JP2006220304A - 摩擦ライニング - Google Patents

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Abstract

【課題】伝動装置の同期機構構成要素として用いることのできる摩擦ライニングを形成する。
【解決手段】本発明に基づく摩擦ライニング11は、伝動装置の同期機構構成要素3のための酸化物セラミックス層から成っており、該酸化物セラミックス層は、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、スピネル(MgAlO)、及びケイ酸塩ジルコニウム(ZrO/SiO)の材料のうちの少なくとも1つを含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は摩擦ライニング並びに、伝動装置のための同期機構構成要素若しくは同期噛み合い機構用機素に関する。さらに本発明は、摩擦ライニングの形成のための方法並びに、同期機構構成要素若しくは同期噛み合い機構用機素の形成のための方法に関する。
例えば、円錐形の摩擦面で互いに協働する同期機構若しくは同期噛み合い機構(シンクロメッシュ)において、互いに異なる滑り摩擦材料から成っていて相互に接触する両方の摩擦面は、互いに摩擦対偶を成している。この場合に、特殊材料の組み合わせ、例えばモリブデンと鋼、黄銅と鋼、若しくは焼結材料と鋼の組み合わせがある。互いに摩擦係合する摩擦対偶のためのこのような手段は、能力に限界がある。前記材料は、殊に6乃至12N/mmの高い面圧若しくは、8〜12m/秒の高い滑り速度、若しくは潤滑不足の場合に著しい機能低下をもたらし、短い耐用年数しか有していない。
ヨーロッパ特許第0786299B1号明細書により、摩擦層の施された環状(リング状)の構成部分を備えた同期機構リング若しくはシンクロメッシュリングの形成のための方法が公知である。この場合に摩擦層の形成のための適当な材料として、焼結可能な材料、例えば炭素粉末、金属粉末、及びプラスチック粉末、並びに焼結可能な繊維、例えば炭素繊維を挙げてある。このような材料においては欠点として製作コストが高い。
ドイツ連邦共和国特許第3417813C1号明細書には、摩擦ライニング及び支持薄板から成る摩擦部材若しくは摩擦基体を記載してあり、この場合には摩擦ライニングは支持薄板上に散布焼結によって付着され、かつ摩擦部材の一回若しくは複数回のプレスによって圧縮されている。該明細書には摩擦材料として、金属性の材料及び非金属の無機物質を挙げてある。該摩擦材料は支持体上に接着されている。このような摩擦部材には比較的高い摩耗が生じている。
米国特許第5337872号明細書により公知の手段では、同期リングのためのセラミック材料は摩擦材料の溶射によって支持体上に固定されている。セラミック材料にはアルミニウム、酸化アルミニウム、鉄、銅、マグネシウム若しくは酸化マグネシウムを添加してある。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第3122522A1号明細書により公知の摩擦ライニングは、酸化物及び/又は、珪酸塩物及び/又は、ホウ化物及び/又は、炭化物及び/又は、窒化物及び/又は、チタン酸をベースに形成されている。
ドイツ民主共和国特許出願公開第278625A1号明細書には、機械、車両及び船舶のクラッチ及びブレーキのための摩擦層を記載してある。このための素材は、CuSn-合金であり、該合金は8〜20%のSn含有量を有している。該合金には付着成分として、酸化金属若しくは鉱物粉末若しくはこれらの混合物を10乃至60%の容積割合で添加し、かつ滑り成分として炭素及びフッ化カルシウムを10乃至60%の容積割合で添加してある。この場合に素材はCuSn-合金にとって160〜500μmの粒子サイズの粉末で、かつ滑り成分として2〜45μmの粒子サイズの粉末で用いられている。
ヨーロッパ特許第0786299B1号明細書 ドイツ連邦共和国特許第3417813C1号明細書 米国特許第5337872号明細書 ドイツ連邦共和国特許出願公開第3122522A1号明細書 ドイツ民主共和国特許出願公開第278625A1号明細書
本発明の課題は、伝動装置の同期機構構成要素として用いることのできる摩擦ライニングを形成することである。
前記課題は、請求項1に記載の特徴を有する摩擦ライニングによって、かつ請求項13に記載の特徴を有する同期機構構成要素によって解決される。さらに前記課題は、請求項15に記載の特徴を有する方法、並びに請求項19に記載の特徴を有する方法によって解決される。
本発明に基づく摩擦ライニングは、酸化物セラミックス層から成っていて、若しくは酸化物セラミックス層を有しており、この場合に、酸化物セラミックス層は次に述べる材料の少なくとも1つを含んで、若しくは次に述べる材料の混合物を含んで、即ち酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、スピネル(MgAlO)、及びケイ酸塩ジルコニウム(ZrO/SiO)のうちの少なくとも1つを含んで、若しくはこれらの複数の材料の混合物を含んでいる。
このような摩擦ライニングは層として形成され、切り換え式変速機の同期機構構成要素のために、若しくは自動車の自動変速機の薄板、若しくは一般的な機械に用いられる。摩擦ライニングは耐摩耗性であって、トライボロジー特性を有している。摩擦ライニングは、耐用年数にわたって一定な摩擦値を有している。本発明に基づく摩擦ライニングは、ブレーキのための摩擦層若しくはライニング層としても用いられ得る。
摩擦ライニング若しくは、摩擦ライニングの酸化物セラミックス層は、次に述べる物質、即ち酸化アルミニウム(AlO)、チタン酸アルミニウム(AlO/TiO)、ムライト(AlO/SiO)、酸化クロム(CrO)、酸化アルミニウム及び酸化マグネシウムから成る化合物(AlO/MgO)、クロマイト(CrFe)、アルミニウム(Al)、及び/又は銅(Cu)のうちの少なくとも1つを含んで、若しくはこれらの物質の複数の混合物を含んでいる。
摩擦ライニングを形成する酸化物セラミックス層は、使用目的に応じて種々の割合の種々の材料を含んでいてよい。
本発明の有利な実施態様では、摩擦ライニングは、少なくとも20質量%、有利には20〜40質量%若しくは95%乃至99.9%の割合の酸化チタンを含んでいる。これに関連して、摩擦ライニングに有利にはクロマイト若しくはクロム鉄、アルミニウム若しくは銅を添加してある。
本発明のさらに有利な実施態様では、摩擦ライニングは、所定の割合の酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、スピネル、チタン酸アルミニウム、ケイ酸塩ジルコニウム、ムライト及び酸化クロムを含んでいる。
本発明の有利な実施態様では、摩擦ライニング若しくは酸化物セラミックス層において、ケイ酸塩ジルコニウム(ZrO/SiO)の割合は少なくとも3%であり、酸化アルミニウム(AlO)は少なくとも10%であり、ムライト(AlO/SiO)は少なくとも1%、有利には少なくとも5%であり、酸化チタン(TiO)は少なくとも2%、有利には少なくとも20%から最大で40%であり、酸化アルミニウム・マグネシウム(AlO/MgO)は少なくとも2%である。
摩擦ライニングの酸化物セラミックス層は、有利な実施態様では少なくともRz1から最大でRz50の粗さを有し、若しくは別の実施態様では少なくともRz30から最大でRz80の粗さを有している。酸化物セラミックス層、ひいては摩擦ライニングの層硬さは、材料の組成に応じて少なくとも600HVから最大で1200HVである。この場合に、酸化物セラミックス層に含まれる少なくとも1つの物質、若しくは酸化物セラミックス層に含まれる少なくとも1つの金属酸化物は、少なくとも2000HVから最大で2500HVの層硬さを有している。酸化物セラミックス層、ひいては摩擦ライニングの層厚さは少なくとも0.02mmから最大で0.2mm、有利には少なくとも0.05mmから最大で0.1mmである。摩擦ライニングの酸化物セラミックス層は、少なくとも20%から多くとも50%の気孔率を有している。
伝動装置のための本発明に基づく同期機構構成要素は、本発明に基づく摩擦ライニングを有し、若しくは本発明に基づく摩擦ライニングで被覆されている。使用に際して、同期機構構成要素は相手の滑り対偶機素(相対する対向部材)と係合するようになっており、該滑り対偶機素は少なくとも400HVから多くとも650HVの硬さを有している。同期機構構成要素と滑り対偶機素との間の摩擦値は、少なくとも0.08から最大で0.12である。
同期機構構成要素と滑り対偶機素とはギア変速装置、例えば選択摺動式トランスミッション若しくは噛み合い式トランスミッションの摩擦対偶を形成するようになっている。互いに形状結合(形状による束縛)可能な駆動部材の同期運動を達成するために、同期リング及び連結リングは互いに直接に若しくは同期リングと連結リングとの間の摩擦リングを介して互いに摩擦結合される。同期リングを同期機構構成要素として用い、かつ連結リングを滑り対偶機素として用いることも可能である。逆に連結リングを同期機構構成要素として用い、同期リングを滑り対偶機素として用いることも可能である。本発明に基づく摩擦ライニングは、同期機構構成要素の円錐形の摩擦面として形成されていてよい。
本発明に基づき形成された同期機構若しくはシンクロメッシュは、耐摩耗性のものであり、高い摩擦特性を有していて、車両の長い寿命にわたって高い負荷若しくは応力に耐えるものである。
摩擦ライニングを形成するための方法において、同期機構構成要素は有利には本発明に基づく摩擦ライニングを備えており、該摩擦ライニングは本発明に基づく方法によって施され若しくは装着される。
本発明に基づく方法では、酸化物セラミックス層を、ギア変速装置若しくはギア伝動装置の円錐部(コーン部)として形成され若しくは自動変速装置の薄板として形成されて自動車に用いられる同期機構構成要素に直接に施すようになっている。摩擦ライニング若しくは相応の摩擦層は有利には、熱処理されていない材料から成る基体に施される。摩擦ライニング若しくは酸化物セラミックス層はダイヤモンドを用いて研磨加工若しくは磨き仕上げによって処理されてよい。別の実施態様では、酸化物セラミックス層を、フレキシブルな支持体に施し、次いで該支持体を、薄板若しくは摩擦円錐体(摩擦コーン部)として形成された同期機構構成要素上に接着によって取り付け、若しくははんだバス内でのはんだ接続によって固定するようになっている。
本発明の明細書並びに請求の範囲に記載の手段は、述べてある組み合わせだけではなく、他の種々の組み合わせでも用いられ、また単独に用いることも可能である。
図1に概略的に示す同期装置1は、同期機構構成要素(同期構成要素)としてのギヤ車3と滑り対偶部材としての同期リング5を有している。ギヤ車3と同期リング5とは互いに同軸的に配置されていて、二重矢印の方向で互いに相対的に運動させられるようになっている。ギヤ車3は外周円錐(外周コーン部)7を備えており、かつ同期リング5は内周円錐(内周コーン部)9を備えている。ギヤ車3と同期リング5とを同期装置1の作動に際して互いに接近させると、外周円錐7と内周円錐9とは互いに接触する。これによって、力及び/又は運動をギヤ車3と同期リング5との間で伝達することができる。力及び/又は運動の伝達の改善のために、同期装置1の同期構成要素、即ち、ギア車3の外周円錐7若しくは同期リング5の内周円錐9に摩擦ライニング11を被覆してある。図示の実施例では、ギア車3は同期構成部材として設けられており、このためにギア車の外周円錐7は摩擦ライニング11で被覆されている。同期リング5は同期構成部分の滑り対偶として設けられていて、内周円錐9に滑り層13を備えている。さらにギア車3は連行歯部17を備えており、かつ同期リング5は歯部15を備えている。
図示の同期装置1を備える自動車の同期切換運転に際して軸上に回転自在に配置されたギア車3若しくは歯車の切り換え若しくは変速時に同期リング5の軸線方向の圧着によってギア車3に所属して配置されたクラッチリング(図示省略)は軸と同期運動にもたらされる。この場合に力の伝達は、軸上に相対回動不能かつ軸線方向スライド可能に配置されたクラッチハブスリーブから軸線方向及び半径方向の連行歯部17を介して同期リング5へ行われる。次いでギア車3は、クラッチハブスリーブの方向へのさらなる軸線方向移動によって、今やクラッチリングの連行歯部とクラッチハブスリーブとの係合に基づき形状接続的に、即ち形状による束縛を伴って軸に結合される。
同期リング5とギア車3との間の同期回転を達成するために、ギア車3は外周円錐7に摩擦面11を有しており、該摩擦面は同期リング5の軸線方向の圧着に際して内周円錐9の相応の対向面と接触して、発生する摩擦結合若しくは摩擦接続に基づき、形状結合式、即ち形状束縛式のクラッチの切換に必要な同期回転を行う。別の構成では、いわゆるダブル円錐形同期装置において摩擦面間に、即ち内周円錐9と外周円錐7との間に1つの摩擦リングを配置していてよい。ギア車3と同期リング5との間の力及び/又は運動の伝達は摩擦ライニング11によって助成される。
摩擦ライニング11は層として直接に同期構成部材、即ち図示の実施例ではギア車3の外周円錐7に例えば高速吹き付けによって施されている。別の実施態様では摩擦ライニング11は、外周円錐7に固定されたフレキシブルな中間ライニングに施されていてよい。
摩擦ライニングは本発明ではセラミック酸化物層から成っている。例として酸化ジルコン、酸化アルミニウム、スピネル若しくは尖晶石、チタン酸塩アルミニウム、珪酸ジルコニウム、ムライト、酸化クロムを挙げることができる。この場合に摩擦ライニングは前記個別の物質若しくはいくつかの物質の混合物或いはすべての物質の混合物から成っていてよい。
実施態様では摩擦ライニング11若しくは相応の摩擦層は、少なくとも10%の酸化アルミニウム(Al)、少なくとも1%、特に少なくとも5%のMullit(Al/SiO)、少なくとも3%の珪素ジルコン(ZrO/SiO)、少なくとも2%の酸化チタン(TiO)及び/又は少なくとも2%のアルミニウム・酸化マグネシウム(Al/MgO)を含んでいてよい。さらに摩擦ライニング11若しくは摩擦層は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、及び/又はクロマイト(CrFe)を含んでいてよい。さらに摩擦ライニング11若しくは摩擦層に、ねずみ鋳鉄、合金されていない鋼、若しくは合金された鋼、酸化アルミニウム・酸化チタン(Al/TiO)及び/又は安定化された酸化ジルコニウム(ZrO/CaO)を混合していてよい。有利には酸化チタン(TiO)の割合は、前述の量と異なって20%乃至40%であってよい。
摩擦ライニング11の形成に際して、鋼若しくは鉄から成る熱処理されていない基体、実施例ではギアリング3は外周円錐7に酸化物セラミックス層を施される。
摩擦ライニング11の酸化物セラミックス層はRz1乃至Rz50の粗さ若しくはRz30乃至Rz80の粗さを有している。摩擦ライニング11の層硬さは600乃至1200HVであり、この場合に前記金属酸化物の粒子硬さは2000乃至2500HVである。摩擦ライニング11の層厚さは0.02mm乃至0.2mmであり、有利には0.05mm乃至0.1mmである。摩擦ライニング11の気孔率は30%乃至50%である。
摩擦ライニング11の形成に際して、酸化物セラミックス層は例えばフレキシブルな支持材に吹き付け成形され、次いで基体構成要素、例えば薄板若しくは薄片、図示の実施例ではギア車3の外周円錐7に接着される。別の実施態様に基づき、摩擦ライニング11の酸化物セラミックス層は直接に薄板若しくは薄片上に、図示の実施例ではギア車3の外周円錐7上に吹き付け成形されてよい。摩擦ライニング11を焼結付着によって施すこと若しくははんだバスで固定することも可能である。
摩擦ライニング11の相手の滑り対偶機素、図示の実施例では同期リング5の内周円錐9は有利には鋼リングとして形成されており、該鋼リングは例えば16MNCR5若しくは80CR2から成っている。この場合に、相手の滑り対偶機素若しくは内周円錐9は付加的に表面被覆されていて、かつ400乃至650HVの硬さを有していてよい。これによって摩擦ライニング11は、相手の滑り対偶機素、即ち同期リング5の内周円錐9に対して0.08乃至0.12の摩擦値を有している。このような材料組み合わせは、車両の全耐用年数にわたって極めて少ない摩耗を保証している。
図2の線図は、本発明に基づく摩擦ライニングを装着した同期機構構成要素の実験結果を示すものである。図2の下側の線図には、摩耗間隔19の特性線を、自動車の耐用年数において同期機構構成要素の150000回の切り換え過程若しくは切り換え回数にわたってmm単位でプロットしてある。摩耗間隔19は、同期運動状態での切り換えフォーク位置から測定したものである。図2の上側の線図には切り換え過程の所定の回数に依存して、本発明に基づく摩擦ライニング若しくは本発明に基づく摩擦層の摩擦値21の推移の特性線を、車両耐用年数において150000回の切り換え過程にわたってプロットしてある。
図2の両方の線図から明らかなように、摩耗間隔19も摩擦値21も耐用年数にわたってわずかしか変化していない。作動実験は、油温度80℃で油TAF21を用いて、慣性質量0.1kgmで、50回のシフトアップで、400Nの軸線方向力を加えて、毎分650回転で、3.3秒周期で行われた。別の実験は、100005回の切り換え過程で、800Nの軸線方向力を加えて、6.5秒周期で毎分130回転で行って、ほぼ一定の摩耗間隔及びほぼ一定の摩擦値を達成している。
図3は、別のパラメータを有する、即ちセラミックス層を備えた同期機構構成要素を用いて200回にわたるシフトアップ過程における特性線の線図である。この場合には、摩擦数RbZを特性線31で、切り換え間隔s=mmを特性線33で、切り換え力FS=Nを特性線35で、摩擦モーメントRM=Nmを特性線37で、駆動回転数nAb= 1/minを特性線39で、摩擦値推移を特性線41で示してある。21回より少ない切り換え回数での特性線33,35,41の変化は、本発明に基づく摩擦ライニングを備えた同期機構構成要素のなじみ作用によるものである。
本発明の実施例において用いられた同期機構の概略的な断面図 本発明に基づく摩擦ライニングを備えた同期機構構成要素の実験結果の線図 本発明に基づく摩擦ライニングを備えた同期機構構成要素の実験結果の線図
符号の説明
3 ギア車、 5 同期リング、 7 外周円錐、 9 内周円錐、 11 摩擦ライニング、 13 滑り層、 15 歯部、 17 連行歯部

Claims (21)

  1. 酸化物セラミックス層から成る摩擦ライニングにおいて、酸化物セラミックス層は、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、スピネル(MgAlO)、及びケイ酸塩ジルコニウム(ZrO/SiO)の材料のうちの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする、酸化物セラミックス層から成る摩擦ライニング。
  2. 次に述べる物質、即ち酸化アルミニウム(AlO)、チタン酸アルミニウム(AlO/TiO)、ムライト(AlO/SiO)、酸化クロム(CrO)、酸化アルミニウム・マグネシウム(AlO/MgO)、クロマイト(CrFe)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)のうちの少なくとも1つを含んでいる請求項1記載の摩擦ライニング。
  3. 摩擦ライニングは、少なくとも2質量%、殊に20〜40質量%の割合の酸化チタンを含んでいる請求項1又は2に記載の摩擦ライニング。
  4. 酸化物セラミックス層は、95%乃至99.9%の酸化チタン割合を有している請求項1から3のいずれか1項に記載の摩擦ライニング。
  5. 摩擦ライニングは、少なくとも99%の純度の酸化チタン層から成っている請求項1から4のいずれか1項に記載の摩擦ライニング。
  6. 摩擦ライニングは、所定の割合のクロマイト、アルミニウム及び銅を含んでいる請求項3から5のいずれか1項に記載の摩擦ライニング。
  7. 摩擦ライニングは、所定の割合の酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、スピネル、チタン酸アルミニウム、ケイ酸塩ジルコニウム、ムライト及び酸化クロムを含んでいる請求項1から6のいずれか1項に記載の摩擦ライニング。
  8. 酸化アルミニウムは少なくとも10質量%の割合であり、及び/又はムライトは少なくとも1質量%、殊に少なくとも5質量%の割合であり、及び/又はケイ酸塩ジルコニウムは少なくとも3質量%の割合であり、及び/又は酸化チタンは少なくとも2質量%の割合であり、及び/又は酸化アルミニウム・マグネシウムは少なくとも2質量%の割合である請求項7記載の摩擦ライニング。
  9. 酸化物セラミックス層は、少なくともRz1から多くともRz50の粗さ若しくは少なくともRz30から多くともRz80の粗さを有している請求項1から8のいずれか1項に記載の摩擦ライニング。
  10. 酸化物セラミックス層は、少なくとも600HVから多くとも1200HVの層硬さを有しており、この場合に酸化物セラミックス層の少なくとも1つの金属酸化物は、少なくとも2000HVから多くとも2500HVの層硬さを有している請求項1から9のいずれか1項に記載の摩擦ライニング。
  11. 酸化物セラミックス層の層厚さは少なくとも0.02mmから多くとも0.2mm、殊に少なくとも0.05mmから多くとも0.1mmである請求項1から10のいずれか1項に記載の摩擦ライニング。
  12. 酸化物セラミックス層は、少なくとも20%から多くとも50%の気孔率を有している請求項1から11のいずれか1項に記載の摩擦ライニング。
  13. 伝動装置のための同期機構構成要素において、請求項1から12のいずれか1項に記載の摩擦ライニングを設けてあることを特徴とする同期機構構成要素。
  14. 同期機構構成要素は、少なくとも400HVから多くとも650HVの硬さの滑り対偶機素(5)と係合するようになっていて、かつ/又は該滑り対偶機素(5)に対して少なくとも0.08から多くとも0.12の摩擦値を有している請求項13に記載の同期機構構成要素。
  15. 摩擦ライニングを形成するための方法において、基体(3)を請求項1から12のいずれか1項に基づく酸化物セラミックス層によって被覆することを特徴とする、摩擦ライニングを形成するための方法。
  16. 酸化物セラミックス層を基体(3)上に溶射法若しくはHVOF-法によって施す請求項15に記載の方法。
  17. 酸化物セラミックス層を基体(3)上に焼結によって施す請求項15に記載の方法。
  18. 酸化物セラミックス層を研磨加工若しくは磨き仕上げによって処理する請求項15から17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 伝動装置のための同期機構構成要素(3)を形成するための方法において、同期機構構成要素(3)を、請求項15から18のいずれか1項に記載の方法によって形成された摩擦ライニング(11)で被覆することを特徴とする、同期機構構成要素を形成するための方法。
  20. 酸化物セラミックス層を、薄板若しくは摩擦円錐体(7)として形成された同期機構構成要素(3)に直接に施す請求項15から19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 酸化物セラミックス層を、フレキシブルな支持体に施し、次いで該支持体を、薄板若しくは摩擦円錐体(7)として形成された同期機構構成要素(3)上に接着によって取り付け、若しくははんだバスによって固定する請求項15から19のいずれか1項に記載の方法。
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