造される。具体的には、CZ法(チョクラルスキー法)や酸素含有量を抑えるFZ法(浮遊帯法)で製造される。ZnS、Siの基材は、光学ガラスと同様に研削・研磨等により球面レンズとするのが最も安価である。但し、ZnSの場合、硬度が低いので超精密旋盤による加工や高温下でのモールド成形を用いれば、比較的安価に非球面を得ることができる。非球面を採用するとレンズ仕様により、素材体積を少なくできる場合がある。
薄肉レンズ層は赤外光学材料として、ゲルマン酸塩ガラス、フッ化物ガラス、カルシウムアルミネートガラス等が赤外線透過ガラスとして利用されているが、ゲルマン酸塩ガラスはGeを含むため高価であり、フッ化物ガラスは光ファイバー等にも用いられるが、耐湿性の点で本発明には構造上の制限を受ける。
カルシウムアルミネートガラスは、波長8〜12μmで吸収が大きく、課題が多い。ここではカルコゲナイドガラスを用いるのが良い。モールドプレス前の薄肉レンズ層は、不純物混入を防げれば、円板、塊状、粒状、粉末成形体など形状は問わない。ここで用いるカルコゲナイドガラスはS,Se,Teを主成分とするガラスで、特にGeを含有するものは赤外光を良く透過し、8〜12μm波長帯用の光学材料として、適している。カルコゲナイドガラスの軟化点はガラス組成により異なるが、200〜400℃程度である。ガラスを軟化点以上に昇温すると容易に変形する。一方、レンズ基材であるZnS及びSiはこの温度で軟化することはないので、レンズ基材が変形することはない。
従って、ガラス軟化点以上の高温下でカルコゲナイドガラス賦形材とレンズ基材をモールド成形すると、カルコゲナイド賦形材は、レンズ型とレンズ基材の間でプレス成形される形となるので、各々の形状が転写される。モールドプレス時にレンズ型を回折面とすることにより、カルコゲナイドガラス外表面に回折面を形成することができる。このようにモールドプレス成形は、型形状を転写するので回折面や非球面を容易に形成できる。従って、超精密旋盤などと比較して、生産性は格段に良く、加工コストを抑えることができる。
以下、代表的な形態である片面に薄肉レンズ層を融着したハイブリッドレンズについて、説明する。
模式図を図1に示す。
レンズ基材1と薄肉レンズ層2が融着一体化された構造となっている。レンズ基材1は、ZnS又はSiを基本とし、面Sと面Sから構成される。S,Sは球面又は非球面である。薄肉レンズ層2は、赤外線透過ガラスで、面Sと面Sから構成される。面Sは、モールドプレス成形により、レンズ型の形状が転写された面である。面Sは、図1では回折面を示すが、回折面又は非球面としてもよく、各種収差を補正する機能を担っている。
即ち、レンズ基材は、安価なZnSやSiを材料として、大量生産に向く安価な加工プロセスで作製され、レンズ単体の剛性と大まかなレンズパワーを決める役割を果たす。一方、薄肉レンズ層は、高価なGe成分を含有するカルコゲナイドガラスであり、低い温度で軟化する特徴を活かし、回折面・非球面を容易にプレス成形で形成させる。薄肉レンズ層は、安価なプロセスで加工されたレンズ基材が補正できなかった収差を、回折面等を簡易に形成できる安価なモールド成形プロセスで形成し、レンズ性能を大きく向上させる役割を果たしている。
Ge含有量を下げるために、極力薄肉化し、材料コストを抑えることが肝要である。構成として、薄肉レンズ層は、必ずしも対物レンズにある必要はなく、図2のように像面側にあっても勿論良い。又、薄肉レンズ層は片面に限定することなく、図3の通り、両面に形成されていても良い。
本発明のレンズに含有されるGe量は、薄肉レンズ層の体積とカルコゲナイドガラスの組成で決定される。薄肉レンズ層の体積分率は全レンズの25%以下であることが望ましく、Ge含有量は40%以下であることが望ましい。従って、Ge含有量は全レンズの10体積%以下となる。
前記赤外線ハイブリッドレンズは、図5及び図6を参照して次のような製造方法によって作成される。
赤外線を透過するレンズ基材1は、ZnS又はSiを用いるのが良い。レンズ基材は、設計されたレンズデータに基づき、従来のレンズ製造技術より作製する。球面形状とすることがコスト面、大量生産の面で適している。
薄肉レンズ層2を成形するための原料素材として、赤外線透過ガラスを用いるが、カルコゲナイドガラス賦形材を用いると良い。本カルコゲナイドガラスは、S,Se,Teのいずれか一つ以上を主成分とするガラスで、原料を赤外線透過するガラス組成に配合したものを溶融固化して製作する。自動車、家電、ホームセキュリティ等の用途のためには、強度や耐熱性を考慮してガラス軟化点が200℃以上のものが望ましい。一方、成形型の耐久性等を考慮すると軟化点は400℃以下が望ましい。ガラス組成により、軟化点は変更できるので、実用上ガラス軟化点が240〜300℃程度のガラス組成のものを選択するのが望ましい。
賦形材の素材形状は、円板状、塊状、粒状、粉末成形品等形状は問わない。ここでは、製造工程で不純物が混入しないことが肝要である。カルコゲナイドガラスをレンズ基材1にコーティングして賦形材としても構わない。
次に、モールドプレス成形に使用する成形型を準備する。成形型は、レンズ型上下2種類と筒状のダイス5から構成される。
薄肉レンズ層2の外表面を転写する第1レンズ型3は、図5に示す回折面又は非球面の加工を施したものを使用する。この第1レンズ型3で転写された面は、後加工なく使用するので、鏡面でなければならない。
第1レンズ型3の材質には、金属コート(Niなど)された超硬合金やガラス状カーボン、セラミック(SiC等)が適している。ガラス状カーボンや、セラミックはカルコゲナイドガラスとの離型性が良く、適している。カルコゲナイドガラスの組成により、離型性、耐久性を考慮して適当なものを選択する。
一方、レンズ基材と接する第2レンズ型4は、型形状をレンズ基材1に転写する機能は不要で、予め加工されているレンズ基材1の加工面と凹凸で一致していることが必要である。第2レンズ型4の材質には、必ずしも緻密な鏡面を得る必要はなく、モールド成形温度が低いので、材質の選択肢は多い。超硬合金/セラミックの他に、レンズ基材との反応性を確認し、加工が容易な多孔質のカーボン材料やマシナブルセラミックを用いても良い。又、レンズ基材の保持性を向上させるためにレンズ基材1と接触する表面に溝加工等が施されていても構わない。
又、側面を拘束するダイス5は、その内面を鏡面に仕上げることが望ましいが、鏡面が必ずしも必要である訳ではない。材質には、カルコゲナイドガラスと反応しにくい、カーボン系又は炭化物系セラミックスが良い。
成形型は、上記のクローズド構造の他に、ダイス5を省略したオープン構造でも製作することができる。
以上の材料及び成形型を準備した後、成形型内に第2レンズ型4にレンズ基材1を第1レンズ型3に薄肉レンズ層2を形成するカルコゲナイドガラス賦形材が接触するようにセットする。(図5)
セットした成形型は、型ごと加熱し、カルコゲナイドガラスの軟化点以上に昇温する。
炉内雰囲気は、カルコゲナイドガラスへの酸素混入を防ぐために、不活性ガスへ置換して行う。真空中で行っても良い。
昇温後、上下レンズ型を加圧し、モールドプレス成形を行う。昇温は赤外線透過ガラスの軟化点に依存するが、200〜300℃付近で行えるようにガラス組成の範囲を設定すると型の耐久性やプレスサイクルの短縮の面で有利である。
軟化した赤外線透過ガラスは、レンズ基材1の表面と第1レンズ型3の間で変形し、各々の形状が転写する形で薄肉レンズ層2となる。モールド成形機には、プレス軸方向の変位計を備え、薄肉レンズ層2の中心厚みを管理する。中心厚みの管理範囲内でプレスを終了し、回折面形状が変形しない程度でやや圧力を下げ、温度を下げる。軟化点以下に下がれば、圧力を抜き、脱型温度迄冷却し、脱型する。(図6)
薄肉レンズ層2は、レンズ基材1に融着一体化されており、1枚レンズとして取り扱うことができる。レンズ形状、ガラス組成、レンズ型材質等の要因により、薄肉レンズ層2のレンズ基材1への融着が不十分なことがある。その場合は、レンズ基材1に微細なピット(穴)、溝(円環、格子)を施し、その機械的なアンカー効果により、密着力を上げてやれば良い。但し、ピットや溝はレンズ性能を低下させるので、面積で10%未満とすることが望ましい。
脱型されたレンズは、形状を測定し、所望の製造公差に入っていることを確認し、製品として供する。加熱プレス成形は脱型した後、レンズ型と薄肉レンズ層の熱膨張差によって、設計値とずれることがある。その場合は、そのずれ量を予め、型の形状に反映させれば良い。
レンズ基材1と薄肉レンズ層2の屈折率差は、少なからず生じるので、接合面界面において屈折率差に応じた反射損失が生じる。これを低減するために、両者の界面に、該当する赤外波長を透過する光学薄膜をコーティングし、光干渉を利用した反射防止膜を中間層に挿入しても良い。その場合、光学薄膜は薄肉レンズ層2である赤外線透過ガラス、ここではカルコゲナイドガラスの軟化温度で変質しない材料を真空蒸着、スパッタリング、CVDで成膜するのが望ましい。
従来、赤外線レンズは材料コストの高いGe主体であり、ZnS等の安価な材料を使用する場合は色収差や3次収差の補正の問題を排除するため、ダイヤモンドバイトによる超精密切削加工が必要となり、レンズコストを下げる上で大きな課題を有していた。
本発明によれば、レンズ基材として、安価なZnSやSiでレンズを構成することができる。安価材料の欠点であった色収差や3次収差の補正の問題は、直接安価なZnSやSiに加工するのではなく、モールドプレス成形可能な赤外線透過ガラス、特にカルコゲナイドガラスを用いて、収差補正に有効な回折面や非球面を型転写によって形成し、薄肉レンズ層としてレンズ基材と接合一体化させることにより、解決することができる。
本発明の赤外線ハイブリッドレンズを製作する上では、レンズ成形に直接高価な超精密旋盤を用いる必要がなく、成形時間も短くて済む。本発明は加工に時間を要する複雑な曲面形状を型による転写で形成するので加工コストを大きく低減できる。冷却後は、赤外線透過ガラスの薄肉レンズ層は基材に密着し一体となる。基材は赤外光学材料として安価なZnSやSiとするので材料コストを低減することができる。
安価なレンズ基材であるZnSは、屈折率の波長分散が大きく、結果として、色収差が大きく成り易い欠点を有しているが、赤外線透過ガラス表面を回折面とすれば、効率的に色収差が補正できるので、問題とならない。回折面は、レンズ成形型表面に微細加工し、それを転写して得られる。成形温度が400℃未満と低いので、レンズ成形型は繰り返し使用でき、大きなコストアップ要因とはならない。
高価なゲルマニウムは、薄肉レンズ層として用いるカルコゲナイドガラスの1成分として含有するが、レンズ全体に対する薄肉レンズ層の体積分率は25%以下にでき、カルコゲナイドガラス中のゲルマニウムの含有率を40%未満に抑えるので、全体としてゲルマニウムの含有量は10体積%以下となり、材料面でのコストダウンが図れる。
[実施例1(ZnS;GeAsSe:f=40mm:F2.0)]
レンズ基材を硫化亜鉛(ZnS)、薄肉レンズ層をGeAsSe系カルコゲナイドガラスとし、焦点距離f=40mm、F2.0のレンズを製作した。その工程を以下に記す。カルコゲナイドガラスの組成を、Ge20%、As20%、Se60%とした。波長10μmでの屈折率は2.50である。このレンズにおいて、カルコゲナイドガラスが全体積に占める割合は、約18%である。Geの全体に占める割合は約4体積%である。
表1に実施例1のレンズ設計データ(曲率半径、円錐係数、非球面係数、回折面係数、材料)を示す。非球面レンズの面の形状Z(r)を決める係数は下式によって定義するものである。
ここで、c(=1/R)は曲率、Rは曲率半径、Kは円錐係数、φ(r)は光路差関数、nは屈折率、λは中心波長(ここでは10μm)である。rは光軸からの距離を示す半径座標である。曲率座標Z(r)は右向きを正、左向きを負として定義している。
Aiは非球面係数である。球面レンズの場合、必ず球面収差が生じるので、レンズ枚数を増やしてその補正が行なわれて来た。非球面を導入すると、球面収差を容易に補正できるので、コマ収差、非点収差を補正する自由度が増える。非球面は、少ない枚数で収差補正されたレンズを作製するのに有用である。
φ(r)は、回折面の形状を規定する関数である。この回折面は屈折レンズとして、面形状を設計し、その形状を{λ/(n−1)}ΣDjr2jとしたとき、曲率による高さ(深さ)が一波長分λ/(n−1)増す毎に波面を基準面に戻して多重同心円環状にしたフレネル面の一種である。例えば、ZnSレンズで中心基準波長10μmの回折面では、円環部の段差は約8.3μmとなる。modは、剰余数を表す。
面番号は、対物側(被写体側)の面から順につける。図1では、カルコゲナイドガラスの薄肉レンズ層2は、面S、Sからなり、ZnSのレンズ基材部1は面S,Sから成る。表1にレンズ曲面形状を決めるパラメータ(曲率半径、円錐係数、非球面係数、回折面係数、材料)を示す。
面間隔はレンズ中心を通る光軸上の間隔を示す。
レンズ基材1は、ZnSを粉末焼結法で作製したブランクから、ダイヤモンドカップ砥石を用いた球面研削加工で粗加工した後、ダイヤモンドバイトで超精密切削加工を行い、非球面レンズを製作した。
図5にモールド成形時のセット状態の概略図を示す。
得られたZnSレンズ基材1と薄肉レンズ層2の原料素材であるカルコゲナイドガラス賦形材を第1レンズ型3、第2レンズ型4、ダイス5からなるモールド成形用金型内にセットした。面Sは、凹凸関係にある面T3を持つ第2レンズ型4に近接し、薄肉レンズ層2の原料素材であるカルコゲナイドガラス賦形材をレンズ基材1の面Sに近接して、セットした。
プレス成形の第1レンズ型3には、薄肉レンズ層2の面Sと凹凸関係にある回折面T1を有するガラス状カーボン製のレンズ型を使用した。
金型温度を280℃まで上げ、カルコゲナイドガラスを軟化させた。第1、第2レンズ型3,4を加圧し、モールドプレス成形を行った。プレス成形機の変位計で薄肉レンズ層2であるカルコゲナイドガラスの中心厚みをモニターする。中心厚みが0.2mmとなったのを確認し、冷却し、除圧した。除圧は、ガラス軟化点以下に迄冷却された後実施した。得られた成形品はZnSとカルコゲナイドガラスが一体化していた。薄肉レンズ層2となったカルコゲナイドガラスは、緻密層で超音波探傷機で測定したところ、界面にエア溜まりは見られなかった。
得られたレンズについて、転写面の形状を非接触形状測定器で測定したところ、形状誤差であるPV値(peak-to-valley)は0.5μmであった。表面粗さは、Ra0.02μmであって十分に小さい。レンズ型の形状が十分に転写されていることが確認された。更にレンズ特性(MTF)を測定したところ、設計値通りの性能を示した。
[実施例2(ZnS:GeSbSe;f=40mm:F2.0)]
レンズ基材1をZnS、薄肉レンズ層2をGeSbSe系カルコゲナイドガラスとし、焦点距離f=40mm、F2.0とした赤外線ハイブリッドレンズの実施例2について述べる。カルコゲナイドガラスの組成は、Ge20%、Sb17%、Se63%とした。波長10μmでの屈折率は2.59である。このガラスにおいて、カルコゲナイドガラスが全体積に占める割合は約6%である。レンズ全体に占めるGeの体積比率は約1%である。表2に実施例2のレンズ設計データ(面番号、曲率半径、面間隔、屈折率、円錐係数、非球面係数、材料)を示す。
CVD法により製造されたZnS素材を準備した。カップ形状のダイヤモンド砥石を用いて、CG機(カーブジェネレイター)で球面研削を実施した。その後、ダイヤモンドスラリーを用いて、球面研磨を行い、メニスカス形状のZnSレンズ基材1を製作した。得られたZnSレンズ基材1をS面が第2レンズ型4に近接するようにモールド成形用金型内にセットした。レンズ基材1の面Sと第1レンズ型3の間にカルコゲナイド成形品2を置いた。第1レンズ型3は、カルコゲナイドガラスに転写する回折面を形成したガラス状カーボン製型とした。
モールド成形用金型ごと加熱し、金型温度250℃迄昇温して、カルコゲナイドガラスを軟化させ、モールドプレス成形を行った。カルコゲナイドガラスは、レンズ基材1の面Sと第1レンズ型3の回折面T1により形状が転写される。モールド成形機のプレス軸の変位計でカルコゲナイドガラスの中心厚みが0.2mmになったのを確認し、冷却し、軟化点温度以下で除圧した。得られた成形品はZnSとカルコゲナイドガラスが一体化していた。薄肉レンズ層2となったカルコゲナイドガラスは、緻密層で超音波探傷機で測定したところ、界面にエア溜まりは見られなかった。
得られた赤外線ハイブリッドレンズについて、転写面の形状を非接触形状測定器で測定したところ、形状誤差であるPV値(peak-to-valley)は0.5μmであった。表面粗さは、Ra0.02μmであって十分に小さい。レンズ型の形状が十分に転写されていることが確認された。更にレンズ特性(MTF)を測定したところ、設計値通りの性能を示した。
[実施例3:Si;GeSbSe;f=40mm;F2.0]
レンズ基材1をSi、薄肉レンズ層2をGeSbSe形カルコゲナイドガラスとし、焦点距離f=40mm、F2.0としたレンズの実施例を以下に述べる。
カルコゲナイドガラスの組成は、Ge20%、Sb17%、Se63%とした。波長10μmでの屈折率は2.59である。このガラスにおいて、カルコゲナイドガラスが全体積に占める割合は約5%である。レンズ全体に占めるGeの体積比率は約1%である。表3に実施例3のレンズ設計データ(面番号、曲率半径、面間隔、屈折率、円錐係数、非球面係数、材料)を示す。

CZ(チョクラルスキー)法により製造されたノンドープのSi素材を準備した。カップ形状のダイヤモンド砥石を用いて、CG機(カーブジェネレイター)で球面研削を実施した。その後、ダイヤモンドスラリーを用いて、球面研磨を行い、平凸形状のSiからなるレンズ基材1を製作した。モールド成形のセット方法は実施例1と同様である。レンズ型の材質には、第1レンズ型3は、薄肉レンズ層2に転写する回折面を形成したガラス状カーボン製型とした。
モールド成形用金型ごと加熱し、金型温度250℃迄昇温して、カルコゲナイドガラスを軟化させ、モールドプレス成形を行った。カルコゲナイドガラスは、レンズ基材1の面Sと第1レンズ型3の回折面T1により形状が転写される。モールド成形機のプレス軸の変位計で薄肉レンズ層2の中心厚みが0.2mmになったのを確認し、冷却し、軟化点温度以下で除圧した。得られた成形品はZnSとカルコゲナイドガラスが一体化していた。薄肉レンズ層2となったカルコゲナイドガラスは、緻密層で超音波探傷機で測定したところ、界面にエア溜まりは見られなかった。
得られた赤外線ハイブリッドレンズについて、転写面の形状を非接触形状測定器で測定したところ、形状誤差であるPV値(peak-to-valley)は0.5μmであった。表面粗さは、Ra0.02μmであって十分に小さい。レンズ型の形状が十分に転写されていることが確認された。更にレンズ特性(MTF)を測定したところ、設計値通りの性能を示した。
[(実施例4;ZnS;GeSbSe+ZnS;GeSbSe)]
実施例1〜3は、1枚のハイブリッドレンズの事例であったが、実施例4はハイブリッドレンズ2枚からなる2枚組みレンズの事例である。2枚ともレンズ基材1にZnS、薄肉ガラス層2はGeSbSe系カルコゲナイドガラスとしている。組みレンズの焦点距離は80mm、F1.0である。
カルコゲナイドガラスの組成は、Ge20%、Sb17%、Se63%とした。波長10μmでの屈折率は2.59である。対物側の第1レンズにおいて、カルコゲナイドガラスがレンズ体積に占める割合は約8%である。レンズ全体に占めるGeの体積比率は約2%である。第2レンズにおいて、カルコゲナイドガラスがレンズ体積に占める割合は9%、Geの占める体積比率は2%である。表4に実施例4のレンズ設計データ(曲率半径、円錐係数、非球面係数、回折面係数、材料)を示す。


粉末焼結法により製造されたZnS素材2つを準備した。カップ形状のダイヤモンド砥石を用いて、CG機(カーブジェネレイター)で球面研削を実施した。その後、ダイヤモンドスラリーを用いて、球面研磨を行い、図4の面Sと面Sをもつメニスカス形状のZnS製第1のレンズ基材と面Sと面Sをもつ両凸形状のZnS製第2のレンズ基材を製作した。ZnS製第1のレンズ基材は面Sがカルコゲナイドガラスとの界面となるようにセットし、カルコゲナイドガラス外表面Sはレンズ型の回折面が転写されるように、一方、ZnS製第2のレンズ基材は、面Sがカルコゲナイドガラスの界面に、カルコゲナイドガラス外表面Sはレンズ型の回折面が転写されるように、実施例2と同じ要領でモールドプレス成形を実施した。カルコゲナイドガラスと接するレンズ型は、カルコゲナイドガラスに転写する回折面を形成したガラス状カーボン製型とした。
モールド成形用金型ごと加熱し、金型温度250℃迄昇温して、カルコゲナイドガラスを軟化させ、プレス成形を行った。図5のように、カルコゲナイドガラスは、レンズ基材1の面Sと第1レンズ型3の回折面T1により形状が転写される。モールド成形機のプレス軸の変位計でカルコゲナイドガラスの中心厚みが0.2mmになったのを確認し、冷却し、軟化点温度以下で除圧した。得られた成形品はZnSとカルコゲナイドガラスが一体化していた。薄肉レンズ層2となったカルコゲナイドガラスは、緻密層で超音波探傷機で測定したところ、界面にエア溜まりは見られなかった。
得られた2個の赤外線ハイブリッドレンズについて、転写面の形状を非接触形状測定器で測定したところ、形状誤差であるPV値(peak-to-valley)はどちらも1μmであった。表面粗さは、どちらもRa0.02μmであって十分に小さい。2個のレンズ共にレンズ型の形状が十分に転写されていることが確認された。
得られた2枚のカルコゲナイドの薄肉レンズ層を有するZnSレンズを表4のレンズ間隔となるように鏡筒内にセットし、レンズ特性(MTF)を測定した。結果は良く、設計値通りの性能を示した。図7は前面に薄肉レンズ層を有する本発明の赤外線ハイブリッドレンズの一例を示す。図8は後面に薄肉レンズ層を有する本発明の赤外線ハイブリッドレンズの一例を示す。図9は両面に薄肉レンズ層を有する本発明の赤外線ハイブリッドレンズの一例を示す。
本発明の実施例1に係る赤外線ハイブリッドレンズの模式図の一例である。回折面は誇張されている。
本発明の実施例2に係る赤外線ハイブリッドレンズの模式図の別の一例である。回折面は誇張されている。
本発明の実施例3に係る赤外線ハイブリッドレンズの模式図の更なる別の例である。回折面は誇張されている。
本発明の実施例4に係る赤外線ハイブリッドレンズ2枚からなる赤外線レンズの例である。
本発明の赤外線ハイブリッドレンズを製造するモールドプレスの説明図で、プレス前の状態図である。
本発明の赤外線ハイブリッドレンズを製造するモールドプレスの説明図で、プレス中の状態図である。
前面薄肉レンズとした本発明の赤外線ハイブリッドレンズの模式図。
後面薄肉レンズとした本発明の赤外線ハイブリッドレンズの模式図。
両面薄肉レンズとした本発明の赤外線ハイブリッドレンズの模式図。
符号の説明
1 レンズ基材
2 薄肉レンズ層
3 第1レンズ型
4 第2レンズ型
5 ダイス

Claims (8)

  1. 硫化亜鉛(ZnS)又はシリコン(Si)からなる赤外線を透過するレンズ基材と、その少なくとも片面に赤外線透過ガラスからなる薄肉レンズ層が一体化されていることを特徴とする赤外線ハイブリッドレンズ。
  2. 前記赤外線透過ガラスの材質がGe,As,Se,Sb,S及びTeの元素の内、少なくとも2種類以上の組合せからなるカルコゲナイドガラスである請求項1に記載の赤外線ハイブリッドレンズ。
  3. ゲルマニウム元素の含有量がレンズ全体の体積に対して10体積%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の赤外線ハイブリッドレンズ。
  4. 薄肉レンズ層が回折面を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の赤外線ハイブリッドレンズ。
  5. 硫化亜鉛(ZnS)又はシリコン(Si)からなる赤外線を透過するレンズ基材に、赤外線透過ガラスをモールドプレス成形により、薄肉レンズ層として一体化させることを特徴とする赤外線ハイブリッドレンズの製造方法。
  6. 前記モールドプレス成形が、温度200〜400℃で行われる請求項5に記載の赤外線ハイブリッドレンズの製造方法。
  7. 前記薄肉レンズ層がGe,As,Sb,Sb,S,Teの元素の内、少なくとも2種類以上からなる赤外透過ガラスである請求項6に記載の赤外線ハイブリッドレンズの製造方法。
  8. 前記モールドプレス成形において、回折面形状を賦与したレンズ成形型を用いて、薄肉ガラス層に回折面を転写する請求項6又は7に記載の赤外線ハイブリッドレンズの製造方法。


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