JP2006216393A - 平面型放電管 - Google Patents

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Abstract


【課題】 発光面積を大きく、しかも管の厚さを薄くするとともに、両放電電極間の外部絶縁距離を大きくして外部放電を阻止することが可能な平面型放電管を提供する。
【解決手段】 蓋体13には、全周外側へ向かって延設される蓋体周縁延設部13aが設けられているため、充分に絶縁距離が確保できる。その結果、平面型放電管101の外部における放電を阻止することができる。また、側壁部15の厚さH′を可能な限り小さくできるようになり、ひいては発光面積を拡大することができる。また、蓋体周縁延設部13aの延設長さDを、絶縁距離が確保できる程度に長くすることによって、管101自体の厚さを薄くすることが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、対向配置された一対の誘電体平板に、放電ガスが封入された放電空間が設けられている平面型放電管に関する。
従来、平面蛍光ランプ等の平面型放電管としては、図7に示すような構成が知られている。図7(a)は本実施形態の平面型放電管51の外観斜視図、(b)は正面図、(c)は図7(b)におけるX−X断面図である。平面型放電管51は一対のガラス基板52a、52bを備えており、両ガラス基板52a、52bは所定の放電距離dだけ離間するように配置されている。両ガラス基板52a、52bは、それぞれの互いに対向する外周縁間においてガラス接着剤(ガラスフリット低融点ガラス)53により貼り合わされた状態で焼成することにより互いに接合されている。両ガラス基板52a、52bの互いに対向する内面とガラス接着剤53とにより、密閉された放電空間54が形成されている。この放電空間54内にはキセノン等の不活性ガス(放電ガス)が封入されている。なお、この不活性ガスは、平面型放電管51の一部において、放電空間54と導通するようにして取付られたチップ管(図示せず)を通して、内部に存在する空気を真空ポンプによって排出した後、ボンベ等から放電空間54内へ供給される。
両ガラス基板52a、52bのうち一方のガラス基板52aの表面(図7における上面)は発光面S(光を出す面)とされており、該発光面Sにはその前面にわたって膜状の透明電極55が形成されている。この透明電極55は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO:Indium tin oxide)、酸化スズ、又は酸化亜鉛をスパッタリング、蒸着、CVD(cemical vapor deposition:化学気相蒸着法)、又は塗布することにより形成されている。発光面Sとされない他方のガラス基板52bの外面(図7における下面)には、その全面にわたって不透明電極56が形成されている。この不透明電極56は、例えば銀、アルミニウム等の金属蒸着膜により形成されている。また、放電空間54内において、ガラス基板52bの内面には、蛍光体膜57が形成されている。
透明電極55および不透明電極56の外面にはそれぞれ導電接着剤58a、58bを介してリード線59a、59bの他端はそれぞれ交流電源(図示略)に接続されている。そして、両リード線59a、59b及び両導電接着剤58a、58bを介して、透明電極55と不透明電極56との間に所定の交流電圧を印加すると、両ガラス基板52a、52bには放電(誘電体バリア放電)が発生し、励起したキセノン原子から紫外線が発生する。この紫外線が蛍光体膜57に受け取られることにより可視光が得られる。また、平面型放電管51において、不透明電極56を透明電極にすると共に、放電空間54内におけるガラス基板52aの内面に蛍光体膜57を形成するようにしたものもあり、この例は特開2003−031182公報(特許文献1)に開示されている。
この可視光線が照射される発光面Sの有する面積は、前記放電空間内のガラス基板内面に蛍光体膜57が形成された面積に相当する(図7(b)の破線の内側に相当)。従って、この面積と同等若しくは若干大きな面積を有する前記透明電極55が、ガラス基板の外面に形成されている。同様にして、もう一方のガラス基板52bの外面(下面)には、発光面Sの有する面積と同等若しくは若干大きな面積を有する不透明電極56が形成されている。通常、これらの両電極は、放電空間外での放電を阻止するために、両ガラス基板の周縁から内部に一定の距離AまたはCを有するようにして、両電極55,56の各面積が決定される。つまり、このように絶縁距離(A+B+C)を確保することによって、放電空間外での放電を阻止するようになっている。
このように両ガラス基板外面の周縁には、電極の存在しない領域61,62が存在する。次にこの領域61,62の形成方法について説明する。最初にガラス平板から一対のガラス基板52a、52bを切り出し、幅AまたはCの幅を有する帯状のマスクを両ガラス基板片面(上面)の周縁に設置する。次に、ガラス基板52aの上面全体にスパッタリング等により透明電極55を形成した後、幅Aを有する帯状のマスクを取り去ると、電極の存在しない部分61が形成される。同様にして、ガラス基板52bの上面全体に蒸着等により金属膜56を形成した後、幅Cを有する帯状のマスクを取り去ると電極の存在しない部分62が形成される。その他の方法として、大きな面積のガラス平板の片面に電極を形成させた後、複数のガラス板を必要な面積の分だけ切り出す作業を行う。その後、幅AまたはCの分だけ周縁を残し、本来の電極として作用させる部分にマスクを設置し、薬品等で周縁部分を溶かしてその電極部分を除去してからマスクを取り除く方法もある。
特開2003−31182号の図2
このような平面型放電管51を設計する場合、できる限り発光面Sを大きくしたいという要望があるために、ガラス接着剤53からなる管側壁部の厚さHをできるだけ小さくし放電空間を大きくすることによって、実質的な発光面積を拡大することが試みられる。しかしながら、これを行うと、図7に示す距離A及びCが次第に小さくなり、つまり必要最低限の絶縁距離(A+B+C)が確保できなくなり、放電空間で放電しないで、外部空間で放電するようになる場合がある。したがって、この必要最小限の絶縁距離をある程度確保するためには、管側壁部53の厚さH、即ち、ガラス基板の周縁における非発光部(図7(b)の破線の外側に相当)を狭くできないという問題があった。
一方、平面型放電管51は、管51の厚さが薄いことが大きな特徴であるため、できる限り管51の厚さを薄くしたいという要望がある。即ち、図7の距離Bを小さくしなければならなくないが、上述した絶縁距離(A+B+C)を確保するためには、距離AあるいはCを大きく設定しなければならなくなる。つまり、上述の発光面積Sを大きくしたいという要望と矛盾することになり、事実上、管51の厚さを薄くするのには限界があるという問題があった。
また、上述したように、両ガラス基板52a,52bにおいて、電極の存在しない部分61,62を形成するためには、多大な工程を要するため、コストアップの要因となっていた。したがって、このような電極の存在しない部分を作成する工程を避けたいという要望(A=0,B=0)があった。つまり、電極の存在しない部分61,62を設けなくても、絶縁距離を確保できる平面型放電管の構造が望まれていた。
そこで、本発明では、発光面積を大きく、しかも管の厚さを薄くするとともに、両放電電極間の外部絶縁距離を大きくして外部放電を阻止することが可能な平面型放電管を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に記載の平面型放電管は、
前面誘電体平板及び背面誘電体平板を対向配置させ、放電ガスを封入した放電空間を両誘電体平板間に設けると共に、前記放電空間に放電させるための一対の放電電極を前記両誘電体平板のそれぞれの外面に設けた平面型放電管において、
前記両誘電体平板のいずれか一方の誘電体平板の周縁に、全周外側へ向かって延設される誘電体平板延設部を設けた、
ことを特徴とする。
また、請求項2に記載の平面型放電管は、
前面誘電体平板及び背面誘電体平板を対向配置させ、放電ガスを封入した放電空間を両誘電体平板間に設けると共に、前記放電空間に放電させるための一対の放電電極を前記両誘電体平板のそれぞれの外面に設けた平面型放電管において、
前記両誘電体平板の間に設けられ、前記放電空間の周囲に立設された管側壁部に、全周外側へ向かって延設される管側壁延設部を設けた、
ことを特徴とする。
また、請求項3に記載の平面型放電管は、
前面誘電体平板及び背面誘電体平板を対向配置させ、放電ガスを封入した放電空間を両誘電体平板間に設けると共に、前記放電空間に放電させるための一対の放電電極を前記両誘電体平板のそれぞれの外面に設けた平面型放電管において、
前記両誘電体平板の間に設けられ、前記放電空間の周囲に立設された管側壁部と一体にして形成され、全周に亘って管側壁を覆う管側壁被覆部を設けた、
ことを特徴とする。
また、請求項4に記載の平面型放電管は、
前面誘電体平板及び背面誘電体平板を対向配置させ、放電ガスを封入した放電空間を両誘電体平板間に設けると共に、前記放電空間に放電させるための一対の放電電極を前記両誘電体平板のそれぞれの外面に設けた平面型放電管において、
前記両誘電体平板のいずれか一方の外面の略中央部には、前記放電空間の発光面と同面積以上の底面を有する凹部を設け、該凹部内の底面に前記放電電極を設けた、
ことを特徴とする。
また、請求項5に記載の平面型放電管は、請求項4に記載の平面型放電管に加えて、
前記凹部を誘電体平板で覆い、該凹部と該誘電体平板とをその周縁において接合した、ことを特徴とする。
請求項1に記載の平面型放電管によれば、
前記両誘電体平板のいずれか一方の誘電体平板の周縁に、全周外側へ向かって延設される誘電体平板延設部を設けたことにより、外部放電しない程度に前記絶縁距離を大きくすることができる。したがって、前記管側壁部の厚さをできるだけ薄くすることによって、発光面積に相当する透明放電電極の面積を大きくすることができる。また、誘電体平板延設部の延設長さを、絶縁距離が確保できる程度に長くすることによって、平面型放電管自体の厚さを薄くすることが可能となる。
また、請求項2に記載の平面型放電管によれば、
前記両誘電体平板の間に設けられ、前記放電空間の周囲に立設された側壁部に、全周外側へ向かって延設される管側壁延設部を設けたことにより、外部放電しない程度に前記絶縁距離を大きくすることができる。したがって、前記管側壁部の厚さをできるだけ薄くすることによって、発光面積に相当する透明放電電極の面積を大きくすることができる。また、管側壁延設部の延設長さを、絶縁距離が確保できる程度に長くすることによって、平面型放電管自体の厚さを薄くすることが可能となる。
また、請求項3に記載の平面型放電管によれば、
前記両誘電体平板の間に設けられ、前記放電空間の周囲に立設された管側壁部と一体にして形成され、全周に亘って管周縁を覆う管側壁被覆部を設けたことにより、外部放電しない程度に前記絶縁距離を大きくすることができる。したがって、前記管側壁部の厚さをできるだけ薄くすることによって、発光面積に相当する透明放電電極の面積を大きくすることができる。また、管側壁被覆部の幅を、絶縁距離が確保できる程度に大きくすることによって、平面型放電管自体の厚さを薄くすることが可能となる。
また、請求項4に記載の平面型放電管によれば、
前記両誘電体平板のいずれか一方の外面の略中央部には、前記放電空間の発光面と同面積以上の底面を有する凹部を設け、該凹部内の底面に前記放電電極を設けたことにより、外部放電しない程度に前記絶縁距離を大きくすることができる。したがって、前記管側壁部の厚さをできるだけ薄くすることによって、発光面積に相当する透明放電電極の面積を大きくすることができる。また、凹部周縁に立設する側壁部の高さまたは幅を、絶縁距離が確保できる程度に大きくすることによって、平面型放電管自体の厚さを薄くすることが可能となる。
また、請求項5に記載の平面型放電管によれば、請求項4に記載の平面型放電管の効果に加えて、前記凹部を誘電体平板で覆い、該凹部と該誘電体平板とをその周縁において接合したことにより、前記透明放電電極の保護が可能となるとともに、当該平面型放電管の強度をあげることが可能となり、割れを防止することができる。また、誤って平面型放電管の外面を触れても感電しないという効果も奏する。
以上の発明の平面型放電管によれば、発光面積を大きく、しかも管の厚さを薄くするとともに、両放電電極間の外部絶縁距離を大きくして外部放電を阻止することが可能な平面型放電管を提供することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について図1〜6を用いて説明する。なお、各実施形態において、同様の構成要素には同じ符号を付している。
(第1の実施形態)
図1(a)は本実施形態の平面型放電管101の正面図、図1(b)は図1(a)におけるX−X断面図である。図1(a)、(b)に示すように、本実施形態の平面型放電管101は、扁平箱体状の筐体11を有し、この筐体11は、一方向面が開口した箱本体12と、この箱本体12の開口部を閉塞する四角平板状の蓋体13とを備えている。箱本体12は、平板状の底部14と、この底部14の周縁に沿って立設された枠状の側壁部15とからなる。箱本体12及び蓋体13はともに透明ガラス等の誘電体により形成されており、ガラス接着剤(低融点フリットガラス)15aを用いて接合されている。そして、筐体11において、蓋体13と、箱本体12の低部14とは互いに平行をなすとともに、側壁部15により設定される間隔を隔てて対向配置されている。即ち、この側壁部15の高さによって、放電距離dが規定される。
本実施形態では、蓋体13が前面誘電体平板を形成し、箱本体12の底部14が背面誘電体平板を形成している。また、筐体11内部には、密封された放電空間16が形成され、この放電空間16には放電ガスとしての不活性ガス(例えばキセノン又はキセノンガスを含む混合ガス)が封入されている。また、箱本体12の底部14の内面(図1(b)における底部14の上面)には、蛍光体膜17が形成されている。同様に、蓋体13の放電空間16の内面(図1(c)における蓋体13の下面)に蛍光体膜(図示せず)を形成してもよい。
蓋体13の外面全体には、透明電極18が設けられている。同様に、箱本体12の外面全体には、透明電極19が設けられている。なお、各透明電極18,19は、例えば酸化インジウムスズ(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化スズ、又は酸化亜鉛をスパッタリング、蒸着、CVD(cemical vapor deposition:化学気相蒸着法)、又は塗布することにより形成されている。
透明電極18,19の外面にはそれぞれ導電接着剤20a、20b(図示略)を介してリード線21a、21bの他端が、それぞれ交流電源(図示略)に接続されている。そして、両リード線21a、21b及び両導電接着剤20a、20b(図示略)を介して、透明電極18,19の間に所定の交流電圧を印加すると、放電(誘電体バリア放電)が発生し、励起したキセノン原子から紫外線が発生する。この紫外線が蛍光体膜17に受け取られることにより可視光が得られる。
次に本実施形態の特徴部分について説明する。蓋体13には、全周外側へ向かって延設される蓋体周縁延設部13aが設けられている。この蓋体周縁延設部13aが、本発明の誘電体平板延設部に相当する。この蓋体周縁延設部13aを形成することにより、充分に絶縁距離が確保できるために、平面型放電管101の外部における放電を防止することができる。つまり従来のように、両ガラス基板の周縁に形成される電極が存在しない部分(図7の61および62)を設けなくてもよい。その結果、側壁部15の厚さH′を可能な限り小さくできるようになり、従来の管側壁部53の厚さH(図7参照)より小さくできるので、ひいては発光面積を拡大することができる。また、蓋体周縁延設部13aの延設長さDを、絶縁距離が確保できる程度に長くすることによって、管101自体の厚さを薄くすることが可能となる。
(第2の実施形態)
図2(a)は本実施形態の平面型放電管102の正面図、図2(b)は図2(a)におけるX−X断面図である。本実施形態において、主要な構成要素に関しては、第1の実施形態とほぼ同様であるので、それに関する説明を省略し、本実施形態の特徴である構成要素の異なる部分について説明する。
本実施形態における箱本体12の底部14の周縁に沿って立設された枠状の側壁部15には、全周外側へ向かって延設される側壁周縁延設部15bが設けられている。この側壁周縁延設部15bが、本発明の管側壁延設部に相当する。この側壁周縁延設部15bを形成することにより、充分に絶縁距離が確保できるために、平面型放電管102の外部における放電を防止することができる。つまり、第1の実施形態と同様、従来のように、両ガラス基板の周縁に形成される電極が存在しない部分(図7の61および62)を設けなくてもよい。その結果、側壁部15の厚さH′を可能な限り小さくできるようになり、従来の管側壁部53の厚さH(図7参照)より小さくできるので、ひいては発光面積を拡大することができる。また、側壁周縁延設部15bの延設長さEを、絶縁距離が確保できる程度に長くすることによって、管102自体の厚さを薄くすることが可能となる。
(第3の実施形態)
図3(a)は本実施形態の平面型放電管103の正面図、図3(b)は図3(a)におけるX−X断面図である。本実施形態において、主要な構成要素に関しては、第1の実施形態とほぼ同様であるので、それに関する説明を省略し、本実施形態の特徴である構成要素の異なる部分について説明する。
本実施形態では、第1または第2の実施形態における箱本体12の底部14と側壁部15を分離した部品として構成し、それぞれを誘電体平板14b、管枠体15cとしている。管枠体15cは、本発明の管側壁部に相当する。誘電体平板14aは、本発明の前面誘電体平板に相当し、誘電体平板14bは、背面誘電体平板に相当する。このような形態にすることによって、透明電極を片面の全面に形成した誘電体平板を一対製作し、この両誘電体平板の各々の内面を対向配置するようにして、放電距離dを規定する高さを有する管枠体15cを挟み込んで、その周囲をガラス接着剤15aで封着することによって、平面型放電管103が製作される。
本実施形態における管枠体15cには、全周外側へ向かって延設される管枠体周縁延設部15dが設けられている。この管枠体周縁延設部15dが、本発明の管側壁延設部に相当する。この管枠体周縁延設部15dを形成することにより、充分に絶縁距離が確保できるために、平面型放電管103の外部における放電を防止することができる。つまり、第1または第2の実施形態と同様、従来のように、両ガラス基板の周縁に形成される電極が存在しない部分(図7の61および62)を設けなくてもよい。その結果、管枠体15cにおける距離H′を可能な限り小さくできるようになり、従来の管側壁部53の厚さHより小さくできるので、ひいては発光面積を拡大することができる。また、管枠体周縁延設部15dの延設長さFを、絶縁距離が確保できる程度に長くすることによって、管103自体の厚さを薄くすることが可能となる。
(第4の実施形態)
図4(a)は本実施形態の平面型放電管104の正面図、図4(b)は図4(a)におけるX−X断面図である。本実施形態において、主要な構成要素に関しては、第3の実施形態とほぼ同様であるので、それに関する説明を省略し、本実施形態の特徴である構成要素の異なる部分について説明する。
本実施形態では、管枠体15cの形状が異なる。即ち、管枠体周縁延設部15d(第3の実施形態・図3参照)を設ける代わりに、管周縁被覆部15eを設けている。この管周縁被覆部15eが、本発明の管側壁被覆部に相当する。これは、管自体の側壁を保護、特にガラ接着剤15aによる封着部を保護することができると共に、充分に絶縁距離が確保できる。そのため、平面型放電管104の外部における放電を防止することができる。なお、管周縁被覆部15eの幅Iは、当該平面型放電管の厚さJよりも若干大きいことが好ましい。つまり、第1〜第3の実施形態と同様、従来のように、両ガラス基板の周縁に形成される電極が存在しない部分(図7の61および62)を設けなくてもよいので、管側壁部15cの厚さH′を可能な限り小さくできるようになり、従来の管側壁部53の厚さH(図7参照)より小さくでき、ひいては発光面積を拡大することができる。また、管周縁被覆部15eの厚さGを、絶縁距離が確保できる程度に大きくすることによって、管104自体の厚さを薄くすることが可能となる。
(第5の実施形態)
図5(a)は本実施形態の平面型放電管105の正面図、図5(b)は図5(a)におけるX−X断面図である。本実施形態において、主要な構成要素に関しては、第1の実施形態とほぼ同様であるので、それに関する説明を省略し、本実施形態の特徴である構成要素の異なる部分について説明する。
本実施形態における蓋体13の外面の略中央部には、放電空間の発光面(図5(a)の破線内側部分に相当)と同面積以上の底面を有する凹部13bを設け、その凹部13b内の底面に透明電極18を設けている。蓋体13の周縁に立設する蓋体側壁部13cの高さLは、透明電極18の厚さと同等若しくは若干大きく形成されている。このような構成とすることにより、充分に絶縁距離が確保できるために、平面型放電管105の外部における放電を防止することができる。また、蓋体側壁部13cの高さLまたは幅Kを、絶縁距離が確保できる程度に大きくすることによって、管105自体の厚さを薄くすることが可能となる。
(第6の実施形態)
図6(a)は本実施形態の平面型放電管106の正面図、図6(b)は図6(a)におけるX−X断面図である。本実施形態において、主要な構成要素に関しては、第5の実施形態とほぼ同様であるので、それに関する説明を省略し、本実施形態の特徴である構成要素の異なる部分について説明する。
本実施形態においては、第5の実施形態の構成に加えて、蓋体13の凹部13bをガラス平板22で覆い、その凹部13bとガラス平板22とをその周縁においてガラス接着剤22aで封着して接合している。このような構成にすると、透明電極18の保護が可能となるとともに、平面型放電管106全体の強度を上げることが可能となり、ひいては管106の割れを防止することができる。また、誤って平面型放電管106の外面を触れても感電しないという効果も奏する。
(その他の応用例等)
なお、本発明は、上記実施形態に限定するものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で様々な応用が可能である。以下に列挙して説明する。
・ 第5の実施形態においては、蓋体13において凹部を設けているが、箱体12の底部14の外面側にこれを設けるようにしても良いし、上下両面を同様な構成としてもかまわない。これによって、第5の実施形態と同様の効果を奏する。
・ 第6の実施形態においては、蓋体13片面をガラス平板で覆うようにしたが、箱本体12の底部14の外面(下面)を同様な構成としてガラス平板で覆うようにしても良い。これによって、第6の実施形態と同様の効果を奏する。
・ 上述した各実施形態において、両放電電極のいずれも透明電極としたが、発行面でない片面を従来と同様(図7参照)、不透明な金属電極としても良い。
・ 各実施形態における誘電体平板等(箱体12,蓋体13,管枠体15c等)の材質はガラスに限定されない。例えば、誘電性の鉱物である石英、マイカや大理石等、あるいは、誘電性の合成樹脂であるポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、または塩化ビニル樹脂等により形成してもよい。
本発明の平面型放電管の第1の実施形態であって、(a)は正面図、(b)は(a)のX−X断面図である。 本発明の平面型放電管の第2の実施形態であって、(a)は正面図、(b)は(a)のX−X断面図である。 本発明の平面型放電管の第3の実施形態であって、(a)は正面図、(b)は(a)のX−X断面図である。 本発明の平面型放電管の第4の実施形態であって、(a)は正面図、(b)は(a)のX−X断面図である。 本発明の平面型放電管の第5の実施形態であって、(a)は正面図、(b)は(a)のX−X断面図である。 本発明の平面型放電管の第6の実施形態であって、(a)は正面図、(b)は(a)のX−X断面図である。 従来の平面型放電管の実施形態であって、(a)は外観斜視図、(b)は正面図、(c)は(b)のX−X断面図である。
符号の説明
101,102,103,104,105,106・・・平面型放電管、11・・・筐体、12・・・箱本体、13・・・蓋体、13a・・・蓋体延設部、13b・・・凹部、13c・・・蓋体側壁部、14・・・箱本体12の底部、14a、14b・・・ガラス基板、15・・・箱本体12の側壁部、15a・・・ガラス接着剤、15b・・・側壁周縁延設部、15c・・・管枠体、15d・・・管枠体周縁延設部、15e・・・管周縁被覆部、16・・・放電空間、17・・・蛍光体膜、18、19・・・透明電極、20a、20b・・・導電性接着剤,21a、21b・・・リード線、22・・・ガラス平板。

Claims (5)

  1. 前面誘電体平板及び背面誘電体平板を対向配置させ、放電ガスを封入した放電空間を両誘電体平板間に設けると共に、前記放電空間に放電させるための一対の放電電極を前記両誘電体平板のそれぞれの外面に設けた平面型放電管において、
    前記両誘電体平板のいずれか一方の誘電体平板の周縁に、全周外側へ向かって延設される誘電体平板延設部を設けた、
    ことを特徴とする平面型放電管。
  2. 前面誘電体平板及び背面誘電体平板を対向配置させ、放電ガスを封入した放電空間を両誘電体平板間に設けると共に、前記放電空間に放電させるための一対の放電電極を前記両誘電体平板のそれぞれの外面に設けた平面型放電管において、
    前記両誘電体平板の間に設けられ、前記放電空間の周囲に立設された管側壁部に、全周外側へ向かって延設される管側壁延設部を設けた、
    ことを特徴とする平面型放電管。
  3. 前面誘電体平板及び背面誘電体平板を対向配置させ、放電ガスを封入した放電空間を両誘電体平板間に設けると共に、前記放電空間に放電させるための一対の放電電極を前記両誘電体平板のそれぞれの外面に設けた平面型放電管において、
    前記両誘電体平板の間に設けられ、前記放電空間の周囲に立設された管側壁部と一体にして形成され、全周に亘って管側壁を覆う管側壁被覆部を設けた
    ことを特徴とする平面型放電管。
  4. 前面誘電体平板及び背面誘電体平板を対向配置させ、放電ガスを封入した放電空間を両誘電体平板間に設けると共に、前記放電空間に放電させるための一対の放電電極を前記両誘電体平板のそれぞれの外面に設けた平面型放電管において、
    前記両誘電体平板のいずれか一方の外面の略中央部には、前記放電空間の発光面と同面積以上の底面を有する凹部を設け、該凹部内の底面に前記放電電極を設けた、
    ことを特徴とする平面型放電管。
  5. 前記凹部を誘電体平板で覆い、該凹部と該誘電体平板とをその周縁において接合した、ことを特徴とする請求項4に記載の平面型放電管。
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