JP2006220631A - 遅延時間評価回路および方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 縦続接続された複数の可変遅延回路23〜25と、接続段数を切り替え可能な複数の被評価回路からなる被評価回路群26と、参照クロック信号REFCLKが可変遅延回路23〜25および被評価回路群26を伝搬した出力クロック信号CLKOUTの位相と、参照クロック信号REFCLKとの位相を比較する位相比較回路21と、位相比較回路21の比較結果に応じてカウント値を増減し、そのカウント値を可変遅延回路23〜25の遅延時間を制御するデジタルコードDf,Dm,Dcとして出力するカウンタ22と、カウンタ22のカウント値を外部に出力するためのコード出力回路27とを有するDLL回路20を備える。
【選択図】 図1
Description
この図8に示す遅延時間評価回路は、複数段のゲート回路からなる被評価回路110が信号経路上に設けられたリングオシレータ120と、その発振信号をN分周するN分周器130とを具備する。このような構成では、リングオシレータの発振信号をN分周した出力信号の周波数をテスタなどで測定し、その測定値を基に被評価回路110の遅延時間を求めることができる。しかし、このような方法では、被評価回路110のゲート段数が最低でも10段程度ないと正確な遅延時間を測定できず、1段分のゲート回路の遅延時間は平均値として求めるしかなかった。
この図9に示す遅延時間評価回路は、遅延クロック信号DCLKを出力するためのDLL200と、被評価回路の遅延時間の電圧換算値を出力するDLL300とから構成されている。DLL200は、参照クロック信号REFCLKを遅延させる可変遅延回路210を含み、可変遅延回路210は、制御電圧Vd1により遅延量が制御される複数段の遅延素子からなる。そして、可変遅延回路210の遅延量は、その出力クロック信号OUT1の位相が参照クロック信号REFCLKと一致するように制御される。
図1は、実施の形態に係る遅延時間評価回路の概略構成を示す図である。
図1に示す遅延時間評価回路は、シリコン基板上にCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)プロセスにより形成された、半導体プロセスを評価するための評価チップ上に形成されている。この遅延時間評価回路は、参照クロック発生器10、DLL回路20、および周波数カウンタ30を具備する。
このDLL回路20では、可変遅延回路23に対して参照クロック信号REFCLKが入力され、この信号がさらに被評価回路群26、可変遅延回路24および25によって遅延されて、可変遅延回路25の出力クロック信号CLKOUTが位相比較回路21の一方の入力端子に入力される。このとき、出力クロック信号CLKOUTの位相が参照クロック信号REFCLKの位相より進んでいる場合には、カウンタ22がカウントダウンを行って可変遅延回路23〜25の遅延時間を短縮させる。また、出力クロック信号CLKOUTの位相が参照クロック信号REFCLKの位相より遅れている場合には、カウンタ22がカウントアップを行って可変遅延回路23〜25の遅延時間を長くする。
図2では、遅延時間の被評価回路として、2入力NANDゲート回路を適用した場合の例を示している。この図2の被評価回路群26は、縦続接続されたn個(ただし、nは2以上の整数)の2入力のNANDゲート回路261−1〜261−nと、これらの回路から出力を切り替えるためのスイッチ回路262−1〜262−nとを具備している。
図3に示す可変遅延回路23は、縦続接続されたm段(ただし、mは2以上の整数)のCMOS構造のインバータ回路231−1〜231−mと、各インバータ回路231−1〜231−mの出力側に接続された容量制御回路232−1〜232−mと、デジタルコードDfを電圧に変換するDAコンバータ233とを具備している。
容量制御回路232−1は、nMOSトランジスタNM21およびNM22を具備する。nMOSトランジスタNM21では、ドレイン端子がインバータ回路231−1の出力端子に接続され、DAコンバータ233からの制御電圧Vcがゲート端子に入力される。nMOSトランジスタNM22では、ドレイン端子とソース端子がともに接地され、ゲート端子がnMOSトランジスタNM21のソース端子に接続されている。
図4に示す可変遅延回路23は、pMOSトランジスタPM31〜PM36およびnMOSトランジスタNM31〜36からなるシュミットトリガ・インバータ回路によって構成されている。
図5に示す可変遅延回路24は、段数の異なるCMOSインバータ回路を用いたディレイラインのうちの1つを制御信号により選択する構成となっている。図5において、第1のディレイラインは、pMOSトランジスタPM41およびnMOSトランジスタNM41により構成される1段のインバータ回路を具備し、このインバータ回路は、グランド側に直列接続されたnMOSトランジスタNM42のゲート端子に入力される制御信号CON2−1がHレベルとなったときにのみ、入力される遅延クロック信号DCLK2の反転信号を出力する。
可変遅延回路24および25では、インバータ回路の段数の異なるディレイラインをさらに多数、選択可能な状態で設けてもよく、これにより多様な遅延を生成することができる。
図6は、遅延時間評価回路の各部における信号波形の例を示すタイミングチャートである。
Tref=Df(d1)+d(n)+Dm(d2)+Dc(d3) ……(1)
ここで、参照クロック信号REFCLKの周期Trefを一定にしたまま、被評価回路内のロジック回路の接続段数をnからn’に切り替えた場合を考える。なお、ここでは例として、接続段数の切り替えにより、デジタルコードDfのみが変化し、デジタルコードDmおよびDcが変化しないような微少な遅延時間の変化が生じる場合について説明する。このとき、可変遅延回路23へのデジタルコードDfがd1からd1’に変化したとすると、次の式(2)が成立する。また、式(1)−式(2)により(3)が導出される。
Tref=Df(d1’)+d(n’)+Dm(d2)+Dc(d3) ……(2)
d(n’)−d(n)=Df(d1)−Df(d1’) ……(3)
この式(3)の左辺は、評価対象とするロジック回路の遅延時間、すなわち、|n’−n|段分のロジック回路の遅延時間を表し、右辺は、ロジック回路の段数変化に伴うデジタルコードDfの変化量を示している。従って、次の図7に示すような、デジタルコードと遅延時間とを対応付けたグラフをあらかじめ作成しておくことで、デジタルコードの変化を遅延時間に換算することができる。
図7のグラフは、上記の遅延時間評価回路において、被評価回路群26内のロジック回路段数を固定して、参照クロック信号REFCLKの周期Trefを変化させながらデジタルコードをプロットしていくことで、求めることができる。ロジック回路の段数をnに固定し、周期TrefをΔTだけ変化させたときに、デジタルコードDfがd1からd1’’に変化したとすると、次の式(4)が成立する。また、式(4)−式(1)から式(5)が導出される。
Tref+ΔT=Df(d1’’)+d(n)+Dm(d2)+Dc(d3)……(4)
ΔT=Df(d1’’)−Df(d1) ……(5)
この式(5)に基づき、参照クロック発生器10での発振周波数を徐々に変化させて、そのときの参照クロック信号REFCLKの周期Tref(または周波数)を周波数カウンタ30を通じて読み取りながら、コード出力回路27を通じて出力されるデジタルコードを読み取ることにより、図7のようなグラフが得られる。また、デジタルコードの最小のコード変化に対応する周期変化(すなわち遅延時間)ΔTによって、遅延時間の分解能が決まる。
制御信号に応じて遅延時間が可変である複数の遅延段が縦続接続されて構成され、参照クロック信号を遅延させる可変遅延回路と、
接続段数を切り替え可能な複数の被評価回路からなり、前記可変遅延回路のいずれかの前記遅延段の前段または後段に接続された被評価回路群と、
前記参照クロック信号が前記可変遅延回路および前記被評価回路群を伝搬した出力クロック信号の位相と、前記参照クロック信号との位相を比較する位相比較回路と、
前記位相比較回路の比較結果に応じてカウント値を増減し、そのカウント値を前記可変遅延回路の前記制御信号として出力するカウンタと、
前記カウンタのカウント値を外部に出力する出力端子と、
を有するDLL回路を備えたことを特徴とする遅延時間評価回路。
(付記3) 前記可変遅延回路の前記遅延段の1つは、
縦続接続された複数のCMOSインバータ回路と、
前記制御信号を電圧に変換する電圧変換回路と、
前記電圧変換回路の出力電圧に応じて前記各CMOSインバータ回路の負荷容量を変化させる容量制御回路と、
を具備することを特徴とする付記1記載の遅延時間評価回路。
前記シュミットトリガ・インバータ回路は、
出力トランジスタがオンするためのゲート電圧を制御する、大きさの異なる複数のフィードバックトランジスタと、前記カウンタのカウント値に応じて前記フィードバックトランジスタのいずれか1つを選択するためのスイッチ回路とを、出力信号のプルアップ側およびプルダウン側のそれぞれに具備することを特徴とする付記1記載の遅延時間評価回路。
(付記6) 前記参照クロック信号の周波数を検出する周波数検出回路をさらに有することを特徴とする付記1記載の遅延時間評価回路。
制御信号に応じて遅延時間が可変である複数の遅延段が縦続接続された可変遅延回路におけるいずれかの前記遅延段の前段または後段に、接続段数を切り替え可能な複数の被評価回路からなる被評価回路群を接続し、
参照クロック信号を前記可変遅延回路および前記被評価回路群に伝搬させた出力クロック信号の位相と、前記参照クロック信号の位相との比較結果に応じて、前記制御信号を出力するカウンタのカウント値を増減させて前記各位相が一致するように制御し、
前記各位相が一致するときの前記カウンタのカウント値を前記被評価回路の接続段数を変えながらその都度取得し、
取得したカウント値を基に任意の段数分の前記被評価回路の伝送遅延時間を評価する、
ことを特徴とする遅延時間評価方法。
11 リングオシレータ
12 DAコンバータ
20 DLL回路
21 位相比較回路
22 カウンタ
23〜25 可変遅延回路
26 被評価回路群
27 コード出力回路
30 周波数カウンタ
REFCLK 参照クロック信号
DCLK1〜DCLK3 遅延クロック信号
Df,Dm,Dc デジタルコード
Claims (5)
- 半導体集積回路における遅延時間評価回路において、
制御信号に応じて遅延時間が可変である複数の遅延段が縦続接続されて構成され、参照クロック信号を遅延させる可変遅延回路と、
接続段数を切り替え可能な複数の被評価回路からなり、前記可変遅延回路のいずれかの前記遅延段の前段または後段に接続された被評価回路群と、
前記参照クロック信号が前記可変遅延回路および前記被評価回路群を伝搬した出力クロック信号の位相と、前記参照クロック信号との位相を比較する位相比較回路と、
前記位相比較回路の比較結果に応じてカウント値を増減し、そのカウント値を前記可変遅延回路の前記制御信号として出力するカウンタと、
前記カウンタのカウント値を外部に出力する出力端子と、
を有するDLL回路を備えたことを特徴とする遅延時間評価回路。 - 前記可変遅延回路は、遅延分解能の異なる複数の前記遅延段を含むことを特徴とする請求項1記載の遅延時間評価回路。
- 前記可変遅延回路の前記遅延段の1つは、
縦続接続された複数のCMOSインバータ回路と、
前記制御信号を電圧に変換する電圧変換回路と、
前記電圧変換回路の出力電圧に応じて前記各CMOSインバータ回路の負荷容量を変化させる容量制御回路と、
を具備することを特徴とする請求項1記載の遅延時間評価回路。 - 前記可変遅延回路の前記遅延段の1つは、1段または縦続接続された複数段のシュミットトリガ・インバータ回路を含み、
前記シュミットトリガ・インバータ回路は、
出力トランジスタがオンするためのゲート電圧を制御する、大きさの異なる複数のフィードバックトランジスタと、前記カウンタのカウント値に応じて前記フィードバックトランジスタのいずれか1つを選択するためのスイッチ回路とを、出力信号のプルアップ側およびプルダウン側のそれぞれに具備することを特徴とする請求項1記載の遅延時間評価回路。 - 半導体集積回路における遅延時間評価方法において、
制御信号に応じて遅延時間が可変である複数の遅延段が縦続接続された可変遅延回路におけるいずれかの前記遅延段の前段または後段に、接続段数を切り替え可能な複数の被評価回路からなる被評価回路群を接続し、
参照クロック信号を前記可変遅延回路および前記被評価回路群に伝搬させた出力クロック信号の位相と、前記参照クロック信号の位相との比較結果に応じて、前記制御信号を出力するカウンタのカウント値を増減させて前記各位相が一致するように制御し、
前記各位相が一致するときの前記カウンタのカウント値を前記被評価回路の接続段数を変えながらその都度取得し、
取得したカウント値を基に任意の段数分の前記被評価回路の伝送遅延時間を評価する、
ことを特徴とする遅延時間評価方法。
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