JP2006217108A - 電子カメラ - Google Patents

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秀史 岡田
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Abstract

【構成】 イメージセンサ12は、複数の部分画像をそれぞれ生成する複数の部分撮像領域が形成された撮像面と、複数の部分撮像領域にそれぞれ対応する複数のチャネルCH1およびCH2とを有する。複数のチャネルCH1およびCH2からそれぞれ出力された複数の部分画像の間のゲイン差は、LUT28r,28gおよび28bによって抑制される。抑制されたゲイン差を有する複数の部分画像は、メモリ制御回路38によって互いに結合される。CPU30は、抑制処理を施される複数の部分画像が平坦度条件を満足するか否かを判別する。この判別結果が肯定的であれば、CPU30は、抑制処理を施される複数の部分画像の間のゲイン差を検出し、検出されたゲイン差に基づいてLUT28r,28gおよび28bの動作特性を補正する。
【効果】 画像の境界線の出現を効果的に防止できる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、電子カメラに関し、特にたとえば、複数の撮像領域で生成された複数の部分画像を互いに結合して1つの画像を作成する、電子カメラに関する。
従来のこの種の電子カメラの一例が、特許文献1に開示されている。この従来技術によれば、イメージセンサは、右チャネルおよび左チャネルを有する。撮像面の右側領域で生成された画像情報は右チャネルから出力され、撮像面の左側領域で生成された画像情報は左チャネルから出力される。出力された画像情報は、チャネル毎に黒レベル補正処理を施され、チャネル間のゲイン差が解消されるようにゲイン補正処理を施される。特に、ゲイン補正値は、右側領域および左側領域の境界を跨ぐ数画素に注目して決定される。これによって、右側領域および左側領域の境界線が再生画像に現れるのを防止することができる。
特開2002−252808号公報[H04N 5/335, 5/16, G06T 1/00, H01L 27/148]
しかし、従来技術では、ゲイン補正値の決定にあたって、注目する1フレームにおける輝度や色の変化が考慮されない。このため、右側領域および左側領域の境界の周辺にエッジが現れると、ゲイン補正値が最適値からずれてしまい、境界線の出現を効果的に防止できない可能性がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、画像の境界線の出現をより効果的に防止できる、電子カメラを提供することである。
請求項1の発明に従う電子カメラは、複数の部分画像をそれぞれ生成する複数の部分撮像領域が形成された撮像面と複数の部分撮像領域にそれぞれ対応する複数の出力経路とを有する撮像手段、複数の出力経路からそれぞれ出力された複数の部分画像の間のゲイン差を抑制する抑制手段、抑制手段によって抑制されたゲイン差を有する複数の部分画像を互いに結合する結合手段、抑制手段によって抑制処理を施される複数の部分画像の間のゲイン差を検出する検出手段、抑制手段によって抑制処理を施される複数の部分画像が平坦度条件を満足するか否かを判別する判別手段、および検出手段によって検出されるゲイン差のうち判別手段の判別結果が肯定的であるときに検出されるゲイン差のみに基づいて抑制手段の動作特性を補正する補正手段を備える。
撮像手段は、複数の部分画像をそれぞれ生成する複数の部分撮像領域が形成された撮像面と、複数の部分撮像領域にそれぞれ対応する複数の出力経路とを有する。複数の出力経路からそれぞれ出力された複数の部分画像の間のゲイン差は、抑制手段によって抑制される。抑制手段によって抑制されたゲイン差を有する複数の部分画像は、結合手段によって互いに結合される。
一方、検出手段は、抑制手段によって抑制処理を施される複数の部分画像の間のゲイン差を検出し、判別手段は、抑制手段によって抑制処理を施される複数の部分画像が平坦度条件を満足するか否かを判別する。補正手段は、検出手段によって検出されるゲイン差のうち判別手段の判別結果が肯定的であるときに検出されるゲイン差のみに基づいて、抑制手段の動作特性を補正する。
抑制手段の動作特性を補正することで、経時的変化に起因する境界線の出現を防止できる。また、平坦度条件が満足されたときに検出されるゲイン差に注目することで、動作特性を正確に補正することができる。
請求項2の発明に従う電子カメラは、請求項1に従属し、検出手段は画像のダイナミックレンジ上に割り当てられる複数の範囲の各々に対応してゲイン差を検出し、補正手段は、複数の範囲にそれぞれ対応する複数のゲイン差に基づいて補正データを作成する作成手段、および作成手段によって作成された補正データに基づいて抑制手段の動作特性データを更新する更新手段を含む。
ダイナミックレンジ上に割り当てられる複数の範囲にそれぞれ対応する複数のゲイン差に基づいて補正データを作成することで、動作特性データの正確な補正が可能となる。
請求項3の発明に従う電子カメラは、請求項2に従属し、作成手段は複数の範囲にそれぞれ関連する複数のゲイン差の全てが検出されたときに補正データを作成する。これによって、補正データの精度が向上する。
請求項4の発明に従う電子カメラは、請求項2または3に従属し、作成手段は複数のゲイン差に補間演算を施して補正データを作成する。
請求項5の発明に従う電子カメラは、請求項2ないし4のいずれかに従属し、更新手段は補正データのデータ値を動作特性データのデータ値に加算する。
請求項6の発明に従う電子カメラは、請求項1ないし5のいずれかに従属し、複数の部分画像は複数色の色情報を有し、抑制手段の動作特性データは複数色にそれぞれ対応する複数の動作特性を規定するデータである。この結果、複数の部分画像の間のゲイン差は色毎に抑制され、境界線の出現を効果的に防止できる。
請求項7の発明に従う電子カメラは、請求項6に従属し、判別手段は複数の部分画像が有する色毎に判別動作を行い、補正手段は複数の部分画像が有する色毎に補正動作を行う。
請求項8の発明に従う電子カメラは、請求項1ないし7のいずれかに従属し、複数の部分画像をそれぞれ形成する複数の小画像を抽出する抽出手段をさらに備え、検出手段および判別手段の各々は抽出手段によって抽出される複数の小画像に注目する。
請求項9の発明に従う電子カメラは、請求項1ないし8のいずれかに従属し、平坦度条件は抽出手段によって抽出された複数の小画像の全てが平坦であるという条件である。この結果、抑制手段の動作特性を補正するとき、ゲイン差は平坦な小画像から検出される。
請求項10の発明に従う電子カメラは、請求項8または9に従属し、判別手段は抽出手段によって抽出された複数の小画像の各々の高周波成分を積算する積算手段を含む。積算手段によって求められた積算値は、小画像の平坦度を表すこととなる。
請求項11の発明に従う電子カメラは、請求項10に従属し、判別手段は積算手段によって求められた複数の積算値の各々を閾値と比較する比較手段をさらに含む。これによって、小画像の平坦度を的確に判別できる。
請求項12の発明に従う電子カメラは、請求項10に従属し、判別手段は積算手段によって求められた複数の積算値の総和を閾値と比較する比較手段をさらに含む。これによって、小画像の平坦度を的確に判別できる。
請求項13の発明に従う電子カメラは、請求項8ないし12のいずれかに従属し、検出手段は、抽出手段によって抽出された複数の小画像の各々の成分の平均値を算出する平均値算出手段、および平均値算出手段によって求められた複数の平均値の間の差分値をゲイン差として算出する差分値算出手段を含む。
請求項14の発明に従う電子カメラは、請求項8ないし13のいずれかに従属し、抽出手段によって抽出される複数の小画像は複数の部分画像の境界の近傍に存在する。
請求項15の発明に従う電子カメラは、請求項1ないし14のいずれかに従属し、複数の部分画像の基準レベルを互いに一致させる調整手段をさらに備える。
請求項16の発明に従う電子カメラは、請求項15に従属し、調整手段は抑制手段の抑制動作に先立ってレベル調整を行う。
この発明によれば、抑制手段の動作特性を補正することで、経時的変化に起因する境界線の出現を防止できる。また、平坦度条件が満足されたときに検出されるゲイン差に注目することで、動作特性を正確に補正することができる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1を参照して、この実施例のディジタルカメラ(電子カメラ)10は、光学レンズ12を含む。被写界の光学像は、光学レンズ12を介してCCDイメージャ16の撮像面に照射される。撮像面は、R(Red),G(Green)またはB(Blue)のフィルタ要素がベイヤ態様で配列された色フィルタ14fによって覆われる。
このため、Rの色情報を有する電荷はRのフィルタ要素によって覆われた受光素子であるR画素で生成され、Gの色情報を有する電荷はGのフィルタ要素によって覆われた受光素子であるG画素で生成され、そしてBの色情報を有する電荷はBのフィルタ要素によって覆われた受光素子であるB画素で生成される。
キー入力装置32によってカメラモードが選択されると、TG(Timing Generator)18がCPU30によって起動される。TG18は、水平同期信号Hsyncおよび垂直同期信号Vsyncを含む複数のタイミング信号を発生する。ドライバ16aおよび16bの各々は、かかるタイミング信号に応答してCCDイメージャ14を駆動する。これによって、1フレームに相当する電荷つまり生画像信号が、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に、CCDイメージャ14から出力される。
図2を参照して、CCDイメージャ16の撮像面は、部分撮像領域IMLおよびIMRを有する。部分撮像領域IMLは、撮像面の中心から垂直方向に伸びる境界線BLの左側に形成され、部分撮像領域IMRは、同じ境界線BLの右側に形成される。つまり、部分撮像領域IMLおよびIMRは、境界線BLで互いに接する。
部分撮像領域IMLおよびIMRの各々には、図示しない複数の垂直転送レジスタが割り当てられる。また、部分撮像領域IMLには水平転送レジスタHLが割り当てられ、撮像領域IMRには水平転送レジスタHRが割り当てられる。さらに、水平転送レジスタHLの出力端にはアンプAPLが設けられ、水平転送レジスタHRの出力端にはアンプAPRが設けられる。
したがって、部分撮像領域IML上の複数の受光素子で生成された電荷は、図示しない垂直転送レジス,水平転送レジスタHLおよびアンプAPLを介して、チャネルCH1から出力される。撮像領域IMR上の複数の受光素子で生成された電荷も同様に、図示しない垂直転送レジスタ,水平転送レジスタHRおよびアンプAPRを介して、チャネルCH2から出力される。
つまり、ドライバ16aは、TG18からのタイミング信号に基づいて部分撮像領域IMLにラスタ走査を施し、左側1/2フレームの生画像信号をチャネルCH1から出力する。ドライバ16bも同様に、TG18からのタイミング信号に基づいて撮像領域IMRにラスタ走査を施し、右側1/2フレームの生画像信号をチャネルCH2から出力する。
ただし、水平転送レジスタHRの転送方向は、水平転送レジスタHLの転送方向と逆の方向である。このため、ラスタ走査方向もまた、部分撮像領域IMLおよびIMRの間で互いに反転する。
CDS/AGC/AD回路20aは、チャネルCH1の生画像信号に相関2重サンプリング,自動ゲイン調整およびA/D変換の一連の処理を施す。同様に、CDS/AGC/AD回路20bは、チャネルCH2の生画像信号に相関2重サンプリング,自動ゲイン調整およびA/D変換の一連の処理を施す。なお、CDS/AGC/AD回路20aおよび20bも、TG18から出力されたタイミング信号に同期して、上述の処理を行う。
クランプ回路22aは、CDS/AGC/AD回路20aから出力された生画像データの基準レベルを、レベル調整回路24によって設定された黒レベルに合わせる。クランプ回路22bも同様に、CDS/AGC/AD回路20bから出力された生画像データの基準レベルを、レベル調整回路24によって設定された黒レベルに合わせる。
クランプ回路22aから出力された生画像データは、メモリ制御回路38によってSDRAM36に書き込まれる。また、クランプ回路22bから出力された生画像データは、LUT(Look Up Table)28rによるR成分のゲイン調整,LUT28gによるG成分のゲイン調整およびLUT28bによるB成分のゲイン調整を経て、メモリ制御回路38によってSDRAM36に書き込まれる。
SDRAM36は、図3に示すように生画像領域36a,YUV画像領域36bおよび圧縮画像領域36cを有する。メモリ制御回路38は、チャネルCH1の生画像データを生画像領域36aの左側に格納し、チャネルCH2の生画像データを生画像領域36aの右側に格納する。こうして生画像領域36aに格納された生画像データは、撮像された1フレームの被写界像を表す。また、LUT28r,28gおよび28bによるゲイン調整によってチャネルCH1およびCH2の間での生画像データのゲイン差が解消され、境界線の出現が防止される。
なお、クランプ回路22aおよび22bの各々から出力される生画像データは12ビットで表現される。このため、LUT28r,28gおよび28bの各々は、4096個の設定値を有する。
後処理回路40は、このような生画像データをメモリ制御回路38を通してSDRAM36から読み出し、読み出された生画像データに色分離,YUV変換などの処理を施し、そしてYUV形式の画像データをメモリ制御回路38を通してYUV画像領域36bに書き込む。JPEGコーデック42は、YUV画像領域36bに格納された画像データをメモリ制御回路38を通して読み出し、読み出された画像データにJPEG圧縮を施し、そして圧縮画像データをメモリ制御回路38を通して圧縮画像領域36cに書き込む。
JPEG圧縮が完了すると、CPU30は、メモリ制御回路38を通して圧縮画像領域36cから圧縮画像データを読み出し、読み出された圧縮画像データをI/F44を通して記録媒体46に記録する。こうして、圧縮画像データを収めた画像ファイルが記録媒体46に形成される。なお、記録媒体46は着脱自在であり、図示しないスロットに装着されたときにI/F44と接続される。
図4を参照して、クランプ回路22aに入力されるチャネルCH1の生画像データのR成分,G成分およびB成分がそれぞれ入射光量に対して曲線C1rin,C1ginおよびC1binを描く場合、クランプ回路22aから出力されるチャネルCH1の生画像データのR成分,G成分およびB成分はそれぞれ入射光量に対して曲線C1rout,C1goutおよびC1boutを描く。また、クランプ回路22bに入力されるチャネルCH2の生画像データのR成分,G成分およびB成分がそれぞれ入射光量に対して曲線C2rin,C2ginおよびC2binを描く場合、クランプ回路22bから出力されるチャネルCH2の生画像データのR成分,G成分およびB成分はそれぞれ入射光量に対して曲線C2rout,C2goutおよびC2boutを描く。
アンプAPLおよびAPRの増幅特性の相違から、生画像データの黒レベルおよびゲインもまたチャネルCH1およびCH2の間で相違する。このうち黒レベルのずれが、クランプ回路22a,22bおよびレベル調整回路24によって解消される。一方、ゲインのずれは、下記の要領で解消される。
クランプ回路22aから出力された生画像データはブロック演算回路26aに与えられ、クランプ回路22bから出力された生画像データはブロック演算回路26bに与えられる。図5を参照して、ブロック演算回路26aは、境界線BLに近接するように左側撮像領域IMLに割り当てられた境界ブロックB1L,B2L,…BnLの各々に属する小画像について、高周波成分の色毎の積算値と画像レベルの色毎の平均値を求める。ブロック演算回路26bは、境界線BLに近接するように右側撮像領域IMRに割り当てられた境界ブロックB1R,B2R,…BnRの各々に属する小画像について、高周波成分の色毎の積分値と画像レベルの色毎の平均値を求める。
ブロック演算回路26aおよび26bの各々は、詳しくは、図6に示すように構成される。クランプ回路22aまたは22bから出力された生画像データは、ブロック抽出回路46に与えられる。ブロック抽出回路46は、境界ブロックB1L〜BnLの各々あるいは境界ブロックB1R〜BnRの各々に属する生画像データを抽出する。
R差分値算出回路48は、抽出された生画像データのうち隣り合うR画素の差分値であるR差分値を算出する。G差分値算出回路50は、抽出された生画像データのうち隣り合うG画素の差分値であるG差分値を算出する。抽出された生画像データのうち隣り合うB画素の差分値であるB差分値を算出する。
積算回路54は算出されたR差分値の絶対値を境界ブロック毎に積算し、積算回路56は算出されたG差分値の絶対値を境界ブロック毎に積算し、そして積算回路58は算出されたB差分値の絶対値を境界ブロック毎に積算する。これによって、同じ境界ブロックに対応する積算値Rh,GhおよびBhが、積算回路54,56および58からそれぞれ出力される。
R平均値算出回路60は、ブロック抽出回路46からの生画像データのうちR画素のレベルを境界ブロック毎に平均し、G平均値算出回路62は、ブロック抽出回路46からの生画像データのうちG画素のレベルを境界ブロック毎に平均し、そしてB平均値算出回路64は、ブロック抽出回路46からの生画像データのうちB画素のレベルを境界ブロック毎に平均する。これによって、同じ境界ブロックに対応する平均値Rav,GavおよびBavが、R平均値算出回路60,G平均値算出回路62およびB平均値算出回路64からそれぞれ出力される。
図1に戻って、ブロック演算回路26aおよび26bの各々は、こうして算出された積算値Rh,Gh,Bhおよび平均値Rav,Gav,BavをCPU30に与える。CPU30は、互いに隣接する2つの境界ブロックBKLおよびBKR(K:1〜n)の小画像が平坦であるか否かを判別する。注目する2つの境界ブロックで求められた積算値Rh,GhおよびBhの全てが閾値TH未満であれば、これらの境界ブロックの小画像は平坦であると判別される。
CPU30は、平坦画像を有する2つの境界ブロックの各々で求められた平均値Rav,GavおよびBavに基づいて、差分値ΔRav,ΔGavおよびΔBavを算出する。差分値ΔRavは、境界ブロックBKLの平均値Ravから境界ブロックBKRの平均値Ravを引き算することによって求められ、差分値ΔGavは、境界ブロックBKLの平均値Gavから境界ブロックBKRの平均値Gavを引き算することによって求められ、そして差分値ΔBavは、境界ブロックBKLの平均値Bavから境界ブロックBKRの平均値Bavを引き算することによって求められる。
差分値ΔRav,ΔGav,ΔBavおよび境界ブロックBKLで求められた平均値Rav,Gav,Bavは、図7に示す代表値レジスタ34に書き込まれる。このとき、CPU30は、境界ブロックBKLの平均値Rav,GavまたはBavの各々が属する範囲を、チャネルCH2の生画像データのダイナミックレンジに図4に示す要領で割り当てられた範囲LV1〜LV8の中から特定する。CPU30はまた、境界ブロックBKLの平均値Rav,Gav,Bavおよび差分値ΔRav,ΔGav,ΔBavを、特定された範囲に関連付ける。
たとえば、境界ブロックBKLの平均値Rav,GavおよびBavがそれぞれ範囲LV5,LV2およびLV8に属する場合、差分値ΔRavおよび平均値Ravは代表値レジスタ34の範囲LV5に関連付けられ、差分値ΔGavおよび平均値Gavは代表値レジスタ34の範囲LV2に関連付けられ、そして差分値ΔBavおよび平均値Bavは代表値レジスタ34の範囲LV8に関連付けられる。
なお、代表値レジスタ34に書き込まれた差分値ΔRav,ΔGavおよびΔBavはそれぞれ、“R代表値”,“G代表値”および“B代表値”と定義される。
代表値レジスタ34が完成すると、CPU30は、8つのR代表値に補間演算を施してR補正データを作成し、8つのG代表値に補間演算を施してG補正データを作成し、そして8つのB代表値に補間演算を施してB補正データを作成する。クランプ回路22aから出力されたチャネルCH1の生画像データのR成分,G成分およびB成分が図6に示す曲線C1rout,C1goutおよびC1boutを描き、クランプ回路22bから出力されたチャネルCH2の生画像データが図6に示す曲線C2rout,C2goutおよびC2boutを描く場合、R補正データ,G補正データおよびB補正データはそれぞれ図8に示す曲線Cr,CgおよびCbを描く。
曲線Cr,CbおよびCgの各々は、チャネルCH1の生画像データからチャネルCH2の生画像データを減算して得られた差分画像データがチャネルCH2の生画像データに対してどのように変化するかを示す特性曲線に等しい。
CPU30は、R補正データの値をLUT28rの設定値に加算し、G補正データの値をLUT28gの設定値に加算し、そしてB補正データの値をLUT28bの設定値に加算する。
LUT28rのデフォルト設定値がクランプ回路22bの出力に対して図9に示す曲線TSrを描く場合、図8に示す特性を有するR補正データが加算されたLUT28rの設定値は図9に示す曲線TMrを描く。また、LUT28gのデフォルト設定値がクランプ回路22bの出力に対して図9に示す曲線TSgを描く場合、図8に示す特性を有するG補正データが加算されたLUT28gの設定値は図9に示す曲線TMgを描く。さらに、LUT28bのデフォルト設定値がクランプ回路22bの出力に対して図9に示す曲線TSbを描く場合、図8に示す特性を有するB補正データが加算されたLUT28bの設定値は図9に示す曲線TMbを描く。この結果、生画像データのゲインは、チャネルCH1およびCH2の間でほぼ一致することとなる。
LUT28r,28gおよび28bの設定値を調整するとき、CPU30は、図10〜図11に示すフロー図に従う処理を実行する。なお、このフロー図に対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ48に記憶される。
まずステップS1で代表値レジスタ34をクリアし、ステップS3で変数Kを“0”に設定する。ステップS5では垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを判断し、YESであればステップS7で変数Kをインクリメントする。ステップS9では、変数Kが所定値nを上回ったかどうかを判別する。ここでNOであればステップS11に進み、YESであればステップS17に進む。
ステップS11では境界ブロックBKLの積算値Rh,GhおよびBhをブロック演算回路26aから取り込み、ステップS13では境界ブロックBKRの積算値Rh,GhおよびBhをブロック演算回路26bから取り込む。ステップS15では、取り込まれた積算値Rh,GhおよびBhが平坦度条件を満足するか否かを判別する。具体的には、取り込まれた積分値Rh,GhおよびBhのいずれもが閾値未満であるか否かを判別する。
この平坦度条件が満たされなければ、境界ブロックBKLに属する小画像および境界ブロックBKRに属する小画像の少なくとも1つが平坦画像ではないとみなし、ステップS7に戻る。一方、この条件が満たされると、境界ブロックBKLおよびBKRの各々に属する小画像はいずれも平坦画像であるとみなし、ステップS23に進む。
ステップS23では境界ブロックBKLの平均値Rav,GavおよびBavをブロック演算回路26aから取り込み、ステップS25では境界ブロックBKRの平均値Rav,GavおよびBavをブロック演算回路26bから取り込む。ステップS27では、境界ブロックBKLの平均値Ravから境界ブロックBKRの平均値Ravを減算して差分値ΔRavを算出し、境界ブロックBKLの平均値Gavから境界ブロックBKRの平均値Gavを減算して差分値ΔGavを算出し、そして境界ブロックBKLの平均値Bavから境界ブロックBKRの平均値Bavを減算して差分値ΔBavを算出する。
ステップS29では境界ブロックBKRの平均値Ravが書き込み条件を満足するか否かを判別し、ステップS33では境界ブロックBKRの平均値Gavが書き込み条件を満足するか否かを判別し、そしてステップS37では境界ブロックBKRの平均値Bavが書き込み条件を満足するか否かを判別する。
ステップS29,S33およびS37の各々の判別処理は、ステップS23で取り込まれた平均値つまり注目平均値と、注目平均値が属する範囲つまり注目範囲と、注目範囲について代表値レジスタ34にすでに設定されている平均値つまり設定平均値とを必要とする。ステップS29,S33またはS37で要求される条件は、注目平均値が設定平均値よりも注目範囲の中央値に近似するという条件である。たとえば、範囲LV2が“6”〜“10”の値を有し、注目平均値が“8”であり、設定平均値が“9”であれば、注目平均値の方が範囲LV2の中央値“7.5”に近い。このとき、条件は満足される。
ステップS29でYESであればステップS31に進み、ステップS33でYESであればステップS35に進み、そしてステップS37でYESであればステップS39に進む。
ステップS31では、境界ブロックBKRの平均値Ravが属する範囲を検出し、差分値ΔRavおよび境界ブロックBKRの平均値Ravを検出された範囲に関連付けて代表値レジスタ34に書き込む。
ステップS35では、境界ブロックBKRの平均値Gavが属する範囲を検出し、差分値ΔGavおよび境界ブロックBKRの平均値Gavを検出された範囲に関連付けて代表値レジスタ34に書き込む。
ステップS39では、境界ブロックBKRの平均値Bavが属する範囲を検出し、差分値ΔGavおよび境界ブロックBKRの平均値Bavを検出された範囲に関連付けて代表値レジスタ34に書き込む。
図10に戻って、ステップS9でYESであれば、代表値レジスタ34が完成したか否かをステップS17で判別する。代表値レジスタ34は、全ての欄に数値が書き込まれたときに完成する。ここでNOと判断されるとステップS5に戻り、YESと判断されるとステップS19に進む。ステップS19では、代表値レジスタ34に設定された8つのR代表値に補間演算を施してR補正データを作成し、代表値レジスタ34に設定された8つのG代表値に補間演算を施してG補正データを作成し、そして代表値レジスタ34に設定された8つのB代表値に補間演算を施してB補正データを作成する。
ステップS21では、作成されたR補正データを用いてLUT28rの設定値を補正し、作成されたG補正データを用いてLUT28gの設定値を補正し、そして作成されたB補正データを用いてLUT28bの設定値を補正する。具体的には、R補正データのデータ値をLUT28rのデフォルト設定値に加算し、G補正データのデータ値をLUT28gのデフォルト設定値に加算し、そしてB補正データのデータ値をLUT28bのデフォルト設定値に加算する。ステップS21の処理が完了すると、ステップS1に戻る。
以上の説明から分かるように、イメージセンサ12は、複数の部分画像をそれぞれ生成する複数の部分撮像領域IMLおよびIMRが形成された撮像面と、複数の部分撮像領域IMLおよびIMRにそれぞれ対応する複数のチャネルCH1およびCH2とを有する。複数のチャネルCH1およびCH2からそれぞれ出力された複数の部分画像の間のゲイン差は、LUT28r,28gおよび28bによって抑制される。抑制されたゲイン差を有する複数の部分画像は、メモリ制御回路38によって互いに結合される。
一方、CPU30は、抑制処理を施される複数の部分画像が平坦度条件を満足するか否かを判別する(S15)。この判別結果が肯定的であれば、CPU30は、抑制処理を施される複数の部分画像の間のゲイン差を検出し(S25)、検出されたゲイン差に基づいてLUT28r,28gおよび28bの動作特性を補正する。
LUT28r,28gおよび28bの動作特性を補正することで、経時的変化に起因する境界線の出現を防止できる。また、平坦度条件が満足されたときに検出されるゲイン差に注目することで、動作特性を正確に補正することができる。つまり、画像の境界線の出現を効果的に防止できる。
また、LUT28r,28gおよび28bをそれぞれ補正するためのR補正データ,G補正データおよびB補正データは、生画像データのダイナミックレンジ上に割り当てられる複数の範囲LV1〜LV8にそれぞれ対応する複数のゲイン差に基づいて作成される。これによって、LUT28r,28gおよび28bの正確な補正が可能となる。
なお、この実施例では、平坦度条件として、互いに隣接する2つの境界ブロックで求められた積算値Rh,GhおよびBhの各々が閾値未満であることを要求している。しかし、これに代えて、互いに隣接する2つの境界ブロックで求められた積算値の色毎の総和(Rh+Rh,Gh+Gh,Bh+Bh)の各々が閾値未満であることを平坦度条件として要求するようにしてもよい。
また、この実施例では、LUT28r,28gおよび28bによるゲイン調整処理に先立ってクランプ処理を行うようにしているが、クランプ処理がゲイン調整処理の後に実行するようにしてもよい。
さらに、この実施例では、図11に示すステップS23以降の処理は、積分値Rh,GhおよびBhの全てが閾値を下回らない限り、実行されない。しかし、ステップS23以降の処理は、色毎に実行するようにしてもよい。この場合、図10〜図11に示すステップS15〜S39に代えて、図12〜図13に示す処理が実行される。
図12を参照して、ステップS41では積算値Rhが閾値を下回るか否かを判別する。ここでYESであれば、ステップS43で境界ブロックBKLの平均値Ravをブロック演算回路26aから取り込み、ステップS45で境界ブロックBKRの平均値Ravをブロック演算回路26bから取り込む。ステップS47では、境界ブロックBKLの平均値Ravから境界ブロックBKRの平均値Ravを減算して差分値ΔRavを算出する。
ステップS49では、平均値Ravが書き込み条件を満足するか否かを判別する。この条件も、ステップS43で取り込まれた注目平均値Ravと、注目平均値Ravが属する注目範囲と、注目範囲について代表値レジスタ34にすでに設定されている設定平均値Ravとを必要とする。書き込み条件は、注目平均値Ravが設定平均値Ravよりも注目範囲の中央値に近似するという条件である。
ステップS49でYESであれば、ステップS51に進む。ステップS51では、境界ブロックBKRの平均値Ravが属する範囲を検出し、差分値ΔRavおよび境界ブロックBKRの平均値Ravを検出された範囲に関連付けて代表値レジスタ34に書き込む。
なお、ステップS53〜S63の処理およびステップS65〜S75の処理の各々は、注目する色が異なる点を除き、ステップS41〜S51の処理と同じであるため、重複した説明を省略する。
このような処理を実行することによって、代表値レジスタ34の完成に要する時間を短縮できる。
この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。 図1実施例に適用されるイメージセンサの構成の一例を示す図解図である。 図1実施例に適用されるSDRAMのマッピング状態の一例を示す図解図である。 図1実施例に適用されるクランプ回路の動作の一部を示すグラフである。 図1実施例の動作の一部を示す図解図である。 図1実施例に適用されるブロック演算回路の構成の一例を示すブロック図である。 図1実施例に適用される代表値レジスタの構成の一例を示す図解図である。 図1実施例の動作の一部を示すグラフである。 図1実施例の動作の他の一部を示すグラフである。 図1実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。 図1実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。 この発明の他の実施例の動作の一部を示すフロー図である。 この発明の他の実施例の動作の他の一部を示すフロー図である。
符号の説明
10 …ディジタルカメラ
14 …イメージセンサ
22a,22b …クランプ回路
26a,26b …ブロック演算回路
28r,28g,28b …LUT
30 …CPU
34 …代表値レジスタ

Claims (16)

  1. 複数の部分画像をそれぞれ生成する複数の部分撮像領域が形成された撮像面と前記複数の部分撮像領域にそれぞれ対応する複数の出力経路とを有する撮像手段、
    前記複数の出力経路からそれぞれ出力された複数の部分画像の間のゲイン差を抑制する抑制手段、
    前記抑制手段によって抑制されたゲイン差を有する複数の部分画像を互いに結合する結合手段、
    前記抑制手段によって抑制処理を施される複数の部分画像の間のゲイン差を検出する検出手段、
    前記抑制手段によって抑制処理を施される複数の部分画像が平坦度条件を満足するか否かを判別する判別手段、および
    前記検出手段によって検出されるゲイン差のうち前記判別手段の判別結果が肯定的であるときに検出されるゲイン差のみに基づいて前記抑制手段の動作特性を補正する補正手段を備える、電子カメラ。
  2. 前記検出手段は画像のダイナミックレンジ上に割り当てられる複数の範囲の各々に対応して前記ゲイン差を検出し、
    前記補正手段は、前記複数の範囲にそれぞれ対応する複数のゲイン差に基づいて補正データを作成する作成手段、および前記作成手段によって作成された補正データに基づいて前記抑制手段の動作特性データを更新する更新手段を含む、請求項1記載の電子カメラ。
  3. 前記作成手段は前記複数の範囲にそれぞれ関連する複数のゲイン差の全てが検出されたときに前記補正データを作成する、請求項2記載の電子カメラ。
  4. 前記作成手段は前記複数のゲイン差に補間演算を施して前記補正データを作成する、請求項2または3記載の電子カメラ。
  5. 前記更新手段は前記補正データのデータ値を前記動作特性データのデータ値に加算する、請求項2ないし4のいずれかに記載の電子カメラ。
  6. 前記複数の部分画像は複数色の色情報を有し、
    前記抑制手段の動作特性データは前記複数色にそれぞれ対応する複数の動作特性を規定するデータである、請求項1ないし5のいずれかに記載の電子カメラ。
  7. 前記判別手段は前記複数の部分画像が有する色毎に判別動作を行い、
    前記補正手段は前記複数の部分画像が有する色毎に補正動作を行う、請求項6記載の電子カメラ。
  8. 前記複数の部分画像をそれぞれ形成する複数の小画像を抽出する抽出手段をさらに備え、
    前記検出手段および前記判別手段の各々は前記抽出手段によって抽出される複数の小画像に注目する、請求項1ないし7のいずれかに記載の電子カメラ。
  9. 前記平坦度条件は前記抽出手段によって抽出された複数の小画像の全てが平坦であるという条件である、請求項1ないし8のいずれかに記載の電子カメラ。
  10. 前記判別手段は前記抽出手段によって抽出された複数の小画像の各々の高周波成分を積算する積算手段を含む、請求項8または9記載の電子カメラ。
  11. 前記判別手段は前記積算手段によって求められた複数の積算値の各々を閾値と比較する比較手段をさらに含む、請求項10記載の電子カメラ。
  12. 前記判別手段は前記積算手段によって求められた複数の積算値の総和を閾値と比較する比較手段をさらに含む、請求項10記載の電子カメラ。
  13. 前記検出手段は、前記抽出手段によって抽出された複数の小画像の各々の成分の平均値を算出する平均値算出手段、および前記平均値算出手段によって求められた複数の平均値の間の差分値を前記ゲイン差として算出する差分値算出手段を含む、請求項8ないし12のいずれかに記載の電子カメラ。
  14. 前記抽出手段によって抽出される複数の小画像は前記複数の部分画像の境界の近傍に存在する、請求項8ないし13のいずれかに記載の電子カメラ。
  15. 前記複数の部分画像の基準レベルを互いに一致させる調整手段をさらに備える、請求項1ないし14のいずれかに記載の電子カメラ。
  16. 前記調整手段は前記抑制手段の抑制動作に先立ってレベル調整を行う、請求項15記載の電子カメラ。
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